荷崩れ防止用締め具およびそれを用いた荷崩れ防止装置
【課題】 作業者に関わらず所定の索引力を加えることができる荷崩れ防止用締め具を提供する。
【解決手段】 この発明は、パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により、上下から荷物を挟み、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具10において、荷崩れ防止用締め具10は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルト4の他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル16と、ベルトに張力を与える方向に付勢力を有しベルトの巻き締め力を調整するスプリングと、荷崩れ防止用ベルト4に対して所定の締め付け力を付加する締め付けバックルと、を備える。
【解決手段】 この発明は、パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により、上下から荷物を挟み、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具10において、荷崩れ防止用締め具10は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルト4の他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル16と、ベルトに張力を与える方向に付勢力を有しベルトの巻き締め力を調整するスプリングと、荷崩れ防止用ベルト4に対して所定の締め付け力を付加する締め付けバックルと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、段ボール等に各種部品、商品等を内包させた荷物をパレット上に前記荷物を載置した形態にて流通に供する場合、パレット上に荷物を固定保持するとともに、段ボール箱等のズレ防止のための荷崩れ防止用締め具およびそれを用いた荷崩れ防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から各種物品、商品等を収めた多くの段ボール箱等を輸送する場合には、これらをパレット上に複数段にして積み上げた荷姿にし、積み上げた状態のままその周囲をストレッチフィルムで幾重にも巻き、PP(ポリプロピレン)バンドでパレットと荷物の一体化を図り、輸送時に荷崩れを生じないようにしている。
【0003】
上記の方法では、ストレッチフィルムやPPバンドの装着や取り外しの際に、作業者は積載された荷物の周りを何度も周回せねばならず、手間がかかり煩わしく、且つ時間を要していた。
【0004】
さらに、取り外したストレッチフィルムやPPバンドは再度利用できないため廃棄処分され、経費と資源の無駄となっている。
【0005】
そこで、産業廃棄物の削減や資源の有効活用面からもストレッチフィルムやPPバンドに変わる荷崩れ防止ベルトが種々提案されている。
【0006】
荷崩れ防止ベルトは、ベルトを荷物に巻き付け、ベルトを締め付けて荷物を固定している。この荷崩れ防止ベルトとしては、ベルト部材の一端部にリング状の係止部材を設け、他端部側に面ファスナー部材を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この荷崩れ防止ベルトは、ベルト部材を荷物の周囲に巻回させ、巻回後、ベルト部材の他端部をベルト部材の一端部側に設けられた係止部材に挿通させる。挿通後、係止部材を支点に折り返して、牽引し、荷物に締め付け力が加わった状態で、面ファスナー相互を貼り付け固定することにより、荷物を固定、結束するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−153412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
荷崩れを防止するためには、かかる荷崩れ防止ベルトを締め具により、所定の締め付け力で固定する必要がある。しかしながら、ベルトを係止部材に挿通後、係止部材を支点に折り返して、牽引する際に、作業者によりその索引力は左右される。すなわち、作業者によれば、必要以上にベルトを索引して、荷物等の段ボール箱等を破損する場合がある。一方、索引力が弱い場合には、十分に荷物を固定することができず、運搬中に荷崩れを起こしてしまう等の問題があった。
【0009】
この発明の目的は、上記した従来の問題点を解決するためになされたものにして、作業者に関わらず所定の索引力を加えることができる荷崩れ防止用締め具およびそれを用いた荷崩れ防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されるように構成することができる。
【0012】
また、前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されるように構成することができる。
【0013】
また、この発明は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーに前記第1のベルトの端部又は前記第2のベルトの端部の少なくとも一方若しくは双方が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されるように構成することができる。
【0014】
さらに、前記ベースが押さえ板の本体部に支持されるように構成することができる。
【0015】
また、前記本体部に連接して設けられた壁部と、この壁部に取り付けられた蓋部とを、有し、前記壁部と蓋部との間の空間に前記第1、第2のベルトがそれぞれ収容されるように構成することができる。
【0016】
また、前記第1のベルトにベルト収容方向に付勢する弾性手段を設けてもよい。
【0017】
また、前記本体部に前記弾性手段を取り付けることができる。
【0018】
また、前記弾性部材は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルを装着するように構成できる。
【0019】
また、この発明は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーに前記第1のベルトの端部と前記第2のベルトの端部がそれぞれ係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルト及び第2のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする。
【0020】
また、前記本体部が前記押さえ板と一体に形成して構成することができる。
【0021】
また、この発明の荷崩れ防止装置は、パレットと、パレット上に積載された荷物の上に載置される押さえ板と、パレットを介して荷物を巻回する荷崩れ防止用ベルトと、前記荷崩れ防止用ベルトと係合される荷崩れ防止用締め具と、を備え、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、からなり、前記荷崩れ防止ベルトの一端を前記係合部と係合させ、他端を前記バックル部材に挿入し、前記弾性部材に抗して前記ベルトを巻き締めて固定し、前記締め付け手段で所定の締め付け力を付加して荷物を固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明は、弾性部材による付勢力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け手段による締め付けにより、所定の力をさらに付加することができ、作業者に関わらず所定の索引力を荷物に加えることができる。また、弾性部材により、ベルトに常に張力が与えられているので、運搬時に起こりやすいベルトの緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いた荷崩れ防止装置により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する基本構成を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を設けた押さえ板を示す斜視図である。
【図3】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図4】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具の要部を示す斜視図である。
【図5】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具の要部を示す斜視図である。
【図6】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための斜視図である。
【図7】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための斜視図である。
【図8】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための斜視図である。
【図9】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図10】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための斜視図である。
【図11】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための斜視図である。
【図12】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための斜視図である。
【図13】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図14】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図15】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図16】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具がベルトを外す動作を説明するための側面図である。
【図17】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図18】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図19】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図20】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図21】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図22】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図23】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための模式図である。
【図24】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図25】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図26】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具の要部を示す模式図である。
【図27】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図28】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図29】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図30】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図31】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図32】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図33】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図34】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図35】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図36】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図37】この発明の第5の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図である。
【図38】この発明の第5の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す側面図である。
【図39】バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図40】バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図41】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図42】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図43】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図44】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図45】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図46】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図47】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図48】この発明の第6の実施形態にかかり、バックルを用いた荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図49】この発明の第6の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図50】この発明の第6の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図51】この発明の第7の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図である。
【図52】この発明の第7の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す側面図である。
【図53】この発明のバックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0025】
図1は、この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する基本構成を示す斜視図、図2は、この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を設けた押さえ板を示す斜視図、図3は、この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【0026】
荷崩れ防止装置は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3をパレット2に固定しつつ、荷崩れを防止する機能を有する。図1に示すように、この荷崩れ防止装置は、パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3を挟み固定するものである。このため、パレット2上に荷物3を複数段にして積み上げた荷姿にし、その最上部の荷物3上に押さえ板1を載置する。この押さえ板1の上部には、この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10が設けられており、荷崩れ防止用締め具10に荷崩れ防止用ベルト4の一端を係合させる。この荷崩れ防止用ベルト4で荷物3を巻回するために、パレット2の窓部21を通して荷崩れ防止用ベルト4を対向する荷崩れ防止用締め具10に取り付けられたカムバックル16に挿入して巻き締め、パレット2と押さえ板1で荷物3を挟み込む。そして、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10により、荷物3に所定の締め付け力で固定し、荷崩れを防止するものである。
【0027】
図2に示すように、この実施形態においては、押さえ板1の上部に荷崩れ防止用ベルト4が係合される荷崩れ防止用締め具10が設けられている。この押さえ板1は、プラスチックなどの樹脂成型品で構成され、押さえ板1の2箇所に荷崩れ防止用締め具10を設けるために壁部10a、10bが押さえ板1と一体に形成されている。これら荷崩れ防止用締め具10は、パレット2のフォークリフトのフォークが差し込まれる窓21上に位置する押さえ板1の箇所にそれぞれ設けられている。
【0028】
図3においては、荷崩れ防止用締め具10の構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10が設けられている部分を抜き出して記載している。また、図4は、荷崩れ防止用締め具10を構成する各部材を中心として記載している。
【0029】
図3、図4に示すように、荷崩れ防止用締め具10は、締め付け用バックル11、第1のベルト12、第2のベルト13、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力を調整するスプリング15と、を備える。
【0030】
荷崩れ防止用締め具10は、図2及び図3に示すように、ベルト12及びベルト13を内部に収容するための蓋部12a、13aが設けられている。この蓋部12a、13aは、本体部から立ち上がった壁部10a、10bに取り付けられ、壁部10a、10bと蓋部12a、13aとの間の空間にベルト12、13がそれぞれ収容される。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12及びベルト13は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0031】
ベルト13は、一端にフック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11が装着される。さらに、締め付け用バックル11には、ベルト12が装着され、この締め付け用バックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とベルト13間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わるように構成している。
【0032】
ベルト12の一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用バックル11が装着される。そして、ベルト12には、カムバックル16から荷崩れ防止用ベルト4を外した際に、ベルト12が荷崩れ防止用締め具10内の空間に収納するように、付勢手段としてのゴムバンド17が取り付けられている。このゴムバンド17は、一端がベルト12に縫い付けられ、他端部がループ状の係合部17aに形成されている。このループ状の係合部17aを荷崩れ防止用締め具10に設けた係合ピン17bに引っかけて、ベルト12を収容する方向(図4の矢印方向)に付勢している。
【0033】
図9に示すように、締め付け用バックル11は、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有し、レバー11dの端部にベルト12の端部と係合する係合部11eが設けられている。ベルト12の端部はループ状に形成され、このループ内にレバー11dの係合部11eが収納され、レバー11dとベルト12が係合されている。そして、レバー11dを図5に示す矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12、13間に付与される。
