説明

自在帽子

【課題】デザイン性、使いやすさ、多彩なバリエーションの全てを兼ね備えた自在帽子を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、伸縮性に優れ、上下が開放した筒状の布からなる自在帽子において、当該帽子の下縁部を構成し、着用者の額周辺に位置するフィッティング部と;前記フィッティング部から筒状に上方に延びる形態調整部とを備える。また、前記形態調整部の前方部分は後方部分よりも長く、当該帽子の背面には、前記形態調整部の先端側又は着用者の髪を通して保持可能なリング状の第1保持部が形成される。更に、前記第1保持部の下方には、前記第1保持部よりも径の小さなリング状の第2保持部が形成され、前記形態調整部の先端又は当該帽子の一部を保持可能となっている。そして、前記第1保持部及び第2保持部と、前記形態調整部との使用形態によって、複数種類の帽子スタイルを構成可能であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のスタイルで使用可能な帽子に関する。
【背景技術】
【0002】
これまで、ネックウォーマー、帽子、マフラー、バンダナ等の複数の用途を兼ねた帽子が種々提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案3032601号公報
【特許文献2】特開2010−119816号公報
【特許文献3】特開2009−270245号公報
【特許文献4】登録実用新案3139126号公報
【特許文献5】登録実用新案3105271号公報
【0004】
しかしながら、従来の多用途帽子は、デザイン性、使いやすさ、多彩なバリエーションの全てを兼ね備えたものが存在しなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記のような状況に鑑みてなされたものであり、デザイン性、使いやすさ、多彩なバリエーションの全てを兼ね備えた自在帽子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記のような目的を達成するために、本発明は、伸縮性に優れ、上下が開放した筒状の布からなる自在帽子において、当該帽子の下縁部を構成し、着用者の額周辺に位置するフィッティング部と;前記フィッティング部から筒状に上方に延びる形態調整部とを備える。また、前記形態調整部の前方部分は後方部分よりも長く、当該帽子の背面には、前記形態調整部の先端側又は着用者の髪を通して保持可能なリング状の第1保持部が形成される。更に、前記第1保持部の下方には、前記第1保持部よりも径の小さなリング状の第2保持部が形成され、前記形態調整部の先端又は当該帽子の一部を保持可能となっている。そして、前記第1保持部及び第2保持部と、前記形態調整部との使用形態によって、複数種類の帽子スタイルを構成可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、構造的にシンプルでありながら、多彩なバリエーションに容易に変更でき、更にファッション性にも優れる帽子を提供できる。

