荷物載せ台
【課題】 フォークリフトのフォークで常に安定よく持ち上げる爪受け部材を備えた荷物載せ台を提供する。
【解決手段】 テーブル本体に左右一対の脚体が折畳み自在に設けられた荷物載せ台において、テーブル本体の下面の端縁近傍箇所に、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材が設けられており、該爪受け部材は、フォークを差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、荷物載せ台の左右のバランスのとれる位置に形成されている構造とした。
【解決手段】 テーブル本体に左右一対の脚体が折畳み自在に設けられた荷物載せ台において、テーブル本体の下面の端縁近傍箇所に、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材が設けられており、該爪受け部材は、フォークを差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、荷物載せ台の左右のバランスのとれる位置に形成されている構造とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックやトレーラーの箱形荷台またはコンテナの内部を上下に仕切って、荷物収納空間を有効に利用することのできる荷物載せ台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラックの箱形荷台を水平なテーブル台(棚板)で上下に仕切って、荷物をテーブル台の上下に積載する技術として、特許文献1〜特許文献3に示すものが提供されている。
【特許文献1】特公平8−18508号公報
【特許文献2】特開2005ー412955号公報
【特許文献3】特開2005−153815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の発明では、トラックの荷台に支柱を固定させ、実質的な棚となる上段アームと下段アームを昇降装置のシリンダーで夫々上下に移動させるように組み付けたものであるから、トラック荷台への組み付け、分解作業が大変煩雑であって、積み荷の種類によって、例えば、往路で軽量の荷物を二段積み運搬し、復路で重量荷物を一段積み運搬する作業が容易に行うことができなかった。
【0004】
そこで、トラック荷台への取付けや取外し作業を容易に行い得るように、工夫を加えられた荷物載せ台が特許文献2並びに特許文献3に開示されている。この技術によれば、水平なテーブル本体の両端下面に折畳み自在な脚を設けられていて、折りたたみ姿勢からフォークリフトでテーブル本体を持ち上げることにより、折り畳まれた脚が自重によって起立姿勢まで回動するように構成されている。したがって、この発明によれば、トラック荷台への取付けや取外しが容易である、といった効果があるが、荷物載せ台に貨物を載せて持ち上げるような場合に以下のような問題点があった。
【0005】
即ち、上記の従来方式では、フォークリフトで荷物載せ台を持ち上げる際に、フォークをテーブル本体の下面に接触させてそのまま片持ちで上方に持ち上げるものであるから、テーブル台上に載せられた貨物の重心がフォークの受け部より先端側にあると、前方に倒れてフォークから落下するといった危険性があった。また、荷物載せ台の重心を正確に支えないとバランスがくずれて左右に傾斜し、台上に載せた荷物が滑り落ちることがあった。殊に、脚を折り畳んだ多数の荷物載せ台を搬送の目的でトラック荷台に積み込む際、フォークで複数の荷物載せ台を積み重ねた状態で持ち上げたときに、フォークの差し込み位置の狂いによって荷物載せ台の左右方向のバランスがくずれて上段の荷物載せ台が滑り落ちる危険があった。
【0006】
そこで本発明は、上記した従来課題を解消することが可能な爪受け部材を有する荷物載せ台を提供することを主たる目的とするものである。
【0007】
更に、本発明の第2の目的は、前記爪受け部材を必要としないときはこれをテーブル本体に折り畳むことができるようにして、爪受け部材の起立による荷物収納スペースの減縮、ならびに当接による荷物の破損を回避することのできる荷物載せ台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発明にかかる荷物載せ台にあっては、テーブル本体に左右一対の脚体が折畳み自在に設けられた荷物載せ台において、テーブル本体の下面の端縁近傍箇所に、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材が設けられており、該爪受け部材は、フォークを差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、荷物載せ台の左右のバランスのとれる位置に形成されている構造としたものである。
