自動二輪車
【課題】フロントフォークの下端部に灯火器を確実かつ容易に取り付けることができる自動二輪車を提供する。
【解決手段】前車輪7を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に灯火器37を取り付ける。灯火器37のハウジング上面には、ボトムケース4aの外周が嵌合するように形状が設定されたボトムケース受け面40を形成する。ボトムケース4aとボトムケース受け面40との間にはゴムシート41を敷き、防振性を持たせる。ボトムケース受け面40を有する取り付け部39を貫通してボトムケース4aのねじ孔45にボルト44をねじ込み、灯火器37をボトムケース4aに固定する。
【解決手段】前車輪7を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に灯火器37を取り付ける。灯火器37のハウジング上面には、ボトムケース4aの外周が嵌合するように形状が設定されたボトムケース受け面40を形成する。ボトムケース4aとボトムケース受け面40との間にはゴムシート41を敷き、防振性を持たせる。ボトムケース受け面40を有する取り付け部39を貫通してボトムケース4aのねじ孔45にボルト44をねじ込み、灯火器37をボトムケース4aに固定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車に関し、特に、第三者による視認性を向上させることができるように配置した灯火器を有する自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行者や車両の運転者が二輪車の存在をより認識させやすくすることができるように視認用ランプ装置を有する自動二輪車が提案されている(特開2001−334976号公報)。
【0003】
しかし、自動二輪車は乗用車やトラック等、四輪車と比べてサイズが小さいため、被視認性、つまり第三者から自動二輪車までの距離感や第三者から見た速度感が低下する場合が考えられる。そこで、二輪車の灯体系のうち少なくとも一つの灯体を、車軸以下であって、前輪の最後部より前方、または後輪の最前部より後方に配置した自動二輪車が提案されている。この自動二輪車は特開2003−300488号公報に開示されている。
【特許文献1】特開2001−334976号公報
【特許文献2】特開2003−300488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載された従来の自動二輪車は、それ以前に見られなかった下方への灯火器配置構造を有しているので、目立ちやすくなるという効果がある。ここで、車軸より下方に灯火器を配置する場合、具体的には、フロントフォークの下端に灯火器を取り付けることが考えられる。しかし、フロントフォークの下端は車軸と近接しており、走行に伴い路面の凹凸によって生じる車輪の振動を受けやすい。そこで、フロントフォークの振動にかかわらず、灯火器をフロントフォークへ強固に取り付けるための構造が要望される。また、灯火器は外観上良く目立つ部分であるので、外観の美感を損なわない取り付け構造が望まれる。
【0005】
本発明の目的は、第三者による視認性の向上を図るための灯火器をフロントフォークへ確実に取り付けことができる自動二輪車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明は、前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、前記フロントフォークの下端部には、前車輪の車軸を割締めボルトでフロントフォーク下端部に固定するためのボルト孔が前記車軸と直交する方向に延在されているとともに、前記軸受部および前記ボルト孔に干渉しない位置に、前記フロントフォークの下端面から上方に向けて穿たれたねじ孔が形成されており、前記灯火器が、前記ねじ孔に係合するボルトによってフロントフォークの下端部に取り付けられている点に第1の特徴がある。
【0007】
また、本発明は、フロントフォークの下端部が略直方体形状であり、前記灯火器のハウジング上面に形成され、前記フロントフォークの下端部が着座する皿状の受け面を有する取り付け部を備え、前記ボルトが、前記取り付け部を下方から上方に貫通して前記ねじ孔に螺合されているとともに、前記受け面に敷かれる平坦部および前記ボルトの周囲に延在する柱状部を有する防振シートを備えている点に第2の特徴がある。
【0008】
また、本発明は、前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、前記フロントフォークの下端部が略直方体形状であり、前記フロントフォークの下端部には、前車輪の車軸を割締めボルトでフロントフォーク下端部に固定するためのボルト孔が前記車軸と直交する方向に延在されているとともに、前記灯火器がハウジングを有し、該ハウジングの前部および後部から上方に突出した部材を備え、前記ハウジングの前部および後部から上方に突出した部材によって、前記フロントフォークの下端部を前後方向から挟み込み、前記ハウジングの前部から上方に突出した部材が前記フロントフォークの下端部に前記割締めボルトで共締めされている点に第3の特徴がある。
【0009】
また、本発明は、前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、前記灯火器がハウジングを有し、該ハウジングの上部に突出部が形成されているとともに、フロントフォークの下端部には、前方に突出部が形成されており、前記灯火器およびフロントフォークの下端部の突出部が互いに当接し、ボルトによって互いに結合されている点に第4の特徴がある。
【0010】
また、本発明は、前記灯火器が、フロントフォークの軸線の下方延長上であって、前車輪の車軸および車軸端部に結合されたアクスルボルトと前車輪との接線で囲まれた範囲内に配置されている点に第5の特徴がある。
【0011】
さらに、本発明は、前記防振シートが、前記フロントフォークの下端面に対向する面の隅に設けられた複数の凸部と該凸部をつなぐリブとからなる点に第6の特徴がある。
【発明の効果】
【0012】
第1の特徴を有する本発明によれば、フロントフォークの下端部に前車輪の車軸を固定するための割締めボルトと干渉しない位置に穿ったねじ孔にボルトをねじ込んでフロントフォークの下端部に灯火器を取り付けることができる。したがって、ねじ孔を追加工するだけで、フロントフォークの大きさを大きくすることなく、形状を複雑にすることもなく、自動二輪車のフロントフォークに灯火器を設けることができる。
【0013】
第2の特徴を有する本発明によれば、略直方体に形成されているフロントフォークの下端部外周と灯火器のフロントフォークの受け面とが互いに嵌め合いとなっているので、フロントフォークに対する灯火器の回転動作を防止することができる。また、防振シートにより、フロントフォークと灯火器のハウジングとが緩衝機能を有して結合されるので、自動二輪車の走行中に生じる振動が灯火器に伝達されるのを防止することができる。さらに、防振シートはフロントフォークの受け面に収容され、外部にはみ出さないので、外観を良好に維持できる。
【0014】
第3の特徴を有する本発明によれば、灯火器のハウジングでフロントフォークの下端部を前後方向から挟み込むことができるので、フロントフォークに対する灯火器の回転動作を防止することができる。また、灯火器を割締めボルトを使ってフロントフォークに取り付けることができるので、車軸の固定と灯火器の固定とを1本のボルトで兼用して行うことができる。
【0015】
