説明

茸栽培用補助具および茸栽培方法

【課題】容器に収容して積み重ねた栽培ビンの荷崩れを防止する。
【解決手段】栽培ビン11で茸を栽培する茸栽培に使用可能に構成され、平面視矩形に形成された枠部材2と、枠部材2に連結されて枠部材2によって囲まれた矩形の領域を複数の区画領域Adに区画する区画部材3とを備え、複数の栽培ビン11が縦横に整列した状態でコンテナ21に収容された複数の収容済コンテナ21aを近接して並べた状態において、各収容済コンテナ21aに収容されている各栽培ビン11が対応する各区画領域Adにそれぞれ位置するように各栽培ビン11に装着される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、栽培ビンで茸を栽培する茸栽培に用いる茸栽培用補助具、および栽培ビンで茸を栽培する際に茸栽培用補助具を用いる茸栽培方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の茸栽培方法として、例えば、特開2000−175558号公報に開示された栽培ビンおよび栽培ビン用トレイ(以下、「トレイ」ともいう)を用いた茸栽培方法が知られている。この種の栽培ビンおよびトレイを用いた茸栽培方法では、まず、培地を充填した栽培ビンをトレイに並べて収容し、栽培ビンを収容したトレイ(以下、「収容済トレイ」ともいう)を、搬送用のパレット上に並べ、さらに各収容済トレイ上に他の収容済トレイを多段に積み重ねる。このようにして積み重ねられた収容済トレイは、殺菌工程、種菌の植え付け工程、培養工程、および菌糸の掻き落とし工程などの各工程が行われる設備や作業場所に搬送されたり、保管されたりする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−175558号公報(第2−3頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記した従来の茸栽培方法には、以下の問題点がある。すなわち、従来の茸栽培方法では、収容済トレイを多段に積み重ねた状態で搬送や保管が行われる。このため、搬送時の揺れが大きいとき、および培養工程や育成工程を行っている間(保管中)に地震が発生したときには、最上部に積み重ねた収容済トレイ内の栽培ビンが揺動して転倒することがある。そして、これに起因して積み重ねた各収容済トレイのバランスが崩れて、各収容済トレイ内の栽培ビンが荷崩れするおそれがあるという問題点が存在する。
【0005】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、容器に収容して積み重ねた栽培ビンの荷崩れを防止し得る茸栽培用補助具および茸栽培方法を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく請求項1記載の茸栽培用補助具は、栽培ビンで茸を栽培する茸栽培に用いる茸栽培用補助具であって、平面視矩形に形成された枠部材と、当該枠部材に連結されて当該枠部材によって囲まれた矩形の領域を複数の区画領域に区画する区画部材とを備え、複数の前記栽培ビンが縦横に整列した状態で容器に収容された複数の収容済容器を近接して並べた状態において、前記各収容済容器に収容されている前記各栽培ビンが対応する前記各区画領域にそれぞれ位置するように前記各収容済容器および当該各栽培ビンの少なくとも一方に装着される。
【0007】
また、請求項2記載の茸栽培用補助具は、請求項1記載の茸栽培用補助具において、前記区画部材は、4つの前記区画領域が縦横に2つずつ整列するように前記枠部材に連結されている。
【0008】
また、請求項3記載の茸栽培方法は、栽培ビンで茸の栽培を行う茸栽培方法であって、複数の前記栽培ビンを縦横に整列した状態で容器に収容し、当該栽培ビンを収容した収容済容器を複数近接して並べ、平面視矩形に形成された枠部材と、当該枠部材に連結されて当該枠部材によって囲まれた矩形の領域を複数の区画領域に区画する区画部材とを備えた茸栽培用補助具を用いて、前記各収容済容器に収容されている前記各栽培ビンが前記茸栽培用補助具における対応する前記各区画領域にそれぞれ位置するように当該茸栽培用補助具を当該収容済容器および当該各栽培ビンの少なくとも一方に装着し、その状態で前記茸の栽培を行う。
【0009】
また、請求項4記載の茸栽培方法は、請求項3記載の茸栽培方法において、4つの前記収容済容器を縦横に2つずつ整列させて近接して並べ、4つの前記区画領域が縦横に2つずつ整列するように前記区画部材が前記枠部材に連結された前記茸栽培用補助具を前記各収容済容器および前記各栽培ビンの少なくとも一方に装着する。