【0034】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0035】
荷崩れ防止用締め具10の端部に位置する箇所の本体部18には、テンション調整用のスプリング15が設けられる。このスプリング15は、ベルトに張力(テンション)を与える方向にバネ力が加わるように付勢されている。そして、カムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を挿入するときには、このスプリング15の上側にバックル16に挿入された荷崩れ防止用ベルト4が位置する。そして、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行くと、ベルト12がスプリング15の上に位置する。
【0036】
このスプリング15は、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行くと荷崩れ防止用締め具10の本体部18の方向に付勢力に抗して押し付けられる。このスプリング15が本体部18に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を締め付けると、パレット2と押さえ板1に挟み込まれた荷物3に対して締め付け力が所定の範囲になるようにスプリング15のバネ力が設定されている。
【0037】
この実施形態においては、スプリング15が本体部18に当接したときに、10kgの締め付け力が荷物3に加わるようにそのバネ力が設定されている。このため、作業者がカムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、スプリング15が本体部18に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略10kgの締め付け力が得られる。そして、締め付け用バックル11のレバー11dを固定方向に回転させることで、所定の締め付け力をさらに付加することができる。この実施形態では、5kgの締め付け力がさらに付加されるので、荷物3には、略15kgの締め付け力が加えることができる。
【0038】
このように、スプリング15によるバネ力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け用バックル11による締め付けにより、所定の力をさらに付加する。スプリング15と締め付け用バックル11にて、作業者に関わらず所定の索引力を荷物3に加えることができる。また、スプリング15により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0039】
次に、この発明を用いて荷造りを行う方法につき、図面を参照にして説明する。
図1に示すように、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10の締め付け用バックル11のレバー11dを図5、図9、図17に示すように、開放状態にする。図6、図18に示すように、荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0040】
図19に示すように、パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。その後、図7及び図20に示すように、荷崩れ防止用締め具10のスプリング4上を通り、カムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0041】
図8及び図21に示すように、カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、図8に示すように、弛んでいたベルト12が引き出され、ベルト12が張った状態になり、さらに締め付け力により、スプリング15を本体部18の方向にバネ力に抗して撓ませながら荷崩れ防止用ベルト4が締め付けられる。スプリング15は張り出されたベルト12により、本体部18の方向に撓んで行く。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10のベルト12、13により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0042】
スプリング15が本体方向に当接するまで、荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。スプリング15が本体方向に当接すると、荷崩れ防止用ベルト4を引くことを停止する。作業者がバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、図13に示すように、スプリング15が本体部18に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略10kgの締め付け力が得られる。
【0043】
続いて、図10、図14及び図22に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とベルト13間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略10kgの締め付け力にさらに5kgの締め付け力が加わり、略15kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0044】
荷崩れ防止用ベルト4を外すときには、図11、図12、図15、図16及び図23に示すように、カムバックル16のロックレバー16bを解放方向に押す。このロックレバー16bの解除により、荷崩れ防止用ベルト4がバックル16から外れる。荷崩れ防止用ベルト4がカムバックル16から外れると、ゴムバンド17の付勢力により、ベルト12が収納方向に引っ張られ、ベルト12が蓋部12a内の空間に収容される。
【0045】
その後、図24に示すように、荷崩れ防止用ベルト4を取り外して、荷崩れ防止用ベルト4をまとめて保管する。
【0046】
この実施形態は、図25に示すように、押さえ板1にベルト収容部100を設けている。ベルト収容部100は、凹部100aと蓋100bとで構成されている。このベルト収容部100の蓋100bを開け、その凹部100a内に纏めた荷崩れ防止用ベルト4を収容する。このように、押さえ板1に使用する荷崩れ防止用ベルト4を保管するベルト収容部100を設けることで、非使用時の荷崩れ防止用ベルト4の紛失等をなくすことができる。
【0047】
また、この実施形態のおいては、押さえ板1は樹脂で形成している。このため、ベルトの締め付け時に撓みが生じやすいので、図25及び図26に示すように、押さえ板1のスプリング15を取り付ける箇所の補強のため、スプリング15の後側に位置する箇所に、金属製のバー19を取り付けるように構成している。
【0048】
尚、上記実施形態では、ベルト12にカムバックル16、ベルト13にフック14を取り付けているが、ベルト12にフック14、ベルト13にカムバックル16を取り付けても良い。
【0049】
次に、この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具について、図27ないし図32を参照して説明する。図27ないし図29は、この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図、図30ないし図32は、この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【0050】
図27ないし図29においては、第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10sが設けられている部分を抜き出して記載している。また、図30ないし図32は、荷崩れ防止用締め具10sを構成する各部材を中心として記載している。
【0051】
図27、図30に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12s、第2のベルト13s、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力を調整するスプリング15と、を備える。
【0052】
図27に示すように、第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sは、ベルト12s及びベルト13sを内部に収容する構造ではないが、第1の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、ベルト12s及びベルト13sを内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12s及びベルト13sは、非伸縮性の材料で形成されている。
【0053】
ベルト13sは、一端にフック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着される。さらに、締め付け用バックル11sには、ベルト12sが装着され、この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト13sとが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12sとベルト13s間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わるように構成している。
【0054】
ベルト12sは、一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0055】
図27及び図30に示すように、締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト12sの端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0056】
図30に示すように、レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト13sは、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0057】
そして、図27及び図31に示すように、レバー11dを図中矢印方向に回転させると、ベルト12s及びベルト13は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、図中矢印方向にベルト12s及び13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト12s、13s間に付与される。ベルト13sの係合部13eが収納される係合ピン11gは、ベルト12sの係合部12eが収納される係合ピン11fより、レバー11dの先端側に位置する。この結果、ベルト13sの方がより多く引き込まれる。
【0058】
図29、図32に示すように、レバー11dを閉じると、レバー11d内にベルト12sおよびベルト13sの端部が巻き込まれ、ベルト12s及びベルト13sが所定の量だけ、締め付け用バックル11s内に引き込まれる。そして、所定の締め付け力がベルト12s、13s及び荷崩れ防止用ベルト4に与えられる。この実施形態では、10kgの締め付け力がさらに付加されることになる。
【0059】
上記した第1の実施形態においては、一方のベルト12がレバー11dの回転により、引き込まれるように移動するように構成している。これに対して、第2の実施形態においては、レバー11dの回転により、ベルト12sとベルト13sの双方が引き込まれる。この結果、ベルトの移動量は、第2の実施形態の方が多くすることができ、ベルト12s、ベルト13s間に付与する張力をより大きくすることができる。又、ベルト12s、ベルト13s間に付与する張力は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3等によって決めればよく、上記した締め付け力は、一例にすぎない。ベルト12s、ベルト13s間に付与する張力は、係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離に依存し、これらの距離を調整することで、張力を調整することができる。
【0060】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0061】
荷崩れ防止用締め具10sの端部に位置する箇所の本体部18には、テンション調整用のスプリング15が設けられる。このスプリング15は、ベルトに張力(テンション)を与える方向にバネ力が加わるように付勢されている。そして、カムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を挿入するときには、このスプリング15の上側にバックル16に挿入された荷崩れ防止用ベルト4が位置する。
【0062】
このスプリング15は、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行くと荷崩れ防止用締め具10の本体部18の方向に付勢力に抗して押し付けられる。このスプリング15が本体部18に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を締め付けると、パレット2と押さえ板1に挟み込まれた荷物3に対して締め付け力が所定の範囲になるようにスプリング15のバネ力が設定されている。
【0063】
この第2の実施形態においては、スプリング15が本体部18に当接したときに、例えば、5kgの締め付け力が荷物3に加わるようにそのバネ力が設定されている。このため、作業者がカムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、スプリング15が本体部18に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略5kgの締め付け力が得られる。そして、締め付け用バックル11sのレバー11dを固定方向に回転させることで、ベルト12s及びベルト13sの双方が巻き込まれ、所定の締め付け力をさらに付加することができる。この実施形態では、10kgの締め付け力がさらに付加されるので、荷物3には、略15kgの締め付け力が加えることができる。
【0064】
荷崩れ防止用ベルト4のループ状係合部41をフック14に掛けてパレット2の中に通して、カムバックル16に通して荷崩れ防止用ベルト4を引いて荷物3を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになるので、カムバックル16側のベルト12sよりフック14側のベルト13sの方が、力が伝わりにくく、緩い状態になる。
【0065】
そこで、この第2の実施形態では、フック14側のベルト13sの引き込み量を多くして、ベルト13s側をより締め付けるように構成している。
【0066】
このように、スプリング15によるバネ力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け用バックル11sによる締め付けにより、所定の力をさらに付加する。スプリング15と締め付け用バックル11sにて、作業者に関わらず所定の索引力を荷物3に加えることができる。また、スプリング15により、ベルト12sに常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0067】
尚、この第2の実施形態においては、スプリング15のバネ力を小さくし、締め付け用バックル11sにおける締め付け力を大きくしている。このようにすることで、作業者が荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る力を小さくすることができる。
【0068】
次に、この第2の実施形態の荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷造りを行う方法につき、図面を参照にして説明する。
第1の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10sを設けた押さえ板1を置く(図1参照)。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11sのレバー11dを図30に示すように、開放状態にする。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10sの係合フック14に係合させる(図27参照)。
【0069】
第1の実施形態と同様に、パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図19参照)。その後、図27に示すように、荷崩れ防止用締め具10sのスプリング4上を通り、カムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0070】
第1の実施形態と同様に、カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図20参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト12s及びベルト13sが張った状態になり、さらに締め付け力により、スプリング15を本体部18の方向にバネ力に抗して撓ませながら荷崩れ防止用ベルト4が締め付けられる。スプリング15は荷崩れ防止用ベルト4により、本体部18の方向に撓んで行く。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、13sにより、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0071】
スプリング15が本体方向に当接するまで、荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。スプリング15が本体方向に当接すると、荷崩れ防止用ベルト4を引くことを停止する。作業者がバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、スプリング15が本体部18に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略5kgの締め付け力が得られる。
【0072】
続いて、図22、図28、図29、図31及び図32に示すように、レバー11dを図中矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12s、ベルト13sがレバー11d内に巻き込まれ、所定の張力がベルト12s、13sに付与される。この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト13s間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略5kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略15kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0073】
荷崩れ防止用ベルト4を外すときには、第1の実施形態と同様に、カムバックル16のロックレバー16bを解放方向に押す。このロックレバー16bの解除により、荷崩れ防止用ベルト4がバックル16から外れる。
【0074】
尚、上記第2の実施形態では、ベルト12sにカムバックル16、ベルト13sにフック14を取り付けているが、ベルト12にフック14、ベルト13にカムバックル16を取り付けても良い。
【0075】
次に、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具について、図33及び図34を参照して説明する。図33及び図34は、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tを示す斜視図である。尚、図33及び図34においては、第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10tが設けられている部分を抜き出して記載している。
【0076】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合には、荷崩れ防止用締め具10tの両端のバックルを単純なフックに変更して、カムバックルに荷崩れ防止用ベルト4を通して作業者が締めるという工程を省略することが可能である。この第3の実施形態は、このような場合に好適な荷崩れ防止用締め具10tである。
【0077】
