説明

自動焦点検出装置を備えたカメラ

【目的】 撮影光学系の光軸またはファインダ光学系の光軸と、AF光学系の光軸とが一致していないカメラにおいて、被写体距離および焦点距離にかかわらず、撮影画面またはファインダ視野における測距ゾーンの位置および範囲と実際の測距位置及び測距範囲を出来る限り一致させることができる自動焦点検出装置を備えたカメラを提供する。
【構成】 撮影光学系と、撮影光学系の光軸とは異なる光軸を有し、一対の被写体像をそれぞれラインセンサの異なる領域に投影する焦点検出光学系と、二つの受光領域からの出力に基づいて被写体の距離を検出する演算手段とを備えた自動焦点検出装置であって、上記ラインセンサを2列以上設け、上記撮影光学系の撮影条件に応じて使用するラインセンサを選択する制御手段を備えた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、自動焦点検出装置を備えたカメラにかかり、より詳細には、撮影光学系またはファインダ光学系と焦点検出光学系の光軸とが一致していないパッシブ測距装置を備えた自動焦点検出装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来の自動焦点検出装置の一つに、外光を利用するパッシブ方式のものがある。このパッシブ方式の自動焦点検出装置(以下「AF装置」という。)は、主にレンズシャッタ式カメラに採用されていて、撮影光学系とファインダ光学系とAF装置の測距光学系とがそれぞれ別個に構成されている。この従来のAF装置を搭載したレンズシャッタ式カメラの概要について、図21から図23を参照して説明する。
【0003】カメラボディ10の前面には、撮影レンズ12と、ファインダ光学系(対物窓)14と、内蔵ストロボの発光窓16が設けられ、上面にはレリーズボタン18が設けられている。さらにカメラボディ10の前面で、撮影レンズ12の上方に、AF装置20の一対のAFレンズ22、23が配設されている。
【0004】AF装置20の底面図を図22に、同正面図を図23に示した。一対のAFレンズ22、23から入射した被写体光は、それぞれミラー24、25でほぼ直角に内方に反射され、集光レンズ26、27を通ってミラープリズム28に入射し、ここで反射して90゜後方に向かって偏向され、測距センサ30に投影される。
【0005】測距センサ30は、その正面図を図24に示した通り、多数の受光素子が一列に配設されたCCDラインセンサ32を備えた受光部を有する。ラインセンサ32は一列上に位置する二つの部分32A、32Bからなり、それぞれのラインセンサ32A、32Bには、上記一対のAFレンズ22、23から入射した被写体光束が投影される。ラインセンサ32の各受光素子は、この被写体投影像を光電変換し、信号電荷として蓄積する。なお34は、ラインセンサ32の最適信号電荷蓄積時間を決定するためのモニタセンサである。
【0006】カメラ本体内の制御装置は、ラインセンサ32の受光素子が蓄積した信号電荷を読出し、所定のプレディクタ演算などによって被写体までの距離(被写体距離または撮影距離)を算出し、この測距値に基づいて焦点レンズを合焦位置まで駆動する。
【0007】『焦点距離または視野倍率の変更による問題』上記カメラにおけるファインダ視野に対する測距ゾーンの関係を、図25を参照して説明する。このカメラは、撮影レンズ12のズーミングに連動してファインダ光学系14の視野倍率が変化する。ラインセンサ32に投影される被写体のファインダ視野36における範囲を測距ゾーン37とすると、望遠時の測距ゾーン37Tは図25に示す通りになる。なおファインダ視野36には、上記測距ゾーン37を視覚化するために測距フレーム38が設けられている。この状態から撮影レンズ12を広角側にズーミングすると、ファインダ光学系14の視野倍率が低くなっても、視野フレーム38の大きさは変わらない。
【0008】一方、ズーミングにかかわらず、AF装置20の倍率は変わらない。したがって、広角時には、図2525に示す通り、ファインダ視野36における測距ゾーン37Wが小さくなる。
【0009】上記望遠と広角におけるファインダ視野36と測距ゾーン37との関係を、同一位置から同一人物を撮影する場合を例に、図26(A)および図26(B)を参照して説明する。
【0010】望遠時において、ファインダ視野36における人物像39および測距ゾーン37Tが図26(A)に示す大きさであったとする。ここで、撮影レンズ12を広角側にズーミングすると、ファインダ光学系14の視野倍率が下がるのでファインダ視野36における人物像39は小さくなり、広角端では図26(B)に示す大きさになる。
【0011】一方、上記の通りAF装置20の倍率は変化しないので、人物に対する測距ゾーン37の大きさは変化しない。つまり、人物像39に対する測距ゾーン37の大きさは一定である。したがって、図26(B)に示す通り、ファインダ視野36における測距ゾーン37Wは、被写体像39と同様に小さくなる。
【0012】以上の通り上記従来のAF装置20では、撮影レンズ12の焦点距離、つまりファインダ光学系14の視野倍率の変化によって、ファインダ視野36における測距ゾーン37の大きさが変化していた。つまり、ファインダ視野36に占める測距ゾーン37の大きさが撮影レンズ12の焦点距離によって異なっていたので、撮影者の意図しない被写体に対して誤測距してしまうという問題があった。
【0013】『パララックス・被写体の距離による問題』また、従来のカメラは、ファインダ光学系の光軸とAF装置の光軸とが離れている。例えば、図27に示すように、カメラの正面から見てファインダ光学系40のほぼ横に焦点検出装置の一対のAFレンズ41、42が設けられている。このファインダ光学系40のファインダ視野46には、図28(A)および図28(B)に示すように、測距ゾーン47を視覚化する測距フレーム48が設けられている。
【0014】しかしながら、上述の通りファインダ光学系40とAFレンズ41、42の光軸は離れている。そのため、被写体の距離によって、測距フレーム48と実際の測距ゾーン47とにずれを生じる。例えば、ある基準距離において測距ゾーン47および測距フレーム48が一致するように構成しておくと、これより近距離の被写体では、測距ゾーン47が測距フレーム48に対して右側にずれてしまい(図28(A)参照)、遠距離の被写体では、測距ゾーン47が測距フレーム48に対して左側にずれてしまう(図28(B)参照)。
【0015】また、図29に示すように、ファインダ光学系40の下方にAFレンズ41、42が配設されている場合には、近距離の被写体では測距ゾーン47が測距フレーム48に対して上方にずれ(図30(A)参照)、遠距離の被写体では同下方にずれてしまう(図30R>0(B)参照)。
【0016】つまり、ファインダ光学系の光軸とAF光学系の光軸とが一致していないので、ファインダ視野46における測距フレーム48から外れた被写体を測距している。そのため、測距フレーム48をきっちり合わせて撮影したはずの被写体が、現像、プリントして見るとピンボケであった、という問題を生じていた。
【0017】『マクロ撮影時の問題』上記同様のずれは、マクロ撮影時におけるファインダ視野と撮影画面のずれを補正するために、ファインダ光学系の光軸を撮影レンズの光軸方向に偏向するカメラにおいてより大きくなる。例えば、図31に示すように、ファインダ光学系40と撮影レンズ49とが横方向にずれているカメラでは、マクロ時にはファインダ光学系40の光軸を撮影レンズ49側にふる。したがって、ファインダ視野46において、標準時に測距フレーム48と測距ゾーン47とが一致していた場合(図32(A)参照)、マクロ撮影時には測距ゾーン47が左方向にずれてしまう(図32(B)参照)。
