袋物箱詰め機
【課題】袋物をケースに適切に箱詰めできる袋物箱詰め機を提供する。
【解決手段】袋物箱詰め機1は、接近位置および離反位置間で移動可能で、離反位置の状態で袋物Wを落下させるための落下用開口部6を間に形成する対をなす物品搬送手段2を備える。袋物箱詰め機1は、物品停止位置に停止した袋物Wを押圧により変形させる整袋手段21と、ケースCを搬送するケース搬送手段51とを備える。整袋手段21による変形後の袋物Wは、落下用開口部6から落下し、ケース搬送手段51上のケースC内に入る。
【解決手段】袋物箱詰め機1は、接近位置および離反位置間で移動可能で、離反位置の状態で袋物Wを落下させるための落下用開口部6を間に形成する対をなす物品搬送手段2を備える。袋物箱詰め機1は、物品停止位置に停止した袋物Wを押圧により変形させる整袋手段21と、ケースCを搬送するケース搬送手段51とを備える。整袋手段21による変形後の袋物Wは、落下用開口部6から落下し、ケース搬送手段51上のケースC内に入る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋物をケースに適切に箱詰めできる袋物箱詰め機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、袋物をケースに箱詰めする袋物箱詰め機として、例えば下記の特開平6−92457号公報に記載された袋物函詰装置が知られている。この従来の袋物箱詰め機は、互いに平行な整列ラインおよび投入ラインと、これら整列ラインおよび投入ライン間に位置する駆動ゴムローラおよび駆動ベルトガイドと、整列ライン上の袋物を投入ライン側に押し出す押し出し手段とを備え、この押し出し手段にて押し出された袋物は、駆動ゴムローラおよび駆動ベルトガイドによって加速されて投入ライン上のケース内に落下収納される。
【特許文献1】特開平6−92457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の袋物箱詰め機のように、袋物を押し出し手段にて側方へ押し出し駆動ゴムローラおよび駆動ベルトガイドによって加速してケース内に収納する構成では、袋物が崩れた姿勢、例えば傾いた姿勢で箱詰めされるおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、袋物をケースに適切に箱詰めできる袋物箱詰め機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の袋物箱詰め機は、物品が収容された変形可能な袋物をケースに箱詰めする袋物箱詰め機であって、接近位置および離反位置間で移動可能になっており、前記接近位置に位置した状態時には袋物を物品停止位置まで搬送し、前記離反位置に位置した状態時には袋物を落下させるための落下用開口部を間に形成する対をなす物品搬送手段と、前記物品停止位置に停止した袋物を押圧により変形させる整袋手段と、前記物品搬送手段の下方に配設され、ケースを搬送するケース搬送手段とを備え、前記整袋手段による変形後の袋物は、前記落下用開口部から落下し、前記ケース搬送手段上のケース内に収納されるものである。
【0006】
請求項2記載の袋物箱詰め機は、請求項1記載の袋物箱詰め機において、整袋手段は、袋物の複数の隅部を押圧する隅部押圧体と、袋物の少なくとも相対する2つの側面部を押圧する側面部押圧体とを有するものである。
【0007】
請求項3記載の袋物箱詰め機は、請求項1または2記載の袋物箱詰め機において、整袋手段は、袋物を押圧により変形させることでその袋物の平面寸法をケースの上面開口の開口寸法より小さくするものである。
【0008】
請求項4記載の袋物箱詰め機は、請求項1ないし3のいずれか一記載の袋物箱詰め機において、ケース搬送手段は、物品収納位置およびケース搬入出位置間で昇降可能になっており、前記ケース搬送手段が前記ケース搬入出位置に位置した状態時にこのケース搬送手段へ空のケースを搬入する空ケース搬入手段と、前記ケース搬送手段が前記ケース搬入出位置に位置した状態時にこのケース搬送手段から袋物収納済のケースを搬出する収納済ケース搬出手段とを備えるものである。
【0009】
請求項5記載の袋物箱詰め機は、請求項4記載の袋物箱詰め機において、ケース搬送手段の昇降時にこのケース搬送手段上のケースを案内するケース案内手段を備えるものである。
【0010】
請求項6記載の袋物箱詰め機は、請求項4または5記載の袋物箱詰め機において、ケース搬送手段の上昇によりこのケース搬送手段上のケース内に挿入され、この挿入された状態で前記落下用開口部からの袋物を案内する物品案内手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、整袋手段による変形後の袋物が、対をなす物品搬送手段間に形成される落下用開口部から落下してケース搬送手段上のケース内に収納されるため、袋物をケースに適切に箱詰めできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の袋物箱詰め機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1ないし図3において、1は袋物箱詰め機で、この袋物箱詰め機1は、例えば平面視で略長方形状をなす変形可能な袋物(袋入り物品)WをケースCに対して1個ずつ順次箱詰めする自動箱詰め装置である。つまり、袋物箱詰め機1によって1つのケースC内に1個の袋物Wが収納され、1個の袋物Wが収納されたケースCが順次排出される。袋物Wは、例えば米粒(物品)が樹脂製或いは紙製の袋内に収容された変形可能な袋物である米袋である。ケースCは、例えば折り畳み可能なコンテナ等であり、略長方形状の上面開口C1を有する上面開口状で、略長方形状の底面部C2およびこの底面部C2の周縁から立ち上がった4つの側面部C3を有している。
【0014】
袋物箱詰め機1は、袋物Wを搬送方向(図1では右方向)に向けて搬送する互いに対向する対をなす、例えば一対の物品搬送手段2と、この物品搬送手段2へ袋物Wを1個ずつ順次搬入する物品搬入手段3とを備えている。
【0015】
物品搬入手段3は、例えばベルトコンベヤであり、モータ等の駆動手段からの駆動力で回行して袋物Wを搬送方向へ搬送する搬送ベルト5を有している。
【0016】
一対の物品搬送手段2は、接近位置および離反位置間で移動可能つまり接離移動可能になっており、接近位置に位置した状態時には袋物Wを予め設定された物品停止位置まで搬送し、離反位置に位置した状態時には袋物Wを落下させるための落下用開口部6を間に形成する。
【0017】
各物品搬送手段2は、物品搬入手段3と同様、例えばベルトコンベヤであり、モータ等の駆動手段からの駆動力で回行して袋物Wを搬送方向へ搬送する搬送ベルト7を有している。
