説明

背貼り部を有する包装袋の製袋装置

【課題】包装材料の材質如何にかかわらずシール性の低下を防止できる背貼り部を有する包装袋の製袋装置を提供すること。
【解決手段】製袋装置1は、縦シール形成部5と、横シール形成部10と、補助横シール形成部8と、を備える。縦シール形成部5では筒状ガイド部51を備えて包装材料Fを筒状に形成し、横シール形成部10では横シール部を形成して包装袋100を形成する。縦シール形成部5と横シール形成部10との間に背貼り部ガイド7を配置して、背貼り部を挿通させ、横シール形成部10の可動側シールロール13に形成した溝部に背貼り部を挿通して、半袋状の包装袋100AをT字状にした状態で一対のシールロール12、13で熱圧着することによって横シール部を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背貼り部を有する包装袋の製袋装置に関し、さらに詳しくは、特に液状の内容物が充填された包装袋の横シール部から液状物の外部への洩れを防止できる背貼り部を有する包装袋の製袋装置に関する。
【背景技術】
【0002】
背貼り部を有する包装袋は、例えば、特許文献1によって知られている。これによると、この包装袋は、一般にスティック型包装袋を呼ばれているもので、一枚のフィルム材の側部両縁部を巻き付けるようにして筒状に形成し、その際、両縁部を重ね合わせた後、貼り合わせることによって背貼り部を形成している。スティック型包装袋の製袋装置は、縦シール形成部と横シール形成部とを備え、縦シール形成部で背貼り部を形成した後、横シール形成部において背貼り部と横シール部とを重ね合わせた上で熱圧着して横シール部を形成している。
【特許文献1】特開2003−95333公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、背貼り部と横シール部とを重ねて熱圧着する場合、背貼り部と横シール部とは各2枚ずつ重ねるから計4層に重ねることになる。4層を重ねてシールするとシール性が低下しやすい。包装袋に充填する内容物が粉体や粒体の場合には、外部に漏れることが少ないものの、包装袋に充填する内容物によっては洩れやすいものがある。例えば、内容物が液状物であるとその傾向が大きく現れる。この場合でも、包装材料が熱圧着することによって延びる材料、例えばビニール製であれば、シール部位を隙間なくシールできるものであるが、熱圧着で延びにくい材料、例えば、アルミニウム製であると、シール性が低下して液状物は背貼り部と横シール部との境目辺りから洩れる虞れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、内容物や包装材料如何にかかわらず内容部が包装袋から洩れることを防止できる包装袋を製袋する製袋装置を提供するものであり、特にシール性が低下しやすい背貼り部を有する包装袋を製袋するための製袋装置を提供することを目的とする。そのために、本発明に係る背貼り部を有する包装袋の製袋装置は、以下のように構成するものである。すなわち、
請求項1記載の発明では、包装袋の縦シール部を形成する縦シール形成部と、包装袋の横シール部を形成する横シール形成部とを備え、包装材料を筒状に形成する際、前記縦シール形成部で、進行方向に沿った前記包装材料の両側縁を貼り合わせて背貼り部を形成する背貼り部を有する包装袋の製袋装置であって、前記横シール形成部が、前記包装袋の横シール部を形成する際、前記背貼り部が前記横シール部と重ならない状態で、前記横シール部を横シールできるように構成することを特徴とするものである。
【0005】
請求項2記載の発明では、包装袋の縦シール部を形成する縦シール形成部と、包装袋の横シール部を形成する横シール形成部とを備え、包装材料を筒状に形成する際、前記縦シール形成部で、進行方向に沿った前記包装材料の両側縁を貼り合わせて背貼り部を形成する背貼り部を有する包装袋の製袋装置であって、前記横シール形成部が、包装袋の横シール部を熱圧着する一対のシールロールを備えるとともに、前記背貼り部が前記一対のシールロール間に挿入される包装袋の本体部に対して直交する方向に立設され、前記シールロール部の一方には、立設された前記背貼り部を挿入するスリット状の溝が形成されていることを特徴とするものである。
【0006】