【0009】
上記発明において、爪受け部材は、テーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢と平行な折り畳み姿勢とに変更可能に形成されている構造とするのがよい。またこの場合、爪受け部材が、テーブル本体の平面に対して平行な折り畳み姿勢にあるときに、その姿勢をロックする係合部材を設けるのがよい。更に、爪受け部材がテーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢にあるときに、その姿勢を仮保持する保持手段を設けるのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、テーブル本体の下面の端縁近傍箇所に、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材を設けたから、フォークを爪受け部材に差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、万一、荷物載せ台並びにこれに載せた荷物の重心がフォークの前方にかかっても、爪受け部材から前方に伸びたフォークの先端部と爪受け部材の2点で荷物載せ台が支えられて前方に落下することがない。また、爪受け部材は、フォークを差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、荷物載せ台の荷物載せ台の左右のバランスのとれる位置に形成されているので、常に設定された位置で左右がぶれることなく安定した状態でフォークにより荷物載せ台に荷物を載せて上げ降ろしすることができ、これにより、上げ降ろし中に左右のバランスを崩して荷物載せ台上の荷物が滑り落ちることを未然に防止することができる、といった効果がある。
【0011】
また、本発明では、請求項2に記載の如く、爪受け部材をテーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢と平行な折り畳み姿勢とに変更可能な構成とすることにより、トラック荷台で荷物載せ台の脚体を立ててテーブル本体の上下の空間に小荷物を収納する場合に、爪受け部材を折り畳むことにより、爪受け部材の起立によるテーブル本体下方の荷物収納スペースの減縮を回避することができると共に、爪受け部材に荷物が当接して破損することを防止することができるといった効果がある。
【0012】
また本発明では、請求項3に記載のごとく、爪受け部材が、テーブル本体の平面に対して平行な折り畳み姿勢にあるときに、その姿勢をロックする係合部材を設けた構成とすることにより、爪受け部材の折りたたみ姿勢を確実に保持することができ、走行中の振動によって爪受け部材が自然に下方に垂れ下がることを阻止することができる。
【0013】
更に本発明では、請求項4に記載の如く、爪受け部材がテーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢にあるときに、その姿勢を仮保持する保持手段を設けた構成とすることにより、起立時の爪受け部材のふらつき等の不安定さをなくし、フォークの差し込みを容易に行うことができるといった効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳述する。図において符号Aは荷物載せ台を示すものであって、平面視四角形のテーブル本体1と、該テーブル本体1の対向する左右側部の下面に固定された脚ホルダー2と、この脚ホルダー2にテーブル本体の中心に向かって内側に折畳みできるように取り付けられた左右一対の脚部材3とからなる。テーブル本体1並びに脚部材3は、金属製の四角パイプを縦、横に格子状に組み合わせることによって充分な強度が付与された状態で形成されている。
【0015】
脚部材3は、図5〜図7で詳しく示すように、その上端部分の側面に、端面が楕円形のキー部材31が固定されている。このキー部材31はその長径方向が脚部材3の軸方向(長さ方向)に沿うように形成されており、且つ、脚ホルダー2に設けられた円形の支持穴21内で回動できるように形成されている。更に、キー部材31がその長径方向を垂直な姿勢に向けた時、即ち、脚部材3が垂直な起立姿勢になったときにキー部材31がスライド自在に係入するキー溝22が円形の支持穴21の上端に連なって設けられている。
【0016】
テーブル本体1の下面には、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材4が設けられている。この爪受け部材4は、テーブル本体1の両端縁部の下面で夫々一対ずつ設けられており、対をなす左右の爪受け部材4、4の間隔は、一般に使用されるフォークリフトの左右のフォークと同じ間隔で形成されている。この爪受け部材4にフォークを差し込んで荷物載せ台Aをフォークで持ち上げたときに、荷物載せ台Aの重心を支えることができるように前記爪受け部材4の位置が設定されている。
