説明

耐水性装置及び耐水性スナップファスナー

【課題】スナップファスナーの取付けられ生地の一方側から反対側に水、湿気その他の液体が浸入するのを防止できる耐水性スナップファスナーを提供することである。
【解決手段】スナップファスナーは、生地又は下層に取り付けられており、当該生地又は下層の一方側から他方側へ水が浸入するのを防止する。耐水性スナップファスナーは、当該生地への取付が確実に維持されるとともに、当該スナップファスナーが取り付けられている生地を通して水が浸入するのを防止する。耐水性スナップファスナーは、半径方向にオフセットした円形パターンで配された把持突起部を有しており、当該把持突起部は、生地を刺通しない。又、半径方向にオフセットした円形パターンの把持突起部は、生地を確実に把持し、スナップファスナーを生地上の適切な位置に保持するのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、スナップファスナーに関するものである。具体的に言うと、耐水性のスナップファスナーに関するものである。本発明の色々な実施例において、スナップファスナーは、半径方向パターンの円形状の把持突起部を有しており、当該把持突起部が、スナップファスナーの領域において生地又は下層を確実に把持するとともに、生地又は下層の一方側から反対側まで水の浸入に対して抵抗するのである。本発明の実施例は、耐水性の生地又は下層とともに使用される場合に特に有益である。当該スナップファスナーは、水の浸入に対して有効な抵抗力を提供することが出来るとともに、耐水性生地又は下層に対するスナップファスナーの有効な把持力を維持することが出来るのである。本発明は、又、耐水性スナップファスナーを製造及び使用する方法のような方法に関するものである。
【0002】
水、液体の浸入に対する耐水性は、スナップファスナーが水、湿気その他の液体と接触する例えば軍事用途その他のアウトドア用途に使用されるスナップファスナーに望まれるべきである。ここで、水の浸入とは、生地の一方側から水、湿気その他の液体が浸入することであり、この場合、スナップファスナーは、当該生地の反対側に取り付けられる。
【背景技術】
【0003】
水の浸入に抵抗することが出来るスナップファスナーは今までも存在した。しかし、水の浸入に抵抗することが出来る従来のスナップファスナーは、未だ改良し得るのである。
【0004】
図1乃至図5は、水の浸入に対して抵抗力のある従来のスナップファスナー10を示している。図1に関して、従来のスナップファスナーアッタチメントは、キャップ即ちスナップトップ12と、雌部材即ちソケット14と、雄部材即ちスタッド16と、もう一つのキャップ即ちスナップトップ12とからなる。当該スナップファスナーアッタチメント10は、一般的なスナップファスナー製品におけると同様、部材が係合するためにスプリングアクション機能を必要とする。このスプリングアクションは、例えば、スタッド16に設けられたスプリングアクション係合部18によって、そして/又はソケット14に設けられたスプリングアクション係合部20によって提供することが出来る。スプリングアクション係合部は、ソケット14又はスタッド16(これら二つの部材を集合的に協働部材という。)のいずれか一方に又は両方に設けることも出来る。次に、図2乃至図5に関して述べるが、スナップトップ12がソケット14に係合する際、生地22が、スナップトップ12とソケット14との間に配される。同様に、スナップトップ12がスタッド16と係合する時は、生地22は、スナップトップ12とスタッド16との間に配される。
【0005】
図2に関してであるが、スタッド16、スナップトップ12及び生地22の取付前の位置が示されている。ソケット14の取付前の位置は、図2に示されているスタッド16の取り付け前の位置と同じである。図3は、生地22を貫通し、スタッド16と係合しているスナップトップ12のポスト24を示している。図4は、上側取付ダイ26と下側取付ダイ28によって挟持されたスナップトップ12とスタッド16とを示している。スナップトップ12とスタッド16とを生地22に取り付けるために上側取付ダイと下側取付ダイ26,28によってポスト24が変形される。スナップトップ12とソケット14は、スナップトップ12とスタッド16とが生地に取付けられるのと同様に、生地22に取り付けられる。図5は、スタッド16とソケット14が生地22に取り付けられた後、スタッド16とソケット14(即ち、協働部材)を係合するために配される同一線上の位置関係を示している。
【0006】
図1乃至5のスナップファスナーアッタチメントは、スタッド16とスナップトップ12又はソケット14とスナップトップ12の対向する平坦な面の間に生地22を押圧することによって耐水性生地22に取り付けた時に水の浸入に対する一定の抵抗力を提供することが出来る。しかしながら、このような対向する平坦な面は、弱い生地把持力しか持たない。また、耐水性生地に取り付けられるスナップファスナーは、耐水性を上げるために生地面に対してプラスチック製又はゴム製のワッシャーを配することもよくある。しかし、ワッシャーは、補足的な部品であり、補足的な部品を配することに伴い、補足的な製造工程を必要とし、それだけ製造コストがかさむのである。
【0007】
生地に取り付けられたスナップファスナーは、回転又は横方向への移動することがなく、取り付けられた位置に持続して位置することが好ましい。このような要請は、図1乃至5のスナップファスナー、金属製スナップファスナー、金属とプラスチックの複合スナップファスナーなどを含む色々なスナップファスナーに広く認められる。
【0008】
