説明

衣類乾燥機

【課題】フィルタで捕集した糸くずなどの異物を回転ドラムや循環風路へ逸散させることなく風量の低下を少なくして、乾燥効率を維持する。
【解決手段】リントを捕集するフィルタ部12に、円筒状のフィルタ15と、循環風路8からフィルタ15の一端開口部13に導入した乾燥用空気がフィルタ15の内面に沿った螺旋流となるように形成した導入部16と、フィルタ15の他端開口部14に連通して設けた円筒状のリント捕集部17と、フィルタ15を通して循環風路8へ乾燥用空気を導出する導出部18を設け、フィルタ15の他端開口部からリント捕集部17に流入した乾燥用空気をリント捕集部17の周側面に沿って旋回させ、捕集したリントをリント捕集部17内で集結させるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転ドラム内で衣類の乾燥を行う衣類乾燥機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のドラム式衣類乾燥機は、図6に示すような構成が一般的である。筐体101内に受筒102が設けられ、この受筒102内に洗濯物を収容する回転ドラム103が設けられている。回転ドラム103は受筒102の底部に取り付けたモータ104によって回転駆動される。回転ドラム103内に乾燥用空気を供給する送風ファン105を設け、除湿手段106および加熱手段107を備えた循環風路108を通して乾燥用空気を回転ドラム103へ循環させて洗濯物の乾燥をおこなう。
【0003】
除湿手段106および加熱手段107は、圧縮機と冷媒回路で接続した蒸発器、凝縮器であり、送風ファン105により回転ドラム103内の乾燥用空気を循環風路108に導入し、除湿手段106および加熱手段107を通して熱交換することにより、除湿後に加熱した乾いた高温空気として回転ドラム103へ送風し、洗濯物に当てて乾燥させるようにしている。
【0004】
循環風路108を循環する乾燥用空気には、回転ドラム103内の洗濯物から分離した糸くずなどの異物が混入し、これが蒸発器や凝縮器に付着して目詰まりが生じ、また、送風ファン105の各部に堆積して、機能が低下するとともに故障の原因になるため、循環風路108の途中に糸くずなどの異物を捕集するフィルタ109が設けられる。
【0005】
乾燥運転をおこなうことによってフィルタ109に洗濯物から分離した糸くずなどが捕集されて堆積し、循環風路108を循環する乾燥用空気の通過抵抗が増大するため、フィルタ109に堆積した糸くずなどを取り除くことが考えられている。図6に記載のものは送風ファン105を正逆回転可能に設け、送風ファン105を逆回転させてフィルタ109に付着した異物を吹き飛ばして排除するようにしたものである(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−86419号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前記従来の構成では、使用後に送風ファン105を逆回転させて循環風路108内の空気を上流側へ向けて逆流させ、フィルタ109から糸くずなどの異物を吹き飛ばすものであるため、フィルタ109から吹き飛ばされた糸くずなどの異物は回転ドラム103内へ入る。したがって、回転ドラム103内で洗濯物に付着するとともに、送風ファン105の回転方向の切替えによって異物が循環風路108内を移動するという問題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、フィルタで捕集した糸くずなどの異物を回転ドラムや循環風路へ逸散させることなく風量の低下を少なくして、乾燥効率を維持することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の衣類乾燥機は、循環風路を通過するリントを捕集するフィルタ部を設け、前記フィルタ部は、両端に開口部を設けた円筒状のフィルタと、前記循環風路から前記フィルタの一端開口部に導入した乾燥用空気が前記フィルタの内面に沿った螺旋流となるように形成した導入部と、前記フィルタの他端開口部に連通して設けた円筒状のリント捕集部と、前記フィルタを通して前記循環風路へ乾燥用空気を導出する導出部を有し、前記フィルタの他端開口部から前記リント捕集部に流入した乾燥用空気を前記リント捕集部の周側面に沿って旋回させ、捕集したリントを前記リント捕集部内で集結させるようにしたものである。