【0018】
また、各物品搬送手段2は、機枠8に固着されたガイド9に沿って移動する移動フレーム10にて支持され、この移動フレーム10には駆動手段であるシリンダ11のロッド部12が連結されている。ロッド部12はシリンダ本体部13内に対して出入り可能で、このロッド部12の出入りによりシリンダ11が伸縮する。シリンダ11が伸びると、両物品搬送手段2は、接近位置まで同時に接近移動し、互いに近接した閉状態になる。シリンダ11が縮むと、両物品搬送手段2は、離反位置まで同時に離反移動し、互いに離反した開状態になり、これら両物品搬送手段2間に落下用開口部6が形成される。すなわち、その開状態時には、物品搬入手段3側の一方の物品搬送手段2の搬送終端部と他方の物品搬送手段2の搬送始端部との間に、袋物Wより大きな落下用開口部6が形成される。なお、両物品搬送手段2の移動フレーム10が無端状の連動ベルト14にて連結されているため、両物品搬送手段2はその連動ベルト14により同調されて同速にて接離移動する。
【0019】
さらに、他方の物品搬送手段2の上方には、袋物Wの搬送方向前面と当接して袋物Wを物品停止位置に停止させるストッパ手段15が配設されている。ストッパ手段15は、例えば互いに離間対向する一対の正面ストッパ板16にて構成されている。
【0020】
また、袋物箱詰め機1は、ストッパ手段15との当接により物品停止位置に停止して両物品搬送手段2に跨った袋物Wをその平面寸法が小さくなるように押圧により変形させて整袋する整袋手段21を備えている。整袋手段21は、例えば袋物Wを押圧により中心側に小さくなるように変形させることで、その袋物Wの平面寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくするものである。
【0021】
整袋手段21は、袋物Wの4つの隅部を押圧して中心側に寄せる4つの隅部押圧体22と、袋物Wの少なくとも相対する2つの側面部、すなわち例えば搬送方向に対する前後面部を押圧して袋物Wの一方向寸法である前後方向寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくする2つの側面部押圧体23とを有している。なお、袋物Wの他方向寸法である左右方向寸法は、変形前から上面開口C1の開口寸法より小さい。
【0022】
隅部押圧体22は、例えば円形状の押圧板25にて構成され、この押圧板25に駆動手段であるシリンダ26のロッド部27が連結されている。ロッド部27はシリンダ本体部28内に対して出入り可能で、このロッド部27の出入りによりシリンダ26が伸縮する。そして、隅部押圧体22は、そのシリンダ26の伸縮により押圧位置および待機位置間で移動可能、つまり物品停止位置に停止した袋物Wの隅部に対して進退可能になっている。すなわち、シリンダ26が伸びると、4つの隅部押圧体22は、袋物Wに向って押圧位置まで同時に移動し、袋物Wの隅部を押圧して変形させる。シリンダ26が縮むと、4つの隅部押圧体22は、待機位置まで同時に移動し、変形後の袋物Wの隅部から離れる。隅部押圧体22が離れても、袋物Wの隅部は、変形したままである。
【0023】
側面部押圧体23は、例えば矩形状の押圧板31にて構成され、この押圧板31に駆動手段であるシリンダ32のロッド部33が連結されている。ロッド部33はシリンダ本体部34内に対して出入り可能で、このロッド部33の出入りによりシリンダ32が伸縮する。そして、側面部押圧体23は、そのシリンダ32の伸縮により押圧位置および待機位置間で移動可能、つまり物品停止位置に停止した袋物Wの側面部に対して進退可能になっている。すなわち、シリンダ32が伸びると、2つの側面部押圧体23は、袋物Wに向って押圧位置まで同時に移動し、袋物Wの搬送方向前後面部を押圧して変形させる。シリンダ32が縮むと、2つの側面部押圧体23は、待機位置まで同時に移動し、変形後の袋物Wの搬送方向前後面部から離れる。側面部押圧体23が離れても、袋物Wの前後面部は、変形したままである。
【0024】
ここで、一方の物品搬送手段2の上方に位置する2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23は、搬送中の袋物Wと干渉しないよう上下動可能となっている。すなわち、機枠8には回動フレーム36が支軸37を中心として上下方向に回動可能に設けられ、それら押圧体22,23を移動させる3つのシリンダ26,32がその回動フレーム36にて支持されている。また、回動フレーム36の先端部には、駆動手段であるシリンダ38のロッド部39が連結されている。ロッド部39はシリンダ本体部40内に対して出入り可能で、このロッド部39の出入りによりシリンダ38が伸縮する。そして、シリンダ38が伸びると、回動フレーム36が支軸37を中心として上方に回動し、2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23は搬送中の袋物Wと干渉しない退避位置まで上動する。シリンダ38が縮むと、回動フレーム36が支軸37を中心として下方に回動し、2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23は他方の物品搬送手段2の上方に位置する2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23と同じ高さ位置まで下動する。なお、他方の物品搬送手段2の上方に位置する側面部押圧体22、つまり袋物Wの搬送方向前面部を押圧して変形させる前面部押圧体は、一対の正面ストッパ板16間を移動する。
【0025】
また、図4に示されるように、物品停止位置に停止した袋物Wの搬送方向に対する左右側面部と対向する位置にはガイド手段である側面ガイド板41が配設され、各側面ガイド板41はケースCの上面開口C1の上方に位置する。各側面ガイド板41は、物品搬送手段2の搬送方向に沿った本体板部42を有し、この本体板部42の両端部には搬送方向に対して傾斜した傾斜板部43が連設されている。
【0026】
さらに、袋物箱詰め機1は、開状態の両物品搬送手段2の下方に配設されケースCを搬送方向(図1では右方向)に向けて搬送する昇降可能なケース搬送手段51と、ケース搬送手段51へ空のケースCを搬入する空ケース搬入手段52と、ケース搬送手段51から袋物Wが収納された袋物収納済のケースCを外部へ搬出する収納済ケース搬出手段53とを備えている。
【0027】
ケース搬送手段51は、物品収納位置およびケース搬入出位置間で昇降可能になっており、物品収納位置に位置した状態時には搬送面55上に載置されたケースCに落下用開口部6からの袋物Wが収納され、ケース搬入出位置に位置した状態時には搬送面55上に対してケースCが搬入出される。
【0028】
