表示制御装置
【目的】各種内容をディスプレイの画面から浮きでるように表示でき、そのため使用者にインパクトを与えて操作性が良好な文書処理装置を提供する。
【構成】キーボードにおけるポップアップキーからの指令に基づきポップアップ表示を実行するに際して、ポップアップのアクション回数を計算するとともに、各アクションにおいて表示される枠サイズを演算し、アクション回数に対応して小さい枠から大きい枠まで順次ディスプレイ上に表示するように構成する。
【構成】キーボードにおけるポップアップキーからの指令に基づきポップアップ表示を実行するに際して、ポップアップのアクション回数を計算するとともに、各アクションにおいて表示される枠サイズを演算し、アクション回数に対応して小さい枠から大きい枠まで順次ディスプレイ上に表示するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書編集のための各種内容(例えば、文字サイズ、印字書式等の選択画面)をポップアップ表示可能な文書処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、図に基づき従来の文書処理装置における各種内容を表示する表示方法について説明する。先ず、図11に示すようにディスプレイ51上には現在処理を行っている文書データが表示されている。そこで印字サイズの選択、印字書式の設定等の別のメニューを実行する際し、現在ディスプレイ51上に展開されている文書データに重ねて各種内容のデータの展開を行う。図12は、各種内容の表示を行った際のディスプレイ51を示した図である。ディスプレイ51上には、前記文書データに加えて枠データのレイアウト52がその中心に表示された後、枠内がクリア処理された状態が示されている。この表示は、表示指令手段からの指令が与えられると、所定サイズ(m×n)の枠データを読み込み、その枠のレイアウト52のみを表示するとともに、その枠内に各種内容を表示するものである(図13参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、従来の表示方法では、表示指令手段からの指令により、直ちに1つの枠データが表示されるが、その枠データの表示は文書処理装置の使用者に平面的な感覚を与えることとなる。
【0004】
そこで、本発明は、各種内容のポップアップ表示を実行するに際して、小さい枠から大きい枠まで順次表示させることにより、各種内容をディスプレイの画面から浮きでるように表示でき、もって使用者にインパクトを与えて操作性が良好な文書処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の文書処理装置は、表示手段のカーソル位置を基準に枠を表示することを指令するポップアップ指令手段と、前記ポップアップ指令手段からの指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて表示すべき枠の数をセットするアクション回数設定手段と、前記アクション回数設定手段によりセットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果に基づいて表示手段に枠を表示させる場合に、前記カーソル位置に応じて表示手段に表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示する制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上本発明の文書処理装置では、ユーザの視線の集中する現在の処理位置であるカーソル位置において、ポップアップ表示がなされるようにしている。この結果、ユーザの視線の移動なしに枠表示の内容を把握することができる。これにより、余分な視線移動が減少し、ユーザの集中力が維持され、文書入力、編集走査における操作性の向上、誤操作の防止が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を具体化した文書処理装置の一実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施例の文書処理装置の斜視図を示すものであり、図1において文書処理装置は、本体1とディスプレイ装置2とにより構成されたものである。本体1のフレーム前方にはキーボード3が配設されており、そのキーボード3の後方に印字用紙上に文字等の印字を行う印字機構PMが配設されている。また、本体1の右側面には、文書ファイルを記録するフロッピーディスクを操作するフロッピーディスクドライブFDDが設けられている。ここに、キーボード3には、各種文字等を入力するための文字キー5、改行や各種処理の実行を指令するリターンキー6、カーソルを上下左右に移動させるカーソルキー7、ポップアップ表示を実行させるためのポップアップキー8その他文書処理装置の操作上必要な各種機能キー等が配設されている。ここに、「ポップアップ」表示とは、各種内容を小さい枠から大きい枠に至る複数の枠にて順次囲いつつディスプレイ上に表示する機能をいう。
【0008】
また、印字機構PMは文書データに従ってインクを所定の形状にジェット噴射することにより印字用紙に所望の印字を行う構成のいわゆるインクジェットプリンタであり、かかる印字機構PMの構成は公知であるのでここでは説明を省略する。次に、ディスプレイ装置2について述べる。ディスプレイ装置2は、キーボード3に配設された各種キーから入力された文字を表示するためのディスプレイ4を備えており、図示しない接続ケーブルにより本体1と接続されている。ディスプレイ4は、入力された文字を複数行(20乃至25行程度)にわたって表示できるようになている。
