説明

衣類プレス装置および方法

【課題】当たりが生ずることを防止しながら、シロセット加工を行うにも好適に使用することができる新規な構成の衣類プレス装置および方法を提供する。
【解決手段】衣類プレス装置10は下ゴテ13および上ゴテ18に加えて中ゴテ22を有し、上ゴテ18および中ゴテ22はそれぞれ別個独立に開閉可能である。衣類(ズボン)の片方の股下部を下ゴテと中ゴテとで挟むと共に他方の股下部を中ゴテと上ゴテとで挟んだ状態にセットして所定のプレス圧力でプレスし、スチーミングおよびバキューミングを行った後に上ゴテを開いてプレス圧力を開放し、さらに中ゴテの上下両面からバキューム吸引する。プレス中のスチーミングおよびバキューミングは少なくとも中ゴテの上下両面において行うことが好ましく、特にシロセット加工時に好適な折目加工効果が得られ、当たりも生じにくいものとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ズボンなどの衣類をプレスするプレス装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、上ゴテと下ゴテの間にズボンなどの衣類を挟んでプレスする形式のプレス装置(たとえば特許文献1)が知られているが、このようなプレス装置において、さらに上ゴテおよび下ゴテを介して衣類をバキューム吸引することが提案されている(たとえば特許文献2)。
【特許文献1】特開平5−212194号公報
【特許文献2】特開2002−113299号公報
【0003】
特許文献2に記載されるようなプレス装置によれば、たとえばズボンをプレスする場合、下ゴテに片方の股下部をセットした後、下ゴテからバキューム吸引することにより、該股下部を下ゴテ面に密着させることができる。また、上ゴテと下ゴテの間で該股下部をプレスしてスチームを吹き付けた後に、上ゴテまたは下ゴテの少なくともいずれか一方からバキューム吸引することにより、プレスされた該股下部を効果的に冷却・乾燥することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バキューム吸引はプレスすべき衣類を安定的にセットし、またプレス/スチーミング後の冷却・乾燥を効果的に行う上で有益であるが、特許文献2にも記載されているように、バキューム吸引力が強すぎるといわゆる当たりの原因となるため、各工程においてバキューム吸引力を厳密に制御することが要求される。
【0005】
特に、シロセット(登録商標、以下同じ)などの耐久折目加工を施すために加工液を散布した上で蒸気プレスする場合は比較的長時間(たとえば60秒またはそれ以上)のプレス処理が必要となるため、当たりが生じやすいという問題があった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、このような従来技術の不利欠点を解消し、バキューム吸引によるメリットを最大限に生かしながらも、バキューム吸引力を厳密に制御する必要をなくし、且つ、当たりが生ずることを防止し、シロセット加工を行うにも好適に使用することができる新規な構成の衣類プレス装置および方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するため、本発明は、上ゴテと、中ゴテと、下ゴテと、中ゴテを下ゴテに対して密接させる中ゴテ駆動機構と、上ゴテを中ゴテおよび下ゴテに対して密接させる上ゴテ駆動機構と、上ゴテ・中ゴテ・下ゴテの少なくともいずれか一に蒸気を供給して加熱すると共にその片面または両面から蒸気を噴出させるための蒸気供給手段と、上ゴテ・中ゴテ・下ゴテの少なくともいずれか一の片面または両面からバキューム吸引するバキューム吸引手段とを備え、衣類の片方の股下部を下ゴテと中ゴテとで挟み、他方の股下部を中ゴテと上ゴテとで挟んで所定の熱圧条件下でプレスするように構成されたことを特徴とする衣類プレス装置を提供する。
【0008】
本発明の一実施形態において、蒸気供給手段は、上ゴテに蒸気を供給して加熱すると共にその下面から蒸気を噴出させるための上ゴテ蒸気供給手段と、中ゴテに蒸気を供給して加熱すると共にその上下両面から蒸気を噴出させるための中ゴテ蒸気供給手段と、下ゴテに蒸気を供給して加熱すると共にその上面から蒸気を噴出させるための下ゴテ蒸気供給手段とを備え、且つ、これら上ゴテ蒸気供給手段・中ゴテ蒸気供給手段・下ゴテ蒸気供給手段のいずれか一または複数を選択的に作動させる蒸気供給選択手段を備える。