【0017】
爪受け部材4は、図8〜図10で詳しく示すように、コの字形に屈曲された金属板によって形成され、テーブル本体1の四角パイプ11に固定されたブラケット41に枢軸42を介して回動できるように取り付けられ、これにより、図10に示すようにテーブル本体1の平面に対して直角な起立姿勢と、図8並びに図9に示す平行な折り畳み姿勢とに変更できるように形成されている。
【0018】
爪受け部材4がテーブル本体1の平面に対して平行な折り畳み姿勢にあるときに、その姿勢をロックする係合部材5が設けられている。本実施例では、この係合部材5はブラケット41並びに四角パイプ11を貫通する軸穴43に設定量だけスライド可能に装着された係合ピン51を含み、スプリング52によってコの字形爪受け部材4の中間部分に設けられたピン穴44に向かって弾力的に付勢され、その先端がピン穴44に係合して折りたたみ姿勢が保持されている。係合ピン51はその頭部のつまみ部53が四角パイプ11に設けられた窓12からテーブル本体1の側端面に露出され、このつまみ部53を指先や工具で掴んでスプリング52の弾力に抗して引っ張ることにより、係合ピン41と爪受け部材のピン穴44との係合を解除することができ、これにより爪受け部材4を図10のようにテーブル本体1の平面に対して直角な起立姿勢に回動させることができる。尚、爪受け部材4を起立姿勢から折り畳み姿勢に回動したときに、係合ピン51の先端が容易にピン穴44に係入できるように傾斜したガイド面45がピン穴44の周辺部分に形成されている。
【0019】
また、爪受け部材4がテーブル本体1の平面に対して直角な起立姿勢にあるときに、その姿勢を仮保持する保持手段6が設けられている。本実施例ではこの保持手段として、図8に示すように、弾性パッキンをブラケット41と爪受け部材4との間で枢軸42の回りに介在させて、爪受け部材4に所定の回動トルクを付与することにより達成されている。 更に、図1に示すように、脚部材3を折り畳んだときに、脚部材3に取り付けられたフック環7がテーブル本体1の止めピン13に着脱自在に係合してその姿勢を保持できるように形成されている。尚、図中8は、脚部材3の回動動作をスムースに行わせるために脚部材の下端近傍に設けられた滑動コマを示す。
【0020】
上記の構成において、図1の、脚部材3を折り畳んだ状態から、フック環7を外して、フォークリフトのフォークを爪受け部材4に差し込み、荷物載せ台Aを持ち上げると、脚部材3は自重により起立方向に回動し、図5の状態を経て図6の垂直な起立姿勢になる。この状態で、荷物載せ台Aを箱形荷台の床面に降ろすと、図7に示すように、キー部材31が脚ホルダー2のキー溝22に嵌入し、脚部材3の起立姿勢が保持される。この状態で更にネジ32でキー部材31を締め付けることにより、脚部材3の起立姿勢を固定することができる。
【0021】
図11に示すように、脚部材3を起立させた状態で荷物載せ台AをトラックBの箱形荷台Cに設置することにより、小型軽量の荷物をテーブル本体1の上下空間に2段積みして箱形荷台の空間を有効利用することができる。このとき、テーブル本体1の下方空間に向かって起立した爪受け部材4を折り畳むようにすれば、爪受け部材4によってテーブル本体下方の荷物収納スペースが損なわれることを回避することができると共に、爪受け部材4に荷物が当接して破損することが防止される。また、図11の左側に示すように、脚部材3を折り畳んだ状態のままで、背の高い貨物を載せてフォークリフトで箱形荷台に収納したり、或いは箱形荷台から降ろすことができる。
【0022】
脚部材3を起立させた状態から折り畳むときは、ネジ32を緩めたあと、図3に示すように、フォークで荷物載せ台Aを持ち上げて脚部材3を少し内側に回動させた姿勢で床面や地上に降ろすことにより折りたたむことができる。この場合、先端にフック9aを備えたロープ材9で左右の脚部材3の先端部分を引っ掛けて内側への回動姿勢を保持させておけば、フォークリフト運転者一人で容易に折り畳み作業を行うことができる。
【0023】
本発明において、テーブル本体1の下面に設けられる爪受け部材4は、これに差し込まれたフォークの先端が爪受け部材4を貫通して更に奥まで延びてテーブル本体1の下面に接触する状態を維持できるのであれば、テーブル本体1の端縁より少し内側に入り込んだ位置で設けもよい。
【0024】
また、本発明において、爪受け部材4を折り畳み姿勢に保持する係合部材5や、起立姿勢を保持する保持手段6は上記した実施例構造に特定されない。例えば、図示は省略するが、爪受け部材4の折り畳み位置並びに起立位置で、互いに弾力的に係合する弾性凹凸部を爪受け部材4とブラケット41との間に形成することによって達成することが可能である。その他本発明ではその構成要件を備え、かつ本発明の目的を達成し、本発明の効果を奏する範囲内において適宜改変して実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の荷物載せ台は、トラックの箱形荷台の他に、鉄道貨車やコンテナにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかる荷物載せ台の一実施例を示す正面図であって、脚部材を折り畳んだ状態を示す。