ケース搬送手段51は、例えばローラコンベヤであり、搬送面55を構成しモータ等の駆動手段からの駆動力で回転して袋物Wを搬送方向へ搬送する複数の搬送ローラ56と、ケースCを搬送方向へ案内する搬送方向両側のガイド板57とを有している。また、ケース搬送手段51は、機枠8に固着されたガイド58に沿って昇降する昇降フレーム59にて支持され、この昇降フレーム59には駆動手段であるシリンダ61のロッド部62が連結されている。ロッド部62はシリンダ本体部63内に対して出入り可能で、このロッド部62の出入りによりシリンダ61が伸縮する。そして、シリンダ61が伸びると、ケース搬送手段51は、物品収納位置まで上昇し、搬送面55上のケースCが上方の物品搬送手段2に近接した状態になる。シリンダ61が縮むと、ケース搬送手段51は、ケース搬入出位置まで下降し、搬送面55が空ケース搬入手段52および収納済ケース搬出手段53の各搬送面65,66と同一面上に位置した状態になる。
【0029】
空ケース搬入手段52および収納済ケース搬出手段53は、ケース搬送手段51と同様、例えばローラコンベヤであり、搬送面65,66を構成しモータ等の駆動手段からの駆動力で回転して袋物Wを搬送方向へ搬送する複数の搬送ローラ67,68を有している。
【0030】
また、袋物箱詰め機1は、ケース搬送手段51の昇降時にこのケース搬送手段51上のケースCを案内するケース案内手段71と、ケース搬送手段51の上昇によりこのケース搬送手段51上のケースC内に上面開口C1から挿入されこの挿入された状態で落下用開口部6からの袋物WをケースCの底面部C2付近まで案内する物品案内手段72とを備えている。
【0031】
ケース案内手段71は、例えばケース搬送手段51上のケースCの相対する一対の側面部C3、すなわち例えば搬送方向に対する前後面部を案内する複数のフリーローラである案内ローラ73にて構成されている。各案内ローラ73は、機枠8に固着されたローラ支持フレーム74に軸75を中心として回転可能に取り付けられている。
【0032】
物品案内手段72は、例えば落下中の袋物Wの周縁である4辺を前後左右の4方向から支えながら案内する複数枚、例えば4枚の略台形状の弾性案内板76にて構成されている。各弾性案内板76は、上端部が機枠8に固着されかつ下端部が自由端部となっており、下端側がケースCの中心側に位置するように上下方向に対して傾斜している。そして、各弾性案内板76は、落下する袋物Wに押されて弾性変形することにより上端側を中心としてケースCの側面部C3側に向うように回動し、袋物Wから離れると、弾性復元力によりもとの傾斜状態に復帰する。
【0033】
次に、上記袋物箱詰め機の動作等を説明する。
【0034】
図5(a)および(b)に示すように、搬送方向に長手方向を有する平面視で略長方形状の袋物(例えば流動性の悪いもの)Wは、物品搬入手段3により閉状態の両物品搬送手段2へ搬入され、閉状態の両物品搬送手段2にて搬送方向へ搬送される。この際、一方の物品搬送手段2の上方に位置する2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23、つまり一方側の押圧体22,23は、搬送中の袋物Wと干渉しないために、回動フレーム36の上方回動によって退避位置に位置する。
【0035】
そして、袋物Wは、図6(a)および(b)に示すように、ストッパ手段15と当接することにより閉状態の両物品搬送手段2上の物品停止位置で停止し、両物品搬送手段2に跨った状態となる。袋物Wの通過後、回動フレーム36が下方回動し、一方側の押圧体22,23は、他方側の押圧体22,23と同じ高さ位置に位置して対向する。
【0036】
次いで、図7(a)および(b)に示すように、整袋手段21の4つの隅部押圧体22が待機位置から押圧位置まで同時に移動し、これら4つの隅部押圧体22にて袋物Wの隅部が中心側に向って押圧されて変形し、その結果、袋物Wは、4つの隅部が凹んだ状態になる。
【0037】
続いて、図8(a)および(b)に示すように、4つの隅部押圧体22が待機位置に戻った後、整袋手段21の2つの側面部押圧体23が待機位置から押圧位置まで同時に移動し、これら2つの側面部押圧体23にて袋物Wの搬送方向前後面部が中心側に向って押圧されて変形し、その結果、袋物Wは、平面視で略正方形状となり、平面寸法がケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくなった状態になる。つまり、袋物Wは、平面視で、ケースCの上面開口C1より小さくなる図4参照)。
【0038】
次いで、図9(a)および(b)に示すように、2つの物品搬送手段2が接近位置から離反位置まで同時に移動し、これら開状態の両物品搬送手段2間にケースCの上面開口C1の開口寸法と略同じ大きさの落下用開口部6が形成される。この際、変形後の小さくなった袋物Wは、2つの側面部押圧体23による押圧状態が維持され、落下しない。つまり、袋物Wは、2つの側面部押圧体23にて挟持されている。
【0039】
そして、図10(a)および(b)に示すように、2つの側面部押圧体23が袋物Wの搬送方向前後面部から離れると、袋物Wは、その自重で水平姿勢のまま落下し、落下用開口部6を通り、ケース搬送手段51上のケースC内に収納される。この水平落下の際、袋物Wは、物品案内手段72の4枚の弾性案内板76にて、ケースCの底面部C2付近まで案内される。
【0040】
次いで、図11(a)および(b)に示すように、ケース搬送手段51は、袋物Wが収納された袋物収納済のケースCを載せたまま、物品収納位置からケース搬入出位置へ下降する。また、2つの物品搬送手段2は接近位置へ移動して閉状態になり、一方側の押圧体22,23は退避位置へ上動する。
【0041】
続いて、図12(a)および(b)に示すように、袋物収納済のケースCは、ケース搬送手段51上から収納済ケース搬出手段53にて外部へ搬出される。またその袋物収納済のケースCの搬出と同時に、空のケースCが空ケース搬入手段52にてケース搬送手段51上へ搬入される。さらに、次の袋物Wが、物品搬入手段3により閉状態の両物品搬送手段2へ搬入され、物品搬送手段2にて物品停止位置まで搬送される。
【0042】
このような動作の繰り返しにより、袋物WのケースCへの箱詰めが順次行われる。なお、図13に袋物箱詰め機1のタイムスケジュールの一例を示す。このタイムスケジュールに従って袋物箱詰め機1が動作した場合、1時間に600個の袋物Wlの箱詰めが可能である。
【0043】
そして、上記袋物箱詰め機1によれば、整袋手段21の整袋により平面寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくなった変形後の袋物Wが、対をなす物品搬送手段2間に形成される落下用開口部6から落下し、ケース搬送手段51上のケースC内に収納されるため、崩れた姿勢で収納されることがなく、袋物Wを所望の大きさのケースCに適切に箱詰めできる。