【0009】
本発明の他の実施形態において、バキューム吸引手段は、上ゴテの下面からバキューム吸引する上ゴテバキューム吸引手段と、中ゴテの上下両面からバキューム吸引する中ゴテバキューム吸引手段と、下ゴテの上面からバキューム吸引する下ゴテバキューム吸引手段とを備え、且つ、これら上ゴテバキューム吸引手段・中ゴテバキューム吸引手段・下ゴテバキューム吸引手段のいずれか一または複数を選択的に作動させるバキューム吸引選択手段を備える。
【0010】
本発明の他の実施形態において、バキューム吸引手段は中ゴテの上下両面からバキューム吸引するものである。
【0011】
本発明の他の実施形態において、蒸気供給手段は中ゴテに蒸気を供給して加熱すると共にその上下両面から蒸気を噴出させるものであり、バキューム吸引手段は中ゴテの上下両面からバキューム吸引するものである。
【0012】
本発明はまた、上ゴテと中ゴテと下ゴテとを備えた衣類プレス装置を用いて行う衣類プレス方法をも提供するものであって、この衣類プレス方法は、(1)衣類の片方の股下部を下ゴテと中ゴテとで挟むと共に他方の股下部を中ゴテと上ゴテとで挟んだ状態にセットして所定のプレス圧力でプレスし、(2)少なくとも中ゴテの上下両面から該上下面に接している股下部に向けて蒸気を噴出させ、(3)少なくとも中ゴテの上下両面からバキューム吸引し、(4)上ゴテを開いてプレス圧力を開放した後に中ゴテの上下両面からバキューム吸引する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来から汎用されている上ゴテと下ゴテとを備えた衣類プレス装置においてさらに中ゴテを付設し、衣類の片方の股下部を下ゴテと中ゴテとで挟むと共に他方の股下部を中ゴテと上ゴテとで挟んだ状態にセットして所定のプレス圧力でプレスする間に、これら上ゴテ・中ゴテ・下ゴテの少なくともいずれか一に対して蒸気噴射およびバキューム吸引を行うようにしたので、両方の股下部を均一に仕上げることができる効果が発揮される。特に、中ゴテの上下両面から蒸気噴射およびバキューム吸引を行うようにした場合にこの効果が顕著に発揮され、いわゆる当たりも生じにくいものとなる。シロセットなどの耐久折目加工を行うにも適している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1および図2に本発明の好適な一実施形態による衣類プレス装置が示されている。この衣類プレス装置10は特にズボンプレッサーとして好適に使用することができるように設計されている。
【0015】
この衣類プレス装置10は本体11を有し、本体11の前方上部には取付脚12を介して下ゴテ13が固定されている。下ゴテ13は、シロセットなどの折目加工液で腐食しないように、鋼板などからなる金属中空体の表面にアルミニウムメッキを施したものやアルミニウム板を貼ったものなどが用いられ、さらにその表面(上面)にマットおよびカバー14が被着されている。下ゴテ13には補助テーブル15が取り付けられていて、図1では下ゴテ13の幅方向一端から外方に延長しているが、不要なときには下方に向けて折り畳むことができるようになっている。
【0016】
本体11の後方上部には上ゴテアーム16が回動可能に連結されており、その先端にバネ緩衝機構17を介して上ゴテ18が取り付けられている。上ゴテ18は、シロセットなどの折目加工液で腐食しないように、鋼板などからなる金属中空体の表面にアルミニウムメッキを施したものやアルミニウム板を貼ったものなどが用いられ、さらにその表面(下面)にマットおよびカバー19が被着されている。後述する中ゴテ22が下降した後、上ゴテアーム16が図1および図2の状態からアーム駆動機構(図示省略)によって反時計方向(図2において)回転して下降するように駆動されると、図1および図2に示される待避位置から下ゴテ13に向けて近接移動する。
【0017】
さらに、本体11の後方にはピストンシリンダ機構20および中ゴテアーム21を介して中ゴテ22が取り付けられている。中ゴテ22は、シロセットなどの折目加工液で腐食しないように、アルミニウム板製の中空体として構成されるか、あるいは鋼板製の中空体の両面(上面および下面)にアルミニウムメッキを施したものやアルミニウム板を貼ったものなどが用いられ、さらにその両面にマットおよびカバー(図示省略)が被着されている。中ゴテピストンシリンダ機構20が図1および図2の状態からシリンダ駆動機構(図示省略)によって伸張すると、中ゴテアーム21が軸23を中心として反時計方向(図2において)に回転して下降し、図1および図2に示される待避位置から下ゴテ13に向けて近接移動する。中ゴテ22は上ゴテ18とは独立して移動可能である。
