説明

耕作区の水位調節システム

【課題】 耕作区からの肥料や農薬の流出を最小限に抑え、各種条件に応じた適切な地上水位や地下水位に設定できるとともに、暗渠通水管内への土砂等の蓄積も抑えることができる耕作区の水位調節システムを提供する。
【解決手段】 耕作区14に暗渠通水管17と土砂沈降分離パイプ18とを埋設するとともに給水枡21と水位調節枡22とを設置し、給水枡21には、給水パイプ15に接続する用水流入部23と、土砂沈降分離パイプ18に接続する用水供給部24と、耕作区14の地上部に連通する地上水給排水部25とを設け、水位調節枡22は、暗渠通水管17との接続部及び排水パイプ16との接続部を有するとともに、耕作区側と排水路側とを仕切る越流堰28の高さを設定水位に応じて調節可能な水位調節手段29を有し、暗渠通水管17と水位調節枡22との間に水溜トラップ30を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耕作区の水位調節システムに関し、詳しくは、耕作区の地中に埋設した暗渠通水管から給排水を行って耕作区の地上水位や地下水位を設定水位に調節する耕作区の水位調節システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年行われつつある地下潅漑は、耕作区の地下水位を調節して毛管現象により水分を補給するものであって、地下水位を作物に適した水位に調節することによって収穫量向上等の効果を得ることができる。この地下潅漑は、耕作区の地中に有孔管からなる暗渠通水管を埋設し、地中の余剰地下水を排水路に排出するとともに、不足する用水の供給も暗渠排水パイプを利用して行うのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−155375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述のような地下灌漑において、耕作区の水位は、畑作と稲作との相違、作物の生育状況、耕作区の地質等の各種条件に応じて適切に設定する必要があり、また、肥料や農薬の流出も最小限に抑える必要がある。さらに、供給される用水中にゴミや土砂のような異物が多く含まれていると、これらの異物が暗渠排水パイプ内に蓄積して通水性能を阻害するおそれもある。
【0004】
そこで本発明は、耕作区からの肥料や農薬の流出を最小限に抑え、各種条件に応じた適切な地上水位や地下水位に設定できるとともに、暗渠通水管内への土砂等の蓄積も抑えることができる耕作区の水位調節システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の耕作区の水位調節システムは、第1の構成として、給水路から給水される用水を耕作区に供給し、耕作区の余剰の用水を排水路に排出して耕作区の水位を設定水位に調節するための耕作区の水位調節システムにおいて、前記耕作区の地中に暗渠通水管と該暗渠通水管より大径のパイプからなる土砂沈降分離パイプとを埋設して該土砂沈降分離パイプの一端と前記暗渠通水管とを接続し、該耕作区の一側に給水枡と水位調節枡とを設置し、前記給水枡には、前記給水路に接続する用水流入部と、前記土砂沈降分離パイプの他端に接続する用水供給部と、耕作区の地上部に連通する地上水給排水部とを設け、前記水位調節枡には、前記暗渠通水管との接続部及び前記排水路との接続部を有するとともに、該水位調節枡に耕作区側と排水路側とを仕切る越流堰の高さを設定水位に応じて調節可能な水位調節手段を設け、暗渠通水管と水位調節枡とを接続する管路に一部が下方に屈曲した水溜トラップを設けたことを特徴としている。
【0006】
また、本発明の耕作区の水位調節システムの第2の構成は、給水路から給水される用水を耕作区に供給し、耕作区の余剰の用水を排水路に排出して耕作区の水位を設定水位に調節するための耕作区の水位調節システムにおいて、前記耕作区の地中に暗渠通水管と該暗渠通水管より大径のパイプからなる土砂沈降分離パイプとを埋設して該土砂沈降分離パイプの一端と前記暗渠通水管とを接続し、該耕作区の一側に給水枡と水位調節枡とを設置し、前記給水枡には、前記給水路に接続する用水流入部と、前記土砂沈降分離パイプの他端に接続する用水供給部と、耕作区の地上部に連通する地上水給排水部と、前記土砂沈降分離パイプの一端側に接続する掃流水供給部とを設け、前記水位調節枡には、前記土砂沈降分離パイプの他端側との接続部及び前記排水路との接続部を有するとともに、該水位調節枡に耕作区側と排水路側とを仕切る越流堰の高さを設定水位に応じて調節可能な水位調節手段を設け、土砂沈降分離パイプの他端と水位調節枡とを接続する管路に一部が下方に屈曲した水溜トラップを設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の耕作区の水位調節システムによれば、耕作区の地上水位や地下水位を、耕作区の状態に応じて確実に設定することができる。