【0018】また、図33に示すように、ファインダ光学系40が撮影レンズ49の上方に設けられている場合には、マクロ撮影時にはファインダ光学系40の光軸を撮影レンズ49の光軸に向けて下方にふる。したがって、標準時に測距ゾーン47と測距フレーム48とが一致していても、マクロ撮影時にはずれてしまうという問題があった(図34(A)、図34(B)参照)。
【0019】このように、従来のAF装置を備えたカメラでは、第1に、撮影光学系の光軸とAF光学系の光軸とがずれているので、被写体距離が変わると、撮影画面あるいはファインダ視野における測距ゾーンが移動してしまうという問題があった。
【0020】第2に、撮影レンズが二焦点(多焦点も含む)レンズまたはズームレンズなどの焦点距離可変レンズの場合、焦点距離が変わると、撮影画面あるいはファインダ視野における測距ゾーンの占有面積が変わってしまうという問題があった。
【0021】
【発明の目的】本発明は上記従来のカメラのパッシブAF装置の諸問題に鑑みてなされたもので、撮影光学系の光軸またはファインダ光学系の光軸と、AF光学系の光軸とが一致していないカメラにおいて、被写体距離および焦点距離にかかわらず、撮影画面またはファインダ視野における測距ゾーンの位置および範囲と実際の測距位置及び測距範囲を出来る限り一致させることができる自動焦点検出装置を備えたカメラを提供することを目的とする。
【0022】
【発明の概要】上記目的を達成する請求項1に記載の発明は、被写体光束を分割して同一の被写体の像をラインセンサの少なくとも異なる二つの受光領域に投影し、このラインセンサの異なる二つの受光領域からの出力に基づいて焦点検出する自動焦点検出装置であって、上記ラインセンサは、離反した2列以上のラインセンサからなり、上記検出に使用するラインセンサを、上記自動焦点検出装置が搭載された光学装置の可変条件に基づいて選択する制御手段を備えたこと、に特徴を有する。この構成によれば、光学装置の可変条件に応じたラインセンサを選択使用できるので、条件に応じた適切な焦点検出が可能になる。
【0023】請求項2に記載の発明は、撮影光学系と、撮影光学系とは異なる光軸を有するファインダ光学系と、撮影光学系およびファインダ光学系の光軸とは異なる光軸を有し、一対の被写体像をそれぞれラインセンサの異なる領域に投影する焦点検出光学系とを備え、上記ラインセンサは、離反した2列以上のラインセンサからなり、上記撮影光学系の撮影条件に応じて使用するラインセンサを選択する制御手段を有する自動焦点検出装置を備えたカメラであることに特徴を有する。この構成によれば、撮影光学系の撮影条件に応じて使用するラインセンサを選択できるので、条件に応じた適切な焦点検出が可能になる。
【0024】本発明は、上記撮影光学系を焦点距離の変更が可能な撮影光学系とし、撮影光学系および焦点検出光学系の光軸とは異なる光軸を有し、上記撮影光学系の焦点距離可変動作に連動して視野倍率を変える変倍ファインダ光学系を備え、上記制御手段は、上記撮影光学系の焦点距離変更動作または変倍ファインダ光学系の視野倍率変更動作に応じてラインセンサを選択し、更に選択したラインセンサの使用領域範囲を変更する構成にできる。この構成によれば、撮影レンズの焦点距離もしくはファインダの視野倍率、または被写体距離にかかわらず、撮影画面またはファインダ視野において、一定の位置および範囲内の被写体について焦点検出ができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下図示実施例に基づいて、上述の諸問題を解決する本発明の自動焦点検出装置について説明する。なお、本発明は、従来のAF装置の光学系に適用可能で、しかも従来のカメラに搭載可能なので、光学系およびカメラの構成については、図21ないし図23R>3を参照する。
【0026】『撮影レンズの焦点距離または視野倍率の変更により生じる問題を解決する実施の形態の説明』図1R>1には、本発明による第1実施例の測距センサ50の正面図を示してある。この測距センサ50は、従来の測距センサ30と同様に横方向に一列に配設された左右一対のラインセンサ52A、52Bを有するが、各ラインセンサ52A、52Bを、従来のラインセンサ32A、32Bよりも横方向に長く形成してある。これらのラインセンサ52A、52Bのそれぞれには、対応するAFレンズ22、23を通った被写体像が投影される。そこで、一方のAFレンズ22から入射した被写体像が投影されるラインセンサ52Aおよびモニタセンサ54の構成および動作について説明する。
【0027】広角時においては、AFレンズ22を通った被写体光束は、ラインセンサ52Aの全範囲に投影される。このように投影されるラインセンサ52A上の範囲を受光範囲53とし、広角時の受光範囲53Wに投影された被写体の、変倍ファインダ14のファインダ視野56における範囲を測距ゾーン57Wとする。ここで、撮影レンズ12が広角のときに、変倍ファインダ14のファインダ視野56内に形成した測距フレーム58内の被写体と測距ゾーン57W内の被写体とが一致するように測距フレーム58を形成してある(図2(C)、図3(A)、(B)参照)。なお、撮影レンズ12は広角から望遠域までズーミング可能なズームレンズであるが、本実施例では説明の都合上、広角、標準および望遠の3焦点距離をとる多焦点距離レンズとして説明する。
【0028】撮影レンズ12をズーミングして標準にすると、測距フレーム58内の被写体は、図2(B)に斜線で示した受光範囲53Sに投影される。さらに撮影レンズ12をズーミングして望遠にすると、測距フレーム58内の被写体は、図2(A)に斜線で示した受光範囲53Tに投影される。
【0029】そこで本実施例では、広角時には受光範囲53Wに投影される被写体像を利用して測距、つまり、ラインセンサ52Aのすべての受光素子に蓄積される信号電荷を使用して測距演算を実行し、標準時には、より狭い受光範囲53S内の受光素子を使用して、望遠時にはさらに狭い受光範囲53T内の受光素子を使用して測距演算を実行している。これにより、撮影レンズ12の焦点距離にかかわらず、測距ゾーン57W、57S、57Tと測距フレーム58とが一致する。
【0030】上記実施例を適用したカメラによって、同一距離から同一人物を撮影すると、広角時には図3(A)に示すように、測距ゾーン57Wおよび測距フレーム58が一致している。このカメラ位置において撮影レンズ12を望遠にズーミングすると、変倍ファインダ14の視野倍率も撮影レンズ12の焦点距離変化に応じて高くなるので、望遠時には図3(B)に示すように被写体像59が大きく見える。ところが、AFレンズ22を通ってラインセンサ52Aに入射する被写体像の範囲は変わらないので、従来のようにすべてのラインセンサ52Aを使用すると、ラインセンサ52Aに入射する被写体範囲は、図3(B)に想像線で示すように大きくなってしまう。
【0031】しかし、本実施例では、望遠時には、使用するラインセンサ52Aの範囲を、図2(A)に示したように受光範囲53Tに制限しているので、ファインダ視野56における測距ゾーン57Tの大きさは、広角時と同様に測距フレーム58とほぼ同じ大きさになる。
【0032】以上のように本実施例では、ラインセンサ52の横幅を従来よりも長くし、かつ測距に使用するラインセンサ52の受光範囲を変倍ファインダ14の視野倍率(撮影レンズ12の焦点距離)に応じて選択しているので、ファインダ視野56における測距ゾーン57の大きさが視野倍率にかかわらず一定となり、測距フレーム58と一致する。
【0033】別言すると、焦点距離、視野倍率の変更にかかわらず、被写体ファインダ視野56における測距ゾーン57と測距フレーム58とが一致するようにラインセンサ52A、52Bの使用する受光素子(受光範囲)を選択しているのである。
【0034】なお、本実施例では、撮影レンズ12を3焦点距離レンズとしたが、これはズームレンズでもよい。そして、ズームレンズの場合には、その焦点距離に応じて受光範囲をより細かく分割する。