図33、図34に示すように、荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11t、第1のベルト12t、第2のベルト13s、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0078】
図33、図34に示すように、第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tは、ベルト12t及びベルト13sを内部に収容する構造ではないが、第1の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、ベルト12t及びベルト13sを内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12t及びベルト13sは、非伸縮性の材料で形成されている。
【0079】
ベルト12tは、一端にフック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト13sは、一端にフック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着される。そして、この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12tとベルト13sとが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12tとベルト13s間に所定の張力、例えば、15kgの張力が加わるように構成している。
【0080】
図33及び図34に示すように、締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bから所定の距離を隔ててベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト12tの端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12tが係合されている。また、ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0081】
レバー11dを開放すると、ベルト12t及びベルト13sは、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0082】
そして、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト12t及びベルト13は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、図中矢印方向にベルト12t及び13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト12t、13s間に付与される。
【0083】
図34に示すように、レバー11dを閉じると、レバー11d内にベルト12tおよびベルト13sが巻き込まれ、ベルト12s及びベルト13sが所定の量だけ、締め付け用バックル11s内に引き込まれる。そして、所定の締め付け力がベルト12t、13s及び崩れ防止用ベルト4に与えられる。この実施形態では、15kgの締め付け力がさらに付加されることになる。
【0084】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっている場合には、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる。そこで、この第3の実施形態においては、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12tとベルト13sに設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときに所定の締め付け力がかかるように荷崩れ防止用ベルト4の長さを決めている。
【0085】
この時、締め付け力が大きくなるような長さに荷崩れ防止用ベルト4の長さにすると、作業者がフック14にループ係合部41を係合する作業に大きな力を必要とする。そこで、この第3の実施形態においては、作業者がフック14にフック14にループ係合部41を係合する際には、あまり大きな力を必要とせず、荷崩れ防止用締め具10tにより締め付け力を得るようにしている。例えば、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12tとベルト13sに設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときには、0から1kg程度の締め付け力が与えられる程度に荷崩れ防止用ベルト4の長さを調整する。そして、荷崩れ防止用締め具10tのレバー11dを締めたときに15kg程度の締め付け力が加わるように、レバー11dの長さを調整している。このため、第2の実施形態の係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離より、第3の実施形態の係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離を大きくしている。このように構成することで、第2の実施形態より第3の実施形態の方がレバー11dを閉じたときに加わる張力を大きくすることができる。尚、他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0086】
さて、上記した第1ないし第3の実施形態においては、押さえ板1に一体的に荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)を設けているが、押さえ板と荷崩れ防止用締め具を別体に構成しても良い。第4の実施形態は、押さえ板1と荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)とを別体に構成したものである。すなわち、図35及び図36に示すように、押さえ板1aとは、別体に荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)を用意する。そして、押さえ板1aを荷物3の上に載せた後、荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)を押さえ板1a上に設置して、荷崩れ防止用ベルト4を用いて荷物3を固定するように構成することもできる。
【0087】
なお、この場合、荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)が締め付け時に押さえ板1a上を移動する場合もある。そこで、押さえ板1と荷崩れ防止用締め具10とが係合可能なように構成することが好ましい。
【0088】
次に、この発明の第5の実施形態につき、図37ないし図41を参照して説明する。図37は、第5の実施形態に用いられる張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図、図38は、同側面図、図39は、バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図、図40は、バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図、図41は、荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【0089】
図37及び図38に示すように、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50は、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。バー52とエンドバー53の間には圧縮コイルバネ56が嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0090】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53aにインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに圧縮コイルバネ56がバー53に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー53に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー53に対する付勢力は小さくなる。
【0091】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー52がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン54と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0092】
このように、ピン54とバー52と圧縮コイルバネ56を備えたバックル50をベルトに取り付ける。図39に示すように、ベルト131とベルト132との間にバックル50を取り付ける。ベルト131の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1311が設けられる。このループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1322が設けられる。このループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着される。
【0093】
後述するように、ベルトを作業者が引っ張ると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、図40に示すように、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルトにはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0094】
そして、圧縮コイルバネ56によるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0095】
上記したバックル50を第1の実施形態の荷崩れ防止用締め具10に用いた場合につき、図41を参照して説明する。
【0096】
図41に示すように、荷崩れ防止用締め具10は、締め付け用バックル11、第1のベルト12、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0097】
尚、第1の実施形態においては、締め付け力の調整用のスプリング15を設けていたが、図41に示す例では、バックル50が締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するので、スプリング15を省略することができる。勿論、スプリング15を設け、バックルと50とスプリング15の双方により締め付け力を調整するような構成も可能である。
【0098】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0099】
また、締め付け用バックル11には、ベルト12が装着され、この締め付け用バックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とバックル50を取り付けたベルト131、132間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わるように構成している。
【0100】
ベルト12の一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用バックル11が装着される。そして、ベルト12には、カムバックル16から荷崩れ防止用ベルト4を外した際に、ベルト12が荷崩れ防止用締め具10内の空間に収納するように、付勢手段としてのゴムバンド17が取り付けられている。
【0101】
前述したように、締め付け用バックル11は、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有し、レバー11dの端部にベルト12の端部が係合する。そして、レバー11dを回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12とバックル50を取り付けたベルト131、132間に付与される。
【0102】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0103】
次に、図41に示す荷崩れ防止用締め具10を用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第1の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10の締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする(図1参照)。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる(図18参照)。
【0104】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図19参照)。その後、荷崩れ防止用締め具10のスプリング4上を通り、カムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図20参照)。
【0105】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図21参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、弛んでいたベルト12が引き出され、ベルト12が張った状態になり、さらに締め付け力により、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト12、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10のベルト12、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0106】
続いて、レバー11dを図中矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とベルト131、132、バックル50間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに5kgの締め付け力が加わり、略18kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0107】
上記したバックル50を第2の実施形態の荷崩れ防止用締め具10sに用いた場合につき、図42を参照して説明する。
【0108】
図42に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0109】
尚、第2の実施形態においては、締め付け力の調整用のスプリング15を設けていたが、図42に示す例では、バックル50が締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するので、スプリング15を省略することができる。勿論、スプリング15を設け、バックルと50とスプリング15の双方により締め付け力を調整するような構成も可能である。
【0110】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0111】
ベルト12sは、一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0112】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12sとベルト131、132、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0113】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト131と係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト12sの端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト131の端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0114】
レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト131は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0115】
そして、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト12s及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト12s及び132が締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト12s、131、132、バックル50間に付与される。
【0116】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0117】
次に、図42に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第1の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする(図1参照)。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる(図18参照)。
【0118】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図19参照)。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図20参照)。
【0119】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図21参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト12s、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト12s、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0120】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12s及びベルト131が引っ張られ、所定の張力がベルト12s、131に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト131間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略23kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0121】
尚、上記実施形態では、第2のベルト13にバックル50を取り付けているが、第1のベルト12にバックル50を取り付けても良い。
【0122】
上記したバックル50を第2の実施形態の荷崩れ防止用締め具10sに用いた他の例につき、図43を参照して説明する。
【0123】
図43に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト121、122、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、第1のベルト、第2のベルトにそれぞれ取り付けられる締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0124】
ベルト122は、一端にカムバックル16が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0125】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0126】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト121とベルト131、132、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0127】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト121の端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト132の端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト131が係合されている。