【0010】
これによって、捕集した糸くずなどの異物をフィルタから剥離しても、回転ドラムや循環風路へ逸散することなく風量の低下を抑制することができ、衣類などの乾燥効率を維持することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の衣類乾燥機は、フィルタで捕集した糸くずなどの異物が回転ドラムや循環風路へ逸散することなく風量の低下を抑制することができ、衣類などの乾燥効率を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における衣類乾燥機の機能を備えた洗濯乾燥機の要部断面図
【図2】同洗濯乾燥機のフィルタ部の斜視図
【図3】同洗濯乾燥機のフィルタ部の要部断面図
【図4】同洗濯乾燥機のフィルタ部の動作説明図
【図5】同洗濯乾燥機の外観斜視図
【図6】従来のドラム式衣類乾燥機の構成図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、筐体内に弾性支持した外槽と、前記外槽内に配設され洗濯物を収容する回転自在な回転ドラムと、前記回転ドラムと連通し洗濯物を乾燥させる空気が流れる循環風路と、前記循環風路に乾燥用空気を送風する送風手段と、前記循環風路を通過するリントを捕集するフィルタ部とを備え、前記フィルタ部は、両端に開口部を設けた円筒状のフィルタと、前記循環風路から前記フィルタの一端開口部に導入した乾燥用空気が前記フィルタの内面に沿った螺旋流となるように形成した導入部と、前記フィルタの他端開口部に連通して設けた円筒状のリント捕集部と、前記フィルタを通して前記循環風路へ乾燥用空気を導出する導出部を有し、前記フィルタの他端開口部から前記リント捕集部に流入した乾燥用空気を前記リント捕集部の周側面に沿って旋回させ、捕集したリントを前記リント捕集部内で集結させるようにした衣類乾燥機とすることにより、循環風路からフィルタ部に導入される乾燥用空気は、フィルタの内面に沿った螺旋流となってリント捕集部に到達する。リント捕集部に到達した乾燥用空気は、円筒状の周側面に沿って旋回し、リント捕集部内で集結させることができる。フィルタの内面で捕集したリントは、フィルタの内面に沿った乾燥用空気の螺旋流でリント捕集部へ運ばれ、フィルタの内面に堆積することがない。したがって、フィルタで捕集したリントなどの異物が回転ドラムや循環風路へ逸散することがなく、回転ドラムへ循環送風する乾燥用空気の風量低下を抑制することができ、衣類などの乾燥効率を維持することができる。
【0014】
第2の発明は、特に、第1の発明のフィルタおよびリント捕集部は、同軸方向に配設した衣類乾燥機とすることにより、循環風路からフィルタ部に導入される乾燥用空気は、フィルタの内面に沿った螺旋流となり、フィルタと同軸の進行方向に設けたリント捕集部に到達させることができ、フィルタの内面で捕集したリントを、フィルタの内面に沿った乾
燥用空気の螺旋流でリント捕集部へ集めることができる。
【0015】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の円筒状のフィルタの直径をφ1、リント捕集部の直径をφ2としたとき、φ1<φ2に設定した衣類乾燥機とすることにより、フィルタの内面に沿った螺旋流となってリント捕集部に到達した乾燥用空気を、円筒状の周側面に沿って旋回させ、リント捕集部の内周面にリントを集結堆積させることができる。したがって、リントをフィルタの内面に沿った螺旋流の外側に集めて収容することができ、リント捕集部への乾燥用空気の螺旋流を安定的に維持することができる。
【0016】
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明の導入部は、乾燥用空気がフィルタ内へ導入される一端開口部の中心部より上方に形成した衣類乾燥機とすることにより、導入部で乾燥用空気の流れを円筒状のフィルタの円周方向へ変換し、フィルタの内面に沿った螺旋流にすることができ、フィルタの内面で捕集したリントを、フィルタの内面に沿った乾燥用空気の螺旋流でリント捕集部へ集めることができる。
【0017】
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか1つの発明のリント捕集部に開閉自在な蓋を設け、前記蓋を透明または半透明にして筐体の上面に臨ませた衣類乾燥機とすることにより、フィルタを取り外すことなく、異物の溜まり度合いを容易に視認することができるとともに、蓋を開けることにより、溜まった異物を容易に取り除くことができる。