【0009】
次に、文書処理装置の制御系について説明する。図2は、文書処理装置の制御系の全体構成を示したブロック図である。本実施例の文書処理装置の制御系は、制御部、キーボード3、印字機構PM、表示部DM、及び、フロッピーディスクドライブFDDはそれぞれ入出力インターフェース12を介して制御部に接続されている。制御部について説明する。制御部は入出力インターフェース12にバス14を介して接続されたCPU15を核として構成されており、かかるCPU15には更にバス14を介してROM16、RAM17及びカウンタ18が接続されている。
【0010】
CPU15は、後述するROM16に記憶されている各種プログラムに従って、文書処理装置の制御及びその制御に必要な各種演算処理を行うものである。制御部のROM16は、各種プログラム等を記憶しておくものであり、かかるROM16のプログラムメモリ16Aには、ポップアップ表示の際のアクション表示処理に関するポップアップ表示プログラム16B等が格納されている。
【0011】
一方、制御部のRAM17はCPU15により演算された各種演算結果を一時的に記憶するものであり、各種メモリを有している。即ち、RAM17には、キーボード3上の各キーからの文字等を入力して作成された文書データ又はフロッピーディスクドライブFDDを介してフロッピーディスクからオープンされた文書ファイルのデータを一時格納するテキストメモリ17A、ポップアップ表示の際の枠データを格納するカレントメモリ17Bの他各種メモリやレジスタが設けられている。また、カウンタ18は、後述するポップアップの際に順次拡大して表示される枠の回数、即ちアクション回数をカウントするものであり、最大サイズの枠に至るまでのアクション回数を記憶するマックスカウンタ18Aと、アクション数をカウントするアクションカウンタ18Bとから構成されている。
【0012】
図2の制御系における表示部DMは入出力インターフェース12に接続されたディスプレイコントローラ11と前記したディスプレイ装置2とからなる。ディスプレイ装置2のディスプレイ4には制御部により駆動制御されるディスプレイコントローラ11を介して、キーボード3等によって入力された文書データ等を表示する。また、図2の制御系における印字機構PMは、入出力インターフェース12を介して制御部からおくられる文書データをインクジェットプリンタにより印字するものである。更に、図2の制御系におけるキーボード3は、入出力インターフェース12を介して制御部に種々の指令をするものである。
【0013】
続いて文書処理装置の制御部で行われるポップアップ表示の制御についてフローチャートに基づいて説明する。尚、この時点において、キーボード3によって作成された文書データがデータをディスプレイ4に表示されており、このようにディスプレイ4上に表示された文書データに重ねて、ポップアップ表示が行われる。図3は、ポップアップ表示をするためのアクション表示ルーチンのフローチャートである。キーボード3のポップアップキー8を押下することによりルーチンにはいる。このルーチンは前記ROM16のポップアップ表示プログラム16Bにより実行される。このルーチンにはいると、まずステップ(以下、Sと略記する)1で、ポップアップキー8の押下によるポップアップ要求の際、ディスプレイ4上に表示されている文書データ等の退避処理を行う。即ち、画面データをRAM17のテキストメモリ17Aに一時的に記憶させる。
【0014】
ここで図4は、ディスプレイ4上に異なるポップアップ表示位置毎に表示される枠を比較した図である。枠21,22,23は、ポップアップ表示位置、即ちカーソルC1、C2,C3の位置によって決定される。そのため、前記ポップアップ要求に先だってディスプレイ4上に設定したカーソルCの位置によってポップアップ表示の位置が決定される。そこでS2では、前記ポップアップ表示位置のディスプレイ4の上下端及び左右端までの長さを考慮して、アクション回数が決定される。そして最大サイズ枠のアクション回数がマックスカウンタ18Aにセットされる。
【0015】
次に、アクション回数が決定されるとS3で、前記S2において決定されたアクション回数により、各アクション毎の所定の枠寸法(縦H、横L)が演算される。具体的には、図3に示す枠22の場合は、図5〜図10(但し、図10は後述するようにクリア処理がなされている)に示すように枠22にいたるまでの枠の寸法が使用者にスムーズな印象を与えるように、アクション1乃至6までのアクション毎の枠寸法が計算される。そして、その値はカレントメモリ17Bに記憶される。更にS4では、アクションカウンタ18Bを1にセットして初期化することによりカウント可能状態にする。
【0016】
以上のようなデータ設定に基づき、実際にディスプレイ4上に枠データを表示していく。S5でアクションカウンタ18Bがマックスカウンタ18A以下であるか否かを判定する。即ちディスプレイ4上に表示するポップアップ画面が、最終枠でないかどうかを判定する。ここで、アクションカウンタ18Bのカウント数がマックスカウンタ18A以下であれば、次のS6を実行する。S6では、当該アクションに対応する枠データをカレントメモリ17Bから読み出し、それに基づいてディスプレイ4上に枠を反転表示する(但し、図面は表現上反転させてはいない)。ディスプレイ4上に枠データが表示された後は、S7で表示されたその枠データについてのアクションカウンタ18Bのカウント数が2以上であるか否かを判定する。そして、アクションカウンタ18Bのカウント数が2以上であれば、S8により当該カウント数からマイナス1したカウント数の枠データをカレントメモリ17Bから読み出し、その枠データに相当する表示をディスプレイ4上から消去する。その後、カウント数を1インクリメントして再びS5に戻る。
