装着可能かつ脱着可能な素子を備えた層状衣類
【課題】スポーツ活動のための衣類の形態を選択できるようにする。
【解決手段】衣類は、固定システムの第1の部分を備えた面を有し、付属素子は、固定システムの第2の部分を備えた外側領域を有する。付属素子を衣類に装着するために、固定システムの第1の部分は、固定システムの第2の部分と結合可能である。また、衣類から付属素子を分離するために、固定システムの第1の部分は、固定システムの第2の部分から分離可能である。付属素子は、例えば、ポリマー発泡材料で形成されていてもよいし、流体充填チャンバを備えていてもよいし、または、電子装置が組み込まれていてもよい。ある形態においては、付属素子が、衣類の外面に固定されている。他の形態においては、付属素子は、衣類の2層の間に固定されている。
【解決手段】衣類は、固定システムの第1の部分を備えた面を有し、付属素子は、固定システムの第2の部分を備えた外側領域を有する。付属素子を衣類に装着するために、固定システムの第1の部分は、固定システムの第2の部分と結合可能である。また、衣類から付属素子を分離するために、固定システムの第1の部分は、固定システムの第2の部分から分離可能である。付属素子は、例えば、ポリマー発泡材料で形成されていてもよいし、流体充填チャンバを備えていてもよいし、または、電子装置が組み込まれていてもよい。ある形態においては、付属素子が、衣類の外面に固定されている。他の形態においては、付属素子は、衣類の2層の間に固定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
衣類および少なくとも1つの付属素子(要素)を備えた様々な衣類システムが、以下に開示されている。
【背景技術】
【0002】
一般的に、スポーツ活動中に使用することを意図した衣類は、着用者の能力や快適性、保護性能を向上させる特性を発揮する。例えば、比較的タイトフィット性を提供するストレッチ素材を衣類に組み込むことによって、風の抵抗を最小限に抑える低プロファイル性を着用者に付与することができる。また、肌の近くで蓄積される汗の量を低減するために、着用者からの湿気を逃がす素材で衣類を形成することもできる。さらに、着用者の各部位に衝撃保護を提供するために、圧縮力を減衰する(すなわち、パッド/クッション性を付与する)素材を組み込むこともできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、スポーツ活動のための衣類の形態は、特に着用者の能力や快適性が向上するように選択することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
衣類は、固定システムの第1の部分を備えた面を有し、付属(取り付け)素子は、固定システムの第2の部分を備えた外側領域を有する。付属素子を衣類に装着するために、固定システムの第1の部分は、固定システムの第2の部分と結合可能である。また、衣類から付属素子を分離するために、固定システムの第1の部分は、固定システムの第2の部分から分離可能である。付属素子は、例えば、ポリマー発泡材料で形成されていてもよいし、流体充填チャンバを備えていてもよいし、または、電子装置が組み込まれていてもよい。ある形態においては、付属素子は、衣類の外面に固定されている。他の形態においては、付属素子は、衣類の2層の間に固定されている。
【0005】
本発明の態様を特徴付ける新規な利点および特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に指摘されている。しかし、新規な利点および特徴をよりよく理解するために、本発明に関連する様々な形態および概念を説明、図示した以下の記載事項および添付図面を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の衣類の正面図である。
【図2A】複数の付属素子と組み合わせた第1の衣類の正面図である。
【図2B】複数の付属素子と組み合わせた第1の衣類の正面図である。
【図2C】複数の付属素子と組み合わせた第1の衣類の正面図である。
【図3A】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図3B】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図3C】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図3D】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図3E】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図4】第2の衣類の正面図である。
【図5A】複数の付属素子と組み合わせた第2の衣類の正面図である。
【図5B】複数の付属素子と組み合わせた第2の衣類の正面図である。
【図5C】複数の付属素子と組み合わせた第2の衣類の正面図である。
【図6A】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図6B】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図6C】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図6D】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図6E】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図7】第1の付属素子の上面図である。
【図8】第1の付属素子の底面図である。
【図9】図7において切断線9−9で定義される、第1の付属素子の横断面図である。