図1乃至5のスナップファスナーアッタチメント10のような通常のスナップファスナーは、生地22に対して回転又は、生地22に対してスライド(即ち、横方向への移動)をする傾向がある。生地22に取り付けられたスナップトップ12とソケット14及び生地22に取り付けられたスナップトップ12とスタッド16は、スプリングバック現象や、スナップファスナーの幾何学的許容寸法や、スナップファスナーの取付力の不均一性によって、生地に対して回転そして/又は横方向への移動をする傾向がある。これらの移動は、スナップトップ12,12のポスト24が生地22に貫通するときに作られる生地の穴の拡大を招くのである。穴の拡大は望ましくなく、スナップファスナーアタッチメント10が生地22から外れる虞もある。また、穴の拡大によって、水その他の液体が生地22の一方側から他方側に容易に滲入する虞もある。
【0009】
次に図6及び図7について述べるが、従来のスナップファスナーの回転及びスライドの問題を取り扱う試みの一つとして、スナップファスナーの把持力を上げるためにスナップファスナー面の一つ以上に生地2を貫通するいくつかの把持ピン30を配することがある。図7は、生地22に把持ピン30が係合されて取り付けられたスナップファスナースタッド32を示している。把持ピン30は、絹、綿及びニット地のような生地22を把持する把持力を改良することが出来る。しかし、把持ピン30を備えたスナップファスナーが耐水性生地22に取り付けられると、把持ピン30が生地22を刺通し、貫通さえする傾向があるので、生地22を損傷するのである。把持ピン30が刺通した生地22の領域を通って水、湿気その他の液体が浸入する虞があり、これは、耐水性生地22の目的に反するのである。即ち、把持ピン30は把持力を増大する可能性はあるが、同時に耐水性を低下させるおそれがある。耐水性の生地22を刺通する把持ピン30によって作られる穴の欠点を防ぐため、水の浸入に対する抵抗力を維持するため、スナップトップ34のポスト24にプラスチック又はゴム製のワッシャーを配することも可能である。しかし、上で述べたように、ワッシャーの使用は望ましくないのである。図7に見られるように、スタッド32の把持ピン30及びスナップトップ34の把持ピン30とは、中心線から同一の半径方向の距離(半径距離)で配されている。又、把持ピンは、ピン状の形を呈している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、従来のスナップファスナー、特に、水の浸入に対する抵抗を意図したスナップファスナーは、色々な問題にあり、改良する余地があるのである。従って、上に述べた理由その他の理由によって、スナップファスナーを改良する必要性が存在するのである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、スナップファスナーが生地または下層の反対側に取付けられている生地の一方側からの水の浸入に抵抗する即ち防止する新しいスナップファスナーを提供している。本発明の耐水性スナップファスナーの実施例は、生地を刺通しない半径方向にオフセットしたパターンで円形状に配された把持突起部を備えている。また、半径方向にオフセットしたパターンで円形状に配された把持突起部は、生地を把持し、そして、生地上の適切な位置においてスナップファスナーを保持する。
【0012】
本発明のスナップファスナーは、スナップファスナーが水、湿気その他の液体と接触するような用途において特に有益である。この耐水性スナップファスナーは、水、湿気その他の液体の滲入の防止が要求される軍事用、アウトドア用その他の用途に使用することが出来る。この耐水性スナップファスナーは、水、湿気その他の液体に対する抵抗力のあるプラスチック材料で作られてもよい。もちろん、この耐水性スナップファスナーは、金属材料のような他の材料で作ることも出来るのである。
【0013】
本発明の一つの実施例において、耐水性装置は、生地に取付けることが可能であり、相手方のスナップファスナー部材と解離自在に係合することができるのである。この耐水性装置は、第1側に係合部分を有し、相手側のスナップファスナー部材と解離自在に係合することが出来る第1部分を備えている。この第一部分は、第1側の反対側に生地接触側を有している。第1部材の生地接触側には複数の第1生地把持突起部が設けられている。当該第1生地把持突起部は、非生地刺通突起部(即ち、生地を刺通しない突起部)である。第2部材は、第1部材と係止することが可能であり、生地接触側を有している。第2部材の生地接触側には、複数の第2生地把持突起部が設けられている。第2生地把持突起部は、非生地刺通突起部である。複数の第1及び第2生地把持突起部は、互いからオフセットして配されており、これによって、当該耐水性装置が使用された際に、第1及び第2部材は、第1及び第2生地把持突起部が生地を刺通することなく生地を第1及び第2部材の間に挟持して互いに係止される。
【0014】
当該複数の第1生地把持突起部は、耐水性装置の中心の周囲に円形状のパターンで配されても良い。当該複数の第2生地把持突起部は、耐水性装置の中心の周囲に円形状のパターンで配され、複数の第1生地把持突起部から半径方向にオフセットして配されても良い。
【0015】
複数の第1生地把持突起部は、複数の第2生地把持突起部の中心からの半径距離よりも大きい半径距離だけ、その中心から離れて配されていてもよい。複数の第1生地把持突起部の隣接する個々の第1生地把持突起部は、一定のギャップだけ円周方向に互いから離隔してもよい。そして、個々の第1生地把持突起部は、ギャップの長さよりも長い長さを有しても良い。
【0016】
複数の第2生地把持突起部の隣接する個々の第2生地把持突起部は、一定のギャップだけ円周方向に互いから離隔してもよい。そして、個々の第2生地把持突起部は、ギャップの長さよりも長い長さを有しても良い。
【0017】
第1部材は、スナップファスナースタッドであってもよいし、又、スナップファスナーソケットであってもよい。第2部材は、スナップトップであってもよい。
【0018】
第1部材と第2部材は、プラスチック製であってもよい。
【0019】