【0010】
また、請求項5記載の茸栽培方法は、請求項3または4記載の茸栽培方法において、前記近接して並べた各収容済容器上に他の収容済容器を1個または複数個ずつ積み重ね、最上段の前記各収容済容器、および当該最上段の各収容済容器に収容されている前記各栽培ビンの少なくとも一方にのみ前記茸栽培用補助具を装着する。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の茸栽培用補助具は、平面視矩形に形成された枠部材と、枠部材によって囲まれた矩形の領域を複数の区画領域に区画する区画部材とを備えて構成され、請求項3記載の茸栽培方法では、複数の栽培ビンを収容した収容済容器を複数近接して並べ、各収容済容器に収容されている各栽培ビンが茸栽培用補助具における対応する各区画領域にそれぞれ位置するように茸栽培用補助具を収容済容器および各栽培ビンの少なくとも一方に装着する。この場合、茸栽培用補助具を装着(載置)することで、各収容済容器や各栽培ビンが茸栽培用補助具に取り囲まれ、これによって栽培ビンの揺動や、各収容済容器同士が互いに近接したり離間したりする動きを規制し、この結果、積み重ねた各収容済容器内の栽培ビンの荷崩れを確実に防止することができる。したがって、この茸栽培用補助具および茸栽培方法によれば、搬送時の揺れが大きかったり、保管時において仮に地震が発生したとしても、栽培ビンの荷崩れを確実に防止することができる結果、荷崩れに起因する生産ロスを防止して、生産効率を十分に向上させることができる。また、この茸栽培用補助具および茸栽培方法によれば、収容済容器に茸栽培用補助具を載置するだけの容易な作業で茸栽培用補助具を装着することができるため、装着作業の効率を十分に向上させることができる。また、茸栽培用補助具の構造が単純なため、茸栽培用補助具の製造コストを十分に低減することができる。
【0012】
また、請求項2記載の茸栽培用補助具では、4つの区画領域が縦横に2つずつ整列するように区画部材が枠部材に連結され、請求項4記載の茸栽培方法では、縦横に2つずつ整列させて近接して並べた4つの収容済容器、および各収容済容器に収容されている各栽培ビンの少なくとも一方にその茸栽培用補助具を装着する。この場合、区画領域がこのように配置されていることで、縦方向および横方向のいずれの方向に揺れが発生したとしても、各栽培ビンの揺動や、各収容済容器同士が互いに近接したり離間したりする動きを確実に規制することができるため、栽培ビンの荷崩れをより確実に防止することができる。
【0013】
また、請求項5記載の茸栽培方法によれば、近接して並べた各収容済容器上に他の収容済容器を1個または複数個ずつ積み重ね、最上段の各収容済容器、および最上段の各収容済容器に収容されている各栽培ビンの少なくとも一方にのみ茸栽培用補助具を装着することにより、少ない数の茸栽培用補助具で栽培ビンの荷崩れを確実に防止することができる。このため、この茸栽培方法によれば、装着する茸栽培用補助具の数を少なく抑えることができる結果、装着する作業効率を向上させることができると共に、茸栽培用補助具の数が少ない分、コストを削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】茸栽培用補助具1の構成を示す平面図である。
【図2】茸栽培方法を説明する第1の説明図である。
【図3】茸栽培方法を説明する第2の説明図である。
【図4】茸栽培方法を説明する第3の説明図である。
【図5】茸栽培方法を説明する第4の説明図である。
【図6】茸栽培方法を説明する第5の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、茸栽培用補助具1および茸栽培方法の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
【0016】
最初に、図1に示す茸栽培用補助具1(以下、単に「補助具1」ともいう)の構成について説明する。この補助具1は、えのき茸など茸(子実体)400を栽培ビン11を用いて栽培する際に(図2参照)、保管時(後述する培養工程の実行時等)および移動時における栽培ビン11の揺動(転倒)を規制するために用いられる。
【0017】
具体的には、補助具1は、図1に示すように、枠部材2および区画部材3を備えて構成されている。枠部材2は、例えば、直径が10mm程度の金属製(鉄製)の棒状材料を折り曲げて、端部同士を溶接によって接合することにより、略正方形(または、略長方形)に形成されている。区画部材3は、例えば、枠部材2を構成する棒状材料と同じ金属製の棒状材料を用いて略十字状に形成されている。また、区画部材3は、各端部が枠部材2に溶接によって接合されることにより、同図に示すように、枠部材2によって囲まれた矩形領域Aを複数(この例では4つ)の区画領域Adに区画する。