【図2】上記荷物載せ台の正面図であって、脚部材を起立させた状態を示す。
【図3】上記荷物載せ台の折り畳み過程を示す正面図。
【図4】上記荷物載せ台の側面図。
【図5】上記荷物載せ台の脚部材の作動を示す拡大説明図であって、折り畳み姿勢から起立姿勢に移行する過程を示す。
【図6】図5同様の説明図であって、脚部材のキー部材がキー溝に嵌入する前を示す。
【図7】図5同様の説明図であって、脚部材が起立姿勢になった状態を示す。
【図8】本発明にかかる荷物載せ台の爪受け部材を示す拡大斜視図。
【図9】上記爪受け部材の断面図。
【図10】上記爪受け部材の起立姿勢を示す断面図。
【図11】本発明にかかる荷物載せ台をトラックの箱形荷台に取り付けた状態を示す側面図。
【符号の説明】
【0027】
A 荷物載せ台
1 テーブル本体
3 脚部材
4 爪受け部材
5 係合部材
6 保持部材
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックやトレーラーの箱形荷台またはコンテナの内部を上下に仕切って、荷物収納空間を有効に利用することのできる荷物載せ台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラックの箱形荷台を水平なテーブル台(棚板)で上下に仕切って、荷物をテーブル台の上下に積載する技術として、特許文献1〜特許文献3に示すものが提供されている。
【特許文献1】特公平8−18508号公報
【特許文献2】特開2005ー412955号公報
【特許文献3】特開2005−153815号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1の発明では、トラックの荷台に支柱を固定させ、実質的な棚となる上段アームと下段アームを昇降装置のシリンダーで夫々上下に移動させるように組み付けたものであるから、トラック荷台への組み付け、分解作業が大変煩雑であって、積み荷の種類によって、例えば、往路で軽量の荷物を二段積み運搬し、復路で重量荷物を一段積み運搬する作業が容易に行うことができなかった。
【0004】
そこで、トラック荷台への取付けや取外し作業を容易に行い得るように、工夫を加えられた荷物載せ台が特許文献2並びに特許文献3に開示されている。この技術によれば、水平なテーブル本体の両端下面に折畳み自在な脚を設けられていて、折りたたみ姿勢からフォークリフトでテーブル本体を持ち上げることにより、折り畳まれた脚が自重によって起立姿勢まで回動するように構成されている。したがって、この発明によれば、トラック荷台への取付けや取外しが容易である、といった効果があるが、荷物載せ台に貨物を載せて持ち上げるような場合に以下のような問題点があった。
【0005】
即ち、上記の従来方式では、フォークリフトで荷物載せ台を持ち上げる際に、フォークをテーブル本体の下面に接触させてそのまま片持ちで上方に持ち上げるものであるから、テーブル台上に載せられた貨物の重心がフォークの受け部より先端側にあると、前方に倒れてフォークから落下するといった危険性があった。また、荷物載せ台の重心を正確に支えないとバランスがくずれて左右に傾斜し、台上に載せた荷物が滑り落ちることがあった。殊に、脚を折り畳んだ多数の荷物載せ台を搬送の目的でトラック荷台に積み込む際、フォークで複数の荷物載せ台を積み重ねた状態で持ち上げたときに、フォークの差し込み位置の狂いによって荷物載せ台の左右方向のバランスがくずれて上段の荷物載せ台が滑り落ちる危険があった。
【0006】
そこで本発明は、上記した従来課題を解消することが可能な爪受け部材を有する荷物載せ台を提供することを主たる目的とするものである。
【0007】
更に、本発明の第2の目的は、前記爪受け部材を必要としないときはこれをテーブル本体に折り畳むことができるようにして、爪受け部材の起立による荷物収納スペースの減縮、ならびに当接による荷物の破損を回避することのできる荷物載せ台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために本発明では次のような技術的手段を講じた。即ち、本発明にかかる荷物載せ台にあっては、テーブル本体に左右一対の脚体が折畳み自在に設けられた荷物載せ台において、テーブル本体の下面の端縁近傍箇所に、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材が設けられており、該爪受け部材は、フォークを差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、荷物載せ台の左右のバランスのとれる位置に形成されている構造としたものである。