複数の第1及び第2生地把持突起部の少なくとも一つは、三角形断面を有しても良い。当該三角形状の第1辺は、夫々の第1部材又は第2部材における三角形状の底辺であり、第1辺の反対側に三角形状の頂点があり、当該三角形状の第2辺は、約45度未満の角度Yをその頂点に形成しており、当該三角形状の第3辺は、約45度の角度Xをその頂点に形成している。第1生地把持突起部の角度Yを有する三角形状の第2辺は、第2生地把持突起部の角度Yを有する三角形状の第2辺に対面しても良い。
【0020】
本発明の別の実施例においては、耐水性装置は、生地に取付けることが可能であり、相手方のスナップファスナー部材と解離自在に係合することが出来るのである。耐水性装置は、本体の第1側に相手方のスナップファスナー部材と解離自在に係合可能な係合部と、当該第1側の反対側にある生地接触側を備えた本体を有する耐水性スナップファスナー部材を持っている。当該スナップファスナー部材の本体の生地接触側には、複数の第1生地把持突起部が設けられている。当該第1生地把持突起部は、非生地刺通突起部である。耐水性スナップトップが当該耐水性スナップファスナー部材に係止可能であり、生地接触側を備えた本体を有している。スナップトップの本体の生地接触側には、複数の第2生地把持突起部が設けられている。当該第1生地把持突起部は、非生地刺通突起部である。複数の第1及び第2生地把持突起部は、互いからオフセットされており、これによって、耐水性装置の使用の際に、耐水性スナップファスナー部材と耐水性スナップトップは、第1及び第2生地把持突起部が生地を刺通することなく耐水性スナップファスナー部材と耐水性スナップトップとの間に生地を挟持して互いに係止するのである。
【0021】
複数の第1生地把持突起部は、耐水性装置の中心の周囲に円形パターンで配されていても良い。複数の第2生地把持突起部は、耐水性装置の中心の周囲に円形パターンで配されていても良く、複数の第1生地把持突起部から半径方向にオフセットされている。
【0022】
複数の第1生地把持突起部は、複数の第2生地把持突起部の中心からの半径距離よりも大きい半径距離で、その中心から離れて配されていてもよい。
【0023】
複数の第1生地把持突起部の隣接する個々の第1生地把持突起部は、第1ギャップだけ円周方向に互いから離隔してもよい。そして、個々の第1生地把持突起部は、第1ギャップの長さよりも長い長さを有しても良い。複数の第2生地把持突起部の隣接する個々の第2生地把持突起部は、第2ギャップだけ円周方向に互いから離隔してもよい。そして、個々の第2生地把持突起部は、第2ギャップの長さよりも長い長さを有しても良い。
【0024】
複数の第1及び第2生地把持突起部は、三角形断面を有しても良い。当該三角形状の第1辺は、夫々のスナップファスナー部材又はスナップトップの本体における三角形状の底辺であり、第1辺の反対側に当該三角形状の頂点があり、当該三角形状の第2辺は、約45度未満の角度Yをその頂点に形成しており、当該三角形状の第3辺は、約45度の角度Xをその頂点に形成している。第1生地把持突起部の角度Yを有する三角形状の第2辺は、第2生地把持突起部の角度Yを有する三角形状の第2辺に対面している。
【0025】
別の実施例においては、耐水性スナップファスナーは、生地に取付可能であって、第1側にソケット係合部と当該第1側の反対側に生地接触側とを備えたスタッドを有する。スタッドの生地接触側には、複数の第1生地把持突起部が設けられており、これらの第1生地把持突起部は、概ね円形パターンで配されている。第1生地把持突起部は非生地刺通突起部である。使用に際しては、スタッドには第1スナップトップを係止することができ、その際、これらの間には、生地が挟持される。第1スナップトップは、生地接触側を有している。第1スナップトップの生地接触側には、複数の第2生地把持突起部が設けられており、これらの第2生地把持突起部は、概ね円形のパターンで配されている。第2生地把持突起部は、第1生地把持突起部から半径方向にオフセットしており、非生地刺通突起部である。ソケットは、第1側にスタッド係合部と、第1側の反対側に生地接触側を有している。スタッドとソケットは、互いに解離自在に係合可能である。ソケットの生地接触側には、複数の第3生地把持突起部が設けられており、概ね円形パターンで配されている。第3生地把持突起部は、非生地刺通突起部である。使用に際して、第2スナップトップは、ソケットに係止可能であり、その際、第2スナップトップとソケットとの間に生地を挟持している。第2スナップトップは、生地接触側を有している。複数の第4生地把持突起部が第2スナップトップの生地接触側に設けられており、概ね円形のパターンで配されている。第4生地把持突起部は、第3生地把持突起部から半径方向にオフセットされており、第4生地把持突起部は、非生地刺通突起部である。
【0026】
本発明の実施例は、色々な特徴を有し、色々な効果を達成することが出来る。本発明のこれらの特徴と効果は求められても良いが、本発明の実施に必ずしも必要ではない。
【発明の効果】
【0027】
本発明の効果は、新しいスナップファスナーを提供することである。
本発明の更なる効果は、耐水性のスナップファスナーを提供することである。本発明の別の効果は、スナップファスナーが生地に取付けられている領域において生地の一方側から生地の反対側に水、湿気その他の液体が浸入するのを妨げ又は防止することである。
【0028】
本発明の更なる効果は、プラスチックスナップファスナーのようなスナップファスナーと生地の間に耐水シールを提供することである。