【図10】第1の付属素子を屈曲状態で描いた、図9に対応する横断面図である。
【図11A】第1の付属素子の更なる形態を示す、図9に対応する横断面図である。
【図11B】第1の付属素子の更なる形態を示す、図9に対応する横断面図である。
【図11C】第1の付属素子の更なる形態を示す、図9に対応する横断面図である。
【図11D】第1の付属素子の更なる形態を示す、図9に対応する横断面図である。
【図12】一対の第1の付属素子と組み合わせた第1の衣類の正面図である。
【図13】図12において切断線13−13で定義される、第1の衣類および第1の付属素子の一部の横断面図である。
【図14】第2の付属素子の上面図である。
【図15】第2の付属素子の底面図である。
【図16】一対の第2の付属素子と組み合わせた第2の衣類の正面図である。
【図17】図16において切断線17−17で定義される、第2の衣類および第2の付属素子の横断面図である。
【図18】第3の付属素子の上面図である。
【図19】第3の付属素子の底面図である。
【図20】第4の付属素子の上面図である。
【図21】第4の付属素子の底面図である。
【図22】図20における切断線22−22で定義される、第4の付属素子の横断面図である。
【図23】第5の付属素子の上面図である。
【図24】第5の付属素子の底面図である。
【図25】複数の付属素子を組み込んだ第3の衣類の正面図である。
【図26】第3の衣類および付属素子の分解正面図である。
【図27】図25において切断線27−27で定義される、第3の衣類および付属素子の1つの横断面図である。
【図28A】第3の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図28B】第3の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図28C】第3の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図28D】第3の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図29】複数の付属素子を組み込んだ第4の衣類の正面図である。
【図30】第4の衣類および付属素子の分解正面図である。
【図31】図29において切断線31−31で定義される、第4の衣類および付属素子の1つの横断面図である。
【図32A】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図32B】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図32C】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図32D】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図33】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。第6の付属素子の上面図である。
【図34】第6の付属素子の底面図である。
【図35】図33において切断線35−35で定義される、第6の付属素子の横断面図である。
【図36】第6の付属素子を屈曲状態で描いた、図35に対応する横断面図である。
【図37】第7の付属素子の上面図である。
【図38】第7の付属素子の底面図である。
【図39】第8の付属素子の上面図である。
【図40】第8の付属素子の底面図である。
【図41】図39において切断線41−41で定義される、第8の付属素子の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
上記の概要および下記の詳細な説明を添付図面と併せて読むと、よりよい理解が得られるであろう。
以下の説明および添付図面により、様々な衣類および付属素子(要素)に関連する概念が開示されている。一般的に、付属素子は、衣類の様々な部位に対して繰り返し着脱が可能である。着用者の活動、特定の必要性および嗜好に応じて、様々な付属素子の形態を使用することができる。例えば、付属素子は、(a)付属素子を配置した着用者の各部位に衝撃保護を提供するために、圧縮力を減衰する(すなわち、パッド/クッション性を付与する)発泡部材、気体充填チャンバまたは板状部材、(b)付属素子を配置した着用者の各部位を加熱または冷却する液体充填チャンバ、または、(c)携帯電話や携帯音楽プレーヤー、計時装置、心拍モニタ、ロケータビーコン、全地球測位システム、モバイルコンピュータ装置など、着用者に情報や楽しみを与える電子装置とすることができる。
【0008】
様々な衣類を付属素子と共に使用することができるが、シャツ型衣服およびズボン型衣服の両方の例が、以下の説明および添付図面に開示されている。シャツ型衣服には、着用者の胴体の一部を覆い、着用者の腕に及ぶものもある複数の衣服のいずれもが含まれる。シャツ型衣服としては、長袖シャツ、半袖シャツ、タンクトップ、下着、ジャケットおよびコートが例示される。同様に、ズボン型衣服には、着用者の骨盤部分の一部を覆い、着用者の脚に及ぶものもある複数の衣服のいずれもが含まれる。ズボン型衣服としては、ズボン、短パン、ブリーフ、ジーンズおよび下着が例示される。ある形態において、衣類は、シャツ型衣服とズボン型衣服との組み合わせであってもよく、ボディスーツ、レオタード、ユニタードおよびウェットスーツが含まれる。さらに、衣類は、例えば、帽子やヘルメット、手袋、靴下、靴など、着用者の他の部位を覆う形態を有していてもよい。したがって、様々な種類の衣類を使用することができる。
第1のシャツ型衣服の形態
