自動洗濯機の部品取り外し方法及び自動洗濯機の補修方法
【課題】パルセーター駆動軸と共にパルセーターを取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナット部を露出させて、当該第1ナットを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品取り出し具を提供する。
【解決手段】パルセーター駆動軸に取り外し可能に連結される系止部材2及び系止部材2に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる部品取り外し具であって、系止部材2が、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合するための雄ねじ体と、雄ねじ体の頭部を系止するための系止部を有してなり、打撃部材4が、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通され、かつ鍔部に衝突することにより上向きの衝撃力を生じさせるハンマー部HMを有する。
【解決手段】パルセーター駆動軸に取り外し可能に連結される系止部材2及び系止部材2に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる部品取り外し具であって、系止部材2が、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合するための雄ねじ体と、雄ねじ体の頭部を系止するための系止部を有してなり、打撃部材4が、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通され、かつ鍔部に衝突することにより上向きの衝撃力を生じさせるハンマー部HMを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動洗濯機の部品取り外し具及び自動洗濯機の部品取り外し方法に関する。
さらに、自動洗濯機の補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動洗濯機の部品で故障しがちなのは駆動部を有するモーター部分であり、故障したモーター部のみ取り替えることが可能であるならば、自動洗濯機の補修が可能であり、自動洗濯機の延命化が可能となり、低コスト化が可能となる。
また、実際に自動洗濯機の故障箇所の特定は、モーター部を自動洗濯機本体の外に取り外してこそ可能となるもので、モーター部を取り付けたままの状態では不可能であり、モーター部を自動洗濯機本体の外に取り外すための技術が必要不可欠になる。
従来、モーター部を取り外すためには、洗濯機の内槽の底部上部のパルセーターを取り外すことが必要となるが、パルセーターはパルセーター駆動軸に対して錆と洗剤等により強く固着されてしまっており、パルセーターとパルセーター駆動軸とを取り外すことは物理的に不可能であった。
【0003】
そこで、パルセーターをガスバーナーで焼き切って取り除き、パルセーターの下に隠れていたモーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させ、当該ナットを緩めて外そうと試みたが、パルセーターはバーナーの熱により、黒煙を吐き出し、有害物質を排出するおそれもあり、かかる試みは成功しなかった。
さらに、パルセーター駆動軸をサンダー(電動工具)等により、削り取る試みも行ったが、騒音等の問題があり、やはり、かかる試みも成功しなかった。
出願人は、いろいろ先行技術を調査したところ、自動洗濯機自体の先行技術は発見されたが、自動洗濯機の補修方法や、その前に必要な自動洗濯機の部品取り外し具及び自動洗濯機の部品取り外し方法に関する先行技術は殆ど発見することができなかった。
【0004】
関連する先行技術として、特開平6−238085号公報(特許文献1)を提示しておく。
特許文献1は、「洗濯水が満たされる外槽1と、前記外槽の内部に同軸状態で設置された内槽2と、前記内槽2の下部に設置された、前記外槽内の洗濯水の水位に応じて前記内槽を昇降させるための浮力発生手段と、外槽1と内槽2の下側の中央に貫通され回転可能に設置されて前記内槽の昇降をガイドするシャフトと、前記シャフトに回転力を供給する手段4と、前記内槽の底部の内部で前記シャフトの上端に固定されて水流を発生させる手段5と、前記シャフトにより案内されて昇降する内槽2の位置変動に応じて内槽2を水流発生手段と外槽1とに選択的に結合させるクラッチング手段とを備え、さらに水流発生手段と内槽との慣性力の差を用いて前記クラッチング動作の完了有無を確認するクラッチング確認手段構成」を開示している。
特許文献1に開示された自動洗濯機は、「本発明の全自動洗濯機は複雑な構造のクラッチを使用せず内槽の自重と洗濯水の浮力による昇降により駆動力が内槽に伝達して洗濯及び脱水を遂行する構造を有するので、給水を開始した後、所定水位に到達するモーターを間歇的に左右方に攪拌して、内槽の浮上時にギア形突起がギア形溝と噛み合うようにしてクラッチングを円滑に遂行できる」という効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−238085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、以下の通りである。
(1)本発明が解決しようとする第1課題
自動洗濯機のパルセーター駆動軸及びパルセーターを取り外して、モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター)取り出し具を提供することである。
(2)本発明が解決しようとする第2課題
モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外すことを可能にすべく自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター)取り外し方法を提供することである。
【0007】
(3)本発明が解決しようとする第3課題
自動洗濯機のパルセーター駆動軸及びパルセーターを取り外して、モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター、モーターとクラッチ組立体)取り外し方法を提供することである。
(4)本発明が解決しようとする第4課題
自動洗濯機のパルセーター駆動軸及びパルセーターを取り外して、モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外して、モーター部を新品に取り替えた後、自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター、モーターとクラッチ組立体)を元通りに取り付ける自動洗濯機の補修方法を提供することである。
【0008】
(5)本発明が解決しようとする第5課題
自動洗濯機のパルセーター駆動軸及びパルセーターを取り外して、モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外して、モーター部を補修した後、自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター、モーターとクラッチ組立体)を元通りに取り付ける自動洗濯機の補修方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するための手段は、本願の[特許請求の範囲]の各請求項に記載の発明である。
特許請求の範囲、明細書、図面等の用語の解釈上の疑義を解消すべく、以下用語の説明を行うこととする。
<用語の説明>
○パルセーターとは、日本で主流の渦巻き式洗濯機の洗濯槽底部にあって、渦巻き水流をつくる攪拌翼をいう。
○自動洗濯機とは、洗濯物を入れてスタートすると、すすぎ、脱水まで自動的に行う洗濯機をいう。
○パルセーター駆動軸とは、モーターにより、パルセーターを駆動するための駆動軸をいう。パルセーター駆動軸は、内槽駆動軸の中空内に挿入されている。
○内槽駆動軸とは、モーターにより、内槽(洗濯槽)を駆動するための駆動軸をいい、中空構造をしており、パルセーター駆動軸が内槽駆動軸の中空内に挿入されている。
○パルセーター駆動軸の雌ねじ部とは、2つの半割円盤体を接合して一体とした円盤をいう。雄ねじ体の雄ねじが雌ねじ部に螺合される。
【0010】
○雄ねじ体とは、雄ねじと頭部とから構成されている。この雄ねじは、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合される。
○自動洗濯機の部品(その1)とは、自動洗濯機のパルセーターとパルセーター駆動軸の固着体をいう。
自動洗濯機の部品(その2)とは、自動洗濯機のモーター部又は/及びクラッチ組立体をいう。
自動洗濯機の部品(その3)とは、自動洗濯機のパルセーターとパルセーター駆動軸、及び自動洗濯機のモーター又は/及びクラッチ組立体をいう。
○自動洗濯機の部品取り外し具とは、自動洗濯機の部品(自動洗濯機のパルセーターとパルセーター駆動軸の固着体)を取り外すための道具をいう。
○系止部材2とは、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合するための雄ねじ体と、雄ねじ体の頭部を系止するための系止部を有してなる部材である。
○接合部材3とは、系止部材2、及び打撃部材4を相互に接合する部材である。
系止部材2と接続部材3が相互に(ねじ)接合され得る。
あるいは、系止部材2と接続部材3とは、最初から相互に一体的に接合されている(例えば、溶接接合されている)場合もある。
【0011】
○打撃部材4とは、心棒と鍔部とストッパー部を有し、鍔部とストッパー部の間において、中心部に中空(貫通孔)を有するハンマー部を心棒に挿入してなる、パルセーター駆動軸に印加するための衝撃力を発生させる部材である。
○ハンマー部とは、中心部に中空(貫通孔)を有し、貫通孔に心棒を通した構造を有し、雄ねじ体を自動洗濯機本体から取り外すために、鍔部とストッパー部の間において、急激に動かして鍔部に打ち当てて、運動を急に停止させることにより衝撃力を発生させるための部材である。
○鍔部とは、ハンマー部が衝突することにより衝撃力を受ける部位のことをいう。
○ストッパー部とは、鍔部と反対側においてハンマー部を受ける部位のことをいう。ストッパー部により、ハンマー部が抜け出すのを防止する。また、ハンマー部の運動の起点となる。
○ビスねじとは、比較的小さな頭付きのおねじ部品をいう。特にすりわりや十字穴を持つものをいう。「小ねじ」とほぼ同義である。
○一体的に接合されてなるとは、溶接等により、分離することなく常に一つの物品となるように構成することをいう。
【0012】
○第1ブラケットとは、モーター又は/及びクラッチ組立体側に設置され、モーター又は/及びクラッチ組立体と内槽とを結合するための部品をいう。
○第2ブラケットとは、モーター又は/及びクラッチ組立体側に設置され、モーター又は/及びクラッチ組立体と外槽とを結合するための部品をいう。
○ナットとは、中央に雌ねじと呼ばれる開口部が切ってあり、ボルトと組合せて使用される締結部品をいう。一般には外形が六角柱をした六角ナットをいう。本願明細書におけるナットには、第1ナットと第2ナットがある。
○ボルトとは、雄ねじが切られた軸部と頭部からなり、ナットと組合せて使用される締結部品をいう。本願明細書におけるボルトには、第1ボルトと第2ボルトがある。
○第1ナットとは、内槽と第1ブラケットを締結するためのナットをいう。
○第2ナットとは、外槽と第2ブラケットを締結するためのナットをいう。
○第1ボルトとは、内槽と第1ブラケットを締結するためのボルトをいう。
○第2ボルトとは、外槽と第2ブラケットを締結するためのボルトをいう。
○クラッチ組立体とは、モーターからパルセーター、内槽を回転・停止させるために動力を伝達あるいは遮断する装置をいう。
【0013】
本発明者は、上記の従来技術が有する各種の問題点に鑑み、鋭意検討を重ねて、本発明を完成したものである。
本発明者が、本発明が解決しようとする課題の重要性に気が付く契機となったのは、従来技術の欠点を生ずる最大かつ唯一の原因は、パルセーターはパルセーター駆動軸に固着してしまっているのでパルセーターのみを取り出すことが不可能であることに気が付いたことである。
そこで、本発明者は、パルセーターのみを取り出すことは諦めて、その代わりにパルセーターとパルセーター駆動軸の固着体を同時に取り出す方法はないものかと種々検討・模索を重ねて、本発明を完成したものである。
しかし、パルセーター駆動軸に冶具を取り付けて、上方向に静的な引張力で引張上げてみても、パルセーター駆動軸と槽パッキン部とが固着してしまっていて、パルセーター、パルセーター駆動軸、内槽、外槽、及びモーター又は/及びクラッチ組立体が全体として持ち上がるのみで、パルセーター駆動軸と内槽パッキン部のみを自動洗濯機本体から分離・取り出すことができないという次なる難題が待ち構えていた。
【0014】
元々、パルセーター、パルセーター駆動軸、内槽、外槽、及びモーター又は/及びクラッチ組立体はスプリングで吊り上げられる構造となっていて、パルセーター、パルセーター駆動軸、内槽、外槽、及びモーター又は/及びクラッチ組立体には、上方向の静的な引張力が付加されているので、上方向に静的な引張力で引張上げてみても、パルセーター駆動軸と槽パッキン部とが固着してしまっていて、パルセーター、パルセーター駆動軸、内槽、外槽、及びモーター又は/及びクラッチ組立体が全体として持ち上がり易く、パルセーター駆動軸と内槽パッキン部のみを自動洗濯機本体から分離・取り出すことが容易でなかった。
【0015】
上記問題を解決するために種々努力を行った結果、ハンマーにより、瞬間的な衝撃力をパルセーター駆動軸に印加するという着想を幸運にも得て、この着想を種々工夫して実際に試みたところ、パルセーター駆動軸と槽パッキン部とが固着していたにも拘わらず、この固着状態を解消させて、パルセーターとパルセーター駆動軸の固着体を同時に取り外して、取り出すことに成功をした。
これにより、第1の課題を達成したら、順次、第2の課題、第3の課題を達成することができた。
課題を解決するための手段は、本願の特許請求の範囲の各請求項に記載の発明であり、その具体的な解決手段は、以下の通りである。
【0016】
○第1の発明(請求項1に記載の発明)
上記の課題を解決するための第1の発明(請求項1に記載の発明)は、
自動洗濯機のパルセーター駆動軸に取り外し可能に連結される系止部材2及び系止部材2に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、系止部材2が、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合する雄ねじ体1と、雄ねじ体1の頭部を系止するための系止部2aを有してなり、打撃部材4が、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通されたハンマー部HMを有してなるものであることを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し具である。
【0017】
○第2の発明(請求項2に記載の発明)
上記の課題を解決するための第2の発明(請求項2に記載の発明)は、
系止部材2は、同軸上に配置された第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2を有し、第1中空円筒2d1は雄ねじ体1の雄ねじ1aを挿入できるものであり、第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2の段差部は雄ねじ体1の頭部1bを系止するための系止部2aを形成していることを特徴とする請求項1に記載の自動洗濯機の部品取り外し具である。
○第3の発明(請求項3に記載の発明)
