説明

胴巻き包装機

【課題】多品種の容器の形状やサイズや重量等に対応可能な胴巻き包装機を提供する。
【解決手段】一対の支持ローラ16間で容器搬送路を横断するように両支持ローラ16に支持されたフィルム4に搬送途中の容器39が当接し、容器39の搬送に伴い、容器39の側面39aに巻かれたフィルム4を容器39に対する搬送方向上流側で一対のシール部材28により加熱シールするとともに切断して胴巻きにする際に、該シール部材28の接近離間動作と、フィルム4に対し搬送途中の容器39が容器搬送方向の下流側に位置する際に容器39の側面39aにフィルム4を巻き付け案内する支持ローラ16の接近離間動作とを別々に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の側面を熱収縮性のフィルムで胴巻き包装する胴巻き包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等で販売される弁当容器等の蓋付き容器においてその側面に生じる容器本体と蓋との合わせ目から異物が混入することを防止するために、容器の全体をフィルムで包装すると、フィルムの使用量が多くなる。そのため、ごみ等の環境問題や包装コストの観点から、フィルムの使用量を少なくする簡易包装が求められる。そこで、特許文献1に開示された胴巻き包装機等を利用した胴巻き包装が行われている。この胴巻き包装では、帯状の熱収縮性フィルムを横方向両側の支持ローラ間で容器搬送路を横断するように支持し、そのフィルムを容器の搬送に伴い容器の側面全体に巻いて横方向両側の両シール部材により加熱シールするとともに切断して胴巻きする。その後、その胴巻きフィルムを容器の上面に折り畳むと共に加熱処理により容器に密着させて包装していた。このような胴巻き包装でもフィルムの使用量が多くなるため、容器の側面で容器本体と蓋との合わせ目にのみ帯状の熱収縮性フィルムを巻いてその合わせ目を封止し、フィルムの使用量を少なくする簡易包装について検討している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6−9924号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
品種によって容器の形状やサイズや重量等が異なるため、多品種の容器の形状やサイズや重量等に対応可能な胴巻き包装機の提供が求められる。
本発明は、胴巻き包装するにあたって多品種の容器の形状やサイズや重量等に対応可能な胴巻き包装機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明にかかる胴巻き包装機は、容器39の側面39aを熱収縮性のフィルム4で胴巻き包装するものであって、容器搬送路1aを横断するように張設されたフィルム4より容器搬送方向の下流側で容器搬送路1aを挟む横方向における容器搬送路1aの両側に配設されて該横方向へ互いに接近離間動作する支持ローラ16と、この支持ローラ16より容器搬送方向の下流側で容器搬送路1aを挟む横方向における容器搬送路1aの両側に配設されて該横方向へ互いに接近離間動作するシール部材28とを備え、該シール部材28の接近離間動作と、フィルム4に対し搬送途中の容器39が容器搬送方向の下流側に位置する際に容器39の側面39aにフィルム4を巻き付け案内する支持ローラ16の接近離間動作とを別々に行うことができる。
【0006】
請求項1の発明を前提とする請求項2の発明においては、前記一対の支持ローラ16が容器39の側面39aにフィルム4を巻き付け案内する動作位置を任意に設定変更可能である。
【0007】
請求項1または請求項2の発明を前提とする請求項3の発明においては、前記一対の支持ローラ16が互いに接近動作する前の支持ローラ16の待機位置を任意に設定変更可能である。
【0008】
請求項1〜3のうちいずれか一つの発明を前提とする請求項4の発明においては、前記一対の支持ローラ16が互いに最も接近した後で、前記一対のシール部材28が接近してフィルム4を挟んでシールする。
【0009】
請求項1〜4のうちいずれか一つの発明を前提とする請求項5の発明においては、前記一対の支持ローラ16が互いに接近動作する前に、前記一対のシール部材28が接近動作を開始する。
【0010】