シャツ型衣服の形態を有する衣類100が、図1に描かれている。衣類100は、胴体領域101と、胴体領域101から外側に延びている一対の腕領域102、103とを含む。胴体領域101は、着用者の胴体に対応し、着用時には胴体の少なくとも一部を覆う。胴体領域101の上部には、首開口部104が形成され、衣類100の着用時には、そこから着用者の首および頭が突出する。同様に、胴体領域101の下部には、ウエスト開口部105が形成され、衣類100の着用時には、そこから着用者のウエストまたは骨盤部分が突出する。腕領域102は、着用者の右腕に対応し、右腕の少なくとも一部を覆い、腕領域103は、着用者の左腕に対応し、左腕の少なくとも一部を覆う。各腕領域102、103には、手首開口部106が形成され、衣類100の着用時には、そこから着用者の手および手首が突出する。さらに、衣類100は、着用者とは反対向きの外面107を備えている。衣類100は、衣類100の着用時に着用者に対向し、着用者に接触する可能性のある内面108を備えている。
【0009】
図2Aに示すように、様々な付属素子111〜115が、衣類100に固定される。具体的には、ある衣類100の形態において、付属素子111〜115は、内面108に固定されてもよいが、付属素子111〜115は、胴体領域101および腕領域102、103のいずれかにおいて外面107に固定されてもよい。付属素子111〜115は、例えば、発泡部材や流体充填チャンバ(例えば、気体充填または液体充填)、板状部材、電子装置のいずれでもよい。同様に、付属素子111〜115は、その形状および寸法が大幅に異なるものであってもよい。例えば、付属素子111、114は、略矩形であり、付属素子112は、略三角形であり、付属素子113は、略円形であり、付属素子115は、非幾何学的形状である。付属素子111〜115は、その厚さが大幅に異なるものであってもよく、付属素子111〜115の組成や用途に応じて、略平坦形状、不均一形状または突出形状も含まれる。したがって、付属素子111〜115の形態は、大幅に異なっていてもよい。
【0010】
付属素子111〜115は、衣類100の様々な部位に固定される。具体的には、付属素子111は、胴体領域101の上部に固定され、付属素子112は、胴体領域101の下部に固定され、付属素子113は、胴体領域101の側部に固定され、付属素子114は、腕領域102に固定され、付属素子115は、腕領域103に固定されている。衣類100および付属素子111〜115には、それぞれ、付属素子111〜115を外面107に固定するために使用する固定システムの一部が組み込まれている。ワンタッチテープ(フックおよびループ)固定システム(例えば、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州マンチェスターのVELCRO USA社製造のVELCRO)、磁気固定システム、接着固定システムおよびボタン型固定システムを含め、様々な固定システムを使用することができる。参照目的のため、衣類100、その他の衣類およびその他の素子において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分は、図面に点描またはその他の模様で示す形態を有するものとして描かれている。
【0011】
固定システムは、衣類100への付属素子111〜115の装着や固定に加えて、衣類100からの付属素子111〜115の脱着や分離を可能とする。したがって、図2Bを参照すると、各付属素子111〜115は、衣類100から分離された状態で描かれている。さらに、固定システムによって、(a)付属素子111〜115を衣類100に対して繰り返し着脱したり、(b)付属素子111〜115を衣類100の様々な部位に装着したり、(c)付属素子111〜115を様々な向きに装着したりすることができる。したがって、図2Cを参照すると、各付属素子111〜115は、衣類100の様々な部位に様々な向きで再装着された状態で描かれている。
【0012】
衣類100の製造に、様々な素材を使用することができる。一般的に、衣類100は、例えば、レーヨンやナイロン、ポリエステル、ポリアクリル、綿、ウール、絹を含む編布や織布、不織布材料から形成することができる。衣類100は、単一(すなわち、ワンピース)の衣類として編成されていてもよいが、衣類100は、胴体領域101および腕領域102、103を形成するために縫合、接合、接着または結合される複数の布帛要素から形成されたものであってもよい。図1に示すように、例えば、様々な縫い目109が、胴体領域101を形成する布帛要素に、腕領域102、103を形成する布帛要素を結合し、縫い目109が、首開口部104の領域に襟を結合する。ある形態においては、布帛材料が、通気性耐水性バリアを形成するコーティングを含んでいてもよく、あるいは、ポリマーシートを布帛材料の代わりに使用してもよい。衣類100は、布帛材料、ポリマーシート、または布帛材料とポリマーシートとの組み合わせの2層以上を含む積層体もしくは層状材料から形成されてもよい。
【0013】
付属素子111〜115に使用する特定の固定システムに応じて、その固定システムに関連する要素を衣類100に組み込むことができる。例えば、磁気固定システムまたボタン型固定システムを使用する場合は、磁気素子またはボタンを衣類100の布帛材料に組み込むことができる。別の例として、外面107の一部を形成するために、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分のいずれかの要素を衣類100に固定してもよい。あるいは、衣類100を形成する布帛材料が、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分を構成するように、布帛材料を製造してもよい。すなわち、衣類100を形成する布帛材料の一体的な部分として、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分を編成してもよい。この様な形態の利点は、付加的な要素(例えば、磁気素子、ボタン、フック部分またはループ部分の条片)が衣類100に存在しないので、衣類100内の部材数を低減し、全体的な製造プロセスが簡素化されることである。ワンタッチテープ固定システムのループ部分が組み込まれた適切な素材の一例としては、中華民国台湾台北のRUEY TAYにより製造されており、1/75/72のテクスチャ加工マイクロファイバセミダルのポリエステル91%と、スパンデックス(すなわち、エラスタン)9%とを含む縦編みメッシュがある。