上記の課題を解決するための第3の発明(請求項3に記載の発明)は、
系止部材2と打撃部材4を接続する接続部材3を有し、接続部材3が、系止部材2、打撃部材4とねじ接合され得るものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動洗濯機の部品取り外し具である。
【0018】
○第4の発明(請求項4に記載の発明)
上記の課題を解決するための第4の発明(請求項4に記載の発明)は、
系止部材2と打撃部材4を接続する接続部材3を有し、系止部材2と接続部材3とが一体的に接合されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動洗濯機の部品取り外し具である。
○第5の発明(請求項5に記載の発明)
上記の課題を解決するための第5の発明(請求項5に記載の発明)は、
パルセーター駆動軸PSのビスねじを緩めて取り外した後、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に雄ねじ体1の雄ねじ1aを螺合し、次いで雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消し、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し方法である。
【0019】
○第6の発明(請求項6に記載の発明)
上記の課題を解決するための第6の発明(請求項6に記載の発明)は、
パルセーター駆動軸PSのビスねじを緩めて取り外した後、自動洗濯機の部品取り外し具100の雄ねじ体1の雄ねじ1aをパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に螺合し、次いで雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消し、自動洗濯機の部品取り外し具100によって、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し方法である。
○第7の発明(請求項7に記載の発明)
上記の課題を解決するための第7の発明(請求項7に記載の発明)は、
自動洗濯機の部品取り外し具100が、スライド自在、かつ鍔部4bと衝突することにより上向きの衝撃力を生じさせるハンマー部HMを有し、ハンマー部HMをスライドさせることによって鍔部4bに衝突させて雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消することを特徴とする請求項6に記載の自動洗濯機の部品取り外し方法である。
【0020】
○第8の発明(請求項8に記載の発明)
上記の課題を解決するための第8の発明(請求項8に記載の発明)は、
請求項5から請求項7の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体から上方向に取り外した後に、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合している第1ボルトBN1及び第1ナットN1を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合している第2ボルトBN2及び第2ナットN2を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すことを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法である。
○第9の発明(請求項9に記載の発明)
上記の課題を解決するための第9の発明(請求項9に記載の発明)は、
モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWを横に倒して、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すことを特徴とする請求項8に記載の自動洗濯機の部品取り外し方法である。
【0021】
○第10の発明(請求項10に記載の発明)
上記の課題を解決するための第10の発明(請求項10に記載の発明)は、
請求項1から請求項4の何れかの自動洗濯機の部品取り外し具100を用いることを特徴とする請求項5から請求項9の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法である。
○第11の発明(請求項11に記載の発明)
上記の課題を解決するための第11の発明(請求項11に記載の発明)は、
請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを、及び、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを新品に取り替えて、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ボルトBN2及び第2ナットN2を締めて取り付け、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ボルトBN1及び第1ナットN1を締めて取り付けることを特徴とする自動洗濯機の補修方法である。
【0022】
○第12の発明(請求項12に記載の発明)
上記の課題を解決するための第12の発明(請求項12に記載の発明)は、
請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを、及び、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを補修し、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ボルトBN2及び第2ナットN2を締めて取り付け、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ボルトBN1及び第1ナットN1を締めて取り付けることを特徴とする自動洗濯機の補修方法である。
【0023】
○第13の発明(請求項13に記載の発明)
上記の課題を解決するための第13の発明(請求項13に記載の発明)は、
自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に螺合されたビスねじBSの頭部に取り外し可能に連結される系止部材5及び系止部材5に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、
系止部材5は、所定形状の筒状体5aと、筒状体5aの下部に形成され、かつビスねじBSの頭部と軸方向抜け止め状に係合される係合部5dとを有してなり、
打撃部材4は、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通され、かつ鍔部4bに衝突することにより衝撃力を発生させるハンマー部HMと、衝撃力を系止部材5に伝達可能に系止部材5の雌ねじ部と螺合される接続部材3を有してなる
ことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し具である。
【0024】
○第14の発明(請求項14に記載の発明)
上記の課題を解決するための第14の発明(請求項14に記載の発明)は、
系止部材5は、上半部に雌ねじ部5bが形成された筒状体5aと、筒状体5aの下部に形成され、かつビスねじBSの頭部と軸方向抜け止め状に係合される内向き鍔部5dと、筒状体5aの下部の側面に形成され、かつビスねじBSの頭部及び軸部の通過を許容する受け入れ用開口部5eとを有していることを特徴とする請求項13に記載の自動洗濯機の部品取り外し具である。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る、自動洗濯機の部品取り外し具、自動洗濯機の部品取り外し方法及び自動洗濯機の補修方法は、上記のような特徴的構成要件から構成され、特徴的構成要件に応じた、以下のような本願発明特有の効果を奏する。
また、上記のような特徴的構成要件から構成された、自動洗濯機の部品取り外し具、自動洗濯機の部品取り外し方法及び自動洗濯機の補修方法によれば、本願発明の課題を解決することができた。
○第1の発明の効果
第1の発明によれば、自動洗濯機のパルセーター駆動軸に取り外し可能に連結される系止部材2及び系止部材2に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、系止部材2が、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合する雄ねじ体1と、雄ねじ体1の頭部を系止するための系止部2aを有してなり、打撃部材4が、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通されたハンマー部HMを有してなるという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーター及びパルセーター駆動軸を取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナットを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター及びパルセーター駆動軸)取り出し具を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0026】
○第2の発明の効果
第2の発明によれば、系止部材2は、同軸上に配置された第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2を有し、第1中空円筒2d1は雄ねじ体1の雄ねじ1aを挿入できるものであり、第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2の段差部は雄ねじ体1の頭部1bを系止するための系止部2aを形成しているという自動洗濯機の部品取り外し具の具体的構成を開示することにより、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第3の発明の効果
第3の発明によれば、系止部材2と打撃部材4を接続する接続部材3を有し、接続部材3が、系止部材2、打撃部材4とねじ接合され得るものであるという自動洗濯機の部品取り外し具の具体的構成を開示することにより、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0027】
○第4の発明の効果
第4の発明によれば、系止部材2と打撃部材4を接続する接続部材3を有し、系止部材2と接続部材3とが一体的に接合されてなるという自動洗濯機の部品取り外し具の具体的構成を開示することにより、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第5の発明の効果
第5の発明によれば、パルセーター駆動軸PSのビスねじを緩めて取り外した後、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に雄ねじ体1の雄ねじ1aを螺合し、次いで雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消し、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すという特徴的な構成要件により、
モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させ、当該第1ナット及び第1ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター及びパルセーター駆動軸)取り外し方法を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第2課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0028】
○第6の発明の効果
第6の発明によれば、パルセーター駆動軸PSのビスねじを緩めて取り外した後、自動洗濯機の部品取り外し具100の雄ねじ体1の雄ねじ1aをパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に螺合し、次いで雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消し、自動洗濯機の部品取り外し具100によって、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すという自動洗濯機の部品取り外し方法の具体的構成を開示することにより、
本発明が解決しようとする第2課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第7の発明の効果
第7の発明によれば、自動洗濯機の部品取り外し具100が、スライド自在、かつ鍔部4bと衝突することにより上向きの衝撃力を生じさせるハンマー部HMを有し、ハンマー部HMをスライドさせることによって鍔部4bに衝突させて雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消するという自動洗濯機の部品取り外し方法の具体的構成を開示することにより、
本発明が解決しようとする第2課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0029】
○第8の発明の効果
第8の発明によれば、請求項5から請求項7の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体から上方向に取り外した後に、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合している第1ボルトBN1及び第1ナットN1を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合している第2ボルトBN2及び第2ナットN2を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーターを取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナット及び第1ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を内槽から取り外し、モーター又は/及びクラッチ組立体の第2ブラケットと外槽とを結合している第2ナットを露出させて、当該第2ナット及び第2ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター、パルセーター駆動軸、モーター又は/及びクラッチ組立体)取り外し方法を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第3課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0030】
○第9の発明の効果
第9の発明によれば、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWを横に倒して、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すという自動洗濯機の部品取り外し方法の具体的構成を開示することにより、
本発明が解決しようとする第3課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第10の発明の効果
第10の発明によれば、請求項1から請求項4の何れかの自動洗濯機の部品取り外し具100を用いるという自動洗濯機の部品取り外し方法の具体的構成を開示することにより、