【0044】
また、整袋手段21が袋物Wの4つの隅部を押圧する隅部押圧体22と、袋物Wの前後面部を押圧する側面部押圧体23とを有する構成であるから、整袋手段21にて袋物WをケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくなるまで押圧変形でき、袋物WのケースCへの箱詰めをより適切に行うことができる。
【0045】
さらに、ケースCの内側に上部開口状の樹脂袋が被せられていたとしても、その樹脂袋内に袋物Wに先立って物品案内手段72の弾性案内板76が挿入されるため、落下する袋物Wが樹脂袋に引っ掛って樹脂袋がケースC内に入り込む不具合が生じることがなく、袋物WをケースCに適切に箱詰めできる。
【0046】
なお、例えば前後左右寸法ともケースCの上面開口C1の開口寸法より大きい袋物Wにも対応できるように、整袋手段21が、側面ガイド板41の代わりに、袋物Wの搬送方向に対する左右面部を押圧して袋物Wの左右方向寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくする2つの側面部押圧体を有するものでもよい。
【0047】
また、4つの隅部押圧体22が押圧位置まで同時に移動する構成には限定されず、対角線上に位置する2つの隅部押圧体22が押圧位置まで同時に移動した後に、残りの2つの隅部押圧体22が押圧位置まで同時に移動する構成でもよい。
【0048】
さらに、整袋手段21が押圧変形により袋物Wの平面寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくするものには限定されず、袋物Wの種類によっては必ずしも平面寸法を上面開口C1の開口寸法より小さくする必要はない。例えば流動性を有する袋物(液体を入れた袋物等)であれば、その平面寸法がケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくならなくても、次動作の袋物Wを水平落下させるための物品搬送手段2の離反位置への移動により、袋物W内の応力が袋物Wの底面に逃げ、袋物Wは前後方向寸法が小さくなり、弾性案内板76にて案内されつつケースC内に収納される。
【0049】
また、物品搬送手段2および物品搬入手段3がベルトコンベヤで、ケース搬送手段51、空ケース搬入手段52および収納済ケース搬出手段53がローラコンベヤである構成について説明したが、袋物WやケースCを搬送可能なものであれば、駆動式、非駆動式を問わず、いかなる構成でもよい。
【0050】
さらに、ケースCに箱詰めする袋物(袋入り物品)Wは、4つの隅部を有する略長方形状をなすもの(例えば矩形状や正方形状等)でもよく、或いは楕円形状等でもよい。また、袋物WをケースCに対して1個ずつ箱詰めするものには限定されず、袋物WをケースCに複数個ずつ箱詰めするもの等でもよい。
【0051】
また、隅部押圧体22の数は、4つ以外に2つや6つ等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態に係る袋物箱詰め機の正面図である。
【図2】同上袋物箱詰め機の平面図である。
【図3】同上袋物箱詰め機の側面図である。
【図4】同上袋物箱詰め機の整袋手段の平面図である。
【図5】同上袋物箱詰め機の動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図6】図5に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図7】図6に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図8】図7に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図9】図8に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図10】図9に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図11】図10に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図12】図11に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図13】同上袋物箱詰め機のタイムスケジュールの一例である。
【符号の説明】
【0053】
1 袋物箱詰め機
2 物品搬送手段
6 落下用開口部
21 整袋手段
22 隅部押圧体
23 側面部押圧体
51 ケース搬送手段
52 空ケース搬入手段
53 収納済ケース搬出手段
71 ケース案内手段
72 物品案内手段
W 袋物
C ケース
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋物をケースに適切に箱詰めできる袋物箱詰め機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、袋物をケースに箱詰めする袋物箱詰め機として、例えば下記の特開平6−92457号公報に記載された袋物函詰装置が知られている。この従来の袋物箱詰め機は、互いに平行な整列ラインおよび投入ラインと、これら整列ラインおよび投入ライン間に位置する駆動ゴムローラおよび駆動ベルトガイドと、整列ライン上の袋物を投入ライン側に押し出す押し出し手段とを備え、この押し出し手段にて押し出された袋物は、駆動ゴムローラおよび駆動ベルトガイドによって加速されて投入ライン上のケース内に落下収納される。
【特許文献1】特開平6−92457号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の袋物箱詰め機のように、袋物を押し出し手段にて側方へ押し出し駆動ゴムローラおよび駆動ベルトガイドによって加速してケース内に収納する構成では、袋物が崩れた姿勢、例えば傾いた姿勢で箱詰めされるおそれがある。
【0004】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、袋物をケースに適切に箱詰めできる袋物箱詰め機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の袋物箱詰め機は、物品が収容された変形可能な袋物をケースに箱詰めする袋物箱詰め機であって、接近位置および離反位置間で移動可能になっており、前記接近位置に位置した状態時には袋物を物品停止位置まで搬送し、前記離反位置に位置した状態時には袋物を落下させるための落下用開口部を間に形成する対をなす物品搬送手段と、前記物品停止位置に停止した袋物を押圧により変形させる整袋手段と、前記物品搬送手段の下方に配設され、ケースを搬送するケース搬送手段とを備え、前記整袋手段による変形後の袋物は、前記落下用開口部から落下し、前記ケース搬送手段上のケース内に収納されるものである。