【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本発明に係る帽子の正面図である。
【図2】図2は、本発明に係る帽子の左側面図である。
【図3】図3は、本発明に係る帽子の背面図である。
【図4】図4は、本発明に係る帽子の使用形態及びかぶり方を示す説明図である。
【図5】図5は、本発明に係る帽子の使用形態及びかぶり方を示す説明図である。
【図6】図6は、本発明に係る帽子の使用形態及びかぶり方を示す説明図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1〜図3は、本発明に係る帽子の正面図、左側面図及び背面図である。本発明に係る帽子は、伸縮性に優れ、上下が開放した筒状の布からなる自在帽子である。図1〜図3に示すように、本発明の帽子は、下縁部を構成し、着用者の額周辺に位置するフィッティング部10と;フィッティング部10から上方に延びる形態調整部12とを備えている。
【0010】
形態調整部12の前方部分は後方部分よりも長く、竹を斜めに切ったような形状となっている。帽子の背面には、形態調整部12の先端側12a又は着用者の髪を通して保持可能なリング状の第1保持部14が設けられている。第1保持部14は、外周の一部分のみが帽子に対して固定され、着用者の髪の毛と形態調整部12の何れか一方又は両方を保持でき、それ自体を輪ゴムのように1重又は2重以上にして締め付け強さが調整可能となっている。
【0011】
第1保持部14は、図2及び図3に示すように、フィッティング部10より上側の形態調整部12に設けることが好ましく、髪をまとめる通常の位置(ポニーテールのまとめる位置)付近に配置する。第1保持部14の下方には、第1保持部14よりも径の小さなリング状又はベルト状の第2保持部16が形成され、形態調整部12の先端又は当該帽子の一部を保持可能となっている。第2保持部16は、形態調整部12の先端12aやタグ(図示せず)を最終的に保持することを基本的な機能とするため、第1保持部14より下方のフィッティング部10に設け、帽子の後方がヒラヒラとしないように固定することができる。
【0012】
そして、第1保持部14及び第2保持部16と、形態調整部12との使用形態によって、複数種類の帽子スタイルを構成可能となっている。なお、第1保持部14及び第2保持部16は、本体部(10,12)と同一の素材で形成することができる。また、第1保持部14はチューブ状の伸縮性生地の内部に環状のゴムを挿入して構成することができる。第2保持部16をベルト状とした場合には、左右両端部のみを本体部(10,12)に固定する。
【0013】
形態調整部12の内側には、タグ(ネームタグ等)が設けられ、当該タグを第2保持部16に差し込むことによって形態調整部12を固定可能になっている。本発明に係る帽子は、1枚の布又は複数枚の布を縫い合わせることによって構成することができる。フィッティング部10は、該当箇所にギャザーを設けることによって伸縮性を強め、着用者の額周辺にフィットするようになっている。
【0014】
ここで、帽子本体は、伸縮性のある生地として、2WAYストレッチ生地(一般的に、水着の素材として使用されている生地)または、ニット生地(セーターなどの生地)で製造することができる。素材は、ポリエステルとポリウレタンの混合(例えば、ポリエステル85%ポリウレタン15%)や、ナイロン80%ポリウレタン20%等を使用することができる。
【0015】
次に、図4〜図6を参照して、本発明に係る帽子の使用形態及び、かぶり方について説明する。図4に示す「スタイル1」では、(1)両手で帽子のフィッティング部10を広げ、(2)頭からかぶって首まで下げる。次に、(3)髪の毛を全て外に出した状態で帽子を引き上げる。最後に、(4)額にフィッティング部10を合わせ、形態調整部12を後方に垂らす。スタイル1は、本発明の帽子を使用する上での準備段階と言えるが、そのまま使用しても何ら問題はない。
【0016】
次に、図4に示す「スタイル2」において完成した状態を横及び後から見た様子を示す。かぶり方としては、先ず、(1)スタイル1の準備段階から、形態調整部12の先端部12a側を顔の前に垂らして、髪を留める。次に、(2)形態調整部12を上方に持ち上げて、全体の形状を整える。その後、(3)タグ(図示せず)を第2保持部16の中に通して、固定する。
【0017】
次に、図5に示す「スタイル3」において完成した状態を横及び後から見た様子を示す。かぶり方としては、(1)〜(3)に示すように、スタイル1の準備段階から、形態調整部12をつまんで、第1保持部14を輪ゴムのように使って、形態調整部12だけをまとめる。この時、予め髪の毛はスタイル2(2)のようにまとめておく。
【0018】
次に、図5に示す「スタイル4」において完成した状態を横及び後から見た様子を示す。かぶり方としては、(1)に示すように、スタイル1の準備段階から、予めまとめた髪を形態調整部12で包み込む。その後、(2)第1保持部14を輪ゴムのように使って、包まれた髪の毛を第1保持部14で固定する。
【0019】
次に、図5に示す「スタイル5」において完成した状態を横及び後から見た様子を示す。かぶり方としては、(1)に示すように、スタイル1の準備段階から、まとめてない状態の髪を形態調整部12で包み込む。次に、(2)−(3)に示すように、第1保持部14を輪ゴムのように使って、髪の毛と形態調整部12とを一緒に第1保持部14で留め、髪を回して固定する。
【0020】
次に、図6に示す「スタイル6」、「スタイル7」において完成した状態を横及び後から見た様子を示す。スタイル6は、スタイル1と同じである。スタイル7では帽子をヘアバンドのようにし、第1保持部14で髪の毛をまとめる。図6の(1)、(2)は、形態調整部12の長さを調整する方法を示す。長さを短くする場合には、形態調整部12の下側をフィッティング部10の内側に入れ込む。
【0021】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲に示された技術的思想の範疇において変更可能なものである。
【符号の説明】
【0022】
10:フィッティング部(ギャザー)
12:形態調整部
14:第1保持部
16:第2保持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伸縮性に優れ、上下が開放した筒状の布からなる自在帽子において、
当該帽子の下縁部を構成し、着用者の額周辺に位置するフィッティング部と;
前記フィッティング部から筒状に上方に延びる形態調整部とを備え、
前記形態調整部の前方部分は後方部分よりも長く、
当該帽子の背面には、前記形態調整部の先端側又は着用者の髪を通して保持可能なリング状の第1保持部が形成され、
前記第1保持部の下方には、前記第1保持部よりも径の小さなリング状の第2保持部が形成され、前記形態調整部の先端又は当該帽子の一部を保持可能となっており、
前記第1保持部及び第2保持部と、前記形態調整部との使用形態によって、複数種類の帽子スタイルを構成可能であることを特徴とする自在帽子。
【請求項2】
前記第1保持部は、外周の一部分のみが当該帽子に対して固定され、着用者の髪の毛と前記形態調整部の何れか一方又は両方を保持でき、それ自体を輪ゴムのように1重又は2重以上にして締め付け強さが調整可能であることを特徴とする請求項1に記載の自在帽子。
【請求項3】
前記形態調整部の内側には、タグが設けられ、当該タグを前記第2保持部に差し込むことによって前記形態調整部を固定可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自在帽子。
【請求項4】
当該帽子は1枚の布から構成され、
前記フィッティング部は、該当箇所にギャザーを設けることによって形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の自在帽子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−237076(P2012−237076A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−106805(P2011−106805)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(594056100)フットマーク株式会社 (8)