説明

街路灯

【課題】LED光源を光源に備えつつ意匠性を損なうことがない街路灯を提供すること。
【解決手段】灯具本体5を有する街路灯1であって、前記灯具本体5の側面の光出射面には、それぞれに平面状の光拡散性カバーたるカバーガラス15を設け、平面状の照射光を出射する複数のLED光源モジュール36を、それぞれの照射光が灯具本体5内で交差して前記カバーガラス15のそれぞれに入射するように設ける構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LED光源を備えた街路灯に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のLED光源の高出力化、高寿命化に伴い、LED光源を光源に採用した照明器具が普及しつつある。光源を納めた灯具本体を屋外に立設したポールに支持して地面を照明する街路灯においても例外ではなく、光源にLED光源を採用したLED街路灯が各種提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−218182号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
HIDランプを光源とした街路灯においては、グローブの材質にフロストガラスを採用し、グローブの表面全体を均一な輝度で発光させることで意匠性を高めたものがある。しかしながら、LEDを光源とした場合、LED光源に近い箇所の輝度が高まりグローブ表面の輝度分布が崩れてしまい、意匠性が損なわれる、という問題がある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、LED光源を光源に備えつつも意匠性を損なうことがない街路灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、灯具本体を有する街路灯であって、前記灯具本体の側面の光出射面には、それぞれに平面状の光拡散性カバーを設け、平面状の照射光を出射する複数のLED光源モジュールを、それぞれ照射光が灯具本体内で交差して前記光拡散性カバーのそれぞれに入射するように設けたことを特徴とする。
【0006】
また本発明は、上記街路灯において、前記LED光源モジュールは、平面状の発光面から照射光を出射する表面実装型のLEDと、当該LEDを囲み照射光の出射範囲を前記LEDの発光面よりも大きな範囲に拡大して出射する反射鏡とを備えることを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記街路灯において、前記LED光源モジュールは、それぞれ前記光拡散性カバーの略全範囲に照射光を入射し前記光拡散性カバーの前記光出射面を均一に発光させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、灯具本体の側面の光出射面には、それぞれに光拡散性カバーを設ける構成としたため、輝点が非常に小さいLEDを光源とする場合であっても、光拡散性カバーで光を拡散させて照明することができる。
これに加え、光拡散性カバーを平面状とするとともに、平面状の照射光を出射するLED光源モジュールを光源としたため、光拡散性カバーを均一に照射することができ、光拡散性カバーの輝度ムラを抑えることができる。このとき、LED光源モジュールの照射光が灯具本体内で交差して光拡散性カバーのそれぞれに入射するように各LED光源モジュールを設けているため、LED光源モジュールが直近の光拡散性カバーを直接照射する構成に比べて、LED光源モジュールから光拡散性カバーまでの距離を大きくとることができる。これにより、LED光源モジュールの照射光が十分に拡げられて光拡散性カバーの広い範囲を均一に照射するため、光拡散性カバーの輝度ムラをより目立たなくし、意匠性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本実施形態に係る街路灯の全体構成を示す図である。
【図2】灯具本体の構成を示す図である。
【図3】図3は灯具本体の分解図である。
【図4】交換用光源ユニットの構成を示す図であり、(A)〜(C)はそれぞれ上面視図、正面視図及び底面視図である。
【図5】LED光源ユニットの構成を示す図であり、(A)〜(C)はそれぞれ正面視図、側面視図及び平面視図である。
【図6】LED光源モジュールの発光部の構成を示す図である。
【図7】光源をLED光源モジュールに置き変えた街路灯の照明の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、光源リプレイス対象の街路灯1の全体構成を示す図である。