本発明が解決しようとする第3課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0031】
○第11の発明の効果
第11の発明によれば、請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを、及び、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを新品に取り替えて、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ボルトBN2及び第2ナットN2を締めて取り付け、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ボルトBN1及び第1ナットN1を締めて取り付けるという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーターを取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナット及び第1ボルトを緩め、モーター又は/及びクラッチ組立体の第2ブラケットと外槽とを結合している第2ナットを露出させて、当該第2ナット及び第2ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外して、モーターを新品に取り替えた後、自動洗濯機の部品(パルセーター、パルセーター駆動軸、モーター又は/及びクラッチ組立体)を元通りに取り付ける自動洗濯機の補修方法を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第4課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0032】
○第12の発明の効果
第12の発明によれば、請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを、及び、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを補修し、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ボルトBN2及び第2ナットN2を締めて取り付け、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ボルトBN1及び第1ナットN1を締めて取り付けるという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーターを取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナット及び第1ボルトを緩め、モーター又は/及びクラッチ組立体の第2ブラケットと外槽とを結合している第2ナットを露出させて、当該第2ナット及び第2ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外して、モーター部を補修した後、自動洗濯機の部品(パルセーター、パルセーター駆動軸、モーター又は/及びクラッチ組立体)を元通りに取り付ける自動洗濯機の補修方法を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第5課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0033】
○第13の発明の効果
第13の発明によれば、
自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に螺合されたビスねじBSの頭部に取り外し可能に連結される系止部材5及び系止部材5に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、
系止部材5は、所定形状の筒状体5aと、筒状体5aの下部に形成され、かつビスねじBSの頭部と軸方向抜け止め状に係合される係合部5dとを有してなり、
打撃部材4は、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通され、かつ鍔部4bに衝突することにより衝撃力を発生させるハンマー部HMと、衝撃力を系止部材5に伝達可能に系止部材5の雌ねじ部と螺合される接続部材3を有してなるという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーター及びパルセーター駆動軸を取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナットを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター及びパルセーター駆動軸)取り出し具を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0034】
○第14の発明の効果
第14の発明によれば、
系止部材5は、上半部に雌ねじ部5bが形成された筒状体5aと、筒状体5aの下部に形成され、かつビスねじBSの頭部と軸方向抜け止め状に係合される内向き鍔部5dと、筒状体5aの下部の側面に形成され、かつビスねじBSの頭部及び軸部の通過を許容する受け入れ用開口部5eとを有しているという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーター及びパルセーター駆動軸を取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナットを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター及びパルセーター駆動軸)取り出し具を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】モーターMと直結されたクラッチ組立体MCとパルセーターPがパルセーター駆動軸PSによって直結された自動洗濯機の一部を切欠した正面図である。
【図2】モーターMとクラッチ組立体MCがベルト式動力伝達機構により連結された自動洗濯機の一部を切欠した正面図である。
【図3】自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着した状態を示す正面部分断面図である。
【図4】自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着する手順を説明するための斜視図である。
【図5】自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着した状態を示す正面拡大断面図である。
【図6】自動洗濯機の部品取り外し具の他の実施態様を示す正面図である。
【図7】自動洗濯機の部品取り外し具を用いることによる、自動洗濯機の部品取り外し方法の一実施形態のフローチャートである。
【図8】自動洗濯機の部品取り外し具を用いることによる、自動洗濯機の部品取り外し方法の他の実施形態のフローチャートである。
【図9】自動洗濯機の補修方法の一実施形態のフローチャートである。
【図10】自動洗濯機の補修方法の他の実施形態のフローチャートである。
【図11】自動洗濯機の部品取り外し具のさらに他の実施態様の主要部を示す正面図である。
【図12】図11の自動洗濯機の部品取り外し具の底面図である。
【図13】図11の自動洗濯機の部品取り外し具を装着する前の状態を示す正面図である。
【図14】図11の自動洗濯機の部品取り外し具を装着した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る、自動洗濯機の部品取り外し具、自動洗濯機の部品取り外し方法、及び自動洗濯機の補修方法に関する実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[図1]は、モーターMと直結されたクラッチ組立体MCとパルセーターPがパルセーター駆動軸PSによって直結された自動洗濯機の一部を切欠した正面図である。
[図2]は、モーターMとクラッチ組立体MCがベルト式動力伝達機構により連結された自動洗濯機の一部を切欠した正面図である。
[図3]は、自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着した状態を示す正面部分断面図である。
[図4]は、自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着する手順を説明するための斜視図である。
[図5]は、自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着した状態を示す正面拡大断面図である。
[図6]は、自動洗濯機の部品取り外し具の他の実施形態を示す正面図である。
[図7]は、自動洗濯機の部品取り外し具を用いることによる、自動洗濯機の部品取り外し方法の一実施形態のフローチャートである。
[図8]は、自動洗濯機の部品取り外し具を用いることによる、自動洗濯機の部品取り外し方法の他の実施形態のフローチャートである。
[図9]は、自動洗濯機の補修方法の一実施形態のフローチャートである。
[図10]は、自動洗濯機の補修方法の他の実施形態のフローチャートである。
[図11]は、自動洗濯機の部品取り外し具のさらに他の実施態様の主要部を示す正面図である。
[図12]は、図11の自動洗濯機の部品取り外し具の底面図である。
[図13]は、図11の自動洗濯機の部品取り外し具を装着する前の状態を示す正面図である。
[図14]は、図11の自動洗濯機の部品取り外し具を装着した状態を示す正面図である。
【0037】
<モーターMと連結されたクラッチ組立体MCとパルセーターPがパルセーター駆動軸PSによって直結された自動洗濯機>
<自動洗濯機の部品取り外し具>
自動洗濯機の部品取り外し具100は、系止部材2、接続部材3、及び打撃部材4から構成されている。
系止部材2が、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合される雄ねじ体1と、雄ねじ体1の頭部1bを系止するための系止部2aを有してなり、打撃部材4が、心棒4aと鍔部4bとストッパー部4cを有し、鍔部4bとストッパー部4cの間において、中心部に中空部HM0を有するハンマー部HMを心棒4aに挿入してなり、系止部材2と打撃部材4が接続部材3によってねじ接合等により互いに接合される(図3、図4)。ただし、系止部材2と接続部材3とが一体的に接合されていてもよい。
上記において、系止部材2は、同軸上に配置された第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2を有し、第1中空円筒2d1は雄ねじ体1の雄ねじ1aを挿入できるものであり、第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2の段差部は雄ねじ体1の頭部1bを系止するための系止部2aを形成し、第2中空円筒2d2の端部は、接続部材3をねじ接合する雌ねじ2bが形成されている。
上記において、打撃部材4は、ハンマー部HMよりも十分に長い距離を隔てて鍔部4bとストッパー部4cが設けられており、しかも、ストッパー部4cが系止部材2に近い所定位置に設けられ、鍔部4bが系止部材2から遠い所定位置に設けられ、ハンマー部HMを鍔部4bに衝突させることによって、上向きの衝撃力を生じさせることができるように構成されている。
【0038】
図6は、自動洗濯機の部品取り外し具100の他の実施形態を示す正面図である。
この自動洗濯機の部品取り外し具100は、鍔部4bとストッパー部4cで直接にハンマー部HMを受けるのではなく、鍔部4bとストッパー部4cにそれぞれ接する状態で設けた大径かつ厚肉の部材4b1、4c1を介してハンマー部HMを受けるようにしている。
したがって、ハンマー部HMによる衝撃力を大きくした場合であっても、鍔部4bによって十分に衝撃力を受けることができる。また、この反動としての、ハンマー部HMの落下をストッパー部4cによって十分に受けることができる。
【0039】
図11は、自動洗濯機の部品取り外し具100のさらに他の実施形態の主要部を示す正面図、図12は、底面図である。
なお、図11、図12においては、接続部材3及び打撃部材4は図示を省略している。
この自動洗濯機の部品取り外し具100に採用されている系止部材5は、所定長さの筒状体5aの外形を六角柱状に形成していると共に、上半部の内面に、ねじ結合を介してハンマー部HMによる衝撃力の伝達を受けるための雌ねじ部5bを形成している。そして、下半部に、雌ねじ部5bよりも大径の円柱状空間(パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合されている雄ねじ体の頭部を収容可能な内径の空間)5cを形成していると共に、下端部に、内向き鍔部(パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合されているビスねじBSの頭部より小径、かつパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合されているビスねじBSの軸部より大径の開口部を形成する内向き鍔部)5dを形成している。さらに、下半部の側面所定位置に開口するように、円柱状空間5cの直径と等しい幅を有すると共に、内向き鍔部5dの開口部の直径と等しい幅を有する受け入れ用開口部5eを形成して、横方向から、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合されているビスねじBSの頭部に対する係合、係脱を可能にしている。
【0040】
<自動洗濯機の部品取り外し方法>
以下において記載されていない内容は、<自動洗濯機の部品取り外し具>において記載された通りとする。
自動洗濯機の部品取り外し方法は、パルセーター駆動軸PSのビスねじBS(図4)を緩めて取り外した後、パルセーター駆動PSの雌ねじに雄ねじ体1を螺合させると共に、当該雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外す方法である。
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、上記雄ねじ体1を構成要素として含む自動洗濯機の部品取り外し具100を用いて、上向きの衝撃力PWを生じさせ、当該雄ねじ体1に衝撃力PWを作用させて、パルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消させ、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すことが好ましい。
【0041】
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、自動洗濯機の部品取り外し具100が、中心部が中空HM0になっているハンマー部HMを有することが好ましく、ハンマー部HMを鍔部4bに衝突させることにより、簡単に上向きの衝撃力を生じさせることができる。
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、上記のようにして、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外した後に、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合している第1ナットN1を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外す。