また、土砂沈降分離パイプによって用水中の土砂を分離するので、暗渠通水管内への土砂の流入を抑えることができる。さらに、水溜トラップによって暗渠通水管内の空気の流通を防止できるので、暗渠通水管内での酸化鉄の生成や籾殻の腐食を防止できる。また、第2の構成では、土砂沈降分離パイプ内の沈殿物を容易に排出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1乃至図4は、本発明の耕作区の水位調節システムの第1形態例を示すもので、図1は概略平面図、図2は水位調節システムを構成する要部の平面図、図3は給水枡部分を示す縦断面図、図4は水位調節枡部分を示す縦断面図である。
【0009】
まず、圃場11の内部は、農道12と畦畔13とによって複数の耕作区14に区画されており、農道12には、用水を通すための給水路となる給水パイプ15と排水路となる排水パイプ16とが設けられている。給水パイプ15及び排水パイプ16の上流端及び下流端には、弁15a,15b,16a,16bがそれぞれ設けられており、各パイプの通水状態を制御できるようになっている。
【0010】
各耕作区14の地中には、耕作区14の地中に用水を供給したり、排出したりするための複数の暗渠通水管17と、該暗渠通水管17より大径のパイプからなる土砂沈降分離パイプ18とが埋設されている。複数の暗渠通水管17は、集合管19を介して1本の給排水管20にまとめられており、この給排水管20に前記土砂沈降分離パイプ18の一端下流側18aが接続している。
【0011】
土砂沈降分離パイプ18は、この土砂沈降分離パイプ18内の用水の流速を十分に遅くして用水中の土砂をパイプ底部に沈降分離可能な口径を有するパイプ、例えば呼び径が200程度の大口径パイプを水平方向に設置したものであって、その長さは、通常灌漑時の用水の流量や土砂混入量等の条件に応じて設定すればよく、通常は数m程度で十分である。
【0012】
耕作区14の一側縁の農道部分には、給水パイプ15から給水される用水を耕作区14に供給し、耕作区14内の余剰の用水を排水パイプ16に排出して耕作区14内の水位を設定水位に調節するための給水枡21と水位調節枡22とが設けられている。
【0013】
給水枡21は、有底角筒形の枡の底面に、前記給水パイプ15に接続パイプ23aを介して接続する用水流入部23と、前記土砂沈降分離パイプ18の他端上流側18bに接続パイプ24aを介して接続する用水供給部24とを設け、枡側壁に、耕作区14の地上部に連通する開口25aからなる地上水給排水部25を設けたものであって、給水パイプ15から用水流入部23を通して供給される用水を、用水供給部24や地上水給排水部25から耕作区14に供給できるように形成されている。
【0014】
なお、用水流入部23及び用水供給部24には、流量調節を行う弁等を必要に応じて設けておくことができ、地上水給排水部25には、地上水位に応じた高さの堰板25bや塞ぎ板を必要に応じて装着することができる。
【0015】
また、前記水位調節枡22は、有底円筒形の枡を鉛直方向に立設したものであって、枡底部には、暗渠通水管17に前記給排水管20を介して接続する用水導入部26が設けられ、底部より僅かに上方の側面で、前記給排水管20と略同じ高さの部分には、前記排水パイプ16に接続パイプ27aを介して接続する用水排出部27が設けられている。水位調節枡22の内部は、該水位調節枡22を耕作区14側と排水パイプ16側とに仕切る越流堰28を備えた水位調節手段29が設けられている。
【0016】
越流堰28は、複数のパイプ28a,28bを、互いに軸方向に移動可能、すなわち伸縮可能な状態で液密に接続して形成されており、各パイプの長さや接続本数を適当に設定し、ハンドル28cを利用して最上部のパイプ28aの上縁、すなわち越流堰28の高さを上下させたり、適当な長さのパイプに適宜交換したりすることにより、耕作区14を水田として使用するときの最大水位から、畑作時の地下水位まで、自由な位置に水位を設定できるように形成されている。
【0017】