第4の特徴を有する本発明によれば、フロントフォークの下端部で車軸を固定する割締めボルトの締め付けに左右されず、また、フロントフォークの下端部にねじ孔をあけることによるフロントフォークの剛性への影響をなくして灯火器を自動二輪車のフロントフォークに取り付けることができる。
【0016】
第5の特徴を有する本発明によれば、灯火器が、より頑丈な車軸やアクスルボルトで外力から保護されるし、走行中の飛び石や被水による影響を小さくすることができる。
【0017】
第6の特徴を有する本発明によれば、フロントフォークの下端面が防振シートの凸部にのみ当接しているので、特に、灯火器をフロントフォークの下端部に1本のボルトを使用して取り付ける場合、ボルトから離れた部分で、防振シートとフロントフォークの下端面との密着性がよくなるので、防振性が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車の正面図であり、図2は左側面図である。自動二輪車1は左右一対のパイプフレームからなるフレームボディ2を備える。フレームボディ2の前部に接合されたヘッドパイプ3によって、図示しないステアリングステムが回転自在に支持される。ステアリングステムの上下部分は、フロントフォーク4のトップブリッジ5とボトムブリッジ6とにそれぞれ連結される。フロントフォーク4は下方に延長され、下端近傍に設けられた前輪軸7によって前車輪FWを支持している。
【0019】
トップブリッジ5には、ハンドルパイプ8が連結される。ハンドルパイプ8にはグリップ9およびミラー10が取り付けられている。フロントフォーク4には、ブラケット11が接合され、このブラケット11には、前照灯12、前部方向指示灯13、およびメータ14が取り付けられている。ボトムブリッジ6には、ホーン15が取り付けられている。
【0020】
フレームボディ2には、エンジン16が搭載され、エンジンの下方には変速機17が、前方にはラジエータ18が設けられている。フレームボディ2のほぼ中央部に設けられた軸19によってスイングアーム20が揺動自在に支持される。スイングアーム20の端部には後輪軸21によって後輪RWが回転自在に支持されている。変速機17の出力軸(図示せず)と後輪軸21との間には駆動チェーン23が掛けられている。フレームボディ2の後部には、リアサスペンション24の上端部が連結され、リアサスペンション24の下端部はスイングアーム20の後端部に連結されている。エンジン16の前部に設けられた排気管25は車体後方に延長され、延長端部にはマフラ26が取り付けられている。
【0021】
フレームボディ2の上部には、燃料タンク27が設けられ、燃料タンク27の後方には、乗員用のシート28が設けられている。フレームボディ2の最後部には、泥よけ29並びにテール/ブレーキライト30および後部方向指示灯31が設けられる。
【0022】
スイングユニット20の軸19の後方には、ブラケット32が接合されており、このブラケット32には、車体幅方向外側に張り出したステップ(乗員の足置き)33が取り付けられている。ステップ33の先端部下側にはバンクセンサとして機能する突出部34が設けられている。ステップ33はブラケット32に対してばねを介して弾力的に取り付けられているので、突出部34の接地時には上方に押し上げられて接地の衝撃を吸収し、バンク角を小さくすると、ばねの作用で再び元の位置に復帰する。このようなステップの衝撃吸収構造は周知であるので、詳細な説明は省略する。フレームボディ2の下部には、メインスタンド35およびサイドスタンド36が取り付けられている。
【0023】
本実施形態の自動二輪車1は、前照灯12、前部方向指示灯13、後部方向指示灯31、およびテール/ブレーキライト30が設けられているが、さらに第三者による視認性を向上させるための灯火器37を設けている。灯火器37は、車体進行方向に指向させて左右のフロントフォーク4の下端部にそれぞれ設けられる。
【0024】
後方からの被視認性を向上させるために、スイングアーム20の後下部にも灯火器38を設けることができる。但し、灯火器37、38は双方を設けるのが好ましいが、灯火器37、38のうち、少なくとも灯火器37を設けてあればよい。灯火器37、38の灯体つまり点灯部本体は電球であってもよいが、1個または複数の発光ダイオードの集合体(複数の発光ダイオードを円形や、矩形等任意の形状に配置したもの)とするのが好ましい。省電力、高照度の灯体とすることができるからである。灯火器37、38は自動二輪車1のエンジン16が駆動されている間は、停車していても点灯するように構成するのがよい。
【0025】
このように車体の下部にも灯火器を設けることにより、第三者による視認性の向上を図ることができる。
【0026】
灯火器37、38は、フロントフォーク4やスイングアーム20に限らず、車体前後方向のいずれに設置してもよいが、自動二輪車1の正面視、つまり図1に示した状態で次のように限定される車体下部に設置する。
【0027】
すなわち、図1において、ステップ33の突出部34の先端を通る水平線HLと、前車輪FWの両側面を通る垂直線VLと、垂直線VLおよび前車輪FWが直立したときの接地面GLが交差する点Pと前記突出部34の先端とを結ぶ直線DLとで囲まれた範囲Aに灯火器37、38を設置する。なお、ここでは、前車輪FWとは特にゴムタイヤ部分をいう。
【0028】
ここで、範囲Aを構成する水平線HLと直線DLとを規定する要素として突出部34を選択しているが、これに限定しない。突出部34は自動二輪車1をバンクさせたときに最初に地面と接触する部位、つまり第1接地部である。したがって、自動二輪車の形式や種類によって、カウル、エンジンケース、マフラ等が、バンク時にステップよりも先に接地する構造では、突出部34に代えて、これらの部品が第1接地部となり、範囲Aを構成する水平線HLと直線DLとを規定する要素として選択される。
【0029】
なお、上述の実施形態では、バンク時の第1接地部としてステップやカウル等を想定しているが、本発明をスクータ型自動二輪車に適用する場合は、不使用時つまり走行時にステップを有するカウルよりも跳ね上げられているセンタスタンドの接地端部(使用時に接地する端部)が第1接地部となり得る。したがって、スクータ型自動二輪車では、センタスタンドの接地端部を第1接地部として範囲Aを決定するのがよい。
【0030】
上述の実施形態では、フロントフォーク4の下端、および後車輪の車軸を支持するスイングアーム20の後部下端の双方に灯火器37、38を取り付けた例を示した。しかし、本願発明はこの実施形態に限らず、灯火器をフロントフォーク4の下端およびスイングアーム20の後部下端のうちいずれか一方に取り付けるだけであってもよい。
【0031】
図3は、灯火器37を取り付けた左フロントフォークの後方斜視図、図4は側面図、図5は分解斜視図である。図3〜図5において、フロントフォーク4の下部つまりボトムケース4aは略直方体形状をなしていて、前輪軸7を支持する軸受を構成している。ボトムケース4aの下端面には灯火器37が結合されている。 灯火器37は、上面にボトムケース4aの取り付け部39を有する。取り付け部39はボトムケース4aの下端形状に合致した皿形状のボトムケース受け面40を有し、ボトムケース受け面40とボトムケース4aの下端面との間には略矩形のゴムシート(防振シート)41が介在させられている。取り付け部39には、孔42が形成されており、ゴムシート41の角部に形成された柱状部分41aが孔42にはめ込まれ、この柱状部分41aのフランジが取り付け部39の下面に張り出して、ゴムシート41を取り付け部39に保持している。
【0032】
