脱穀装置
【課題】扱室の上方を覆う上部枠体が、その一側部に沿う回動支点軸を支点として開閉自在に構成され、上部枠体をアクチュエータの動力で開閉させる駆動機構を設けた脱穀装置において、簡単操作で上部枠体を容易に開閉できる脱穀装置を提供する。
【解決手段】上部枠体(21)をアクチュエータ(M)の動力で昇降させる駆動機構(30)と、ON操作によりアクチュエータ(M)を作動させる手動操作手段(37,38)と、該手動操作手段(37,38)を設定時間(T1,T2)より短い時間ON操作した時には上部枠体(21)を昇降範囲端(X,Y,Z)まで自動昇降するようにアクチュエータ(M)に駆動出力すると共に、手動操作手段(37,38)を設定時間(T1,T2)より長い時間ON操作した時には手動操作手段(37,38)のON操作の間だけアクチュエータ(M)に駆動出力する制御部(40)とを備えた。
【解決手段】上部枠体(21)をアクチュエータ(M)の動力で昇降させる駆動機構(30)と、ON操作によりアクチュエータ(M)を作動させる手動操作手段(37,38)と、該手動操作手段(37,38)を設定時間(T1,T2)より短い時間ON操作した時には上部枠体(21)を昇降範囲端(X,Y,Z)まで自動昇降するようにアクチュエータ(M)に駆動出力すると共に、手動操作手段(37,38)を設定時間(T1,T2)より長い時間ON操作した時には手動操作手段(37,38)のON操作の間だけアクチュエータ(M)に駆動出力する制御部(40)とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部枠体をアクチュエータの動力で昇降させる脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
扱室の上方を覆う上部枠体が、その一側部に沿う回動支点軸を支点として開閉自在に構成された脱穀装置が知られている。この種の脱穀装置では、通常、ガススプリングによって上部枠体の開閉操作力が軽減されるものの、開閉時に際して上部枠体を高く持ち上げる必要があるため、昇降操作がしにくい場合があった。
【0003】
そこで、上部枠体をアクチュエータの動力で開閉させる駆動機構が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなものによれば、たとえ大型機種であっても上部枠体を容易に昇降させることが可能になる。
【特許文献1】特開2001−190136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるものは、開閉スイッチを押し続けている間だけ上部枠体が開閉するものであり、扱室内のメンテナンスを行う為に上部枠体を高い位置まで移動させる為にはスイッチを押し続けなければならず操作が面倒であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、扱室の上方を覆う上部枠体が、その一側部に沿う回動支点軸を支点として昇降自在に構成された脱穀装置であって、前記上部枠体をアクチュエータの動力で昇降させる駆動機構と、ON操作によりアクチュエータを作動させる手動操作手段と、該手動操作手段を設定時間より短い時間ON操作した時には上部枠体を昇降範囲端まで自動昇降するようにアクチュエータに駆動出力すると共に、手動操作手段を設定時間より長い時間ON操作した時には手動操作手段のON操作の間だけアクチュエータに駆動出力する制御部とを備えたことを特徴とする。
また、扱室の上方を覆う上部枠体が、その一側部に沿う回動支点軸を支点として昇降自在に構成された脱穀装置であって、前記上部枠体をアクチュエータの動力で昇降させる駆動機構と、ON操作によりアクチュエータを作動させる手動操作手段と、該手動操作手段を設定操作ストローク範囲内でON操作した時には手動操作手段のON操作の間だけアクチュエータに駆動出力すると共に、手動操作手段を前記設定操作ストローク範囲を越えてON操作した時には上部枠体を昇降範囲端まで自動昇降するようにアクチュエータに駆動出力する制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1又は2の発明によれば、手動操作手段をON操作し続けることなく簡単に上部枠体を昇降できると共に、必要な時には任意の昇降位置で上部枠体を停止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、穀稈を刈り取る前処理部2と、刈り取った穀稈を脱穀し、脱穀された穀粒を選別する脱穀部3と、選別された穀粒を貯留する穀粒タンク4と、穀粒タンク4内の穀粒を機外へ排出するオーガ5と、脱穀済みの排稈を機体後端部まで搬送する排藁搬送部6と、排藁を後処理する後処理部7と、運転席8などが設
けられる運転部9と、クローラ式の走行部10とを備えて構成されている。
【0008】
脱穀部3は、扱胴11を内装する扱室12と、処理胴13を内装する処理室14と、扱室12に沿って穀稈を搬送する脱穀フィードチェン15と、脱穀フィードチェン15の上側に沿って配置される挟持レール16と、扱室12で脱穀された穀粒を選別する選別室と、選別された穀粒を穀粒タンク4へ揚上搬送する揚穀筒17とを備えて構成され、機体の左側に搭載されている。揚穀筒17は、脱穀部3の機体中心側の側面に沿って立設され、脱穀部3の右側に搭載される穀粒タンク4に選別済みの穀粒を搬送する。
【0009】
穀粒タンク4の底部には、螺旋搬送体が内装されており、その駆動によって穀粒タンク4内の穀粒がオーガ5に送り出されるようになっている。オーガ5は、穀粒タンク4に連結される縦パイプ5aと、縦パイプ5aの上端部に旋回及び昇降自在に連結される横パイプ5bとを備えて構成されている。これらのパイプ5a、5bには、螺旋搬送体が内装され、その駆動によって横パイプ5bの先端排出口5cまで穀粒が搬送される。非搬出作業時においては、横パイプ5bが機体上部に沿って収納される。機体上部の略中央位置には、収納される横パイプ5bを支持するためにY字状に形成されたオーガ受け18が立設されている。尚、5dは前記横パイプ5bを昇降させるオーガ昇降油圧シリンダである。
【0010】
排藁搬送部6は、脱穀フィードチェン15の終端部で排藁を受け継ぎ、これを上下に対設される排藁搬送チェン19と排藁レール(図示せず)との間で挟持しながら、後処理部7まで搬送するように構成されている。尚、20は排藁搬送部6の上方を覆う開閉自在な排藁カバーである。
【0011】
また、図3〜図5に示すように、21は扱室12の上方を覆う上部枠体であって、該上部枠体21は、その右側部に沿う回動支点軸22を支点として開閉自在に構成されており、扱室12内の清掃、点検などに際して開き操作される。回動支点軸22は、扱室12の右側面上端部に前後方向を向いて回動自在に支持され、該回動支点軸22に取り付けられた複数の回動アーム23を介して上部枠体21を上下回動自在に支持している。
また、上部枠体21と脱穀部3本体側との間には、ガススプリング24が介設されており、その付勢力によって上部枠体21の開放操作力が軽減される。
尚、本実施形態の上部枠体21は、扱胴11及び挟持レール16を支持すると共に、排藁搬送チェン19及び排藁カバー20に連結されているため、上部枠体21の開き操作によって、扱胴11,挟持レール16、排藁搬送チェン19及び、排藁カバー20も一緒に上昇させることが可能であるが、本発明は、このような構成のものに限定されるものではなく、例えば上部枠体21に挟持レール16のみを支持させ、上部枠体21と挟持レール16を一緒に上昇させる構成でもよい。
【0012】
上部枠体21には、その開放動作をロックするための開放ロック機構25が設けられている。この開放ロック機構25は、脱穀部3本体側のロックピン26に係脱する回動自在なフック27と、上部枠体21の先端部側(左側部)に設けられる上下回動自在なロック解除レバー28と、該ロック解除レバー28とフック27とを連繋させるリンク29とを備えて構成されている。つまり、上部枠体21が全閉状態の時は、フック27がロックピン26に係合することにより、上部枠体21が閉位置でロックされている。この状態で、ロック解除レバー28を上方へ回動操作すると、それに連動してフック27がロックピン26から外れ、上部枠体21の開き操作が許容される。また、開放した上部枠体21が全閉されたときは、フック27がロックピン26に自動的に係合し、上部枠体21の開放がロックされる。
【0013】
脱穀部3は、上部枠体21を電動モータM(アクチュエータ)の動力で昇降させる駆動機構30を備えている。駆動機構30は、揚穀筒17と運転部フレーム31とを連結する
連結フレーム32に上下回動自在に支持されるブラケット33と、該ブラケット33に設けられる電動モータMと、該電動モータMの駆動に応じて伸縮する伸縮シリンダ34と、該伸縮シリンダ34の先端部に設けられる連結ピン35とを備えて構成されている。一方、上部枠体21側には、回動アーム23及び回動支点軸22を介して駆動アーム36が一体的に連結されており、この駆動アーム36に形成される長孔36aに、駆動機構30の連結ピン35が挿通状に連結されている。これにより、上部枠体21は、駆動機構30に連結され、その伸縮駆動に応じて開閉されることになる。
【0014】
駆動アーム36の長孔36aは、回動支点軸22を中心とする円弧方向に沿い、駆動機構30が全閉駆動位置にあっても、上部枠体21の僅かな開閉動作を許容している。これにより、上部枠体21を駆動機構30で自動的に開閉させるものでありながら、開放ロック機構25のロック操作及びロック解除操作を手動で行うことが可能になる。つまり、上部枠体21が全閉状態のとき、ロック解除レバー28をロック解除操作すると、ガススプリング24の付勢力でロック解除に必要なストロークだけ上部枠体21が上昇し、その後、駆動機構30による上部枠体21の開き動作が可能になる。一方、駆動機構30によって上部枠体21を閉じ動作させると、上部枠体21は、全閉することなく、上記のストロークを残して停止するので、ロック操作を手動で行うことが可能になる。このように構成すると、開放ロック機構25を自動的にロック解除するための複雑な機構が不要になるだけでなく、開放ロック機構25のロック及びロック解除を、手動により確認しながら確実に行うことができる。
【0015】