請求項3記載の発明では、前記溝を形成する一方のシールロールは、他方のシールロールに対して接近離隔する方向に移動可能に配設されていることを特徴としている。
【0007】
請求項4記載の発明では、前記横シール形成部の下方には、前記横シール形成部を通過した包装袋を下流側に移動させるとともに、前記背貼り部を横シール部に重ね合わせた状態で再度横シールする補助横シール形成部を配設することを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、供給装置から供給された包装材料は縦シール形成部でその両側縁部が巻き付けられて筒状に形成された後、シールロールで熱圧着されて背貼り部が形成される。縦シール形成部の下流側では横シール形成部で横シールされているから、縦シール形成部で縦シールされた包装材料は、上部が開口する袋状の包装袋に形成される。従って、袋状の包装材料は、縦シールされつつ内容物が充填される。内容物が充填された袋状の包装袋は横シール形成部に到達すると、背貼り部と横シール部とが重ならない状態に背貼り部を配置させて横シールされる。
【0009】
つまり、具体的な形態の一つは、背貼り部を袋状の包装袋の本体部に対して立設してT字状となるようにする。そして横シール用のシールロールには、立設した背貼り部を挿入する溝を形成する。これによって、横シール用のシールロールは袋状の包装袋の横シール部を熱圧着する際、背貼り部をシールロールに形成された溝で逃がすことができる。この状態で、シールロールで熱圧着すれば2層の横シール部を横シールできるのでシール性を低下することなく横シール部を形成することができる。
【0010】
従って、包装材料が熱圧着で延びにくいものであっても、横シール時に、背貼り部と横シール部とを重ならない状態にすることによって、横シール部の熱圧着を確実に行うことができ、例えば液状の内容物が外部に洩れることを防止することができる。
【0011】
さらに本発明では、横シール形成部の一対のシールロールのうち、一方のシールロールを他方のシールロールに接近離隔する方向に移動するようにしておけば、一対のシールロール間の隙間調整をすることができ、厚みの異なる材料であっても最適な加工を行うことができる。
【0012】
また、横シール形成部を通過した包装袋は、補助横シール形成部において横シール部を挟持されながら下流側に送られる。この際、包装袋の横シール部に背貼り部を重ねた状態で、挟持した横シール部を熱圧着して横シールを行うことになる。そのため、横シール形成部において2層で熱圧着した横シール部に加えて、さらに4層での熱圧着を行うことから、二重の横シールを行なうこととなって、さらに内容物の洩れを防止することができる。しかも、包装袋の最終製品は背貼り部を本体部に重ね合わせた状態に形成されるため、横シール形成部で立設した背貼り部を包装袋の本体部に重ねるように寝かせる工程を、包装袋の順送工程の中で兼用して行なわせることによって、生産性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明の背貼り部を有する包装袋の製袋装置の一形態について、図面に基づいて説明する。
【0014】
図1〜2は、本発明の製袋装置で製袋される包装袋を示すものであり、図3は製袋装置の全体を示す正面図であり、図4はその側面図を示している。以下、この製袋装置で製袋する包装材料は、アルミニウム製やポリエステル製のフィルム材又はナイロン製のフィルム材等で形成されたものを使用し、スティック型包装袋(以下、包装袋という。)内に液状の内容物を充填するもので説明する。図1〜2に示すように、包装袋100は、内容物が充填される充填本体部101と、充填本体部101の長手方向両端面に形成される横シール部102、102と、長手方向(縦方向)に沿って形成される背貼り部103とを備えて形成されている。背貼り部103は、後述の縦シール形成部で形成された後は、一旦、図2の二点差線で示すように、包装袋1をT字状にするために本体部101に対して立設された状態にする。
【0015】
この包装袋100を製袋する製袋装置1は、図3〜4に示すように、機枠2の上部に配置されて液状内容物を収納するホッパ3と、ホッパ3の内容物を一定量供給する内容物供給部4と、包装材供給部Pから送られた包装材料Fを筒状に形成しつつ内容物を充填する縦シール形成部5と、縦シール形成部5の下流側に配置して筒状の包装材料Fに横シール部102を形成する横シール形成部10と、横シール形成部10の下流側に配置して内容物が充填された半袋状の包装袋100を下流側に送給する補助横シール形成部8と、補助横シール形成部8の下流側に配置して連続した包装袋100を単体の包装袋100に切断するカッタ部9と、を備えて構成されている。