また、他の効果は、耐水性スナップファスナーを製造及び使用する新しい方法を提供することなどである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明による耐水性スナップファスナーの一例が図8乃至図12に示されている。当該耐水性スナップファスナーは、スタッド36(図8(a)及び図8(b))と、ソケット38(図9(a)及び図9(b))と、一対のスナップトップ40(図10(a)及び図10(b))とからなる。即ち、スタッド36とソケット38について一つづつのスナップトップ40が配される。耐水性スナップファスナーは、生地の一方側からの水の浸入に抵抗し、これを防止するものである。この場合、耐水性スナップファスナーは、生地の反対の側に取り付けられている。耐水性スナップファスナーは、生地に対する確実な保持力を維持している。”生地”という文言は、本明細書の中で頻繁に使われるけれども、一般的に使用されるものであり、他の下層、シートその他のシート状材料をも含むものである。本発明による耐水性スナップファスナーは耐水性生地とともに使用されることが好ましい。
【0030】
図8(a)は、耐水性スナップファスナーのスタッド36を示す平面図であり、図8(b)は、当該スタッド36の断面図である。図9(a)は、耐水性スナップファスナーのソケット38を示す平面図であり、図9(b)は、当該ソケット38の断面図である。図10(a)は、耐水性スナップファスナーのスナップトップ40を示す平面図であり、図10(b)は、当該スナップトップ40の断面図である。図11は、生地その他の下層42に取り付けられたスタッド36とスナップトップ40を示す断面図である。図12は、図11の拡大図であり、スタッド36が省略され、スナップトップ40が生地その他の下層42に係合されている状態を示している。
【0031】
図8(a)及び図8(b)に関してであるが、耐水性スナップファスナーのスタッド36は、環状フランジ本体44を有している。概ね円筒状のスプリングアクション係合部46が、環状フランジ本体44のソケット係合側48において、当該環状フランジ本体44から軸方向に延びている。環状フランジ本体44は、スナップトップトップ40(図10(a)及び図10(b))のポスト52を収容するため中心穴50を有している。環状フランジ本体44は、穴50の周囲において、当該環状フランジ本体44の生地側56方向に軸方向にオフセットしている縁部54を有している。スタッド36は、以下に詳細に説明する把持突起部58を生地側56に有している。
【0032】
図9(a)及び図9(b)に関してであるが、耐水性スナップファスナーのソケット38は、スナップトップ40(図10(a)及び図10(b))のポスト52を収容するため中心穴62を備えた環状本体60を有している。環状本体60は、穴62の周囲において、当該環状本体60の生地側66方向に軸方向にオフセットしている縁部64を有している。環状本体60は、当該環状本体60のスタッド係合側70に軸方向において概ね円周状のスプリングアクション係合部68を有している。ソケット38は、生地側66に以下に詳細に説明する把持突起部72を有している。
【0033】
耐水性スナップファスナーのスタッド36とソケット38は、解離自在にスナップ係合することができる。更に具体的に言うと、スタッド36とソケット38のスプリングアクション係合部46,68は、互いに対して弾性的に係合し、解離することが出来る。スタッド36のスプリングアクション係合部46は、ソケット38のスプリングアクション係合部46の内径に合わせて外径を有しており、弾性スプリングアクション係止することを考慮している。スタッド36のスプリングアクション係合部46上に設けられた外方を向いている環状突起部74は、スタッド36とソケット38が係合し解離する際に、ソケット38のスプリングアクション係合部68上に設けられた環状突起部74に対応する内方に向いている環状突起部76を通過して弾性的にスライドする。
【0034】
図10(a)及び図10(b)に関してであるが、スナップトップ40は、生地側80を有する環状フランジ本体78を有している。環状フランジ本体78の生地側80からポスト52が軸方向に延びている。スナップトップ40も、生地側80に、以下に詳細に説明する把持突起部82を備えている。スナップトップ40は、取付済みタイプの部材である。しかし、本発明は、他の適切なスナップトップを使用して実施することも出来る。
【0035】
図8乃至図12を参照して、本発明の顕著な特徴である把持突起部58,72,82を以下に詳細に説明する。把持突起部58,72,82は、スタッド36 (図8(a)及び図8(b))、ソケット38(図9(a)及び図9(b))、スナップトップ40(図10(a)及び図10(b))の生地側56,66,80に配された半径方向パターンの円形状の把持突起部である。把持突起部58,72,82の半径状パターンの把持突起部58,72,82は、生地42の把持力を増大し、取付けられた耐水性スナップファスナーが生地42上で回転し又はスライドすることを防止し、生地42に耐水性シールを作るために特別のパターンで配されている。幾何学的に言うと、スタッド36の半径方向パターンの把持突起部58とソケット38の半径方向パターンの把持突起部72は同一である。しかし、スタッド36とソケット38の半径方向パターンの把持突起部58,72は、スナップトップ40の半径方向パターンの把持突起部82からは、半径方向でオフセットされている。このように把持突起部が半径方向にオフセットした(位置的にずれている)構造または配置であるので、協働する把持突起部は、生地42を確実に把持し、耐水シールを形成するため互いに協働することが出来るのである。生地42を確実に把持し、耐水シールを形成するため、スタッド36の把持突起部58は、一方のスナップトップ40の把持突起部82と協働し、そして、ソケット38の把持突起部72は、他方のスナップトップ40の把持突起部82と協働するのである。
【0036】
図11及び図12に関してであるが、図11は、スナップトップ40と係合し生地42に取付けられているスタッド36を示している。図12は、図11の拡大図を示しており、生地42と係合しているスナップトップ40の把持突起部82の一例を示すためにスタッド36が省略されている。図11及び図12に示されたスタッド36、スナップトップ40及び生地42の配列と係合の仕方は、ソケット38、スナップトップ40及び生地42の配列と係合の仕方と同一である。