尚、本発明の実施の形態では、オーガ5をオーガ受け18に収納した状態において、上部枠体21をロックを解除したロック解除状態(下限位置X)から駆動機構30により全開状態(上限位置Z)まで一気に上昇させると、オーガ5の横パイプ5b部分が上部枠体21の回動範囲内に位置して両者が衝突するので、これを防止する為に上部枠体21を上昇させると衝突しない手前の上昇位置Yで一旦停止するように構成されている。
【0016】
また、図1に示すように、脱穀部3の外側面部には、電動モータMの動力で駆動機構30を作動させる為の上昇スイッチ37(手動操作手段)及び下降スイッチ38(手動操作手段)が設けられている。本実施形態では、スイッチ37,38をフィードチェンフレームに設け、フィードチェンフレームを覆うサイドカバー39の切欠き39aを介して操作するようにしてある。これにより、スイッチ37,38の支持部材を不要にし、構成の簡素化が可能になる。また、サイドカバー39にスイッチ37,38を設けていないからサイドカバー39を容易に着脱できる。
【0017】
また、図6に示すように、コンバイン1には、マイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM等を含む)を用いて構成された制御部40を備えている。そして、制御部40の入力側には、上部枠体21を上昇させる上昇スイッチ37、上部枠体21を下降させる下降スイッチ38、上部枠体21の高さ位置を検出する上部枠体位置検出ポテンショメータ41、オーガ5が上限位置にあることを検出するオーガ上限リミットスイッチ42等を接続してある。
【0018】
一方、出力側には、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38のON(押し)操作に応動して駆動機構30を作動させる電動モータM、オーガ5昇降油圧シリンダ5dを作動させるオーガ昇降ソレノイド43、音による報知手段であるホーン44、及び燃料カットによりエンジンを停止させるエンジン停止ソレノイド45等を接続してある。
【0019】
次に、上述した上昇スイッチ37又は下降スイッチ38をON操作することにより実行される、上部枠体21の昇降制御について、図7〜図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0020】
先ずは手動でロックを解除した下限位置Xから上昇位置Yまでの上昇制御及び、下降制御について、図7〜図13に基づいて説明する。
【0021】
図7は上部枠体昇降制御のフローチャートである。
上昇スイッチ37及び下降スイッチ38をどちらもONしない状態では、全てのフラグが0であるのでS1からS11までの流れを繰り返す。
【0022】
上昇スイッチ37をON操作して上部枠体21を上昇する上昇制御について説明する。
上昇スイッチ37をON操作すると、S8からS12の上昇制御Aへ進む。
【0023】
図8は上昇制御Aのフローチャートである。
S13で下降スイッチ38がONか判断し、ONでない場合はS15へ進む。S13で下降スイッチ38がONの場合は、上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONなので、電動モータMを駆動させず、S14へ進み全フラグを0にして次に進む。
S15で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上限位置Zか判断し、上限位置Zでない場合はS16へ進む。上限位置Zの場合はそれ以上、上昇できないので、S14へ進み全フラグを0にして次に進む。
S16で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上昇位置Yか判断し、上昇位置Yの場合はS17へ進み、上昇位置Yでない場合はS18へ進む。
【0024】
S18で上昇スイッチ37が前回ONから今回OFFに変わったか(上昇スイッチ37がONからOFFに変化した瞬間か)判断し、前回ONから今回OFFに変わった場合はS19へ進み、それ以外はS20へ進む。
S20で上昇スイッチ37が前回OFFから今回ONに変わったか(上昇スイッチ37がOFFからONに変化した瞬間か)判断し、前回OFFから今回ONに変わった場合はS21へ進み、S21で上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)T1をセットし(上昇スイッチ37のON時間のカウントを開始し)、上部枠体上昇フラグを1にセットしてS22へ進む。S20で前回OFFから今回ONに変わっていない場合は直接S22へ進む。
S22で上昇スイッチ操作タイマーが0か(上昇スイッチ37のON時間が設定時間T1経過したか)判断し、0でない(設定時間T1経過していない)場合は次へ進む。
そして、上昇スイッチ操作タイマーが0になるまでは、前記S21で上部枠体上昇フラグが1にセットされているので、上部枠体昇降制御(図7)のS7から直接S12の上昇制御A(図8)へ進み、上昇制御Aにおいて、前回と同様にS13からS22の流れが繰り返される。
【0025】
そして、上昇スイッチ操作タイマーが0になった場合はS23へ進み、S23でホーン単音を鳴らし、手動上昇フラグを1にセットし、上部枠体上昇フラグを0にセットしてからS24の手動上昇制御Cへ進む。
また、上昇スイッチ操作タイマーが0になる前に上昇スイッチ37をOFFした場合はS18からS19へ進み、S19でホーン単音を鳴らし、自動上昇フラグを1にセットし、上部枠体上昇フラグを0にセットしてからS25の自動上昇制御Bへ進む。
即ち、上昇スイッチ37のON時間が上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)T1より短い場合は上部枠体21を自動で上昇位置Yまで上昇させる自動上昇制御Bへ進み、長い場合は上部枠体21を上昇スイッチ37のON操作の間だけ上昇させる手動上昇制御Cへ進むこととなる。
【0026】
図9は自動上昇制御Bのフローチャートである。
S26で上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がONか判断し、どちらかのスイッチ
37,38がONの場合はS27へ進み、S27でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進む。S26で両方のスイッチ37,38がONでないと判断した場合はS28へ進む。
S28で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上昇位置Yか判断し、上昇位置Yの場合は電動モータMを駆動させずS27へ進み、S27でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進む。
S28で上昇位置Yでないと判断した場合はS29へ進み、S29で電動モータMへ上昇指令を出力して次に進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回上昇制御A(図8)のS19で自動上昇フラグが1にセットされているので、S1から直接S30の自動上昇制御B(図9)へ進み、自動上昇制御Bにおいて、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がON、又は上部枠体21が上昇位置Yにならない限りは、S26からS29の流れが繰り返されるから、上部枠体21が自動で上昇位置Yまで上昇して停止することとなる。
尚、上部枠体21の自動上昇中において、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38をON操作すると、前記S26でスイッチONと判断してS27へ進み、S27でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進むので、電動モータMへの上昇出力がストップし、上部枠体21の上昇を停止させることができる。
【0027】
図10は手動上昇制御Cのフローチャートである。
S31で下降スイッチ38がONか判断し、ONでない場合はS33へ進む。S31で下降スイッチ38がONの場合は上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONであるので電動モータMを駆動させずS32へ進みホーン単音を鳴らし、S34へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。
S33で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上昇位置Yか判断し、上昇位置Yの場合は電動モータを駆動させずS32へ進みホーン単音を鳴らし、S34へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。S33で上昇位置Yでないと判断した場合はS35へ進む。
S35で上昇スイッチ37がONか判断し、ONでない場合は電動モータMを駆動させずS34へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。
S35で上昇スイッチ37がONと判断した場合はS36へ進み電動モータMへ上昇指令を出力して次へ進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回S23(図8)で手動上昇フラグが1にセットされているので、S2から直接S37の手動上昇制御C(図10)へ進み、手動上昇制御Cにおいて、下降スイッチ38がON、上部枠体21が上昇位置Y、又は上昇スイッチ37がOFFにならない限りはS31からS36の流れが繰り返されるから、上昇スイッチ37のON操作の間だけ上部枠体21が上昇することとなる。
尚、本実施形態のものは、手動上昇で上昇スイッチ37をON操作し続けても上部枠体21が上昇位置Yで停止し、上昇位置Yで上昇スイッチ37をOFFからONに操作しなければ上部枠体21が上限位置Zまで移動しないように構成されている。
【0028】
次に下降スイッチ38をON操作して上部枠体21を下降する下降制御について説明する。
前記上部枠体昇降制御(図7)において、下降スイッチ38をON操作すると、S10からS38の下降制御Dへ進む。
【0029】
図11は下降制御Dのフローチャートである。
S39で上昇スイッチ37がONか判断し、ONでない場合はS40へ進む。S39で上昇スイッチ37がONの場合は、上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONなので、電動モータMを駆動させずS41へ進みホーン単音を鳴らし、全フラグを0にして次に進む。