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWを横に倒して、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すことが好ましく、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの取り外し作業を簡単化することができる。
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、<自動洗濯機の部品取り外し具>の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し具100を用いることによって、自動洗濯機の部品を取り外すことが好ましい。
【0042】
図7は自動洗濯機の部品取り外し方法の一実施例を説明するフローチャートである。
ステップS1において、パルセーター駆動軸PSのビスねじBSを緩めて取り外し、次いで、ステップS2において、部品取り外し具100を自動洗濯機の槽内に挿入し、次いで、ステップS3において、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に系止部材2の雄ねじ体2aを螺合し、次いで、ステップS4において、部品取り外し具100の打撃部材4のハンマー部HMを上方に移動させて鍔部4bに衝突させ、衝撃力を生じさせ、この衝撃力が、系止部材2の雄ねじ体2aを介してパルセーター駆動軸PSに伝達されることによって、パルセーター駆動軸PSと槽パッキンとの固着状態を解消させ、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを上方向に自動洗濯機から取り外すことができる。
【0043】
図8は自動洗濯機の部品取り外し方法の他の実施例を説明するフローチャートである。
ステップS5において、図7に示す処理を行うことによって、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを上方向に自動洗濯機から取り外し、次いで、ステップS6において、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを上方向に自動洗濯機から取り外すことによって露呈された第1ナットN1を緩めて第1ボルトBN1から外し、これによって、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1との結合を外し、次いで、ステップS7において、第2ナットN2を緩めて第2ボルトBN2から外し、これによって、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2との結合を外し、次いで、ステップS8において、自動洗濯機本体を横に倒し、次いで、ステップS9において、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り出すことができる。
ただし、ステップS8の処理を省略することも可能である。
【0044】
図11、図12の自動洗濯機の部品取り外し具100を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから取り外す場合には、自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSの雌ねじに螺合しているビスねじBSを少しだけ緩めて、ビスねじBSの頭部を少しだけ浮き上がらせる(図13参照)。
この状態において、系止部材5の受け入れ用開口5eを通して円柱状空間5cにビスねじBSの頭部を収容する(図14参照)。
その後は、上記と同様にしてハンマー部HMによって衝撃力を発生させ、この衝撃力を系止部材5に伝達することによって、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すことができる。
【0045】
<自動洗濯機の補修方法>
上記の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、互いに固着された自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSとパルセーターP、及びモーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを新品に取り替えて(図9のステップS11)、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み(図9のステップS12)、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ナットN2及び第2ボルトBN2を締めて取り付け(図9のステップS13)、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ナットN1及び第1ボルトBN1を締めて取り付ける(図9のステップS14)ことを特徴とする自動洗濯機の補修方法が開示されている。
【0046】
上記の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSと固着して一体となったパルセーターP、及びモーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを補修し(図10のステップS15)、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み(図10のステップS16)、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ナットN2を締めて取り付け(図10のステップS17)、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ナットN1を締めて取り付ける(図10のステップS18)ことを特徴とする自動洗濯機の補修方法が開示されている。
【符号の説明】
【0047】
AW 自動洗濯機(本体)
AW1 内槽
AW2 外槽
AWo 底部開口部
P パルセーター
PS パルセーター駆動軸
PSS 雌ねじ部
BS ビスねじ
PW 衝撃力
100 部品取り外し具
1 雄ねじ体
1a 雄ねじ
1b 頭部
2 系止部材
2a 系止部
2b 雌ねじ
2d1 第1中空円筒
2d2 第2中空円筒
3 接続部材
4 打撃部材
4a 心棒
4b 鍔部
4c ストッパー部
5 系止部材
5a 筒状体
5b 雌ねじ部
5c 円柱状空間
5d 内向き鍔部
5e 受け入れ用開口
HM ハンマー部
HM0 中空(貫通孔)
M モーター
MC クラッチ組立体
M1 新品のモーター
Mt 故障したモーター
M2 補修したモーター
B1 第1ブラケット
B2 第2ブラケット
N1 第1ナット
N2 第2ナット
BN1 第1ボルト
BN2 第2ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動洗濯機の部品取り外し具及び自動洗濯機の部品取り外し方法に関する。
さらに、自動洗濯機の補修方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動洗濯機の部品で故障しがちなのは駆動部を有するモーター部分であり、故障したモーター部のみ取り替えることが可能であるならば、自動洗濯機の補修が可能であり、自動洗濯機の延命化が可能となり、低コスト化が可能となる。
また、実際に自動洗濯機の故障箇所の特定は、モーター部を自動洗濯機本体の外に取り外してこそ可能となるもので、モーター部を取り付けたままの状態では不可能であり、モーター部を自動洗濯機本体の外に取り外すための技術が必要不可欠になる。
従来、モーター部を取り外すためには、洗濯機の内槽の底部上部のパルセーターを取り外すことが必要となるが、パルセーターはパルセーター駆動軸に対して錆と洗剤等により強く固着されてしまっており、パルセーターとパルセーター駆動軸とを取り外すことは物理的に不可能であった。
【0003】
そこで、パルセーターをガスバーナーで焼き切って取り除き、パルセーターの下に隠れていたモーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させ、当該ナットを緩めて外そうと試みたが、パルセーターはバーナーの熱により、黒煙を吐き出し、有害物質を排出するおそれもあり、かかる試みは成功しなかった。
さらに、パルセーター駆動軸をサンダー(電動工具)等により、削り取る試みも行ったが、騒音等の問題があり、やはり、かかる試みも成功しなかった。
出願人は、いろいろ先行技術を調査したところ、自動洗濯機自体の先行技術は発見されたが、自動洗濯機の補修方法や、その前に必要な自動洗濯機の部品取り外し具及び自動洗濯機の部品取り外し方法に関する先行技術は殆ど発見することができなかった。
【0004】
関連する先行技術として、特開平6−238085号公報(特許文献1)を提示しておく。
特許文献1は、「洗濯水が満たされる外槽1と、前記外槽の内部に同軸状態で設置された内槽2と、前記内槽2の下部に設置された、前記外槽内の洗濯水の水位に応じて前記内槽を昇降させるための浮力発生手段と、外槽1と内槽2の下側の中央に貫通され回転可能に設置されて前記内槽の昇降をガイドするシャフトと、前記シャフトに回転力を供給する手段4と、前記内槽の底部の内部で前記シャフトの上端に固定されて水流を発生させる手段5と、前記シャフトにより案内されて昇降する内槽2の位置変動に応じて内槽2を水流発生手段と外槽1とに選択的に結合させるクラッチング手段とを備え、さらに水流発生手段と内槽との慣性力の差を用いて前記クラッチング動作の完了有無を確認するクラッチング確認手段構成」を開示している。
特許文献1に開示された自動洗濯機は、「本発明の全自動洗濯機は複雑な構造のクラッチを使用せず内槽の自重と洗濯水の浮力による昇降により駆動力が内槽に伝達して洗濯及び脱水を遂行する構造を有するので、給水を開始した後、所定水位に到達するモーターを間歇的に左右方に攪拌して、内槽の浮上時にギア形突起がギア形溝と噛み合うようにしてクラッチングを円滑に遂行できる」という効果を奏する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−238085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、以下の通りである。
(1)本発明が解決しようとする第1課題
自動洗濯機のパルセーター駆動軸及びパルセーターを取り外して、モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター)取り出し具を提供することである。
(2)本発明が解決しようとする第2課題
モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外すことを可能にすべく自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター)取り外し方法を提供することである。
【0007】
(3)本発明が解決しようとする第3課題
自動洗濯機のパルセーター駆動軸及びパルセーターを取り外して、モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター、モーターとクラッチ組立体)取り外し方法を提供することである。
(4)本発明が解決しようとする第4課題
自動洗濯機のパルセーター駆動軸及びパルセーターを取り外して、モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外して、モーター部を新品に取り替えた後、自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター、モーターとクラッチ組立体)を元通りに取り付ける自動洗濯機の補修方法を提供することである。
【0008】
(5)本発明が解決しようとする第5課題
自動洗濯機のパルセーター駆動軸及びパルセーターを取り外して、モーターとクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合しているナットを露出させて、当該ナットを緩めて、モーターとクラッチ組立体を取り外して、モーター部を補修した後、自動洗濯機の部品(パルセーター駆動軸及びパルセーター、モーターとクラッチ組立体)を元通りに取り付ける自動洗濯機の補修方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
課題を解決するための手段は、本願の[特許請求の範囲]の各請求項に記載の発明である。
特許請求の範囲、明細書、図面等の用語の解釈上の疑義を解消すべく、以下用語の説明を行うこととする。
<用語の説明>
○パルセーターとは、日本で主流の渦巻き式洗濯機の洗濯槽底部にあって、渦巻き水流をつくる攪拌翼をいう。
○自動洗濯機とは、洗濯物を入れてスタートすると、すすぎ、脱水まで自動的に行う洗濯機をいう。
○パルセーター駆動軸とは、モーターにより、パルセーターを駆動するための駆動軸をいう。パルセーター駆動軸は、内槽駆動軸の中空内に挿入されている。
○内槽駆動軸とは、モーターにより、内槽(洗濯槽)を駆動するための駆動軸をいい、中空構造をしており、パルセーター駆動軸が内槽駆動軸の中空内に挿入されている。
○パルセーター駆動軸の雌ねじ部とは、2つの半割円盤体を接合して一体とした円盤をいう。雄ねじ体の雄ねじが雌ねじ部に螺合される。
【0010】
○雄ねじ体とは、雄ねじと頭部とから構成されている。この雄ねじは、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合される。
○自動洗濯機の部品(その1)とは、自動洗濯機のパルセーターとパルセーター駆動軸の固着体をいう。
自動洗濯機の部品(その2)とは、自動洗濯機のモーター部又は/及びクラッチ組立体をいう。
自動洗濯機の部品(その3)とは、自動洗濯機のパルセーターとパルセーター駆動軸、及び自動洗濯機のモーター又は/及びクラッチ組立体をいう。
○自動洗濯機の部品取り外し具とは、自動洗濯機の部品(自動洗濯機のパルセーターとパルセーター駆動軸の固着体)を取り外すための道具をいう。
○系止部材2とは、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合するための雄ねじ体と、雄ねじ体の頭部を系止するための系止部を有してなる部材である。
○接合部材3とは、系止部材2、及び打撃部材4を相互に接合する部材である。
系止部材2と接続部材3が相互に(ねじ)接合され得る。
あるいは、系止部材2と接続部材3とは、最初から相互に一体的に接合されている(例えば、溶接接合されている)場合もある。
【0011】
○打撃部材4とは、心棒と鍔部とストッパー部を有し、鍔部とストッパー部の間において、中心部に中空(貫通孔)を有するハンマー部を心棒に挿入してなる、パルセーター駆動軸に印加するための衝撃力を発生させる部材である。
○ハンマー部とは、中心部に中空(貫通孔)を有し、貫通孔に心棒を通した構造を有し、雄ねじ体を自動洗濯機本体から取り外すために、鍔部とストッパー部の間において、急激に動かして鍔部に打ち当てて、運動を急に停止させることにより衝撃力を発生させるための部材である。
○鍔部とは、ハンマー部が衝突することにより衝撃力を受ける部位のことをいう。
○ストッパー部とは、鍔部と反対側においてハンマー部を受ける部位のことをいう。ストッパー部により、ハンマー部が抜け出すのを防止する。また、ハンマー部の運動の起点となる。
○ビスねじとは、比較的小さな頭付きのおねじ部品をいう。特にすりわりや十字穴を持つものをいう。「小ねじ」とほぼ同義である。
○一体的に接合されてなるとは、溶接等により、分離することなく常に一つの物品となるように構成することをいう。
【0012】
○第1ブラケットとは、モーター又は/及びクラッチ組立体側に設置され、モーター又は/及びクラッチ組立体と内槽とを結合するための部品をいう。