【0035】次に、上記ラインセンサ52A、52Bの受光素子の構成およびこれらの受光素子が蓄積した信号電荷の読出し態様について説明する。
【0036】図2(A)、(B)、(C)に示したラインセンサ52は、3種類の幅a、2a、3aの受光素子で構成されている。そしてこれらの受光素子は、幅aのものを基準として、光軸0を中心として対称に配設されている。
【0037】そして本実施例では、各焦点距離における受光範囲53の幅は、広角時の受光範囲53Wを基準にすると、標準時の受光範囲53Sでは2/3、望遠時の受光範囲53Tでは1/3の大きさに設定されている。望遠時の受光範囲53T内には、幅aの受光素子が24個含まれ、標準時の受光範囲53Sには幅aの外側に幅2aの受光素子が設けられていて、幅aと幅2aの受光素子が合計で幅48a分含まれ、さらに広角時の受光範囲ラインセンサ52W内には幅a、2aの受光素子の外側に幅3aの受光素子が設けられていて、幅a、2a、3aの受光素子が合計で幅72a分含まれている。
【0038】このような比率で受光幅を変化させるのは、ラインセンサ52の出力を、受光範囲にかかわらず24ビット信号として処理をするためである。つまり、望遠時には幅aのビットを1ビットとして処理をし、標準時には幅2a分のビットを1ビットとして処理をし、広角時には幅3a分の受光素子を1ビットとして処理をしている。
【0039】図4(A)、(B)、(C)には、ラインセンサ52の別の実施例を示してある。この実施例は、幅aの受光素子が74個で構成されているが、各焦点距離時の受光範囲は、上記図2に示した実施例と同様である。そして、各焦点距離において、上記同様に24ビット情報として処理をしている。つまり、望遠時には24個の受光素子をそれぞれ1ビットとして処理をし、標準時には隣り合う2個の受光素子を合わせて1ビットとして処理をし、広角時には隣り合う3個の受光素子を合わせて1ビットとして処理をしている。
【0040】図5(A)、(B)、(C)には、ラインセンサ52のさらに別の実施例を示してある。受光素子の構成は図4に示したものと同様であり、各焦点距離時における受光範囲も上記実施例と同様であるが、ビット処理が異なる。この実施例では、各受光素子を1ビットとして処理をしている。つまり、望遠時には24ビット情報として処理をし、標準時には48ビット情報として処理をし、広角時には72ビット情報として処理をしている。
【0041】なお、受光素子の数は上記実施例に限られず、また、焦点距離に応じて1ビット単位で受光範囲を変更してもよい。
【0042】『パララックスによる問題を解消する実施例の説明』次に、AF装置の光軸と、撮影レンズの光軸またはファインダ光学系の光軸が一致していないことによるパララックスによって生じる諸問題を解決する、本発明の実施例を図6〜図10に基づいて説明する。
【0043】先ず、変倍ファインダ60の横に自動焦点検出装置のAFレンズ61、62が配設され、変倍ファインダ60の下方に撮影レンズ63が配設されたカメラに適用した実施例について図6〜9に基づいて説明する。この配置では、AFレンズ61、62によりラインセンサ上に投影される被写体像が、被写体距離によって左右方向に移動する。そのため、被写体視野66における測距フレーム68に対する測距ゾーンが、被写体距離によって、図28(A)および図28(B)に示したのと同様に、横方向にずれてしまう。
【0044】そこで本実施例では、図1に示したラインセンサ52と同様にラインセンサ64を横方向に長く形成し、被写体距離にかかわらず、被写体像をラインセンサ64の受光素子で受け得るように構成してある。そして、図7(A)〜(C)、図8(A)〜(C)および図9R>9(A)〜(C)に斜線で示したように、被写体距離に応じて受光範囲、つまり使用する受光素子の範囲を変えてある。
【0045】以上の構成により、被写体距離にかかわらず、測距ゾーン67と測距フレーム68とのずれが少なくなる。なお、図7は広角時、図8は標準時、図9は望遠時の態様をそれぞれ示してある。
【0046】また本カメラでは、マクロ撮影時における変倍ファインダ60と撮影レンズ63のパララックスを減少させるために、マクロ撮影時には変倍ファインダ60の光軸が撮影レンズ63の光軸側(図においては下方)に振られる。そのため、マクロ撮影時には、ファインダ視野66における測距ゾーン67が上方に移動してしまう(図6(D)参照)。
【0047】そこで本実施例では、通常撮影用のラインセンサ64A、64Bの上方にマクロ撮影用のラインセンサ64C、64Dを設け(図6(C)参照)、通常の撮影時には下方の通常用ラインセンサ64A、64Bを使用し、マクロ撮影時には上方のマクロ用ラインセンサ64C、64Dを使用して測距する。この構成により、上記パララックスが補正され、ファインダ視野66内の測距フレーム68と実際の測距ゾーン67とが一致する。
【0048】さらに、上記カメラにおいて、最初の測距時には被写体距離が未知なので、撮影レンズの各焦点距離において、もっとも広い範囲の受光素子を利用して測距する。そのため、被写体が三次元被写体であるときには、受光素子の出力ピークが複数出現してしまい(図35R>5参照)、測距できないか、あるいは測距できるとしても、どの被写体に対して測距するかが分からない。
【0049】そこで本実施例では、受光範囲を3個の部分に分割し(図7(D)、図8(D)、図9(D)参照)、それぞれの受光範囲64α、64β、64γに投影された被写体についてそれぞれ測距をする構成にしてある。なお、受光範囲の分割数および各分割部分の大きさは任意であり、また、各焦点距離における測距においても上記同様に分割測距を実行してもよい。
【0050】図10には、カメラの光学系の別の配置例を示してある。この実施例では、ズームがファインダ60とAF光学系のAFレンズ61、62とが上下方向に配設され、かつこれらが撮影レンズ63の横方向に配設されている。
【0051】この実施例では、変倍ファインダ60とAF光学系61、62の光軸のずれによって、ファインダ視野66における測距フレーム68と測距ゾーン67とが、図30(A)、図30(B)と同様に、通常の撮影では被写体距離によって、主に上下方向にずれる。さらに、マクロ撮影時には、変倍ファインダ60の光軸が撮影レンズ63の光軸方向に振られるので、測距フレーム68に対する測距ゾーン67が、斜め上下方向にずれる。
【0052】そこで本実施例では、ラインセンサ64を縦方向(上下方向)に3列設けてある。最下段のラインセンサ64A、64Bは近距離用、中段のラインセンサ64C、64Dは中間距離用、上段のラインセンサ64E、64Fは遠距離およびマクロ用として使用する。各ラインセンサ64は、図1に示した実施例同様に従来よりも横に長い。
【0053】この実施例では、通常の撮影時には、先ず中間距離用ラインセンサ64C、64Dを使用して被写体距離を測距する。そして、その測距値に基づいて、どのラインセンサ64を使用するかの選択を行ない、その選択したラインセンサ64を使用して再び測距を行ない、その測距値に基づいて、焦点レンズを合焦位置まで駆動する。
【0054】以上の動作により、被写体距離の相違によって生じる測距ゾーン67と測距フレーム68のパララックスが補正され、被写体距離にかかわらず、ファインダ視野66における測距ゾーン67と測距フレーム68とが一致する。よって、撮影者の意図した被写体に正確に合焦する。なお、この実施例においても、三次元被写体に対しては分割測距を実行できる。
【0055】また、本カメラでは、マクロ撮影時に変倍ファインダ60の光軸が撮影レンズ63の光軸に向かって振られるので、ファインダ視野66において測距フレーム68に対して測距ゾーン67が上方に移動する。そこで本実施例では、マクロ撮影時には、遠距離・マクロ用ラインセンサ64E、64Fを選択する。これにより、変倍ファインダ60の光軸が振られることによるパララックスが補正され、ファインダ視野66における測距フレーム68と測距ゾーン67とが一致する。