S40で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が下限位置Xか判断し、下限位置Xでない場合はS42へ進む。下限位置Xの場合はそれ以上、下降できないのでS41へ進みホーン単音を鳴らし、全フラグを0にして次に進む。
S42で下降スイッチ38が前回ONから今回OFFに変わったか(下降スイッチ38がONからOFFに変化した瞬間か)判断し、前回ONから今回OFFに変わった場合はS43へ進み、それ以外はS44へ進む。
S44で下降スイッチ38が前回OFFから今回ONに変わったか(下降スイッチ38がOFFからONに変化した瞬間か)判断し、前回OFFから今回ONに変わった場合はS45へ進み下降スイッチ操作タイマー(設定時間)T2をセット(下降スイッチ38のON時間のカウントを開始)し、上部枠体下降フラグを1にセットしてS46へ進む。S44で前回OFFから今回ONに変わっていない場合は直接S46へ進む。
S46で下降スイッチ操作タイマーが0か(下降スイッチ38のON時間が設定時間T2経過したか)判断し、0でない(設定時間T2経過していない)場合は次へ進む。
そして、下降スイッチ操作タイマーが0になるまでは、前記S45で上部枠体下降フラグが1にセットされているので、上部枠体昇降制御(図7)のS9から直接S38の下降制御D(図11)へ進み、下降制御Dにおいて、前回と同様にS39からS46の流れが繰り返される。
【0030】
そして、下降スイッチ操作タイマーが0になった場合はS47へ進み、S47でホーン単音を鳴らし、手動下限フラグを1にセットし、上部枠体下降フラグを0にセットしてからS48の手動下限制御Fへ進む。
また、下降スイッチ操作タイマーが0になる前に下降スイッチ38をOFFした場合はS42からS43へ進み、S43でホーン単音を鳴らし、自動下限フラグを1にセットし、上部枠体下降フラグを0にセットしてからS49の自動下限制御Eへ進む。
即ち、下降スイッチ38のON時間が下降スイッチ操作タイマー(設定時間)T2より短い場合は上部枠体21を自動で下限位置Xまで下降させる自動下限制御Eへ進み、長い場合は上部枠体21を下降スイッチ38のON操作の間だけ下降させる手動下限制御Fへ進むこととなる。
【0031】
図12は自動下限制御Eのフローチャートである。
S50で上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がONか判断し、どちらかのスイッチ37,38がONの場合はS51へ進みホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進む。S50で両方のスイッチ37,38がONでないと判断した場合はS52へ進む。
S52で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が下限位置Xか判断し、下限位置Xの場合は、電動モータMを駆動させずS51へ進み、S51でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進む。
S52で下限位置Xでないと判断した場合はS53へ進み電動モータMへ下降指令を出力して次に進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回下降制御D(図11)のS43で自動下限フラグが1にセットされているので、S5から直接S54の自動下限制御E(図12)へ進み、自動下限制御Eにおいて、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がON、又は上部枠体21が下限位置Xにならない限りはS50からS53の流れが繰り返されるから、上部枠体21が自動で下限位置Xまで下降して停止することとなる。
尚、上部枠体21の自動下降中において、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38をON操作すると、前記S50でスイッチONと判断してS51へ進み、S51でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進むので、電動モータMへの下降出力がストップし、上部枠体21の下降を停止させることができる。
【0032】
図13は手動下限制御Fのフローチャートである。
S55で上昇スイッチ37がONか判断し、OFFの場合はS58へ進む。S55で上昇スイッチ37がONの場合は上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONであるので電動モータMを駆動させずS56へ進みホーン単音を鳴らし、S57へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。
S58で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が下限位置Xか判断し、下限位置Xの場合は電動モータを駆動させずS56へ進みホーン単音を鳴らし、S57へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。S58で下限位置Xでないと判断した場合はS59へ進む。
S59で下降スイッチ38がONか判断し、ONでない場合は電動モータMを駆動させずS57へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。
S59で下降スイッチ38がONと判断した場合はS60へ進み電動モータMへ下降指令を出力して次へ進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回S47(図11)で手動下限フラグが1にセットされているので、S6から直接S61の手動下限制御F(図13)へ進み、手動下限制御Fにおいて、上昇スイッチ37がON、上部枠体21が下限位置X、又は下降スイッチ38がOFFにならない限りはS55からS60の流れが繰り返されるから、下降スイッチ38のON操作の間だけ上部枠体21を下降することとなる。
【0033】
次に上昇位置Yから上限位置Zまでの上昇制御について、図7、図8、図14及び、図15に基づいて説明する。
【0034】
上部枠体21が上昇位置Xで上昇停止後に再度上昇スイッチ37をON操作すると、前記上昇制御A(図8)のS16で上部枠体21が上昇位置YであるからS17へ進む。
S17で上昇スイッチ37が前回ONから今回OFFに変わったか(上昇スイッチ37がONからOFFに変化した瞬間か)判断し、前回ONから今回OFFに変わった場合はS62へ進み、それ以外はS63へ進む。
S63で上昇スイッチ37が前回OFFから今回ONに変わったか(上昇スイッチ37がOFFからONに変化した瞬間か)判断し、前回OFFから今回ONに変わった場合はS64へ進み上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)T1をセット(上昇スイッチ37のON時間のカウントを開始)し、上部枠体上昇フラグを1にセットしてS65へ進む。S63で前回OFFから今回ONに変わっていない場合は直接S65へ進む。
S65で上昇スイッチ操作タイマーが0か(上昇スイッチ37のON時間が設定時間T1経過したか)判断し、0でない(設定時間T1経過していない)場合は次へ進む。
そして、上昇スイッチ操作タイマーが0になるまでは、前記S64で上部枠体上昇フラグが1にセットされているので、上部枠体昇降制御(図7)のS7から直接S12の上昇制御A(図8)へ進み、上昇制御Aにおいて、前回と同様にS13からS65の流れが繰り返される。
【0035】
そして、上昇スイッチ操作タイマーが0になった場合はS66へ進み、S66でホーン単音を鳴らし、手動上限フラグを1にセットし、上部枠体上昇フラグを0にセットしてからS67の手動上限制御Hへ進む。
また、上昇スイッチ操作タイマーが0になる前に上昇スイッチ37をOFFした場合はS17からS62へ進み、S62でホーン単音を鳴らし、自動上限フラグを1にセットし、上部枠体上昇フラグを0にセットしてからS68の自動上限制御Gへ進む。
即ち、上昇スイッチ37のON時間が上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)T1より短い場合は上部枠体21を自動で上限位置Zまで上昇させる自動上限制御Gへ進み、長い場合は上部枠体21を上昇スイッチ37のON操作の間だけ上昇させる手動上限制御Hへ進むこととなる。
【0036】
図14は自動上限制御Gのフローチャートである。
S69で上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がONか判断し、どちらかのスイッチ37,38がONの場合はS70へ進みホーン単音を鳴らし、S71へ進み全フラグを0にセットして次に進む。S69で両方のスイッチ37,38がONでないと判断した場合はS72へ進む。
S72で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上限位置Zか判断し、上限位置Zの場合は電動モータMを駆動させずS70へ進みホーン単音を鳴らし、S71へ進み全フラグを0にセットして次に進む。S72で上限位置Zでないと判断した場合はS73へ進む。
S73でオーガ上限リミットスイッチ42がONか判断し、ONの場合はオーガ5が上限まで上昇しており上部枠体21を上昇させても衝突しないので、S74へ進み電動モータMへ上昇指令を出力して次に進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回上昇制御A(図8)のS62で自動上限フラグが1にセットされているので、S3から直接S75の自動上限制御G(図14)へ進み、自動上限制御Gにおいて、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がON、又は上部枠体21が上限位置Zにならない限りはS69からS74の流れが繰り返されるから、上部枠体21が自動で上限位置Zまで上昇することとなる。
【0037】
また、S73でオーガ上限リミットスイッチ42がONでない場合はS76へ進みエンジンが作動中か判断し、エンジンが作動中でない場合はS71へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。そして、S76でエンジンが作動中である場合はS77へ進みオーガ昇降ソレノイド43へオーガ上昇指令を出力して次へ進む。