○第2ブラケットとは、モーター又は/及びクラッチ組立体側に設置され、モーター又は/及びクラッチ組立体と外槽とを結合するための部品をいう。
○ナットとは、中央に雌ねじと呼ばれる開口部が切ってあり、ボルトと組合せて使用される締結部品をいう。一般には外形が六角柱をした六角ナットをいう。本願明細書におけるナットには、第1ナットと第2ナットがある。
○ボルトとは、雄ねじが切られた軸部と頭部からなり、ナットと組合せて使用される締結部品をいう。本願明細書におけるボルトには、第1ボルトと第2ボルトがある。
○第1ナットとは、内槽と第1ブラケットを締結するためのナットをいう。
○第2ナットとは、外槽と第2ブラケットを締結するためのナットをいう。
○第1ボルトとは、内槽と第1ブラケットを締結するためのボルトをいう。
○第2ボルトとは、外槽と第2ブラケットを締結するためのボルトをいう。
○クラッチ組立体とは、モーターからパルセーター、内槽を回転・停止させるために動力を伝達あるいは遮断する装置をいう。
【0013】
本発明者は、上記の従来技術が有する各種の問題点に鑑み、鋭意検討を重ねて、本発明を完成したものである。
本発明者が、本発明が解決しようとする課題の重要性に気が付く契機となったのは、従来技術の欠点を生ずる最大かつ唯一の原因は、パルセーターはパルセーター駆動軸に固着してしまっているのでパルセーターのみを取り出すことが不可能であることに気が付いたことである。
そこで、本発明者は、パルセーターのみを取り出すことは諦めて、その代わりにパルセーターとパルセーター駆動軸の固着体を同時に取り出す方法はないものかと種々検討・模索を重ねて、本発明を完成したものである。
しかし、パルセーター駆動軸に冶具を取り付けて、上方向に静的な引張力で引張上げてみても、パルセーター駆動軸と槽パッキン部とが固着してしまっていて、パルセーター、パルセーター駆動軸、内槽、外槽、及びモーター又は/及びクラッチ組立体が全体として持ち上がるのみで、パルセーター駆動軸と内槽パッキン部のみを自動洗濯機本体から分離・取り出すことができないという次なる難題が待ち構えていた。
【0014】
元々、パルセーター、パルセーター駆動軸、内槽、外槽、及びモーター又は/及びクラッチ組立体はスプリングで吊り上げられる構造となっていて、パルセーター、パルセーター駆動軸、内槽、外槽、及びモーター又は/及びクラッチ組立体には、上方向の静的な引張力が付加されているので、上方向に静的な引張力で引張上げてみても、パルセーター駆動軸と槽パッキン部とが固着してしまっていて、パルセーター、パルセーター駆動軸、内槽、外槽、及びモーター又は/及びクラッチ組立体が全体として持ち上がり易く、パルセーター駆動軸と内槽パッキン部のみを自動洗濯機本体から分離・取り出すことが容易でなかった。
【0015】
上記問題を解決するために種々努力を行った結果、ハンマーにより、瞬間的な衝撃力をパルセーター駆動軸に印加するという着想を幸運にも得て、この着想を種々工夫して実際に試みたところ、パルセーター駆動軸と槽パッキン部とが固着していたにも拘わらず、この固着状態を解消させて、パルセーターとパルセーター駆動軸の固着体を同時に取り外して、取り出すことに成功をした。
これにより、第1の課題を達成したら、順次、第2の課題、第3の課題を達成することができた。
課題を解決するための手段は、本願の特許請求の範囲の各請求項に記載の発明であり、その具体的な解決手段は、以下の通りである。
【0016】
○第1の発明(請求項1に記載の発明)
上記の課題を解決するための第1の発明(請求項1に記載の発明)は、
自動洗濯機のパルセーター駆動軸に取り外し可能に連結される系止部材2及び系止部材2に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、系止部材2が、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合する雄ねじ体1と、雄ねじ体1の頭部を系止するための系止部2aを有してなり、打撃部材4が、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通されたハンマー部HMを有してなるものであることを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し具である。
【0017】
○第2の発明(請求項2に記載の発明)
上記の課題を解決するための第2の発明(請求項2に記載の発明)は、
系止部材2は、同軸上に配置された第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2を有し、第1中空円筒2d1は雄ねじ体1の雄ねじ1aを挿入できるものであり、第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2の段差部は雄ねじ体1の頭部1bを系止するための系止部2aを形成していることを特徴とする請求項1に記載の自動洗濯機の部品取り外し具である。
○第3の発明(請求項3に記載の発明)
上記の課題を解決するための第3の発明(請求項3に記載の発明)は、
系止部材2と打撃部材4を接続する接続部材3を有し、接続部材3が、系止部材2、打撃部材4とねじ接合され得るものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動洗濯機の部品取り外し具である。
【0018】
○第4の発明(請求項4に記載の発明)
上記の課題を解決するための第4の発明(請求項4に記載の発明)は、
系止部材2と打撃部材4を接続する接続部材3を有し、系止部材2と接続部材3とが一体的に接合されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動洗濯機の部品取り外し具である。
○第5の発明(請求項5に記載の発明)
上記の課題を解決するための第5の発明(請求項5に記載の発明)は、
パルセーター駆動軸PSのビスねじを緩めて取り外した後、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に雄ねじ体1の雄ねじ1aを螺合し、次いで雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消し、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し方法である。
【0019】
○第6の発明(請求項6に記載の発明)
上記の課題を解決するための第6の発明(請求項6に記載の発明)は、
パルセーター駆動軸PSのビスねじを緩めて取り外した後、自動洗濯機の部品取り外し具100の雄ねじ体1の雄ねじ1aをパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に螺合し、次いで雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消し、自動洗濯機の部品取り外し具100によって、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し方法である。
○第7の発明(請求項7に記載の発明)
上記の課題を解決するための第7の発明(請求項7に記載の発明)は、
自動洗濯機の部品取り外し具100が、スライド自在、かつ鍔部4bと衝突することにより上向きの衝撃力を生じさせるハンマー部HMを有し、ハンマー部HMをスライドさせることによって鍔部4bに衝突させて雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消することを特徴とする請求項6に記載の自動洗濯機の部品取り外し方法である。
【0020】
○第8の発明(請求項8に記載の発明)
上記の課題を解決するための第8の発明(請求項8に記載の発明)は、
請求項5から請求項7の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体から上方向に取り外した後に、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合している第1ボルトBN1及び第1ナットN1を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合している第2ボルトBN2及び第2ナットN2を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すことを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法である。
○第9の発明(請求項9に記載の発明)
上記の課題を解決するための第9の発明(請求項9に記載の発明)は、
モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWを横に倒して、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すことを特徴とする請求項8に記載の自動洗濯機の部品取り外し方法である。
【0021】
○第10の発明(請求項10に記載の発明)
上記の課題を解決するための第10の発明(請求項10に記載の発明)は、
請求項1から請求項4の何れかの自動洗濯機の部品取り外し具100を用いることを特徴とする請求項5から請求項9の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法である。
○第11の発明(請求項11に記載の発明)
上記の課題を解決するための第11の発明(請求項11に記載の発明)は、
請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを、及び、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを新品に取り替えて、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ボルトBN2及び第2ナットN2を締めて取り付け、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ボルトBN1及び第1ナットN1を締めて取り付けることを特徴とする自動洗濯機の補修方法である。
【0022】
○第12の発明(請求項12に記載の発明)
上記の課題を解決するための第12の発明(請求項12に記載の発明)は、
請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを、及び、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを補修し、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ボルトBN2及び第2ナットN2を締めて取り付け、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ボルトBN1及び第1ナットN1を締めて取り付けることを特徴とする自動洗濯機の補修方法である。
【0023】
○第13の発明(請求項13に記載の発明)
上記の課題を解決するための第13の発明(請求項13に記載の発明)は、
自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に螺合されたビスねじBSの頭部に取り外し可能に連結される系止部材5及び系止部材5に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、
系止部材5は、所定形状の筒状体5aと、筒状体5aの下部に形成され、かつビスねじBSの頭部と軸方向抜け止め状に係合される係合部5dとを有してなり、
打撃部材4は、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通され、かつ鍔部4bに衝突することにより衝撃力を発生させるハンマー部HMと、衝撃力を系止部材5に伝達可能に系止部材5の雌ねじ部と螺合される接続部材3を有してなる
ことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し具である。
【0024】
○第14の発明(請求項14に記載の発明)
上記の課題を解決するための第14の発明(請求項14に記載の発明)は、
系止部材5は、上半部に雌ねじ部5bが形成された筒状体5aと、筒状体5aの下部に形成され、かつビスねじBSの頭部と軸方向抜け止め状に係合される内向き鍔部5dと、筒状体5aの下部の側面に形成され、かつビスねじBSの頭部及び軸部の通過を許容する受け入れ用開口部5eとを有していることを特徴とする請求項13に記載の自動洗濯機の部品取り外し具である。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る、自動洗濯機の部品取り外し具、自動洗濯機の部品取り外し方法及び自動洗濯機の補修方法は、上記のような特徴的構成要件から構成され、特徴的構成要件に応じた、以下のような本願発明特有の効果を奏する。
また、上記のような特徴的構成要件から構成された、自動洗濯機の部品取り外し具、自動洗濯機の部品取り外し方法及び自動洗濯機の補修方法によれば、本願発明の課題を解決することができた。
○第1の発明の効果
第1の発明によれば、自動洗濯機のパルセーター駆動軸に取り外し可能に連結される系止部材2及び系止部材2に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、系止部材2が、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合する雄ねじ体1と、雄ねじ体1の頭部を系止するための系止部2aを有してなり、打撃部材4が、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通されたハンマー部HMを有してなるという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーター及びパルセーター駆動軸を取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナットを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター及びパルセーター駆動軸)取り出し具を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0026】
○第2の発明の効果
第2の発明によれば、系止部材2は、同軸上に配置された第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2を有し、第1中空円筒2d1は雄ねじ体1の雄ねじ1aを挿入できるものであり、第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2の段差部は雄ねじ体1の頭部1bを系止するための系止部2aを形成しているという自動洗濯機の部品取り外し具の具体的構成を開示することにより、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第3の発明の効果
第3の発明によれば、系止部材2と打撃部材4を接続する接続部材3を有し、接続部材3が、系止部材2、打撃部材4とねじ接合され得るものであるという自動洗濯機の部品取り外し具の具体的構成を開示することにより、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0027】
○第4の発明の効果
第4の発明によれば、系止部材2と打撃部材4を接続する接続部材3を有し、系止部材2と接続部材3とが一体的に接合されてなるという自動洗濯機の部品取り外し具の具体的構成を開示することにより、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第5の発明の効果