前記用水導入部26と前記給排水管20との間には、管路の一部を下方に屈曲した水溜トラップ30が設けられている。この水溜トラップ30は、水平方向に開口した給排水管20の端部に、下向きに屈曲した第1エルボ30aと、この第1エルボ30aから水平方向に屈曲した第2エルボ30bと、この第2エルボ30bから上向きに屈曲した第3エルボ30cとを順次接合することによって形成したものであって、第3エルボ30cは、水位調節枡22の底部側壁を貫通して底部中心部に上向きに開口して前記用水導入部26となり、この開口に前記水位調節手段29を形成する最下部のパイプ28bの下端が接続されている。
【0018】
耕作区14を水田として使用しているときの通常の灌漑状態では、水位調節枡22の越流堰28の高さが所定の田面水位に対応した位置に設定される。この状態で、給水パイプ15に供給された用水が用水流入部23から給水枡21内に流入し、その一部が地上水給排水部25の開口を通って直接耕作区14に供給され、残りの用水が用水供給部24から土砂沈降分離パイプ18を通り、給排水管20及び集合管19を介して複数の暗渠通水管17に送られて耕作区14の地下に供給される。この耕作区14への用水の供給は、田面水位が越流堰28の高さを超えるまで継続して行われる。
【0019】
耕作区14内の余剰の用水や雨水は、地上からは地上水給排水部25を通って給水枡21内に流入した余剰水が、用水供給部24から土砂沈降分離パイプ18を通って給排水管20に流入し、また、耕作区14の地下からは、複数の暗渠通水管17内に流入した余剰水が集合管19を通って給排水管20に流入する。給排水管20内の余剰水は、水溜トラップ30から水位調節枡22の用水導入部26を通って水位調節手段29のパイプ28a,28b内に流入し、越流堰28を超えてパイプ28a,28bの外周に流下し、水位調節枡22の用水排出部27から排水パイプ16に流出する。
【0020】
したがって、越流堰28の高さを所望の田面水位に応じて設定しておくことにより、耕作区14内の田面水位を自動的に所定の高さに調節することができる。そして、給水枡21の用水供給部24から暗渠通水管17に流入する用水は、その途中で土砂沈降分離パイプ18を通り、流速が遅くなることによって土砂沈降分離パイプ18の底部に沈殿するので、暗渠通水管17内に土砂が流入することがなくなる。
【0021】
また、耕作区14の田面水位が略一定に維持されている状態では、用水供給部24から土砂沈降分離パイプ18に流入する用水は、土砂沈降分離パイプ18の下流側から水溜トラップ30方向に流れて水位調節枡22の用水排出部27から排水パイプ16に流出するので、耕作区14内との用水の流れがほとんど発生せず、耕作区14内の用水が外部にほとんど流出しないため、耕作区14に施用された農薬や肥料等が用水や雨水と共に外部に流出することも少なく、各耕作区14に施用された農薬や肥料等を有効利用できるとともに、これらが河川等に流出して環境問題となることもなくなる。
【0022】
中干し時等で耕作区14から用水を排出する場合には、給水パイプ15への用水供給を停止するか、用水流入部23を蓋等で閉塞して給水枡21内への用水の流入を遮断した状態で、水位調節手段29における越流堰28を最下段に設定し、例えば、パイプ28a,28bを用水導入部26となる第3エルボ30cから取り外すことによって越流堰28の位置を最下方とする。
【0023】
これにより、耕作区14の地上水は、地上水給排水部25から給水枡21、用水供給部24、土砂沈降分離パイプ18を通って給排水管20に流れ、耕作区14の地下水は、暗渠通水管17から集合管19を通って給排水管20に流れる。そして、給排水管20から水溜トラップ30、用水導入部26を通って水位調節枡22内に流入し、用水排出部27から排水パイプ16に流出する。
【0024】
このようにして耕作区14から用水を排出したときでも、給排水管20及び用水排出部27より低い位置にある前記水溜トラップ30の内部に水が残留して貯留された状態になるので、この貯留水によってトラップ前後における空気の流通が遮断され、排水状態を継続しても空気が給排水管20、集合管19、暗渠通水管17の方向に流入することを防止できる。したがって、これらの管内で酸化鉄が発生したり、疎水材として使用した籾殻の腐食を防止することができ、長期間にわたって安定した通水機能を維持することができる。
【0025】
また、耕作区14で畑作を行う場合には、水位調節手段29の越流堰28を畑作に適した地下水位に対応させた位置に設定しておけばよい。これにより、給水パイプ15から用水流入部23を経て給水枡21内に流入した用水は、用水供給部24から土砂沈降分離パイプ18、給排水管20、集合管19を通って暗渠通水管17に送られて耕作区14の地下に供給される。この耕作区14への用水の供給は、地下水位が越流堰28の高さを超えるまで継続して行われる。