【0056】『焦点距離情報読取装置および焦点調節装置』次に、焦点距離に応じて使用するラインセンサ64を選択するために、撮影レンズ12の焦点距離情報を読取る装置について、図11を参照して説明する。
【0057】撮影レンズ12は、可変焦点距離レンズL1の相対的な接離移動によりズーミングする。直進運動により可変焦点レンズ群L1を接離移動させるズーム環71の表面には、ズーム環71の位置をコード化したコード板72が貼られている。このコード板72は3ビットコードからなり、各コードは、導電部および絶縁部の組み合わせで構成されている。
【0058】コード板72の各コードは、各コードのそれぞれのビットに摺接する接点73aを備えたブラシ73で読取られ、デコーダ74でデコードされてからCPU80(図13)に送られる。
【0059】CPU80は、コード板72の各コードに対応する焦点距離情報および各焦点距離に応じたラインセンサ52の使用範囲情報を格納している。そしてCPU80は、デコーダ74から出力された情報(焦点距離)に基づいてラインセンサ64の使用範囲を決定する。
【0060】次に、焦点調節装置について、図12を参照して説明する。焦点レンズL2を保持したレンズ筒75が光軸方向に運動することにより、焦点調節が行なわれる。レンズ筒75にはピン76が植設されていて、このピン76は、光軸と平行に配置されたスクリュー77に嵌っている。このスクリュー77は、焦点モータ78により回転駆動される。したがって、焦点モータ78が回動すると、レンズ筒75が進退運動し、焦点調節が行なわれる。なお、焦点モータ78の回転方向、回転量は、CPU80によって制御される。
【0061】また、レンズ筒75の後端部には導電板75aが貼りつけられ、その後方には、導電板75aに摺接する接点79aを有するスイッチ79が配設されている。したがって、レンズ筒75が一定の後退範囲にあるときには、接点79aが導電板75aに接触してオンし、レンズ筒75が一定位置よりも前進すると接点79aが導電板75aから離反してオフする。このスイッチ79は、レンズ筒75が基準位置にあることを検知するためのものである。
【0062】『カメラの制御系の構成の説明』次に、図6R>6に示した実施例を適用したカメラの制御系の構成について、図13を参照して説明する。このカメラは、自動焦点検出装置、パワーズームレンズおよびポップアップストロボを備えたレンズシャッタ式カメラである。
【0063】本カメラの測距、測光、露出など撮影に関する動作は、CPU80が統括的に制御する。CPU80は、内部メモリに格納されたプログラムにしたがって、上記各制御動作を実行する。
【0064】フィルムが装填されると、CPU80は、DXコード読取手段81を介してそのフィルム感度情報を読み込み、内部RAMにフィルムISO感度情報としてメモリする。
【0065】さらにCPU80は、撮影レンズ82(12)の焦点距離情報、マクロであるかどうかの情報を読み込み、メモリする。これは、図11に示したものと同様の構成からなる焦点距離情報読取装置83およびデコーダ84を介して実行する。そしてCPU80は、この焦点距離情報等に基づいて、ラインセンサ64の受光範囲および使用するラインセンサ64を選択する。
【0066】CPU80には、スイッチ類として、測光スイッチ85、レリーズスイッチ86、マクロスイッチ87、ストロボ・ポップアップスイッチ88が入力されている。測光スイッチ85がオンされると、測光処理およびAF処理を実行し、レリーズスイッチ86がオンされると、露出処理を実行する。マクロスイッチ87は、撮影レンズ82がマクロ域に移動するとオンする。ストロボ・ポップアップスイッチ88がオンされると、内蔵ストロボをポップ・アップし、ストロボの発光を可能にする。
【0067】測光処理においては、被写体光を受けた測光用受光素子89が出力した信号を測光回路90が対数圧縮等の所定の加工を施してCPU80に出力する。CPU80は、すでにメモリしてあるフィルムISO感度情報等と、上記測光信号とを基に測光演算を実行し、絞り値およびシャッタ速度を決める。
【0068】測距処理においては、先ず、切替え回路91、92を使用するラインセンサ64に切替えて、使用するラインセンサを選択する。そして、ラインセンサ64に信号電荷の蓄積を開始させる。
【0069】所定時間経過すると、ラインセンサ64の電荷蓄積を停止し、蓄積した電荷を電気信号として読出す。蓄積停止のタイミングは、例えば図16(A)に示したモニタ回路によって決められる。
【0070】ラインセンサ64から読出された蓄積信号はそれぞれ、切替え回路91、92を介してA/D変換器93、94に入力され、ここで、所定の受光素子単位で所定のデジタル信号に変換され、CPU80に出力される。CPU80は、すべての蓄積信号をA/D変換して読み込むのではなく、撮影レンズ82の焦点距離に応じて選択した受光範囲の受光素子が蓄積した蓄積信号のみをA/D変換して読み込み、メモリする。なお、蓄積制御、読出し、A/D変換などは、クロック発生回路95が発生するパルスに基づいて行なわれる。
【0071】CPU80は、選択した一対のラインセンサ64から読出してメモリした信号をそれぞれ基準信号および参照信号としてプレディクタ演算を実行し、被写体距離を求める。そして、この被写体距離を基にAFモータ96(78)を起動し、レンズ駆動部97を介して焦点レンズL2を合焦位置まで駆動する。符号98は、レンズ駆動部97の基準位置を検出する位置検出スイッチである。
【0072】露出処理においては、先に決定した絞り値およびシャッタ速度に基づいて、シャッタ・絞駆動回路99を介して絞りを上記設定絞り値まで絞り込み、シャッタを上記設定シャッタ速度で開閉してフィルムを露光する。
【0073】露出が終了すると、図示しないが、オートワインダによってフィルムを1コマ分巻き上げ、シャッタチャージを行なう。なお、フィルムの巻き上げは、手動で行なう構成でもよい。
【0074】さらに本実施例は、ポップアップストロボ100を内蔵している。ポップアップストロボ100は、発光回路101と、カメラ本体からポップアップ可能に装着された発光部102とを備えている。
【0075】上記測光処理において、被写体輝度が一定値よりも低いと判断したときには、ストロボの使用を促す警告を、ファインダ視野内に設けたファインダ内表示器103の点滅によって行なう。なお、このファインダ内表示器103は、合焦状態も表示できる。
【0076】ストロボ・ポップアップスイッチ88がオンすると、発光部102が突出し、発光可能状態になる。この状態でレリーズスイッチ86がオンされると、所定のタイミングで、発光部102が発光する。
【0077】なお、図中104は、CPU80、ポップアップストロボ100などに電力を供給するバッテリ、105は、発光部102を強制的に発光させるX接点スイッチであって、シャッタ・絞駆動回路99の動作に連動してON/OFFする。
【0078】次に、ラインセンサ64からの信号電荷読取り動作について、さらに図14を参照して説明する。ラインセンサ64A〜64Dは、一個の集積基板上に設けられており、一対のラインセンサ64A、64Bおよび他の一対のラインセンサ64C、64Dはそれぞれ横方向に一列に、かつ各対のラインセンサ64は、縦方向に並行に配設されている。AFレンズ61、62を通った被写体光束は、それぞれラインセンサ64の別の領域、つまり左側のラインセンサ64A、64C上および右側のラインセンサ64B、64D上にそれぞれ投影され、各受光素子で信号電荷に変換される。各ラインセンサ64の各受光素子が蓄積した信号電荷は、一斉に基板上の水平転送部に転送される。