第5の発明によれば、パルセーター駆動軸PSのビスねじを緩めて取り外した後、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に雄ねじ体1の雄ねじ1aを螺合し、次いで雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消し、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すという特徴的な構成要件により、
モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させ、当該第1ナット及び第1ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター及びパルセーター駆動軸)取り外し方法を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第2課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0028】
○第6の発明の効果
第6の発明によれば、パルセーター駆動軸PSのビスねじを緩めて取り外した後、自動洗濯機の部品取り外し具100の雄ねじ体1の雄ねじ1aをパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に螺合し、次いで雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消し、自動洗濯機の部品取り外し具100によって、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すという自動洗濯機の部品取り外し方法の具体的構成を開示することにより、
本発明が解決しようとする第2課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第7の発明の効果
第7の発明によれば、自動洗濯機の部品取り外し具100が、スライド自在、かつ鍔部4bと衝突することにより上向きの衝撃力を生じさせるハンマー部HMを有し、ハンマー部HMをスライドさせることによって鍔部4bに衝突させて雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消するという自動洗濯機の部品取り外し方法の具体的構成を開示することにより、
本発明が解決しようとする第2課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0029】
○第8の発明の効果
第8の発明によれば、請求項5から請求項7の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体から上方向に取り外した後に、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合している第1ボルトBN1及び第1ナットN1を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合している第2ボルトBN2及び第2ナットN2を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーターを取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナット及び第1ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を内槽から取り外し、モーター又は/及びクラッチ組立体の第2ブラケットと外槽とを結合している第2ナットを露出させて、当該第2ナット及び第2ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター、パルセーター駆動軸、モーター又は/及びクラッチ組立体)取り外し方法を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第3課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0030】
○第9の発明の効果
第9の発明によれば、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWを横に倒して、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すという自動洗濯機の部品取り外し方法の具体的構成を開示することにより、
本発明が解決しようとする第3課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
○第10の発明の効果
第10の発明によれば、請求項1から請求項4の何れかの自動洗濯機の部品取り外し具100を用いるという自動洗濯機の部品取り外し方法の具体的構成を開示することにより、
本発明が解決しようとする第3課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0031】
○第11の発明の効果
第11の発明によれば、請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを、及び、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを新品に取り替えて、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ボルトBN2及び第2ナットN2を締めて取り付け、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ボルトBN1及び第1ナットN1を締めて取り付けるという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーターを取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナット及び第1ボルトを緩め、モーター又は/及びクラッチ組立体の第2ブラケットと外槽とを結合している第2ナットを露出させて、当該第2ナット及び第2ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外して、モーターを新品に取り替えた後、自動洗濯機の部品(パルセーター、パルセーター駆動軸、モーター又は/及びクラッチ組立体)を元通りに取り付ける自動洗濯機の補修方法を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第4課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0032】
○第12の発明の効果
第12の発明によれば、請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを、及び、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを補修し、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ボルトBN2及び第2ナットN2を締めて取り付け、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ボルトBN1及び第1ナットN1を締めて取り付けるという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーターを取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナット及び第1ボルトを緩め、モーター又は/及びクラッチ組立体の第2ブラケットと外槽とを結合している第2ナットを露出させて、当該第2ナット及び第2ボルトを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外して、モーター部を補修した後、自動洗濯機の部品(パルセーター、パルセーター駆動軸、モーター又は/及びクラッチ組立体)を元通りに取り付ける自動洗濯機の補修方法を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第5課題を達成することができ、当業者が予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0033】
○第13の発明の効果
第13の発明によれば、
自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に螺合されたビスねじBSの頭部に取り外し可能に連結される系止部材5及び系止部材5に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材4からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、
系止部材5は、所定形状の筒状体5aと、筒状体5aの下部に形成され、かつビスねじBSの頭部と軸方向抜け止め状に係合される係合部5dとを有してなり、
打撃部材4は、鍔部4bとストッパー部4cが取り付けられた心棒4aと、鍔部4bとストッパー部4cの間においてスライド自在に心棒4aに挿通され、かつ鍔部4bに衝突することにより衝撃力を発生させるハンマー部HMと、衝撃力を系止部材5に伝達可能に系止部材5の雌ねじ部と螺合される接続部材3を有してなるという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーター及びパルセーター駆動軸を取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナットを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター及びパルセーター駆動軸)取り出し具を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【0034】
○第14の発明の効果
第14の発明によれば、
系止部材5は、上半部に雌ねじ部5bが形成された筒状体5aと、筒状体5aの下部に形成され、かつビスねじBSの頭部と軸方向抜け止め状に係合される内向き鍔部5dと、筒状体5aの下部の側面に形成され、かつビスねじBSの頭部及び軸部の通過を許容する受け入れ用開口部5eとを有しているという特徴的な構成要件により、
自動洗濯機のパルセーター及びパルセーター駆動軸を取り外して、モーター又は/及びクラッチ組立体の第1ブラケットと内槽とを結合している第1ナットを露出させて、当該第1ナットを緩めて、モーター又は/及びクラッチ組立体を取り外すことを可能にする自動洗濯機の部品(パルセーター及びパルセーター駆動軸)取り出し具を提供することができた。
すなわち、本発明が解決しようとする第1課題を達成することができ、当業者予測不可能な顕著な効果を奏することができた。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】モーターMと直結されたクラッチ組立体MCとパルセーターPがパルセーター駆動軸PSによって直結された自動洗濯機の一部を切欠した正面図である。
【図2】モーターMとクラッチ組立体MCがベルト式動力伝達機構により連結された自動洗濯機の一部を切欠した正面図である。
【図3】自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着した状態を示す正面部分断面図である。
【図4】自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着する手順を説明するための斜視図である。
【図5】自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着した状態を示す正面拡大断面図である。
【図6】自動洗濯機の部品取り外し具の他の実施態様を示す正面図である。
【図7】自動洗濯機の部品取り外し具を用いることによる、自動洗濯機の部品取り外し方法の一実施形態のフローチャートである。
【図8】自動洗濯機の部品取り外し具を用いることによる、自動洗濯機の部品取り外し方法の他の実施形態のフローチャートである。
【図9】自動洗濯機の補修方法の一実施形態のフローチャートである。
【図10】自動洗濯機の補修方法の他の実施形態のフローチャートである。
【図11】自動洗濯機の部品取り外し具のさらに他の実施態様の主要部を示す正面図である。
【図12】図11の自動洗濯機の部品取り外し具の底面図である。
【図13】図11の自動洗濯機の部品取り外し具を装着する前の状態を示す正面図である。
【図14】図11の自動洗濯機の部品取り外し具を装着した状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明に係る、自動洗濯機の部品取り外し具、自動洗濯機の部品取り外し方法、及び自動洗濯機の補修方法に関する実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[図1]は、モーターMと直結されたクラッチ組立体MCとパルセーターPがパルセーター駆動軸PSによって直結された自動洗濯機の一部を切欠した正面図である。
[図2]は、モーターMとクラッチ組立体MCがベルト式動力伝達機構により連結された自動洗濯機の一部を切欠した正面図である。
[図3]は、自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着した状態を示す正面部分断面図である。
[図4]は、自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着する手順を説明するための斜視図である。
[図5]は、自動洗濯機の部品取り外し具の一実施形態を自動洗濯機に装着した状態を示す正面拡大断面図である。
[図6]は、自動洗濯機の部品取り外し具の他の実施形態を示す正面図である。
[図7]は、自動洗濯機の部品取り外し具を用いることによる、自動洗濯機の部品取り外し方法の一実施形態のフローチャートである。
[図8]は、自動洗濯機の部品取り外し具を用いることによる、自動洗濯機の部品取り外し方法の他の実施形態のフローチャートである。
[図9]は、自動洗濯機の補修方法の一実施形態のフローチャートである。
[図10]は、自動洗濯機の補修方法の他の実施形態のフローチャートである。
[図11]は、自動洗濯機の部品取り外し具のさらに他の実施態様の主要部を示す正面図である。
[図12]は、図11の自動洗濯機の部品取り外し具の底面図である。
[図13]は、図11の自動洗濯機の部品取り外し具を装着する前の状態を示す正面図である。
[図14]は、図11の自動洗濯機の部品取り外し具を装着した状態を示す正面図である。
【0037】
<モーターMと連結されたクラッチ組立体MCとパルセーターPがパルセーター駆動軸PSによって直結された自動洗濯機>
<自動洗濯機の部品取り外し具>
自動洗濯機の部品取り外し具100は、系止部材2、接続部材3、及び打撃部材4から構成されている。
系止部材2が、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合される雄ねじ体1と、雄ねじ体1の頭部1bを系止するための系止部2aを有してなり、打撃部材4が、心棒4aと鍔部4bとストッパー部4cを有し、鍔部4bとストッパー部4cの間において、中心部に中空部HM0を有するハンマー部HMを心棒4aに挿入してなり、系止部材2と打撃部材4が接続部材3によってねじ接合等により互いに接合される(図3、図4)。ただし、系止部材2と接続部材3とが一体的に接合されていてもよい。