ゴムシート41の柱状部分41aには、ボルト通し孔が形成されており、このボルト通し孔にはゴムシート41の上側からカラー43が挿入されている。取り付け部39の下面からワッシャ44aを通してボルト44が差し込まれ、ボルト44は、カラー43を通って上方に延び、ボトムケース4aに形成されたねじ孔45にねじ込まれる。ねじ孔45は、ボトムケース4aを締め付けて軸受部に支持される前車輪7の車軸(図示せず)を固定するための割締めボルト61を通すボルト孔62と干渉しない位置に穿たれている。
【0033】
このように、灯火器37とボトムケース4aとは、ボトムケース4aの、矩形断面を有する下端が灯火器37の取り付け部39のボトムケース受け面40にはまった状態でボルト44を使って互いに結合されている。したがって、1本のボルト44のみで、ボトムケース4aに対して灯火器37をしっかりと固定することができる。
【0034】
また、ゴムシート41をボトムケース4aとボトムケース受け面40との間に介在させたので、フロントフォーク4の振動が灯火器37に直接伝わるのを防止できる。ボルト44は、接着剤でボルト44をボトムケース4aに接着したり、ボルトキャップなどを設けてもよい。
【0035】
灯火器37は基板46に取り付けた灯体47と、灯体47を収容するハウジング48と、ハウジング48の蓋49とからなる。ハウジング48は灯火器37の前面(光照射方向)が開放されており、一側部(自動二輪車の外側寄り、つまり、左フロントフォークの場合は左側、右フロントフォークの場合は右側)が閉鎖されている。また、ハウジング48の底部および上部には、ガイド溝またはレール48a、48aが形成されている。このレール48aは灯体47をハウジング48内で前後方向の位置決めをするために設けられている。基板46には、ブラケット46aが立設されている。このブラケット46aはハウジング48の前記一側部に形成される座(後述)に対面するように位置決めされている。
【0036】
図6は、基板46とハウジング48の係合状態を示す灯火器の側面図である。ハウジング48の内部には、座48bと、灯体47が取り付けられた基板46の上下端を保持して灯体47の前後方向の位置決めをするレール48a、48aとが形成されている。基板46の上下端をレール48a、48aにはめた状態で、ブラケット46aを座48bに対面させ、止めねじ50を、ブラケット46aに貫通させて座48bのねじ孔にねじ込んで固定する。
【0037】
上記構成の灯火器をフロントフォーク4に組み付ける手順の例を説明する。まず、灯火器37を組み立てる。灯体47を、ハウジング48の側部開口からハウジング48内部に入れ、基板46の上下端をレール48a、48aに沿わせ、奥に押入れる。そしてブラケット46aを座48bに当接させた状態で、止めねじ50を座48bにねじ込む。こうして、灯体47をハウジング48内に固定したならば、蓋49をハウジング48の側部開口にかぶせて、止めねじ51をハウジング48のねじ48cにねじ込む。なお、ハウジング48に灯体47をより強固に固定するために基板46とハウジング48とを接着するとなおよい。
【0038】
次に、組み上がった灯火器37をフロントフォーク4のボトムケース4aに取り付ける。まず、ボトムケース受け面40にゴムシート41を敷く。ゴムシート41の柱状部分41aは孔42に差し込む。次いで、カラー43をゴムシート41の柱状部分41aのボルト通し孔に差し込む。そうして、灯火器37のボトムケース受け面40をボトムケース4aの下端にあてがい、ボルト44を下方から、ワッシャ44aならびに取り付け部39およびカラー43を貫通させてねじ孔45にねじ込み締め付ける。
【0039】
なお、灯体47を取り付けた基板46をハウジング48に止めねじ50でねじ止めしたが、これに限らず、接着剤で固定するか、または接着剤とねじ止めを併用しても良い。また、上記実施形態は左フロントフォークに関するものであるが、右フロントフォークにも同様に灯火器37を取り付ける。
【0040】
上記実施形態では、平坦部分と一角に設けた柱状部分とからなるゴムシート41で防振性を持たせているが、防振性部材はこのような形状のゴムシートに限定されない。図7は、ゴムシート41の変形例に係る斜視図である。この例では、ゴムシート41の4角に凸部41bを形成して肉厚にし、残りの薄肉部分は中央部を打ち抜いて全体に環状に形成し、肉厚の凸部41bをつなぐリブとしている。このように、4角の凸部41bのみで、ボトムケース4aと当接させることにより、ボトムケース4aとボトムケース受け面40とが安定して接触する。また、ゴムシート41の成型に使用するゴムの量を少なくすることができる。
【0041】
図8は、本発明の第2実施形態に係る灯火器37およびフロントフォーク4の斜視図である。灯火器37は複数の発光ダイオード52(符号は一部にのみ付している)を含む灯体53をハウジング54に収容している。ハウジング54の上部には、ボトムケース4aの下端面の傾斜に適合するボトムケース受け面55を有する取り付け部56が形成される。取り付け部56は前部で上方に突出したブラケット57を備えるとともに、後部で上方に突出したガイド部58を備える。ブラケット57とガイド部58との対向面は、平行であり、互いの間隔は、ボトムケース4aの寸法Aを有する下端部を挟み込むことができるように設定されている。
【0042】
したがって、灯火器37をボトムケース4aの下端部に下からあてがうと、ボトムケース4aの下端部はブラケット57とガイド部58との対向面で挟まれるので、ボトムケース4aに対する灯火器37の回転が規制される。
【0043】
一般に、ボトムケース4aには、その下端部から前輪軸7(図2参照)を支持する軸受59にまで延びるスリット60が形成されており、軸受59に前輪軸7を差し込んだ後、割締めボルト61をボルト孔62に差し込んで締め付けて前輪軸7を軸受59に固定する。灯火器37のブラケット57には、この割締めボルト61が通せる孔63が形成されており、灯火器37をボトムケース4aにあてがったときにこの孔63とボトムケース4aのボルト孔62とが整列するように位置が設定されている。したがって、軸受59を締め付けて車軸を固定するために一般に使用されている割締めボルト61を、灯火器37をボトムケース4aに固定するために兼用することができる。この第2実施形態によれば、ブラケット57とガイド部58とでボトムケース4aを挟む構造になっているので、1本のボルトで灯火器37をボトムケース4aに固定できる。また、この1本のボルトも、従来用いられているものを割締めボルトを利用できるので部品数を増やすことが無く、ボトムケース4aに対する追加工も不要である。
【0044】
ガイド部58に形成された溝68は、灯体53に電力を供給する電線(図示せず)を灯火器37から外部に引き出すためのものである。
【0045】
図9は、図8に示した灯火器37の断面図である。図9において、灯火器37のハウジング54内に設けられる灯体53は、基板53aと、発光ダイオード52と、発光ダイオード52を覆って前面に設けられたレンズ53bと、発光ダイオード52に給電するための電線64を発光ダイオード52に接続するためのコネクタ65とを備える。基板53aは、ハウジング54の底部および上部に設けられたレール66、67によって上下端が支持され、ハウジング54内で、灯体53を所定位置に位置決めしている。
【0046】
ハウジング54のガイド部58には、電線ガイド溝68が設けられており、ガイド部58とボトムケース4aの壁面との間に、電線64を通すことができる間隙を形成している。この電線ガイド溝68を通る電線64はハウジング54の内壁69でハウジング54の底部側に案内され、そこから上方に屈曲され、さらに水平に延びてコネクタ65に接続される。ハウジング54の底部には、水抜き孔70が設けられている。
【0047】