【0128】
レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト131は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0129】
そして、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト121及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト121及び131が締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト121、122、131、132、バックル50間に付与される。
【0130】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0131】
次に、図43に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第1の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする(図1参照)。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる(図18参照)。
【0132】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図19参照)。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図20参照)。
【0133】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図21参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト12s、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト121、122、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0134】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト121及びベルト131が引っ張られ、所定の張力がベルト121、131に付与される。この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略23kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0135】
尚、荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになることを考慮すると、一方の力及び緩みが他方に伝わりにくくなる虞がある。そこで、この図43に示す例では、第1のベルト12、第2のベルト13にそれぞれバックル50を取り付けて、力並びに緩みをそれぞれのベルトで対応するよう構成している。
【0136】
上記したバックル50を第3の実施形態の荷崩れ防止用締め具10tに用いた場合につき、図44ないし図46を参照して説明する。
【0137】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合に用いるもので、荷崩れ防止用締め具10tの両端のバックルを単純なフックに変更した荷崩れ防止用締め具10tである。
【0138】
荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12t、第2のベルト131、132、緩み防止機能を有するバックル50、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0139】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0140】
ベルト12tは、一端に係止フック41が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0141】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12tとベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12tとベルト131、132及びバックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0142】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっている場合には、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる。そこで、図44ないし図46の実施形態においては、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12tとベルト132に設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときに所定の締め付け力がかかるように荷崩れ防止用ベルト4の長さを決めている。
【0143】
フック14にループ係合部41を係合する際には、図45に示すように、コイルバネ56に抗してフック14を引き、ループ係合部41を係合させる。その後、図46に示すように、荷崩れ防止用締め具10tのレバー11dを締めて15kg程度の締め付け力が加わるように調整している。
【0144】
上記したバックル50を第3の実施形態の荷崩れ防止用締め具10tに用いた他の例につき、図47を参照して説明する。
【0145】
荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11s、第1のベルトベルト121、122、第2のベルト131、132、第1のベルト、第2のベルトにそれぞれ取り付けられる締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0146】
ベルト122は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第1のベルトを構成している。
【0147】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0148】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト121、ベルト122とベルト131、132及びバックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0149】
フック14にループ係合部41を係合する際には、コイルバネ56に抗してフック14を引き、ループ係合部41を係合させる。その後、荷崩れ防止用締め具10sのレバー11dを締めて15kg程度の締め付け力が加わるように調整している。
【0150】
上記したバックル50を用いた第6の実施形態につき、図4ないし図46を参照して説明する。
【0151】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合に用いるもので、第3の実施形態と同様に、荷崩れ防止用締め具10の両端のバックルを単純なフックに変更した荷崩れ防止用締め具10xである。
【0152】
荷崩れ防止用締め具10xは、締め付け用バックル11x、第1のベルト121、122、第2のベルト13s、緩み防止機能を有するバックル50、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0153】
ベルト122は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11xが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。ベルト121は、締め付け用バックル11xのベース11aの一部に係合されている。
【0154】
また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0155】
ベルト13sは、一端に係止フック41が装着され、他端に締め付け用のバックル11xが装着されている。
【0156】
締め付け用バックル11xは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト13sの端部と係合する係合ピン11fが設けられている。ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。また、ベルト131の端部はベース11aに係合されている。
【0157】
この締め付け用バックル11xを締め付ける方向に固定すると、ベルト13sとが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト13sとベルト121、122、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0158】
張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50をベルト間に用いると、バックル50が緩衝の役目を果たすことができ、締め付け用バックル11xの左右のベルトの引き込み量を変えなくてもよい。そして、予め、荷崩れ防止用ベルト4の長さを事前に決めることができる場合には、それぞれフック14、14で構成でき、荷崩れ防止用ベルト4のセットも容易になる。そして、上記のように、締め付け用バックル11xのレバー11dにベルト13sを係合させる機構にすると、左右略同じ寸法が引き込まれることになる。
【0159】
レバー11dを開放すると、ベルト13sは、ベルトの係合部13e内に係合ピン11fが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0160】
そして、図49、図50に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト13s及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部13eが係合ピン11fにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれ、また、ベルト121、122、及びバックル50も図50の図中矢印方向に移動し、所定の張力がベルト13s、121、122、バックル50間に付与される。
【0161】
次に、この発明の第7の実施形態につき、図51ないし図53を参照して説明する。図51は、第7の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図、図52は、同側面図、図53は、バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【0162】
図51及び図52に示すように、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50sは、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。U字型のアーム51とバー52の間には引張コイルバネ56sが嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0163】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53にインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに引張コイルバネ56sがバー53に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー53に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー53に対する付勢力は小さくなる。
【0164】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー53がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン52と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0165】
このように、ピン54とバー52と引張コイルバネ56sを備えたバックル50sをベルトに取り付ける。図53に示すように、ベルト131とベルト132との間にバックル50を取り付ける。ベルト131の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1311が設けられる。このループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1322が設けられる。このループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50sが装着される。
【0166】
ベルトを作業者が引っ張ると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、引張コイルバネ56sの付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルトにはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0167】
また、引張コイルバネ56sによるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0168】
この第6の実施形態のバックルを上述した各荷崩れ防止用締め具10、10s、10tに用いることにより、上述と同様に、荷崩れを確実に防止することができる。
【0169】
また、締め付け力の調整は、スプリングのバネ力を必要とする締め付け力に応じて選択すればよい。また、締め具にレバーによる加算の締結力は、レバーのストローク調整を行う等してベルトの移動量を変更することで適宜調整できる。
【0170】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0171】
1 押さえ板
2 パレット
3 荷物
10、10s、10t 荷崩れ防止締め具
11、11s、11x 締め付け用バックル
12 ベルト
13 ベルト
14 バックル
15 スプリング
16 カムバックル
50 バックル
【技術分野】
【0001】
この発明は、段ボール等に各種部品、商品等を内包させた荷物をパレット上に前記荷物を載置した形態にて流通に供する場合、パレット上に荷物を固定保持するとともに、段ボール箱等のズレ防止のための荷崩れ防止用締め具およびそれを用いた荷崩れ防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から各種物品、商品等を収めた多くの段ボール箱等を輸送する場合には、これらをパレット上に複数段にして積み上げた荷姿にし、積み上げた状態のままその周囲をストレッチフィルムで幾重にも巻き、PP(ポリプロピレン)バンドでパレットと荷物の一体化を図り、輸送時に荷崩れを生じないようにしている。
【0003】
上記の方法では、ストレッチフィルムやPPバンドの装着や取り外しの際に、作業者は積載された荷物の周りを何度も周回せねばならず、手間がかかり煩わしく、且つ時間を要していた。
【0004】
さらに、取り外したストレッチフィルムやPPバンドは再度利用できないため廃棄処分され、経費と資源の無駄となっている。
【0005】
そこで、産業廃棄物の削減や資源の有効活用面からもストレッチフィルムやPPバンドに変わる荷崩れ防止ベルトが種々提案されている。
【0006】
荷崩れ防止ベルトは、ベルトを荷物に巻き付け、ベルトを締め付けて荷物を固定している。この荷崩れ防止ベルトとしては、ベルト部材の一端部にリング状の係止部材を設け、他端部側に面ファスナー部材を設けたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この荷崩れ防止ベルトは、ベルト部材を荷物の周囲に巻回させ、巻回後、ベルト部材の他端部をベルト部材の一端部側に設けられた係止部材に挿通させる。挿通後、係止部材を支点に折り返して、牽引し、荷物に締め付け力が加わった状態で、面ファスナー相互を貼り付け固定することにより、荷物を固定、結束するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−153412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
荷崩れを防止するためには、かかる荷崩れ防止ベルトを締め具により、所定の締め付け力で固定する必要がある。しかしながら、ベルトを係止部材に挿通後、係止部材を支点に折り返して、牽引する際に、作業者によりその索引力は左右される。すなわち、作業者によれば、必要以上にベルトを索引して、荷物等の段ボール箱等を破損する場合がある。一方、索引力が弱い場合には、十分に荷物を固定することができず、運搬中に荷崩れを起こしてしまう等の問題があった。
【0009】
この発明の目的は、上記した従来の問題点を解決するためになされたものにして、作業者に関わらず所定の索引力を加えることができる荷崩れ防止用締め具およびそれを用いた荷崩れ防止装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
また、前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されるように構成することができる。
【0012】
また、前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されるように構成することができる。
【0013】
また、この発明は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーに前記第1のベルトの端部又は前記第2のベルトの端部の少なくとも一方若しくは双方が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されるように構成することができる。
【0014】
さらに、前記ベースが押さえ板の本体部に支持されるように構成することができる。
【0015】
また、前記本体部に連接して設けられた壁部と、この壁部に取り付けられた蓋部とを、有し、前記壁部と蓋部との間の空間に前記第1、第2のベルトがそれぞれ収容されるように構成することができる。
【0016】
また、前記第1のベルトにベルト収容方向に付勢する弾性手段を設けてもよい。
【0017】
また、前記本体部に前記弾性手段を取り付けることができる。
【0018】
また、前記弾性部材は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルを装着するように構成できる。
【0019】
また、この発明は、パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーに前記第1のベルトの端部と前記第2のベルトの端部がそれぞれ係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルト及び第2のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする。
【0020】
また、前記本体部が前記押さえ板と一体に形成して構成することができる。
【0021】
また、この発明の荷崩れ防止装置は、パレットと、パレット上に積載された荷物の上に載置される押さえ板と、パレットを介して荷物を巻回する荷崩れ防止用ベルトと、前記荷崩れ防止用ベルトと係合される荷崩れ防止用締め具と、を備え、前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、からなり、前記荷崩れ防止ベルトの一端を前記係合部と係合させ、他端を前記バックル部材に挿入し、前記弾性部材に抗して前記ベルトを巻き締めて固定し、前記締め付け手段で所定の締め付け力を付加して荷物を固定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