【0026】
耕作区14内の余剰の地下水や雨水は、通常は、暗渠通水管17内に流入して集合管19、給排水管20、水溜トラップ30、用水導入部26を通り、水位調節手段29の越流堰28を超えて水位調節枡22の用水排出部27から排水パイプ16に流出する。また、大雨等で耕作区14の地上に水が溜まるような場合には、地上水給排水部25を通って給水枡21内に流入し、用水供給部24から土砂沈降分離パイプ18を通って給排水管20に至り、前記同様にして水位調節枡22から排水パイプ16に流出する。これにより、地上の雨水の排出も速やかに行うことができる。
【0027】
図5乃至図9は、本発明の耕作区の水位調節システムの第2形態例を示すもので、図5は概略平面図、図6は水位調節システムを構成する要部の平面図、図7は同じく一部を省略した斜視図、図8は給水枡部分を示す縦断面図、図9は水位調節枡部分を示す縦断面図である。なお、以下の説明において、前記第1形態例で示した水位調節システムにおける構成要素と同一の構成要素には、それぞれ同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0028】
本形態例に示す水位調節システムは、給水枡21に、土砂沈降分離パイプ18の一端下流側18aに接続パイプ31aを介して接続する掃流水供給部31を設け、土砂沈降分離パイプ18内で沈殿した土砂等を水位調節枡22を介して排水パイプ16に排出できるようにしている。また、水位調節枡22の用水導入部26は、土砂沈降分離パイプ18の他端上流側18bに接続パイプ26a及び水溜トラップ30を介して接続している。
【0029】
通常の灌漑状態では、前記同様に、水位調節枡22の越流堰28を所定の高さに設定することにより、給水パイプ15から用水流入部23を経て給水枡21内に流入した用水は、耕作区14内の設定水位に応じて、地上水給排水部25や、用水が用水供給部24から土砂沈降分離パイプ18、給排水管20、集合管19及び暗渠通水管17を通って耕作区14に供給される。
【0030】
耕作区14内の地上の余剰水は、地上水給排水部25から給水枡21、用水供給部24、土砂沈降分離パイプ18に流れ、また、地下の余剰水は、暗渠通水管17から集合管19、給排水管20、土砂沈降分離パイプ18に流れ、土砂沈降分離パイプ18を通って接続パイプ26aから水溜トラップ30、用水導入部26、水位調節手段29、越流堰28を通り、水位調節枡22の用水排出部27から排水パイプ16に流出する。
【0031】
したがって、前記第1形態例と同様に、越流堰28の高さを所望の田面水位に応じて設定しておくことにより、耕作区14内の田面水位あるいは地下水位を自動的に所定の高さに調節することができ、暗渠通水管17方向に流れる用水が土砂沈降分離パイプ18を通ることによって暗渠通水管17内に土砂が流入することを防止できる。
【0032】
また、耕作区14の水位が略一定に維持されている状態では、耕作区14内の用水が外部にほとんど流出しないため、各耕作区14に施用された農薬や肥料等を有効利用できるとともに、これらが河川等に流出して環境問題となることもなくなる。中干し時等に耕作区14から用水を排出したときには、水溜トラップ30に水が貯留されて空気の流通を遮断できるので、暗渠通水管17内等で酸化鉄が発生したり、籾殻が腐食したりすることがなくなる。
【0033】
さらに、本形態例では、用水供給部24から土砂沈降分離パイプ18の用水供給方向上流側に流入した余剰分の用水は、同じく土砂沈降分離パイプ18の用水供給方向上流側に接続した前記接続パイプ26aから水位調節枡22に向かって流れていくので、余剰分の用水が土砂沈降分離パイプ18を通過することがなく、用水中に含まれる土砂等が土砂沈降分離パイプ18内でほとんど沈殿せずに排出されることになり、土砂沈降分離パイプ18内の沈殿物量を少なくすることができる。
【0034】
このような通常の灌漑状態では、前記掃流水供給部31に蓋等を装着して閉塞しておき、土砂沈降分離パイプ18内の沈殿物を排出する際には、水位調節枡22の水位調節手段29における越流堰28を最下段に設定し、用水供給部24を蓋等を装着して閉塞するとともに掃流水供給部31を開放する。
【0035】
