説明

自動販売機および宣伝部材

【課題】屋外に設置されて夜間などの暗所でも外面に表記された広告コンテンツを良好に視認させることができる自動販売機および宣伝部材を提供する。
【解決手段】自動販売機100は、広告コンテンツ119が表記されている自動販売機100であって、たばこの広告コンテンツ119が蓄光塗料で前面と側面との少なくとも一方に表記されている。たばこの広告コンテンツ119が蓄光塗料で表記されているので、これらが電力を消費することなく発光する。従って、自動販売機100は、夜間などの暗所でも蓄光塗料による広告コンテンツ119によりたばこを顧客に訴求することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たばこ商品を宣伝する自動販売機および宣伝部材に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の自動販売機に要求されているのは販売のみならず、お客様へ商品を訴求するための広告媒体としての機能がある。そこで、現在の自動販売機では、前面のスペースなどを広告スペースとして活用し、そこにはたばこ商品の広告コンテンツの表記等がなされている。
【0003】
また、液晶ディスプレイで広告コンテンツを表示する自動販売機なども提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04−047393号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、自動販売機は広告媒体としての機能が重要となり、希少な顧客接点となっている。欧米においては、台数は少ないものの、今後は自動販売機が普及していく可能性がある。また、現在成長している開発途上国などの市場においては、今後、自動販売機が投入されることも想定され、その場合、同じく重要な顧客接点となる可能性がある。
【0006】
しかし、屋外に設置される自動販売機は、夜間などは商品見本を照明することでしかたばこを訴求することができず、外面に表記されている広告コンテンツなどは目視することが困難である。
【0007】
そこで、次世代の自動販売機においては、電子ペーパーや、液晶パネルなどのデジタルサイネージ機能を有したものが検討されているところではあるが、様々な障壁により、現状の自動販売機と同等の規模での展開は、まだ数年〜十数年先となると考えられている。
【0008】
本発明は上述のような課題に鑑みてなされたものであり、屋外に設置されて夜間などの暗所でも外面に表記された広告コンテンツを良好に視認させることができる自動販売機および宣伝部材を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の自動販売機は、広告コンテンツが表記されている自動販売機であって、たばこの広告コンテンツが蓄光塗料で前面と側面との少なくとも一方に表記されている。従って、本発明の自動販売機では、昼間などの明所では蓄光塗料で表記されている広告コンテンツが視認されてたばこ商品が訴求され、夜間などの暗所では蓄光塗料で表記されている広告コンテンツが発光するので、よりたばこ商品が訴求される。
【0010】
また、上述のような自動販売機において、前面にたばこの商品見本が配列されており、商品見本の各々に蓄光塗料が塗布されていてもよい。
【0011】
また、上述のような自動販売機において、前面にたばこの商品見本が配列されており、商品見本が配列されている部分に蓄光塗料が塗布されていてもよい。
【0012】
本発明の宣伝部材は、広告コンテンツが表記されている宣伝部材であって、たばこの広告コンテンツが蓄光塗料で表記されている。従って、本発明の宣伝部材では、昼間などの明所では蓄光塗料で表記されている広告コンテンツが視認されてたばこ商品が訴求され、夜間などの暗所では蓄光塗料で表記されている広告コンテンツが発光するので、よりたばこ商品が訴求される。
【0013】
なお、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0014】
なお、本発明で云う広告コンテンツとは、販売商品を宣伝する文字列や画像を意味している。また、本発明で云う暗所とは、商品見本や広告コンテンツを視認させるために照明や発光させることが必要な状態を意味している。
【発明の効果】
【0015】
本発明の自動販売機および宣伝部材では、昼間などの明所では蓄光塗料で表記されている広告コンテンツが視認されてたばこ商品を訴求することができ、夜間などの暗所では蓄光塗料で表記されている広告コンテンツが発光するので、よりたばこ商品を訴求することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態の自動販売機を示す模式的な斜視図である。
【図2】設置場所が暗所となった状態の自動販売機を示す模式的な斜視図である。
【図3】設置場所が暗所となった状態の一変形例の自動販売機を示す模式的な斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態の宣伝部材を示す模式的な斜視図である。
【図5】設置場所が暗所となった状態の宣伝部材を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の第一の形態を図1ないし図3を参照して以下に説明する。本実施の形態の自動販売機100は、広告コンテンツ119が表記されている自動販売機100であって、図1および図2に示すように、たばこの広告コンテンツ119が蓄光塗料で前面と側面との少なくとも一方に表記されている。
【0018】
より具体的には、本実施の形態の自動販売機100は、図1に示すように、販売機前部110と販売機後部120とを有している。これらは各々所定の厚さのボックス状に形成されており、側部のヒンジ機構(図示せず)により開閉自在に形成されている。
【0019】
販売機後部120には、例えば、販売商品であるたばこ商品などが収容されており、販売機前部110には、販売商品の搬出機構などの各種メカニズムが内蔵されている(図示せず)。
【0020】
自動販売機100は、前面にたばこ商品などの複数の商品見本111が配列されており、これら複数の商品見本111ごとに商品選択ボタン112が配列されている。
【0021】