街路灯1は、屋外の地面Gに立設された支柱たるポール3と、このポール3の上端部3Aに当該ポール3と同軸に固定された灯具本体5とを備えている。ポール3には、灯具本体5にランプ点灯電力を供給する安定器などを納める収納部4が地面Gから所定高さに設けられている。
【0011】
図2は灯具本体5の構成を示す図であり、図3は灯具本体5の分解図である。なお、図2には、光源をLED光源に置き換えた後の灯具本体5を示し、また置き換え前の状態を適宜に仮想線で示している。
灯具本体5は、断面多面体(本実施形態では6面体)であって上部が開口した筒状のグローブ7と、当該グローブ7の上部を覆う着脱自在な蓋体としての笠9とを備えている。グローブ7は、下部が上部よりも若干縮径した六角柱状の筒体であり、各側面が光出射面を構成する。これら各側面にガラス嵌込用開口11を設けたグローブ枠体13と、各ガラス嵌込用開口11に嵌め込まれるカバーガラス15とを備え、このカバーガラス15から光を放射して地面Gを照明する。このカバーガラス15には、光拡散性カバーの一例たるフロストガラスが用いられており、照明時には、カバーガラス15の全面が全体的に略均一に明るくなり意匠性の向上が図られている。
【0012】
グローブ枠体13の底部17には、ポール3の上端部3Aを挿入固定する筒状の取付金具19が設けられており、この取付金具19と同軸に、ソケット台取付孔部21が設けられている。LED光源へのリプレイス前においては、ソケット台取付孔部21にソケット台23が取り付けられ、このソケット台23を収納部4に納めた安定器からポール3の内部を通じて引き出した電気配線(図示せず)と結線し、このソケット台23にランプ光源たるHIDランプ25を取り付けられて使用する。HIDランプ25の取り付けは、上記笠9をグローブ7から取り外して、当該グローブ7の上部の開口14からHIDランプ25をグローブ7の内部に入れてソケット台23に取り付ける。その後、グローブ7に笠9を取り付けて開口14を塞ぐ。この笠9は中空円錐状に形成され、グローブ7の開口14の上方に内部空間Sを形成する。
【0013】
また、街路灯1の光源をLED光源に置き換える場合には、HIDランプ25及びソケット台23を灯具本体5から取り外す。また、収納部4の安定器をLED光源用の点灯装置に置き換え、この点灯装置からポール3の中を通して上端部3Aからグローブ7の上部の開口14まで配線27を引き出す。そして、このグローブ7の開口14に、光源交換用の交換用光源ユニット10を取り付け配線27と結線した後、笠9をグローブ7に取り付けることで、LED光源へのリプレイスが完了する。この配線27は、グローブ枠体13のガラス嵌込用開口11同士の間を上下に伸びる枠部28に沿って取り付けることで外部から配線27が見えることがなく、また点灯時に配線27が影になることもない。
【0014】
図4は交換用光源ユニット10の構成を示す図であり、図4(A)〜図4(C)はそれぞれ上面視図、正面視図及び底面視図である。
交換用光源ユニット10は、グローブ7の開口14の内側に入り込む環状の環状フレーム30の周上に、グローブ7の開口14の上縁部14A(図3)に引っ掛かって係合する複数の係合片32を略等間隔に設けた係合フレーム体(係合部材)34を備え、この係合フレーム体34に複数のLED光源モジュール36を備えたLED光源ユニット38を支持して構成されている。
環状フレーム30は、グローブ7の開口14の上縁部14Aと同じ上面視六角形状に形成されており、係合フレーム体34を開口14に取り付ける際には、環状フレーム30と開口14の角部或いは直線部同士を係合させることで、グローブ7に対して交換用光源ユニット10が位置決めされる。また環状フレーム30には、落下防止用ワイヤ取付片42が設けられており、図2に示すように、この落下防止用ワイヤ取付片42には、落下防止用ワイヤ44の一端が固定され他端が笠9の例えば天頂部9Aに固定される。これにより、係合フレーム体34とグローブ7の開口14の係合が外れた場合でも、交換用光源ユニット10の落下が防止される。
【0015】
LED光源ユニット38は、係合フレーム体34の略中央、すなわちグローブ7の中心Kと略同じ位置に支持したベース板40に、この中心Kの周囲に複数のLED光源モジュール36を設けて構成されている。
図5は、LED光源モジュール36の構成を示す図であり、図5(A)〜図5(C)はそれぞれ正面視図、側面視図及び平面視図である。また図6は、発光部52の主要構成を模式的に示す図であり、図6(A)〜図6(C)はそれぞれ正面、側面及び平面からみた模式図である。
LED光源モジュール36は、高熱伝導材から成る略箱形のケース体50を備え、その正面に発光部52が設けられている。発光部52は、図6に示すように、LEDチップ56と反射鏡54との組を横並びに1組設けて構成されている。