これにより、給水パイプ15から用水流入部23を経て給水枡21内に流入した用水は、掃流水供給部31から接続パイプ31aを通って土砂沈降分離パイプ18の用水供給方向下流側に流入し、土砂沈降分離パイプ18内を通って沈殿物を同伴した状態で接続パイプ26aから水位調節枡22を通り、排水パイプ16に沈殿物と共に排出される。したがって、本形態例は、給水パイプ15に供給される用水中に土砂等の固形物が多く含まれている地域の圃場に設置する水位調節システムとして最適である。
【0036】
なお、給水パイプ15や排水パイプ16は、開放型の水路で形成することもできる。また、給水枡21や水位調節枡22の材質も任意であり、各パイプの材質も任意である。さらに、適宜な位置に弁や水閘を設けておくことができ、暗渠通水管17等の内部を清掃するための器具を管内に挿入する挿入部を適当な位置に設けておくこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の耕作区の水位調節システムの第1形態例を示す概略平面図である。
【図2】同じく水位調節システムを構成する要部の平面図である。
【図3】同じく給水枡部分を示す縦断面図である。
【図4】同じく水位調節枡部分を示す縦断面図である。
【図5】本発明の耕作区の水位調節システムの第2形態例を示す概略平面図である。
【図6】同じく水位調節システムを構成する要部の平面図である。
【図7】同じく水位調節システムを構成する要部の一部を省略した平面図である。
【図8】同じく給水枡部分を示す縦断面図である。
【図9】同じく水位調節枡部分を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0038】
11…圃場、12…農道、13…畦畔、14…耕作区、15…給水パイプ、16…排水パイプ、17…暗渠通水管、18…土砂沈降分離パイプ、19…集合管、20…給排水管、21…給水枡、22…水位調節枡、23…用水流入部、24…用水供給部、25…地上水給排水部、26…用水導入部、27…用水排出部、28…越流堰、29…水位調節手段、30…水溜トラップ、31…掃流水供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
給水路から給水される用水を耕作区に供給し、耕作区の余剰の用水を排水路に排出して耕作区の水位を設定水位に調節するための耕作区の水位調節システムにおいて、前記耕作区の地中に暗渠通水管と該暗渠通水管より大径のパイプからなる土砂沈降分離パイプとを埋設して該土砂沈降分離パイプの一端と前記暗渠通水管とを接続し、該耕作区の一側に給水枡と水位調節枡とを設置し、前記給水枡には、前記給水路に接続する用水流入部と、前記土砂沈降分離パイプの他端に接続する用水供給部と、耕作区の地上部に連通する地上水給排水部とを設け、前記水位調節枡には、前記暗渠通水管との接続部及び前記排水路との接続部を有するとともに、該水位調節枡に耕作区側と排水路側とを仕切る越流堰の高さを設定水位に応じて調節可能な水位調節手段を設け、暗渠通水管と水位調節枡とを接続する管路に一部が下方に屈曲した水溜トラップを設けたことを特徴とする耕作区の水位調節システム。
【請求項2】
給水路から給水される用水を耕作区に供給し、耕作区の余剰の用水を排水路に排出して耕作区の水位を設定水位に調節するための耕作区の水位調節システムにおいて、前記耕作区の地中に暗渠通水管と該暗渠通水管より大径のパイプからなる土砂沈降分離パイプとを埋設して該土砂沈降分離パイプの一端と前記暗渠通水管とを接続し、該耕作区の一側に給水枡と水位調節枡とを設置し、前記給水枡には、前記給水路に接続する用水流入部と、前記土砂沈降分離パイプの他端に接続する用水供給部と、耕作区の地上部に連通する地上水給排水部と、前記土砂沈降分離パイプの一端側に接続する掃流水供給部とを設け、前記水位調節枡には、前記土砂沈降分離パイプの他端側との接続部及び前記排水路との接続部を有するとともに、該水位調節枡に耕作区側と排水路側とを仕切る越流堰の高さを設定水位に応じて調節可能な水位調節手段を設け、土砂沈降分離パイプの他端と水位調節枡とを接続する管路に一部が下方に屈曲した水溜トラップを設けたことを特徴とする耕作区の水位調節システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−81436(P2006−81436A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−268166(P2004−268166)
【出願日】平成16年9月15日(2004.9.15)
【出願人】(301035976)独立行政法人農業工学研究所 (9)
【出願人】(596029085)株式会社パディ研究所 (28)