【0014】
衣類100は、シャツ型衣服、特に長袖シャツの形態を有するものとして描かれている。ある形態においては、衣類100は、圧縮衣服としての使用を意図するものでもよい。治療用に加えて、圧縮衣服は、ジャージやその他のスポーツ衣類の下にベース層として選手が着用することも多い。一般的に、ベース層を意図した圧縮衣服やその他の衣服は、(a)着用者の肌に近接して比較的タイトフィット性を示したり、(b)着用者の外形に合わせて伸びたりする。圧縮衣服を形成する布帛材料は、引張破断前の一方向伸度が、例えば、10%を超えるものでもよい場合もあるし、引張破断前の(引張破断するまでの)二方向伸度(伸び)が、例えば、少なくとも30%である場合もある。したがって、衣類100が、比較的タイトフィット性を有するように、そして、着用者の外形に合わせて伸びるように形成される場合、衣類100を形成する布帛材料の引張破断前の二方向伸度は、少なくとも30%であればよい。
【0015】
外面107のほぼ全体が、付属素子111〜115を固定するための部位を提供する形態を有する。すなわち、外面107の少なくとも90%が、付属素子111〜115を固定するための部位を提供する。例えば、衣類100を形成する布帛材料の一体的な部分として、ワンタッチテープ固定システムのループ部分を編成する場合、外面107のほぼ全体をこの布帛材料で形成してもよい。しかし、ある形態においては、外面107の一部のみが、付属素子111〜115を固定するための部位を提供してもよい。すなわち、外面107の一部には、固定システムが部分的に存在しなくてもよく、付属素子111〜115を固定するための部位を提供しない布帛材料を外面107の一部に使用してもよい。
【0016】
外面107のほぼ全体が、付属素子111〜115を固定するための部位を提供する形態を有していてもよいが、図3Aにおいて、衣類100は、固定システムが胴体領域101には存在しない形態を有するものとして描かれている。衣類100において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分が、図面に点描またはその他の模様で示す形態を有するものとして描かれているとすると、点描またはその他の模様で示す形態が存在しない領域は、固定システムまたは固定システムの一部が存在しない領域を示す。同様に、図3Bには、固定システムが、腕領域102、103に存在しないが、外面107の少なくとも75%を占める形態が描かれている。図3Cには、固定システムが、胴体領域101の中央部と上部とにのみ存在しているが、外面107の少なくとも50%を占める形態が描かれている。さらに、図3Dには、固定システムが、領域101〜103の選択された部分にのみ存在する形態が描かれている。図3A〜図3Dの各形態において、縫い目109を利用して、固定システムのない布帛要素を、固定システムのある布帛要素に結合することができる。図1〜図3Dにおいて、衣類100は、長袖シャツの形態を有するものとして描かれているが、衣類100に関連する概念が、他のシャツ型衣服に組み込まれていてもよい。例えば、図3Eにおいて、衣類100は、半袖シャツの形態を有するものとして描かれているが、タンクトップ、アンダーシャツ、ジャケットまたはコートであってもよい。
第1のズボン型衣服の形態
ズボン型衣服の形態を有する衣類200が、図4に描かれている。衣類200は、骨盤領域201と、骨盤領域201から外側に延びている一対の脚領域202、203とを含む。骨盤領域201は、着用者の骨盤部分に対応し、着用時には骨盤部分の少なくとも一部を覆う。骨盤領域201の上部には、衣類200の着用時にウエスト周りを取り囲むウエスト開口部204が形成されている。脚領域202は、着用者の右脚に対応し、右脚の少なくとも一部を覆い、脚領域203は、着用者の左脚に対応し、左脚の少なくとも一部を覆う。各脚領域202、203には、足首開口部205が形成され、衣類200の着用時には、そこから着用者の足および足首が突出する。さらに、衣類200は、着用者とは反対向きの外面207を備えている。衣類200は、衣類200の着用時に着用者に対向し、着用者に接触する可能性のある内面208を備えている。
【0017】
図5Aに示すように、様々な付属素子211〜214が、衣類200に固定される。具体的には、ある衣類200の形態において、付属素子211〜214は、内面208に固定されてもよいが、付属素子211〜214は、骨盤領域201および脚領域202、203のいずれかにおいて外面207に固定されてもよい。付属素子111〜115と同様に、付属素子211〜214は、発泡部材や流体充填チャンバ(例えば、気体充填または液体充填)、板状部材、電子装置のいずれでもよい。同様に、付属素子211〜214は、その形状、寸法および厚さが異なるものであってもよい。したがって、付属素子211〜214の形態は、大幅に異なっていてもよい。
【0018】
付属素子211〜214は、衣類200の様々な部位に固定される。衣類100および付属素子111〜115と同様に、衣類200および付属素子211〜214には、それぞれ、付属素子211〜214を外面207に固定するために使用する固定システムの一部が組み込まれている。例えば、ワンタッチテープ固定システム、磁気固定システム、接着固定システムおよびボタン型固定システムを含め、様々な固定システムを使用することができる。参照目的のため、衣類200およびその他の素子において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分は、図面に点描またはその他の模様で示す構成を有するものとして描かれている。