【0016】
なお、図1に示す包装袋100は、製造過程においてその形状が異なるため、以下においては、筒状に形成される前の段階を包装材料Fとし、内容物が充填されて上部が開口した状態を半袋状の包装袋100Aとし、横シール形成部で両端部が横シールされたものを包装袋100と呼ぶ。
【0017】
内容物供給部4は、実施形態においては、ホッパ3の下流側に配置するポンプ41と、ポンプ41に連結されたシリンダ42と備えて構成され、ホッパ3に貯溜されている液状の内容物を、ポンプ41で一定量吸引した後、シリンダ42で縦シール形成部5に向かって押し出すようにしている。
【0018】
縦シール形成部5では、図5に示すように、包装材供給部Pから送られた包装材料Fを筒状に形成しつつ内容物を供給充填するように構成されている。包装材料Fを筒状に形成するために筒状ガイド部51が配置され、筒状ガイド部51を通った筒状の包装材料Fは、その側部両縁部が重ねられて貼り付けられると背貼り部103が形成される。この貼り付けは、実施形態では、一対のシール部材52、53によって行われる。これは、機枠2に固着された固定側シール部材52に可動側のシール部材53を接近させ、筒状ガイド部51に挿通されて重ねられた包装材料Fの両側縁部を熱圧着することによって、帯状の包装材料Fを筒状に形成する。なお、筒状ガイド部51の内部には、内容物供給部4から接続された内容物供給パイプ54が内容物を供給可能に配置されている。
【0019】
縦シール形成部5の下流側には、半袋状の包装袋100Aの背貼り部103を充填本体部101に対して立設させてT字状を形成するための背貼り部ガイド7が配置されている。背貼り部ガイド7には、縦シール形成部5で形成された背貼り部103を挿通させるためのガイド溝71が形成されている。
【0020】
横シール形成部10は、本発明の主要部をなすもので、縦シール形成部5で形成された背貼り部103を充填本体部101に対して立設してT字状をなす状態で横シールを行う。つまり、横シール形成部10は、図6に示すように、包装袋100の背貼り部103を熱圧着するための一対のシールロール12、13を備えている。一方のシールロール12は機枠2に固定された固定側シールロールとして配置され、他方のシールロール13は、固定側シールロール12に対して接近離隔する方向に移動する可動側シールロールとして配置されている。
【0021】
一対のシールロール12、13は、包装袋100の横シール部102を熱圧着するための熱シール部121、131と、一対のシールロール12、13間の位置基準をするための軸基準部122、132とを備えている。また、一対のシールロール12、13は、その一端に連結されたサーボモータ14及び複数の平歯車で構成された駆動伝達機構15によってお互いに反対方向に回転するように駆動される。さらに一対のシールロール12、13の端部にはそれぞれ熱源(ヒータ)16が配置され、各シールロール12、13内を通って熱シール部121、131に熱伝達されている。
【0022】
シールロール12、13の熱シール部121、131は、図7〜9に示すように、側面断面視において、対向する一部に所定角度分の円弧部を有して半袋状の包装袋100Aを挟持する圧接部123、133と、圧接部123、133を除いて形成される逃がし部124、134を有する略菱形に形成されている。圧接部123、133は1回転する際に横シール部102を熱圧着し、その他の逃がし部124、134、は、1回転する際に充填本体部101に圧着せずに対向する位置に配置されることとなる。
【0023】
可動側のシールロール13の圧接部133には、回転方向に沿って半袋状の包装袋100Aの背貼り部103を挿通するための溝部133a(図7参照)がスリット状に形成されている。これによって、縦シール形成部5を通った包装材料Fは、縦シール部5で形成された背貼り部103が背貼り部ガイド7でガイドされた後、横シール形成部10で横シールされて包装袋100を形成することとなる。この際、背貼り部103は可動側シールロール13の溝部133aを挿通するから、半袋状の包装袋100Aは、横シール形成部10で背貼り部103を充填本体部101に対して立設してT字状に配置される。この状態で、一対のシールロール12、13の圧接部123、133で包装材料Fを横シールすることによって2層の横シール部102を熱圧着することになる。