【0009】
上記発明において、爪受け部材は、テーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢と平行な折り畳み姿勢とに変更可能に形成されている構造とするのがよい。またこの場合、爪受け部材が、テーブル本体の平面に対して平行な折り畳み姿勢にあるときに、その姿勢をロックする係合部材を設けるのがよい。更に、爪受け部材がテーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢にあるときに、その姿勢を仮保持する保持手段を設けるのが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、テーブル本体の下面の端縁近傍箇所に、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材を設けたから、フォークを爪受け部材に差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、万一、荷物載せ台並びにこれに載せた荷物の重心がフォークの前方にかかっても、爪受け部材から前方に伸びたフォークの先端部と爪受け部材の2点で荷物載せ台が支えられて前方に落下することがない。また、爪受け部材は、フォークを差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、荷物載せ台の荷物載せ台の左右のバランスのとれる位置に形成されているので、常に設定された位置で左右がぶれることなく安定した状態でフォークにより荷物載せ台に荷物を載せて上げ降ろしすることができ、これにより、上げ降ろし中に左右のバランスを崩して荷物載せ台上の荷物が滑り落ちることを未然に防止することができる、といった効果がある。
【0011】
また、本発明では、請求項2に記載の如く、爪受け部材をテーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢と平行な折り畳み姿勢とに変更可能な構成とすることにより、トラック荷台で荷物載せ台の脚体を立ててテーブル本体の上下の空間に小荷物を収納する場合に、爪受け部材を折り畳むことにより、爪受け部材の起立によるテーブル本体下方の荷物収納スペースの減縮を回避することができると共に、爪受け部材に荷物が当接して破損することを防止することができるといった効果がある。
【0012】
また本発明では、請求項3に記載のごとく、爪受け部材が、テーブル本体の平面に対して平行な折り畳み姿勢にあるときに、その姿勢をロックする係合部材を設けた構成とすることにより、爪受け部材の折りたたみ姿勢を確実に保持することができ、走行中の振動によって爪受け部材が自然に下方に垂れ下がることを阻止することができる。
【0013】
更に本発明では、請求項4に記載の如く、爪受け部材がテーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢にあるときに、その姿勢を仮保持する保持手段を設けた構成とすることにより、起立時の爪受け部材のふらつき等の不安定さをなくし、フォークの差し込みを容易に行うことができるといった効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳述する。図において符号Aは荷物載せ台を示すものであって、平面視四角形のテーブル本体1と、該テーブル本体1の対向する左右側部の下面に固定された脚ホルダー2と、この脚ホルダー2にテーブル本体の中心に向かって内側に折畳みできるように取り付けられた左右一対の脚部材3とからなる。テーブル本体1並びに脚部材3は、金属製の四角パイプを縦、横に格子状に組み合わせることによって充分な強度が付与された状態で形成されている。
【0015】
脚部材3は、図5〜図7で詳しく示すように、その上端部分の側面に、端面が楕円形のキー部材31が固定されている。このキー部材31はその長径方向が脚部材3の軸方向(長さ方向)に沿うように形成されており、且つ、脚ホルダー2に設けられた円形の支持穴21内で回動できるように形成されている。更に、キー部材31がその長径方向を垂直な姿勢に向けた時、即ち、脚部材3が垂直な起立姿勢になったときにキー部材31がスライド自在に係入するキー溝22が円形の支持穴21の上端に連なって設けられている。
【0016】