よって、オーガ5の昇降位置が低く上部枠体21の回動範囲内に位置していても、エンジンが作動中であれば制御部40がオーガ昇降ソレノイド43へオーガ上昇指令を出力し、オーガ昇降油圧シリンダ5dを作動させてオーガ5を上限まで自動で上昇させるので、運転部9へ戻ってオーガ5を上昇させることなく上昇スイッチ37で上部枠体21とオーガ5を上昇することができる。
尚、上部枠体21の自動上昇中において、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38をON操作すると、前記S69でスイッチONと判断してS70へ進みホーン単音を鳴らし、S71へ進み全フラグを0にセットして次に進むので、電動モータM又はオーガ昇降ソレノイド43への上昇出力がストップし、上部枠体21及びオーガ5の上昇を停止させることができる。
【0038】
図15は手動上限制御Hのフローチャートである。
S78で下降スイッチ38がONか判断し、ONでない場合はS79へ進む。S78で下降スイッチ38がONの場合は上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONであるので電動モータMを駆動させずS80へ進みホーン単音を鳴らし、S81へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。
S79で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上限位置Zか判断し、上限位置Zの場合は電動モータMを駆動させずS80へ進みホーン単音を鳴らし、S81へ進み全フラグを0にセットして次に進む。S79で上限位置Zでないと判断した場合はS82へ進む。
S82で上昇スイッチ37がONか判断し、ONでない場合は電動モータMを駆動させずS81へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。
S82で上昇スイッチ37がONと判断した場合はS83へ進みオーガ上限リミットスイッチ42がONか判断し、ONの場合はオーガ5が上限まで上昇しており上部枠体21を上昇させても衝突しないので、S84へ進み電動モータMへ上昇指令を出力して次に進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回S66(図8)で手動上限フラグが1にセットされているので、S4から直接S85の手動上限制御H(図15)へ進み、手動上限制御Hにおいて、下降スイッチ38がON、上部枠体21が上限位置Z、又は上昇スイッチ37がOFFにならない限りはS78からS84の流れが繰り返されるから、
上昇スイッチ37のON操作の間だけ上部枠体21を上昇することとなる。
【0039】
また、S83でオーガ上限リミットスイッチ42がONでない場合はS86へ進みエンジンが作動中か判断し、エンジンが作動中でない場合はS81へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。S86でエンジンが作動中である場合はS87へ進みオーガ昇降ソレノイド43へオーガ上昇指令を出力して次へ進む。
よって、エンジンが作動中であれば上昇スイッチ37をON操作している間は制御部40がオーガ昇降ソレノイド43へオーガ上昇指令を出力し、オーガ5を上限まで上昇させるので、運転部9へ戻ってオーガ5を上昇させることなく上昇スイッチ37で上部枠体21とオーガ5を上昇することができる。
【0040】
叙述の如く構成された本実施形態のコンバイン1において、脱穀部3は、扱室12の上方を覆う上部枠体21を有し、該上部枠体21を、その一側部に沿う回動支点軸22を支点として昇降自在に構成すると共に、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38のON操作により作動する駆動機構30の駆動力で昇降させるにあたり、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38を設定時間T1又はT2より短い時間ON操作した時には上部枠体21を下限位置X、上昇位置Y又は、上限位置Zまで自動で昇降させ、設定時間T1又はT2より長い時間ON操作した時には上昇スイッチ37及び下降スイッチ38のON操作の間だけ上部枠体21を昇降させるように構成したので、上昇スイッチ37及び下降スイッチ38をON操作し続けることなく簡単にに上部枠体21を昇降できると共に、必要な時には任意の昇降位置で上部枠体21を停止できる。
【0041】
図16は前記自動上限制御G(図14)の他の実施例を示すフローチャートである。
自動上限制御GとはS88〜S90部分が異なり、上部枠体21が上昇位置Yで再度上昇スイッチ37をON操作すると、オーガ5が上限位置にない(オーガ上限リミットスイッチ42がONでない)場合に、自動的にエンジンを始動してオーガ昇降油圧シリンダ5dを作動させ、オーガ5を上限位置まで上昇させた後エンジンを停止すると共に、上部枠体21を上限位置Zまで上昇するように制御している。よって、運転部9に戻ってエンジンを始動することなく、上部枠体21とオーガ5を上限位置まで上昇することができる。
また、本実施例のものにエンジン始動条件を設け、エンジン始動条件が揃っていない場合は警報して制御をキャンセルするようにしてもよい。
【0042】
また、図17は前記手動上限制御H(図15)の他の実施例を示すフローチャートである。手動上限制御HとはS91〜S93部分が異なり、上記と同様に上部枠体21が上昇位置Yで再度上昇スイッチ37をON操作すると、自動的にエンジンを始動すると共に、オーガ5が上限位置まで上昇した後エンジンを停止するので、運転部9に戻ってエンジンを始動することなく、上部枠体21とオーガ5を上限位置まで上昇することができる。
【0043】
図18は、上昇スイッチ37(手動操作手段)及び下降スイッチ38(手動操作手段)の第2実施例を示す要部側面図である。
46はスイッチ37,38のON操作ストローク量を検出する検出センサであり、スイッチ37,38を設定操作ストロークS範囲内でON操作した時には、上部枠体21をスイッチ37,38のON操作の間だけ昇降させ、スイッチ37,38を前記設定操作ストロークS範囲を越えて一旦ON操作した時にはOFFとなっても上部枠体21を昇降範囲端X,Y,Zまで自動昇降するように構成している。よって、スイッチ37,38をON操作し続けることなく簡単に上部枠体21を昇降できると共に、必要な時には任意の昇降位置で上部枠体21を停止できる。
尚、上記のものは1つの検出センサでON操作ストローク量を検出する構成としたが、複数のセンサで検出する構成としてもよい。
【0044】
本実施形態では上部枠体21の高さ位置をポテンショメータにより検出したが、ポテンショメータに換えてスイッチ等で検出するように構成してもよい。
【0045】
本実施形態ではオーガ5の上限位置をリミットスイッチにより検出したが、リミットスイッチに換えてポテンショメータ等で検出するように構成してもよい。その場合はオーガ5を上限位置でなく、上部枠体21に接触しない位置まで上昇すればよい。
【0046】
本実施形態ではオーガ5が上限位置まで上昇してから上部枠体21を上昇するようにしたが、上部枠体21とオーガ5を同時に上昇するように構成してもよい。
【0047】
本実施形態では手動操作手段を押し操作するスイッチにより構成したが、レバーにより構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】コンバインの左側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】上部枠体の全閉状態(ロック状態)を示す脱穀部の要部背面図である。
【図4】上部枠体のロック解除状態を示す脱穀部の要部背面図である。
【図5】上部枠体の全開状態を示す脱穀部の要部背面図である。
【図6】コンバインの制御ブロックである。
【図7】上部枠体昇降制御を示すフローチャートである。
【図8】上昇制御Aを示すフローチャートである。
【図9】自動上昇制御Bを示すフローチャートである。
【図10】手動上昇制御Cを示すフローチャートである。
【図11】下降制御Dを示すフローチャートである。
【図12】自動下限制御Eを示すフローチャートである。
【図13】手動下限制御F示すフローチャートである。
【図14】自動上限制御Gを示すフローチャートである。
【図15】手動上限制御H示すフローチャートである。
【図16】自動上限制御Gの第2実施例を示すフローチャートである。
【図17】手動上限制御Hの第2実施例を示すフローチャートである。
【図18】手動操作手段の第2実施例であり、(A)はON操作していない状態を示す要部側面図。(B)は設定操作ストローク範囲内でON操作した状態を示すを要部側面図。(C)は設定操作ストローク範囲を超えてON操作した状態を示す要部側面図。
【符号の説明】
【0049】
12 扱室
21 上部枠体
22 回動支点軸
30 駆動機構
37 上昇スイッチ(手動操作手段)
38 下降スイッチ(手動操作手段)
40 制御部
M 電動モータ(アクチュエータ)
X 下限位置(制御範囲端)
Y 上昇位置(制御範囲端)
Z 上限位置(制御範囲端)
T1 上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)
T2 下降スイッチ操作タイマー(設定時間)
S 設定操作ストローク
【技術分野】
【0001】
本発明は、上部枠体をアクチュエータの動力で昇降させる脱穀装置に関する。
【背景技術】
【0002】
扱室の上方を覆う上部枠体が、その一側部に沿う回動支点軸を支点として開閉自在に構成された脱穀装置が知られている。この種の脱穀装置では、通常、ガススプリングによって上部枠体の開閉操作力が軽減されるものの、開閉時に際して上部枠体を高く持ち上げる必要があるため、昇降操作がしにくい場合があった。
【0003】
そこで、上部枠体をアクチュエータの動力で開閉させる駆動機構が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このようなものによれば、たとえ大型機種であっても上部枠体を容易に昇降させることが可能になる。
