説明

薄型の電源装置

【課題】 従来の電源装置はスペーサなどの構造材で安全規格の要求する絶縁距離を空間距離として確保するのが一般的で、筐体に収納する占有高さがこの構造材の高さにより制約されており、より薄くしたいという要望にこたえることができなかった。
【解決手段】 プリント基板の片面には銅箔パターンを配し、その面に部品を実装し、銅箔パターン面と反対の面には部品や銅箔パターンを設けずにプリント基板の基材を絶縁物として利用することで電気用品安全法などの安全規格に合致する沿面、空間距離を確保しスペーサなどの構造物を使用せず、直接その面にて筐体に取り付けるようにすることで電源装置の占有高さを低く抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薄型看板などの非常に厚みの薄い空間に搭載する目的で、電気用品安全法などの安全規格に対応し、商用交流を入力とした薄型の電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
そもそも電気用品安全法などの安全規格は、感電などの事故を防止するため、一次回路と筐体などの非充電金属部との沿面、空間距離に関しては厳しく定められている。従来の技術としては、この一次回路と電源取付金属板などの非充電金属部との沿面、空間距離を保つために、プリント基板をスペーサなどの構造部品で筐体から距離を保つことで実現している。
【0003】
したがって、電源取付金属板からプリント基板の銅箔パターン面に突き出した部品のリード先端の電源装置としての必要寸法に、安全規格に定められた一次回路と電源取付金属板などの非充電金属部との空間距離の確保のためのスペーサなどの占有高さを要することとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の例としては、図6に示すようにプリント基板をスペーサなどの構造材で規格の要求する絶縁距離を空間距離として確保するのが一般的で、筐体に収納する占有高さがこの構造材の高さにより制約されており、より薄くしたいという要望にこたえることができなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、薄型看板などの非常に厚みの薄い空間に搭載する目的で、電気用品安全法などの安全規格に対応した商用交流を入力とした薄型の電源装置に関するものである。本目的を達成するために、プリント基板の片面には銅箔パターンを配し、その面に部品を実装し、銅箔パターン面と反対の面には部品や銅箔パターンを設けずにプリント基板の基材を絶縁物として利用することで電気用品安全法などの安全規格に合致する沿面、空間距離を確保しスペーサなどの構造物を使用せず、直接その面にて電源取付金属板に取り付けるようにするものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、プリント基板の銅箔パターン面と反対の面には部品や銅箔パターンを設けずにプリント基板の基材を絶縁物として利用し、直接電源取付金属板に取付けるため非常に薄型で、電気用品安全法などの安全規格を満足できる商用交流を入力とした電源装置を提供できる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例1
【図2】本発明の実施例2
【図3】本発明の実施例3
【図4】本発明の実施例4
【図5】本発明の実施例5
【図6】従来の代表的な筐体への取付構造である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
プリント基板の片面には銅箔パターンを配し、その面に部品を実装し、銅箔パターン面と反対の面には部品や銅箔パターンを設けずにプリント基板の基材を絶縁物として利用することで電気用品安全法などの安全規格に合致する沿面、空間距離を確保しスペーサなどの構造物を使用せず、直接電源取付金属板3に取り付けるようにするものである。
【実施例1】
【0009】
図1は本発明の実施例1である。プリント基板1の片面には銅箔パターン8と表面実装する部品を配し、そのプリント基板のもう一方の片面には部品及び銅箔パターンは配さずに電源取付金属板3に接して取り付けることで、本電源装置の占有高さは実装部品占有高さ4とプリント基板の厚み5の和となり、図5で示す従来の代表的な電源取付金属板3への取付構造のスペーサ2の占有するスペーサ高さ6の部分に要した高さが不要となる。
【実施例2】
【0010】
図2は本発明の実施例2である。実施例1の変形として、電源取付金属板3の一部を切り欠き安全規格で要求する絶縁距離を確保した上で、プリント基板1の銅箔パターン8と表面実装する部品を配した片面の、もう一方の片面の一部には銅箔パターン10を設けている。また、電源取付金属板3の一部を切り欠いた部分に部品を実装することも可能である。
【0011】
図3は本発明の実施例3である。実施例1の変形として、プリント基板1を主たる絶縁物として使用し、絶縁物として機能する筐体を直接取り付ける面とした上で、プリント基板1の銅箔パターン8と表面実装する部品を配した片面の、もう一方の片面の一部には銅箔パターン10を設けている。
【0012】
図4は本発明の実施例4である。実施例1の変形としてプリント基板1を主たる絶縁物として使用し、フィルムなどの絶縁物12を補助的な絶縁物とした上で、プリント基板1の銅箔パターン8と表面実装する部品を配した片面の、もう一方の片面の一部には銅箔パターン10を設けている。
【0013】
図5は本発明の実施例5である。実施例4の変形としてプリント基板1の裏面銅箔パターン10を配し、プリント基板1の基材を安全規格に適合させる主たる絶縁物として使用するが、直接取付ける面は裏面銅箔パターン10と筐体の間を別の絶縁物12を介して電源取付金属板3に取付けられることを特徴とした薄型の電源装置。
【符号の説明】
【0014】
1 プリント基板
2 スペーサ
3 電源取付金属板
4 実装部品占有高さ
5 プリント基板厚み
6 スペーサ高さ
7 ディスクリート部品リード半田部
8 銅箔パターン
9 表面実装部品
10 裏面銅箔パターン
11 絶縁物として機能する筐体
12 絶縁物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
安全規格対象の電源装置において、プリント基板の片面には銅箔パターンを配し部品を表面実装し、その反対の面には部品や銅箔パターンを設けないことで、プリント基板の基材を安全規格に適合させる絶縁物として使用することにより直接その面で電源取付金属板に取付けられることを特徴とした薄型の電源装置。
【請求項2】
請求項1でプリント基板の部品や銅箔パターンを設けない面の一部には部品や銅箔パターンを配するが、その部分は取付ける電源取付金属板に穴もしくは絶縁物で安全規格に適合する絶縁距離を確保することで直接その面で電源取付金属板に取付けられることを特徴とした薄型の電源装置。
【請求項3】
請求項1でプリント基板の基材を安全規格に適合させる主たる絶縁物として使用し、直接取付ける面は別の絶縁物として機能する筐体に取付けられることを特徴とした薄型の電源装置。
【請求項4】
請求項1でプリント基板の基材を主たる絶縁物として使用し、直接取付ける電源取付金属板との間に別の絶縁物を配することで安全規格に適合させることを特徴とした薄型の電源装置。
【請求項5】
請求項4で裏面にも銅箔パターンを配し、プリント基板の基材を安全規格に適合させる主たる絶縁物として使用するが、直接取付ける面は裏面銅箔パターンと電源取付金属板の間に別の絶縁物を介して電源取付金属板に取付けられることを特徴とした薄型の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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