上記において、系止部材2は、同軸上に配置された第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2を有し、第1中空円筒2d1は雄ねじ体1の雄ねじ1aを挿入できるものであり、第1中空円筒2d1と第2中空円筒2d2の段差部は雄ねじ体1の頭部1bを系止するための系止部2aを形成し、第2中空円筒2d2の端部は、接続部材3をねじ接合する雌ねじ2bが形成されている。
上記において、打撃部材4は、ハンマー部HMよりも十分に長い距離を隔てて鍔部4bとストッパー部4cが設けられており、しかも、ストッパー部4cが系止部材2に近い所定位置に設けられ、鍔部4bが系止部材2から遠い所定位置に設けられ、ハンマー部HMを鍔部4bに衝突させることによって、上向きの衝撃力を生じさせることができるように構成されている。
【0038】
図6は、自動洗濯機の部品取り外し具100の他の実施形態を示す正面図である。
この自動洗濯機の部品取り外し具100は、鍔部4bとストッパー部4cで直接にハンマー部HMを受けるのではなく、鍔部4bとストッパー部4cにそれぞれ接する状態で設けた大径かつ厚肉の部材4b1、4c1を介してハンマー部HMを受けるようにしている。
したがって、ハンマー部HMによる衝撃力を大きくした場合であっても、鍔部4bによって十分に衝撃力を受けることができる。また、この反動としての、ハンマー部HMの落下をストッパー部4cによって十分に受けることができる。
【0039】
図11は、自動洗濯機の部品取り外し具100のさらに他の実施形態の主要部を示す正面図、図12は、底面図である。
なお、図11、図12においては、接続部材3及び打撃部材4は図示を省略している。
この自動洗濯機の部品取り外し具100に採用されている系止部材5は、所定長さの筒状体5aの外形を六角柱状に形成していると共に、上半部の内面に、ねじ結合を介してハンマー部HMによる衝撃力の伝達を受けるための雌ねじ部5bを形成している。そして、下半部に、雌ねじ部5bよりも大径の円柱状空間(パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合されている雄ねじ体の頭部を収容可能な内径の空間)5cを形成していると共に、下端部に、内向き鍔部(パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合されているビスねじBSの頭部より小径、かつパルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合されているビスねじBSの軸部より大径の開口部を形成する内向き鍔部)5dを形成している。さらに、下半部の側面所定位置に開口するように、円柱状空間5cの直径と等しい幅を有すると共に、内向き鍔部5dの開口部の直径と等しい幅を有する受け入れ用開口部5eを形成して、横方向から、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部PSSに螺合されているビスねじBSの頭部に対する係合、係脱を可能にしている。
【0040】
<自動洗濯機の部品取り外し方法>
以下において記載されていない内容は、<自動洗濯機の部品取り外し具>において記載された通りとする。
自動洗濯機の部品取り外し方法は、パルセーター駆動軸PSのビスねじBS(図4)を緩めて取り外した後、パルセーター駆動PSの雌ねじに雄ねじ体1を螺合させると共に、当該雄ねじ体1に上向きの衝撃力を作用させて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外す方法である。
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、上記雄ねじ体1を構成要素として含む自動洗濯機の部品取り外し具100を用いて、上向きの衝撃力PWを生じさせ、当該雄ねじ体1に衝撃力PWを作用させて、パルセーター駆動軸PSと槽パッキン部との固着状態を解消させ、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すことが好ましい。
【0041】
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、自動洗濯機の部品取り外し具100が、中心部が中空HM0になっているハンマー部HMを有することが好ましく、ハンマー部HMを鍔部4bに衝突させることにより、簡単に上向きの衝撃力を生じさせることができる。
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、上記のようにして、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外した後に、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合している第1ナットN1を緩めて外し、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外す。
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを、自動洗濯機本体AWを横に倒して、自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り外すことが好ましく、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの取り外し作業を簡単化することができる。
上記の自動洗濯機の部品取り外し方法において、<自動洗濯機の部品取り外し具>の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し具100を用いることによって、自動洗濯機の部品を取り外すことが好ましい。
【0042】
図7は自動洗濯機の部品取り外し方法の一実施例を説明するフローチャートである。
ステップS1において、パルセーター駆動軸PSのビスねじBSを緩めて取り外し、次いで、ステップS2において、部品取り外し具100を自動洗濯機の槽内に挿入し、次いで、ステップS3において、パルセーター駆動軸PSの雌ねじ部に系止部材2の雄ねじ体2aを螺合し、次いで、ステップS4において、部品取り外し具100の打撃部材4のハンマー部HMを上方に移動させて鍔部4bに衝突させ、衝撃力を生じさせ、この衝撃力が、系止部材2の雄ねじ体2aを介してパルセーター駆動軸PSに伝達されることによって、パルセーター駆動軸PSと槽パッキンとの固着状態を解消させ、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを上方向に自動洗濯機から取り外すことができる。
【0043】
図8は自動洗濯機の部品取り外し方法の他の実施例を説明するフローチャートである。
ステップS5において、図7に示す処理を行うことによって、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを上方向に自動洗濯機から取り外し、次いで、ステップS6において、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを上方向に自動洗濯機から取り外すことによって露呈された第1ナットN1を緩めて第1ボルトBN1から外し、これによって、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1との結合を外し、次いで、ステップS7において、第2ナットN2を緩めて第2ボルトBN2から外し、これによって、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2との結合を外し、次いで、ステップS8において、自動洗濯機本体を横に倒し、次いで、ステップS9において、モーターM又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから外に取り出すことができる。
ただし、ステップS8の処理を省略することも可能である。
【0044】
図11、図12の自動洗濯機の部品取り外し具100を用いて、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから取り外す場合には、自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSの雌ねじに螺合しているビスねじBSを少しだけ緩めて、ビスねじBSの頭部を少しだけ浮き上がらせる(図13参照)。
この状態において、系止部材5の受け入れ用開口5eを通して円柱状空間5cにビスねじBSの頭部を収容する(図14参照)。
その後は、上記と同様にしてハンマー部HMによって衝撃力を発生させ、この衝撃力を系止部材5に伝達することによって、パルセーター駆動軸PSと共にパルセーターPを自動洗濯機本体AWから上方向に取り外すことができる。
【0045】
<自動洗濯機の補修方法>
上記の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、互いに固着された自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSとパルセーターP、及びモーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを新品に取り替えて(図9のステップS11)、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み(図9のステップS12)、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ナットN2及び第2ボルトBN2を締めて取り付け(図9のステップS13)、新品のモーターM1又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ナットN1及び第1ボルトBN1を締めて取り付ける(図9のステップS14)ことを特徴とする自動洗濯機の補修方法が開示されている。
【0046】
上記の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、自動洗濯機のパルセーター駆動軸PSと固着して一体となったパルセーターP、及びモーターM又は/及びクラッチ組立体MCを取り外した後に、故障したモーターMtを補修し(図10のステップS15)、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCを自動洗濯機本体AWの底部開口部AWoから中に取り込み(図10のステップS16)、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第2ブラケットB2と外槽AW2とを結合するための第2ナットN2を締めて取り付け(図10のステップS17)、補修したモーターM2又は/及びクラッチ組立体MCの第1ブラケットB1と内槽AW1とを結合するための第1ナットN1を締めて取り付ける(図10のステップS18)ことを特徴とする自動洗濯機の補修方法が開示されている。
【符号の説明】
【0047】
AW 自動洗濯機(本体)
AW1 内槽
AW2 外槽
AWo 底部開口部
P パルセーター
PS パルセーター駆動軸
PSS 雌ねじ部
BS ビスねじ
PW 衝撃力
100 部品取り外し具
1 雄ねじ体
1a 雄ねじ
1b 頭部
2 系止部材
2a 系止部
2b 雌ねじ
2d1 第1中空円筒
2d2 第2中空円筒
3 接続部材
4 打撃部材
4a 心棒
4b 鍔部
4c ストッパー部
5 系止部材
5a 筒状体
5b 雌ねじ部
5c 円柱状空間
5d 内向き鍔部
5e 受け入れ用開口
HM ハンマー部
HM0 中空(貫通孔)
M モーター
MC クラッチ組立体
M1 新品のモーター
Mt 故障したモーター
M2 補修したモーター
B1 第1ブラケット
B2 第2ブラケット
N1 第1ナット
N2 第2ナット
BN1 第1ボルト
BN2 第2ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動洗濯機のパルセーター駆動軸に取り外し可能に連結される系止部材(2)及び系止部材(2)に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材(4)からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、系止部材(2)が、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合する雄ねじ体(1)と、雄ねじ体(1)の頭部(1b)を系止するための系止部(2a)を有してなり、打撃部材(4)が、鍔部(4b)とストッパー部(4c)が取り付けられた心棒(4a)と、鍔部(4b)とストッパー部(4c)の間においてスライド自在に心棒(4a)に挿通され、かつ鍔部(4b)に衝突することにより衝撃力を発生させるハンマー部(HM)を有してなることを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項2】
系止部材(2)は、同軸上に配置された第1中空円筒(2d1)と第2中空円筒(2d2)を有し、第1中空円筒(2d1)は雄ねじ体(1)の雄ねじ(1a)を挿入できるものであり、第1中空円筒(2d1)と第2中空円筒(2d2)の段差部は雄ねじ体(1)の頭部(1b)を系止するための系止部(2a)を形成していることを特徴とする請求項1に記載の自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項3】
系止部材(2)と打撃部材(4)を接続する接続部材(3)を有し、接続部材(3)は、系止部材(2)、打撃部材(4)とねじ接合され得るものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項4】
系止部材(2)と打撃部材(4)を接続する接続部材(3)を有し、系止部材(2)と接続部材(3)とが一体的に接合されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項5】
パルセーター駆動軸(PS)のビスねじを緩めて取り外した後、パルセーター駆動軸(PS)の雌ねじ部に雄ねじ体(1)の雄ねじ(1a)を螺合し、次いで雄ねじ体(1)に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸(PS)と槽パッキン部との固着状態を解消し、パルセーター駆動軸(PS)と共にパルセーター(P)を自動洗濯機本体(AW)から上方向に取り外すことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項6】
パルセーター駆動軸(PS)のビスねじを緩めて取り外した後、自動洗濯機の部品取り外し具(100)の雄ねじ体(1)の雄ねじ(1a)をパルセーター駆動軸(PS)の雌ねじ部に螺合し、次いで雄ねじ体(1)に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸(PS)と槽パッキン部との固着状態を解消し、自動洗濯機の部品取り外し具(100)によって、パルセーター駆動軸(PS)と共にパルセーター(P)を自動洗濯機本体(AW)から上方向に取り外すことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項7】
自動洗濯機の部品取り外し具(100)が、スライド自在、かつ鍔部(4b)と衝突することにより上向きの衝撃力を生じさせるハンマー部(HM)を有し、ハンマー部(HM)をスライドさせることによって鍔部(4b)に衝突させて雄ねじ体(1)に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸(PS)と槽パッキン部との固着状態を解消することを特徴とする請求項6に記載の自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項8】