また、自動販売機100の前面には、広告スペース118が確保されており、ここに蓄光塗料でたばこの広告コンテンツ119が表記されている。同様に、本実施の形態の自動販売機100では、販売機前部110と販売機後部120との側面に、たばこの広告コンテンツ119が蓄光塗料で表記されている。蓄光塗料は、例えば、硫化亜鉛(ZnS系)やアルミン酸ストロンチウム(SrAl系)を含有した塗料からなる。
【0022】
加えて、自動販売機100の前面には、コインが投入されるコイン投入部113、紙幣が投入される紙幣投入部114、釣銭が排出される釣銭排出部115、認証カードを認証するカード認証ユニット116、たばこ商品などの販売商品を排出する商品排出部117、等が形成されている。
【0023】
また、本実施の形態の自動販売機100は、正面だけでなく、側面にもたばこの広告コンテンツ119が表記されている。このため、正面に立ち止まり、購入する顧客のみならず、自動販売機100の近傍を歩行する顧客が広告コンテンツ119を目視することになる。従って、本実施の形態の自動販売機100は、上述のような広告コンテンツ119によりたばこを顧客に訴求することができる。
【0024】
ただし、この自動販売機100は屋外に設置されるため、図2に示すように、夜間などは暗所に位置することになる。ただし、商品見本111が配列されている位置は照明されているので、たばこ商品の購入には問題ない。
【0025】
さらに、本実施の形態の自動販売機100では、前面と側面とのたばこの広告コンテンツ119が蓄光塗料で表記されているので、これらが電力を消費することなく発光する。このため、夜間などでもたばこ商品を購入する顧客は自然と前面の広告コンテンツを視認することになる。
【0026】
また、夜間などに自動販売機100の近傍を歩行する顧客は、側面や前面の広告コンテンツ119を目視することになる。従って、本実施の形態の自動販売機100は、夜間などの暗所でも蓄光塗料による広告コンテンツ119によりたばこを顧客に訴求することができる。
【0027】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では自動販売機100の前面と側面との両方に蓄光塗料で広告コンテンツ119が表記されていることを例示したが、これが一方でもよい(図示せず)。
【0028】
さらに、上記形態では広告コンテンツ119のみが蓄光塗料で形成されていることを例示した。しかし、図3に示すように、自動販売機100の前面や側面に確保した広告スペース118の全域に蓄光塗料が塗布されていてもよい。
【0029】
また、上記形態では複数の商品見本111が配列されている位置は照明されていることを例示した。しかし、複数の商品見本111の各々に蓄光塗料が塗布されていてもよく、複数の商品見本111が配列されている部分に蓄光塗料が塗布されていてもよい。
【0030】
その場合、自動販売機100の設置位置が暗所となる時間Aと、蓄光塗料が発光する時間Bと、商品見本111が照明される時間Cとが、
A≦B+C
を満足すればよい。
【0031】
この場合、最初は暗所で商品見本111が時間Cまで照明され、この照明が終了しても蓄光塗料が時間Bまで発光する。このため、顧客が多数の夕刻などは商品見本111を電力で照明して良好に視認させ、顧客が少数の深夜などは商品見本111を蓄光塗料で発光させて視認させるようなことができる。なお、例えば、広告スペース118を半透明として後方から照明し、同様に暗所となる時間Aの間に広告コンテンツ119を視認されるようにすることもできる。
【0032】
つぎに、本発明の実施の第二の形態を図4および図5を参照して以下に説明する。本実施の形態の宣伝部材である立て看板200は、広告コンテンツ210が表記されている立て看板200であって、たばこの広告コンテンツ210が蓄光塗料で表記されている。
【0033】
従って、本実施の形態の立て看板200は屋外に設置され、昼間などの明所では、表記されている広告コンテンツ210が視認されることによりたばこ商品を訴求することができる。
【0034】
そして、本実施の形態の立て看板200は、夜間などの暗所では、図5に示すように、蓄光塗料で表記されている広告コンテンツ210が発光することにより、より効果的にたばこ商品を訴求することができる。
【0035】
なお、本発明は本実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で各種の変形を許容する。例えば、上記形態では広告コンテンツ210のみが蓄光塗料で形成されていることを例示した。しかし、立て看板200の全体に蓄光塗料が塗布されていてもよい(図示せず)。
【0036】
また、本実施の形態の立て看板200と同様な構造のポスターなども宣伝部材として実施可能である(図示せず)。
【符号の説明】
【0037】
100 自動販売機
110 販売機前部
111 商品見本
112 商品選択ボタン
113 コイン投入部
114 紙幣投入部
115 釣銭排出部
116 カード認証ユニット
117 商品排出部
118 広告スペース
119 広告コンテンツ
120 販売機後部
200 立て看板
210 広告コンテンツ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告コンテンツが表記されている自動販売機であって、
たばこの前記広告コンテンツが蓄光塗料で前面と側面との少なくとも一方に表記されている自動販売機。
【請求項2】
前面にたばこの商品見本が配列されており、前記商品見本の各々に蓄光塗料が塗布されている請求項1に記載の自動販売機。
【請求項3】
前面にたばこの商品見本が配列されており、前記商品見本が配列されている部分に蓄光塗料が塗布されている請求項1に記載の自動販売機。
【請求項4】
広告コンテンツが表記されている宣伝部材であって、
たばこの前記広告コンテンツが蓄光塗料で表記されている宣伝部材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−208545(P2012−208545A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71427(P2011−71427)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000004569)日本たばこ産業株式会社 (406)
【Fターム(参考)】