説明

衣類乾燥機

【課題】循環風路に水冷式の除湿器を有するものにおいて、除湿性能を良くでき、もって所期の乾燥性能が得られるようにする。
【解決手段】ドラムを配設した外槽の内部の空気を循環させる循環風路に水冷式の除湿器39を有するもので、その除湿器39を、循環風路を通る空気が矢印Aで示すように折り返して下部から上部へ通る風路40を内部に有するものとし、その風路40の、折り返し元側とは反対側の外側(折り返し元側から風路40に入った空気が流勢で流れやすく、風速が高くて、風量も多い部分)に突部42を有し、この突部42を有した部分に水を矢印Bで示すように流下させ、この流下する水により風路40を通る空気を冷却凝縮するようにした。かくして、除湿器39においての水に対する空気の接触を多くでき、除湿性能を良くすることができるので、所期の乾燥性能を得ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、循環風路に水冷式の除湿器を有する衣類乾燥機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、衣類乾燥機においては、ドラムを収容する外槽の外部に循環風路を配設し、この循環風路に送風機と除湿器及び加熱器を設けたものが知られている(例えば特許文献1、2参照)。
【0003】
これらのものの場合、送風機が駆動されることによる送風作用によって、外槽内部、ひいてはドラム内部の空気が循環風路を通して循環される。このとき、同時に加熱器によって循環空気が加熱され、従って、循環空気は温風と化し、この温風が外槽内部、ひいてはドラム内部に供給されることになって、ドラム内部に収容された洗濯物を加熱する。又、その洗濯物を加熱した空気は洗濯物から湿気を奪って除湿器に至り、この除湿器で除湿される。そして、その除湿された空気が再び加熱器により加熱されてドラム内部に供給される。これを繰り返すことにより、ドラム内部の洗濯物が乾燥される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003− 79987号公報
【特許文献2】特開2003−326078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来のものでは、除湿器は水冷式であり、具体的には、下部から上部へ空気を通す風路を内部に有し、この風路の内壁面に突部が設けられていて、風路の上部から注水することにより、突部で水と空気との接触を増し、かくして風路を通る空気を水で冷却凝縮することにより除湿をするものとなっている。
【0006】
しかしながら、このものの場合、除湿器は、風路の下部が外槽の下部に直につながり、その外槽の下部から風路に進入した空気が風路を下部から上部へと通る単純なものであり、そのために、水と空気との接触を増すべく風路に突部が設けられているものの、実際には水と空気との接触は少なく、除湿性能が良くない。よって、所期の乾燥性能が得られないという事情を有していた。
【0007】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、循環風路に水冷式の除湿器を有するものにおいて、除湿性能を良くでき、もって所期の乾燥性能を得ることのできる衣類乾燥機を提供するにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の衣類乾燥機においては、外箱と、この外箱の内部に配設された外槽と、この外槽の内部に配設され、通水及び通気が可能な孔を有するドラムと、このドラムを回転させる駆動装置と、前記外槽の外周囲に配設された循環風路と、この循環風路に設けられ、前記外槽内部の空気を該循環風路に吸出して該循環風路を通し外槽内部に戻す循環を行わしめる送風機と、前記循環風路に設けられ、該循環風路を通る空気の除湿をする除湿器と、前記循環風路に設けられ、前記除湿をした空気を加熱する加熱器とを具備し、前記除湿器は、前記循環風路を通る空気が折り返して下部から上部へ通る風路を内部に有するものであり、その風路の、折り返し元側とは反対側の外側に突部を有し、この突部を有した部分に水を流下させ、この流下する水により前記風路を通る空気を冷却凝縮することを特徴とする(請求項1の発明)。
【発明の効果】
【0009】
上記手段によれば、除湿器は循環風路を通る空気が折り返して下部から上部へ通る風路を内部に有するもので、その折り返し元側とは反対側の外側は、折り返し元側から風路に入った空気が流勢で流れやすく、風速が高くて、風量も多い部分である。その部分に突部を有し、この突部を有した部分に水を流下させて、その流下する水により風路を通る空気を冷却凝縮するのであるから、水に対する空気の接触が多く、除湿性能を良くすることができる。かくして所期の乾燥性能を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施例を示す主要部分の正面図