【0019】
固定システムは、衣類200への付属素子211〜214の装着や固定に加えて、衣類200からの付属素子211〜214の脱着や分離を可能とする。したがって、図5Bを参照すると、各付属素子211〜214は、衣類200から分離された状態で描かれている。さらに、固定システムによって、(a)付属素子211〜214を衣類200に対して繰り返し着脱したり、(b)付属素子211〜214を様々な部位に装着したり、(c)付属素子211〜214を様々な向きに装着したりすることができる。したがって、図5Cを参照すると、各付属素子211〜214は、衣類200の様々な部位に様々な向きで再装着された状態で描かれている。
【0020】
衣類200の製造に、衣類100の上記の素材のいずれを使用してもよい。付属素子211〜214に使用する特定の固定システムに応じて、その固定システムに関連する要素を衣類200に組み込むことができる。例えば、磁気固定システムまたはボタン型固定システムを使用する場合は、磁気素子またはボタンを衣類200の布帛材料に組み込むことができる。別の例として、外面207の一部を形成するために、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分のいずれかの要素を、衣類200に固定してもよい。あるいは、衣類200を形成する布帛材料の一体的な部分として、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分を編成してもよい。
【0021】
衣類200は、ズボン型衣服、特にズボンの形態を有するものとして描かれている。ある形態においては、衣類200は、(a)着用者の肌に近接して比較的タイトフィット性を示したり、(b)着用者の外形に合わせて伸びたりする圧縮衣服としての使用を意図するものでもよい。衣類200の布帛材料は、一方向伸縮性を有するものであってもよいが、衣類200を形成する布帛材料の引張破断前の二方向伸度は、少なくとも30%であればよい。
【0022】
外面207のほぼ全体が、付属素子211〜214を固定するための部位を提供する形態を有する。すなわち、外面207の少なくとも90%が、付属素子211〜214を固定するための部位を提供する。例えば、衣類200を形成する布帛材料の一体的な部分として、ワンタッチテープ固定システムのループ部分を編成する場合、外面207のほぼ全体をこの布帛材料で形成してもよい。しかし、ある形態においては、外面207の一部のみが、付属素子211〜214を固定するための部位を提供してもよい。すなわち、外面207の一部には、固定システムが部分的に存在しなくてもよく、付属素子211〜214を固定するための部位を提供しない布帛材料を外面207の一部に使用してもよい。
【0023】
図6Aにおいて、衣類200は、固定システムが脚領域202、203の大部分に存在しない形態で描かれている。衣類200において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分が、図面に点描またはその他の模様で示す構成を有するものとして描かれているとすると、点描またはその他の模様で示す構成が存在しない領域は、固定システムまたは固定システムの一部が存在しない領域を示す。図6Bには、固定システムが、骨盤領域201に存在しないが、外面207の少なくとも75%を占める形態が描かれている。さらに、図6Cには、固定システムが、領域201〜203の選択された部分のみに存在する形態が描かれている。図4〜図6Cにおいて、衣類200は、ズボンの形態を有するものとして描かれているが、衣類200に関連する概念が、他のズボン型衣服に組み込まれていてもよい。例えば、図6Dにおいて、衣類200は、短パンの形態を有するものとして描かれているが、ブリーフ、ジーンズまたは下着であってもよい。さらに、図6Eには、固定システムが、外面の少なくとも50%に存在する短パンの形態が描かれている。
付属素子の形態
付属素子111〜115、211〜214は、着用者の活動、特定の必要性および嗜好に応じて、様々な形態を示すものとすることができる。上記のように、付属素子111〜115、211〜214は、(a)発泡部材、気体充填チャンバまたは板状部材、(b)液体充填チャンバ、または、(c)携帯電話や携帯音楽プレーヤー、計時装置、ロケータビーコン、全地球測位システム、モバイルコンピュータ装置などの電子装置とすることができる。さらに、例えば、付属素子111〜115、211〜214は、その形状、寸法および厚さが大幅に異なるものであってもよい。しかし、一般的に、(a)付属素子111〜115、211〜214を衣類100、衣類200に繰り返し着脱したり、(b)付属素子111〜115、211〜214を様々な部位に装着したり、(c)付属素子111〜115、211〜214を様々な向きに装着したりすることができる固定システムの一部が、各付属素子111〜115、211〜214に組み込まれている。
【0024】
図7〜図9に、付属素子301の具体例が、固定部303によって結合された複数の部分302を含むものとして描かれている。部分302は、例えば、ポリマー発泡材料で形成されていてもよく、複数の切り込み304によって互いに分離されている。また、各部分302は、少なくとも1つの開孔305を備え、これにより、通気性が向上し、付属素子301の総重量が減少する。固定部303は、各部分302に固定され、一般的に、衣類100または衣類200に付属素子301を固定する固定システムの一部が組み込まれている。例えば、衣類100または衣類200を形成する布帛材料に、ワンタッチテープ固定システムのループ部分が組み込まれている場合、固定部303は、ワンタッチテープ固定システムのフック部分を組み込んだものとすることができる。