LEDチップ56は、実装基板57上に実装された平面視矩形の薄板形状を成した、いわゆる平面実装型LEDとして構成されており、その上面全体が発光面56Aとして形成され、面状の照射光を出射する。本実施形態では、このLEDチップ56には、矩形平面型のセラミックパッケージの実装面上に青色LED素子を実装し黄色蛍光体を分散させた蛍光体樹脂で封止し、青色LED光源の青色発光色と黄色蛍光体の蛍光色との混色によって平面状に白色光を発光する白色LEDを用いている。
【0016】
反射鏡54は、断面矩形の筒状体であり、下端部54A側にLEDチップ56が配置され、上端部54Bが出射口として機能する。この反射鏡54は、下端部54Aの開口がLEDチップ56の発光面56Aと略同一寸法に形成され、この下端部54A側から上端部54Bにかけて拡開し、上端部54Bの出射口の面積がLEDチップ56の発光面56Aよりも大きくなっている。そして、LEDチップ56の発光面56Aから出射された照射光は、図6(C)に示すように、反射鏡54の内側面に入射して反射し、上端部54Bの出射口から出射される。これにより、LEDチップ56の発光面56Aから出射された照射光の出射範囲が、反射鏡54の上端部54Bの開口面積まで拡大される(拡大範囲を図6(A)に斜線部分で示す)。この結果、発光部52にあっては、LEDチップ56の発光面56Aの高輝度範囲が反射鏡54の上端部54Bの開口面積まで拡張されることから、発光投影面積が大きくなり、この発光部52を平面視したときの輝度ムラが低減されることとなる。
発光部52には、かかるLEDチップ56と反射鏡54の組が略一定間隔で所定の配列方向Lに並べて配置されており、これらLEDチップ56及び反射鏡54からの平面状の白色光により発光部52の全面が略均一に全体的に発光して、配列方向Lに伸びた平面光の照射光を出射する1つの擬似的な光源となるように形成されている。これにより、グローブ7の広範囲に均一に照射光を入射することができ、グローブ7での輝度ムラを低減することができる。
【0017】
上記LED光源モジュール36のそれぞれは、グローブ7の側面の長手方向にLEDチップ56及び反射鏡54の配列方向Lを合わせて側面全体に光を効率良く照射すべく、この配列方向Lが上下に向く姿勢で、係合フレーム体34の中心Kに対して放射状に、より具体的にはグローブ7の側面のそれぞれの対向位置に配置されるように上記ベース板40に取り付けられている。この取付構造について詳述すると、ベース板40には、LED光源モジュール36のそれぞれの取り付け位置に角度調整板58が設けられており、この角度調整板58にLED光源モジュール36のケース体50の側面50A(図5)がボルトで、放射光の指向方向を上下方向に変更可能に傾動角度調整自在に固定される。具体的には、このケース体50の側面50Aには、所定間隔でボルト59、61が設けられており、一方のボルト59で角度調整板58に止めされるとともに、他方のボルト61が角度調整板58に設けた円弧状の切欠溝60(図4(B))に挿入され、このボルト59を緩めることで当該ボルト59を回動中心にしてLED光源モジュール36が上下に傾動自在となっている。
【0018】
LED光源ユニット38は、図2に示すように、交換用光源ユニット10の取付後に、各LED光源モジュール36がグローブ7のガラス嵌込用開口11の上端位置Pu、すなわちグローブ7の側面における光透過領域の上端位置Puよりも上側に位置するように係合フレーム体34に支持されている。これにより、LED光源モジュール36がグローブ7の外側から見えにくくなり、またフロストガラスたるカバーガラス15に影となって映り込むことがないため意匠性を向上させることができる。
【0019】
また、各LED光源モジュール36は、上端位置Puよりも上側の取付位置から斜め下方に位置するグローブ7の側面のカバーガラス15に光を照射するように傾動角度を調整して取り付けられる。すなわち、各LED光源モジュール36は、それぞれ放射光が斜め下方を指向するように取り付けられることから効率良く地面Gが照射することができる。これにより、HIDランプに比べて光束量が少ないLED光源モジュール36に光源をリプレイスした場合でも、地面Gの照度低下を抑えることができる。
特に、本実施形態の灯具本体5では、蓋体としての笠9が内側に、LED光源ユニット38を収容可能な内部空間Sを有する構成であることから、LED光源ユニット38を上端位置Puよりも更に上側に配置できる。これにより、各LED光源モジュール36の放射光の指向方向を、グローブ7のガラス嵌込用開口11の下端11aで遮蔽が生じない程度まで鉛直下向き方向に傾けたときの鉛直角α(図7参照)を小さくできるため、放電ランプに比べて指向性があるLED光源であっても灯具本体5の直下近傍を照明できる。