【図2】主要部分の分解斜視図
【図3】主要部分の部分拡大断面図
【図4】主要部分の部分拡大分解斜視図
【図5】ドラム式洗濯乾燥機(衣類乾燥機)全体の開扉状態の外観斜視図
【図6】ドラム式洗濯乾燥機の内部構造の斜視図
【図7】ドラム式洗濯乾燥機の背板を取外した状態の背面図
【図8】本発明の第2実施例を示す図3相当図
【図9】図4相当図
【図10】本発明の第3実施例を示す図3相当図
【図11】図4相当図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明をドラム式洗濯乾燥機に適用して、その第1実施例(第1の実施形態)につき、図1ないし図7を参照して説明する。
まず、図5にはドラム式洗濯乾燥機の外観を示しており、機全体の外殻を外箱1で構成している。この外箱1はほゞ直方体状を成しており、底部に台板2を有している。外箱1の前面部1aはやゝ上向きの傾斜状を成しており、そのほゞ中央部に円形の洗濯物出入口3を形成している。この洗濯物出入口3を開閉する扉4は、外箱1の前面部1aにヒンジ5を介して横方向に回動可能に取付けており、そのほか、外箱1の前面部1aには、上部に操作パネル6を設け、その左側方部に引出し式の洗剤投入ケース7を設けている。
【0012】
外箱1の内部には、図6に示す外槽8を配設している。この外槽8は、軸方向が前後の横軸状で後面を閉塞したほゞ円筒状を成すものであり、それを、前上がりに傾斜する状態で、前記台板2上に左右一対(一方側のみ図示)の弾性支持機構9を介して支持している。この外槽8の前面の開口部は、図示しないが、べローズを介して前記洗濯物出入口3に連通しており、外槽8の上部8aの前部には吹出し口10を形成し、同外槽8の背部8bの上部に吹込み口11を形成している。
【0013】
外槽8の内部には、図5に示すドラム12を回転可能に配設している。このドラム12は、詳細には図示しないが、外槽8と同様に軸方向が前後の横軸状で後面を閉塞したほゞ円筒状を成すものであり、それを、前上がりに傾斜する状態で、外槽8の内部に配設している。ドラム12の周壁部には、通水及び通風が可能な孔13をほゞ全域に多数形成しており、ドラム12の内周部には、洗濯物掻き上げ用のバッフル14を複数(1個のみ図示)設けている。
【0014】
又、ドラム12の前面の開口部は前記洗濯物出入口3に臨んでおり、ドラム12は洗濯物出入口3から投入される洗濯物(図示せず)を収容する。更に、ドラム12は、外槽8の背部8bに図6に示すように取付けたモータ15により回転駆動するようにしており、従って、モータ15はドラム12を回転させる駆動装置として機能するようになっている。ドラム12は、洗いの際には洗濯槽として機能し、脱水の際には脱水槽として機能し、そして、乾燥の際には乾燥槽として機能するものである。
【0015】
外槽8の上方(外箱1内の最上部)部には、図7に示す給水弁16を配設しており、この給水弁16を通じて水道水が前記洗剤投入ケース7を介して外槽8の内部に供給されるようになっている。又、図示はしないが、外槽8の底部には機外に連なる排水路を設けており、この排水路の途中に排水弁を設けていて、これらにより、外槽8内に貯水し、そして外槽8内から機外に排水し得るようになっている。
【0016】
外槽8の外周部には、図6に示す循環風路17を配設しており、この循環風路17は、一端部を外槽8の前記吹出し口10に接続した上部風路18を有している。この上部風路18は、一端部近くの上側にフィルタ収容部19を有しており、このフィルタ収容部19より前側に蛇腹状の可撓部20aを有する可撓性ダクト20を接続していて、この可撓性ダクト20を前記吹出し口10に接続している。
【0017】
フィルタ収容部19には、図5にカバー21aのみを示したリントフィルタユニット21を上方から出し入れ可能に収容するようになっており、それに対して、前記外箱1の天板部1bには、カバー21aの外形に対応したリントフィルタユニット出し入れ用の開口部22を形成している。従って、リントフィルタユニット21は、外箱1の上方から開口部22を通してフィルタ収容部19に出し入れされるようになっている。
なお、上部風路18のフィルタ収容部19より後方の中間部には、図示しない固定リントフィルタを配設している。
【0018】
前記上部風路18の他端部(後端部)には、図6に示す下向きの接続口23を設けており、この接続口23に除湿用ダクト24を接続している。除湿用ダクト24の構成については後に詳述する。