【0037】
図12に関してであるが、把持突起部82は、断面が三角形状をしている。当該三角形の第1辺は、スナップトップ40上にある三角形状の底辺である。当該三角形の頂点は、当該三角形の第1辺と反対側にある。当該三角形の第2辺は、その頂点において、角度Yを形成し、三角形の第3辺は、頂点において、角度Xを形成している。以上、図12を参照にして、スナップトップ40の把持突起部82の断面三角形状の第1辺乃至第3辺及び角度X,Yのみを説明したが、図8乃至図12から容易に判るように、上記の説明は、スタッド36とソケット38の夫々の把持突起部58と72の三角形状の第1辺乃至第3辺及び角度X,Yについても適用される。そして、スナップトップ40の角度Yを有する三角形状の第2辺は、スタッド36又はソケット38の角度Yを有する三角形状の第2辺に面している。好ましい角度Yは、45度未満であり、そして、好ましい角度Xは、約45度である。生地42は、半径方向の空隙fc1,fc2,fc3及びfc4の間で把持突起部82,58によって刺通されることなく押圧される。これらの空隙fc1,fc2,fc3及びfc4を詳しく説明すると、空隙fc1は、スタッド36の縁部54又はソケット38の縁部64と、ポスト52近傍のスナップトップ40の環状フランジ部78との間に形成される。空隙fc2は、スタッド36の把持突起部58の第2辺又はソケット38の把持突起部72の第2辺と、スナップトップ40の把持突起部82の第2辺との間に形成される。空隙fc3は、スタッド36の縁部54又はソケット38の縁部64と、スナップトップ40の把持突起部82の第3辺との間に形成される。空隙fc4は、スタッド36の環状フランジ44の外周縁部又はソケット38の環状本体60の外周縁部と、スナップトップ40の環状フランジ本体78の外周縁部との間に形成される。このように、生地42が半径方向の空隙fc1,fc2,fc3及びfc4の間で把持突起部82,58によって刺通されることなく押圧されることによって、耐水性スナップファスナーが生地42に対して回転しスライドすることが効果的に排除される。fc1の空隙は、fc2,fc3及びfc4の空隙よりも小さくすることが出来る。スタッド36の把持突起部58の第2辺は、その第3辺よりもスタッド36の半径方向内側に位置し、同様に、ソケット38の把持突起部72の第2辺は、その第3辺よりもソケット38の半径方向内側に位置する。他方、スナップトップ40の把持突起部82の第2辺は、その3辺よりもスナップトップ40の半径方向外側に位置する。
【0038】
半径パターンの生地把持突起部58,72,82は、生地42を刺通しない。むしろ、半径パターンの把持突起部58,72,82は、生地42が半径パターンの把持突起部58,72,82の周囲を包囲するような構造になっている。生地42を通る水の浸入に対する抵抗力が維持される一つの理由は、半径パターンの把持突起部58,72,82が生地42を刺通していないためである。
【0039】
図8乃至図10に関してであるが、半径パターンの把持突起部58,72,82は、円周上を連続して延びていない。むしろ、夫々の個々の把持突起部58,72,82の間には、ギャップ84(図8(a)及び図8(b))、ギャップ86(図9(a)及び図9(b))及びギャップ88(図10(a)及び図10(b))が存在する。換言すると、隣接する個々の把持突起部は、これらのギャップによって、夫々から円周方向に離隔しているのである。図8(a)に示されているように、スタッド36の夫々の個々の把持突起部58は、ギャップ84の長さ1cよりも長い長さ1dを有している。図9(a)に示されているように、ソケット38の夫々の個々の把持突起部72は、ギャップ86の長さ2cよりも長い長さ2dを有している。図10(a)に示されているように、スナップトップ40の夫々の個々の把持突起部82は、ギャップ88の長さ3cよりも長い長さ3dを有している。個々の把持突起部58,72,82の長さ1d,2d,3dは、夫々ギャップ84,86,88の長さ1c,2c,3cよりも長くすべきである。
【0040】
把持突起部58,72,82の一つの効果は、当該耐水性スナップファスナーが生地42に対して耐水性シールを有しているということである。図1乃至図5の従来のスナップファスナー10に関して言うと、スタッド16は、スナップトップ12のポスト24のために穴90を有し、ソケット14は、スナップトップ12のポスト24のために穴92を有している。スタッド16とソケット14は、これら夫々のポスト穴90,92の周囲に隆起した縁部94,96を夫々有している。スタッド16又はソケット14がそのスナップトップ12に係合する際、スナップトップ12のポスト24,24とスタッド16とソケット14の穴90,92の周囲の縁部94,96との間のスペースは、かなりタイトであり、穴90,92は、取り付けられている間に通常大きくなるのである。拡大した穴90,92は、生地22を通して漏水を招くのである。しかし、本発明の耐水性スナップファスナーの実施例は、穴が拡大するような問題は生じないので、これに伴う水の浸入の問題も生じないのである。
【0041】
図8乃至図12に関して、半径方向にオフセットしたパターンの円形状の把持突起部58,72,82は、組み合わされたスタッド36、生地42及びスナップトップ40と、組み合わされたソケット38、生地42とスナップトップ40の力を変化させる。これらの力は、力の変化が無い場合には、スタッド36とソケット38内の穴50,62を拡大する傾向がある。オフセットされたパターンの円形状の把持突起部58,72,82によってスタッド36の隆起した縁部54又はソケット38の隆起した縁部64に発生した力は、スタッド36の穴50又はソケット38の穴62の幾何学的形状を変更させない、即ち、穴50,62は、拡大しないのである。従って、スタッド36又はソケット38における拡大穴50,62による水の浸入は生じないのである。又、スタッド36がスナップトップ40に係合する際に、穴50の周囲の縁部54はスナップトップ52の底部(即ち、スナップトップ40の環状フランジ本体78に連結された又はそれに近傍のポスト52の部分)に到達する。そして、縁部54は、生地42に圧力を付与し、生地42が確実に把持されている間、スナップトップ40のポスト52の全周に耐水性シールを行うのである。ソケット38とスナップトップ40も、スタッド36がスナップトップ40と類似した機能を行なう。