この発明は、弾性部材による付勢力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け手段による締め付けにより、所定の力をさらに付加することができ、作業者に関わらず所定の索引力を荷物に加えることができる。また、弾性部材により、ベルトに常に張力が与えられているので、運搬時に起こりやすいベルトの緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いた荷崩れ防止装置により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する基本構成を示す斜視図である。
【図2】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を設けた押さえ板を示す斜視図である。
【図3】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図4】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具の要部を示す斜視図である。
【図5】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具の要部を示す斜視図である。
【図6】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための斜視図である。
【図7】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための斜視図である。
【図8】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための斜視図である。
【図9】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図10】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための斜視図である。
【図11】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための斜視図である。
【図12】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための斜視図である。
【図13】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図14】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図15】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための側面図である。
【図16】この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具がベルトを外す動作を説明するための側面図である。
【図17】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図18】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図19】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図20】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図21】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図22】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図23】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具からベルトを外す動作を説明するための模式図である。
【図24】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を用いて荷造りを行う動作を説明するための模式図である。
【図25】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図26】この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具の要部を示す模式図である。
【図27】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図28】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図29】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図30】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図31】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図32】この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図33】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図34】この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図35】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図36】この発明の第4の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具と押さえ板を示す斜視図である。
【図37】この発明の第5の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図である。
【図38】この発明の第5の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す側面図である。
【図39】バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図40】バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【図41】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図42】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図43】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図44】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図45】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図46】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図47】荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【図48】この発明の第6の実施形態にかかり、バックルを用いた荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【図49】この発明の第6の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図50】この発明の第6の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【図51】この発明の第7の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図である。
【図52】この発明の第7の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す側面図である。
【図53】この発明のバックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0025】
図1は、この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具により、段ボール等の荷物を巻き締めて固定する基本構成を示す斜視図、図2は、この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を設けた押さえ板を示す斜視図、図3は、この発明の第1の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図である。
【0026】
荷崩れ防止装置は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3をパレット2に固定しつつ、荷崩れを防止する機能を有する。図1に示すように、この荷崩れ防止装置は、パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3を挟み固定するものである。このため、パレット2上に荷物3を複数段にして積み上げた荷姿にし、その最上部の荷物3上に押さえ板1を載置する。この押さえ板1の上部には、この発明の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10が設けられており、荷崩れ防止用締め具10に荷崩れ防止用ベルト4の一端を係合させる。この荷崩れ防止用ベルト4で荷物3を巻回するために、パレット2の窓部21を通して荷崩れ防止用ベルト4を対向する荷崩れ防止用締め具10に取り付けられたカムバックル16に挿入して巻き締め、パレット2と押さえ板1で荷物3を挟み込む。そして、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10により、荷物3に所定の締め付け力で固定し、荷崩れを防止するものである。
【0027】
図2に示すように、この実施形態においては、押さえ板1の上部に荷崩れ防止用ベルト4が係合される荷崩れ防止用締め具10が設けられている。この押さえ板1は、プラスチックなどの樹脂成型品で構成され、押さえ板1の2箇所に荷崩れ防止用締め具10を設けるために壁部10a、10bが押さえ板1と一体に形成されている。これら荷崩れ防止用締め具10は、パレット2のフォークリフトのフォークが差し込まれる窓21上に位置する押さえ板1の箇所にそれぞれ設けられている。
【0028】
図3においては、荷崩れ防止用締め具10の構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10が設けられている部分を抜き出して記載している。また、図4は、荷崩れ防止用締め具10を構成する各部材を中心として記載している。
【0029】
図3、図4に示すように、荷崩れ防止用締め具10は、締め付け用バックル11、第1のベルト12、第2のベルト13、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力を調整するスプリング15と、を備える。
【0030】
荷崩れ防止用締め具10は、図2及び図3に示すように、ベルト12及びベルト13を内部に収容するための蓋部12a、13aが設けられている。この蓋部12a、13aは、本体部から立ち上がった壁部10a、10bに取り付けられ、壁部10a、10bと蓋部12a、13aとの間の空間にベルト12、13がそれぞれ収容される。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12及びベルト13は、非伸縮性の材料で形成されている。
【0031】
ベルト13は、一端にフック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11が装着される。さらに、締め付け用バックル11には、ベルト12が装着され、この締め付け用バックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とベルト13間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わるように構成している。
【0032】
ベルト12の一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用バックル11が装着される。そして、ベルト12には、カムバックル16から荷崩れ防止用ベルト4を外した際に、ベルト12が荷崩れ防止用締め具10内の空間に収納するように、付勢手段としてのゴムバンド17が取り付けられている。このゴムバンド17は、一端がベルト12に縫い付けられ、他端部がループ状の係合部17aに形成されている。このループ状の係合部17aを荷崩れ防止用締め具10に設けた係合ピン17bに引っかけて、ベルト12を収容する方向(図4の矢印方向)に付勢している。
【0033】
図9に示すように、締め付け用バックル11は、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有し、レバー11dの端部にベルト12の端部と係合する係合部11eが設けられている。ベルト12の端部はループ状に形成され、このループ内にレバー11dの係合部11eが収納され、レバー11dとベルト12が係合されている。そして、レバー11dを図5に示す矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12、13間に付与される。
【0034】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0035】
荷崩れ防止用締め具10の端部に位置する箇所の本体部18には、テンション調整用のスプリング15が設けられる。このスプリング15は、ベルトに張力(テンション)を与える方向にバネ力が加わるように付勢されている。そして、カムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を挿入するときには、このスプリング15の上側にバックル16に挿入された荷崩れ防止用ベルト4が位置する。そして、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行くと、ベルト12がスプリング15の上に位置する。
【0036】
このスプリング15は、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行くと荷崩れ防止用締め具10の本体部18の方向に付勢力に抗して押し付けられる。このスプリング15が本体部18に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を締め付けると、パレット2と押さえ板1に挟み込まれた荷物3に対して締め付け力が所定の範囲になるようにスプリング15のバネ力が設定されている。
【0037】
この実施形態においては、スプリング15が本体部18に当接したときに、10kgの締め付け力が荷物3に加わるようにそのバネ力が設定されている。このため、作業者がカムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、スプリング15が本体部18に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略10kgの締め付け力が得られる。そして、締め付け用バックル11のレバー11dを固定方向に回転させることで、所定の締め付け力をさらに付加することができる。この実施形態では、5kgの締め付け力がさらに付加されるので、荷物3には、略15kgの締め付け力が加えることができる。
【0038】
このように、スプリング15によるバネ力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け用バックル11による締め付けにより、所定の力をさらに付加する。スプリング15と締め付け用バックル11にて、作業者に関わらず所定の索引力を荷物3に加えることができる。また、スプリング15により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0039】
次に、この発明を用いて荷造りを行う方法につき、図面を参照にして説明する。
図1に示すように、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10の締め付け用バックル11のレバー11dを図5、図9、図17に示すように、開放状態にする。図6、図18に示すように、荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる。
【0040】
図19に示すように、パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す。その後、図7及び図20に示すように、荷崩れ防止用締め具10のスプリング4上を通り、カムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0041】
図8及び図21に示すように、カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、図8に示すように、弛んでいたベルト12が引き出され、ベルト12が張った状態になり、さらに締め付け力により、スプリング15を本体部18の方向にバネ力に抗して撓ませながら荷崩れ防止用ベルト4が締め付けられる。スプリング15は張り出されたベルト12により、本体部18の方向に撓んで行く。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10のベルト12、13により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0042】
スプリング15が本体方向に当接するまで、荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。スプリング15が本体方向に当接すると、荷崩れ防止用ベルト4を引くことを停止する。作業者がバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、図13に示すように、スプリング15が本体部18に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略10kgの締め付け力が得られる。
【0043】
続いて、図10、図14及び図22に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とベルト13間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略10kgの締め付け力にさらに5kgの締め付け力が加わり、略15kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0044】
荷崩れ防止用ベルト4を外すときには、図11、図12、図15、図16及び図23に示すように、カムバックル16のロックレバー16bを解放方向に押す。このロックレバー16bの解除により、荷崩れ防止用ベルト4がバックル16から外れる。荷崩れ防止用ベルト4がカムバックル16から外れると、ゴムバンド17の付勢力により、ベルト12が収納方向に引っ張られ、ベルト12が蓋部12a内の空間に収容される。
【0045】
その後、図24に示すように、荷崩れ防止用ベルト4を取り外して、荷崩れ防止用ベルト4をまとめて保管する。
【0046】
この実施形態は、図25に示すように、押さえ板1にベルト収容部100を設けている。ベルト収容部100は、凹部100aと蓋100bとで構成されている。このベルト収容部100の蓋100bを開け、その凹部100a内に纏めた荷崩れ防止用ベルト4を収容する。このように、押さえ板1に使用する荷崩れ防止用ベルト4を保管するベルト収容部100を設けることで、非使用時の荷崩れ防止用ベルト4の紛失等をなくすことができる。
【0047】
また、この実施形態のおいては、押さえ板1は樹脂で形成している。このため、ベルトの締め付け時に撓みが生じやすいので、図25及び図26に示すように、押さえ板1のスプリング15を取り付ける箇所の補強のため、スプリング15の後側に位置する箇所に、金属製のバー19を取り付けるように構成している。
【0048】
尚、上記実施形態では、ベルト12にカムバックル16、ベルト13にフック14を取り付けているが、ベルト12にフック14、ベルト13にカムバックル16を取り付けても良い。
【0049】