【0018】
中ゴテ22の詳細構成が図3に示されている。中ゴテ22は枠体24で囲まれた内部空間に加熱用蒸気パイプ25および噴出用蒸気パイプ26を有する。加熱用蒸気パイプ25は、入口ソケット25aから出口ソケット25bに向けて蒸気循環路を形成し、この蒸気循環路に蒸気を通過させることにより中ゴテ22を高温に加熱・維持する。噴出用蒸気パイプ26は、入口ソケット26aと連通して、加熱用蒸気パイプ25による蒸気循環路の間に入り込むように形成された複数(図示実施形態では4本)の蒸気放出路26bを有する。各蒸気放出路26bの両側面には複数の小孔(図示せず)が設けられており、噴出用蒸気パイプ26の入口ソケット26aに導入された蒸気は、各蒸気放出路26bに入り込んで該小孔から側方(図3において上下方向)に噴出し、加熱用蒸気パイプ25に当たることで温度低下が防止され、蒸気のドレイン(水滴)化を防止する。このようにして中ゴテ22の内部に充満した蒸気は、中ゴテの表裏面に設けられた多数の小孔27から外部に噴射される。
【0019】
また、バキュームポンプ(図示省略)からのバキュームホース(図示省略)をバキュームホース接続口28に接続して中ゴテ22の内部空間を減圧して、中ゴテ表裏面の小孔27からバキューム吸引することができるようになっている。
【0020】
下ゴテ13および上ゴテ18も中ゴテ22と略同様の詳細構成を有しており、蒸気を内部空間に循環させて加熱すると共に蒸気放出路から外部に噴出させることが可能であり、且つ、下ゴテ13については上面に、上ゴテ18については下面に、それぞれバキューム吸引のための小孔が多数設けられている。蒸気供給源(図示省略)およびバキュームポンプは下ゴテ13/上ゴテ18/中ゴテ22に共用される。
【0021】
本体11の前面には操作パネル部29が設けられる。操作パネル部29には、衣類プレス装置10を作動可能にするための電源スイッチ、上ゴテ18を開閉移動させるためのリレータイマー、中ゴテ22を開閉移動させるためのリレータイマー、上ゴテ18からバキューム吸引するためのリレータイマー、中ゴテ22からバキューム吸引するためのリレータイマー、下ゴテ13からバキューム吸引するためのリレータイマー、上ゴテ18に蒸気を供給して加熱および噴出させるためのリレータイマー、中ゴテ22に蒸気を供給して加熱および噴出させるためのリレータイマー、下ゴテ13に蒸気を供給して加熱および噴出させるためのリレータイマーなどが設けられている。
【0022】
また、この衣類プレス装置10は、シロセット加工のためのプレス動作と通常のクリーニングのためのプレス動作で自動運転できるよう予め2通りの処理条件がプログラミングされており、そのいずれかを選択するためのスイッチも操作パネル部29に設けられている。これらの処理条件はたとえば次のようにプログラミングされる。
【0023】
シロセット加工のためのプレス条件:
(1)上ゴテ18および中ゴテ22を閉じて下ゴテ13に圧接(プレス圧力0.2MPa)
(2)スチーミング(蒸気噴出)30秒(蒸気圧力0.5MPa)
(3)ベーキング30秒
(4)バキューム吸引5秒
(5)上ゴテ18を開く
(6)バキューム吸引5秒(中ゴテ22のみ)
【0024】
通常のクリーニングのためのプレス条件:
(1)上ゴテ18および中ゴテ22を閉じて下ゴテ13に圧接(プレス圧力0.4MPa)
(2)スチーミング(蒸気噴出)3秒(蒸気圧力0.5MPa)
(3)ベーキング0秒
(4)バキューム吸引3秒
(5)上ゴテ18を開く
(6)バキューム吸引3秒(中ゴテのみ)
【0025】
次に、このプレス装置10を用いてズボンをプレスするときの操作および動作について、さらに図4をも参照しながら説明する。
【0026】
蒸気を下ゴテ13/上ゴテ18/中ゴテ22に供給してこれらが所定温度(たとえば約150℃)に達したことを確認した後、電源スイッチをオンしてプレス装置10を始動させる。このとき、上ゴテ18および中ゴテ22が下ゴテ13に密着して閉じた状態にある場合は、上ゴテ18および中ゴテ22を上方に待避させて開いた状態(図1・図2)にしておく。