【0017】
即ち、ポップアップ表示は前記S5乃至S8において実行されることになる。本実施例では、図5から図10に示すようにディスプレイ4上に6段階の枠表示によりポップアップ表示が行われる。ここで、ポップアップ表示を更に具体的に説明する。先ず、アクション1(アクションカウンタ18Bのカウント数1に対応するアクション、以下同じ)の枠表示が実行され、S6でカレントメモリ17B内のカウント数1に対応する枠データが読み出され、ディスプレイ4上に表示される。そして、S7ではカウント数が1で2以下となるので、S8をジャンプしてS9でカウント数を1インクリメントして再びS5に戻る。そこで、次にアクション2の枠表示が実行される。カウント数2の場合もS5による判定の後、S6においてカウント数2の枠データがカレントメモリ17Bから読み出されて、ディスプレイ4上に表示される。このときディスプレイ4上には、今回表示されたカウント数2の枠データに加えて、前回のアクション1の枠データが重ねて表示されている。
【0018】
そのため、次のS7でカウント数が2以上であるか否かを判定する。そして2以上であるのでS8において、カウント数(2ー1)の枠データ、即ちアクション1の枠データを読み出し、その重ねて表示された枠データをディスプレイ4上から消去する。そのためディスプレイ4上にはアクション2の枠データのみが表示されることになる。そしてS9で再び1インクリメントしてアクション3の枠データを同じように実行する。これをカウント数6まで繰り返す。カウント数6の表示が実行され、S9でカウント数が1インクリメントされて7になった状態では、S5においてマックスカウンタの値が6なのでS6乃至S9をジャンプしてS10を実行する。
【0019】
S10では、ディスプレイ4上に表示されているマックスカウンタ18Aの枠データの枠内を図10に示すようクリア処理する。そして、S11で反転処理されていた枠表示を反転し、最終枠の処理を行う。これによってアクションポップアップ表示が終了し、クリア処理された枠内に図13に示すように、指定する内容のデータが表示される。
【0020】
以上本実施例の文書処理装置では、ポップアップを実行するに際してアクション回数を計算し、それと共にアクション毎の枠サイズを演算して小さい枠から大きい枠まで順次表示されるので、各種内容をディスプレイの立体的な表現による表示により、枠内のデータを使用者の視覚に印象的に示すことができ、重ねて表示された他の文書データ等との識別が確かなものとなった。これにより、文書の編集作成等に対し文書処理装置の操作性が良好なものとなった。なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変形が可能である。例えば、実施例ではカウンタ18はRAM17と別体に設けられていたが、RAM17と一体にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】文書処装置の斜視図である。
【図2】文書処理装置の制御ブロック図である。
【図3】アクションポップアップ表示プログラムのフローチャートである。
【図4】異なるポップアップ表示位置毎に表示される枠を比較した図である。
【図5】アクション1における枠データ表示を示した図である。
【図6】アクション2における枠データ表示を示した図である。
【図7】アクション3における枠データ表示を示した図である。
【図8】アクション4における枠データ表示を示した図である。
【図9】アクション5における枠データ表示を示した図である。
【図10】ポップアップで使用する画面エリアをクリア処理したものを示した図である。
【図11】従来のポップアップ表示を示した図である。
【図12】従来のポップアップ表示を示した図である。
【図13】ポップアップされた画面に各種内容を表示した図である。
【符号の説明】
【0022】
1 本体
2 ディスプレイ装置
3 キーボード
4 ディスプレイ
5 文字キー
6 リターンキー
7 カーソルキー
8 ポップアップキー
12 入出力インターフェース
15 CPU
16 ROM
16A プログラムメモリ
16B ポップアップ表示メモリ
17 RAM
17A テキストメモリ
17B カレントメモリ
18 カウンタ
18A マックスカウンタ
18B アクションカウンタ
【技術分野】
【0001】
本発明は、文書編集のための各種内容(例えば、文字サイズ、印字書式等の選択画面)をポップアップ表示可能な文書処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