【0079】この水平転送部は各ラインセンサ64毎に設けられていて、水平転送部の外側には一対の読出し転送部が設けられている。読出し転送部に転送された信号電荷は、左側のラインセンサ64A、64Cの信号電荷はそれぞれ段階的に左側の読出し転送部に転送され、この読出し転送部の読出し端部から1個づつ交互に読出される。右側のラインセンサ64B、64Dが蓄積した信号電荷も同様に、右側の読出し転送部の読出し端子から1個ずつ交互に読出される。各ラインセンサの動作は同様なので、一方のラインセンサ64B、64Dの動作について説明する。
【0080】CPU80によって制御されるクロック発生回路95は、ラインセンサ64の各受光素子が蓄積した信号電荷を水平転送部に一斉に転送して信号電荷の蓄積を停止させる蓄積制御信号ΦTと、水平転送部に転送された信号電荷を順番に読み出すための読出しパルスを出力する。クロック発生回路95が出力したパルスは、ラインセンサ64だけでなく、カウンタ106およびA/D変換回路92にも送られる。
【0081】CPU80は、信号電荷を取り込むラインセンサ64の使用範囲に応じてカウントセッタ107にカウント値をセットする。カウントセッタ107は、そのセット値をカウント比較回路108に出力する。一方、カウンタ106は、クロック発生回路95が発生した読出しパルス数をカウントし、そのカウント値をカウント比較器108に出力する。カウント比較器108は、これらのセット値とカウント値を比較し、一致した時に一致信号をCPU80に出力する。
【0082】この一致信号を受けたCPU80は、切替え回路92を介して出力されるラインセンサ64からの信号を、A/D変換器94を作動させてデジタル信号に変換する。切替え回路92は、ラインセンサ64B、64Dの読出し端子を択一的にA/D変換器94に接続するもので、その切替えは、CPU80によって制御される。
【0083】以上の動作を、ラインセンサ64の電荷蓄積終了から説明する。クロック発生回路95から蓄積制御信号が出力され、ラインセンサ64の各受光素子の電荷が一斉に水平転送部に転送されて電荷蓄積が終了すると、CPU80はクロック発生回路95に読出パルスを出力させる一方、ラインセンサ64のどの受光範囲を利用するかを、デコーダ84が出力する撮影レンズ82の焦点距離情報、マクロスイッチ87からの情報を基に選択し、カウントセッタ107の値をセットし、切替えスイッチ91、92を選択する。ここでは、通常撮影で、ラインセンサ64Bおよび望遠の受光範囲64Tを選択したと仮定する。
【0084】クロック発生回路95は、一定周期で読出しパルスを出力するので、ラインセンサ64Bの各受光素子が蓄積した信号電荷が電気信号として、一定周期で切替え回路92に出力される。しかし、受光範囲64Tの信号電荷が出力されるまでは、カウント比較器108から一致信号が出力されないので、CPU80はそれらの信号を取り込まない。比較回路108は、カウントセッタ107が出力するセット値と、カウンタ106が出力する読出しパルス数とを比較し、一致したときに一致信号を出力する。
【0085】CPU80は、この一致信号が出力されたことを検知すると、ラインセンサ64が出力した信号をA/D変換器94を起動して取り込み、RAMにメモリする。上記処理は、各受光素子(ビット)単位で行なう。なお、標準または望遠時に2個または3個の受光素子の信号を加算して1ビットで処理をする場合には、2個または3個の受光素子が出力した信号を、A/D変換回路94でA/D変換し、RAMにメモリする前に該CPU80で加算を行なう。
【0086】なお、本実施例では、左右一対のラインセンサ64から出力される信号を共通の読出パルスおよびデータバスを介してCPU80に取り込んでいる。したがって、データバスには、図15に示すように、トランスファー信号のタイミングを変えることで、一方の信号データ1と他方の信号データ2とが交互に乗る。
【0087】ラインセンサ64A、64Bが蓄積した信号の1回目の読出しおよびメモリが終了すると、そのメモリした情報に基づいてCPU80は所定の測距演算(プレディクタ演算)を実行し、被写体距離を求める。そして、その被写体距離に応じて受光範囲を選択し、再びカウントセッタ107にカウント値を設定し、ラインセンサ64A、64Bが蓄積した信号の読出しを開始する。
【0088】上記信号の読み出しおよびメモリ作業が終了すると、CPU80はメモリ情報に基づいて所定の測距演算を実行して被写体距離を求め、この値に基づいて焦点モータ96(78)を起動し、焦点レンズL2を合焦位置まで駆動する。
【0089】以上の各処理は、あらかじめCPU80のROMにメモリしたプログラムにしたがって、CPU80が実行する。
【0090】次に、上記ラインセンサ64の信号電荷蓄積時間を制御をする回路構成について、図16(A)を参照して説明する。
【0091】ラインセンサ64Aの近傍には、モニタセンサ110が設けられている。このモニタセンサ110は、ラインセンサ64に入射する光量を測定し、ラインセンサ64の電荷蓄積時間を最適に制御するためのものである。
【0092】モニタセンサ110は、使用するラインセンサ64の受光範囲64T、64S、64Wに対応させて、中央部分110Aと、その両外側の中間部分110B、110Bと、さらにその両外側の外側部分110C、110Cとに分割されている。望遠のときには中央部分110Aのみが、標準のときには中央部分110Aおよび中間部分110B、110Bが、広角のときにはすべての部分110A、110B、110Cが使用される。各モニタセンサ110の出力は、それぞれコンパレータ111、112、113の反転入力端子に接続されている。コンパレータ111、112、113の反転入力端子には、それぞれ基準電圧Vr1、Vr2、Vr3が入力されている。したがって、ラインセンサ64の出力レベルが一定値よりも下がると、コンパレータの出力が“H”(ハイレベル)になる。
【0093】各コンパレータ111、112、113の出力は、それぞれアンドゲート114、115、116の一方の入力に接続されている。アンドゲート114、115、116の他方の入力には、出力切替え回路117の出力端子A、B、Cが接続されている。したがってアンドゲート114、115、116は、出力切替え回路117の出力が“H”レベルのときにラインセンサ64の出力が“H”に変われば、そのアンドゲート114、115、116の出力が“L”(ローレベル)から“H”に変わる。
【0094】各アンドゲート114、115、116の出力は、それぞれオアゲート118の入力に接続されている。したがって、アンドゲート114、115、116の出力が1個でも“H”に変わると、オアゲート118の出力が“L”から“H”に変わる。
【0095】オアゲート118の出力は、ΦT発生回路119(クロック発生回路95)に入れられている。ΦT発生回路119は、オアゲート118の出力が“H”に変わると、ラインセンサ64の電荷蓄積をストップさせる蓄積制御信号ΦTを出力する。蓄積制御信号ΦTが出力されると、ラインセンサ64は、受光素子が蓄積した信号電荷を一斉に水平転送部に転送し、信号電荷の蓄積を終了する。
【0096】上記構成からなる電荷蓄積制御回路の動作を、さらに図16(B)を参照して説明する。モニタセンサ110に被写体像が投影されると、モニタセンサ110の出力電位が下がり始める。その降下速度は、投影される被写体の明るさに比例する。つまり、被写体が明るければ明るいほど急激に、暗ければ暗いほど緩やかに降下する。そして、その電位が非反転入力端子の電位(Vr)と同一になると、コンパレータ111、112、113の出力が“H”に変化する。
【0097】一方、コンパレータ111、112、113の非反転入力端子にはそれぞれ一定の基準電圧Vrがかけられている。したがって、分割部分110A、110B、110Cの出力が基準電圧と等しくなると、その出力が入力されているコンパレータ111、112、113の出力が“H”に変わる。