【0027】
シロセット加工のためのプレスを行うか、通常のクリーニングのためのプレスを行うかを選択する。
【0028】
プレスすべきズボンの片方の股下部aを内側を上にして下ゴテ13に載せ、下ゴテ13のバキューム吸引スイッチを押して該股下部aをバキューム吸引しながら皺が生じないようにセットする。このとき、ズボンの腰部cは補助テーブル15に載せておく。
【0029】
次いで、中ゴテ22を閉じるための操作スイッチを押して中間ゴテ22を下降させ、下ゴテ13にセットしたズボンの股下部aの上に被せる。これにより、該股下部aは下ゴテ13と中ゴテ22の間に挟まれた状態となる。
【0030】
次いで、ズボンの他方の股下部bを内側を下にして中ゴテ22に載せた後、上ゴテ18を閉じるための操作スイッチを押して上ゴテ18を下降させる。これにより、該股下部bは中ゴテ22と上ゴテ18の間に挟まれた状態となる。
【0031】
上ゴテ18が下降したことをマイクロスイッチ(図示省略)で検出すると、その時点から、選択されたプレス条件(シロセット加工のためのプレス条件または通常のクリーニングのためのプレス条件)のプログラミングに従って自動運転となり、上記(2)〜(4)の処理が順次行われ、終了すると自動的にプレスが解放されて上ゴテ18が上昇し(5)、中ゴテ22の両面でバキューム吸引が所定時間行われ(6)、ズボンの股下部a,bが冷却・乾燥される。以上で自動運転が終了する。その後、中ゴテ22の上にある股下部bを退かした後、中ゴテ22を開くためのリレータイマーを操作して中ゴテを上昇させる。これでプレス処理を終了する。
【0032】
このプレス装置10では、下ゴテ13/上ゴテ18/中ゴテ22のうちの所望の一つまたは二つまたはすべてのコテから蒸気噴出を行うことができ、また、所望の一つまたは二つまたはすべてのコテからバキューム吸引を行うことができるように設計されている。そこで、蒸気噴出およびバキューム吸引を行うコテを変えて上記(1)〜(6)の条件でシロセット加工を行い、それぞれの場合の折目形成効果を比較評価した。その結果を図5の表に示す。
【0033】
試験番号1は蒸気噴出およびバキューム吸引を中ゴテ22でのみ行った場合であり、試験番号2は下ゴテ13と上ゴテ18から蒸気噴出させ中ゴテ22のみからバキューム吸引した場合であり、試験番号3はすべてのコテ13,18,22から蒸気噴出させ中ゴテ22のみからバキューム吸引した場合である。これらの試験においては、夏物の薄手生地であるTROPICALと冬物の厚手生地であるSERGEの2種類の生地を対象として、それぞれ1枚を下ゴテ13と中ゴテ22の間に所定プレス圧力で挟み、もう1枚を中ゴテ22と上ゴテ18の間に所定プレス圧力で挟んで、プレス効果を評価した。評価は、全国シロセット加工業協同組合が提供する折目耐久性試験法の開角度法に従い、シロセット加工終了後の各生地の折目のついた部分から長さ4cmの糸をほぐし取り、直径10cmのシャーレ内で0.1%非イオン系浸透剤を含む25℃、100ccの水に浸け、2分後の糸の開角度を分度器で測定することによって行った。開角度の数値が小さいほど折目加工が良好に形成されたことを示す。併せて、生地についた折目を目視にて1〜5で等級評価した(5が最も良い、1と2は不適格)。
【0034】
試験番号4と試験番号5は、いずれもSERGEを対象として行った。試験番号4では中ゴテ22のみから蒸気噴出させすべてのコテ13,18,22からバキューム吸引し(ただし中ゴテ22の上下面から10秒、下ゴテ13および上ゴテ18から5秒バキューム吸引した)、試験番号5では中ゴテ22のみから蒸気噴出させ下ゴテ13および上ゴテ18からバキューム吸引した。評価は前述と同様の方法で行った。
【0035】
試験番号6〜8は、事前に折り目付けされていないTROPICALとSERGEの2種類の生地を対象として、試験番号1〜3と同様の条件で試験した場合である。評価は前述と同様の方法で行った。
【0036】
図5の表に示すように、いずれの処理の場合もほぼ満足できる結果が得られたが、特に、試験番号1が最も良好の結果を示し、次いで試験番号3が良好の結果を示した。これらの結果から、蒸気噴出およびバキューム吸引を少なくとも中ゴテ22に対して行うことがシロセット加工を効果的に行う上で好ましいことが判明した。また、中ゴテ22の両面からバキューム吸引を行った場合(試験番号1〜4,6〜8)は、いわゆる当たりがほとんど見られなかった。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の好適な一実施形態による衣類プレス装置の正面図である。