【0024】
なお、可動側シールロール13は、シールロール移動機構20によって固定側シールロール12に向かって移動可能に配置されている。
【0025】
シールロール移動機構20は、可動側シールロール13の熱シール部131、131を間にして一対設けられている。実施形態における各シールロール移動機構20は、図6に示すように、それぞれ可動側シールロール13に接続され、可動側シールロール13を固定側シールロール12側に移動可能に配置する空気圧シリンダ21と、空気圧シリンダ21に接続して可動側シールロール13を微小移動させる差動歯車機構22と、差動歯車機構22に接続して可動側シールロール13の微小移動を計測する距離センサ23とを備えている。
【0026】
固定側シールロール12は、機枠2に固定された固定側支持部材18に軸受を介して支持され、可動側シールロール13は固定側支持部材18に移動可能に配置される可動側支持部材17に軸受を介して支持されている。
【0027】
空気圧シリンダ21には、可動側支持部材17に連結する第1のピストンロッド211と作動歯車機構22に連結する第2のピストンロッド212とが配置されている。
【0028】
差動歯車機構22は、固定側シールロール12と可動側シールロール13のそれぞれの圧接部123、133とのクリアランスを調整するために、可動側シールロール13を固定側シールロール12に接近する方向に微小移動させるものである。
【0029】
つまり、差動歯車機構22は、楕円状の内周面を有する外ケース221に内嵌されて内歯を形成した外リング222と、外リング222の内歯に歯合される外歯を有する一対のスプライン部材(内リング)223、224とを備えて構成されている。外リング222に内嵌される一対のスプライン部材223、224は、外リング222の軸方向に沿って並設して配置されている。一方のスプライン部材223は空気圧シリンダ21のハウジングに固定され、他方のスプライン部材224は、第2のピストンロッド212にナット部材225を介して螺合されている。
【0030】
スプライン部材223と外リング222との歯数は同じに形成され、スプライン部材224は外リング222に対して少ない歯数で形成されることによって、その歯数の差分、スプライン部材224を、スプライン部材223に対して遅れて回転させることができる。これによって、ナット部材225が回転され第2のピストンロッド212を介して可動側シールロール13を固定側シールロール12に向かって接近する方向に移動させることができる。そして、この移動量を距離センサ23で検出する。
【0031】
なお、シールロール移動機構は、上述の形態ではなく、単にねじ機構とばね機構で構成したものでもよい。
【0032】
補助横シール形成部8は、図5に示すように、横シール形成部10の下流側で図示しないガイドで背貼り部103を充填本体部101に寝かせるように重ね合わせた後、横シール部102とともに再度横シールを行いながら包装袋100を下流側に送るように構成する。つまり、補助横シール形成部8には、包装袋100の横シール部102を挟持する一対のシール部材81、81が配置されている。一対のシール部材81、81は、それぞれ熱源を有して加熱可能に構成されるとともに、お互いに接近離隔する方向に移動され、図示しない移動機構(例えば、シリンダ装置)によって、横シール部102を挟持しながら1個の包装袋100の長さ分、下流側に向かって往復移動可能に駆動される。
【0033】
次に上記のように構成された製袋装置1の作用について説明する。
【0034】
包装材供給部Pから送給されたシート状の包装材料Fは縦シール形成部5の筒状ガイド部51に挿入されると筒状に形成されてその進行方向に沿った側部両縁部が重ね合わせられる。この際、可動側シール部材53は固定側シール部材52に向かって接近するとともに、ヒータが作動して可動側シール部材53の圧接部を加熱している。可動側シール部材53が固定側シール部材52に圧接すると包装材料Fの側部両縁部を熱圧着することとなり背貼り部103が形成される。