以下、図に基づき従来の文書処理装置における各種内容を表示する表示方法について説明する。先ず、図11に示すようにディスプレイ51上には現在処理を行っている文書データが表示されている。そこで印字サイズの選択、印字書式の設定等の別のメニューを実行する際し、現在ディスプレイ51上に展開されている文書データに重ねて各種内容のデータの展開を行う。図12は、各種内容の表示を行った際のディスプレイ51を示した図である。ディスプレイ51上には、前記文書データに加えて枠データのレイアウト52がその中心に表示された後、枠内がクリア処理された状態が示されている。この表示は、表示指令手段からの指令が与えられると、所定サイズ(m×n)の枠データを読み込み、その枠のレイアウト52のみを表示するとともに、その枠内に各種内容を表示するものである(図13参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、従来の表示方法では、表示指令手段からの指令により、直ちに1つの枠データが表示されるが、その枠データの表示は文書処理装置の使用者に平面的な感覚を与えることとなる。
【0004】
そこで、本発明は、各種内容のポップアップ表示を実行するに際して、小さい枠から大きい枠まで順次表示させることにより、各種内容をディスプレイの画面から浮きでるように表示でき、もって使用者にインパクトを与えて操作性が良好な文書処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の文書処理装置は、表示手段のカーソル位置を基準に枠を表示することを指令するポップアップ指令手段と、前記ポップアップ指令手段からの指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて表示すべき枠の数をセットするアクション回数設定手段と、前記アクション回数設定手段によりセットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算する演算手段と、前記演算手段の演算結果に基づいて表示手段に枠を表示させる場合に、前記カーソル位置に応じて表示手段に表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示する制御手段を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
以上本発明の文書処理装置では、ユーザの視線の集中する現在の処理位置であるカーソル位置において、ポップアップ表示がなされるようにしている。この結果、ユーザの視線の移動なしに枠表示の内容を把握することができる。これにより、余分な視線移動が減少し、ユーザの集中力が維持され、文書入力、編集走査における操作性の向上、誤操作の防止が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明を具体化した文書処理装置の一実施例について図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施例の文書処理装置の斜視図を示すものであり、図1において文書処理装置は、本体1とディスプレイ装置2とにより構成されたものである。本体1のフレーム前方にはキーボード3が配設されており、そのキーボード3の後方に印字用紙上に文字等の印字を行う印字機構PMが配設されている。また、本体1の右側面には、文書ファイルを記録するフロッピーディスクを操作するフロッピーディスクドライブFDDが設けられている。ここに、キーボード3には、各種文字等を入力するための文字キー5、改行や各種処理の実行を指令するリターンキー6、カーソルを上下左右に移動させるカーソルキー7、ポップアップ表示を実行させるためのポップアップキー8その他文書処理装置の操作上必要な各種機能キー等が配設されている。ここに、「ポップアップ」表示とは、各種内容を小さい枠から大きい枠に至る複数の枠にて順次囲いつつディスプレイ上に表示する機能をいう。
【0008】
また、印字機構PMは文書データに従ってインクを所定の形状にジェット噴射することにより印字用紙に所望の印字を行う構成のいわゆるインクジェットプリンタであり、かかる印字機構PMの構成は公知であるのでここでは説明を省略する。次に、ディスプレイ装置2について述べる。ディスプレイ装置2は、キーボード3に配設された各種キーから入力された文字を表示するためのディスプレイ4を備えており、図示しない接続ケーブルにより本体1と接続されている。ディスプレイ4は、入力された文字を複数行(20乃至25行程度)にわたって表示できるようになている。
【0009】
次に、文書処理装置の制御系について説明する。図2は、文書処理装置の制御系の全体構成を示したブロック図である。本実施例の文書処理装置の制御系は、制御部、キーボード3、印字機構PM、表示部DM、及び、フロッピーディスクドライブFDDはそれぞれ入出力インターフェース12を介して制御部に接続されている。制御部について説明する。制御部は入出力インターフェース12にバス14を介して接続されたCPU15を核として構成されており、かかるCPU15には更にバス14を介してROM16、RAM17及びカウンタ18が接続されている。
【0010】
CPU15は、後述するROM16に記憶されている各種プログラムに従って、文書処理装置の制御及びその制御に必要な各種演算処理を行うものである。制御部のROM16は、各種プログラム等を記憶しておくものであり、かかるROM16のプログラムメモリ16Aには、ポップアップ表示の際のアクション表示処理に関するポップアップ表示プログラム16B等が格納されている。
【0011】