【特許文献1】特開2001−190136号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示されるものは、開閉スイッチを押し続けている間だけ上部枠体が開閉するものであり、扱室内のメンテナンスを行う為に上部枠体を高い位置まで移動させる為にはスイッチを押し続けなければならず操作が面倒であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、扱室の上方を覆う上部枠体が、その一側部に沿う回動支点軸を支点として昇降自在に構成された脱穀装置であって、前記上部枠体をアクチュエータの動力で昇降させる駆動機構と、ON操作によりアクチュエータを作動させる手動操作手段と、該手動操作手段を設定時間より短い時間ON操作した時には上部枠体を昇降範囲端まで自動昇降するようにアクチュエータに駆動出力すると共に、手動操作手段を設定時間より長い時間ON操作した時には手動操作手段のON操作の間だけアクチュエータに駆動出力する制御部とを備えたことを特徴とする。
また、扱室の上方を覆う上部枠体が、その一側部に沿う回動支点軸を支点として昇降自在に構成された脱穀装置であって、前記上部枠体をアクチュエータの動力で昇降させる駆動機構と、ON操作によりアクチュエータを作動させる手動操作手段と、該手動操作手段を設定操作ストローク範囲内でON操作した時には手動操作手段のON操作の間だけアクチュエータに駆動出力すると共に、手動操作手段を前記設定操作ストローク範囲を越えてON操作した時には上部枠体を昇降範囲端まで自動昇降するようにアクチュエータに駆動出力する制御部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
請求項1又は2の発明によれば、手動操作手段をON操作し続けることなく簡単に上部枠体を昇降できると共に、必要な時には任意の昇降位置で上部枠体を停止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、コンバイン1は、穀稈を刈り取る前処理部2と、刈り取った穀稈を脱穀し、脱穀された穀粒を選別する脱穀部3と、選別された穀粒を貯留する穀粒タンク4と、穀粒タンク4内の穀粒を機外へ排出するオーガ5と、脱穀済みの排稈を機体後端部まで搬送する排藁搬送部6と、排藁を後処理する後処理部7と、運転席8などが設
けられる運転部9と、クローラ式の走行部10とを備えて構成されている。
【0008】
脱穀部3は、扱胴11を内装する扱室12と、処理胴13を内装する処理室14と、扱室12に沿って穀稈を搬送する脱穀フィードチェン15と、脱穀フィードチェン15の上側に沿って配置される挟持レール16と、扱室12で脱穀された穀粒を選別する選別室と、選別された穀粒を穀粒タンク4へ揚上搬送する揚穀筒17とを備えて構成され、機体の左側に搭載されている。揚穀筒17は、脱穀部3の機体中心側の側面に沿って立設され、脱穀部3の右側に搭載される穀粒タンク4に選別済みの穀粒を搬送する。
【0009】
穀粒タンク4の底部には、螺旋搬送体が内装されており、その駆動によって穀粒タンク4内の穀粒がオーガ5に送り出されるようになっている。オーガ5は、穀粒タンク4に連結される縦パイプ5aと、縦パイプ5aの上端部に旋回及び昇降自在に連結される横パイプ5bとを備えて構成されている。これらのパイプ5a、5bには、螺旋搬送体が内装され、その駆動によって横パイプ5bの先端排出口5cまで穀粒が搬送される。非搬出作業時においては、横パイプ5bが機体上部に沿って収納される。機体上部の略中央位置には、収納される横パイプ5bを支持するためにY字状に形成されたオーガ受け18が立設されている。尚、5dは前記横パイプ5bを昇降させるオーガ昇降油圧シリンダである。
【0010】
排藁搬送部6は、脱穀フィードチェン15の終端部で排藁を受け継ぎ、これを上下に対設される排藁搬送チェン19と排藁レール(図示せず)との間で挟持しながら、後処理部7まで搬送するように構成されている。尚、20は排藁搬送部6の上方を覆う開閉自在な排藁カバーである。
【0011】
また、図3〜図5に示すように、21は扱室12の上方を覆う上部枠体であって、該上部枠体21は、その右側部に沿う回動支点軸22を支点として開閉自在に構成されており、扱室12内の清掃、点検などに際して開き操作される。回動支点軸22は、扱室12の右側面上端部に前後方向を向いて回動自在に支持され、該回動支点軸22に取り付けられた複数の回動アーム23を介して上部枠体21を上下回動自在に支持している。
また、上部枠体21と脱穀部3本体側との間には、ガススプリング24が介設されており、その付勢力によって上部枠体21の開放操作力が軽減される。
尚、本実施形態の上部枠体21は、扱胴11及び挟持レール16を支持すると共に、排藁搬送チェン19及び排藁カバー20に連結されているため、上部枠体21の開き操作によって、扱胴11,挟持レール16、排藁搬送チェン19及び、排藁カバー20も一緒に上昇させることが可能であるが、本発明は、このような構成のものに限定されるものではなく、例えば上部枠体21に挟持レール16のみを支持させ、上部枠体21と挟持レール16を一緒に上昇させる構成でもよい。
【0012】
上部枠体21には、その開放動作をロックするための開放ロック機構25が設けられている。この開放ロック機構25は、脱穀部3本体側のロックピン26に係脱する回動自在なフック27と、上部枠体21の先端部側(左側部)に設けられる上下回動自在なロック解除レバー28と、該ロック解除レバー28とフック27とを連繋させるリンク29とを備えて構成されている。つまり、上部枠体21が全閉状態の時は、フック27がロックピン26に係合することにより、上部枠体21が閉位置でロックされている。この状態で、ロック解除レバー28を上方へ回動操作すると、それに連動してフック27がロックピン26から外れ、上部枠体21の開き操作が許容される。また、開放した上部枠体21が全閉されたときは、フック27がロックピン26に自動的に係合し、上部枠体21の開放がロックされる。
【0013】
脱穀部3は、上部枠体21を電動モータM(アクチュエータ)の動力で昇降させる駆動機構30を備えている。駆動機構30は、揚穀筒17と運転部フレーム31とを連結する
連結フレーム32に上下回動自在に支持されるブラケット33と、該ブラケット33に設けられる電動モータMと、該電動モータMの駆動に応じて伸縮する伸縮シリンダ34と、該伸縮シリンダ34の先端部に設けられる連結ピン35とを備えて構成されている。一方、上部枠体21側には、回動アーム23及び回動支点軸22を介して駆動アーム36が一体的に連結されており、この駆動アーム36に形成される長孔36aに、駆動機構30の連結ピン35が挿通状に連結されている。これにより、上部枠体21は、駆動機構30に連結され、その伸縮駆動に応じて開閉されることになる。
【0014】
駆動アーム36の長孔36aは、回動支点軸22を中心とする円弧方向に沿い、駆動機構30が全閉駆動位置にあっても、上部枠体21の僅かな開閉動作を許容している。これにより、上部枠体21を駆動機構30で自動的に開閉させるものでありながら、開放ロック機構25のロック操作及びロック解除操作を手動で行うことが可能になる。つまり、上部枠体21が全閉状態のとき、ロック解除レバー28をロック解除操作すると、ガススプリング24の付勢力でロック解除に必要なストロークだけ上部枠体21が上昇し、その後、駆動機構30による上部枠体21の開き動作が可能になる。一方、駆動機構30によって上部枠体21を閉じ動作させると、上部枠体21は、全閉することなく、上記のストロークを残して停止するので、ロック操作を手動で行うことが可能になる。このように構成すると、開放ロック機構25を自動的にロック解除するための複雑な機構が不要になるだけでなく、開放ロック機構25のロック及びロック解除を、手動により確認しながら確実に行うことができる。
【0015】
尚、本発明の実施の形態では、オーガ5をオーガ受け18に収納した状態において、上部枠体21をロックを解除したロック解除状態(下限位置X)から駆動機構30により全開状態(上限位置Z)まで一気に上昇させると、オーガ5の横パイプ5b部分が上部枠体21の回動範囲内に位置して両者が衝突するので、これを防止する為に上部枠体21を上昇させると衝突しない手前の上昇位置Yで一旦停止するように構成されている。
【0016】
また、図1に示すように、脱穀部3の外側面部には、電動モータMの動力で駆動機構30を作動させる為の上昇スイッチ37(手動操作手段)及び下降スイッチ38(手動操作手段)が設けられている。本実施形態では、スイッチ37,38をフィードチェンフレームに設け、フィードチェンフレームを覆うサイドカバー39の切欠き39aを介して操作するようにしてある。これにより、スイッチ37,38の支持部材を不要にし、構成の簡素化が可能になる。また、サイドカバー39にスイッチ37,38を設けていないからサイドカバー39を容易に着脱できる。
【0017】
また、図6に示すように、コンバイン1には、マイクロコンピュータ(CPU、ROM、RAM等を含む)を用いて構成された制御部40を備えている。そして、制御部40の入力側には、上部枠体21を上昇させる上昇スイッチ37、上部枠体21を下降させる下降スイッチ38、上部枠体21の高さ位置を検出する上部枠体位置検出ポテンショメータ41、オーガ5が上限位置にあることを検出するオーガ上限リミットスイッチ42等を接続してある。
【0018】
一方、出力側には、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38のON(押し)操作に応動して駆動機構30を作動させる電動モータM、オーガ5昇降油圧シリンダ5dを作動させるオーガ昇降ソレノイド43、音による報知手段であるホーン44、及び燃料カットによりエンジンを停止させるエンジン停止ソレノイド45等を接続してある。
【0019】
次に、上述した上昇スイッチ37又は下降スイッチ38をON操作することにより実行される、上部枠体21の昇降制御について、図7〜図15に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0020】
先ずは手動でロックを解除した下限位置Xから上昇位置Yまでの上昇制御及び、下降制御について、図7〜図13に基づいて説明する。
【0021】
図7は上部枠体昇降制御のフローチャートである。