次に、この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具について、図27ないし図32を参照して説明する。図27ないし図29は、この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す斜視図、図30ないし図32は、この発明の第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具を示す側面図である。
【0050】
図27ないし図29においては、第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10sが設けられている部分を抜き出して記載している。また、図30ないし図32は、荷崩れ防止用締め具10sを構成する各部材を中心として記載している。
【0051】
図27、図30に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12s、第2のベルト13s、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力を調整するスプリング15と、を備える。
【0052】
図27に示すように、第2の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10sは、ベルト12s及びベルト13sを内部に収容する構造ではないが、第1の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、ベルト12s及びベルト13sを内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12s及びベルト13sは、非伸縮性の材料で形成されている。
【0053】
ベルト13sは、一端にフック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着される。さらに、締め付け用バックル11sには、ベルト12sが装着され、この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト13sとが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12sとベルト13s間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わるように構成している。
【0054】
ベルト12sは、一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0055】
図27及び図30に示すように、締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト12sの端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0056】
図30に示すように、レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト13sは、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0057】
そして、図27及び図31に示すように、レバー11dを図中矢印方向に回転させると、ベルト12s及びベルト13は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、図中矢印方向にベルト12s及び13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト12s、13s間に付与される。ベルト13sの係合部13eが収納される係合ピン11gは、ベルト12sの係合部12eが収納される係合ピン11fより、レバー11dの先端側に位置する。この結果、ベルト13sの方がより多く引き込まれる。
【0058】
図29、図32に示すように、レバー11dを閉じると、レバー11d内にベルト12sおよびベルト13sの端部が巻き込まれ、ベルト12s及びベルト13sが所定の量だけ、締め付け用バックル11s内に引き込まれる。そして、所定の締め付け力がベルト12s、13s及び荷崩れ防止用ベルト4に与えられる。この実施形態では、10kgの締め付け力がさらに付加されることになる。
【0059】
上記した第1の実施形態においては、一方のベルト12がレバー11dの回転により、引き込まれるように移動するように構成している。これに対して、第2の実施形態においては、レバー11dの回転により、ベルト12sとベルト13sの双方が引き込まれる。この結果、ベルトの移動量は、第2の実施形態の方が多くすることができ、ベルト12s、ベルト13s間に付与する張力をより大きくすることができる。又、ベルト12s、ベルト13s間に付与する張力は、パレット2上に載置された段ボールの荷物3等によって決めればよく、上記した締め付け力は、一例にすぎない。ベルト12s、ベルト13s間に付与する張力は、係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離に依存し、これらの距離を調整することで、張力を調整することができる。
【0060】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0061】
荷崩れ防止用締め具10sの端部に位置する箇所の本体部18には、テンション調整用のスプリング15が設けられる。このスプリング15は、ベルトに張力(テンション)を与える方向にバネ力が加わるように付勢されている。そして、カムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を挿入するときには、このスプリング15の上側にバックル16に挿入された荷崩れ防止用ベルト4が位置する。
【0062】
このスプリング15は、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行くと荷崩れ防止用締め具10の本体部18の方向に付勢力に抗して押し付けられる。このスプリング15が本体部18に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を締め付けると、パレット2と押さえ板1に挟み込まれた荷物3に対して締め付け力が所定の範囲になるようにスプリング15のバネ力が設定されている。
【0063】
この第2の実施形態においては、スプリング15が本体部18に当接したときに、例えば、5kgの締め付け力が荷物3に加わるようにそのバネ力が設定されている。このため、作業者がカムバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、スプリング15が本体部18に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略5kgの締め付け力が得られる。そして、締め付け用バックル11sのレバー11dを固定方向に回転させることで、ベルト12s及びベルト13sの双方が巻き込まれ、所定の締め付け力をさらに付加することができる。この実施形態では、10kgの締め付け力がさらに付加されるので、荷物3には、略15kgの締め付け力が加えることができる。
【0064】
荷崩れ防止用ベルト4のループ状係合部41をフック14に掛けてパレット2の中に通して、カムバックル16に通して荷崩れ防止用ベルト4を引いて荷物3を締め付ける。荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになるので、カムバックル16側のベルト12sよりフック14側のベルト13sの方が、力が伝わりにくく、緩い状態になる。
【0065】
そこで、この第2の実施形態では、フック14側のベルト13sの引き込み量を多くして、ベルト13s側をより締め付けるように構成している。
【0066】
このように、スプリング15によるバネ力にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。そして、締め付け用バックル11sによる締め付けにより、所定の力をさらに付加する。スプリング15と締め付け用バックル11sにて、作業者に関わらず所定の索引力を荷物3に加えることができる。また、スプリング15により、ベルト12sに常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0067】
尚、この第2の実施形態においては、スプリング15のバネ力を小さくし、締め付け用バックル11sにおける締め付け力を大きくしている。このようにすることで、作業者が荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る力を小さくすることができる。
【0068】
次に、この第2の実施形態の荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷造りを行う方法につき、図面を参照にして説明する。
第1の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10sを設けた押さえ板1を置く(図1参照)。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11sのレバー11dを図30に示すように、開放状態にする。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10sの係合フック14に係合させる(図27参照)。
【0069】
第1の実施形態と同様に、パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図19参照)。その後、図27に示すように、荷崩れ防止用締め具10sのスプリング4上を通り、カムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す。
【0070】
第1の実施形態と同様に、カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図20参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト12s及びベルト13sが張った状態になり、さらに締め付け力により、スプリング15を本体部18の方向にバネ力に抗して撓ませながら荷崩れ防止用ベルト4が締め付けられる。スプリング15は荷崩れ防止用ベルト4により、本体部18の方向に撓んで行く。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、13sにより、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0071】
スプリング15が本体方向に当接するまで、荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。スプリング15が本体方向に当接すると、荷崩れ防止用ベルト4を引くことを停止する。作業者がバックル16に荷崩れ防止用ベルト4を通し、締め付けて行き、スプリング15が本体部18に当接するのを確認しつつ荷崩れ防止用ベルト4を引っ張って締め付けて行くことで、略5kgの締め付け力が得られる。
【0072】
続いて、図22、図28、図29、図31及び図32に示すように、レバー11dを図中矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12s、ベルト13sがレバー11d内に巻き込まれ、所定の張力がベルト12s、13sに付与される。この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト13s間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略5kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略15kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0073】
荷崩れ防止用ベルト4を外すときには、第1の実施形態と同様に、カムバックル16のロックレバー16bを解放方向に押す。このロックレバー16bの解除により、荷崩れ防止用ベルト4がバックル16から外れる。
【0074】
尚、上記第2の実施形態では、ベルト12sにカムバックル16、ベルト13sにフック14を取り付けているが、ベルト12にフック14、ベルト13にカムバックル16を取り付けても良い。
【0075】
次に、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具について、図33及び図34を参照して説明する。図33及び図34は、この発明の第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tを示す斜視図である。尚、図33及び図34においては、第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tの構成の理解を容易にするために、押さえ板1の荷崩れ防止用締め具10tが設けられている部分を抜き出して記載している。
【0076】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合には、荷崩れ防止用締め具10tの両端のバックルを単純なフックに変更して、カムバックルに荷崩れ防止用ベルト4を通して作業者が締めるという工程を省略することが可能である。この第3の実施形態は、このような場合に好適な荷崩れ防止用締め具10tである。
【0077】
図33、図34に示すように、荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11t、第1のベルト12t、第2のベルト13s、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0078】
図33、図34に示すように、第3の実施形態にかかる荷崩れ防止用締め具10tは、ベルト12t及びベルト13sを内部に収容する構造ではないが、第1の実施形態と同様に内部に収容する構造に構成してもよい。この場合には、第1の実施形態と同様に、ベルト12t及びベルト13sを内部に収容するために本体部18から立ち上がる壁部に蓋部を設ければよい。荷崩れ防止用ベルト4、ベルト12t及びベルト13sは、非伸縮性の材料で形成されている。
【0079】
ベルト12tは、一端にフック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト13sは、一端にフック14が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着される。そして、この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12tとベルト13sとが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12tとベルト13s間に所定の張力、例えば、15kgの張力が加わるように構成している。
【0080】
図33及び図34に示すように、締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bから所定の距離を隔ててベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト12tの端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12tが係合されている。また、ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0081】
レバー11dを開放すると、ベルト12t及びベルト13sは、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0082】
そして、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト12t及びベルト13は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、図中矢印方向にベルト12t及び13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト12t、13s間に付与される。
【0083】
図34に示すように、レバー11dを閉じると、レバー11d内にベルト12tおよびベルト13sが巻き込まれ、ベルト12s及びベルト13sが所定の量だけ、締め付け用バックル11s内に引き込まれる。そして、所定の締め付け力がベルト12t、13s及び崩れ防止用ベルト4に与えられる。この実施形態では、15kgの締め付け力がさらに付加されることになる。
【0084】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっている場合には、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる。そこで、この第3の実施形態においては、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12tとベルト13sに設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときに所定の締め付け力がかかるように荷崩れ防止用ベルト4の長さを決めている。
【0085】
この時、締め付け力が大きくなるような長さに荷崩れ防止用ベルト4の長さにすると、作業者がフック14にループ係合部41を係合する作業に大きな力を必要とする。そこで、この第3の実施形態においては、作業者がフック14にフック14にループ係合部41を係合する際には、あまり大きな力を必要とせず、荷崩れ防止用締め具10tにより締め付け力を得るようにしている。例えば、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12tとベルト13sに設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときには、0から1kg程度の締め付け力が与えられる程度に荷崩れ防止用ベルト4の長さを調整する。そして、荷崩れ防止用締め具10tのレバー11dを締めたときに15kg程度の締め付け力が加わるように、レバー11dの長さを調整している。このため、第2の実施形態の係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離より、第3の実施形態の係合ピン11f、11gとヒンジ11bとの間の距離を大きくしている。このように構成することで、第2の実施形態より第3の実施形態の方がレバー11dを閉じたときに加わる張力を大きくすることができる。尚、他の構成は、第2の実施形態と同様である。
【0086】
さて、上記した第1ないし第3の実施形態においては、押さえ板1に一体的に荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)を設けているが、押さえ板と荷崩れ防止用締め具を別体に構成しても良い。第4の実施形態は、押さえ板1と荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)とを別体に構成したものである。すなわち、図35及び図36に示すように、押さえ板1aとは、別体に荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)を用意する。そして、押さえ板1aを荷物3の上に載せた後、荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)を押さえ板1a上に設置して、荷崩れ防止用ベルト4を用いて荷物3を固定するように構成することもできる。
【0087】
なお、この場合、荷崩れ防止用締め具10(10s、10t)が締め付け時に押さえ板1a上を移動する場合もある。そこで、押さえ板1と荷崩れ防止用締め具10とが係合可能なように構成することが好ましい。
【0088】
次に、この発明の第5の実施形態につき、図37ないし図41を参照して説明する。図37は、第5の実施形態に用いられる張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図、図38は、同側面図、図39は、バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図、図40は、バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図、図41は、荷崩れ防止用締め具に第5の実施形態のバックルを用いた状態を示す斜視図である。