【0098】出力切替え回路117の出力端子A、B、Cは、撮影レンズの焦点距離に応じてCPU80により、いずれかまたはすべてが“H”にされている。本実施例では、広角なら出力端子A、BおよびCが、標準なら出力端子AおよびBが、望遠ならAのみが“H”となる。したがって、いずれかのコンパレータ111、112、113の出力が“H”となったときに、対応する出力端子A、B、Cの出力が“H”であれば、そのアンドゲート114、115、116の出力が“H”となり、オアゲート118の出力も“H”となってΦT発生回路119から蓄積制御信号ΦTが出力され、ラインセンサ64の電荷蓄積が終了する。なお、モニタセンサ110は、使用する受光範囲に対応させて構成することが好ましいが、分割しなくてもよく、使用する受光範囲に対応するものを使用する構成とすればよい。
【0099】以上の動作により、被写体輝度に応じた最適な電荷蓄積時間が得られる。基準電圧Vrは、ラインセンサ、モニタセンサの規格、モニタセンサの分割面積など、種々の条件に基づいて定められる。なお、モニタセンサの出力電位が基準電圧まで下がらなくても一定時間が経過すると、蓄積制御信号ΦTを出させる信号がCPU80から出力される。
【0100】次に、上記回路構成からなるカメラの動作シーケンスについて、図17および図18に示したフローチャートを参照して説明する。この動作は、すべてCPU80が内部メモリにメモリしたプログラムにしたがって実行する。
【0101】電源がオンされると、図17に示したメインルーチンに入る。メインルーチンでは、先ず測光スイッチ85がオンしているかどうかをチェックし、オンしていなければオンするまでこの処理を繰り返す(S11)。
【0102】測光スイッチ85がオンすれば、測光回路90を起動して測光を開始し(S13)、マクロスイッチ87、ストロボ・ポップアップスイッチ88のスイッチ状態をチェックし(S15)、測光回路90からの測光信号に基づいて測光演算を実行する(S17)。
【0103】そして、撮影レンズ82の焦点距離情報を入力し、その焦点距離情報に基づいてラインセンサ64の受光範囲および使用するラインセンサ64を選択し、これらに基づいてラインセンサ64に信号電荷を蓄積させ、その信号をA/D変換して読み込み、測距演算を実行し、その測距演算値に基づいてAFモータ96を介して焦点レンズL2を合焦位置まで駆動するAF処理を実行する(S19)。
【0104】AF処理が終了すると、合焦状態表示、または上記測光演算において、被写体輝度がストロボ使用勧告値であればストロボ使用勧告表示などをファインダ内表示器103にさせるなどの表示処理を実行する(S21)。
【0105】そして、レリーズスイッチ86がオンしているかどうかをチェックし、オンしていなければS11に戻って上記処理を繰り返し、レリーズスイッチ86がオンしていれば、シャッタ・絞駆動回路99を駆動して露出処理を行ない、その後S11に戻る(S23、S25)。
【0106】以上は、本カメラの基本的な動作である。次に、三次元被写体を撮影する際のAF処理について説明する。本実施例では、分割測距の結果、三次元被写体であると判断したときには、最も近距離の被写体に合焦させることとしている。また、ストロボを使用するときには、ストロボの適正照射可能距離範囲内において、最も近距離の被写体に合焦させることにしてある。
【0107】以上の動作を、図17のAF処理サブルーチン(S19)を示した図18を参照して説明する。このサブルーチンに入ると、先ず、撮影レンズ82の情報(焦点距離情報およびマクロスイッチ87の情報)を入力し、マクロかどうかを判断する(S31、S33)。
【0108】マクロでなければラインセンサ64A、64Bを選択し、焦点距離に応じて使用範囲(図7(A)、図8(A)、図9(A))を選択する(S35)。そして、その使用範囲に蓄積されたラインセンサ64の信号を読み込み、測距演算を実行する(S37、S39)。
【0109】この測距演算結果により三次元被写体であるかどうかを判断し、三次元被写体でなければ、その測距演算値に基づいてラインセンサ64A、64B上の受光範囲を64S、64T、64Wのいずれか1つに選択する(S41、S43、図7(A)〜(C)、図8(A)〜(C)、図9(A)〜(C)参照)。そして、この選択した条件に適合するラインセンサ64A、64Bの受光素子が蓄積した信号を読み込んでメモリし、すべてをメモリした後に測距演算を実行する(S43、S45)。
【0110】次に、ストロボ使用かどうかをストロボ・ポップアップスイッチ88のON/OFFで判断し、使用でなければ、上記測距演算値に基づいてAFモータ96を駆動し、焦点レンズL2を合焦位置まで駆動してからメインルーチンに戻る(S47、S49)。
【0111】撮影レンズ82がマクロであった場合には、マクロかどうかの判断ステップS33からS51に進み、マクロ用のラインセンサ64C、64Dを選択する。そして、そのラインセンサ64C、64Dが蓄積した信号を読み込み、測距演算を実行する(S53、S55)。さらに、この測距演算では、被写体距離(撮影距離)に基づいてAFモータ96を駆動し、焦点レンズL2を合焦位置まで移動させてからメインルーチンに戻る(S49)。
【0112】マクロでなく、三次元被写体であった場合には、S41からS57に進み、焦点距離に応じた三次元被写体用の分割受光範囲64α、64β、64γ(図7R>7(D)、図8(D)、図9(D)参照)を選択する。そして、その各受光範囲の信号に基づいてそれぞれ測距演算、つまり分割測距演算を実行し、各演算値(測距被写体距離)の中から最も近距離の演算値を選択し、S47に進む(S59)。
【0113】また、ストロボ・ポップアップスイッチ88がオンしている場合には、S47からS61に進んでストロボ使用可能距離範囲情報を入力し、S45またはS59で演算した測距値が上記ストロボ使用可能距離範囲内にあるかどうかをチェックする(S63)。この距離範囲内になければファインダ内表示器103により警告表示をしてからレンズ駆動処理を実行し(S65、S49)、上記距離範囲内にあればすぐにレンズ駆動処理を実行する(S63、S49)。
【0114】以上の処理により、焦点距離、マクロかどうか、被写体距離にかかわらず、測距ゾーン67と測距フレーム68とが一致し、この一致状態で測距および自動焦点調節動作がなされる。さらに、三次元被写体においても、最近距離の被写体に対して合焦できる。
【0115】また、S63において、S59にて選択した最近距離の測距値が、ストロボ使用可能距離範囲内に無いと判断したときには、上記S59で演算した複数の測距値の中からストロボ使用距離範囲内にある測距値を捜し、適応する測距値を選択してこれを基に合焦動作を行なわせてもよい。このような処理を行なえば、ストロボを使用して、例えば複数の人物を撮影する場合に、少なくとも、測距ゾーン67内に位置する人物を、適切なピントおよび適切な露出値にて撮影できる。
【0116】『補助投光装置』パッシブ自動焦点検出装置は、暗い被写体(輝度がある値よりも低い被写体)、あるいは白壁など表面のコントラストが低い被写体に対しては、測距精度が落ちる。そこで本実施例では、ファインダの近傍に、補助投光素子を設置してある。その様子を図19(A)、図19(B)に示した。
【0117】このファインダ光学系は、ズームレンズのズーミングに連動して視野倍率が変動する変倍ファインダである。対物側レンズは、相対的に接離移動可能な2枚の変倍レンズ(対物レンズ系)121、122からなり、接眼側レンズは、1枚の固定レンズ(接眼レンズ系)123からなる。変倍レンズ122と固定レンズ123との間には、対物レンズ121、122で形成された被写体像を成立させるプリズム124、およびハーフミラー125が設置されている。撮影者は、変倍レンズ121、122で形成され、プリズム124で正立された被写体像を、固定レンズ123を介して観察する。さらにファインダ光学系の光路外に、該ハーフミラー125に向けて、出力波長が700nm 以上の発光素子(例えばIRED)126が配設されている。発光素子126の前面には、縞パターン(コントラストパターン)を形成するためのパターンプレート127が配設されている。上記ハーフミラー125は、入射角45゜で700nm 以上の波長の光を反射し、可視光を透過する構成であれば、補助投光の効率が良くなり、ファインダ視野は明るくなる。