請求項1〜5のうちいずれか一つの発明を前提とする請求項6の発明において、前記一対の支持ローラ16及び一対のシール部材28は、別々のサーボモータ10,33によって、夫々、接近離間動作する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の発明では、容器の形状やサイズや重量など容器の種類が異なっても、各種容器に応じて、一対の支持ローラの接近離間動作と一対のシール部材の接近離間動作を別々に行うことによって、各種の容器の側面を熱収縮性のフィルムで適切に胴巻き包装することができる。このため、フィルムの使用量を必要最小限に抑えることできる。また、容器の側面の全域にフィルムを巻く場合であっても、接近離間動作を別々に行うことによって、容器の形状やサイズや重量など容器の種類が異なっても、各種容器にフィルムをだぶつきなく巻き付けることができる。従って、例えば、容器における容器本体と蓋との合わせ目付近の高さ位置だけ部分的に容器の側面にフィルムを巻いても、接近離間動作を別々に行うことによって、容器の種類が異なっても、容器からフィルムが落ちなくなり、胴巻き包装することができる。
【0012】
請求項2の発明では、一対の支持ローラが各種容器の側面にフィルムを巻き付け案内する動作位置(両支持ローラの瞬間的な位置)を各種容器に応じて設定変更することができるため、一対の支持ローラを接近離間動作させるタイミングや動作速度等を任意に設定変更し、フィルムの使用量を必要最小限に抑えたり、各種容器にフィルムをだぶつきなく巻き付けることができる。
【0013】
請求項3の発明では、支持ローラの待機位置が任意に設定変更可能であることから、例えば、横幅が異なる容器毎に支持ローラの待機位置を、容器が通過可能な最小離間距離に設定することで、一対の支持ローラが互いに接近離間動作する距離を小さくすることができ、包装の高速化を図ることができ、また、支持ローラの待機位置を容器の通過タイミングに合わせて設定することで、フィルムを適切なタイミングで支持して各種容器に対するフィルムのだぶつきを少なくすることができる。
【0014】
請求項4の発明では、一対の支持ローラが互いに最も接近した後で、一対のシール部材が接近してフィルムを挟んでシールすることから、例えば、特に、軽い容器や外周面に丸みを有している容器など、容器搬送路での位置ずれが生じ易い容器、或いは、倒れ易い容器であっても、フィルムが容器の側面に巻き付けられた後にシール部材がフィルムに接触することになるので、容器の略全周に巻締め状態となったフィルムとの位置ずれが起こり難く、或いは、容器を倒すことなくシールすることができる。
【0015】
請求項5の発明では、一対の支持ローラが接近動作する前に、一対のシール部材が接近動作を開始することによって、一対のシール部材の移動速度を遅くすることができる。このため、例えば、軽い容器等を包装する際に、両シール部材が互いに接近してフィルムにゆっくり触れるようにすれば、容器の位置ずれが起こり難く、或いは、容器を倒すことなくシールすることができる。
【0016】
請求項6の発明では、一対の支持ローラ及び一対のシール部材を別々のサーボモータで接近離間動作させるので、異なる容器の動作設定を簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】胴巻き包装機の一部を概略的に示す平面図である。
【図2】胴巻き包装機のフィルム支持機構を概略的に示す正面図である。
【図3】胴巻き包装機のシール機構を概略的に示す正面図である。
【図4】(a)(b)(c)は夫々フィルム支持機構及びシール機構の作用を示す平面図であり、(d)は包装された蓋付き容器を示す一部切欠き正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本実施形態の胴巻き包装機は、様々な形状やサイズや重量等を有する多品種の容器に対応可能なものである。
図1に示すように、コンべヤ1は、供給コンべヤ1Aと排出コンべヤ1Bとによって容器搬送路1aが構成されており、その容器搬送路1a上に載置された容器39が容器搬送方向(前後方向)に沿う矢印の向きに搬送される。
【0019】
供給コンべヤ1Aと排出コンべヤ1Bとの境界付近には、フィルム支持機構2と、そのフィルム支持機構2より容器搬送方向の下流側でフィルム支持機構2に近接するようにシール機構3が配設されていて、フィルム支持機構2より容器搬送方向の上流側で、容器搬送路1aを搬送される容器39を検知する容器検知センサ38が配設されている。
【0020】
供給コンべヤ1Aの搬送路1aの下流端と排出コンべヤ1Bの搬送路1aの上流端とは、後述するシール機構3のシール部材28が互いに接近する時に、シール部材28の接近離間動作に合わせて容器搬送方向に沿って互いに離間するように構成されている。
【0021】
供給コンべヤ1Aの搬送路1aを挟む左右方向(前後方向に対し直交する横方向)の両側には、帯状の熱収縮性のフィルム4をフィルム支持機構2に供給するフィルム案内機構5が配設されている。
【0022】
排出コンべヤ1Bの容器搬送方向の下流側には、図示しないシュリンクトンネルが設置され、熱収縮性のフィルム4により胴巻き包装された容器39を通過させて、図4(d)に示すように容器39の側面39aにおける容器本体40と蓋41との合わせ目42が密着して封止されるように構成されている。