【0035】
一方、縦シール形成部5の下流側においては、すでに横シール形成部10で横シール部102が形成されていることから、縦シール形成部5で背貼り部103を形成することによって、シート状から筒状に形成された包装材料Fは、縦シール形成部5の位置において、上部が開口された半袋状の包装袋100Aとして形成される。包装材料Fに背貼り部103が形成されるとともに、ホッパ3に貯溜されている液状内容物は、シリンダ42に押し出されて、筒状ガイド部52内を挿通している内容物供給パイプ54を通って半袋状の包装袋100A内に充填される。
【0036】
また、補助横シール形成部8では、包装袋100の横シール部102を挟持した状態で包装袋100を下流側に送っているから、縦シール形成部5に位置している半袋状の包装袋100Aは下流側に送給される。縦シール形成部5を通過した半袋状の包装袋100Aは、背貼り部103を背貼り部ガイド7のガイド溝71に挿入することによって、充填本体部101に対して立設してT字状を形成している。
【0037】
半袋状の包装袋100Aの背貼り部103は、背貼り部ガイド7の下方で、立設した状態のまま横シール形成部10の可動側シールロール13の溝部133aに挿入するように案内される。
【0038】
一方、横シール形成部10の可動側シールロール13は、アルミニウム製の包装材料Fを横シールするために、シールロール移動機構20によって一対のシールロール12、13の圧接部123、133の隙間を適度なクリアランスとするために調整移動されている。そして、一対のシールロール12、13は、サーボモータ14によってお互いに反対方向に回転するように駆動されるとともに熱源16によって熱シール部121、131が加熱されている。
【0039】
図9に示すように、シールロール12、13の1回転において、熱シール部121、131の圧接部123、133が対向する位置に移動して半袋状の包装袋100Aを挟持すると、挟持された半袋状の包装袋100Aは充填本体部101の上部で重ね合わされた2枚の包装材料Fが熱圧着されて横シールされる。この際、すでに熱圧着された背貼り部103は、可動側シールロール13の溝部133a内に挿入されていて、直接、圧接部133で圧接されていないものの、背貼り部103の横端面部近辺において、加熱されている圧接部133の熱が伝達されてさらに融着される。
【0040】
一対のシールロール12、13のさらなる回転によって、下流側に送られる包装袋100においては、図10に示すように、充填本体部101が一対のシールロール12、13に対向する位置に移動することとなる。この位置ではシールロール12、13の逃がし部124、134が充填本体部101と対向することになり、シールロール12、13の包装袋100への圧接は行われない。
【0041】
本体充填部101の両端部が横シールされた包装袋100は、横シール形成部10の下流側において、図示しないガイドによって、背貼り部103が充填本体部101に対して立設状態から寝かせられた状態となって、充填本体部101と重ねられて補助横シール形成部8に移動する。補助横シール形成部8では、一対のシール部材81、82が接近移動して包装袋100の横シール部102を挟持して包装袋100を1個分下流側に移動させる。この際、横シール部102を挟持した一対のシール部材81、82は加熱された状態にあり、横シール部102を背貼り部103とともに熱圧着することになる。
【0042】
二重に横シールされた包装袋100は、その下流側に配置されたカッタ部9で単体の包装袋Fとして製袋される。単体の包装袋Fは、包装袋F全体に所定の圧力で負荷を掛けて耐圧検査・洩れ検査を行った後、製品として出荷される。
【0043】
上述のように、実施形態の製袋装置1では、横シール形成部10において半袋状に形成された包装袋100Aの背貼り部103を、可動側シールロール13に形成する溝部133aに挿入させることよって、充填本体部101から立設してT字状に形成した状態で、横シールすることから、横シール部102は、2層でシールされることとなってシール性の低下を防止することができる。
【0044】
さらに、横シール形成部10で横シールされた包装袋100を、補助横シール形成部8で背貼り部103を横シール部102と重ねた状態で再度横シールすることによって、確実に横シールを行いシール性の低下をさらに防止することができる。