【0042】
スナップトップ40がスタッド36又はソケット38と係合している時に、スナップトップ40の把持突起部82は、スタッド36の夫々協働する把持突起部58又はソケット38の把持突起部72に対して半径方向にオフセットしている。スナップトップ40のギャップ88と把持突起部82の数は、オフセットされたパターンの円形状の把持突起部58,72を円周方向で互い違いに配置するため、スタッド36とソケット38のギャップ84,86と把持突起部58,72の数に対して異なる数にすることもできる。オフセットされたパターンの円形状の把持突起部58,72,82が円周方向に互い違いに配されることによって、生地42の把持力を高めることが出来るのである。
【0043】
図11及び図12についてであるが、夫々、オフセットしたパターンの円形状の把持突起部58,72,82を備えたにスタッド36又はソケット38とスナップトップ40との間には空隙fc1、fc3、fc2、fc4が形成され、半径方向外側へ向けてここに示された順序で配されている。空隙fc1と空隙fc2とにおいて圧縮生地部分98(この部分において、生地42は圧縮によって薄くなる。)が形成され、空隙fc3とfc4とにおいて非圧縮部分又は少圧縮部分100(これらの部分において、生地42は、圧縮量が小さいか無いので生地42は厚くなる。)が形成され、圧縮部分98と非圧縮部分又は小圧縮部分100とが交互に配された複雑なパターンを提供する。オフセットしたパターンの円形状の把持突起部58,72,82によって惹起された圧縮生地部と非圧縮生地部98,100が交互に配された複雑なパターンは、生地42とオフセットしたパターンの円形状の把持突起部58,72,82との間に生ずる摩擦によって、耐水性スナップファスナーの回転又はスリップに対する抵抗力を高めるのである。
【0044】
本発明の実施例は、重要な効果を提供することが出来るのである。例えば、耐水性スナップファスナーの実施例は、生地42を把持するために、生地42を刺通することなく生地42を押しつぶすことによって、そして、厚手の生地部分と薄手の生地部分を交互に形成することによって生ずる摩擦力を利用することによって、生地42を確実に保持することが出来るのである。耐水性生地42に適用された本発明の実施例は、生地42とスタッド36とスナップトップ42の間及び生地42とソケット38とスナップトップ40の間に耐水性シールを提供することが出来る。図12に示された位置fc1において、特に水の浸入を防ぐ耐水性のシールが形成され得るのである。本発明の実施例は、従来のスナップファスナーが把持力を有している面積よりも大きな面積に亘って生地把持力を提供することができる。更に、スタッド36とスナップトップ40が確実に係合し、これによって、湿気の浸入を減らすため強い圧力を提供するのである。同様に、ソケット38とスナップトップ40も確実に係合し、これによって、湿気の浸入を減らすため強い圧力を提供するのである。又、本発明の実施例は、生地42を刺通しないし損傷もしないのである。従って、本発明は、耐水性について改良されているのである。
【0045】
本発明のもう一つの特徴と効果は、耐水性スナップファスナーの積層された高さが低いことである。換言すると、耐水性スナップファスナーの全体的な高さが従来のスナップファスナーと比較してさほど高くはないということである。組み立てられたスタッド36とスナップトップ40及び組み立てられたソケット38とスナップトップ40の高さは、スタッド36とソケット38がスナップ係合された時のスナップファスナー全体の高さと同様に、低いのである。耐水性スナップファスナーの高さが低いことを達成することができたとともに、生地の確実な取り付けが維持され、生地の耐水性シールも維持されるのである。
【0046】
本発明は、開示された耐水性スナップファスナーに変更を加えることによっても実施することも出来る。また、耐水性スナップファスナーの一部または耐水性スナップファスナーの全体を所望の材料またはその組合せで作ることも出来る。例えば、この耐水性スナップファスナーは、プラスチック材料で作ることも出来る。もちろん、例えば金属材料等の他の材料を、単独でまたは金属材料と組み合わせて使用することも出来るのである。
【0047】
ここに開示された好ましい実施例のいくつかの変更と改良は、当業者にとって明確であると理解すべきである。本発明の精神と範囲を逸脱することなく、そして、当初意図した効果を減ずることなく、このような変更と改良は行なうことが出来るのである。従って、このような変更と改良は、ここに添付されたクレームの範囲に属するのである。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、従来のスナップファスナーの分解部分断面図である。
【図2】図2は、生地に取り付けるための位置に配された図1の従来のスナップファスナーのスナップトップとスタッドの部分断面図である。
【図3】図3は、生地に取付ける際における従来のスナップファスナーのスナップトップとスタッドの部分断面図である。
【図4】図4は、生地に取り付ける際における従来のスナップファスナーのスナップトップとスタッドの別の部分断面図である。
【図5】図5は、生地に取り付けられた図1の従来のスナップファスナーの部分断面図である。