上昇スイッチ37及び下降スイッチ38をどちらもONしない状態では、全てのフラグが0であるのでS1からS11までの流れを繰り返す。
【0022】
上昇スイッチ37をON操作して上部枠体21を上昇する上昇制御について説明する。
上昇スイッチ37をON操作すると、S8からS12の上昇制御Aへ進む。
【0023】
図8は上昇制御Aのフローチャートである。
S13で下降スイッチ38がONか判断し、ONでない場合はS15へ進む。S13で下降スイッチ38がONの場合は、上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONなので、電動モータMを駆動させず、S14へ進み全フラグを0にして次に進む。
S15で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上限位置Zか判断し、上限位置Zでない場合はS16へ進む。上限位置Zの場合はそれ以上、上昇できないので、S14へ進み全フラグを0にして次に進む。
S16で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上昇位置Yか判断し、上昇位置Yの場合はS17へ進み、上昇位置Yでない場合はS18へ進む。
【0024】
S18で上昇スイッチ37が前回ONから今回OFFに変わったか(上昇スイッチ37がONからOFFに変化した瞬間か)判断し、前回ONから今回OFFに変わった場合はS19へ進み、それ以外はS20へ進む。
S20で上昇スイッチ37が前回OFFから今回ONに変わったか(上昇スイッチ37がOFFからONに変化した瞬間か)判断し、前回OFFから今回ONに変わった場合はS21へ進み、S21で上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)T1をセットし(上昇スイッチ37のON時間のカウントを開始し)、上部枠体上昇フラグを1にセットしてS22へ進む。S20で前回OFFから今回ONに変わっていない場合は直接S22へ進む。
S22で上昇スイッチ操作タイマーが0か(上昇スイッチ37のON時間が設定時間T1経過したか)判断し、0でない(設定時間T1経過していない)場合は次へ進む。
そして、上昇スイッチ操作タイマーが0になるまでは、前記S21で上部枠体上昇フラグが1にセットされているので、上部枠体昇降制御(図7)のS7から直接S12の上昇制御A(図8)へ進み、上昇制御Aにおいて、前回と同様にS13からS22の流れが繰り返される。
【0025】
そして、上昇スイッチ操作タイマーが0になった場合はS23へ進み、S23でホーン単音を鳴らし、手動上昇フラグを1にセットし、上部枠体上昇フラグを0にセットしてからS24の手動上昇制御Cへ進む。
また、上昇スイッチ操作タイマーが0になる前に上昇スイッチ37をOFFした場合はS18からS19へ進み、S19でホーン単音を鳴らし、自動上昇フラグを1にセットし、上部枠体上昇フラグを0にセットしてからS25の自動上昇制御Bへ進む。
即ち、上昇スイッチ37のON時間が上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)T1より短い場合は上部枠体21を自動で上昇位置Yまで上昇させる自動上昇制御Bへ進み、長い場合は上部枠体21を上昇スイッチ37のON操作の間だけ上昇させる手動上昇制御Cへ進むこととなる。
【0026】
図9は自動上昇制御Bのフローチャートである。
S26で上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がONか判断し、どちらかのスイッチ
37,38がONの場合はS27へ進み、S27でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進む。S26で両方のスイッチ37,38がONでないと判断した場合はS28へ進む。
S28で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上昇位置Yか判断し、上昇位置Yの場合は電動モータMを駆動させずS27へ進み、S27でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進む。
S28で上昇位置Yでないと判断した場合はS29へ進み、S29で電動モータMへ上昇指令を出力して次に進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回上昇制御A(図8)のS19で自動上昇フラグが1にセットされているので、S1から直接S30の自動上昇制御B(図9)へ進み、自動上昇制御Bにおいて、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がON、又は上部枠体21が上昇位置Yにならない限りは、S26からS29の流れが繰り返されるから、上部枠体21が自動で上昇位置Yまで上昇して停止することとなる。
尚、上部枠体21の自動上昇中において、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38をON操作すると、前記S26でスイッチONと判断してS27へ進み、S27でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進むので、電動モータMへの上昇出力がストップし、上部枠体21の上昇を停止させることができる。
【0027】
図10は手動上昇制御Cのフローチャートである。
S31で下降スイッチ38がONか判断し、ONでない場合はS33へ進む。S31で下降スイッチ38がONの場合は上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONであるので電動モータMを駆動させずS32へ進みホーン単音を鳴らし、S34へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。
S33で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上昇位置Yか判断し、上昇位置Yの場合は電動モータを駆動させずS32へ進みホーン単音を鳴らし、S34へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。S33で上昇位置Yでないと判断した場合はS35へ進む。
S35で上昇スイッチ37がONか判断し、ONでない場合は電動モータMを駆動させずS34へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。
S35で上昇スイッチ37がONと判断した場合はS36へ進み電動モータMへ上昇指令を出力して次へ進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回S23(図8)で手動上昇フラグが1にセットされているので、S2から直接S37の手動上昇制御C(図10)へ進み、手動上昇制御Cにおいて、下降スイッチ38がON、上部枠体21が上昇位置Y、又は上昇スイッチ37がOFFにならない限りはS31からS36の流れが繰り返されるから、上昇スイッチ37のON操作の間だけ上部枠体21が上昇することとなる。
尚、本実施形態のものは、手動上昇で上昇スイッチ37をON操作し続けても上部枠体21が上昇位置Yで停止し、上昇位置Yで上昇スイッチ37をOFFからONに操作しなければ上部枠体21が上限位置Zまで移動しないように構成されている。
【0028】
次に下降スイッチ38をON操作して上部枠体21を下降する下降制御について説明する。
前記上部枠体昇降制御(図7)において、下降スイッチ38をON操作すると、S10からS38の下降制御Dへ進む。
【0029】
図11は下降制御Dのフローチャートである。
S39で上昇スイッチ37がONか判断し、ONでない場合はS40へ進む。S39で上昇スイッチ37がONの場合は、上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONなので、電動モータMを駆動させずS41へ進みホーン単音を鳴らし、全フラグを0にして次に進む。
S40で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が下限位置Xか判断し、下限位置Xでない場合はS42へ進む。下限位置Xの場合はそれ以上、下降できないのでS41へ進みホーン単音を鳴らし、全フラグを0にして次に進む。
S42で下降スイッチ38が前回ONから今回OFFに変わったか(下降スイッチ38がONからOFFに変化した瞬間か)判断し、前回ONから今回OFFに変わった場合はS43へ進み、それ以外はS44へ進む。
S44で下降スイッチ38が前回OFFから今回ONに変わったか(下降スイッチ38がOFFからONに変化した瞬間か)判断し、前回OFFから今回ONに変わった場合はS45へ進み下降スイッチ操作タイマー(設定時間)T2をセット(下降スイッチ38のON時間のカウントを開始)し、上部枠体下降フラグを1にセットしてS46へ進む。S44で前回OFFから今回ONに変わっていない場合は直接S46へ進む。
S46で下降スイッチ操作タイマーが0か(下降スイッチ38のON時間が設定時間T2経過したか)判断し、0でない(設定時間T2経過していない)場合は次へ進む。
そして、下降スイッチ操作タイマーが0になるまでは、前記S45で上部枠体下降フラグが1にセットされているので、上部枠体昇降制御(図7)のS9から直接S38の下降制御D(図11)へ進み、下降制御Dにおいて、前回と同様にS39からS46の流れが繰り返される。
【0030】
そして、下降スイッチ操作タイマーが0になった場合はS47へ進み、S47でホーン単音を鳴らし、手動下限フラグを1にセットし、上部枠体下降フラグを0にセットしてからS48の手動下限制御Fへ進む。
また、下降スイッチ操作タイマーが0になる前に下降スイッチ38をOFFした場合はS42からS43へ進み、S43でホーン単音を鳴らし、自動下限フラグを1にセットし、上部枠体下降フラグを0にセットしてからS49の自動下限制御Eへ進む。
即ち、下降スイッチ38のON時間が下降スイッチ操作タイマー(設定時間)T2より短い場合は上部枠体21を自動で下限位置Xまで下降させる自動下限制御Eへ進み、長い場合は上部枠体21を下降スイッチ38のON操作の間だけ下降させる手動下限制御Fへ進むこととなる。
【0031】
図12は自動下限制御Eのフローチャートである。