【0025】
切り込み304の利点は、付属素子301の柔軟性が向上することである。図10を参照して、付属素子301が、屈曲した形態で示されており、この形態においては、切り込み304が開いて、付属素子の湾曲または屈曲を許容する屈曲溝を形成する。以下に詳述するように、屈曲によって、付属素子301は、付属素子301が衣類100または衣類200に固定されている部位において、衣類100または衣類200の形状に適応可能となる。切り込み304は、部分302のポリマー発泡材料全体を貫通していてもよいが、図11Aに示すように、切り込み304が、ポリマー発泡材料の途中(例えば、少なくとも50%)まで達していてもよい。切り込み304は、部分302の上面から下面に向かって延びていてもよいが、図11Bに示すように、切り込み304が、固定部303を貫通して下面から上面に向かって延びていてもよい。さらに、図11Bに示すように、開孔305が、付属素子301に存在しなくてもよい。他の形態においては、図11Cに示すように、切り込み304が存在しなくてもよいし、あるいは、部分302が、付属素子301に先細り形状を付与するものであってもよい。
【0026】
付属素子111〜115と同様に、付属素子301は、衣類100に固定したり、衣類100から脱着したり、その後、衣類100に再装着したりすることができる。図12を参照して、2つの付属素子301が、衣類100に固定された状態で描かれている。一方の付属素子301は、完全な状態にあるのに対し、他方の付属素子301は、別々の部分に分割されて、衣類100の異なる部位に固定されている。したがって、切り込み304は、柔軟性付与に加えて、付属素子301を別々の部分に分割する切断線を形成する。したがって、着用者は、特定の必要性または目的に合わせて、付属素子301の形状および寸法を調整または特別仕様とするために、付属素子301を別々の部分に分割することができる。図13を参照して、付属素子301の一部分が、衣類100、特に腕領域103に装着された状態で示されている。付属素子301の上記の部分は、2つの部分302の間の切り込み304によって、腕領域103における曲率に合わせて屈曲可能となる。
【0027】
部分302を形成するポリマー発泡材料は、圧縮力を減衰し(すなわち、パッド/クッション性を付与し)、付属素子301または付属素子301の一部分を配置した着用者の部位に衝撃保護を提供する。例えば、着用者が肩領域に怪我をしている場合、付属素子301を肩領域上に配置して衣類100に固定し、スポーツ活動中に肩領域を保護するようにしてもよい。同様に、着用者が腹部領域に怪我をしている場合、腹部領域を保護するように付属素子301を配置してもよい。したがって、着用者の特定部位を保護するために、付属素子301または付属素子301の一部分を使用することができる。
【0028】
図14および図15に、別の付属素子311の例が、固定部313によって結合されている複数の部分312を含むものとして描かれている。部分312は、例えば、ポリマー発泡材料で形成されていてもよく、複数の切り込み314によって互いに分離される。また、各部分312は、少なくとも1つの開孔315を有するものであってもよい。固定部313は、各部分312に固定され、一般的に、衣類100または衣類200に付属素子311を固定する固定システムの一部が組み込まれている。例えば、衣類100または衣類200を形成する布帛材料に、ワンタッチテープ固定システムのループ部分が組み込まれている場合、固定部313は、ワンタッチテープ固定システムのフック部分を組み込んだものとすることができる。切り込み314の利点は、付属素子311の柔軟性が向上することである。
【0029】
付属素子211〜214と同様に、付属素子311は、衣類200に固定したり、衣類200から脱着したり、その後、衣類200に再装着したりすることができる。図16を参照して、2つの付属素子311が、衣類200に固定された状態で描かれている。一方の付属素子311は、完全な状態にあるのに対し、他方の付属素子311は、別々の部分に分割されて、衣類200の異なる部位に固定されている。したがって、切り込み314は、柔軟性付与に加えて、付属素子311を別々の部分に分割する切断線を形成する。したがって、着用者は、特定の必要性または目的に合わせて、付属素子311の形状および寸法を調整または特別仕様とするために、付属素子311を別々の部分に分割することができる。図17を参照して、付属素子311が、衣類200、特に脚領域202に装着された状態で示されている。付属素子311は、切り込み314によって、脚領域202における曲率に合わせて屈曲可能となる。付属素子301と同様に、着用者の特定部位を保護するために、付属素子311または付属素子311の一部分を使用することができる。
【0030】
図18および図19に、別の付属素子321の例が、板状部材322と固定部323とを有するものとして描かれている。部分302、312は、ポリマー発泡材料で形成するものとして検討したが、板状部材322を、例えば、非発泡ポリマー材料またはゴムで形成してもよい。しかし、ある形態においては、ポリマー発泡材料を板状部材322のために使用してもよい。また、板状部材322および固定部323には、それぞれ、複数の開孔325が形成されていてもよい。付属素子301、311のポリマー発泡材料と同様に、着用者の特定部位を保護するために、付属素子321の板状部材の形態を使用してもよい。
【0031】