【0089】
図37及び図38に示すように、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50は、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。バー52とエンドバー53の間には圧縮コイルバネ56が嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0090】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53aにインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに圧縮コイルバネ56がバー53に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー53に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー53に対する付勢力は小さくなる。
【0091】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー52がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン54と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0092】
このように、ピン54とバー52と圧縮コイルバネ56を備えたバックル50をベルトに取り付ける。図39に示すように、ベルト131とベルト132との間にバックル50を取り付ける。ベルト131の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1311が設けられる。このループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1322が設けられる。このループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着される。
【0093】
後述するように、ベルトを作業者が引っ張ると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、図40に示すように、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルトにはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0094】
そして、圧縮コイルバネ56によるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0095】
上記したバックル50を第1の実施形態の荷崩れ防止用締め具10に用いた場合につき、図41を参照して説明する。
【0096】
図41に示すように、荷崩れ防止用締め具10は、締め付け用バックル11、第1のベルト12、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0097】
尚、第1の実施形態においては、締め付け力の調整用のスプリング15を設けていたが、図41に示す例では、バックル50が締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するので、スプリング15を省略することができる。勿論、スプリング15を設け、バックルと50とスプリング15の双方により締め付け力を調整するような構成も可能である。
【0098】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0099】
また、締め付け用バックル11には、ベルト12が装着され、この締め付け用バックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とバックル50を取り付けたベルト131、132間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わるように構成している。
【0100】
ベルト12の一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用バックル11が装着される。そして、ベルト12には、カムバックル16から荷崩れ防止用ベルト4を外した際に、ベルト12が荷崩れ防止用締め具10内の空間に収納するように、付勢手段としてのゴムバンド17が取り付けられている。
【0101】
前述したように、締め付け用バックル11は、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有し、レバー11dの端部にベルト12の端部が係合する。そして、レバー11dを回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12とバックル50を取り付けたベルト131、132間に付与される。
【0102】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0103】
次に、図41に示す荷崩れ防止用締め具10を用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第1の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10の締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする(図1参照)。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる(図18参照)。
【0104】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図19参照)。その後、荷崩れ防止用締め具10のスプリング4上を通り、カムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図20参照)。
【0105】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図21参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、弛んでいたベルト12が引き出され、ベルト12が張った状態になり、さらに締め付け力により、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト12、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10のベルト12、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0106】
続いて、レバー11dを図中矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12が引っ張られ、所定の張力がベルト12に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12とベルト131、132、バックル50間に所定の張力、この実施形態では、5kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに5kgの締め付け力が加わり、略18kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0107】
上記したバックル50を第2の実施形態の荷崩れ防止用締め具10sに用いた場合につき、図42を参照して説明する。
【0108】
図42に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0109】
尚、第2の実施形態においては、締め付け力の調整用のスプリング15を設けていたが、図42に示す例では、バックル50が締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するので、スプリング15を省略することができる。勿論、スプリング15を設け、バックルと50とスプリング15の双方により締め付け力を調整するような構成も可能である。
【0110】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0111】
ベルト12sは、一端にカムバックル16が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0112】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12sとベルト131、132、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0113】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト131と係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト12sの端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト131の端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。
【0114】
レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト131は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0115】
そして、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト12s及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト12s及び132が締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト12s、131、132、バックル50間に付与される。
【0116】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0117】
次に、図42に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第1の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする(図1参照)。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる(図18参照)。
【0118】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図19参照)。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図20参照)。
【0119】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図21参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト12s、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト12s、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0120】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト12s及びベルト131が引っ張られ、所定の張力がベルト12s、131に付与される。このバックル11を締め付ける方向に固定すると、ベルト12sとベルト131間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略23kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0121】
尚、上記実施形態では、第2のベルト13にバックル50を取り付けているが、第1のベルト12にバックル50を取り付けても良い。
【0122】
上記したバックル50を第2の実施形態の荷崩れ防止用締め具10sに用いた他の例につき、図43を参照して説明する。
【0123】
図43に示すように、荷崩れ防止用締め具10sは、締め付け用バックル11s、第1のベルト121、122、第2のベルト131、132、荷崩れ防止用ベルト4の一端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、荷崩れ防止用ベルト4の一端を挟み込み締め付けるカムバックル16と、第1のベルト、第2のベルトにそれぞれ取り付けられる締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、を備える。
【0124】
ベルト122は、一端にカムバックル16が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0125】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0126】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト121とベルト131、132、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0127】
締め付け用バックル11sは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト12sの端部と係合する係合ピン11fが設けられ、係合ピン11fからレバー11dの先端側に少し離れた位置にベルト13sと係合する係合ピン11gが設けられている。ベルト121の端部はループ状に形成された係合部12eを有し、このループ状の係合部12e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト12sが係合されている。また、ベルト132の端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11gが収納され、レバー11dとベルト131が係合されている。
【0128】
レバー11dを開放すると、ベルト12s及びベルト131は、ベルトの係合部12e、13e内にそれぞれ係合ピン11f、11gが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0129】
そして、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト121及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部12e、13eが係合ピン11f、11gにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト121及び131が締め付け用バックル11s内に引き込まれるように移動し、所定の張力がベルト121、122、131、132、バックル50間に付与される。
【0130】
カムバックル16は、枠体16aにロックレバー16bが取り付けられ、この枠体16aとロックレバー16aの間に挿入された荷崩れ防止用ベルト4を固定する。ロックレバー16aを解放方向に押圧すると荷崩れ防止用ベルト4の固定が解除される。
【0131】
次に、図43に示す荷崩れ防止用締め具10sを用いて荷物を巻き締めて固定する方法につき説明する。第1の実施形態と同様に、パレット2上に荷物3を載置する。そして、最上段の荷物3の上に荷崩れ防止用締め具10を設けた押さえ板1を置く。そして、荷崩れ防止用締め具10sの締め付け用バックル11のレバー11dを開放状態にする(図1参照)。荷崩れ防止用ベルト4のループ係合部41を荷崩れ防止用締め具10の係合フック14に係合させる(図18参照)。
【0132】
パレット2の窓部21に荷崩れ防止用ベルト4を通し、棒等を利用し、対向する面の窓部21から荷崩れ防止用ベルト4を引き出す(図19参照)。その後、荷崩れ防止用締め具10sのカムバックル16の枠体16aとロックレバー16bの間に荷崩れ防止用ベルト4を通す(図20参照)。
【0133】
カムバックル16に通した荷崩れ防止用ベルト4を下方向に引き、荷崩れ防止用ベルト4を締め付ける(図21参照)。荷崩れ防止用ベルト4を下方向に締め付けると、ベルト12s、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、圧縮コイルバネ56の付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまで荷崩れ防止用ベルト4を引っ張る。バー52がピン54に当接すると、荷崩れ防止ベルト4、ベルト121、122、ベルト131、132間には、この実施形態では、13kgの張力がかかる。パレット2と荷物3の上に載置される押さえ板1により上下から荷物3が挟みこまれ、荷崩れ防止用ベルト4と荷崩れ防止用締め具10sのベルト12s、ベルト131、132により、荷物3に締め付け力が与えられる。
【0134】
続いて、レバー11dを矢印方向に回転させ、レバー11dを固定すると、レバー11aの回転に伴い、ベルト121及びベルト131が引っ張られ、所定の張力がベルト121、131に付与される。この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131間に所定の張力、この実施形態では、10kgの張力が加わる。この結果、荷物3には、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けたときの略13kgの締め付け力にさらに10kgの締め付け力が加わり、略23kgの締め付け力で荷物3を固定することができる。
【0135】
尚、荷崩れ防止用ベルト4が荷物3を巻回する時に、角(コーナー)を4箇所通ることになることを考慮すると、一方の力及び緩みが他方に伝わりにくくなる虞がある。そこで、この図43に示す例では、第1のベルト12、第2のベルト13にそれぞれバックル50を取り付けて、力並びに緩みをそれぞれのベルトで対応するよう構成している。
【0136】
上記したバックル50を第3の実施形態の荷崩れ防止用締め具10tに用いた場合につき、図44ないし図46を参照して説明する。
【0137】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合に用いるもので、荷崩れ防止用締め具10tの両端のバックルを単純なフックに変更した荷崩れ防止用締め具10tである。
【0138】
荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11s、第1のベルト12t、第2のベルト131、132、緩み防止機能を有するバックル50、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0139】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11sが装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0140】
ベルト12tは、一端に係止フック41が装着され、他端に締め付け用のバックル11sが装着されている。
【0141】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト12tとベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト12tとベルト131、132及びバックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0142】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっている場合には、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる。そこで、図44ないし図46の実施形態においては、荷崩れ防止用締め具10tのベルト12tとベルト132に設けられたフック14と荷崩れ防止用ベルト4の両端にそれぞれ設けられたループ係合部41とを係合させたときに所定の締め付け力がかかるように荷崩れ防止用ベルト4の長さを決めている。
【0143】
フック14にループ係合部41を係合する際には、図45に示すように、コイルバネ56に抗してフック14を引き、ループ係合部41を係合させる。その後、図46に示すように、荷崩れ防止用締め具10tのレバー11dを締めて15kg程度の締め付け力が加わるように調整している。