請求項5から請求項7の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、互いに固着されたパルセーター駆動軸(PS)及びパルセーター(P)を自動洗濯機本体から上方向に取り外した後に、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第1ブラケット(B1)と内槽(AW1)とを結合している第1ボルト(BN1)及び第1ナット(N1)を緩めて外し、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第2ブラケット(B2)と外槽(AW2)とを結合している第2ボルト(BN2)及び第2ナット(N2)を緩めて外し、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)を、自動洗濯機本体(AW)の底部開口部(AWo)から外に取り外すことを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項9】
モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)を、自動洗濯機本体(AW)を横に倒して、自動洗濯機本体(AW)の底部開口部(AWo)から外に取り外すことを特徴とする請求項8に記載の自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項10】
請求項1から請求項4の何れかの自動洗濯機の部品取り外し具(100)を用いることを特徴とする請求項5から請求項9の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項11】
請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、互いに固着されたパルセーター駆動軸(PS)及びパルセーター(P)、及び、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)を取り外した後に、故障したモーター(Mt)を新品に取り替えて、新品のモーター(M1)又は/及びクラッチ組立体(MC)を自動洗濯機本体(AW)の底部開口部(AWo)から中に取り込み、新品のモーター(M1)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第2ブラケット(B2)と外槽(AW2)とを結合するための第2ボルト(BN2)及び第2ナット(N2)を締めて取り付け、新品のモーター(M1)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第1ブラケット(B1)と内槽(AW1)とを結合するための第1ボルト(BN1)及び第1ナット(N1)を締めて取り付けることを特徴とする自動洗濯機の補修方法。
【請求項12】
請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、互いに固着されたパルセーター駆動軸(PS)及びパルセーター(P)、及び、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)を取り外した後に、故障したモーター(Mt)を補修し、補修したモーター(M2)又は/及びクラッチ組立体(MC)を自動洗濯機本体(AW)の底部開口部(AWo)から中に取り込み、補修したモーター(M2)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第2ブラケット(B2)と外槽(AW2)とを結合するための第2ボルト(BN2)及び第2ナット(N2)を締めて取り付け、補修したモーター(M2)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第1ブラケット(B1)と内槽(AW1)とを結合するための第1ボルト(BN1)及び第1ナット(N1)を締めて取り付けることを特徴とする自動洗濯機の補修方法。
【請求項13】
自動洗濯機のパルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合されたビスねじ(BS)の頭部に取り外し可能に連結される系止部材(5)及び系止部材(5)に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材(4)からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、
系止部材(5)は、所定形状の筒状体(5a)と、筒状体の下部に形成され、かつビスねじ(BS)の頭部と軸方向抜け止め状に係合される係合部(5d)とを有してなり、
打撃部材(4)は、鍔部(4b)とストッパー部(4c)が取り付けられた心棒(4a)と、鍔部(4b)とストッパー部(4c)の間においてスライド自在に心棒(4a)に挿通され、かつ鍔部(4b)に衝突することにより衝撃力を発生させるハンマー部(HM)と、衝撃力を系止部材(5)に伝達可能に系止部材(5)の雌ねじ部と螺合される接続部材(3)とを有してなる
ことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項14】
系止部材(5)は、上半部に雌ねじ部(5b)が形成された筒状体(5a)と、筒状体(5a)の下部に形成され、かつビスねじ(BS)の頭部と軸方向抜け止め状に係合される内向き鍔部(5d)と、筒状体(5a)の下部の側面に形成され、かつビスねじ(BS)の頭部及び軸部の通過を許容する受け入れ用開口部(5e)とを有していることを特徴とする請求項13に記載の自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項1】
自動洗濯機のパルセーター駆動軸に取り外し可能に連結される系止部材(2)及び系止部材(2)に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材(4)からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、系止部材(2)が、パルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合する雄ねじ体(1)と、雄ねじ体(1)の頭部(1b)を系止するための系止部(2a)を有してなり、打撃部材(4)が、鍔部(4b)とストッパー部(4c)が取り付けられた心棒(4a)と、鍔部(4b)とストッパー部(4c)の間においてスライド自在に心棒(4a)に挿通され、かつ鍔部(4b)に衝突することにより衝撃力を発生させるハンマー部(HM)を有してなることを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項2】
系止部材(2)は、同軸上に配置された第1中空円筒(2d1)と第2中空円筒(2d2)を有し、第1中空円筒(2d1)は雄ねじ体(1)の雄ねじ(1a)を挿入できるものであり、第1中空円筒(2d1)と第2中空円筒(2d2)の段差部は雄ねじ体(1)の頭部(1b)を系止するための系止部(2a)を形成していることを特徴とする請求項1に記載の自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項3】
系止部材(2)と打撃部材(4)を接続する接続部材(3)を有し、接続部材(3)は、系止部材(2)、打撃部材(4)とねじ接合され得るものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項4】
系止部材(2)と打撃部材(4)を接続する接続部材(3)を有し、系止部材(2)と接続部材(3)とが一体的に接合されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項5】
パルセーター駆動軸(PS)のビスねじを緩めて取り外した後、パルセーター駆動軸(PS)の雌ねじ部に雄ねじ体(1)の雄ねじ(1a)を螺合し、次いで雄ねじ体(1)に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸(PS)と槽パッキン部との固着状態を解消し、パルセーター駆動軸(PS)と共にパルセーター(P)を自動洗濯機本体(AW)から上方向に取り外すことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項6】
パルセーター駆動軸(PS)のビスねじを緩めて取り外した後、自動洗濯機の部品取り外し具(100)の雄ねじ体(1)の雄ねじ(1a)をパルセーター駆動軸(PS)の雌ねじ部に螺合し、次いで雄ねじ体(1)に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸(PS)と槽パッキン部との固着状態を解消し、自動洗濯機の部品取り外し具(100)によって、パルセーター駆動軸(PS)と共にパルセーター(P)を自動洗濯機本体(AW)から上方向に取り外すことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項7】
自動洗濯機の部品取り外し具(100)が、スライド自在、かつ鍔部(4b)と衝突することにより上向きの衝撃力を生じさせるハンマー部(HM)を有し、ハンマー部(HM)をスライドさせることによって鍔部(4b)に衝突させて雄ねじ体(1)に上向きの衝撃力を作用させてパルセーター駆動軸(PS)と槽パッキン部との固着状態を解消することを特徴とする請求項6に記載の自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項8】
請求項5から請求項7の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、互いに固着されたパルセーター駆動軸(PS)及びパルセーター(P)を自動洗濯機本体から上方向に取り外した後に、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第1ブラケット(B1)と内槽(AW1)とを結合している第1ボルト(BN1)及び第1ナット(N1)を緩めて外し、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第2ブラケット(B2)と外槽(AW2)とを結合している第2ボルト(BN2)及び第2ナット(N2)を緩めて外し、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)を、自動洗濯機本体(AW)の底部開口部(AWo)から外に取り外すことを特徴とする請求項5から請求項7の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項9】
モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)を、自動洗濯機本体(AW)を横に倒して、自動洗濯機本体(AW)の底部開口部(AWo)から外に取り外すことを特徴とする請求項8に記載の自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項10】
請求項1から請求項4の何れかの自動洗濯機の部品取り外し具(100)を用いることを特徴とする請求項5から請求項9の何れかに記載の自動洗濯機の部品取り外し方法。
【請求項11】
請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、互いに固着されたパルセーター駆動軸(PS)及びパルセーター(P)、及び、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)を取り外した後に、故障したモーター(Mt)を新品に取り替えて、新品のモーター(M1)又は/及びクラッチ組立体(MC)を自動洗濯機本体(AW)の底部開口部(AWo)から中に取り込み、新品のモーター(M1)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第2ブラケット(B2)と外槽(AW2)とを結合するための第2ボルト(BN2)及び第2ナット(N2)を締めて取り付け、新品のモーター(M1)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第1ブラケット(B1)と内槽(AW1)とを結合するための第1ボルト(BN1)及び第1ナット(N1)を締めて取り付けることを特徴とする自動洗濯機の補修方法。
【請求項12】
請求項8から請求項10の何れかの自動洗濯機の部品取り外し方法を用いて、互いに固着されたパルセーター駆動軸(PS)及びパルセーター(P)、及び、モーター(M)又は/及びクラッチ組立体(MC)を取り外した後に、故障したモーター(Mt)を補修し、補修したモーター(M2)又は/及びクラッチ組立体(MC)を自動洗濯機本体(AW)の底部開口部(AWo)から中に取り込み、補修したモーター(M2)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第2ブラケット(B2)と外槽(AW2)とを結合するための第2ボルト(BN2)及び第2ナット(N2)を締めて取り付け、補修したモーター(M2)又は/及びクラッチ組立体(MC)の第1ブラケット(B1)と内槽(AW1)とを結合するための第1ボルト(BN1)及び第1ナット(N1)を締めて取り付けることを特徴とする自動洗濯機の補修方法。
【請求項13】
自動洗濯機のパルセーター駆動軸の雌ねじ部に螺合されたビスねじ(BS)の頭部に取り外し可能に連結される系止部材(5)及び系止部材(5)に伝達する衝撃力を発生させる打撃部材(4)からなる自動洗濯機の部品取り外し具であって、
系止部材(5)は、所定形状の筒状体(5a)と、筒状体の下部に形成され、かつビスねじ(BS)の頭部と軸方向抜け止め状に係合される係合部(5d)とを有してなり、
打撃部材(4)は、鍔部(4b)とストッパー部(4c)が取り付けられた心棒(4a)と、鍔部(4b)とストッパー部(4c)の間においてスライド自在に心棒(4a)に挿通され、かつ鍔部(4b)に衝突することにより衝撃力を発生させるハンマー部(HM)と、衝撃力を系止部材(5)に伝達可能に系止部材(5)の雌ねじ部と螺合される接続部材(3)とを有してなる
ことを特徴とする自動洗濯機の部品取り外し具。
【請求項14】
系止部材(5)は、上半部に雌ねじ部(5b)が形成された筒状体(5a)と、筒状体(5a)の下部に形成され、かつビスねじ(BS)の頭部と軸方向抜け止め状に係合される内向き鍔部(5d)と、筒状体(5a)の下部の側面に形成され、かつビスねじ(BS)の頭部及び軸部の通過を許容する受け入れ用開口部(5e)とを有していることを特徴とする請求項13に記載の自動洗濯機の部品取り外し具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
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【図4】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−11038(P2011−11038A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196551(P2009−196551)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(509074025)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(509074025)
【Fターム(参考)】
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