S50で上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がONか判断し、どちらかのスイッチ37,38がONの場合はS51へ進みホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進む。S50で両方のスイッチ37,38がONでないと判断した場合はS52へ進む。
S52で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が下限位置Xか判断し、下限位置Xの場合は、電動モータMを駆動させずS51へ進み、S51でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進む。
S52で下限位置Xでないと判断した場合はS53へ進み電動モータMへ下降指令を出力して次に進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回下降制御D(図11)のS43で自動下限フラグが1にセットされているので、S5から直接S54の自動下限制御E(図12)へ進み、自動下限制御Eにおいて、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がON、又は上部枠体21が下限位置Xにならない限りはS50からS53の流れが繰り返されるから、上部枠体21が自動で下限位置Xまで下降して停止することとなる。
尚、上部枠体21の自動下降中において、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38をON操作すると、前記S50でスイッチONと判断してS51へ進み、S51でホーン単音を鳴らし、全フラグを0にセットして次に進むので、電動モータMへの下降出力がストップし、上部枠体21の下降を停止させることができる。
【0032】
図13は手動下限制御Fのフローチャートである。
S55で上昇スイッチ37がONか判断し、OFFの場合はS58へ進む。S55で上昇スイッチ37がONの場合は上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONであるので電動モータMを駆動させずS56へ進みホーン単音を鳴らし、S57へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。
S58で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が下限位置Xか判断し、下限位置Xの場合は電動モータを駆動させずS56へ進みホーン単音を鳴らし、S57へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。S58で下限位置Xでないと判断した場合はS59へ進む。
S59で下降スイッチ38がONか判断し、ONでない場合は電動モータMを駆動させずS57へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。
S59で下降スイッチ38がONと判断した場合はS60へ進み電動モータMへ下降指令を出力して次へ進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回S47(図11)で手動下限フラグが1にセットされているので、S6から直接S61の手動下限制御F(図13)へ進み、手動下限制御Fにおいて、上昇スイッチ37がON、上部枠体21が下限位置X、又は下降スイッチ38がOFFにならない限りはS55からS60の流れが繰り返されるから、下降スイッチ38のON操作の間だけ上部枠体21を下降することとなる。
【0033】
次に上昇位置Yから上限位置Zまでの上昇制御について、図7、図8、図14及び、図15に基づいて説明する。
【0034】
上部枠体21が上昇位置Xで上昇停止後に再度上昇スイッチ37をON操作すると、前記上昇制御A(図8)のS16で上部枠体21が上昇位置YであるからS17へ進む。
S17で上昇スイッチ37が前回ONから今回OFFに変わったか(上昇スイッチ37がONからOFFに変化した瞬間か)判断し、前回ONから今回OFFに変わった場合はS62へ進み、それ以外はS63へ進む。
S63で上昇スイッチ37が前回OFFから今回ONに変わったか(上昇スイッチ37がOFFからONに変化した瞬間か)判断し、前回OFFから今回ONに変わった場合はS64へ進み上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)T1をセット(上昇スイッチ37のON時間のカウントを開始)し、上部枠体上昇フラグを1にセットしてS65へ進む。S63で前回OFFから今回ONに変わっていない場合は直接S65へ進む。
S65で上昇スイッチ操作タイマーが0か(上昇スイッチ37のON時間が設定時間T1経過したか)判断し、0でない(設定時間T1経過していない)場合は次へ進む。
そして、上昇スイッチ操作タイマーが0になるまでは、前記S64で上部枠体上昇フラグが1にセットされているので、上部枠体昇降制御(図7)のS7から直接S12の上昇制御A(図8)へ進み、上昇制御Aにおいて、前回と同様にS13からS65の流れが繰り返される。
【0035】
そして、上昇スイッチ操作タイマーが0になった場合はS66へ進み、S66でホーン単音を鳴らし、手動上限フラグを1にセットし、上部枠体上昇フラグを0にセットしてからS67の手動上限制御Hへ進む。
また、上昇スイッチ操作タイマーが0になる前に上昇スイッチ37をOFFした場合はS17からS62へ進み、S62でホーン単音を鳴らし、自動上限フラグを1にセットし、上部枠体上昇フラグを0にセットしてからS68の自動上限制御Gへ進む。
即ち、上昇スイッチ37のON時間が上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)T1より短い場合は上部枠体21を自動で上限位置Zまで上昇させる自動上限制御Gへ進み、長い場合は上部枠体21を上昇スイッチ37のON操作の間だけ上昇させる手動上限制御Hへ進むこととなる。
【0036】
図14は自動上限制御Gのフローチャートである。
S69で上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がONか判断し、どちらかのスイッチ37,38がONの場合はS70へ進みホーン単音を鳴らし、S71へ進み全フラグを0にセットして次に進む。S69で両方のスイッチ37,38がONでないと判断した場合はS72へ進む。
S72で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上限位置Zか判断し、上限位置Zの場合は電動モータMを駆動させずS70へ進みホーン単音を鳴らし、S71へ進み全フラグを0にセットして次に進む。S72で上限位置Zでないと判断した場合はS73へ進む。
S73でオーガ上限リミットスイッチ42がONか判断し、ONの場合はオーガ5が上限まで上昇しており上部枠体21を上昇させても衝突しないので、S74へ進み電動モータMへ上昇指令を出力して次に進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回上昇制御A(図8)のS62で自動上限フラグが1にセットされているので、S3から直接S75の自動上限制御G(図14)へ進み、自動上限制御Gにおいて、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38がON、又は上部枠体21が上限位置Zにならない限りはS69からS74の流れが繰り返されるから、上部枠体21が自動で上限位置Zまで上昇することとなる。
【0037】
また、S73でオーガ上限リミットスイッチ42がONでない場合はS76へ進みエンジンが作動中か判断し、エンジンが作動中でない場合はS71へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。そして、S76でエンジンが作動中である場合はS77へ進みオーガ昇降ソレノイド43へオーガ上昇指令を出力して次へ進む。
よって、オーガ5の昇降位置が低く上部枠体21の回動範囲内に位置していても、エンジンが作動中であれば制御部40がオーガ昇降ソレノイド43へオーガ上昇指令を出力し、オーガ昇降油圧シリンダ5dを作動させてオーガ5を上限まで自動で上昇させるので、運転部9へ戻ってオーガ5を上昇させることなく上昇スイッチ37で上部枠体21とオーガ5を上昇することができる。
尚、上部枠体21の自動上昇中において、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38をON操作すると、前記S69でスイッチONと判断してS70へ進みホーン単音を鳴らし、S71へ進み全フラグを0にセットして次に進むので、電動モータM又はオーガ昇降ソレノイド43への上昇出力がストップし、上部枠体21及びオーガ5の上昇を停止させることができる。
【0038】
図15は手動上限制御Hのフローチャートである。
S78で下降スイッチ38がONか判断し、ONでない場合はS79へ進む。S78で下降スイッチ38がONの場合は上昇スイッチ37及び下降スイッチ38の両方がONであるので電動モータMを駆動させずS80へ進みホーン単音を鳴らし、S81へ進み全フラグを0にセットしてから次に進む。
S79で上部枠体位置検出ポテンショメータ41の検出に基づき、上部枠体21が上限位置Zか判断し、上限位置Zの場合は電動モータMを駆動させずS80へ進みホーン単音を鳴らし、S81へ進み全フラグを0にセットして次に進む。S79で上限位置Zでないと判断した場合はS82へ進む。
S82で上昇スイッチ37がONか判断し、ONでない場合は電動モータMを駆動させずS81へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。
S82で上昇スイッチ37がONと判断した場合はS83へ進みオーガ上限リミットスイッチ42がONか判断し、ONの場合はオーガ5が上限まで上昇しており上部枠体21を上昇させても衝突しないので、S84へ進み電動モータMへ上昇指令を出力して次に進む。そして、上部枠体昇降制御(図7)へ進むと、前回S66(図8)で手動上限フラグが1にセットされているので、S4から直接S85の手動上限制御H(図15)へ進み、手動上限制御Hにおいて、下降スイッチ38がON、上部枠体21が上限位置Z、又は上昇スイッチ37がOFFにならない限りはS78からS84の流れが繰り返されるから、