【0023】
次に、図2に基づきフィルム支持機構2について説明する。
容器搬送路1aより下方位置で、容器搬送方向に対し交差する横方向に延出するように台6が、図示しない本体枠に支持されている。台6上の横方向両側に立設された支持板7間に一対の案内棒8が上下平行に横方向へ架設されている。また、両支持板7間には両案内捧8と平行に雄螺旋棒9が回転可能に横方向へ支持されており、その雄螺旋棒9は図1に示すサーボモータ10の回転を受けて回転する。雄螺旋棒9には、コンべヤ1の搬送路1aを挟む横方向における一側に左螺施9aが形成され、他方に右螺旋9bが形成されている。左螺施9aと右螺旋9bとは夫々、雌螺旋筒12と螺合している。雌螺旋筒12は、案内棒8に嵌挿された案内筒13と共に、可動板14に各々取着されている。このため、可動板14は、容器搬送路1aの左右両側で、雄螺旋棒9及び案内棒8に支持され、雄螺旋棒9が回転することで、容器搬送路1aの容器搬送中心に対し互いに接近すると共に、サーボモータ10の回転に応じて離間し、動作開始位置としての元の位置に復帰する。
【0024】
可動板14の一部である台板14aには、昇降台15が上下方向に移動可能に支持され、その昇降台15には、容器搬送路1aから横方向に順番に、支持ローラ16と案内ローラ17,18とが上下(鉛直)方向へ延びるように設置されている。昇降台15を上下方向に移動させることにより、支持ローラ16及び案内ローラ17,18の高さ調節が可能であって、例えば、図4(d)に示す容器39の容器本体40と蓋41とが接合する箇所だけ容器39の側面39aが包装されるように、容器39に対し支持ローラ16及び案内ローラ17,18の高さ調節が可能とされている。
【0025】
次に、図1に示すフィルム案内機構5は、フィルム供給源19と案内ローラ20aと繰出しローラ20bとゴムローラ20cとテンションローラ20dとを備えている。繰出しローラ20bは、モータ(不図示)の駆動を受けて回転することによって、フィルム供給源19からフィルム4を引き出す。そのモータの回転が停止すると、フィルム供給源19にはブレーキが掛けられるように構成されている。引き出されたフィルム4は、各ローラ20a,20b,20c,20dによりジグザグ状に巻掛けられた後、フィルム支持機構2の案内ローラ18に掛け渡されている。
【0026】
フィルム案内機構5の各ローラ20a,20b,20c,20d及びフィルム供給源19は上下方向に移動可能に支持されており、フィルム案内機構5の各ローラ20a,20b,20c,20d及びフィルム支持機構2の各ローラ16,17,18は、夫々、容器搬送路1aから上方に所定距離だけ離れた同じ高さ位置でフィルム4を支持するように高さ位置が調節されている。また、フィルム4の脱落を防ぐために各ローラ20a,20b,20c,20d,16,17,18の下端が鍔状に形成されている。テンションローラ20dは、後述する支持ローラ16が搬送途中の容器39の側面39aにフィルム4を巻き付け案内するタイミングで、不図示の駆動手段によって横方向の案内ローラ20a側に移動して、フィルム4の張りを、容器39がフィルム4に当接する直前のフィルム展張状態より比較的に弛い状態に調整できるように横方向に往復移動する。
【0027】
次に、図3に基づきシール機構3について説明する。
台6上の横方向両側には、支持板21と支柱23とが上下方向に立設するように配設されており、両支持板21間に一対の案内棒22が平行に横方向へ架設され、両支柱23の間に案内棒24が各案内棒22に対し平行に架設されている。案内棒22,24には、一対の可動体26が案内捧22,24に沿って横方向にスライド可能に支持されている。可動体26には、夫々、シール部材28が対向するように配設されており、その反対側にはリンク32が揺動可能に支持されている。両可動体26及び両シール部材28が容器搬送路1aの中央を中心に対称に接近離間動作するように、サーボモータ33の回転が、支柱23に回動可能に支持されたレバー29a,29b,31と、連動リンク35と、リンク30と、リンク32とを介して、各可動体26に伝達されるように構成されている。
【0028】
シール部材28の側面には、図4に示すように、シール部材28とフィルム4との接触を防ぐために、接触防止板37が設置されており、一方のシール部材28内には他方のシール部材28内に対し進退するナイフ36が内蔵されている。
【0029】
次に、容器搬送路1aを横断するように張設されたフィルム4に容器39が当接して支持ローラ16に巻き込み案内される際の各動作タイミングについて説明する。