【図6】図6は、スナップトップとスタッドが把持ピンを有している別の従来型のスナップファスナーのスナップトップとスタッドを示す説明図である。
【図7】図7は、生地に取り付けられた図6の従来型のスナップトップとスタッドを示す断面図である。
【図8】図8(a)は、本発明による耐水性スナップファスナーのスタッドの平面図であり、図8(b)は、図8(a)の切断線8b−8bに沿って切られたスタッドの断面図である。
【図9】図9(a)は、本発明による耐水性スナップファスナーのソケットの平面図であり、図9(b)は、図9(a)の切断線9b−9bに沿って切られたソケットの断面図である。
【図10】図10(a)は、本発明による耐水性スナップファスナーのスナップトップの平面図であり、図10(b)は、図10(a)の切断線10b−10bに沿って切られたスナップトップの断面図である。
【図11】図11は、生地又はその他の下層に取り付けられた図8(a)及び図8(b)のスタッドと図10(a)及び図10(b)のスナップトップの断面図である。
【図12】図12は、図11の拡大図であるが、スタッドが省略され、スナップトップが生地と係合している状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0049】
36 スタッド
38 ソケット
40 スナップトップ、第2部部材
42 生地、下層
44 環状フランジ本体(スタッド36の)
46 円筒状スプリングアクション係合部(スタッド36の)
48 ソケット係合側(スタッド36の)
50 中心穴(スタッド36の)
52 ポスト(スナップトップ40の)
54 縁部(スタッド36の)
56 生地接触側、生地側(スタッド36の)
58 第1生地把持突起部(スタッド36の)
60 環状本体(ソケット38の)
62 中心孔(ソケット38の)
64 リム(ソケット38の)
66 生地接触側(ソケット38の)
68 円筒状スプリングアクション係合部、(ソケット38の)
70 スタッド係合側、第1側(ソケット38の)
72 第1生地把持突起部、第3生地把持突起部(ソケット38の)
74 外向き環状突起部(スタッド36の)
76 内向き環状突起部(ソケット38の)
78 環状フランジ部(スナップトップ40の)
80 生地接触側部(スナップトップ40の)
82 第2生地把持突起部、第4生地把持突起部(スナップトップ40の)
84 ギャップ、第1ギャップ(スタッド36の)
86 ギャップ、第1ギャップ(ソケット38の)
88 ギャップ、第2ギャップ(スナップトップ40の)
90 孔(スタッド16の)
92 孔(ソケット14の)
94 縁部(スタッド16の)
96 縁部(ソケット14の)
98 圧縮生地部
100 非圧縮生地部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地に取り付けることが可能であり、且つ、相手方のスナップファスナー部材と解離自在に係合することが出来る耐水性の装置であって、当該耐水性装置は、
第1側に係合部を有し、相手方のスナップファスナー部材と解離自在に係合できる第1部材であって、第1側と反対側に生地接触側を有する第1部材と、
当該第1部材の生地接触側に設けられた非生地刺通突起部である複数の第1生地把持突起部と、
第1部材と係止可能であり、生地接触側を有している第2部材と、
当該第2部材の生地接触側に設けられた複数の第2生地把持突起部とからなり、当該第2生地把持突起部は、非生地刺通突起部であって、複数の第1及び第2生地把持突起部は、互いからオフセットして配されており、これによって、耐水性装置が使用された際に、第1及び第2部材は、第1及び第2生地把持突起部が生地を刺通せずに第1及び第2部材の間で生地を挟持して互いに係止されることを特徴とする耐水性装置。
【請求項2】
当該複数の第1生地把持突起部は、耐水性装置の中心の周囲に円形のパターンで配されていることを特徴とする請求項1に記載された耐水性装置。
【請求項3】
当該複数の第2生地把持突起部は、耐水性装置の中心の周りで円形のパターンで配されており、当該複数の第1生地把持突起部から半径方向にオフセットして配されていることを特徴とする請求項2に記載された耐水性装置。
【請求項4】
当該複数の第1生地把持突起部は、複数の第2生地把持突起部の中心からの半径距離よりも大きい中心からの半径距離だけ離れて配されていることを特徴とする請求項3に記載された耐水性装置。
【請求項5】
複数の第1生地把持突起部の隣接する個々の第1生地把持突起部は、一定のギャップだけ互いから円周方向に離隔しており、当該個々の第1生地把持突起部は、当該ギャップの長さよりも長い長さを有していることを特徴とする請求項2に記載された耐水性装置。
【請求項6】
複数の第2生地把持突起部の隣接する個々の第2生地把持突起部は、一定のギャップだけ互いから円周方向に離隔しており、当該個々の第2生地把持突起部は、当該ギャップの長さよりも長い長さを有していることを特徴とする請求項3に記載された耐水性装置。
【請求項7】
複数の第1生地把持突起部の隣接する個々の第1生地把持突起部は、第1ギャップだけ互いから円周方向に離隔しており、当該個々の第1生地把持突起部は、第1ギャップの長さよりも長い長さを有しており、複数の第2生地把持突起部の隣接する個々の第2生地把持突起部は、第2ギャップだけ互いから円周方向に離隔しており、当該個々の第2生地把持突起部は、第2ギャップの長さよりも長い長さを有していることを特徴とする請求項4に記載された耐水性装置。
【請求項8】
第1部材は、スナップファスナースタッドであることを特徴とする請求項1に記載された耐水性装置。
【請求項9】
第2部材は、スナップトップであることを特徴とする請求項8に記載された耐水性装置。
【請求項10】
第1部材は、スナップファスナーソケットであることを特徴とする請求項1に記載された耐水性装置。
【請求項11】