電線64はフロントフォーク4に沿って上方に延長されるので、この電線64を伝わって灯火器37に水が落ちてくる。このために電線64を下方でたるませて、コネクタ65に接続させる。図9に示した灯火器37では、このたるみ部分をハウジング54内に設けているので、水が灯体53に付着するおそれがないうえに、走行中にはねた路上の石が電線64に当たったり、段差に接触して電線64を損傷させたりするのを防止することができる。ハウジング54の底部には水抜き孔70が形成されているので、ハウジング54内に浸入した水は、この水抜き孔70から排出することができる。
【0048】
図10は、本発明の第3実施形態に係る灯火器の斜視図である。この実施形態では、ボトムケース4aにリブ71を形成し、このリブ71と結合されるブラケット72を灯火器37のハウジング73の上部に設けた。ボトムケース4aのリブ71は、自動二輪車の前方に突出し、車体の幅方向に貫通するねじ孔74を有している。灯火器37のハウジング73には、ボトムケース4aの下端面と当接する平坦な上面を有する取り付け部75が形成されている。ブラケット72には、取り付け部75の上面がボトムケース4aの下端面に当接した状態でリブ71のねじ孔74に整列するボルト通し孔(図示せず)が形成されている。ボルト76をボルト通し孔を通してリブ71のねじ孔74にねじ込むことにより、灯火器37はボトムケース4aにしっかりと確保される。
【0049】
第3実施形態の灯火器37では、灯体77には複数の発光ダイオードに代えて単体の電球78を備えている。電球78は白熱電球やハロゲン電球等である。
【0050】
なお、前記灯火器37は、筒状に形成されるフロントフォーク4の軸線の延長線上に設けられ、フロントフォーク4およびフロントフォーク4から車幅方向へ突出した車軸の端部を含む範囲内に収められる大きさとするのがよい。
【0051】
図11は、車軸端部および前車輪を結ぶ直線の範囲内に収められた灯火器37を示す自動二輪車の正面図である。図11において、車軸79は一端に大径のヘッド79aを有しておりヘッド79aに続く小径部79bは、一方のフロントフォーク4から前車輪7を経て、他方のフロントフォーク4に到達する長さを有する。車軸79の小径部69bの先端には、雌ねじが着られていて、この雌ねじにアクスルボルト80がねじ込まれる。したがって、フロントフォーク4、4から車体の車幅方向にアクスルボルト80と、車軸79のヘッド79aが突出している。灯火器37は、前車輪7とアクスルボルト80との接線C1、並びに前車輪7と車軸79のヘッド79aとの接線C2から内側、つまり自動二輪車の幅方向内側に収まる寸法と配置位置とが選択される。このような配置や寸法により、灯火器37が、より頑丈な車軸79やアクスルボルト80で外力から保護されるし、走行中の飛び石や被水による影響を小さくすることができる。
【0052】
なお、図11では、前車輪7とフロントフォーク4、4との間に設けられるカラーやディスクブレーキ等の部品は本発明の要部ではないので記載を省略してある。
【0053】
上記実施形態は、本発明を実施するための最良の形態であり、本発明はこれに限定されず、請求の範囲に係る発明の範囲内で変形できる。例えば、各実施形態に示した灯体は電球や発光ダイオードを用いるのに限らず、反射板を用いてもよい。反射板は、コーナーキューブを多数配列したものとして形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動二輪車の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る自動二輪車の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の後方斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の分解斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器のハウジングの開放側面図である。
【図7】ゴムシートの変形例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の斜視図である。
【図9】図7に示した灯火器の断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の斜視図である。
【図11】灯火器の好ましい配置位置を示す自動二輪車の要部正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1…自動二輪車、 2…フレームボディ、 4…フロントフォーク、 4a…ボトムケース、 37…灯火器 39、55、75…取り付け部、 40、56…ボトムケース受け面、 41…ゴムシート、 43…カラー、 44…ボルト、 45…ねじ孔、 47、53…灯体、 48、54、73…ハウジング、 49…蓋、 52…発光ダイオード、 57…ブラケット、 58…ガイド部、 64…電線、 68…電線ガイド溝、 70…水抜き孔、 71…リブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動二輪車に関し、特に、第三者による視認性を向上させることができるように配置した灯火器を有する自動二輪車に関する。
【背景技術】
【0002】
歩行者や車両の運転者が二輪車の存在をより認識させやすくすることができるように視認用ランプ装置を有する自動二輪車が提案されている(特開2001−334976号公報)。
【0003】
しかし、自動二輪車は乗用車やトラック等、四輪車と比べてサイズが小さいため、被視認性、つまり第三者から自動二輪車までの距離感や第三者から見た速度感が低下する場合が考えられる。そこで、二輪車の灯体系のうち少なくとも一つの灯体を、車軸以下であって、前輪の最後部より前方、または後輪の最前部より後方に配置した自動二輪車が提案されている。この自動二輪車は特開2003−300488号公報に開示されている。
【特許文献1】特開2001−334976号公報
【特許文献2】特開2003−300488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載された従来の自動二輪車は、それ以前に見られなかった下方への灯火器配置構造を有しているので、目立ちやすくなるという効果がある。ここで、車軸より下方に灯火器を配置する場合、具体的には、フロントフォークの下端に灯火器を取り付けることが考えられる。しかし、フロントフォークの下端は車軸と近接しており、走行に伴い路面の凹凸によって生じる車輪の振動を受けやすい。そこで、フロントフォークの振動にかかわらず、灯火器をフロントフォークへ強固に取り付けるための構造が要望される。また、灯火器は外観上良く目立つ部分であるので、外観の美感を損なわない取り付け構造が望まれる。
【0005】
本発明の目的は、第三者による視認性の向上を図るための灯火器をフロントフォークへ確実に取り付けことができる自動二輪車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するための本発明は、前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、前記フロントフォークの下端部には、前車輪の車軸を割締めボルトでフロントフォーク下端部に固定するためのボルト孔が前記車軸と直交する方向に延在されているとともに、前記軸受部および前記ボルト孔に干渉しない位置に、前記フロントフォークの下端面から上方に向けて穿たれたねじ孔が形成されており、前記灯火器が、前記ねじ孔に係合するボルトによってフロントフォークの下端部に取り付けられている点に第1の特徴がある。
【0007】