一方、制御部のRAM17はCPU15により演算された各種演算結果を一時的に記憶するものであり、各種メモリを有している。即ち、RAM17には、キーボード3上の各キーからの文字等を入力して作成された文書データ又はフロッピーディスクドライブFDDを介してフロッピーディスクからオープンされた文書ファイルのデータを一時格納するテキストメモリ17A、ポップアップ表示の際の枠データを格納するカレントメモリ17Bの他各種メモリやレジスタが設けられている。また、カウンタ18は、後述するポップアップの際に順次拡大して表示される枠の回数、即ちアクション回数をカウントするものであり、最大サイズの枠に至るまでのアクション回数を記憶するマックスカウンタ18Aと、アクション数をカウントするアクションカウンタ18Bとから構成されている。
【0012】
図2の制御系における表示部DMは入出力インターフェース12に接続されたディスプレイコントローラ11と前記したディスプレイ装置2とからなる。ディスプレイ装置2のディスプレイ4には制御部により駆動制御されるディスプレイコントローラ11を介して、キーボード3等によって入力された文書データ等を表示する。また、図2の制御系における印字機構PMは、入出力インターフェース12を介して制御部からおくられる文書データをインクジェットプリンタにより印字するものである。更に、図2の制御系におけるキーボード3は、入出力インターフェース12を介して制御部に種々の指令をするものである。
【0013】
続いて文書処理装置の制御部で行われるポップアップ表示の制御についてフローチャートに基づいて説明する。尚、この時点において、キーボード3によって作成された文書データがデータをディスプレイ4に表示されており、このようにディスプレイ4上に表示された文書データに重ねて、ポップアップ表示が行われる。図3は、ポップアップ表示をするためのアクション表示ルーチンのフローチャートである。キーボード3のポップアップキー8を押下することによりルーチンにはいる。このルーチンは前記ROM16のポップアップ表示プログラム16Bにより実行される。このルーチンにはいると、まずステップ(以下、Sと略記する)1で、ポップアップキー8の押下によるポップアップ要求の際、ディスプレイ4上に表示されている文書データ等の退避処理を行う。即ち、画面データをRAM17のテキストメモリ17Aに一時的に記憶させる。
【0014】
ここで図4は、ディスプレイ4上に異なるポップアップ表示位置毎に表示される枠を比較した図である。枠21,22,23は、ポップアップ表示位置、即ちカーソルC1、C2,C3の位置によって決定される。そのため、前記ポップアップ要求に先だってディスプレイ4上に設定したカーソルCの位置によってポップアップ表示の位置が決定される。そこでS2では、前記ポップアップ表示位置のディスプレイ4の上下端及び左右端までの長さを考慮して、アクション回数が決定される。そして最大サイズ枠のアクション回数がマックスカウンタ18Aにセットされる。
【0015】
次に、アクション回数が決定されるとS3で、前記S2において決定されたアクション回数により、各アクション毎の所定の枠寸法(縦H、横L)が演算される。具体的には、図3に示す枠22の場合は、図5〜図10(但し、図10は後述するようにクリア処理がなされている)に示すように枠22にいたるまでの枠の寸法が使用者にスムーズな印象を与えるように、アクション1乃至6までのアクション毎の枠寸法が計算される。そして、その値はカレントメモリ17Bに記憶される。更にS4では、アクションカウンタ18Bを1にセットして初期化することによりカウント可能状態にする。
【0016】
以上のようなデータ設定に基づき、実際にディスプレイ4上に枠データを表示していく。S5でアクションカウンタ18Bがマックスカウンタ18A以下であるか否かを判定する。即ちディスプレイ4上に表示するポップアップ画面が、最終枠でないかどうかを判定する。ここで、アクションカウンタ18Bのカウント数がマックスカウンタ18A以下であれば、次のS6を実行する。S6では、当該アクションに対応する枠データをカレントメモリ17Bから読み出し、それに基づいてディスプレイ4上に枠を反転表示する(但し、図面は表現上反転させてはいない)。ディスプレイ4上に枠データが表示された後は、S7で表示されたその枠データについてのアクションカウンタ18Bのカウント数が2以上であるか否かを判定する。そして、アクションカウンタ18Bのカウント数が2以上であれば、S8により当該カウント数からマイナス1したカウント数の枠データをカレントメモリ17Bから読み出し、その枠データに相当する表示をディスプレイ4上から消去する。その後、カウント数を1インクリメントして再びS5に戻る。
【0017】
即ち、ポップアップ表示は前記S5乃至S8において実行されることになる。本実施例では、図5から図10に示すようにディスプレイ4上に6段階の枠表示によりポップアップ表示が行われる。ここで、ポップアップ表示を更に具体的に説明する。先ず、アクション1(アクションカウンタ18Bのカウント数1に対応するアクション、以下同じ)の枠表示が実行され、S6でカレントメモリ17B内のカウント数1に対応する枠データが読み出され、ディスプレイ4上に表示される。そして、S7ではカウント数が1で2以下となるので、S8をジャンプしてS9でカウント数を1インクリメントして再びS5に戻る。そこで、次にアクション2の枠表示が実行される。カウント数2の場合もS5による判定の後、S6においてカウント数2の枠データがカレントメモリ17Bから読み出されて、ディスプレイ4上に表示される。このときディスプレイ4上には、今回表示されたカウント数2の枠データに加えて、前回のアクション1の枠データが重ねて表示されている。
【0018】