【0018】
この場合、この補助具1は、以下のようにして用いられる。具体的には、補助具1は、図3に示すように、複数の栽培ビン11を縦横に整列した状態でコンテナ21に収容し(栽培ビン11を収容したコンテナ21が収容済容器に相当し、以下このコンテナ21を「収容済コンテナ21a」ともいう)、図5に示すように、収容済コンテナ21aを複数近接して並べた状態(この例では、4つの収容済コンテナ21aを縦横に2つずつ整列させて並べた状態)において、1つの収容済コンテナ21aに収容されている各栽培ビン11を1つの区画領域Adに嵌め込ませるようにして(各栽培ビン11が1つの区画領域Ad内に位置するようにして)、各栽培ビン11に装着される。このため、この補助具1は、同図に示すように、1つのコンテナ21を平面視したときの開口部(収容部分)の大きさと1つの区画領域Adの大きさが同程度となるように形成されている。
【0019】
次に、補助具1を用いて茸を栽培する茸栽培方法について、図面を参照して説明する。
【0020】
まず、栽培ビン11内に培地200(図2参照)を充填する充填工程を行う。この場合、培地200は、主原料としてのおが屑等に養分補給用の各種の添加物を添加し、適度な含水率で水分を含ませたものを用いる。また、この例では、容量が850ml程度の栽培ビン11を用いる。
【0021】
次いで、図3に示すように、培地200を充填した栽培ビン11をコンテナ21に収容する収容工程を行う。コンテナ21は、例えば、樹脂によって形成され、上部に平面視矩形の開口部を有する箱形に構成されている。また、コンテナ21は、栽培ビン11を収容する収容部分の底部が平坦に形成されている。この例では、一例として、栽培ビン11を縦方向および横方向にそれぞれ4個ずつ並べて、合計で16個の栽培ビン11を収容可能なコンテナ21を用いる。
【0022】
続いて、図4,5に示すように、フォークリフトによる搬送が可能なパレット31上に、栽培ビン11を収容した収容済コンテナ21aを積載する積載工程を行う。この例では、4つの収容済コンテナ21aを並べた状態で載置可能な大きさのパレット31を用いる。このパレット31に収容済コンテナ21aを積載する際には、4つの収容済コンテナ21aが縦横に2つずつ整列して互いに近接するようにパレット31上に並べて載置する。次いで、パレット31上に並べて載置した各収容済コンテナ21aの上に、収容済コンテナ21aを積み重ねる。この例では、図4に示すように、収容済コンテナ21aを6段に積み重ねる。
【0023】
続いて、図4,5に示すように、最上段に積み重ねた各収容済コンテナ21aに収容されている各栽培ビン11に補助具1を装着する。具体的には、図5に示すように、1つの収容済コンテナ21aに収容されている16個の栽培ビン11を1つの区画領域Adに嵌め込ませるようにして(16個の栽培ビン11が1つの区画領域Ad内に位置するようにして)、補助具1を各収容済コンテナ21aの上に載置することにより、各収容済コンテナ21aに収容されてい各栽培ビン11に補助具1を装着する。この際に、補助具1を構成する枠部材2および区画部材3によって各栽培ビン11が取り囲まれて、これによって各栽培ビン11の揺動が規制されると共に、各収容済コンテナ21a同士が互いに近接したり離間したりする動きが規制される。なお、以下の説明において、パレット31上に収容済コンテナ21aを積み重ね、補助具1を装着した状態のものを全体として「積層体100」ともいう。
【0024】
次いで、フォークリフトを用いて、積層体100を図外の殺菌室に搬入し、栽培ビン11内に充填した培地200を蒸気で殺菌する殺菌工程を行う。この場合、最上段に積み重ねた各収容済コンテナ21aに収容されている各栽培ビン11に補助具1を装着したことで、各栽培ビン11の揺動が規制されると共に、各収容済コンテナ21a同士が互いに近接したり離間したりする動きが規制されている。このため、搬送時の揺れが大きい場合においても、栽培ビン11が転倒して落下して、これに起因して積み重ねた各収容済コンテナ21a内の栽培ビン11の荷崩れする事態が確実に防止される。
【0025】
続いて、殺菌工程の終了後に、積層体100を殺菌室から搬出する。次いで、パレット31から各収容済コンテナ21aを降ろして、各収容済コンテナ21aに収容されている栽培ビン11内の殺菌済みの培地200に茸菌糸(種菌)を植え付ける植え付け工程を行う。
【0026】