また、本発明は、フロントフォークの下端部が略直方体形状であり、前記灯火器のハウジング上面に形成され、前記フロントフォークの下端部が着座する皿状の受け面を有する取り付け部を備え、前記ボルトが、前記取り付け部を下方から上方に貫通して前記ねじ孔に螺合されているとともに、前記受け面に敷かれる平坦部および前記ボルトの周囲に延在する柱状部を有する防振シートを備えている点に第2の特徴がある。
【0008】
また、本発明は、前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、前記フロントフォークの下端部が略直方体形状であり、前記フロントフォークの下端部には、前車輪の車軸を割締めボルトでフロントフォーク下端部に固定するためのボルト孔が前記車軸と直交する方向に延在されているとともに、前記灯火器がハウジングを有し、該ハウジングの前部および後部から上方に突出した部材を備え、前記ハウジングの前部および後部から上方に突出した部材によって、前記フロントフォークの下端部を前後方向から挟み込み、前記ハウジングの前部から上方に突出した部材が前記フロントフォークの下端部に前記割締めボルトで共締めされている点に第3の特徴がある。
【0009】
また、本発明は、前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、前記灯火器がハウジングを有し、該ハウジングの上部に突出部が形成されているとともに、フロントフォークの下端部には、前方に突出部が形成されており、前記灯火器およびフロントフォークの下端部の突出部が互いに当接し、ボルトによって互いに結合されている点に第4の特徴がある。
【0010】
また、本発明は、前記灯火器が、フロントフォークの軸線の下方延長上であって、前車輪の車軸および車軸端部に結合されたアクスルボルトと前車輪との接線で囲まれた範囲内に配置されている点に第5の特徴がある。
【0011】
さらに、本発明は、前記防振シートが、前記フロントフォークの下端面に対向する面の隅に設けられた複数の凸部と該凸部をつなぐリブとからなる点に第6の特徴がある。
【発明の効果】
【0012】
第1の特徴を有する本発明によれば、フロントフォークの下端部に前車輪の車軸を固定するための割締めボルトと干渉しない位置に穿ったねじ孔にボルトをねじ込んでフロントフォークの下端部に灯火器を取り付けることができる。したがって、ねじ孔を追加工するだけで、フロントフォークの大きさを大きくすることなく、形状を複雑にすることもなく、自動二輪車のフロントフォークに灯火器を設けることができる。
【0013】
第2の特徴を有する本発明によれば、略直方体に形成されているフロントフォークの下端部外周と灯火器のフロントフォークの受け面とが互いに嵌め合いとなっているので、フロントフォークに対する灯火器の回転動作を防止することができる。また、防振シートにより、フロントフォークと灯火器のハウジングとが緩衝機能を有して結合されるので、自動二輪車の走行中に生じる振動が灯火器に伝達されるのを防止することができる。さらに、防振シートはフロントフォークの受け面に収容され、外部にはみ出さないので、外観を良好に維持できる。
【0014】
第3の特徴を有する本発明によれば、灯火器のハウジングでフロントフォークの下端部を前後方向から挟み込むことができるので、フロントフォークに対する灯火器の回転動作を防止することができる。また、灯火器を割締めボルトを使ってフロントフォークに取り付けることができるので、車軸の固定と灯火器の固定とを1本のボルトで兼用して行うことができる。
【0015】
第4の特徴を有する本発明によれば、フロントフォークの下端部で車軸を固定する割締めボルトの締め付けに左右されず、また、フロントフォークの下端部にねじ孔をあけることによるフロントフォークの剛性への影響をなくして灯火器を自動二輪車のフロントフォークに取り付けることができる。
【0016】
第5の特徴を有する本発明によれば、灯火器が、より頑丈な車軸やアクスルボルトで外力から保護されるし、走行中の飛び石や被水による影響を小さくすることができる。
【0017】
第6の特徴を有する本発明によれば、フロントフォークの下端面が防振シートの凸部にのみ当接しているので、特に、灯火器をフロントフォークの下端部に1本のボルトを使用して取り付ける場合、ボルトから離れた部分で、防振シートとフロントフォークの下端面との密着性がよくなるので、防振性が良好である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る自動二輪車の正面図であり、図2は左側面図である。自動二輪車1は左右一対のパイプフレームからなるフレームボディ2を備える。フレームボディ2の前部に接合されたヘッドパイプ3によって、図示しないステアリングステムが回転自在に支持される。ステアリングステムの上下部分は、フロントフォーク4のトップブリッジ5とボトムブリッジ6とにそれぞれ連結される。フロントフォーク4は下方に延長され、下端近傍に設けられた前輪軸7によって前車輪FWを支持している。
【0019】
トップブリッジ5には、ハンドルパイプ8が連結される。ハンドルパイプ8にはグリップ9およびミラー10が取り付けられている。フロントフォーク4には、ブラケット11が接合され、このブラケット11には、前照灯12、前部方向指示灯13、およびメータ14が取り付けられている。ボトムブリッジ6には、ホーン15が取り付けられている。
【0020】
フレームボディ2には、エンジン16が搭載され、エンジンの下方には変速機17が、前方にはラジエータ18が設けられている。フレームボディ2のほぼ中央部に設けられた軸19によってスイングアーム20が揺動自在に支持される。スイングアーム20の端部には後輪軸21によって後輪RWが回転自在に支持されている。変速機17の出力軸(図示せず)と後輪軸21との間には駆動チェーン23が掛けられている。フレームボディ2の後部には、リアサスペンション24の上端部が連結され、リアサスペンション24の下端部はスイングアーム20の後端部に連結されている。エンジン16の前部に設けられた排気管25は車体後方に延長され、延長端部にはマフラ26が取り付けられている。
【0021】
フレームボディ2の上部には、燃料タンク27が設けられ、燃料タンク27の後方には、乗員用のシート28が設けられている。フレームボディ2の最後部には、泥よけ29並びにテール/ブレーキライト30および後部方向指示灯31が設けられる。
【0022】
スイングユニット20の軸19の後方には、ブラケット32が接合されており、このブラケット32には、車体幅方向外側に張り出したステップ(乗員の足置き)33が取り付けられている。ステップ33の先端部下側にはバンクセンサとして機能する突出部34が設けられている。ステップ33はブラケット32に対してばねを介して弾力的に取り付けられているので、突出部34の接地時には上方に押し上げられて接地の衝撃を吸収し、バンク角を小さくすると、ばねの作用で再び元の位置に復帰する。このようなステップの衝撃吸収構造は周知であるので、詳細な説明は省略する。フレームボディ2の下部には、メインスタンド35およびサイドスタンド36が取り付けられている。
【0023】
本実施形態の自動二輪車1は、前照灯12、前部方向指示灯13、後部方向指示灯31、およびテール/ブレーキライト30が設けられているが、さらに第三者による視認性を向上させるための灯火器37を設けている。灯火器37は、車体進行方向に指向させて左右のフロントフォーク4の下端部にそれぞれ設けられる。
【0024】