【0006】
請求項2記載の袋物箱詰め機は、請求項1記載の袋物箱詰め機において、整袋手段は、袋物の複数の隅部を押圧する隅部押圧体と、袋物の少なくとも相対する2つの側面部を押圧する側面部押圧体とを有するものである。
【0007】
請求項3記載の袋物箱詰め機は、請求項1または2記載の袋物箱詰め機において、整袋手段は、袋物を押圧により変形させることでその袋物の平面寸法をケースの上面開口の開口寸法より小さくするものである。
【0008】
請求項4記載の袋物箱詰め機は、請求項1ないし3のいずれか一記載の袋物箱詰め機において、ケース搬送手段は、物品収納位置およびケース搬入出位置間で昇降可能になっており、前記ケース搬送手段が前記ケース搬入出位置に位置した状態時にこのケース搬送手段へ空のケースを搬入する空ケース搬入手段と、前記ケース搬送手段が前記ケース搬入出位置に位置した状態時にこのケース搬送手段から袋物収納済のケースを搬出する収納済ケース搬出手段とを備えるものである。
【0009】
請求項5記載の袋物箱詰め機は、請求項4記載の袋物箱詰め機において、ケース搬送手段の昇降時にこのケース搬送手段上のケースを案内するケース案内手段を備えるものである。
【0010】
請求項6記載の袋物箱詰め機は、請求項4または5記載の袋物箱詰め機において、ケース搬送手段の上昇によりこのケース搬送手段上のケース内に挿入され、この挿入された状態で前記落下用開口部からの袋物を案内する物品案内手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、整袋手段による変形後の袋物が、対をなす物品搬送手段間に形成される落下用開口部から落下してケース搬送手段上のケース内に収納されるため、袋物をケースに適切に箱詰めできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の袋物箱詰め機の一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0013】
図1ないし図3において、1は袋物箱詰め機で、この袋物箱詰め機1は、例えば平面視で略長方形状をなす変形可能な袋物(袋入り物品)WをケースCに対して1個ずつ順次箱詰めする自動箱詰め装置である。つまり、袋物箱詰め機1によって1つのケースC内に1個の袋物Wが収納され、1個の袋物Wが収納されたケースCが順次排出される。袋物Wは、例えば米粒(物品)が樹脂製或いは紙製の袋内に収容された変形可能な袋物である米袋である。ケースCは、例えば折り畳み可能なコンテナ等であり、略長方形状の上面開口C1を有する上面開口状で、略長方形状の底面部C2およびこの底面部C2の周縁から立ち上がった4つの側面部C3を有している。
【0014】
袋物箱詰め機1は、袋物Wを搬送方向(図1では右方向)に向けて搬送する互いに対向する対をなす、例えば一対の物品搬送手段2と、この物品搬送手段2へ袋物Wを1個ずつ順次搬入する物品搬入手段3とを備えている。
【0015】
物品搬入手段3は、例えばベルトコンベヤであり、モータ等の駆動手段からの駆動力で回行して袋物Wを搬送方向へ搬送する搬送ベルト5を有している。
【0016】
一対の物品搬送手段2は、接近位置および離反位置間で移動可能つまり接離移動可能になっており、接近位置に位置した状態時には袋物Wを予め設定された物品停止位置まで搬送し、離反位置に位置した状態時には袋物Wを落下させるための落下用開口部6を間に形成する。
【0017】
各物品搬送手段2は、物品搬入手段3と同様、例えばベルトコンベヤであり、モータ等の駆動手段からの駆動力で回行して袋物Wを搬送方向へ搬送する搬送ベルト7を有している。
【0018】
また、各物品搬送手段2は、機枠8に固着されたガイド9に沿って移動する移動フレーム10にて支持され、この移動フレーム10には駆動手段であるシリンダ11のロッド部12が連結されている。ロッド部12はシリンダ本体部13内に対して出入り可能で、このロッド部12の出入りによりシリンダ11が伸縮する。シリンダ11が伸びると、両物品搬送手段2は、接近位置まで同時に接近移動し、互いに近接した閉状態になる。シリンダ11が縮むと、両物品搬送手段2は、離反位置まで同時に離反移動し、互いに離反した開状態になり、これら両物品搬送手段2間に落下用開口部6が形成される。すなわち、その開状態時には、物品搬入手段3側の一方の物品搬送手段2の搬送終端部と他方の物品搬送手段2の搬送始端部との間に、袋物Wより大きな落下用開口部6が形成される。なお、両物品搬送手段2の移動フレーム10が無端状の連動ベルト14にて連結されているため、両物品搬送手段2はその連動ベルト14により同調されて同速にて接離移動する。
【0019】
さらに、他方の物品搬送手段2の上方には、袋物Wの搬送方向前面と当接して袋物Wを物品停止位置に停止させるストッパ手段15が配設されている。ストッパ手段15は、例えば互いに離間対向する一対の正面ストッパ板16にて構成されている。
【0020】
また、袋物箱詰め機1は、ストッパ手段15との当接により物品停止位置に停止して両物品搬送手段2に跨った袋物Wをその平面寸法が小さくなるように押圧により変形させて整袋する整袋手段21を備えている。整袋手段21は、例えば袋物Wを押圧により中心側に小さくなるように変形させることで、その袋物Wの平面寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくするものである。
【0021】
整袋手段21は、袋物Wの4つの隅部を押圧して中心側に寄せる4つの隅部押圧体22と、袋物Wの少なくとも相対する2つの側面部、すなわち例えば搬送方向に対する前後面部を押圧して袋物Wの一方向寸法である前後方向寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくする2つの側面部押圧体23とを有している。なお、袋物Wの他方向寸法である左右方向寸法は、変形前から上面開口C1の開口寸法より小さい。
【0022】
隅部押圧体22は、例えば円形状の押圧板25にて構成され、この押圧板25に駆動手段であるシリンダ26のロッド部27が連結されている。ロッド部27はシリンダ本体部28内に対して出入り可能で、このロッド部27の出入りによりシリンダ26が伸縮する。そして、隅部押圧体22は、そのシリンダ26の伸縮により押圧位置および待機位置間で移動可能、つまり物品停止位置に停止した袋物Wの隅部に対して進退可能になっている。すなわち、シリンダ26が伸びると、4つの隅部押圧体22は、袋物Wに向って押圧位置まで同時に移動し、袋物Wの隅部を押圧して変形させる。シリンダ26が縮むと、4つの隅部押圧体22は、待機位置まで同時に移動し、変形後の袋物Wの隅部から離れる。隅部押圧体22が離れても、袋物Wの隅部は、変形したままである。