【0018】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における衣類乾燥機の機能を備えた洗濯乾燥機の要部断面図、図2は、同フィルタ部の斜視図、図3は、同フィルタ部の要部断面図、図4は、同フィルタ部の動作説明図、図5は、同洗濯乾燥機の外観斜視図である。
【0020】
図1〜図5において、筐体1の内部には、図示しないサスペンション構造によって外槽2が弾性的に支持され、この外槽2内に有底円筒形に形成された回転ドラム3がその軸心方向を正面側から背面側に向けて下向きに傾斜させて配設されている。外槽2の正面側には回転ドラム3の開口端に通じる衣類出入口4が形成され、筐体1の正面側に形成された上向き傾斜面に設けられた開口部を開閉可能に閉じる扉5が設けてあり、この扉5を開くことにより、衣類出入口4を通じて回転ドラム3内に対して洗濯物を出し入れすることができる。
【0021】
回転ドラム3には、その周側面に外槽2内に通じる多数の透孔(図示せず)が形成され、内周面の複数位置に撹拌突起6が設けられている。この回転ドラム3は、外槽2の背面側に取り付けられたモータ7によって正転および逆転方向に回転駆動される。また、外槽2には、図示しない注水管路および排水管路が配管接続され、注水弁および排水弁の制御によって外槽2内への注水および排水がなされる。
【0022】
外槽2の背面の上部と上面の前部には、乾燥用空気を循環させる循環風路8が設けられており、この循環風路8の途中には、外槽2内に乾燥用空気を送風する送風手段9と、回転ドラム3から循環風路8に入る湿った空気を除湿する除湿手段10と、この除湿手段10で除湿した乾いた空気を加熱する加熱手段11が設けられており、除湿手段10および加熱手段11は、圧縮機と冷媒回路で接続した蒸発器、凝縮器で構成する一般的なヒートポンプサイクルが用いられる。
【0023】
回転ドラム3から出た乾燥用空気が除湿手段10に至るまでの循環風路8にフィルタ部
12が設けられている。このフィルタ部12は、両端に一端開口部13および他端開口部14を設けた円筒状のフィルタ15と、循環風路8からフィルタ15の一端開口部13に導入した乾燥用空気がフィルタ15の内面に沿った螺旋流となるように形成した導入部16と、フィルタ15の他端開口部14に連通して設けた円筒状のリント捕集部17と、フィルタ15を通して循環風路8へ乾燥用空気を導出する導出部18を設けている。
【0024】
円筒状のフィルタ15と円筒状のリント捕集部17は、各々の中心を同軸方向に配設してあり、円筒状のリント捕集部17の直径φ2を、円筒状のフィルタ15の直径φ1より大きく形成している。すなわち、φ1<φ2に設定してあり、円筒状のフィルタ15の内周面の外側にリント捕集部17の内周面17aが位置するように構成している。
【0025】
フィルタ部12は、接続部19で循環風路8と接続してあり、接続部19からフィルタ部12に入った乾燥用空気は、導入部20から一端開口部13を通って円筒状のフィルタ15内に入る。導入部20は、乾燥用空気がフィルタ15内へ導入される一端開口部13の中心部Xより所定高さ位置Hの上方に形成している。
【0026】
フィルタ部12は、筐体1の上面1a近傍の内部に配設している。リント捕集部17の外周面に円弧状の蓋21を開閉自在に設けてあり、蓋21を筐体1の上面1aに臨ませて開閉することができる。蓋21を透明または半透明にして、フィルタ15を取り外すことなく、異物の溜まり度合いを容易に視認することができるとともに、開閉自在な蓋21を開けることにより、リント捕集部17に溜まった異物を容易に取り除くことができる。
【0027】
以上のように構成された本発明の洗濯乾燥機について、以下、その動作、作用を説明する。扉5を開いて回転ドラム3内に洗濯物および洗剤を投入して洗濯乾燥機の運転を開始させると、外槽2内には注水管路(図示せず)から所定量の注水がなされ、モータ7により回転ドラム3が回転駆動されて洗濯工程が開始される。回転ドラム3の回転により、回転ドラム3内に収容された洗濯物は回転ドラム3の内周壁に複数設けられた撹拌突起6によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する撹拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで洗濯がなされる。
【0028】
