説明

耐圧防爆機器

【課題】構造が簡潔にでき、操作性が良好なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)が出来る耐圧防爆機器を提供する。
【解決手段】内部の電気火花により可燃性ガスに引火しても外部へ火炎を漏らさずに誘爆を防ぐ耐圧防爆機器において、前記耐圧防爆機器本体ケースに設けられたQRコード(登録商標)読み取り部と、前記耐圧防爆機器本体ケース内に設けられ前記QRコード(登録商標)読み取り部を介してQRコード(登録商標)を読み取るCCD部と、このCCD部で読み取った信号を受け取るQRコード(登録商標)識別部とを具備した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐圧防爆機器に関するものである。
更に詳述すれば、耐圧防爆機器のキー操作部分に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の耐圧防爆機器は耐圧防爆構造を維持した状態で、機器を操作する必要があるために、下記のような方式を採用している。
【0003】
図4は従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図で、キー操作にメカニカルスイッチを使う場合である。
図において、1はプリント基板、2はプリント基板1に取り付けられたプッシュスイッチ、3はプッシュスイッチ2に取り付けられたシャフト、4は耐圧防爆機器の容器の壁である。
【0004】
以上の構成において、耐圧防爆機器の容器の壁4に配置されたシャフト3を通して、耐圧防爆機器の内部のプッシュスイッチ2を押すことで耐圧防爆機器を操作する。
【0005】
図5は従来より一般に使用されている他の従来例の要部構成説明図で、キー操作に光スイッチを使う場合である。
図において、11はプリント基板、12はプリント基板11に取り付けられた光スイッチ、13は耐圧防爆機器の容器の壁14に設けられたガラスである。
以上の構成において、ガラス13を通して、指の光反射で光スイッチを動かすことで耐圧防爆機器を操作する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平01−060318号公報
【特許文献2】実開平03−020478号公報
【特許文献3】実開平04−102528号公報
【特許文献4】実開平07−029724号公報
【特許文献5】特開2001−229763号公報
【特許文献6】特開2002−313178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このような装置においては、以下の問題点がある。
シャフトを使用するプッシュスイッチ方式は、耐圧防爆構造を維持しなければならないので、機構が複雑になる。
光スイッチを使用すると、誤動作、操作感が悪い等の操作性が悪い。ハードが非防爆機器に対して大きく変わる。
【0008】
本発明の目的は、上記の課題を解決するもので、構造が簡潔にでき、操作性が良好なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)が出来る耐圧防爆機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を達成するために、本発明では、請求項1の耐圧防爆機器においては、
内部の電気火花により可燃性ガスに引火しても外部へ火炎を漏らさずに誘爆を防ぐ耐圧防爆機器において、前記耐圧防爆機器本体ケースに設けられたQRコード読み取り部と、前記耐圧防爆機器本体ケース内に設けられ前記QRコード読み取り部を介してQRコードを読み取るCCD部と、このCCD部で読み取った信号を受け取るQRコード識別部とを具備したことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2の耐圧防爆機器においては、請求項1記載の耐圧防爆機器において、
QRコード読み取り部は光学レンズが使用されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1によれば、次のような効果がある。
耐圧防爆機器において、構造が簡潔にでき、操作性が良好なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)が出来る耐圧防爆機器が得られる。
本体機器に、QRコード読み取り機構を追加すればよく、内部回路は非防爆機器とほとんど共通化できるので、安価な耐圧防爆機器が得られる。
【0012】
手が汚れている、あるいは手袋をしている等のように機器に直接触れて操作できない場合に、機器の操作を確実に操作できる耐圧防爆機器が得られる。
QRコードを使用しなければならないので、セキュリティ効果が確保できる耐圧防爆機器が得られる。
【0013】
本発明の請求項2によれば、次のような効果がある。
QRコード読み取り部は光学レンズが使用されたので、占有面積を小さく出来、耐圧防爆に好適な耐圧防爆機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例の要部構成説明図である。
【図2】図1の要部詳細構成説明図である。
【図3】図1の動作説明図である。
【図4】従来より一般に使用されている従来例の要部構成説明図である。
【図5】従来より一般に使用されている他の従来例の要部構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下本発明を図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例の要部構成説明図で、防爆型ジルコニア酸素計に使用された例を示す。図2は図1の要部詳細説明図、図3は図1の動作説明図である。
図において、図4と同一記号の構成は同一機能を表す。
以下、図4との相違部分のみ説明する。
【0016】
図1,図2において、QRコード読み取り部22は、耐圧防爆機器本体ケース21に設けられている。
この場合は、QRコード読み取り部22は光学レンズが使用されている。
CCD部23は、耐圧防爆機器本体ケース21内に設けられ、QRコード読み取り部22を介してQRコードを読み取る。
【0017】
QRコード識別部24は、CCD部23で読み取った信号を受け取る。
なお、QRコード識別部24からの信号は、耐圧防爆機器内の制御回路(図示せず)に送られ、耐圧防爆機器が動作されることになる。
【0018】
以上の構成において、たとえば、図3に示す如く、耐圧防爆機器に添付付属させたQRコード生成ソフト31によって、設定項目や実行項目をQRコード化し、プリントアウトする。
QRコードには、例えば、耐圧防爆機器の一連の操作のコマンドが入れられる。
プリントアウトしたQRコードを、QRコード読み取り部22で読み込ませ、耐圧防爆機器の操作を実行させる。
【0019】
この結果、耐圧防爆機器において、構造が簡潔にでき、操作性が良好なHMI(ヒューマン・マシン・インターフェイス)が出来る耐圧防爆機器が得られる。
本体機器に、QRコード読み取り機構を追加すればよく、内部回路は非防爆機器とほとんど共通化できるので、安価な耐圧防爆機器が得られる。
【0020】
手が汚れている、あるいは手袋をしている等のように機器に直接触れて操作できない場合に、機器の操作を確実に操作できる耐圧防爆機器が得られる。
QRコードを使用しなければならないので、セキュリティ効果が確保できる耐圧防爆機器が得られる。
QRコード読み取り部22は光学レンズが使用されたので、占有面積を小さく出来、耐圧防爆に好適な耐圧防爆機器が得られる。
【0021】
なお、以上の説明は、本発明の説明および例示を目的として特定の好適な実施例を示したに過ぎない。
したがって本発明は、上記実施例に限定されることなく、その本質から逸脱しない範囲で更に多くの変更、変形をも含むものである。
【符号の説明】
【0022】
1 プリント基板
2 プッシュスイッチ
3 シャフト
4 容器の壁
11 プリント基板
12 光スイッチ
13 ガラス
14 容器の壁
21 耐圧防爆機器本体ケース
22 QRコード読み取り部
23 CCD部
24 QRコード識別部
31 QRコード生成ソフト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部の電気火花により可燃性ガスに引火しても外部へ火炎を漏らさずに誘爆を防ぐ耐圧防爆機器において、
前記耐圧防爆機器本体ケースに設けられたQRコード読み取り部と、
前記耐圧防爆機器本体ケース内に設けられ前記QRコード読み取り部を介してQRコードを読み取るCCD部と、
このCCD部で読み取った信号を受け取るQRコード識別部と
を具備したことを特徴とする耐圧防爆機器。
【請求項2】
QRコード読み取り部は光学レンズが使用されたこと
を特徴とする請求項1記載の耐圧防爆機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−41360(P2011−41360A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−184190(P2009−184190)
【出願日】平成21年8月7日(2009.8.7)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.QRコード
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】