外槽8の上部8aには送風機25を配設しており、この送風機25のケーシング26の吸入口に上記除湿用ダクト24の一端部を接続している。送風機25は、ケーシング26の内部に配設した送風羽根(図示せず)をモータ27により回転駆動するものであり、ケーシング26の吐出口に加熱器28のケース29の入口部を接続している。
【0019】
加熱器28は、ケース29の内部に加熱手段である電気ヒータ(図示せず)を配設したものであり、ケース29の出口部に、蛇腹状の可撓部30aを有する可撓性ダクト30の一端部を接続している。この可撓性ダクト30は、他端部を下方に向けたほゞL字形を成しており、この可撓性ダクト30の他端部を、外槽8の背部8bの左上部(外槽8をやゝ後側から見た図6では右上部)に設けた後部風路31の上部に接続している。この後部風路31は、外槽8の前記吹込み口11に連通している。
以上の、上部風路18と、除湿用ダクト24、送風機25(ケーシング26)、加熱器28(ケース29)、可撓性ダクト30、及び後部風路31により、前記循環風路17を構成している。
【0020】
さて、前記除湿用ダクト24は、詳細には図1に示すように、上下方向に長い筒状の立下がり部32と、円弧状に形成された中空状の折返し部33と、上下方向に長い筒状の立上がり部34とを有している。そのうち、立下がり部32は、上端部に前記上部風路18の接続口23に接続される入気口35を有しており、この入気口35部分から下方へ垂直に延びるように形成している。折返し部33は、立下がり部32の下端部にて上方へ折り返すように形成しており、立上がり部34は、折返し部33から上方へ垂直に延びるように形成している。
【0021】
図2には、上述の除湿用ダクト24を構成するダクト本体36とダクトカバー37とを示している。このうち、ダクト本体36は、立下がり部32の全部を構成すると共に、折返し部33の大部分及び立上がり部34の大部分を構成するものである。一方、ダクトカバー37は、折返し部33の一部と立上がり部34の一部を構成するものであり、このダクトカバー37をダクト本体36に被せて、図示しない複数のねじにより結合することで、折返し部33及び立上がり部34を形成するようになっている。
【0022】
折返し部33の最下部より立上がり部34側の若干高い部分には、図1にも示すように、下方へ突出する排水口38を設けている。この排水口38には、図示しないが、排水チューブの一端部を接続し、その排水チューブの他端部を、前記の排水弁よりも下流側(機外側)に接続している。
【0023】
立上がり部34は除湿器39を構成するもので、以下にその構成を詳述する。すなわち、立上がり部34の内部には、上下方向に延びる風路40と、同じく上下方向に延びるバイパス路41とを設けている。そのうち、風路40の内面中、特に風路40の、折り返し元側とは反対側の外側の面40aには突部42を設けており、この突部42は、この場合、図3及び図4に詳細に示す小円形の突起であり、それを上下の縦方向及び横方向にそれぞれ多数並べて設けており、特に縦方向には位置が横方向に互い違いとなるように設けている。
更に又、突部42は、風路40の他の内面40b,40c,40d(ダクトカバー37の内面)にも上記同様に設けており、すなわち、突部42は風路40の全周に設けている。
【0024】
一方、バイパス路41は、風路40と隔離するリブ43及びこのリブ43の上部43aと平行なリブ44とで、風路40よりも細い通路状に形成しており、その内面には、上記突部42に相当するものを形成していない。又、バイパス路41の上端部41aは、風路40側に傾斜するように設けており、従って、リブ43の上部43aとリブ44は風路40側に傾斜している。
【0025】
風路40は、上部40eをバイパス路41側(立下がり部34側)とは反対側の側方に張り出させて拡張することにより、上部の風路断面積を拡大している。この風路断面積を拡大した部分、すなわち、風路40から張り出させた上部40eにおいて、更にその外側には注水部45を形成している。この注水部45は、上記風路40の上部40eから更に側方に張り出させて膨出した中空の膨出部46と、この膨出部46の風路40側を下部を除き遮蔽した遮蔽部47と、膨出部46の上面部46aに形成した注水口48とで構成したものである。又、立上がり部34は、注水部45下方の壁面を傾斜面49としている。
【0026】
更に、注水口48には、図7に示すように、立上がり部34外において注水ホース50の一端部を接続しており、注水ホース50の他端部は前記給水弁16の分岐口(詳しくは図示せず)に接続していて、乾燥の際に開放するその分岐口から注水ホース50を介して水道水が供給されるようになっている。
【0027】
このほか、立上がり部34の最上部には、前記送風機25の吸入口に接続される出気口51を形成している。
又、図2には、ダクトカバー37の内面に前記突部42と共に形成したリブ52,53,54を示しており、これらは、折返し部33の大部分及び立上がり部34の大部分の周縁部と、リブ43,44とにそれぞれ嵌合するものである。