テーブル本体1の下面には、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材4が設けられている。この爪受け部材4は、テーブル本体1の両端縁部の下面で夫々一対ずつ設けられており、対をなす左右の爪受け部材4、4の間隔は、一般に使用されるフォークリフトの左右のフォークと同じ間隔で形成されている。この爪受け部材4にフォークを差し込んで荷物載せ台Aをフォークで持ち上げたときに、荷物載せ台Aの重心を支えることができるように前記爪受け部材4の位置が設定されている。
【0017】
爪受け部材4は、図8〜図10で詳しく示すように、コの字形に屈曲された金属板によって形成され、テーブル本体1の四角パイプ11に固定されたブラケット41に枢軸42を介して回動できるように取り付けられ、これにより、図10に示すようにテーブル本体1の平面に対して直角な起立姿勢と、図8並びに図9に示す平行な折り畳み姿勢とに変更できるように形成されている。
【0018】
爪受け部材4がテーブル本体1の平面に対して平行な折り畳み姿勢にあるときに、その姿勢をロックする係合部材5が設けられている。本実施例では、この係合部材5はブラケット41並びに四角パイプ11を貫通する軸穴43に設定量だけスライド可能に装着された係合ピン51を含み、スプリング52によってコの字形爪受け部材4の中間部分に設けられたピン穴44に向かって弾力的に付勢され、その先端がピン穴44に係合して折りたたみ姿勢が保持されている。係合ピン51はその頭部のつまみ部53が四角パイプ11に設けられた窓12からテーブル本体1の側端面に露出され、このつまみ部53を指先や工具で掴んでスプリング52の弾力に抗して引っ張ることにより、係合ピン41と爪受け部材のピン穴44との係合を解除することができ、これにより爪受け部材4を図10のようにテーブル本体1の平面に対して直角な起立姿勢に回動させることができる。尚、爪受け部材4を起立姿勢から折り畳み姿勢に回動したときに、係合ピン51の先端が容易にピン穴44に係入できるように傾斜したガイド面45がピン穴44の周辺部分に形成されている。
【0019】
また、爪受け部材4がテーブル本体1の平面に対して直角な起立姿勢にあるときに、その姿勢を仮保持する保持手段6が設けられている。本実施例ではこの保持手段として、図8に示すように、弾性パッキンをブラケット41と爪受け部材4との間で枢軸42の回りに介在させて、爪受け部材4に所定の回動トルクを付与することにより達成されている。 更に、図1に示すように、脚部材3を折り畳んだときに、脚部材3に取り付けられたフック環7がテーブル本体1の止めピン13に着脱自在に係合してその姿勢を保持できるように形成されている。尚、図中8は、脚部材3の回動動作をスムースに行わせるために脚部材の下端近傍に設けられた滑動コマを示す。
【0020】
上記の構成において、図1の、脚部材3を折り畳んだ状態から、フック環7を外して、フォークリフトのフォークを爪受け部材4に差し込み、荷物載せ台Aを持ち上げると、脚部材3は自重により起立方向に回動し、図5の状態を経て図6の垂直な起立姿勢になる。この状態で、荷物載せ台Aを箱形荷台の床面に降ろすと、図7に示すように、キー部材31が脚ホルダー2のキー溝22に嵌入し、脚部材3の起立姿勢が保持される。この状態で更にネジ32でキー部材31を締め付けることにより、脚部材3の起立姿勢を固定することができる。
【0021】
図11に示すように、脚部材3を起立させた状態で荷物載せ台AをトラックBの箱形荷台Cに設置することにより、小型軽量の荷物をテーブル本体1の上下空間に2段積みして箱形荷台の空間を有効利用することができる。このとき、テーブル本体1の下方空間に向かって起立した爪受け部材4を折り畳むようにすれば、爪受け部材4によってテーブル本体下方の荷物収納スペースが損なわれることを回避することができると共に、爪受け部材4に荷物が当接して破損することが防止される。また、図11の左側に示すように、脚部材3を折り畳んだ状態のままで、背の高い貨物を載せてフォークリフトで箱形荷台に収納したり、或いは箱形荷台から降ろすことができる。
【0022】
脚部材3を起立させた状態から折り畳むときは、ネジ32を緩めたあと、図3に示すように、フォークで荷物載せ台Aを持ち上げて脚部材3を少し内側に回動させた姿勢で床面や地上に降ろすことにより折りたたむことができる。この場合、先端にフック9aを備えたロープ材9で左右の脚部材3の先端部分を引っ掛けて内側への回動姿勢を保持させておけば、フォークリフト運転者一人で容易に折り畳み作業を行うことができる。
【0023】
本発明において、テーブル本体1の下面に設けられる爪受け部材4は、これに差し込まれたフォークの先端が爪受け部材4を貫通して更に奥まで延びてテーブル本体1の下面に接触する状態を維持できるのであれば、テーブル本体1の端縁より少し内側に入り込んだ位置で設けもよい。
【0024】