図20〜図22に、更に別の付属素子331の例が、チャンバ部332と固定部333とを有するものとして描かれている。チャンバ部332は、流体を受け入れるための内部空隙を構成するポリマー材料で形成されている。固定部333は、チャンバ部332に固定され、一般的に、衣類100または衣類200に付属素子331を固定する固定システムの一部が組み込まれている。付属素子331の柔軟性を高めるために、複数の凹部334が、チャンバ部332の表面に形成されている。チャンバ部332の空隙内に、気体または液体を配置してもよい。ある形態においては、チャンバ部332は、着用者によるチャンバ部332内への液体の配置や、チャンバ部332からの液体の排出を可能とする開口部を備えたものであってもよい。
【0032】
チャンバ部332が、加圧気体などの気体を含む場合、付属素子331を使用して、圧縮力を減衰し(すなわち、パッド/クッション性を付与し)、付属素子331を配置した着用者の部位に衝撃保護を提供してもよい。すなわち、着用者の特定部位を保護するために、付属素子331を使用することができる。チャンバ部332の空隙内に液体が配置されている場合、この液体を使用して、付属素子331を配置した着用者の部位を加熱または冷却することができる。具体的には、付属素子331および付属素子331内の液体を加熱または冷却してもよい。付属素子331および付属素子331内の液体は、着用者の特定部位に近接して配置されると、着用者の特定部位に対して熱を与えたり、熱を奪ったりすることができる。
【0033】
図23および図24に、更なる付属素子341の例が、電子装置342を含むものとして描かれている。固定部343は、装置342の裏面に固定され、一般的に、衣類100または衣類200に付属素子341を固定する固定システムの一部が組み込まれている。例えば、電子装置342は、携帯電話や携帯音楽プレーヤー、計時装置、ロケータビーコン、全地球測位システム、モバイルコンピュータ装置のいずれであってもよい。
第2のシャツ型衣服の形態
シャツ型衣服の形態を有する衣類400が、図25に描かれている。衣類400は、胴体領域401と、胴体領域401から外側に延びている一対の腕領域402、403とを含む。胴体領域401は、着用者の胴体に対応し、着用時には胴体の少なくとも一部を覆う。胴体領域401の上部には、首開口部404が形成され、衣類400の着用時には、そこから着用者の首および頭が突出する。同様に、胴体領域401の下部には、ウエスト開口部405が形成され、衣類400の着用時には、そこから着用者のウエストまたは骨盤部分が突出する。腕領域402は、着用者の右腕に対応し、右腕の少なくとも一部を覆い、腕領域403は、着用者の左腕に対応し、左腕の少なくとも一部を覆う。各腕領域402、403には、手首開口部406が形成され、衣類400の着用時には、そこから着用者の手および手首が突出する。
【0034】
衣類400は、各領域401〜403に及ぶ外層407および隣接する内層408を含む2層構造を示す。外層407は、衣類400の外側を形成する一方、内層408は、衣類400の着用時に着用者に接触する可能性のある内側を形成する。様々な付属素子411が、層407、408の間に固定される。具体的には、付属素子411は、胴体領域401および各腕領域402、403において、層407、408の間に固定される。付属素子411は、発泡部材や流体充填チャンバ(例えば、気体充填または液体充填)、板状部材、電子装置のいずれであってもよい。例示目的のために、付属素子411は、略正方形の外観を有するものとして描かれているが、その形状、寸法および厚さが大幅に異なるものであってもよい。
【0035】
衣類400および付属素子411には、それぞれ、層407、408の間に付属素子411を固定するために使用する固定システムの一部が組み込まれている。固定システムは、衣類400への付属素子411の装着や固定に加えて、衣類400からの付属素子411の脱着や分離を可能とする。衣類100、200と同様に、例えば、ワンタッチテープ固定システム、磁気固定システム、接着固定システムおよびボタン型固定システムを含め、様々な固定システムを使用することができる。参照目的のため、衣類400および付属素子411において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分は、図面に点描またはその他の模様で示す構成を有するものとして描かれている。具体的には、図26を参照して、(a)互いに接触する層407、408の表面、および、(b)付属素子411の対向面が、それぞれ、固定システムの一部を備えている。すなわち、(a)外層407の内面が固定システムの一部を備えていたり、(b)内層408の外面が固定システムの一部を備えていたり、(c)各付属素子411の両面が固定システムの一部を備えていたりする。したがって、図27に示すように、付属素子411のうちの1つが、層407、408の間に配置されている場合、層407、408の対向面に関連して設けられた固定システム部分が、それぞれ、付属素子411の両側に配置された固定システム部分と結合する。
【0036】
付属素子111〜115、211〜214、301、311、321、331、341は、その片面のみに衣類に結合する固定システムの一部が組み込まれていたが、付属素子411は、その両面に固定システムの一部が組み込まれており、衣類400(すなわち、層407、408)と結合する。この形態の利点は、付属素子411が確実に衣類400に固定され、衣類400から不注意に脱着する可能性が低いことである。具体的には、付属素子411の両面を層407、408の間で衣類400に固定することによって、付属素子411が衣類400からはぎ取られたり落下したりする可能性が低くなる。付属素子411に液体充填チャンバが組み込まれている形態においては、各付属素子411は、比較的重くてもよく、両面で固定するのが有利であろう。したがって、衣類400の2層構造は、付属素子411が確実に固定され、衣類400から不注意に脱着する可能性が低い形態を提供する。
【0037】