【0118】変倍レンズ121、122は、連動機構(図示せず)を介してズームレンズのズーミングに連動し、相対的に接離移動してファインダの視野倍率をズームレンズの焦点距離に応じて変更している。つまり、ズーミングにかかわらず、ファインダ視野を、撮影画面とほぼ一致、ないしやや小さくなるように構成している。連動機構としては、例えば、カム溝を備え、ズームモータによってスライドされるカム板と、変倍レンズ121、122に取る付けられた、上記カム溝に嵌るカムフォロワピンとにより、カム板のスライドによって変倍レンズ121、122を相対的に接離移動させる構成がある。
【0119】次に、本実施例の光路を、図を参照して説明する。プリズム124は、3個の三角プリズムで構成されている。変倍レンズ121、122を通ってプリズム124の面124aから入射した光線は、斜面124bで90゜下方に反射され、斜面124cで紙面に対して裏側方向に反射され、斜面124dで上方に反射され、斜面124eで90゜右方向に反射されて面124fから射出する。そして、ハーフミラー125および固定レンズ123を通って撮影者の眼に入る。
【0120】一方、発光素子126から発せられた補助光は、ハーフミラー125でプリズム124に向けて反射され、面124fからプリズム124内に入射して、上記とは逆の光路を通って面124aから射出する。そして、変倍レンズ122、121を通ってカメラから射出し、被写体を照射する。よって発光素子126から投光された補助光は、変倍レンズ122、121によって集光され、被写体に照射される。
【0121】ここで、変倍レンズ122、121による集光度は、広角時には低く、望遠時には高い。つまり、広角時には広い範囲を照射し、望遠時には狭い範囲を照射するのである。よって、焦点距離に応じて選択される受光範囲に応じた被写体を照射することが可能になり、望遠においては照射面積が絞られるので、より遠くの被写体を照射可能となる。
【0122】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り請求項1に記載の発明のは、被写体光束を分割して同一の被写体の像をラインセンサの少なくとも異なる二つの受光領域に投影し、このラインセンサの異なる二つの受光領域からの出力に基づいて焦点検出する自動焦点検出装置であって、ラインセンサを2列以上で構成し、検出に使用するラインセンサを搭載された光学装置の可変条件に基づいて選択する制御手段を備えたので、光学装置の可変条件に応じたラインセンサを選択使用できるので、条件に応じた適切な焦点検出が可能になる。また、本発明は、撮影光学系の光軸と異なる光軸を有する自動焦点検出装置において、ラインセンサを2列以上並列して設け、使用するラインセンサおよびその使用範囲を撮影光学系の焦点距離またはファインダの視野倍率に応じて変更するので、撮影レンズの焦点距離変更またはファインダ視野倍率の変更にかかわらず、撮影画面またはファインダ視野における測距位置および測距範囲を一定にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の、自動焦点検出装置に適用される測距センサ(ラインセンサ)の一実施の形態の要部構造を示す正面図である。
【図2】同測距センサの受光範囲を示す正面図である。
【図3】本自動焦点検出装置の実施例を搭載したカメラにおける、広角および望遠時のファインダ視野を示した図である。
【図4】同測距センサの別の実施例の構造および焦点距離に応じた受光範囲をそれぞれ示す図である。
【図5】同測距センサの別の実施例の構造および焦点距離に応じた受光範囲をそれぞれ示す図である。
【図6】パララックスにより被写体距離が異なることによって生じる問題を解決する実施例を示す図である。
【図7】(A)、(B)、(C)は広角時における被写体距離に応じたラインセンサの受光範囲を示す図であり、(D)は分割測距時の同ラインセンサの分割態様を示す図である。
【図8】(A)、(B)、(C)は標準時における被写体距離に応じたラインセンサの受光範囲を示す図であり、(D)は分割測距時の同ラインセンサの分割態様を示す図である。
【図9】(A)、(B)、(C)は望遠時における被写体距離に応じたラインセンサの受光範囲を示す図であり、(D)は分割測距時の同ラインセンサの分割態様を示す図である。
【図10】パララックスを有する場合に、被写体距離が異なることによって生じる問題を解決する他の実施例を示す図である。
【図11】撮影距離情報読取装置の概要を示す斜視図である。
【図12】焦点調節装置の概要を示す斜視図である。
【図13】本発明の自動焦点検出装置を適用したカメラの制御回路の実施例を示すブロック図である。
【図14】同制御回路におけるラインセンサ周辺をより具体的に示す回路図である。
【図15】同回路の各部のタイミングを示すタイミングチャートを示す図である。
【図16】(A)は、ラインセンサの蓄積制御時間を制御する回路図、(B)はそのタイミングチャートを示す図である。
【図17】本の発明の動作フローチャートの一実施の形態の一部を示す図である。
【図18】本の発明の動作フローチャートの一実施の形態の一部を示す図である。
【図19】本発明の補助投光装置の一実施の形態の光路を示す図である。
【図20】同補助投光装置のプリズムの斜視図である。
【図21】パッシブAF装置を備えたカメラの正面図である。
【図22】同パッシブAF装置の光学系の底面図である。
【図23】同パッシブAF装置の光学系の正面図である。
【図24】従来のラインセンサの構造を示す正面図である。
【図25】従来のカメラのファインダ視野と測距センサ領域の関係を示す図である。
【図26】従来のカメラのファインダ視野における、広角時と望遠時の問題を説明するための図である。
【図27】従来のカメラのファインダとアクティブ測距センサの位置関係の一例を示す図である。
【図28】同従来のカメラにおいて、近距離の被写体と遠距離の被写体とによって生じる問題を説明する図である。
【図29】従来のカメラのファインダとアクティブ測距センサの位置関係の他の例を示す図である。
【図30】同従来のカメラにおいて、近距離の被写体と遠距離の被写体とによって生じる問題を説明する図である。
【図31】従来のカメラのファインダとパッシブ自動焦点検出装置の位置関係の一例を示す図である。
【図32】同従来のカメラのマクロ撮影時における問題を説明する図である。
【図33】従来のカメラのファインダとパッシブ自動焦点検出装置の位置関係の他の例を示す図である。
【図34】同従来のカメラのマクロ撮影時における問題を説明する図である。
【図35】奥行きのある立体的被写体など、三次元被写体により生ずる問題を説明する図である。
【符号の説明】
12 撮影レンズ
14 変倍ファインダ
22 AFレンズ
23 AFレンズ
52 測距センサ(AFセンサ)
52A 52B ラインセンサ
53 53S 53T 53W 受光範囲
54 モニタセンサ
56 ファインダ視野
57 57T 57W 測距ゾーン
58 測距フレーム
64A 64B 64C 64D 64E 64F ラインセンサ
64S 64T 64W 受光範囲
64α 64β 64γ 分割受光範囲
66 ファインダ視野
67T 67W 測距ゾーン
68 測距フレーム
80 CPU
121 122 変倍ファインダの変倍レンズ
124 プリズム