所定の洗濯時間の後、汚れた洗濯液は排水管路(図示せず)から排出され、回転ドラム3を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗濯液を脱水し、その後、外槽2内に注水管路から注水してすすぎ工程が実施される。このすすぎ工程においても洗濯工程と同様に、回転ドラム3内に収容された洗濯物は回転ドラム3の回転により撹拌突起6により持ち上げられて落下する撹拌動作が繰り返されてすすぎ洗いが実行される。
【0029】
このような動作で洗濯およびすすぎがおこなわれるドラム式の洗濯乾燥機には、回転ドラム3内に収容した洗濯物を乾燥する衣類乾燥機の機能が設けられており、外槽2内の空気を除湿および加熱し、乾燥した加熱空気を再び外槽2内に送風する循環風路8が形成されている。この循環風路8に除湿手段10、加熱手段11および送風手段9が設けられ、回転ドラム3の上方に配設されている。
【0030】
送風手段9により、循環風路8に空気の流れを発生させる。洗濯物を収容した回転ドラム3内の空気は、回転ドラム3の周側面に多数形成した透孔(図示せず)を通じて外槽2から循環風路8へ排気される。循環風路8内には、乾燥用空気が流れる上流から下流に向けてフィルタ部12、除湿手段10、加熱手段11、送風手段9の順に配設されている。循環風路8へ排気された乾燥用空気は、除湿手段10で水分を結露させて除湿した後、加熱手段11との熱交換により加熱され、乾燥した高温の空気となる。
【0031】
この乾燥した高温の空気は、送風手段9によって外槽2へ送風され、外槽2内に送風さ
れた高温の乾燥空気は透孔を通して回転ドラム3内に入り、衣類などの洗濯物に曝されながら外槽2へと抜けて循環風路8に導入される。図1の矢印イで示す空気の流れ動作による循環の繰り返しにより乾燥工程が実行される。
【0032】
循環風路8を利用した乾燥工程では、循環風路8を循環される循環空気中に主として衣類などの洗濯物から発生するリントなどの異物が混じって循環する。循環空気中からリントなどの異物を除去するために、循環風路8の途中、すなわち、除湿手段10、加熱手段11、送風手段9等の上流側にフィルタ部12を設けて捕集される。
【0033】
循環風路8から接続部19を通ってフィルタ部12に入った乾燥用空気イは、フィルタ15内へ導入される一端開口部13の中心部Xより上方に形成した導入部16で、フィルタ15の内周面の接線方向に流れ方向が変えられ、図4に示すように、フィルタ15の内面に沿った螺旋流となってリント捕集部17に到達する。
【0034】
リント捕集部17に到達した乾燥用空気は、円筒状の内周面17aに沿って旋回し、リントは内周面17aに沿って膜状に纏まってリント捕集部17内で集結させることができる。フィルタ15の内面で捕集したリント等の異物は、フィルタの内面に沿った流速の速い乾燥用空気の螺旋流でリント捕集部17へ運ばれ、フィルタ15の内面に堆積することがない。そして、リント等の異物が捕集されてこれを含まないた流速の遅い乾燥用空気がフィルタ15を通過し、導出部18から循環風路8へ排出され、回転ドラム3へと循環する。
【0035】
したがって、フィルタ15で捕集したリント等の異物が回転ドラム3や循環風路8へ逸散することがなく、回転ドラム3へ循環送風する乾燥用空気の風量低下を抑制することができるので、衣類などの乾燥効率を維持することができる。
【0036】
また、フィルタ15とリント捕集部17を円筒状に形成し、その中心を同軸方向に配設しているので、循環風路8からフィルタ部12に導入される乾燥用空気は、フィルタ15の内面に沿って流れる螺旋流を、フィルタ15と同軸の進行方向に設けたリント捕集部17に到達させることができ、フィルタ15の内面で捕集したリントを、フィルタ15の内面に沿った乾燥用空気の螺旋流でリント捕集部17へ集めることができる。
【0037】
また、円筒状のフィルタ15の直径をφ1、リント捕集部17の直径をφ2としたとき、φ1<φ2に設定しているので、フィルタ15の内面に沿った螺旋流となってリント捕集部17に到達した乾燥用空気を、円筒状の内周面17aに沿って旋回させ、リント捕集部17の内周面17aにリントを集めて集結堆積させることができる。したがって、集められたリントをフィルタ15の内面に沿った螺旋流の外側に収容することができ、リント捕集部17への乾燥用空気の螺旋流を安定的に維持することができる。
【0038】