【0020】
また交換用光源ユニット10により光源をリプレイスする際には、グローブ7の中に、図2に示すように、底部17を覆う補助反射板66が設けられており、底部17に入射する光成分を反射して外部に取り出すことができる。この補助反射板66は、グローブ7のガラス嵌込用開口11の下端11aよりも下側に配置され、照明時にフロストガラスたるカバーガラス15に影となって映らないようになっている。
【0021】
ここで、交換用光源ユニット10にあっては、複数のLED光源モジュール36をグローブ7の中心Kの周囲(すなわち、グローブ7の上部の開口14に沿って)に、各カバーガラス15と対向する位置に配置する構成としている。この構成において、各LED光源モジュール36が直近のカバーガラス15に光を放射する構成とすると、フロストガラスたるカバーガラス15の面内では、LED光源モジュール36の発光部52に近い箇所だけ輝度が高くなって、全面を略均一な輝度に維持できなくなり意匠性が低下する。
【0022】
そこで、本実施形態では、図7に示すように、複数のLED光源モジュール36を、それぞれがグローブ7の中心Kを挟んで対向する側のカバーガラス15に照射光を入射するように光放射方向Mを当該中心Kに向けた姿勢(すなわち、各LED光源モジュール36の照射光が灯具本体5の中で交差する姿勢)で配置して光源を構成することとしている。換言すれば、グローブ7のカバーガラス15(平面な側面)ごとに、当該カバーガラス15から光を外部に放射するLED光源モジュール36をグローブ7の中心Kを挟む位置に配置する構成としている。
これにより、カバーガラス15と、このカバーガラス15に光を入射するLED光源モジュール36までの距離を遠くなり、拡がった放射光をカバーガラス15に入射できるからカバーガラス15の面内での輝度分布の平準化を図ることができる。
このとき、各LED光源モジュール36の放射光の鉛直方向(配列方向L)の拡角βを、カバーガラス15の上下方向の全長に亘って光を入射する角度、或いはそれ以上とし、また同様に、水平平行の拡角(図示せず)もカバーガラス15の幅方向の全長に亘って光を入射する角度、或いはそれ以上とするように、LED光源モジュール36の反射鏡54を形成することで、カバーガラス15の面内での輝度を均一にすることができる。特に、本実施形態では、LED光源モジュール36の発光部52が全体的に略均一な輝度で発光する構成であるため、カバーガラス15の面内の輝度分布をより均一にできる。
【0023】
ただし、各LED光源モジュール36の放射光の鉛直方向(配列方向L)の拡角βを、カバーガラス15の上下方向の全長に亘って光を入射する角度、或いはそれ以上とした場合、LED光源モジュール36の取付高が低くなるほど、LED光源モジュール36の放
射光の範囲に、他のLED光源モジュール36が入り込み影となる。そこで、各LED光源モジュール36は、上記上端位置Puよりも上側であって、その下端部36Aが他のLED光源モジュール36の光の放射範囲に入り込まない高さに配置されるように構成されており、これにより、カバーガラス15に影が生じることなく意匠性が損なわれることがない。
【0024】
このように、本実施形態によれば、灯具本体5が備えるグローブ7の上部の開口14に着脱自在に係合する係合フレーム体34を備えて交換用光源ユニット10を構成したため、該交換用光源ユニット10をグローブ7の開口14に係合させ蓋体たる笠9を被せるだけで簡単に街路灯1の光源をLED光源に置き換えることができる。
また、係合フレーム体34には、グローブ7の上部から下方に向けて光を照射し地面Gを照らすようにLED光源モジュール36が設けられていることから、灯具本体5に反射板などを別途に設けることなく、光源置き換え後の各LED光源モジュール36で地面Gを効率良く照らすことができ、地面Gの照度低下を防止することができる。
【0025】
また本実施形態によれば、LED光源モジュール36のそれぞれを、グローブ7の側面の光透過領域の上端位置Puよりも上側に位置するように係合フレーム体34に設ける構成としたため、これにより、LED光源モジュール36がグローブ7の外側から見えにくくなり、またフロストガラスたるカバーガラス15に影となって映り込むことがないため意匠性を向上させることができる。
これに加え、LED光源モジュール36のそれぞれを、グローブ7の側面の光透過領域の上端位置Puよりも上側に配置することで、各LED光源モジュール36の放射光の指向方向を鉛直下向き方向に傾けたときの鉛直角αを小さくできるため、放電ランプに比べて指向性があるLED光源であっても灯具本体5の直下近傍を照明できる。
【0026】