続いて、上記した積載工程を再び行ってパレット31上に収容済コンテナ21aを積み重ねると共に、最上段の収容済コンテナ21aに収容されている各栽培ビン11に補助具1を装着して積層体100とする。次いで、積層体100を図外の培養室に搬入する。この場合、図6に示すように、積層体100の上にさらに他の積層体100を積み重ねる。このような積み重ねを行うことで、数多くの積層体100(つまり、数多くの栽培ビン11)を培養室に効率的に収容することができる。続いて、培養室内を一定の温度に維持して菌糸を成長させる培養工程を行う。
【0027】
ここで、この栽培方法では、上記したように、最上段に積み重ねた各収容済コンテナ21aに収容されている栽培ビン11に補助具1を装着しているため、各栽培ビン11の揺動が規制されると共に、各収容済コンテナ21a同士が互いに近接したり離間したりする動きが規制されている。このため、培養工程を行っている間(培養室に保管されている間)に仮に地震が発生したとしても、栽培ビン11が転倒して落下して、これに起因して積み重ねた各収容済コンテナ21a内の栽培ビン11の荷崩れする事態が確実に防止される。
【0028】
次いで、培養工程を行うことによって栽培ビン11内において菌糸がある程度成長した段階で、積層体100を培養室から搬出する。続いて、パレット31から収容済コンテナ21aを降ろして、各収容済コンテナ21aに収容されている栽培ビン11内の菌糸を掻き取って発芽(芽出し)を促すための菌掻き工程を行う。
【0029】
次いで、菌掻き工程が終了した収容済コンテナ21aを図外の育成室に搬入し、育成室内を一定の温度に維持して子実体(食用に供する部分)を発芽(芽出し)させる育成工程を行う。この場合、育成室には、収容済コンテナ21a同士を子実体の成長分だけ離間させて載置可能な棚が備えられており、各収容済コンテナ21aは、各棚に載置される。また、育成工程においては、子実体の成長過程における子実体の横方向への伸び(広がり)を規制するためのカバー12(図2参照)を栽培ビン11の上部に取り付ける作業を行う。続いて、子実体が十分に生育した段階で、各収容済コンテナ21aを育成室から搬出し、子実体を収穫する。以上により、この茸栽培方法に沿った各工程が終了する。
【0030】
このように、この補助具1は、平面視矩形に形成された枠部材2と、枠部材2によって囲まれた矩形領域Aを複数の区画領域Adに区画する区画部材3とを備えて構成され、この茸栽培方法では、複数の栽培ビン11を収容した収容済コンテナ21aを複数近接して並べ、各収容済コンテナ21aの各栽培ビン11を補助具1における対応する各区画領域Adに嵌め込ませるように(各栽培ビン11が各区画領域Adにそれぞれ位置するように)各収容済コンテナ21aに収容されている各栽培ビン11に補助具1を装着する。この場合、補助具1を装着(載置)することで、栽培ビン11が補助具1に取り囲まれ、これによって栽培ビン11の揺動や、各収容済コンテナ21a同士が互いに近接したり離間したりする動きを規制し、この結果、積み重ねた各収容済コンテナ21a内の栽培ビン11の荷崩れを確実に防止することができる。したがって、この補助具1および茸栽培方法によれば、搬送時の揺れが大きかったり、保管時において仮に地震が発生したとしても、栽培ビン11の荷崩れを確実に防止することができる結果、荷崩れに起因する生産ロスを防止して、生産効率を十分に向上させることができる。また、この補助具1および茸栽培方法によれば、収容済コンテナ21aに補助具1を載置するだけの容易な作業で補助具1を装着することができるため、装着作業の効率を十分に向上させることができる。また、補助具1の構造が単純なため、補助具1の製造コストを十分に低減することができる。
【0031】
また、この補助具1では、4つの区画領域Adが縦横に2つずつ整列するように区画部材3が枠部材2に連結され、この茸栽培方法では、縦横に2つずつ整列させて近接して並べた4つの収容済コンテナ21aに収容されている各栽培ビン11にその補助具1を装着する。この場合、区画領域Adがこのように配置されていることで、縦方向および横方向のいずれの方向に揺れが発生したとしても、各栽培ビン11の揺動や、各収容済コンテナ21a同士が互いに近接したり離間したりする動きを確実に規制することができるため、栽培ビン11の荷崩れをより確実に防止することができる。
【0032】
また、この茸栽培方法によれば、収容済コンテナ21aを複数個ずつ積み重ね、その最上段の収容済コンテナ21aに収容されている各栽培ビン11にのみ補助具1を装着することにより、少ない数の補助具1で栽培ビン11の荷崩れを確実に防止することができる。このため、この茸栽培方法によれば、装着する補助具1の数を少なく抑えることができる結果、装着する作業効率を向上させることができると共に、補助具1の数が少ない分、コストを削減することができる。