張設されたフィルム4に対し、搬送途中の容器39が容器搬送方向の上流側に位置する時に、容器検知センサ38によって容器39が検知されると、不図示の駆動制御手段が、コンベヤ1の搬送速度に基づき、フィルム4に容器39が当接するタイミングとの関係から、繰出しローラ20bのモータ(不図示)とテンションローラ20dの駆動手段(不図示)の各動作タイミングを求める。
【0030】
不図示の駆動制御手段には、両支持ローラ16を接近離間動作させるサーボモータ10と両シール部材28を接近離間動作させるサーボモータ33の各動作タイミング(動作開始タイミング、動作停止タイミン)や各動作速度や動作開始位置等が予め設定されており、容器検知センサ38による容器39の検知により、サーボモータ10とサーボモータ33とが各々駆動制御される。これらの設定は、容器搬送速度や容器39のサイズ等に応じて、オペレ一夕により変更可能である。
【0031】
搬送途中の容器39がフィルム4に当接する前(図4(a)参照)においては、一対の支持ローラ16が互いに最も離間する待機位置で停止しており、その両支持ローラ16に対し容器搬送方向の下流側で近接するシール部材28が支持ローラ16よりも更に離間する待機位置で停止している。
【0032】
一対の支持ローラ16の待機位置は、両支持ローラ16が離間する距離が容器39の横幅S(容器搬送方向に対し交差する横方向の容器39の長さ)よりも若干大きくなる位置に設定されている。この待機位置は、サーボモータ10により設定変更可能であり、また、昇降台15に対する支持ローラ16の設置位置の変更でも設定可能である。
【0033】
搬送途中の容器39が、フィルム4に当接してから、フィルム支持機構2より若干、容器搬送方向の下流側に位置すると、一対の支持ローラ16が互いに接近する(図4(b)参照)。
【0034】
図4(a)と図4(b)との間の状態では、一対の支持ローラ16が互いに接近動作する前に、一対のシール部材28が互いにゆっくりとした接近動作を開始しているが、図4(b)のごとく、一対の支持ローラ16が早く互いに最接近するように設定されている。両支持ローラ16間の最接近距離は常に一定に設定されている。
【0035】
容器39がフィルム4に当接してから、一対の支持ローラ16が接近動作する間、繰出しローラ20bのモータ(不図示)とテンションローラ20dの駆動手段(不図示)の各動作により、フィルム4の張りは、容器39がフィルム4に当接する直前のフィルム展張状態より比較的に弛い状態になっており、この状態で、一対の支持ローラ16は、容器39の横幅Sより狭い位置まで互いに接近して、フィルム4に対して容器39が容器搬送方向の下流側に前進する際に、容器39の側面39a(容器本体40と蓋41との合わせ目42部分)にフィルム4を巻き付け案内する。
【0036】
この状態で更に容器39が容器搬送方向の下流側に前進すると、一対のシール部材28が互いに接近してフィルム4を挟んで加熱シールし、フィルム4を切断して容器39を胴巻きにする(図4(c)参照)。この時、繰出しローラ20bによるフィルム4の引出しが停止される。
【0037】
その後、一対のシール部材28が互いに離間してフィルム4を解放した後、両支持ローラ16と両シール部材28とは、夫々、待機位置に向けて離間する。この時、テンションローラ20dが元の位置に復帰し、再度、フィルム4が展開状態で張設される。
【0038】
本実施形態は下記の効果を有する。
* 一対の支持ローラ16を接近離間動作させるサーボモータ10と一対のシール部材28を接近離間動作させるサーボモータ33の動作制御について、夫々、接近離間動作させるタイミング(待機位置から動作するタイミング)や各動作速度や待機位置等が予め設定可能であるため、例えば、容器39における容器本体40と蓋41との合わせ目42付近の高さ位置だけ部分的に容器39の側面39aにフィルム4を巻いても、接近離間動作を別々に行うことによって、容器39の種類が異なっても、容器39の側面39aに巻き付けられるフィルム4がずれることなく、胴巻き包装することができる。
【0039】
* 一対の支持ローラ16の待機位置は、容器39の横幅S(容器搬送方向に対し交差する横方向の容器39の長さ)よりも両支持ローラ16が離間する距離が若干大きくなる位置に設定されていることが好ましい。この待機位置は、サーボモータ10の動作制御によって設定変更可能であり、また、昇降台15の接近離間方向に向けた支持ローラ16の設置位置の変更によっても対応し得る。
【0040】
* 一対の支持ローラ16が接近動作する前に、一対のシール部材28が接近動作を開始することによって、両シール部材28の移動速度を遅くすることができる。このため、例えば、軽い容器39等を包装する際に、両シール部材28が互いに接近してフィルム4にゆっくり触れるようにすれば、フィルム4にバックテンションがかかって容器39が後方に引き戻される際の反動による容器39の位置ずれが起こり難く、或いは、底面積が小さな容器39等の不安定な形状の容器39が倒れてしまうことなく良好にシールすることができる。