後方からの被視認性を向上させるために、スイングアーム20の後下部にも灯火器38を設けることができる。但し、灯火器37、38は双方を設けるのが好ましいが、灯火器37、38のうち、少なくとも灯火器37を設けてあればよい。灯火器37、38の灯体つまり点灯部本体は電球であってもよいが、1個または複数の発光ダイオードの集合体(複数の発光ダイオードを円形や、矩形等任意の形状に配置したもの)とするのが好ましい。省電力、高照度の灯体とすることができるからである。灯火器37、38は自動二輪車1のエンジン16が駆動されている間は、停車していても点灯するように構成するのがよい。
【0025】
このように車体の下部にも灯火器を設けることにより、第三者による視認性の向上を図ることができる。
【0026】
灯火器37、38は、フロントフォーク4やスイングアーム20に限らず、車体前後方向のいずれに設置してもよいが、自動二輪車1の正面視、つまり図1に示した状態で次のように限定される車体下部に設置する。
【0027】
すなわち、図1において、ステップ33の突出部34の先端を通る水平線HLと、前車輪FWの両側面を通る垂直線VLと、垂直線VLおよび前車輪FWが直立したときの接地面GLが交差する点Pと前記突出部34の先端とを結ぶ直線DLとで囲まれた範囲Aに灯火器37、38を設置する。なお、ここでは、前車輪FWとは特にゴムタイヤ部分をいう。
【0028】
ここで、範囲Aを構成する水平線HLと直線DLとを規定する要素として突出部34を選択しているが、これに限定しない。突出部34は自動二輪車1をバンクさせたときに最初に地面と接触する部位、つまり第1接地部である。したがって、自動二輪車の形式や種類によって、カウル、エンジンケース、マフラ等が、バンク時にステップよりも先に接地する構造では、突出部34に代えて、これらの部品が第1接地部となり、範囲Aを構成する水平線HLと直線DLとを規定する要素として選択される。
【0029】
なお、上述の実施形態では、バンク時の第1接地部としてステップやカウル等を想定しているが、本発明をスクータ型自動二輪車に適用する場合は、不使用時つまり走行時にステップを有するカウルよりも跳ね上げられているセンタスタンドの接地端部(使用時に接地する端部)が第1接地部となり得る。したがって、スクータ型自動二輪車では、センタスタンドの接地端部を第1接地部として範囲Aを決定するのがよい。
【0030】
上述の実施形態では、フロントフォーク4の下端、および後車輪の車軸を支持するスイングアーム20の後部下端の双方に灯火器37、38を取り付けた例を示した。しかし、本願発明はこの実施形態に限らず、灯火器をフロントフォーク4の下端およびスイングアーム20の後部下端のうちいずれか一方に取り付けるだけであってもよい。
【0031】
図3は、灯火器37を取り付けた左フロントフォークの後方斜視図、図4は側面図、図5は分解斜視図である。図3〜図5において、フロントフォーク4の下部つまりボトムケース4aは略直方体形状をなしていて、前輪軸7を支持する軸受を構成している。ボトムケース4aの下端面には灯火器37が結合されている。 灯火器37は、上面にボトムケース4aの取り付け部39を有する。取り付け部39はボトムケース4aの下端形状に合致した皿形状のボトムケース受け面40を有し、ボトムケース受け面40とボトムケース4aの下端面との間には略矩形のゴムシート(防振シート)41が介在させられている。取り付け部39には、孔42が形成されており、ゴムシート41の角部に形成された柱状部分41aが孔42にはめ込まれ、この柱状部分41aのフランジが取り付け部39の下面に張り出して、ゴムシート41を取り付け部39に保持している。
【0032】
ゴムシート41の柱状部分41aには、ボルト通し孔が形成されており、このボルト通し孔にはゴムシート41の上側からカラー43が挿入されている。取り付け部39の下面からワッシャ44aを通してボルト44が差し込まれ、ボルト44は、カラー43を通って上方に延び、ボトムケース4aに形成されたねじ孔45にねじ込まれる。ねじ孔45は、ボトムケース4aを締め付けて軸受部に支持される前車輪7の車軸(図示せず)を固定するための割締めボルト61を通すボルト孔62と干渉しない位置に穿たれている。
【0033】
このように、灯火器37とボトムケース4aとは、ボトムケース4aの、矩形断面を有する下端が灯火器37の取り付け部39のボトムケース受け面40にはまった状態でボルト44を使って互いに結合されている。したがって、1本のボルト44のみで、ボトムケース4aに対して灯火器37をしっかりと固定することができる。
【0034】
また、ゴムシート41をボトムケース4aとボトムケース受け面40との間に介在させたので、フロントフォーク4の振動が灯火器37に直接伝わるのを防止できる。ボルト44は、接着剤でボルト44をボトムケース4aに接着したり、ボルトキャップなどを設けてもよい。
【0035】
灯火器37は基板46に取り付けた灯体47と、灯体47を収容するハウジング48と、ハウジング48の蓋49とからなる。ハウジング48は灯火器37の前面(光照射方向)が開放されており、一側部(自動二輪車の外側寄り、つまり、左フロントフォークの場合は左側、右フロントフォークの場合は右側)が閉鎖されている。また、ハウジング48の底部および上部には、ガイド溝またはレール48a、48aが形成されている。このレール48aは灯体47をハウジング48内で前後方向の位置決めをするために設けられている。基板46には、ブラケット46aが立設されている。このブラケット46aはハウジング48の前記一側部に形成される座(後述)に対面するように位置決めされている。
【0036】
図6は、基板46とハウジング48の係合状態を示す灯火器の側面図である。ハウジング48の内部には、座48bと、灯体47が取り付けられた基板46の上下端を保持して灯体47の前後方向の位置決めをするレール48a、48aとが形成されている。基板46の上下端をレール48a、48aにはめた状態で、ブラケット46aを座48bに対面させ、止めねじ50を、ブラケット46aに貫通させて座48bのねじ孔にねじ込んで固定する。
【0037】
上記構成の灯火器をフロントフォーク4に組み付ける手順の例を説明する。まず、灯火器37を組み立てる。灯体47を、ハウジング48の側部開口からハウジング48内部に入れ、基板46の上下端をレール48a、48aに沿わせ、奥に押入れる。そしてブラケット46aを座48bに当接させた状態で、止めねじ50を座48bにねじ込む。こうして、灯体47をハウジング48内に固定したならば、蓋49をハウジング48の側部開口にかぶせて、止めねじ51をハウジング48のねじ48cにねじ込む。なお、ハウジング48に灯体47をより強固に固定するために基板46とハウジング48とを接着するとなおよい。
【0038】
次に、組み上がった灯火器37をフロントフォーク4のボトムケース4aに取り付ける。まず、ボトムケース受け面40にゴムシート41を敷く。ゴムシート41の柱状部分41aは孔42に差し込む。次いで、カラー43をゴムシート41の柱状部分41aのボルト通し孔に差し込む。そうして、灯火器37のボトムケース受け面40をボトムケース4aの下端にあてがい、ボルト44を下方から、ワッシャ44aならびに取り付け部39およびカラー43を貫通させてねじ孔45にねじ込み締め付ける。
【0039】
なお、灯体47を取り付けた基板46をハウジング48に止めねじ50でねじ止めしたが、これに限らず、接着剤で固定するか、または接着剤とねじ止めを併用しても良い。また、上記実施形態は左フロントフォークに関するものであるが、右フロントフォークにも同様に灯火器37を取り付ける。
【0040】
