説明

脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニット

【課題】 住宅等の居住空間において、入浴あるいは洗面にともなって、脱衣、洗濯、乾燥、収納の動作を円滑に、大きな動作を必要とすることなく行うことを可能とし、清潔で乾燥した衣類を直ちに取出し使用することや脱衣した衣類をきちんと収納しておくことを可能とする。
【解決手段】 浴室1もしくは洗面室2に隣接した独立空間3が、脱衣可能な広さのスペース33を有し、脱衣後の衣類を収納する機能とともに、洗濯、乾燥、乾燥後の収納の機能を具備する脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニットとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、浴室または洗面室に隣接した、脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、ベランダ等の外干しができない事情や外干ししにくい場合等に対応できるように、壁パネルを建廻らして形成した室内に洗濯機、流しとともに物干し手段を配置した洗濯室ユニットや洗濯機とともに乾燥装置を備えた洗濯乾燥ユニットが知られている(たとえば特許文献1−2)。
【0003】
また、土木・建設の作業現場に設置される簡易型ハウスとして、脱衣可能な広さを有し、洗濯機を設置した脱衣・洗濯用空間と、洗濯した衣類を乾燥する乾燥用空間とをシャワーユニットに隣接させたものが提案されている(特許文献3)。
【0004】
しかしながら、これら従来の洗濯・乾燥ユニットや作業現場における脱衣可能な広さを有する洗濯・乾燥簡易ハウス等では、一般の住宅等の居住空間において、入浴が終って浴室から出てきた時すぐに必要なタオル類や下着、パジャマ等の衣類を使用できるように、空間や場所の大きな移動を必要とすることなしにこれら衣類を洗濯、乾燥して収納した状態から取出せるようにすること、さらには脱衣のためのスペースを設け、脱衣した衣類をほぼその場で直ちに収納もしくは洗濯できるようにするとの着想は知られていない。このため、従来では、入浴あるいは洗面にともなって、脱衣、洗濯、乾燥、収納の動作を円滑に、大きな移動を必要とすることなしに行うことができず、清潔で乾燥した衣類を直ちに取出し使用することや脱衣した衣類をきちんと収納しておくことも難しいのが実情であった。
【特許文献1】実公平8−8200号公報
【特許文献2】実開平6−38896号公報
【特許文献3】登録実用新案第3023563号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、上記のとおりの背景から、住宅等の居住空間において、入浴あるいは洗面にともなって、脱衣、洗濯、乾燥、収納の動作を円滑に、大きな動作を必要とすることなく行うことを可能とし、清潔で乾燥した衣類を直ちに取出し使用することや脱衣した衣類をきちんと収納しておくことも可能とする、脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニットを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明は、上記の課題を解決するために以下のことを特徴としている。
【0007】
第1:浴室もしくは洗面室に隣接した独立空間が、脱衣可能な広さのスペースを有し、脱衣後の衣類を収納する機能とともに、洗濯、乾燥、乾燥後の収納の機能を具備する脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニットとする。
【0008】
第2:前記独立空間が、浴室に続く洗面室に隣接して配置されている上記の脱衣可能な洗濯乾燥・収納ユニットとする。
【0009】
第3:前記独立空間には、脱衣ボックスとともにハンガーかけを可能とする物干しパイプ、複数のパイプをもって構成されている棚が配設されている上記いずれかの脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニットとする。
【0010】
第4:前記独立空間には、網カゴ引出しが配設されている上記いずれかの脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニットとする。
【0011】
第5:前記独立空間には、浴室乾燥機に連通する乾燥機が配設されている上記いずれかの脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニットとする。
【発明の効果】
【0012】
上記のとおりの本願第1の発明によれば、住宅等の居住空間において、入浴あるいは洗面にともなって、脱衣、洗濯、乾燥、収納の動作を円滑に、大きな動作を必要とすることなく行うことが可能となり、清潔で乾燥した衣類を直ちに取出し使用することや脱衣した衣類をきちんと収納しておくことも可能になる。
【0013】
住宅等の居住空間において、生活上の動作、すなわち、入浴、洗面にともなう、脱衣、洗濯、乾燥、収納・取出しが空間の配置として極めて円滑で、利便性に優れたものとなる。
【0014】
このような効果は、浴室に続く洗面室に隣接して前記の独立空間を配置することでより実際的で良好なものとなる。
【0015】