【0041】
* 一対の支持ローラ16が互いに最も接近した後で、一対のシール部材28が接近してフィルム4を挟んでシールすることから、例えば、特に、軽い容器39や外周面に丸みを有している容器39など、搬送路1aでの位置ずれが生じ易い容器39、或いは、倒れ易い容器39であっても、フィルム4が容器39の側面39aに巻き付けられた後にシール部材28がフィルム4に接触することになるので、容器39の略全周に巻締め状態となったフィルム4との位置ずれが起こり難く、或いは、容器39を倒すことなくシールすることができる。
【0042】
* 一対の支持ローラ16及び一対のシール部材28を別々のサーボモータ10,33で接近離間動作させるので、異なる容器39の動作設定を簡単に行うことができる。
* 一対の支持ローラ16間の最接近距離を一定にしたので、各種容器39に対するフィルム4の巻き付けを適切に行ってフィルム4のだぶつきを少なくすることができると共に、各種容器39に巻き付けるフィルム4に対するシール部材28の接触を遅らせてフィルム4に熱による悪影響を与え難い。
【0043】
前記実施形態以外にも例えば下記のように構成してもよい。
・ コンベヤ1の搬送路1aの高さ位置を可変にして容器39毎の容器本体40と蓋41との合わせ目42の高さに対応してフィルム4の巻付け高さ位置を調節してもよい。
【0044】
・ 加熱シールすると共にナイフ36により切断するシール部材28に代えて、適切な温度に加熱した刃を使用することによりフィルムを溶かしてシールしつつ切断する溶断シールであってもよい。
【0045】
・ 支持ローラ16の待機位置の設定変更と同様に、容器39の種類によってシール部材28の待機位置を、サーボモータ33により設定変更してもよい。
・ 一対の支持ローラ16の接近離間動作と一対のシール部材28の接近離間動作とは、単一の駆動モータで、両支持ローラ16及び両シール部材28を夫々別々に接近離間動作させてもよく、駆動モータとしては、サーボモータ以外にも、速度制御モータや位置制御モータその他の制御モータであればよい。
【符号の説明】
【0046】
1…コンベヤ、1a…容器搬送路、4…フィルム、10…サーボモータ、16…支持ローラ、28…シール部材、33…サーボモータ、39…容器、39a…容器の側面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の側面を熱収縮性のフィルムで胴巻き包装する胴巻き包装機であって、
容器搬送路を横断するように張設されたフィルムより容器搬送方向の下流側で、容器搬送路を挟む横方向における容器搬送路の両側に配設されて該横方向へ互いに接近離間動作する支持ローラと、
この支持ローラより容器搬送方向の下流側で、容器搬送路を挟む横方向における容器搬送路の両側に配設されて該横方向へ互いに接近離間動作するシール部材とを備え、
該シール部材の接近離間動作と、フィルムに対し搬送途中の容器が容器搬送方向の下流側に位置する際に、容器の側面にフィルムを巻き付け案内する支持ローラの接近離間動作とを別々に行うことができる
ことを特徴とする胴巻き包装機。
【請求項2】
前記一対の支持ローラが容器の側面にフィルムを巻き付け案内する動作位置を任意に設定変更可能であることを特徴とする請求項1に記載の胴巻き包装機。
【請求項3】
前記一対の支持ローラが互いに接近動作する前の支持ローラの待機位置を任意に設定変更可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の胴巻き包装機。
【請求項4】
前記一対の支持ローラが互いに最も接近した後で、前記一対のシール部材が接近してフィルムを挟んでシールすることを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記載の胴巻き包装機。
【請求項5】
前記一対の支持ローラが互いに接近動作する前に、前記一対のシール部材が接近動作を開始することを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の胴巻き包装機。
【請求項6】
前記一対の支持ローラ及び一対のシール部材は、別々のサーボモータによって、夫々、接近離間動作することを特徴とする請求項1〜5のうちいずれか一つに記載の胴巻き包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−280434(P2010−280434A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137511(P2009−137511)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】