第2部材は、スナップトップであることを特徴とする請求項10に記載された耐水性装置。
【請求項12】
第1及び第2部材は、プラスチック製であることを特徴とする請求項1に記載された耐水性装置。
【請求項13】
複数の第1及び第2生地把持突起部の少なくとも一つは、断面が三角形状を有しており、当該三角形状の第1辺は、夫々第1部材又は第2部材の三角形状の底辺であり、当該三角形状の頂点は、第1辺の反対側にあり、当該三角形状の第2辺は、約45度未満の角度Yを頂点に形成しており、当該三角形状の第3辺は、約45の角度Xを頂点に形成していることを特徴とする請求項1に記載された耐水性装置。
【請求項14】
複数の第1及び第2生地把持突起部は、断面において三角形状を有し、当該三角形状の第1辺は、夫々第1部材又は第2部材の三角形状の底辺であり、当該三角形状の頂点は、第1辺の反対側にあり、当該三角形状の第2辺は、約45度未満の角度Yを頂点に形成しており、当該三角形状の第3辺は、約45の角度Xを頂点に形成しており、第1生地把持突起部の角度Yを有する三角形状の第2辺は、第2生地把持突起部の角度Yを有する三角形状の第2辺と対面していることを特徴とする請求項4に記載された耐水性装置。
【請求項15】
生地に取り付けることが可能であり、且つ、相手方のスナップファスナー部材と解離自在に係合することが出来る耐水性の装置であって、当該耐水性装置は、第1側に設けられた相手方のスナップファスナー部材と解離自在に係合可能な係合部と、当該第1側の反対側に設けられた生地接触側とを有する本体と、スナップファスナー部材の本体の生地接触側に設けられた非生地刺通突起部である複数の第1生地把持突起部とからなる耐水性スナップファスナー部材と、
当該耐水性スナップファスナー部材と係止可能な耐水性スナップトップであって、生地接触側を有する本体と、スナップトップの本体の生地接触側に設けられた複数の第2生地把持突起部とを有する当該耐水性スナップトップとからなる耐水性装置であって、
当該第2生地把持突起部は、非生地刺通突起部であり、複数の第1及び第2生地把持突起部は、互いからオフセットされており、これによって、耐水性装置を使用する際に、耐水性スナップファスナー部材と耐水性スナップトップは、第1及び第2生地把持突起部が生地を刺通することなく耐水性スナップファスナー部材と耐水性スナップトップとの間に生地を把持して互いに係止されることを特徴とする前記耐水性装置。
【請求項16】
複数の第1生地把持突起部は、耐水性装置の中心の周りに円形状のパターンで配されており、複数の第2生地把持突起部は、耐水性装置の中心の周りに円形状のパターンで配されており、複数の第1生地把持突起部から半径方向にオフセットされていることを特徴とする請求項15に記載された耐水性装置。
【請求項17】
複数の第1生地把持突起部は、複数の第2生地把持突起部の中心からの半径距離よりも大きい中心からの半径距離だけ離して配されていることを特徴とする請求項16に記載された耐水性装置。
【請求項18】
複数の第1生地把持突起部の隣接する個々の第1生地把持突起部は、第1ギャップだけ互いから円周方向に離隔しており、個々の第1生地把持突起部は、第1ギャップの長さよりも長い長さを有しており、隣接する個々の第2生地把持突起部は、第2ギャップだけ互いから円周方向に離隔しており、個々の第2生地把持突起部は、第2ギャップの長さよりも長い長さを有していることを特徴とする請求項17に記載された耐水性装置。
【請求項19】
複数の第1及び第2生地把持突起部は、断面において三角形状を有しており、三角形状の第1辺は、夫々のスナップファスナー部材又はスナップトップの本体における三角形状の底辺であり、三角形状の頂点は、第1辺の反対側にあり、三角形状の第2辺は、頂点において約45度未満である角度Yを形成しており、三角形状の第3辺は、約45度の角度Xを頂点において形成しており、
第1生地把持突起部の角度Yを有する三角形状の第2辺は、第2生地把持突起部の角度Yを有する三角形状の第2辺と対面していることを特徴とする請求項17に記載された耐水性装置。
【請求項20】
生地に取付可能な耐水性スナップファスナーであって、当該スナップファスナーは、第1側にソケット係合部を有し、第1側の反対側に生地接触側とを有するスタッドと、
当該スタッドの生地接触側に設けられ、略円形のパターンで配されている非生地刺通突起部である複数の第1生地把持突起部と、
使用に際して、間に生地を挟持してスタッドと係止可能であり、生地接触側を有している第1スナップトップと、
第1スナップトップの生地接触側に設けられ、略円形パターンで配されている複数の第2生地把持突起部であって、第1生地把持突起部から半径方向にオフセットされており、非生地刺通突起部である当該複数の第2生地把持突起部と、
第1側にスタッド係合部を有し、第1側の反対側に生地接触側とを有するソケットであって、スタッドと互いに解離自在に係合可能である当該ソケットと、
ソケットの生地接触側に設けられ、概ね円形パターンで配されている非生地刺通突起部である複数の第3生地把持突起部と、
使用に際して間に生地を挟持してソケットと係止可能であり、生地接触側を有している第2スナップトップと、
第2スナップトップの生地接触側に設けられ、略円形パターンで配されている複数の第4生地把持突起部であって、第3生地把持突起部から半径方向にオフセットされており、非生地刺通突起部である当該複数の第4生地把持突起部とからなることを特徴とする前記耐水性スナップファスナー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−90122(P2009−90122A)
【公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−280465(P2008−280465)
【出願日】平成20年10月6日(2008.10.6)
【出願人】(000006828)YKK株式会社 (263)
【Fターム(参考)】