【0028】
次に、上記構成のものの作用を説明する。
上記構成において、ドラム12内に収容された洗濯物(図示せず)を乾燥させる場合には、モータ15によりドラム12を正逆両方向に低速度で回転させながら、送風機25を駆動すると共に、加熱器28の電気ヒータを発熱させ、更に、給水弁16の分岐口を開放させて該分岐口から注水ホース50を介して除湿器39の注水部45(注水口48)に水を供給する。
【0029】
このうち、送風機25の送風作用により、循環風路17内の空気が吹込み口11から外槽8の内部ひいてはドラム12の内部に吹き込まれると共に、ドラム12の内部ひいては外槽8の内部の空気が外槽8の吹出し口10から循環風路17へ吹き出されることを繰り返すことによって、外槽8の内部(ドラム12の内部)の空気が循環風路17を通して循環される(図6の矢印A参照)。
【0030】
このときの風の流れをもう少し詳しく説明する。循環風路17内の空気は加熱器28の電気ヒータにより加熱され、その加熱された空気(温風)が可撓性ダクト30及び後部風路31を通り、吹込み口11から外槽8の内部ひいてはドラム12の内部に供給される。ドラム12の内部に供給された温風は、ドラム12の内部の洗濯物を加熱して、洗濯物から湿気を奪う。洗濯物から湿気を奪った温風は、吹出し口10から循環風路17へ出て、可撓性ダクト20を通り、上部風路18を後方へ向けて流れる。この上部風路18を流れる空気にリントが含まれていると、そのリントは、大部分がリントフィルタユニット21により捕獲され、それを通過したリントも固定リントフィルタにて捕獲される。
【0031】
上部風路18を流れた温風は、除湿用ダクト24において立下がり部32を上方から下方へ流れた後、折返し部33にて上方に向きを変え、除湿器39の風路40及びバイパス路41(立上がり部34の内部)を下方から上方へ流れる(図1、図3、図4の矢印A参照)。このとき、風路40の、折り返し元側とは反対側の外側(外側の面40aの部分)は、折り返し元側から風路40に入った空気が流勢で流れやすく、風速が高くて、風量も多い。
【0032】
又、このときには、給水弁16の分岐口からの水が注水部45に供給されていることにより、該注水部45から除湿器39の内部(風路40)に注水される。この風路40に注入された水は、図1、図3、図4に矢印Bで示すように、傾斜面49からそれに連なる風路40の外側の面40aをもっぱら伝い、突部42により分散されながら流下する。ここで、その外側の面40aは、上記風路40の、折り返し元側とは反対側の面であり、上述のように、折り返し元側から風路40に入った空気が流勢で流れやすく、風速が高くて、風量も多い部分である。この空気が流れやすく、風速が高くて、風量も多い部分の突部42で分散された水には、風路40を通る空気が最も多く接触し、それによって、風路40を通る空気の冷却凝縮(除湿)が盛んに行われる。
【0033】
なお、風路40を通る空気の除湿をすることにより発生した水は、除湿器39の内部を流下する水と共に除湿用ダクト24の内底部に溜められ、その水位が排水口38の高さを越えて後、排水口38からそれに接続した排水チューブを介して排水路に排出される。
【0034】
そして、除湿器39の風路40を流れた空気は、送風機25に吸入された後、加熱器28に送られ、そこで再び加熱器28の電気ヒータにより加熱される。加熱された空気は、前述のように可撓性ダクト30及び後部風路31を通り、吹込み口11から外槽8の内部ひいてはドラム12の内部に戻されるというように流れる。このように空気が循環されることで、回転ドラム12の内部の洗濯物が乾燥される。
【0035】
このように上記構成のものでは、ドラム12を配設した外槽8の内部の空気を循環させる循環風路17に水冷式の除湿器39を有するもので、その除湿器39を、循環風路17を通る空気が折り返して下部から上部へ通る風路40を内部に有するものとし、その風路40の、折り返し元側とは反対側の外側(折り返し元側から風路40に入った空気が流勢で流れやすく、風速が高くて、風量も多い部分)に突部42を有し、この突部42を有した部分に水を流下させ、この流下する水により風路40を通る空気を冷却凝縮するようにしている。かくして、除湿器39においての水に対する空気の接触を多くでき、除湿性能を良くすることができるので、所期の乾燥性能を得ることができる。
【0036】
加えて、上記構成のものでは、除湿器39が突部42を風路40の全周に有するものとしており、これによって、ドラム12の内部における洗濯物の偏在で発生するドラム12の回転振動や、洗濯機設置面の傾きによる洗濯機の傾斜設置等を因として、除湿器39に傾きが生じた場合にも、その傾いた方向の面に水が流れて、その面に存在する突部42で水を分散させ得るから、除湿器39の傾きにもさして関係なく良好な除湿性能を得ることができる。