【0033】
なお、茸栽培用補助具および茸栽培方法は、上記の構成および方法に限定されず、適宜変更することができる。例えば、区画領域Adを4つ有する補助具1、およびその補助具1を用いる茸栽培方法を例に挙げて説明したが、4つ以外の任意の複数(一例として、2つ、6つ、および8つ)の区画領域Adを有する茸栽培用補助具、およびその茸栽培用補助具を用いる茸栽培方法を採用することもできる。
【0034】
また、金属製の棒状材料で形成した補助具1を例に挙げて説明したが、樹脂製の棒状材料や管状材料をつなぎ合わせて形成した茸栽培用補助具を採用することもできるし、木材で形成した茸栽培用補助具を採用することもできる。
【0035】
また、多段に積み重ねた収容済コンテナ21aのうちの最上段の収容済コンテナ21aにのみ補助具1を装着する例について上記したが、任意の段の収容済コンテナ21aに補助具1を装着することができる。例えば、各段の収容済コンテナ21aに補助具1を装着してもよいし、1段おきに補助具1を装着してもよい。
【0036】
また、上記の例では、各収容済コンテナ21aに収容されている各栽培ビン11を補助具1で取り囲むようにして各栽培ビン11に補助具1を装着(つまり、栽培ビン11のみに補助具1を装着)する例について上記したが(図5,6参照)、収容済コンテナ21a(コンテナ21)の上部に当接した状態で補助具1を装着(つまり、収容済コンテナ21aおよび栽培ビン11の双方に補助具1を装着)させてもよく、また、収容済コンテナ21aの上部を補助具1で取り囲むようにして補助具1を装着(つまり、収容済コンテナ21aのみに補助具1を装着)することもできる。
【符号の説明】
【0037】
1 茸栽培用補助具
2 枠部材
3 区画部材
11 栽培ビン
21a 収容済コンテナ
31 パレット
400 茸
A 矩形領域
Ad 区画領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
栽培ビンで茸を栽培する茸栽培に用いる茸栽培用補助具であって、
平面視矩形に形成された枠部材と、当該枠部材に連結されて当該枠部材によって囲まれた矩形の領域を複数の区画領域に区画する区画部材とを備え、
複数の前記栽培ビンが縦横に整列した状態で容器に収容された複数の収容済容器を近接して並べた状態において、前記各収容済容器に収容されている前記各栽培ビンが対応する前記各区画領域にそれぞれ位置するように前記各収容済容器および当該各栽培ビンの少なくとも一方に装着される茸栽培用補助具。
【請求項2】
前記区画部材は、4つの前記区画領域が縦横に2つずつ整列するように前記枠部材に連結されている請求項1記載の茸栽培用補助具。
【請求項3】
栽培ビンで茸の栽培を行う茸栽培方法であって、
複数の前記栽培ビンを縦横に整列した状態で容器に収容し、当該栽培ビンを収容した収容済容器を複数近接して並べ、
平面視矩形に形成された枠部材と、当該枠部材に連結されて当該枠部材によって囲まれた矩形の領域を複数の区画領域に区画する区画部材とを備えた茸栽培用補助具を用いて、前記各収容済容器に収容されている前記各栽培ビンが前記茸栽培用補助具における対応する前記各区画領域にそれぞれ位置するように当該茸栽培用補助具を当該収容済容器および当該各栽培ビンの少なくとも一方に装着し、その状態で前記茸の栽培を行う茸栽培方法。
【請求項4】
4つの前記収容済容器を縦横に2つずつ整列させて近接して並べ、
4つの前記区画領域が縦横に2つずつ整列するように前記区画部材が前記枠部材に連結された前記茸栽培用補助具を前記各収容済容器および前記各栽培ビンの少なくとも一方に装着する請求項3記載の茸栽培方法。
【請求項5】
前記近接して並べた各収容済容器上に他の収容済容器を1個または複数個ずつ積み重ね、
最上段の前記各収容済容器、および当該最上段の各収容済容器に収容されている前記各栽培ビンの少なくとも一方にのみ前記茸栽培用補助具を装着する請求項3または4記載の茸栽培方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−9602(P2013−9602A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142618(P2011−142618)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(511157561)有限会社雪国 (1)
【Fターム(参考)】