ハンガーかけを可能とする物干しパイプと複数のパイプによるパイプ式棚を備えている第3の発明によれば、洗濯機で洗濯、脱水したタオル類、下着、パジャマなどの衣類等をハンガーかけして物干しパイプで干して乾燥することができ、また乾燥したパジャマやタオル等をハンガーかけして収納し、ハンガーから外して直ちに利用することや、パイプ式の棚において脱衣した衣類や汚れたリネン類を仕分けし、脱衣ボックスへ収納すること、嵩ばるバスマットやスリッパ等、あるいは衣類を載置して乾燥、収納し、ただちに使用できるようにすること、さらには乾燥効率を大きなものとすることが可能となる。脱衣ボックスは、脱衣後の衣類等を見苦しく散乱させることもない。
【0016】
さらに網カゴ引出しを備えた第4の発明によれば、乾燥された清潔な状態での衣類、リネン類等の収納が可能とされ、直ちにこれらを使用することも可能とする。
【0017】
浴室乾燥機に連通する乾燥機を前記の独立空間に配置する第5の発明によれば、省エネルギーで効率的な乾燥が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本願発明は上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0019】
添付した図面の図1および図2は、本願発明の一実施形態を例示した斜視図と部分拡大斜視図である。この実施形態においては、浴室1に続く洗面室2に隣接して配置された独立空間3、すなわち、たとえば扉やカーテン31等により開閉自在とされた開口部32を有し、区分された空間としての独立空間3に、脱衣スペース33と脱衣後の衣類を収納する網カゴ等の脱衣ボックス4が設けられ、洗濯機5、乾燥用の除湿機6、ハンガー7による衣類等のハンガーがけが可能な物干しパイプ8、そして複数のパイプにより構成されているパイプ棚9と網カゴ引出し10も配置されている。
【0020】
この実施の形態によれば、ハンガー7によるハンガーかけを可能とする物干しパイプ8と複数のパイプによるパイプ式棚9を備えていることで、洗濯機5で洗濯、脱水したタオル類、下着、パジャマなどの衣類等をハンガーかけして物干しパイプ8で干して乾燥することができる。また乾燥したパジャマやタオル等をハンガーかけして収納し、ハンガー7から外して直ちに利用することができる。さらにまた、パイプ式の棚9においては、脱衣した衣類や汚れたリネン類を仕分けし、脱衣ボックス4へ収納すること、嵩ばるバスマットやスリッパ等、あるいは衣類を載置して乾燥、収納し、ただちに使用できるようにすることができる。そして、パイプによって構成していることから、通風性に優れ、乾燥効率を大きなものとすることもできる。脱衣ボックス4は、脱衣後の衣類等を見苦しく散乱させることもない。
【0021】
また、網カゴ引出し10によって、乾燥された清潔な状態での衣類、リネン類等の収納が可能とされ、直ちにこれらを使用することも可能になる。
【0022】
除湿機6に代えて、独立空間3の天井部等に浴室乾燥機に連通する乾燥機を配置してもよい。これによれば、省エネルギーで効率的な乾燥が可能となる。
【0023】
もちろん本願発明は上記の例に限定されることはない。脱衣収納、洗濯、乾燥、収納の機能がさらに様々な具体的な形態として考慮されてよいことは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本願発明の一実施形態を例示した斜視図である。
【図2】図1の例についての部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
1 浴室
2 洗面室
3 独立空間
31 カーテン
32 開口部
33 脱衣スペース
4 脱衣ボックス
5 洗濯機
6 除湿機
7 ハンガー
8 物干しパイプ
9 パイプ棚
10 網カゴ引出し

【特許請求の範囲】
【請求項1】
浴室もしくは洗面室に隣接した独立空間が、脱衣可能な広さのスペースを有し、脱衣後の衣類を収納する機能とともに、洗濯、乾燥、乾燥後の収納の機能を具備することを特徴とする脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニット。
【請求項2】
前記独立空間が、浴室に続く洗面室に隣接して配置されていることを特徴とする請求項1の脱衣可能な洗濯乾燥・収納ユニット。
【請求項3】
前記独立空間には、脱衣ボックスとともにハンガーかけを可能とする物干しパイプ、複数のパイプをもって構成されている棚が配設されていることを特徴とする請求項1または2の脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニット。
【請求項4】
前記独立空間には、網カゴ引出しが配設されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかの脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニット。
【請求項5】
前記独立空間には、浴室乾燥機に連通する乾燥機が配設されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかの脱衣収納可能な洗濯乾燥・収納ユニット。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−149490(P2006−149490A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−341302(P2004−341302)
【出願日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(000005832)松下電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】