【0045】
又、シール性の低い包装材料は、製袋過程においてその厚みにも影響するから、横シール形成部において、一対のシールロール間のクリアランスを調整可能とすることによって、包装材料に合わせた最適な製袋を行うことができる。
【0046】
なお、本発明の背貼り部を有する包装袋の製袋装置は、上記の形態に限定するものではない。例えば、横シール形成部における一方のシールロールにスリット状の溝を形成する場合、可動側シールロール13ではなく固定側シールロール12側に形成してもよい。また、包装袋は、背貼り部を有しているものであればスティック型に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本装置で製袋されるスティック包装袋を示す平面図である。
【図2】同側面図である。
【図3】図1のスティック包装袋を製袋する製袋装置を示す正面図である。
【図4】同側面図である。
【図5】図3における製袋装置の縦シール形成部及び横シール形成部を示す簡略側面図である。
【図6】本発明の製袋装置の横シール形成部を示す平面一部断面図である。
【図7】図6におけるシールロールの溝部を示す平面図である。
【図8】同一部正面図である。
【図9】一対のシールロールで横シールしている状態を示す簡略側面図である。
【図10】図9の状態からシールロールが回転した状態を示す簡略側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1、製袋装置
5、縦シール形成部
52、固定側シール部材
53、可動側シール部材
7、背貼り部ガイド
8、補助横シール形成部
81、シール部材
10、横シール形成部
12、固定側シールロール
121、熱シール部
123、圧接部
13、可動側シールロール
131、熱シール部
133、圧接部
133a、溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋の縦シール部を形成する縦シール形成部と、包装袋の横シール部を形成する横シール形成部とを備え、包装材料を筒状に形成する際、前記縦シール形成部で、進行方向に沿った前記包装材料の両側縁を貼り合わせて背貼り部を形成する背貼り部を有する包装袋の製袋装置であって、
前記横シール形成部が、前記包装袋の横シール部を形成する際、前記背貼り部が前記横シール部と重ならない状態で、前記横シール部を横シールできるように構成することを特徴とする背貼り部を有する包装袋の製袋装置。
【請求項2】
包装袋の縦シール部を形成する縦シール形成部と、包装袋の横シール部を形成する横シール形成部とを備え、包装材料を筒状に形成する際、前記縦シール形成部で、進行方向に沿った前記包装材料の両側縁を貼り合わせて背貼り部を形成する背貼り部を有する包装袋の製袋装置であって、
前記横シール形成部が、包装袋の横シール部を熱圧着する一対のシールロールを備えるとともに、前記背貼り部が前記一対のシールロール間に挿入される包装袋の本体部に対して直交する方向に立設され、
前記シールロール部の一方には、立設された前記背貼り部を挿入するスリット状の溝が形成されていることを特徴とする背貼り部を有する包装袋の製袋装置。
【請求項3】
前記溝を形成する一方のシールロールは、他方のシールロールに対して接近離隔する方向に移動可能に配設されていることを特徴とする請求項2記載の背貼り部を有する包装袋の製袋装置。
【請求項4】
前記横シール形成部の下方には、前記横シール形成部を通過した包装袋を下流側に移動させるとともに、前記背貼り部を横シール部に重ね合わせた状態で再度横シールする補助横シール形成部を配設することを特徴とする請求項2又は3記載の背貼り部を有する包装袋の製袋装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−36878(P2008−36878A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−211160(P2006−211160)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【出願人】(592242660)株式会社東陽機械製作所 (20)
【Fターム(参考)】