上昇スイッチ37のON操作の間だけ上部枠体21を上昇することとなる。
【0039】
また、S83でオーガ上限リミットスイッチ42がONでない場合はS86へ進みエンジンが作動中か判断し、エンジンが作動中でない場合はS81へ進み全フラグを0にセットしてから次へ進む。S86でエンジンが作動中である場合はS87へ進みオーガ昇降ソレノイド43へオーガ上昇指令を出力して次へ進む。
よって、エンジンが作動中であれば上昇スイッチ37をON操作している間は制御部40がオーガ昇降ソレノイド43へオーガ上昇指令を出力し、オーガ5を上限まで上昇させるので、運転部9へ戻ってオーガ5を上昇させることなく上昇スイッチ37で上部枠体21とオーガ5を上昇することができる。
【0040】
叙述の如く構成された本実施形態のコンバイン1において、脱穀部3は、扱室12の上方を覆う上部枠体21を有し、該上部枠体21を、その一側部に沿う回動支点軸22を支点として昇降自在に構成すると共に、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38のON操作により作動する駆動機構30の駆動力で昇降させるにあたり、上昇スイッチ37又は下降スイッチ38を設定時間T1又はT2より短い時間ON操作した時には上部枠体21を下限位置X、上昇位置Y又は、上限位置Zまで自動で昇降させ、設定時間T1又はT2より長い時間ON操作した時には上昇スイッチ37及び下降スイッチ38のON操作の間だけ上部枠体21を昇降させるように構成したので、上昇スイッチ37及び下降スイッチ38をON操作し続けることなく簡単にに上部枠体21を昇降できると共に、必要な時には任意の昇降位置で上部枠体21を停止できる。
【0041】
図16は前記自動上限制御G(図14)の他の実施例を示すフローチャートである。
自動上限制御GとはS88〜S90部分が異なり、上部枠体21が上昇位置Yで再度上昇スイッチ37をON操作すると、オーガ5が上限位置にない(オーガ上限リミットスイッチ42がONでない)場合に、自動的にエンジンを始動してオーガ昇降油圧シリンダ5dを作動させ、オーガ5を上限位置まで上昇させた後エンジンを停止すると共に、上部枠体21を上限位置Zまで上昇するように制御している。よって、運転部9に戻ってエンジンを始動することなく、上部枠体21とオーガ5を上限位置まで上昇することができる。
また、本実施例のものにエンジン始動条件を設け、エンジン始動条件が揃っていない場合は警報して制御をキャンセルするようにしてもよい。
【0042】
また、図17は前記手動上限制御H(図15)の他の実施例を示すフローチャートである。手動上限制御HとはS91〜S93部分が異なり、上記と同様に上部枠体21が上昇位置Yで再度上昇スイッチ37をON操作すると、自動的にエンジンを始動すると共に、オーガ5が上限位置まで上昇した後エンジンを停止するので、運転部9に戻ってエンジンを始動することなく、上部枠体21とオーガ5を上限位置まで上昇することができる。
【0043】
図18は、上昇スイッチ37(手動操作手段)及び下降スイッチ38(手動操作手段)の第2実施例を示す要部側面図である。
46はスイッチ37,38のON操作ストローク量を検出する検出センサであり、スイッチ37,38を設定操作ストロークS範囲内でON操作した時には、上部枠体21をスイッチ37,38のON操作の間だけ昇降させ、スイッチ37,38を前記設定操作ストロークS範囲を越えて一旦ON操作した時にはOFFとなっても上部枠体21を昇降範囲端X,Y,Zまで自動昇降するように構成している。よって、スイッチ37,38をON操作し続けることなく簡単に上部枠体21を昇降できると共に、必要な時には任意の昇降位置で上部枠体21を停止できる。
尚、上記のものは1つの検出センサでON操作ストローク量を検出する構成としたが、複数のセンサで検出する構成としてもよい。
【0044】
本実施形態では上部枠体21の高さ位置をポテンショメータにより検出したが、ポテンショメータに換えてスイッチ等で検出するように構成してもよい。
【0045】
本実施形態ではオーガ5の上限位置をリミットスイッチにより検出したが、リミットスイッチに換えてポテンショメータ等で検出するように構成してもよい。その場合はオーガ5を上限位置でなく、上部枠体21に接触しない位置まで上昇すればよい。
【0046】
本実施形態ではオーガ5が上限位置まで上昇してから上部枠体21を上昇するようにしたが、上部枠体21とオーガ5を同時に上昇するように構成してもよい。
【0047】
本実施形態では手動操作手段を押し操作するスイッチにより構成したが、レバーにより構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】コンバインの左側面図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】上部枠体の全閉状態(ロック状態)を示す脱穀部の要部背面図である。
【図4】上部枠体のロック解除状態を示す脱穀部の要部背面図である。
【図5】上部枠体の全開状態を示す脱穀部の要部背面図である。
【図6】コンバインの制御ブロックである。
【図7】上部枠体昇降制御を示すフローチャートである。
【図8】上昇制御Aを示すフローチャートである。
【図9】自動上昇制御Bを示すフローチャートである。
【図10】手動上昇制御Cを示すフローチャートである。
【図11】下降制御Dを示すフローチャートである。
【図12】自動下限制御Eを示すフローチャートである。
【図13】手動下限制御F示すフローチャートである。
【図14】自動上限制御Gを示すフローチャートである。
【図15】手動上限制御H示すフローチャートである。
【図16】自動上限制御Gの第2実施例を示すフローチャートである。
【図17】手動上限制御Hの第2実施例を示すフローチャートである。
【図18】手動操作手段の第2実施例であり、(A)はON操作していない状態を示す要部側面図。(B)は設定操作ストローク範囲内でON操作した状態を示すを要部側面図。(C)は設定操作ストローク範囲を超えてON操作した状態を示す要部側面図。
【符号の説明】
【0049】
12 扱室
21 上部枠体
22 回動支点軸
30 駆動機構
37 上昇スイッチ(手動操作手段)
38 下降スイッチ(手動操作手段)
40 制御部
M 電動モータ(アクチュエータ)
X 下限位置(制御範囲端)
Y 上昇位置(制御範囲端)
Z 上限位置(制御範囲端)
T1 上昇スイッチ操作タイマー(設定時間)
T2 下降スイッチ操作タイマー(設定時間)
S 設定操作ストローク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扱室(12)の上方を覆う上部枠体(21)が、その一側部に沿う回動支点軸(22)を支点として昇降自在に構成された脱穀装置であって、
前記上部枠体(21)をアクチュエータ(M)の動力で昇降させる駆動機構(30)と、ON操作によりアクチュエータ(M)を作動させる手動操作手段(37,38)と、該手動操作手段(37,38)を設定時間(T1,T2)より短い時間ON操作した時には上部枠体(21)を昇降範囲端(X,Y,Z)まで自動昇降するようにアクチュエータ(M)に駆動出力すると共に、手動操作手段(37,38)を設定時間(T1,T2)より長い時間ON操作した時には手動操作手段(37,38)のON操作の間だけアクチュエータ(M)に駆動出力する制御部(40)とを備えたことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
扱室(12)の上方を覆う上部枠体(21)が、その一側部に沿う回動支点軸(22)を支点として昇降自在に構成された脱穀装置であって、
前記上部枠体(21)をアクチュエータ(M)の動力で昇降させる駆動機構(30)と、ON操作によりアクチュエータ(M)を作動させる手動操作手段(37,38)と、該手動操作手段(37,38)を設定操作ストローク(S)範囲内でON操作した時には手動操作手段(37,38)のON操作の間だけアクチュエータ(M)に駆動出力すると共に、手動操作手段(37,38)を前記設定操作ストローク(S)範囲を越えてON操作した時には上部枠体(21)を昇降範囲端(X,Y,Z)まで自動昇降するようにアクチュエータ(M)に駆動出力する制御部(40)とを備えたことを特徴とする脱穀装置。
【請求項1】
扱室(12)の上方を覆う上部枠体(21)が、その一側部に沿う回動支点軸(22)を支点として昇降自在に構成された脱穀装置であって、
前記上部枠体(21)をアクチュエータ(M)の動力で昇降させる駆動機構(30)と、ON操作によりアクチュエータ(M)を作動させる手動操作手段(37,38)と、該手動操作手段(37,38)を設定時間(T1,T2)より短い時間ON操作した時には上部枠体(21)を昇降範囲端(X,Y,Z)まで自動昇降するようにアクチュエータ(M)に駆動出力すると共に、手動操作手段(37,38)を設定時間(T1,T2)より長い時間ON操作した時には手動操作手段(37,38)のON操作の間だけアクチュエータ(M)に駆動出力する制御部(40)とを備えたことを特徴とする脱穀装置。
【請求項2】
扱室(12)の上方を覆う上部枠体(21)が、その一側部に沿う回動支点軸(22)を支点として昇降自在に構成された脱穀装置であって、
前記上部枠体(21)をアクチュエータ(M)の動力で昇降させる駆動機構(30)と、ON操作によりアクチュエータ(M)を作動させる手動操作手段(37,38)と、該手動操作手段(37,38)を設定操作ストローク(S)範囲内でON操作した時には手動操作手段(37,38)のON操作の間だけアクチュエータ(M)に駆動出力すると共に、手動操作手段(37,38)を前記設定操作ストローク(S)範囲を越えてON操作した時には上部枠体(21)を昇降範囲端(X,Y,Z)まで自動昇降するようにアクチュエータ(M)に駆動出力する制御部(40)とを備えたことを特徴とする脱穀装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−40(P2006−40A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179118(P2004−179118)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]