【0144】
上記したバックル50を第3の実施形態の荷崩れ防止用締め具10tに用いた他の例につき、図47を参照して説明する。
【0145】
荷崩れ防止用締め具10tは、締め付け用バックル11s、第1のベルトベルト121、122、第2のベルト131、132、第1のベルト、第2のベルトにそれぞれ取り付けられる締め付け力のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50と、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0146】
ベルト122は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第1のベルトを構成している。
【0147】
ベルト132は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト131は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11が装着される。ベルト131のループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132のループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0148】
この締め付け用バックル11sを締め付ける方向に固定すると、ベルト121とベルト131とが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト121、ベルト122とベルト131、132及びバックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0149】
フック14にループ係合部41を係合する際には、コイルバネ56に抗してフック14を引き、ループ係合部41を係合させる。その後、荷崩れ防止用締め具10sのレバー11dを締めて15kg程度の締め付け力が加わるように調整している。
【0150】
上記したバックル50を用いた第6の実施形態につき、図4ないし図46を参照して説明する。
【0151】
パレット2上に載せる荷物3の数が決まっており、巻回する荷崩れ防止用ベルト4の長さが予め分かる場合に用いるもので、第3の実施形態と同様に、荷崩れ防止用締め具10の両端のバックルを単純なフックに変更した荷崩れ防止用締め具10xである。
【0152】
荷崩れ防止用締め具10xは、締め付け用バックル11x、第1のベルト121、122、第2のベルト13s、緩み防止機能を有するバックル50、荷崩れ防止用ベルト4の両端に設けられたループ係合部41が係合するフック14と、を備える。
【0153】
ベルト122は、一端にフック14が装着され、他端にバックル50が装着される。また、ベルト121は、一端にバックル50が他端に締め付け用のバックル11xが装着される。ベルト121のループ状の係合部1211内にはバー52が収容されている。ベルト121は、締め付け用バックル11xのベース11aの一部に係合されている。
【0154】
また、ベルト122のループ状の係合部1222内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト121とベルト122との間にバックル50が装着されて、第2のベルトを構成している。
【0155】
ベルト13sは、一端に係止フック41が装着され、他端に締め付け用のバックル11xが装着されている。
【0156】
締め付け用バックル11xは、ベース11aにヒンジ11bを介して回動可能なレバー11dを有する。そして、レバー11dのヒンジ11bの近傍にベルト13sの端部と係合する係合ピン11fが設けられている。ベルト13sの端部はループ状に形成された係合部13eを有し、このループ状の係合部13e内にレバー11dの係合ピン11fが収納され、レバー11dとベルト13sが係合されている。また、ベルト131の端部はベース11aに係合されている。
【0157】
この締め付け用バックル11xを締め付ける方向に固定すると、ベルト13sとが締め付け用バックル11s内に巻き込まれ、ベルト13sとベルト121、122、バックル50間に所定の張力、例えば、10kgの張力が加わるように構成している。
【0158】
張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50をベルト間に用いると、バックル50が緩衝の役目を果たすことができ、締め付け用バックル11xの左右のベルトの引き込み量を変えなくてもよい。そして、予め、荷崩れ防止用ベルト4の長さを事前に決めることができる場合には、それぞれフック14、14で構成でき、荷崩れ防止用ベルト4のセットも容易になる。そして、上記のように、締め付け用バックル11xのレバー11dにベルト13sを係合させる機構にすると、左右略同じ寸法が引き込まれることになる。
【0159】
レバー11dを開放すると、ベルト13sは、ベルトの係合部13e内に係合ピン11fが収納された状態で一番延びた状態で保持されることになる。
【0160】
そして、図49、図50に示すように、レバー11dを矢印方向に回転させると、ベルト13s及びベルト131は、レバー11dの回転に伴い、ループ状の係合部13eが係合ピン11fにより引っ張られ、レバー11d内に巻き込まれる。そして、ベルト13sが締め付け用バックル11s内に引き込まれ、また、ベルト121、122、及びバックル50も図50の図中矢印方向に移動し、所定の張力がベルト13s、121、122、バックル50間に付与される。
【0161】
次に、この発明の第7の実施形態につき、図51ないし図53を参照して説明する。図51は、第7の実施形態に用いられるテンションのインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックルを示す平面図、図52は、同側面図、図53は、バックルをベルトに取り付けた状態を示す斜視図である。
【0162】
図51及び図52に示すように、張力(テンション)のインジケータ且つ緩み防止機能を有するバックル50sは、U字型のアーム51と、このアーム51に摺動自在に装着されたバー52と、エンドバー53とを備える。U字型のアーム51とバー52の間には引張コイルバネ56sが嵌め込まれ、バー52をエンドバー53から離間する方向に付勢される。
【0163】
エンドバー53には、ねじ穴53aが設けられ、このねじ穴53にインジケータ用のピン54がねじ込まれている。このピン54を所定の長さまでねじ込みナット55で固定する。このピン54の長さにより、バー52が押し込まれ、当接したときに引張コイルバネ56sがバー53に対して付勢する力を設定する。ピン54の突出する量を短くすると、バー53に対する付勢力は大きくなり、ピン54の突出する量を長くすると、バー53に対する付勢力は小さくなる。
【0164】
この調整は、荷崩れ防止用ベルト4を装着する前に行う。この調整により、後述するように、荷崩れ防止用ベルト4を締め付けて行き、バー53がピン54の先端に当接すると、ベルトに付加される張力が何kgかが分かる。例えば、バー52が10mm移動したときにピン52と当接するように、ピン54の突出量を調節すると、ベルトに13kgの張力を与えるインジケータとして機能する。
【0165】
このように、ピン54とバー52と引張コイルバネ56sを備えたバックル50sをベルトに取り付ける。図53に示すように、ベルト131とベルト132との間にバックル50を取り付ける。ベルト131の端部をエンドバー53側からバー52を越えて折り返し、エンドバー53を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1311が設けられる。このループ状の係合部1311内にはバー52が収容されている。また、ベルト132の端部をアーム51の先端を越えて折り返し、アーム51を過ぎたところでベルト端部を接合してループ状の係合部1322が設けられる。このループ状の係合部1322内にはアーム51の先端が収容されている。このように、ベルト131とベルト132との間にバックル50sが装着される。
【0166】
ベルトを作業者が引っ張ると、ベルト131とベルト132にも力が加わり、ベルト131とベルト132間が引っ張られ、引張コイルバネ56sの付勢力に抗してバー52がエンドバー53の方向へ移動していく。そして、バー52がピン54の先端に当接するまでベルトを引っ張る。バー52がピン54に当接すると、ベルトにはこの実施形態では、13kgの張力がかかる。
【0167】
また、引張コイルバネ56sによるバネ力とピン54の突出量にて、作業者による締め付け力が略一定に保つことができる。また、圧縮コイルバネ56により、ベルト12に常にテンションが与えられているので、運搬時に起こりやすい荷崩れ防止用ベルト4の緩みなどを吸収でき、運搬時の荷崩れがさらに抑制できる。
【0168】
この第6の実施形態のバックルを上述した各荷崩れ防止用締め具10、10s、10tに用いることにより、上述と同様に、荷崩れを確実に防止することができる。
【0169】
また、締め付け力の調整は、スプリングのバネ力を必要とする締め付け力に応じて選択すればよい。また、締め具にレバーによる加算の締結力は、レバーのストローク調整を行う等してベルトの移動量を変更することで適宜調整できる。
【0170】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0171】
1 押さえ板
2 パレット
3 荷物
10、10s、10t 荷崩れ防止締め具
11、11s、11x 締め付け用バックル
12 ベルト
13 ベルト
14 バックル
15 スプリング
16 カムバックル
50 バックル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、
前記荷崩れ防止用締め具は、
巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、
前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、
前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、を備えることを特徴とする荷崩れ防止用締め具。
【請求項2】
前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項3】
前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項4】
前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーに前記第1のベルトの端部と前記第2のベルトの端部がそれぞれ係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルト及び第2のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項5】
前記ベースが押さえ板の本体部に支持されることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項6】
前記本体部に連接して設けられた壁部と、この壁部に取り付けられた蓋部とを、有し、前記壁部と蓋部との間の空間に前記第1、第2のベルトがそれぞれ収容されることを特徴とする請求項5に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項7】
前記第1のベルトにベルト収容方向に付勢する弾性手段が設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか1項にないし請求項4のいずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項8】
前記本体部に前記弾性手段が取り付けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項9】
前記弾性部材は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項10】
パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、
前記荷崩れ防止用締め具は、
巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、
前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーに前記第1のベルトの端部又は前記第2のベルトの端部の少なくとも一方若しくは双方が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする荷崩れ防止用締め具。
【請求項11】
前記弾性部材は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを特徴とする請求項10に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項12】
前記本体部が前記押さえ板と一体に形成されていることを特徴とする請求項5ないし請求項11いずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項13】
パレットと、パレット上に積載された荷物の上に載置される押さえ板と、パレットを介して荷物を巻回する荷崩れ防止用ベルトと、前記荷崩れ防止用ベルトと係合される荷崩れ防止用締め具と、を備え、
前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、からなり、前記荷崩れ防止ベルトの一端を前記係合部と係合させ、他端を前記バックル部材に挿入し、前記弾性部材に抗して前記ベルトを巻き締めて固定し、前記締め付け手段で所定の締め付け力を付加して荷物を固定することを特徴とする荷崩れ防止装置。
【請求項1】
パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、
前記荷崩れ防止用締め具は、
巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、
前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、
前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、を備えることを特徴とする荷崩れ防止用締め具。
【請求項2】
前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項3】
前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーの端部に前記第1のベルトの端部が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項4】
前記バックル部材が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーに前記第1のベルトの端部と前記第2のベルトの端部がそれぞれ係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルト及び第2のベルトが引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする請求項1に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項5】
前記ベースが押さえ板の本体部に支持されることを特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項6】
前記本体部に連接して設けられた壁部と、この壁部に取り付けられた蓋部とを、有し、前記壁部と蓋部との間の空間に前記第1、第2のベルトがそれぞれ収容されることを特徴とする請求項5に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項7】
前記第1のベルトにベルト収容方向に付勢する弾性手段が設けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれか1項にないし請求項4のいずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項8】
前記本体部に前記弾性手段が取り付けられていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項9】
前記弾性部材は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを特徴とする請求項2ないし請求項7のいずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項10】
パレットと荷物の上に載置される押さえ板により、上下から荷物を挟み、ベルトを締め付けて荷物の荷崩れを防止して固定する荷崩れ防止用締め具において、
前記荷崩れ防止用締め具は、
巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する第1の係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトの他端を係合する第2の係合部と、
前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、
前記第1の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第1のベルト部材と、
前記第2の係合部が一端に設けられ他端が前記締め付け手段に接続される第2のベルト部材と、を備え、
前記締め付け手段は、ベースに回動可能なレバーを有し、前記レバーに前記第1のベルトの端部又は前記第2のベルトの端部の少なくとも一方若しくは双方が係合されており、前記レバーの回転に伴い、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が引っ張られ、所定の張力が前記第1、第2のベルト間に付与されることを特徴とする荷崩れ防止用締め具。
【請求項11】
前記弾性部材は、U字型のアームと、このアームに摺動自在に装着されたバーと、エンドバーと、前記バーをエンドバーから離間する方向に付勢するバネと、を備えたバックルからなり、前記第1のベルト又は第2のベルトの少なくとも一方若しくは双方が2つのベルトで構成され、ベルト間に前記バックルが装着されていることを特徴とする請求項10に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項12】
前記本体部が前記押さえ板と一体に形成されていることを特徴とする請求項5ないし請求項11いずれか1項に記載の荷崩れ防止用締め具。
【請求項13】
パレットと、パレット上に積載された荷物の上に載置される押さえ板と、パレットを介して荷物を巻回する荷崩れ防止用ベルトと、前記荷崩れ防止用ベルトと係合される荷崩れ防止用締め具と、を備え、
前記荷崩れ防止用締め具は、巻回する荷崩れ防止用ベルトの一端を係合する係合部と、前記荷崩れ防止用ベルトの他端が挿入され巻き締め方向にベルトを固定するバックル部材と、前記ベルトに張力を与える方向に付勢力を有し前記ベルトの巻き締め力を調整する弾性部材と、前記荷崩れ防止用ベルトに対して所定の締め付け力を付加する締め付け手段と、からなり、前記荷崩れ防止ベルトの一端を前記係合部と係合させ、他端を前記バックル部材に挿入し、前記弾性部材に抗して前記ベルトを巻き締めて固定し、前記締め付け手段で所定の締め付け力を付加して荷物を固定することを特徴とする荷崩れ防止装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【公開番号】特開2011−143970(P2011−143970A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277163(P2010−277163)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(303028022)富士物流株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(303028022)富士物流株式会社 (5)
【Fターム(参考)】
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