【図2】この衣類プレス装置の側面図である。
【図3】この衣類プレス装置における中ゴテの詳細構成を示す平面図である。
【図4】この衣類プレス装置でズボンをプレスしたときの状態を模式的に示す断面図である。
【図5】蒸気供給およびバキューム吸引条件を変えてシロセット加工プレスを行ったときのプレス効果を比較評価した表である。
【符号の説明】
【0038】
10 衣類プレス装置
11 本体
12 取付脚
13 下ゴテ
14 マットおよびカバー
15 補助テーブル
16 上ゴテアーム
17 バネ緩衝機構
18 上ゴテ
19 マットおよびカバー
20 ピストンシリンダ機構
21 中ゴテアーム
22 中ゴテ
23 軸
24 枠体
25 加熱用蒸気パイプ
26 噴出用蒸気パイプ
27 小孔
28 バキュームホース接続口
29 操作パネル部
a 下ゴテと中ゴテとの間に挟まれてセットされるズボンの股下部
b 中ゴテと上ゴテとの間に挟まれてセットされるズボンの股下部
c ズボンの腰部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上ゴテと、中ゴテと、下ゴテと、中ゴテを下ゴテに対して密接させる中ゴテ駆動機構と、上ゴテを中ゴテおよび下ゴテに対して密接させる上ゴテ駆動機構と、上ゴテ・中ゴテ・下ゴテの少なくともいずれか一に蒸気を供給して加熱すると共にその片面または両面から蒸気を噴出させるための蒸気供給手段と、上ゴテ・中ゴテ・下ゴテの少なくともいずれか一の片面または両面からバキューム吸引するバキューム吸引手段とを備え、衣類の片方の股下部を下ゴテと中ゴテとで挟み、他方の股下部を中ゴテと上ゴテとで挟んで所定の熱圧条件下でプレスするように構成されたことを特徴とする衣類プレス装置。
【請求項2】
蒸気供給手段は、上ゴテに蒸気を供給して加熱すると共にその下面から蒸気を噴出させるための上ゴテ蒸気供給手段と、中ゴテに蒸気を供給して加熱すると共にその上下両面から蒸気を噴出させるための中ゴテ蒸気供給手段と、下ゴテに蒸気を供給して加熱すると共にその上面から蒸気を噴出させるための下ゴテ蒸気供給手段とを備え、且つ、これら上ゴテ蒸気供給手段・中ゴテ蒸気供給手段・下ゴテ蒸気供給手段のいずれか一または複数を選択的に作動させる蒸気供給選択手段を備えることを特徴とする、請求項1記載の衣類プレス装置。
【請求項3】
バキューム吸引手段は、上ゴテの下面からバキューム吸引する上ゴテバキューム吸引手段と、中ゴテの上下両面からバキューム吸引する中ゴテバキューム吸引手段と、下ゴテの上面からバキューム吸引する下ゴテバキューム吸引手段とを備え、且つ、これら上ゴテバキューム吸引手段・中ゴテバキューム吸引手段・下ゴテバキューム吸引手段のいずれか一または複数を選択的に作動させるバキューム吸引選択手段を備えることを特徴とする、請求項1記載の衣類プレス装置。
【請求項4】
バキューム吸引手段は中ゴテの上下両面からバキューム吸引するものである、請求項1記載の衣類プレス装置。
【請求項5】
蒸気供給手段は中ゴテに蒸気を供給して加熱すると共にその上下両面から蒸気を噴出させるものであり、バキューム吸引手段は中ゴテの上下両面からバキューム吸引するものである、請求項1記載の衣類プレス装置。
【請求項6】
上ゴテと中ゴテと下ゴテとを備えた衣類プレス装置を用いて行う衣類プレス方法であって、(1)衣類の片方の股下部を下ゴテと中ゴテとで挟むと共に他方の股下部を中ゴテと上ゴテとで挟んだ状態にセットして所定のプレス圧力でプレスし、(2)少なくとも中ゴテの上下両面から該上下面に接している股下部に向けて蒸気を噴出させ、(3)少なくとも中ゴテの上下両面からバキューム吸引し、(4)上ゴテを開いてプレス圧力を開放した後に中ゴテの上下両面からバキューム吸引する、ことを特徴とする衣類プレス方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−189670(P2009−189670A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35434(P2008−35434)
【出願日】平成20年2月18日(2008.2.18)
【出願人】(590001094)ダイニック・ジュノ株式会社 (5)