【0023】
側面部押圧体23は、例えば矩形状の押圧板31にて構成され、この押圧板31に駆動手段であるシリンダ32のロッド部33が連結されている。ロッド部33はシリンダ本体部34内に対して出入り可能で、このロッド部33の出入りによりシリンダ32が伸縮する。そして、側面部押圧体23は、そのシリンダ32の伸縮により押圧位置および待機位置間で移動可能、つまり物品停止位置に停止した袋物Wの側面部に対して進退可能になっている。すなわち、シリンダ32が伸びると、2つの側面部押圧体23は、袋物Wに向って押圧位置まで同時に移動し、袋物Wの搬送方向前後面部を押圧して変形させる。シリンダ32が縮むと、2つの側面部押圧体23は、待機位置まで同時に移動し、変形後の袋物Wの搬送方向前後面部から離れる。側面部押圧体23が離れても、袋物Wの前後面部は、変形したままである。
【0024】
ここで、一方の物品搬送手段2の上方に位置する2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23は、搬送中の袋物Wと干渉しないよう上下動可能となっている。すなわち、機枠8には回動フレーム36が支軸37を中心として上下方向に回動可能に設けられ、それら押圧体22,23を移動させる3つのシリンダ26,32がその回動フレーム36にて支持されている。また、回動フレーム36の先端部には、駆動手段であるシリンダ38のロッド部39が連結されている。ロッド部39はシリンダ本体部40内に対して出入り可能で、このロッド部39の出入りによりシリンダ38が伸縮する。そして、シリンダ38が伸びると、回動フレーム36が支軸37を中心として上方に回動し、2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23は搬送中の袋物Wと干渉しない退避位置まで上動する。シリンダ38が縮むと、回動フレーム36が支軸37を中心として下方に回動し、2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23は他方の物品搬送手段2の上方に位置する2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23と同じ高さ位置まで下動する。なお、他方の物品搬送手段2の上方に位置する側面部押圧体22、つまり袋物Wの搬送方向前面部を押圧して変形させる前面部押圧体は、一対の正面ストッパ板16間を移動する。
【0025】
また、図4に示されるように、物品停止位置に停止した袋物Wの搬送方向に対する左右側面部と対向する位置にはガイド手段である側面ガイド板41が配設され、各側面ガイド板41はケースCの上面開口C1の上方に位置する。各側面ガイド板41は、物品搬送手段2の搬送方向に沿った本体板部42を有し、この本体板部42の両端部には搬送方向に対して傾斜した傾斜板部43が連設されている。
【0026】
さらに、袋物箱詰め機1は、開状態の両物品搬送手段2の下方に配設されケースCを搬送方向(図1では右方向)に向けて搬送する昇降可能なケース搬送手段51と、ケース搬送手段51へ空のケースCを搬入する空ケース搬入手段52と、ケース搬送手段51から袋物Wが収納された袋物収納済のケースCを外部へ搬出する収納済ケース搬出手段53とを備えている。
【0027】
ケース搬送手段51は、物品収納位置およびケース搬入出位置間で昇降可能になっており、物品収納位置に位置した状態時には搬送面55上に載置されたケースCに落下用開口部6からの袋物Wが収納され、ケース搬入出位置に位置した状態時には搬送面55上に対してケースCが搬入出される。
【0028】
ケース搬送手段51は、例えばローラコンベヤであり、搬送面55を構成しモータ等の駆動手段からの駆動力で回転して袋物Wを搬送方向へ搬送する複数の搬送ローラ56と、ケースCを搬送方向へ案内する搬送方向両側のガイド板57とを有している。また、ケース搬送手段51は、機枠8に固着されたガイド58に沿って昇降する昇降フレーム59にて支持され、この昇降フレーム59には駆動手段であるシリンダ61のロッド部62が連結されている。ロッド部62はシリンダ本体部63内に対して出入り可能で、このロッド部62の出入りによりシリンダ61が伸縮する。そして、シリンダ61が伸びると、ケース搬送手段51は、物品収納位置まで上昇し、搬送面55上のケースCが上方の物品搬送手段2に近接した状態になる。シリンダ61が縮むと、ケース搬送手段51は、ケース搬入出位置まで下降し、搬送面55が空ケース搬入手段52および収納済ケース搬出手段53の各搬送面65,66と同一面上に位置した状態になる。
【0029】
空ケース搬入手段52および収納済ケース搬出手段53は、ケース搬送手段51と同様、例えばローラコンベヤであり、搬送面65,66を構成しモータ等の駆動手段からの駆動力で回転して袋物Wを搬送方向へ搬送する複数の搬送ローラ67,68を有している。
【0030】
また、袋物箱詰め機1は、ケース搬送手段51の昇降時にこのケース搬送手段51上のケースCを案内するケース案内手段71と、ケース搬送手段51の上昇によりこのケース搬送手段51上のケースC内に上面開口C1から挿入されこの挿入された状態で落下用開口部6からの袋物WをケースCの底面部C2付近まで案内する物品案内手段72とを備えている。
【0031】
ケース案内手段71は、例えばケース搬送手段51上のケースCの相対する一対の側面部C3、すなわち例えば搬送方向に対する前後面部を案内する複数のフリーローラである案内ローラ73にて構成されている。各案内ローラ73は、機枠8に固着されたローラ支持フレーム74に軸75を中心として回転可能に取り付けられている。
【0032】
物品案内手段72は、例えば落下中の袋物Wの周縁である4辺を前後左右の4方向から支えながら案内する複数枚、例えば4枚の略台形状の弾性案内板76にて構成されている。各弾性案内板76は、上端部が機枠8に固着されかつ下端部が自由端部となっており、下端側がケースCの中心側に位置するように上下方向に対して傾斜している。そして、各弾性案内板76は、落下する袋物Wに押されて弾性変形することにより上端側を中心としてケースCの側面部C3側に向うように回動し、袋物Wから離れると、弾性復元力によりもとの傾斜状態に復帰する。
【0033】
次に、上記袋物箱詰め機の動作等を説明する。
【0034】