【0037】
なお、除湿器39を、循環風路17を通る空気が折り返して下部から上部へ通る風路40を内部に有するものとしたのは、例えば、循環風路17にリントフィルタユニット21を上方から出し入れ可能に収容すべく、フィルタ収容部19を有する上部風路18を外槽8の上部に設けるからであって、且つ上部から下部へ水を流下させる風路40を有する除湿器39を上部風路18に接続するためである。
【0038】
以上に対して、図8ないし図11は本発明の第2及び第3実施例(第2及び第3の実施形態)を示すもので、それぞれ、第1実施例と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
【0039】
[第2実施例]
図8及び図9に示す第2実施例においては、除湿器39に突部61を、前述の小円形の突起から成る突部42に代えて、風路40を通る空気の流れ方向と直交する方向に長く延びるリブ状で、且つ多段に設けている。又、その突部61は、風路40の一面(この場合、ダクトカバー37内側の面40d)では横方向に互い違い状に設けることによって、順次下段の突部61に水を流下させるようにしている。
【0040】
このようにすることにより、風路40に注入された水は、突部61に沿って流れるようになり、風路40を通る空気との接触をより盛んにすることができるので、一段と良好な除湿性能を得ることができる。
【0041】
[第3実施例]
図10及び図11に示す第3実施例においては、除湿器39に突部71を、上述の突部61とも代えて、風路40を通る空気の流れ方向と交差する方向に長く延びつつ漸次降下する螺旋状に設けている。
【0042】
このようにすることにより、風路40に注入された水は、突部71に沿って流れるようになり、よって、この場合も風路40を通る空気との接触をより盛んにできて、一段と良好な除湿性能を得ることができる。しかも、この場合には、風路40を通る空気まで突部71に沿って流れるようになるため、空気の送風経路が確保され、送風抵抗を減じ得て、送風効率を良くできることにより、乾燥性能を向上させることができる。
【0043】
このほか、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるものではなく、例えば第3実施例に示した突部71は螺旋状でなく傾斜方向が交互のジグザク状であっても良く、又、機全体としては乾燥機能のみを有するか、或いは乾燥機能を主に有するものであっても良いなど、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【符号の説明】
【0044】
図面中、1は外箱、8は外槽、12はドラム、13は孔、15はモータ(駆動装置)、17は循環風路、25は送風機、28は加熱器、33は折返し部、39は除湿器、40は風路、42は突部、45は注水部、61,71は突部を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外箱と、
この外箱の内部に配設された外槽と、
この外槽の内部に配設され、通気が可能な孔を有するドラムと、
このドラムを回転させる駆動装置と、
前記外槽の外周囲に配設された循環風路と、
この循環風路に設けられ、前記外槽内部の空気を該循環風路に吸出して該循環風路を通し外槽内部に戻す循環を行わしめる送風機と、
前記循環風路に設けられ、該循環風路を通る空気の除湿をする除湿器と、
前記循環風路に設けられ、前記除湿をした空気を加熱する加熱器とを具備し、
前記除湿器は、前記循環風路を通る空気が折り返して下部から上部へ通る風路を内部に有するものであり、その風路の、折り返し元側とは反対側の外側に突部を有し、この突部を有した部分に水を流下させ、この流下する水により前記風路を通る空気を冷却凝縮することを特徴とする衣類乾燥機。
【請求項2】
除湿器は、突部を風路の全周に有することを特徴とする請求項1記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
除湿器は、突部を螺旋状に有することを特徴とする請求項2記載の衣類乾燥機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−273715(P2010−273715A)
【公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−126423(P2009−126423)
【出願日】平成21年5月26日(2009.5.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】