上記実施形態では、平坦部分と一角に設けた柱状部分とからなるゴムシート41で防振性を持たせているが、防振性部材はこのような形状のゴムシートに限定されない。図7は、ゴムシート41の変形例に係る斜視図である。この例では、ゴムシート41の4角に凸部41bを形成して肉厚にし、残りの薄肉部分は中央部を打ち抜いて全体に環状に形成し、肉厚の凸部41bをつなぐリブとしている。このように、4角の凸部41bのみで、ボトムケース4aと当接させることにより、ボトムケース4aとボトムケース受け面40とが安定して接触する。また、ゴムシート41の成型に使用するゴムの量を少なくすることができる。
【0041】
図8は、本発明の第2実施形態に係る灯火器37およびフロントフォーク4の斜視図である。灯火器37は複数の発光ダイオード52(符号は一部にのみ付している)を含む灯体53をハウジング54に収容している。ハウジング54の上部には、ボトムケース4aの下端面の傾斜に適合するボトムケース受け面55を有する取り付け部56が形成される。取り付け部56は前部で上方に突出したブラケット57を備えるとともに、後部で上方に突出したガイド部58を備える。ブラケット57とガイド部58との対向面は、平行であり、互いの間隔は、ボトムケース4aの寸法Aを有する下端部を挟み込むことができるように設定されている。
【0042】
したがって、灯火器37をボトムケース4aの下端部に下からあてがうと、ボトムケース4aの下端部はブラケット57とガイド部58との対向面で挟まれるので、ボトムケース4aに対する灯火器37の回転が規制される。
【0043】
一般に、ボトムケース4aには、その下端部から前輪軸7(図2参照)を支持する軸受59にまで延びるスリット60が形成されており、軸受59に前輪軸7を差し込んだ後、割締めボルト61をボルト孔62に差し込んで締め付けて前輪軸7を軸受59に固定する。灯火器37のブラケット57には、この割締めボルト61が通せる孔63が形成されており、灯火器37をボトムケース4aにあてがったときにこの孔63とボトムケース4aのボルト孔62とが整列するように位置が設定されている。したがって、軸受59を締め付けて車軸を固定するために一般に使用されている割締めボルト61を、灯火器37をボトムケース4aに固定するために兼用することができる。この第2実施形態によれば、ブラケット57とガイド部58とでボトムケース4aを挟む構造になっているので、1本のボルトで灯火器37をボトムケース4aに固定できる。また、この1本のボルトも、従来用いられているものを割締めボルトを利用できるので部品数を増やすことが無く、ボトムケース4aに対する追加工も不要である。
【0044】
ガイド部58に形成された溝68は、灯体53に電力を供給する電線(図示せず)を灯火器37から外部に引き出すためのものである。
【0045】
図9は、図8に示した灯火器37の断面図である。図9において、灯火器37のハウジング54内に設けられる灯体53は、基板53aと、発光ダイオード52と、発光ダイオード52を覆って前面に設けられたレンズ53bと、発光ダイオード52に給電するための電線64を発光ダイオード52に接続するためのコネクタ65とを備える。基板53aは、ハウジング54の底部および上部に設けられたレール66、67によって上下端が支持され、ハウジング54内で、灯体53を所定位置に位置決めしている。
【0046】
ハウジング54のガイド部58には、電線ガイド溝68が設けられており、ガイド部58とボトムケース4aの壁面との間に、電線64を通すことができる間隙を形成している。この電線ガイド溝68を通る電線64はハウジング54の内壁69でハウジング54の底部側に案内され、そこから上方に屈曲され、さらに水平に延びてコネクタ65に接続される。ハウジング54の底部には、水抜き孔70が設けられている。
【0047】
電線64はフロントフォーク4に沿って上方に延長されるので、この電線64を伝わって灯火器37に水が落ちてくる。このために電線64を下方でたるませて、コネクタ65に接続させる。図9に示した灯火器37では、このたるみ部分をハウジング54内に設けているので、水が灯体53に付着するおそれがないうえに、走行中にはねた路上の石が電線64に当たったり、段差に接触して電線64を損傷させたりするのを防止することができる。ハウジング54の底部には水抜き孔70が形成されているので、ハウジング54内に浸入した水は、この水抜き孔70から排出することができる。
【0048】
図10は、本発明の第3実施形態に係る灯火器の斜視図である。この実施形態では、ボトムケース4aにリブ71を形成し、このリブ71と結合されるブラケット72を灯火器37のハウジング73の上部に設けた。ボトムケース4aのリブ71は、自動二輪車の前方に突出し、車体の幅方向に貫通するねじ孔74を有している。灯火器37のハウジング73には、ボトムケース4aの下端面と当接する平坦な上面を有する取り付け部75が形成されている。ブラケット72には、取り付け部75の上面がボトムケース4aの下端面に当接した状態でリブ71のねじ孔74に整列するボルト通し孔(図示せず)が形成されている。ボルト76をボルト通し孔を通してリブ71のねじ孔74にねじ込むことにより、灯火器37はボトムケース4aにしっかりと確保される。
【0049】
第3実施形態の灯火器37では、灯体77には複数の発光ダイオードに代えて単体の電球78を備えている。電球78は白熱電球やハロゲン電球等である。
【0050】
なお、前記灯火器37は、筒状に形成されるフロントフォーク4の軸線の延長線上に設けられ、フロントフォーク4およびフロントフォーク4から車幅方向へ突出した車軸の端部を含む範囲内に収められる大きさとするのがよい。
【0051】
図11は、車軸端部および前車輪を結ぶ直線の範囲内に収められた灯火器37を示す自動二輪車の正面図である。図11において、車軸79は一端に大径のヘッド79aを有しておりヘッド79aに続く小径部79bは、一方のフロントフォーク4から前車輪7を経て、他方のフロントフォーク4に到達する長さを有する。車軸79の小径部69bの先端には、雌ねじが着られていて、この雌ねじにアクスルボルト80がねじ込まれる。したがって、フロントフォーク4、4から車体の車幅方向にアクスルボルト80と、車軸79のヘッド79aが突出している。灯火器37は、前車輪7とアクスルボルト80との接線C1、並びに前車輪7と車軸79のヘッド79aとの接線C2から内側、つまり自動二輪車の幅方向内側に収まる寸法と配置位置とが選択される。このような配置や寸法により、灯火器37が、より頑丈な車軸79やアクスルボルト80で外力から保護されるし、走行中の飛び石や被水による影響を小さくすることができる。
【0052】
なお、図11では、前車輪7とフロントフォーク4、4との間に設けられるカラーやディスクブレーキ等の部品は本発明の要部ではないので記載を省略してある。
【0053】
上記実施形態は、本発明を実施するための最良の形態であり、本発明はこれに限定されず、請求の範囲に係る発明の範囲内で変形できる。例えば、各実施形態に示した灯体は電球や発光ダイオードを用いるのに限らず、反射板を用いてもよい。反射板は、コーナーキューブを多数配列したものとして形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係る自動二輪車の正面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る自動二輪車の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の後方斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の側面図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の分解斜視図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器のハウジングの開放側面図である。