125 ハーフミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体光束を分割して同一の被写体の像をラインセンサの少なくとも異なる二つの受光領域に投影し、このラインセンサの異なる二つの受光領域からの出力に基づいて焦点検出する自動焦点検出装置であって、上記ラインセンサを2列以上設け、上記検出に使用するラインセンサを、上記自動焦点検出装置が搭載された光学装置の可変条件に基づいて選択する制御手段を備えたこと、を特徴とする自動焦点検出装置。
【請求項2】 撮影光学系と、撮影光学系の光軸とは異なる光軸を有し、一対の被写体像をそれぞれラインセンサの異なる領域に投影する焦点検出光学系とを備え、上記ラインセンサを2列以上設け、上記撮影光学系の撮影条件に応じて使用するラインセンサを選択する制御手段、を備えたことを特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項3】 請求項2において、上記複数のラインセンサは、それぞれのラインセンサが延びる方向と直交する方向に離反して配置されていること、を特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項4】 請求項1から3のいずれか一項において、上記条件は被写体までの距離であり、上記焦点検出装置は、上記選択したラインセンサの二つの受光領域からの出力に基づいて被写体の距離を検出することを特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項5】 請求項2に記載のカメラは、上記撮影光学系及び焦点検出光学系とは異なる光軸を有するファインダ光学系を備えていること、を特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項6】 請求項5において、上記ファインダ光学系および焦点検出光学系の対物系はカメラボディの前面に上下に離反して設けられていて、上記複数列のラインセンサは、上下方向に離反して設けられていることを特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項7】 請求項1から6のいずれか一項において、上記自動焦点検出装置は、上記制御手段が選択したラインセンサの出力に基づいて被写体距離を演算する演算手段を備えたこと、を特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項8】 請求項3または6において、上記撮影光学系は焦点距離の変更が可能な撮影光学系であって、上記ファインダ光学系は、上記撮影光学系の焦点距離可変動作に連動して視野倍率を変える変倍ファインダ光学系であって、上記制御手段は、上記撮影光学系の焦点距離変更動作または変倍ファインダ光学系の視野倍率変更動作に応じてラインセンサを選択することを特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項9】 請求項2から8のいずれか一項において、撮影光学系は切換可能な通常撮影およびマクロ撮影機構を有し、上記制御手段は、通常撮影およびマクロ撮影に応じて使用するラインセンサおよび検出に使用する受光領域の範囲を選択することを特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項10】 請求項8において、上記焦点距離可変撮影光学系は切換可能な通常撮影およびマクロ撮影機構を有し、上記変倍ファインダ光学系は焦点距離可変撮影光学系がマクロ撮影機構のときには光軸を該焦点距離可変光学系の光軸方向に振り、上記制御手段は、上記変倍ファインダ光学系が通常撮影であるかマクロ撮影であるかにかかわらずファインダ視野における一定範囲の被写体像が投影されるラインセンサおよびその受光領域を選択使用することを特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項11】 請求項1から10のいずれか一項において、上記ラインセンサは、上記撮影光学系の撮影画面における一定の範囲内の被写体をその被写体距離または焦点距離にかかわらず受光可能な長さに形成され、上記制御手段は、上記撮影画面における一定範囲の被写体像が投影されるラインセンサの受光領域を検出に使用することを特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。
【請求項12】 請求項3または8において、上記制御手段は、被写体の距離を検出していないときには先ず、所定のラインセンサを選択し、その後、この所定のラインセンサで検出した被写体の距離に応じてラインセンサを選択することを特徴とする自動焦点検出装置を備えたカメラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図20】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図19】
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【図24】
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【図27】
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【図13】
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【図21】
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【図22】
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【図29】
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【図33】
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【図14】
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【図23】
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【図25】
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【図26】
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【図28】
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【図30】
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【図31】
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【図15】
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【図32】
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【図34】
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【図16】
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【図17】
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【図35】
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【図18】
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