また、接続部19から乾燥用空気を導入する導入部16は、乾燥用空気がフィルタ15内へ導入される一端開口部13の中心部より上方に形成してあり、接続部19は、円筒状に形成したフィルタ15の中心軸方向に対して交差する方向からフィルタ部12に供給されるように屈曲して設けている。したがって、接続部19からフィルタ部12に入った乾燥用空気は、導入部16で乾燥用空気の流れを円筒状のフィルタ15の円周方向へ変換し、フィルタ15の内面に沿った螺旋流にして、流速を速くすることができる。
【0039】
乾燥運転の進行とともにリント捕集部17の内周面17aにリントが集結堆積される。リント捕集部17の内周面17aに堆積したリントの量は、筐体1の上面1aに臨ませた透明または半透明の蓋21を透して外部から常時視認可能であり、開閉自在な蓋21を開けることにより、リント捕集部17に溜まった異物を除去することができ、回転ドラム3
へ循環供給する乾燥用空気の風量を確保することができるとともに、乾燥運転時における設定された所定の風量を維持し、風量の低下を抑制して衣類などの乾燥効率を維持することができる。
【0040】
リント捕集部17は、蓋21のほか、側面部17bを透明または半透明に構成すると、リント捕集部17内に外光(照明でも可)を取り入れることができ、リント捕集部17内に溜まった異物の視認性をさらによくすることができる。
【0041】
なお、除湿手段10および加熱手段11は、蒸発器、凝縮器の組み合わせとして冷媒を循環させる冷媒回路で接続した圧縮機と共に空気調和機を構成するほか、除湿手段10は図示しない給水弁からの水の噴霧等により冷却された熱交換板として、水分を含む循環空気と接触して水分を結露させて除湿し、加熱手段11はヒータとしてもよい。送風手段9は、シロッコタイプ、または、ターボタイプのファンとしている。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる衣類乾燥機は、フィルタで捕集した糸くずなどの異物が回転ドラムや循環風路へ逸散することなく風量の低下を抑制することができ、衣類などの乾燥効率を維持することができるので、衣類乾燥機および洗濯乾燥機として有用である。
【符号の説明】
【0043】
1 筐体
2 外槽
3 回転ドラム
8 循環風路
9 送風手段
12 フィルタ部
13 一端開口部(開口部)
14 他端開口部(開口部)
15 フィルタ
16 導入部
17 リント捕集部
18 導出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体内に弾性支持した外槽と、前記外槽内に配設され洗濯物を収容する回転自在な回転ドラムと、前記回転ドラムと連通し洗濯物を乾燥させる空気が流れる循環風路と、前記循環風路に乾燥用空気を送風する送風手段と、前記循環風路を通過するリントを捕集するフィルタ部とを備え、前記フィルタ部は、両端に開口部を設けた円筒状のフィルタと、前記循環風路から前記フィルタの一端開口部に導入した乾燥用空気が前記フィルタの内面に沿った螺旋流となるように形成した導入部と、前記フィルタの他端開口部に連通して設けた円筒状のリント捕集部と、前記フィルタを通して前記循環風路へ乾燥用空気を導出する導出部を有し、前記フィルタの他端開口部から前記リント捕集部に流入した乾燥用空気を前記リント捕集部の周側面に沿って旋回させ、捕集したリントを前記リント捕集部内で集結させるようにした衣類乾燥機。
【請求項2】
フィルタおよびリント捕集部は、同軸方向に配設した請求項1記載の衣類乾燥機。
【請求項3】
円筒状のフィルタの直径をφ1、リント捕集部の直径をφ2としたとき、φ1<φ2に設定した請求項1または2記載の衣類乾燥機。
【請求項4】
導入部は、乾燥用空気がフィルタ内へ導入される一端開口部の中心部より上方に形成した請求項1〜3のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。
【請求項5】
リント捕集部に開閉自在な蓋を設け、前記蓋を透明または半透明にして筐体の上面に臨ませた請求項1〜4のいずれか1項に記載の衣類乾燥機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−98021(P2011−98021A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253718(P2009−253718)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】