そのため、次のS7でカウント数が2以上であるか否かを判定する。そして2以上であるのでS8において、カウント数(2ー1)の枠データ、即ちアクション1の枠データを読み出し、その重ねて表示された枠データをディスプレイ4上から消去する。そのためディスプレイ4上にはアクション2の枠データのみが表示されることになる。そしてS9で再び1インクリメントしてアクション3の枠データを同じように実行する。これをカウント数6まで繰り返す。カウント数6の表示が実行され、S9でカウント数が1インクリメントされて7になった状態では、S5においてマックスカウンタの値が6なのでS6乃至S9をジャンプしてS10を実行する。
【0019】
S10では、ディスプレイ4上に表示されているマックスカウンタ18Aの枠データの枠内を図10に示すようクリア処理する。そして、S11で反転処理されていた枠表示を反転し、最終枠の処理を行う。これによってアクションポップアップ表示が終了し、クリア処理された枠内に図13に示すように、指定する内容のデータが表示される。
【0020】
以上本実施例の文書処理装置では、ポップアップを実行するに際してアクション回数を計算し、それと共にアクション毎の枠サイズを演算して小さい枠から大きい枠まで順次表示されるので、各種内容をディスプレイの立体的な表現による表示により、枠内のデータを使用者の視覚に印象的に示すことができ、重ねて表示された他の文書データ等との識別が確かなものとなった。これにより、文書の編集作成等に対し文書処理装置の操作性が良好なものとなった。なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な変形が可能である。例えば、実施例ではカウンタ18はRAM17と別体に設けられていたが、RAM17と一体にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】文書処装置の斜視図である。
【図2】文書処理装置の制御ブロック図である。
【図3】アクションポップアップ表示プログラムのフローチャートである。
【図4】異なるポップアップ表示位置毎に表示される枠を比較した図である。
【図5】アクション1における枠データ表示を示した図である。
【図6】アクション2における枠データ表示を示した図である。
【図7】アクション3における枠データ表示を示した図である。
【図8】アクション4における枠データ表示を示した図である。
【図9】アクション5における枠データ表示を示した図である。
【図10】ポップアップで使用する画面エリアをクリア処理したものを示した図である。
【図11】従来のポップアップ表示を示した図である。
【図12】従来のポップアップ表示を示した図である。
【図13】ポップアップされた画面に各種内容を表示した図である。
【符号の説明】
【0022】
1 本体
2 ディスプレイ装置
3 キーボード
4 ディスプレイ
5 文字キー
6 リターンキー
7 カーソルキー
8 ポップアップキー
12 入出力インターフェース
15 CPU
16 ROM
16A プログラムメモリ
16B ポップアップ表示メモリ
17 RAM
17A テキストメモリ
17B カレントメモリ
18 カウンタ
18A マックスカウンタ
18B アクションカウンタ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段のカーソル位置を基準に枠を表示することを指令するポップアップ指令手段と、
前記ポップアップ指令手段からの指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて表示すべき枠の数をセットするアクション回数設定手段と、
前記アクション回数設定手段によりセットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果に基づいて表示手段に枠を表示させる場合に、前記カーソル位置に応じて表示手段に表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示する制御手段を備えたことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
入力手段により入力された文書を表示手段に表示し、該文書のカーソル位置に基づいて該文書上に表示する枠内に前記文書に対する編集内容を表示する文書処理装置であって、 前記表示手段のカーソル位置を基準に枠を表示することを指令するポップアップ指令手段と、
前記ポップアップ指令手段からの指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて表示すべき枠の数をセットするアクション回数設定手段と、
前記アクション回数設定手段によりセットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果に基づいて表示手段に枠を表示させる場合に、
前記カーソル位置に応じて表示手段に表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示する制御手段を備えた文書処理装置。
【請求項3】
ポップアップ指令手段が、カーソル位置を基準に表示手段に枠を表示することを指令するステップ、
アクション回数設定手段が、前記ポップアップ指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて枠の数をセットするステップ、
演算手段が、前記セットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算するステップ、