【図7】ゴムシートの変形例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の斜視図である。
【図9】図7に示した灯火器の断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る自動二輪車に設けられる灯火器の斜視図である。
【図11】灯火器の好ましい配置位置を示す自動二輪車の要部正面図である。
【符号の説明】
【0055】
1…自動二輪車、 2…フレームボディ、 4…フロントフォーク、 4a…ボトムケース、 37…灯火器 39、55、75…取り付け部、 40、56…ボトムケース受け面、 41…ゴムシート、 43…カラー、 44…ボルト、 45…ねじ孔、 47、53…灯体、 48、54、73…ハウジング、 49…蓋、 52…発光ダイオード、 57…ブラケット、 58…ガイド部、 64…電線、 68…電線ガイド溝、 70…水抜き孔、 71…リブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、
前記フロントフォークの下端部には、
前車輪の車軸を割締めボルトでフロントフォーク下端部に固定するためのボルト孔が前記車軸と直交する方向に延在されているとともに、
前記軸受部および前記ボルト孔に干渉しない位置に、前記フロントフォークの下端面から上方に向けて穿たれたねじ孔が形成されており、
前記灯火器が、前記ねじ孔に係合するボルトによってフロントフォークの下端部に取り付けられていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項2】
前記フロントフォークの下端部が略直方体形状であり、
前記灯火器のハウジング上面に形成され、前記フロントフォークの下端部が着座する皿状の受け面を有する取り付け部を備え、
前記ボルトが、前記取り付け部を下方から上方に貫通して前記ねじ孔に螺合されているとともに、
前記受け面に敷かれる平坦部および前記ボルトの周囲に延在する柱状部を有する防振シートを備えていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
【請求項3】
前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、
前記フロントフォークの下端部が略直方体形状であり、
前記フロントフォークの下端部には、
前車輪の車軸を割締めボルトでフロントフォーク下端部に固定するためのボルト孔が前記車軸と直交する方向に延在されているとともに、
前記灯火器がハウジングを有し、該ハウジングの前部および後部から上方に突出した部材を備え、
前記ハウジングの前部および後部から上方に突出した部材によって、前記フロントフォークの下端部を前後方向から挟み込み、前記ハウジングの前部から上方に突出した部材が前記フロントフォークの下端部に前記割締めボルトで共締めされていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項4】
前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、
前記灯火器がハウジングを有し、該ハウジングの上部に突出部が形成されているとともに、フロントフォークの下端部には、前方に突出部が形成されており、
前記灯火器およびフロントフォークの下端部の突出部が互いに当接し、ボルトによって互いに結合されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項5】
前記灯火器が、フロントフォークの軸線の下方延長上であって、前車輪の車軸および車軸端部に結合されたアクスルボルトと前車輪との接線で囲まれた範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動二輪車。
【請求項6】
前記防振シートが、前記フロントフォークの下端面に対向する面の隅に設けられた複数の凸部と該凸部をつなぐリブとからなることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車。
【請求項1】
前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、
前記フロントフォークの下端部には、
前車輪の車軸を割締めボルトでフロントフォーク下端部に固定するためのボルト孔が前記車軸と直交する方向に延在されているとともに、
前記軸受部および前記ボルト孔に干渉しない位置に、前記フロントフォークの下端面から上方に向けて穿たれたねじ孔が形成されており、
前記灯火器が、前記ねじ孔に係合するボルトによってフロントフォークの下端部に取り付けられていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項2】
前記フロントフォークの下端部が略直方体形状であり、
前記灯火器のハウジング上面に形成され、前記フロントフォークの下端部が着座する皿状の受け面を有する取り付け部を備え、
前記ボルトが、前記取り付け部を下方から上方に貫通して前記ねじ孔に螺合されているとともに、
前記受け面に敷かれる平坦部および前記ボルトの周囲に延在する柱状部を有する防振シートを備えていることを特徴とする請求項1記載の自動二輪車。
【請求項3】
前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、
前記フロントフォークの下端部が略直方体形状であり、
前記フロントフォークの下端部には、
前車輪の車軸を割締めボルトでフロントフォーク下端部に固定するためのボルト孔が前記車軸と直交する方向に延在されているとともに、
前記灯火器がハウジングを有し、該ハウジングの前部および後部から上方に突出した部材を備え、
前記ハウジングの前部および後部から上方に突出した部材によって、前記フロントフォークの下端部を前後方向から挟み込み、前記ハウジングの前部から上方に突出した部材が前記フロントフォークの下端部に前記割締めボルトで共締めされていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項4】
前車輪を軸受部で支持するフロントフォークの下端部に取り付けた灯火器を有する自動二輪車において、
前記灯火器がハウジングを有し、該ハウジングの上部に突出部が形成されているとともに、フロントフォークの下端部には、前方に突出部が形成されており、
前記灯火器およびフロントフォークの下端部の突出部が互いに当接し、ボルトによって互いに結合されていることを特徴とする自動二輪車。
【請求項5】
前記灯火器が、フロントフォークの軸線の下方延長上であって、前車輪の車軸および車軸端部に結合されたアクスルボルトと前車輪との接線で囲まれた範囲内に配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動二輪車。
【請求項6】
前記防振シートが、前記フロントフォークの下端面に対向する面の隅に設けられた複数の凸部と該凸部をつなぐリブとからなることを特徴とする請求項2記載の自動二輪車。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−132219(P2009−132219A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−308726(P2007−308726)
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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