また、本発明において、爪受け部材4を折り畳み姿勢に保持する係合部材5や、起立姿勢を保持する保持手段6は上記した実施例構造に特定されない。例えば、図示は省略するが、爪受け部材4の折り畳み位置並びに起立位置で、互いに弾力的に係合する弾性凹凸部を爪受け部材4とブラケット41との間に形成することによって達成することが可能である。その他本発明ではその構成要件を備え、かつ本発明の目的を達成し、本発明の効果を奏する範囲内において適宜改変して実施できるものである。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の荷物載せ台は、トラックの箱形荷台の他に、鉄道貨車やコンテナにも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明にかかる荷物載せ台の一実施例を示す正面図であって、脚部材を折り畳んだ状態を示す。
【図2】上記荷物載せ台の正面図であって、脚部材を起立させた状態を示す。
【図3】上記荷物載せ台の折り畳み過程を示す正面図。
【図4】上記荷物載せ台の側面図。
【図5】上記荷物載せ台の脚部材の作動を示す拡大説明図であって、折り畳み姿勢から起立姿勢に移行する過程を示す。
【図6】図5同様の説明図であって、脚部材のキー部材がキー溝に嵌入する前を示す。
【図7】図5同様の説明図であって、脚部材が起立姿勢になった状態を示す。
【図8】本発明にかかる荷物載せ台の爪受け部材を示す拡大斜視図。
【図9】上記爪受け部材の断面図。
【図10】上記爪受け部材の起立姿勢を示す断面図。
【図11】本発明にかかる荷物載せ台をトラックの箱形荷台に取り付けた状態を示す側面図。
【符号の説明】
【0027】
A 荷物載せ台
1 テーブル本体
3 脚部材
4 爪受け部材
5 係合部材
6 保持部材
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブル本体に左右一対の脚体が折畳み自在に設けられた荷物載せ台において、テーブル本体の下面の端縁近傍箇所に、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材が設けられており、該爪受け部材は、フォークを差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、荷物載せ台の左右のバランスのとれる位置に形成されている荷物載せ台。
【請求項2】
前記爪受け部材が、テーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢と平行な折り畳み姿勢とに変更可能に形成されている請求項1に記載の荷物載せ台。
【請求項3】
前記爪受け部材がテーブル本体の平面に対して平行な折り畳み姿勢にあるときに、その姿勢をロックする係合部材が設けられている請求項2に記載の荷物載せ台。
【請求項4】
前記爪受け部材がテーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢にあるときに、その姿勢を仮保持する保持手段が設けられている請求項2または請求項3の何れかに記載の荷物載せ台。
【請求項1】
テーブル本体に左右一対の脚体が折畳み自在に設けられた荷物載せ台において、テーブル本体の下面の端縁近傍箇所に、フォークリフトのフォークを差し込むことのできる爪受け部材が設けられており、該爪受け部材は、フォークを差し込んで荷物載せ台を持ち上げたときに、荷物載せ台の左右のバランスのとれる位置に形成されている荷物載せ台。
【請求項2】
前記爪受け部材が、テーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢と平行な折り畳み姿勢とに変更可能に形成されている請求項1に記載の荷物載せ台。
【請求項3】
前記爪受け部材がテーブル本体の平面に対して平行な折り畳み姿勢にあるときに、その姿勢をロックする係合部材が設けられている請求項2に記載の荷物載せ台。
【請求項4】
前記爪受け部材がテーブル本体の平面に対して直角な起立姿勢にあるときに、その姿勢を仮保持する保持手段が設けられている請求項2または請求項3の何れかに記載の荷物載せ台。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−118998(P2007−118998A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−313533(P2005−313533)
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000110664)ナンカイ工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000110664)ナンカイ工業株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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