表示制御手段が、前記カーソル位置に応じて表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示するステップから構成される表示制御方法。
【請求項4】
入力手段により入力された文書を表示手段に表示し、該文書のカーソル位置に基づいて該文書上に表示する枠内に前記文書に対する編集内容を表示する文書処理方法であって、 ポップアップ指令手段が、カーソル位置を基準に表示手段に枠を表示することを指令するステップ、
アクション回数設定手段が、前記ポップアップ指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて枠の数をセットするステップ、
演算手段が、前記セットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算するステップ、
表示制御手段が、前記カーソル位置に応じて表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示するステップから構成される文書処理方法。
【請求項1】
表示手段のカーソル位置を基準に枠を表示することを指令するポップアップ指令手段と、
前記ポップアップ指令手段からの指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて表示すべき枠の数をセットするアクション回数設定手段と、
前記アクション回数設定手段によりセットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果に基づいて表示手段に枠を表示させる場合に、前記カーソル位置に応じて表示手段に表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示する制御手段を備えたことを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
入力手段により入力された文書を表示手段に表示し、該文書のカーソル位置に基づいて該文書上に表示する枠内に前記文書に対する編集内容を表示する文書処理装置であって、 前記表示手段のカーソル位置を基準に枠を表示することを指令するポップアップ指令手段と、
前記ポップアップ指令手段からの指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて表示すべき枠の数をセットするアクション回数設定手段と、
前記アクション回数設定手段によりセットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算する演算手段と、
前記演算手段の演算結果に基づいて表示手段に枠を表示させる場合に、
前記カーソル位置に応じて表示手段に表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示する制御手段を備えた文書処理装置。
【請求項3】
ポップアップ指令手段が、カーソル位置を基準に表示手段に枠を表示することを指令するステップ、
アクション回数設定手段が、前記ポップアップ指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて枠の数をセットするステップ、
演算手段が、前記セットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算するステップ、
表示制御手段が、前記カーソル位置に応じて表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示するステップから構成される表示制御方法。
【請求項4】
入力手段により入力された文書を表示手段に表示し、該文書のカーソル位置に基づいて該文書上に表示する枠内に前記文書に対する編集内容を表示する文書処理方法であって、 ポップアップ指令手段が、カーソル位置を基準に表示手段に枠を表示することを指令するステップ、
アクション回数設定手段が、前記ポップアップ指令に応答し、カーソル位置によって枠サイズを算出し、前記カーソル位置の表示手段の上下端及び左右端までの長さに応じて枠の数をセットするステップ、
演算手段が、前記セットされた枠数に基づいて各枠に対応する枠データを演算するステップ、
表示制御手段が、前記カーソル位置に応じて表示される枠を制御し、該枠内に各種内容を表示するステップから構成される文書処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−85727(P2006−85727A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−300090(P2005−300090)
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【分割の表示】特願平5−294379の分割
【原出願日】平成5年10月28日(1993.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月14日(2005.10.14)
【分割の表示】特願平5−294379の分割
【原出願日】平成5年10月28日(1993.10.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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