また本実施形態によれば、LED光源モジュール36のそれぞれを、光放射方向Mを上下方向に可変に傾動自在に設けたため、グローブ7の開口14から底部17までの深さ(側面の高さ)に応じて、グローブ7の側面に放射光を入射するように各LED光源モジュール36の傾きを調整することができる。これにより、交換用光源ユニット10を、深さの異なるグローブ7を備えた各街路灯1に共通して用いることができる。
【0027】
また、本実施形態によれば、グローブ7の中に底部17を覆う補助反射板66を設ける構成としたため、底部17に入射する光成分を反射して外部に取り出すことができ、光源交換による照度不足を補うことができる。
【0028】
また本実施形態によれば、灯具本体5のグローブ7の側面には、それぞれに光拡散性カバーから成るカバーガラス15を設ける構成としたため、輝点が非常に小さいLEDチップ56を光源とする場合であっても、カバーガラス15で光を拡散させて照明することができ輝度ムラが抑えられる。これに加え、カバーガラス15を平面状とするとともに、平面状の照射光を出射するLED光源モジュール36を光源としたため、カバーガラス15を均一に照射することができ、カバーガラス15の輝度ムラを抑えることができる。このとき、LED光源モジュール36の照射光が灯具本体5内で交差してカバーガラス15のそれぞれに入射するように各LED光源モジュール36を設けているため、LED光源モジュール36が直近のカバーガラス15を直接照射する構成に比べて、LED光源モジュール36からカバーガラス15までの距離を大きくとることができる。これにより、LED光源モジュール36の照射光が十分に拡げられてカバーガラス15の広い範囲を均一に照射するため、カバーガラス15の輝度ムラをより目立たなくし、意匠性を高めることができる。
【0029】
また本実施形態によれば、LED光源モジュール36のそれぞれが、平面状の発光面56Aから照射光を出射する表面実装型のLEDチップ56と、当該LEDチップ56を囲み照射光の出射範囲をLEDチップ56の発光面56Aよりも大きな範囲に拡大して出射する反射鏡54とを備える構成した。この構成により、LEDチップ56の発光面56Aの高輝度範囲が反射鏡54により拡張されることから、発光投影面積が大きくなり、LEDチップ56を平面視したときの輝度ムラを低減することができる。
【0030】
また本実施形態によれば、LED光源モジュール36は、それぞれカバーガラス15の略全範囲に照射光を入射しカバーガラス15の全体を均一に発光させる構成としたため、LEDを光源とする場合であっても、カバーガラス15に影や輝度ムラ等が生じることがなく意匠性を高めることができる。
【0031】
なお、上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、任意に変形及び応用が可能である。
上述した実施形態では、ポール3の上端部3Aに灯具本体5を固定した街路灯1を例示したが、これに限らず、ポール3の上部に水平方向に延びるアームを設け、当該アームに灯具本体5を支持した、いわゆる懸垂型の街路灯1にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0032】
1 街路灯
3 ポール
5 灯具本体
7 グローブ
11 ガラス嵌込用開口
11a 下端
13 グローブ枠体
15 カバーガラス(光拡散性カバー)
36 LED光源モジュール
38 LED光源ユニット
52 発光部
54 反射鏡
56 LEDチップ
56A 発光面
G 地面
K 中心
L 配列方向
M 光放射方向
Pu 上端位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
灯具本体を有する街路灯であって、
前記灯具本体の側面の光出射面には、それぞれに平面状の光拡散性カバーを設け、
平面状の照射光を出射する複数のLED光源モジュールを、それぞれの照射光が灯具本体内で交差して前記光拡散性カバーのそれぞれに入射するように設けた
ことを特徴とする街路灯。
【請求項2】
前記LED光源モジュールは、
平面状の発光面から照射光を出射する表面実装型のLEDと、当該LEDを囲み照射光の出射範囲を前記LEDの発光面よりも大きな範囲に拡大して出射する反射鏡とを備える
ことを特徴とする請求項1に記載の街路灯。
【請求項3】
前記LED光源モジュールは、それぞれ前記光拡散性カバーの略全範囲に照射光を入射し前記光拡散性カバーの前記光出射面を均一に発光させる
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の街路灯。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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