図5(a)および(b)に示すように、搬送方向に長手方向を有する平面視で略長方形状の袋物(例えば流動性の悪いもの)Wは、物品搬入手段3により閉状態の両物品搬送手段2へ搬入され、閉状態の両物品搬送手段2にて搬送方向へ搬送される。この際、一方の物品搬送手段2の上方に位置する2つの隅部押圧体22および1つの側面部押圧体23、つまり一方側の押圧体22,23は、搬送中の袋物Wと干渉しないために、回動フレーム36の上方回動によって退避位置に位置する。
【0035】
そして、袋物Wは、図6(a)および(b)に示すように、ストッパ手段15と当接することにより閉状態の両物品搬送手段2上の物品停止位置で停止し、両物品搬送手段2に跨った状態となる。袋物Wの通過後、回動フレーム36が下方回動し、一方側の押圧体22,23は、他方側の押圧体22,23と同じ高さ位置に位置して対向する。
【0036】
次いで、図7(a)および(b)に示すように、整袋手段21の4つの隅部押圧体22が待機位置から押圧位置まで同時に移動し、これら4つの隅部押圧体22にて袋物Wの隅部が中心側に向って押圧されて変形し、その結果、袋物Wは、4つの隅部が凹んだ状態になる。
【0037】
続いて、図8(a)および(b)に示すように、4つの隅部押圧体22が待機位置に戻った後、整袋手段21の2つの側面部押圧体23が待機位置から押圧位置まで同時に移動し、これら2つの側面部押圧体23にて袋物Wの搬送方向前後面部が中心側に向って押圧されて変形し、その結果、袋物Wは、平面視で略正方形状となり、平面寸法がケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくなった状態になる。つまり、袋物Wは、平面視で、ケースCの上面開口C1より小さくなる図4参照)。
【0038】
次いで、図9(a)および(b)に示すように、2つの物品搬送手段2が接近位置から離反位置まで同時に移動し、これら開状態の両物品搬送手段2間にケースCの上面開口C1の開口寸法と略同じ大きさの落下用開口部6が形成される。この際、変形後の小さくなった袋物Wは、2つの側面部押圧体23による押圧状態が維持され、落下しない。つまり、袋物Wは、2つの側面部押圧体23にて挟持されている。
【0039】
そして、図10(a)および(b)に示すように、2つの側面部押圧体23が袋物Wの搬送方向前後面部から離れると、袋物Wは、その自重で水平姿勢のまま落下し、落下用開口部6を通り、ケース搬送手段51上のケースC内に収納される。この水平落下の際、袋物Wは、物品案内手段72の4枚の弾性案内板76にて、ケースCの底面部C2付近まで案内される。
【0040】
次いで、図11(a)および(b)に示すように、ケース搬送手段51は、袋物Wが収納された袋物収納済のケースCを載せたまま、物品収納位置からケース搬入出位置へ下降する。また、2つの物品搬送手段2は接近位置へ移動して閉状態になり、一方側の押圧体22,23は退避位置へ上動する。
【0041】
続いて、図12(a)および(b)に示すように、袋物収納済のケースCは、ケース搬送手段51上から収納済ケース搬出手段53にて外部へ搬出される。またその袋物収納済のケースCの搬出と同時に、空のケースCが空ケース搬入手段52にてケース搬送手段51上へ搬入される。さらに、次の袋物Wが、物品搬入手段3により閉状態の両物品搬送手段2へ搬入され、物品搬送手段2にて物品停止位置まで搬送される。
【0042】
このような動作の繰り返しにより、袋物WのケースCへの箱詰めが順次行われる。なお、図13に袋物箱詰め機1のタイムスケジュールの一例を示す。このタイムスケジュールに従って袋物箱詰め機1が動作した場合、1時間に600個の袋物Wlの箱詰めが可能である。
【0043】
そして、上記袋物箱詰め機1によれば、整袋手段21の整袋により平面寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくなった変形後の袋物Wが、対をなす物品搬送手段2間に形成される落下用開口部6から落下し、ケース搬送手段51上のケースC内に収納されるため、崩れた姿勢で収納されることがなく、袋物Wを所望の大きさのケースCに適切に箱詰めできる。
【0044】
また、整袋手段21が袋物Wの4つの隅部を押圧する隅部押圧体22と、袋物Wの前後面部を押圧する側面部押圧体23とを有する構成であるから、整袋手段21にて袋物WをケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくなるまで押圧変形でき、袋物WのケースCへの箱詰めをより適切に行うことができる。
【0045】
さらに、ケースCの内側に上部開口状の樹脂袋が被せられていたとしても、その樹脂袋内に袋物Wに先立って物品案内手段72の弾性案内板76が挿入されるため、落下する袋物Wが樹脂袋に引っ掛って樹脂袋がケースC内に入り込む不具合が生じることがなく、袋物WをケースCに適切に箱詰めできる。
【0046】
なお、例えば前後左右寸法ともケースCの上面開口C1の開口寸法より大きい袋物Wにも対応できるように、整袋手段21が、側面ガイド板41の代わりに、袋物Wの搬送方向に対する左右面部を押圧して袋物Wの左右方向寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくする2つの側面部押圧体を有するものでもよい。
【0047】
また、4つの隅部押圧体22が押圧位置まで同時に移動する構成には限定されず、対角線上に位置する2つの隅部押圧体22が押圧位置まで同時に移動した後に、残りの2つの隅部押圧体22が押圧位置まで同時に移動する構成でもよい。
【0048】
さらに、整袋手段21が押圧変形により袋物Wの平面寸法をケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくするものには限定されず、袋物Wの種類によっては必ずしも平面寸法を上面開口C1の開口寸法より小さくする必要はない。例えば流動性を有する袋物(液体を入れた袋物等)であれば、その平面寸法がケースCの上面開口C1の開口寸法より小さくならなくても、次動作の袋物Wを水平落下させるための物品搬送手段2の離反位置への移動により、袋物W内の応力が袋物Wの底面に逃げ、袋物Wは前後方向寸法が小さくなり、弾性案内板76にて案内されつつケースC内に収納される。
【0049】
また、物品搬送手段2および物品搬入手段3がベルトコンベヤで、ケース搬送手段51、空ケース搬入手段52および収納済ケース搬出手段53がローラコンベヤである構成について説明したが、袋物WやケースCを搬送可能なものであれば、駆動式、非駆動式を問わず、いかなる構成でもよい。
【0050】
さらに、ケースCに箱詰めする袋物(袋入り物品)Wは、4つの隅部を有する略長方形状をなすもの(例えば矩形状や正方形状等)でもよく、或いは楕円形状等でもよい。また、袋物WをケースCに対して1個ずつ箱詰めするものには限定されず、袋物WをケースCに複数個ずつ箱詰めするもの等でもよい。
【0051】
また、隅部押圧体22の数は、4つ以外に2つや6つ等でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の一実施の形態に係る袋物箱詰め機の正面図である。
【図2】同上袋物箱詰め機の平面図である。
【図3】同上袋物箱詰め機の側面図である。
【図4】同上袋物箱詰め機の整袋手段の平面図である。
【図5】同上袋物箱詰め機の動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図6】図5に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図7】図6に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図8】図7に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図9】図8に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図10】図9に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図11】図10に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図12】図11に続く動作説明図で、(a)が平面図、(b)が側面図である。
【図13】同上袋物箱詰め機のタイムスケジュールの一例である。
【符号の説明】
【0053】
1 袋物箱詰め機
2 物品搬送手段
6 落下用開口部
21 整袋手段
22 隅部押圧体
23 側面部押圧体
51 ケース搬送手段
52 空ケース搬入手段
53 収納済ケース搬出手段
71 ケース案内手段
72 物品案内手段
W 袋物
C ケース
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が収容された変形可能な袋物をケースに箱詰めする袋物箱詰め機であって、
接近位置および離反位置間で移動可能になっており、前記接近位置に位置した状態時には袋物を物品停止位置まで搬送し、前記離反位置に位置した状態時には袋物を落下させるための落下用開口部を間に形成する対をなす物品搬送手段と、
前記物品停止位置に停止した袋物を押圧により変形させる整袋手段と、
前記物品搬送手段の下方に配設され、ケースを搬送するケース搬送手段とを備え、
前記整袋手段による変形後の袋物は、前記落下用開口部から落下し、前記ケース搬送手段上のケース内に収納される
ことを特徴とする袋物箱詰め機。
【請求項2】
整袋手段は、
袋物の複数の隅部を押圧する隅部押圧体と、
袋物の少なくとも相対する2つの側面部を押圧する側面部押圧体とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の袋物箱詰め機。
【請求項3】
整袋手段は、袋物を押圧により変形させることでその袋物の平面寸法をケースの上面開口の開口寸法より小さくする
ことを特徴とする請求項1または2記載の袋物箱詰め機。
【請求項4】
ケース搬送手段は、物品収納位置およびケース搬入出位置間で昇降可能になっており、
前記ケース搬送手段が前記ケース搬入出位置に位置した状態時にこのケース搬送手段へ空のケースを搬入する空ケース搬入手段と、
前記ケース搬送手段が前記ケース搬入出位置に位置した状態時にこのケース搬送手段から袋物収納済のケースを搬出する収納済ケース搬出手段とを備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の袋物箱詰め機。
【請求項5】
ケース搬送手段の昇降時にこのケース搬送手段上のケースを案内するケース案内手段を備える
ことを特徴とする請求項4記載の袋物箱詰め機。
【請求項6】
ケース搬送手段の上昇によりこのケース搬送手段上のケース内に挿入され、この挿入された状態で前記落下用開口部からの袋物を案内する物品案内手段を備える
ことを特徴とする請求項4または5記載の袋物箱詰め機。
【請求項1】
物品が収容された変形可能な袋物をケースに箱詰めする袋物箱詰め機であって、
接近位置および離反位置間で移動可能になっており、前記接近位置に位置した状態時には袋物を物品停止位置まで搬送し、前記離反位置に位置した状態時には袋物を落下させるための落下用開口部を間に形成する対をなす物品搬送手段と、
前記物品停止位置に停止した袋物を押圧により変形させる整袋手段と、
前記物品搬送手段の下方に配設され、ケースを搬送するケース搬送手段とを備え、
前記整袋手段による変形後の袋物は、前記落下用開口部から落下し、前記ケース搬送手段上のケース内に収納される
ことを特徴とする袋物箱詰め機。
【請求項2】
整袋手段は、
袋物の複数の隅部を押圧する隅部押圧体と、
袋物の少なくとも相対する2つの側面部を押圧する側面部押圧体とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の袋物箱詰め機。
【請求項3】
整袋手段は、袋物を押圧により変形させることでその袋物の平面寸法をケースの上面開口の開口寸法より小さくする
ことを特徴とする請求項1または2記載の袋物箱詰め機。
【請求項4】
ケース搬送手段は、物品収納位置およびケース搬入出位置間で昇降可能になっており、
前記ケース搬送手段が前記ケース搬入出位置に位置した状態時にこのケース搬送手段へ空のケースを搬入する空ケース搬入手段と、
前記ケース搬送手段が前記ケース搬入出位置に位置した状態時にこのケース搬送手段から袋物収納済のケースを搬出する収納済ケース搬出手段とを備える
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一記載の袋物箱詰め機。
【請求項5】
ケース搬送手段の昇降時にこのケース搬送手段上のケースを案内するケース案内手段を備える
ことを特徴とする請求項4記載の袋物箱詰め機。
【請求項6】
ケース搬送手段の上昇によりこのケース搬送手段上のケース内に挿入され、この挿入された状態で前記落下用開口部からの袋物を案内する物品案内手段を備える
ことを特徴とする請求項4または5記載の袋物箱詰め機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−67443(P2009−67443A)
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−237573(P2007−237573)
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(000103426)オークラ輸送機株式会社 (84)
【Fターム(参考)】
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