以下の検討目的のために、衣類400および付属素子411に組み込まれている固定システムが、ワンタッチテープ固定システムであると仮定する。ワンタッチテープ固定システムのフック部分およびループ部分を、衣類400および付属素子411の様々な部分に関連して設けることができる。例えば、(a)各層407、408にループ部分を組み込み、付属素子411の両面にフック部分を組み込んでもよいし、(b)各層407、408にフック部分を組み込み、付属素子411の両面にループ部分を組み込んでもよいし、(c)層407にフック部分を組み込み、層408にループ部分を組み込み、付属素子411の両面にフック部分とループ部分とを組み込んでもよいし、(d)層407にループ部分を組み込み、層408にフック部分を組み込み、付属素子411の両面にフック部分とループ部分とを組み込んでもよい。上記の形態のいずれを使用してもよいが、各層407、408にループ部分またはフック部分を組み込むように衣類400を構成すること(すなわち、例(a)または(b))の利点は、層407、408が互いに結合する傾向が小さくなることである。
【0038】
衣類400の製造に、衣類100の上記の素材のいずれを使用してもよい。衣類400および付属素子411にワンタッチテープ固定システムを組み込む場合、フック部分またはループ部分の要素を、層407、408の対向面および付属素子411の両面に固定してもよい。あるいは、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分を、各層407、408を形成する布帛材料の一体的な部分として編成してもよい。ある形態においては、布帛材料は、通気性耐水性バリアを形成するコーティングを含むものであってもよいし、布帛材料の代わりにポリマーシートを使用してもよい。また、各層407、408は、布帛材料、ポリマーシート、または布帛材料とポリマーシートとの組み合わせの2層以上を含む積層材料または層状材料で形成してもよい。
【0039】
衣類400は、シャツ型衣服、特に長袖シャツの形態を有するものとして描かれている。衣類400は、ルーズフィット形態を有することを意図してもよいが、衣類400は、圧縮衣服としての使用を意図してもよい。上記のように、圧縮衣服や、ベース層を意図するその他の衣服は、(a)着用者の肌に近接して比較的タイトフィット性を示したり、(b)着用者の外形に合わせて伸びたりする。圧縮衣服を形成する布帛材料は、引張破断前の一方向伸度が、例えば、10%を超えるものでもよい場合もあるし、引張破断前の二方向伸度が、例えば、少なくとも30%である場合もある。したがって、衣類400が、比較的タイトフィット性を有するように、そして、着用者の外形に合わせて伸びるように形成される場合、衣類400(すなわち、層407、408)を形成する布帛材料の引張破断前の二方向伸度は、少なくとも30%であればよい。ある形態においては、外層407が、ルーズフィット構成を提供し、内層408が、比較的タイトフィット伸縮性を提供するものであってもよい。他の形態においては、内層408が、ルーズフィット構成を提供し、外層407が、比較的タイトフィット伸縮性を提供するものであってもよい。
【0040】
外層407および内層408は、それぞれ、領域401〜403のほぼ全域に及び、これにより、付属素子411を領域401〜403の任意の部位に固定することができる。ある形態においては、層407、408の一部にのみ固定システムの一部を組み込んでもよい。例えば、層407、408は、領域401〜403のほぼ全域に及んでいてもよいが、固定システムが、胴体領域401には存在しなくてもよく、または、腕領域402、403に存在しなくてもよい。他の形態においては、層407、408は、着用者の様々な部位を覆うものであってもよい。例えば、図28Aに、内層408を胴体領域401の上部および腕領域402、403の上部に限定した形態が描かれている。この形態において、固定システムは、衣類400の少なくとも50%に存在している。また、図28Bに示すように、内層408が、腕領域402、403に存在しなくてもよい。図28Cに、内層408が腕領域402、403にのみ配置されている形態が描かれている。この形態において、固定システムは、衣類400の少なくとも20%に存在している。さらに、図28Dには、(a)外層407が腕領域402、403の下部には存在しないが、内層408が各領域401〜403におよぶ形態が描かれている。図25〜図28Dにおいて、衣類400は、長袖シャツの形態を有するものとして描かれているが、衣類400に関連する概念を、半袖シャツやタンクトップ、アンダーシャツ、ジャケット、コートなど、その他のシャツ型衣服に組み込んでもよい。したがって、固定システムおよび層407、408で覆われる相対的な部位は、大幅に異なっていてもよい。
第2のズボン型衣服の形態
衣類400に関連する様々な概念を、他の種類の衣類に組み込んでもよい。ズボン型衣服の形態を有する衣類500が、図29および図30に描かれている。衣類500は、骨盤領域501と、骨盤領域501から外側に延びている一対の脚領域502、503とを含む。衣類400と同様に、衣類500は、領域501〜503に及ぶ外層507および隣接する内層508を含む2層構造を有する。外層507は、衣類500の外側を形成する一方、内層508は、衣類500の着用時に着用者に接触する可能性のある内側を形成する。衣類500の製造に、上記の素材のいずれを使用してもよい。図31に示すように、様々な付属素子511が、層507、508の間に固定される。付属素子511は、発泡部材や流体充填チャンバ(例えば、気体充填または液体充填)、板状部材、電子装置のいずれであってもよい。例示目的のために、付属素子511は、略正方形の外観を有するものとして描かれているが、その形状、寸法および厚さが大幅に異なるものであってもよい。
【0041】
衣類500および付属素子511には、それぞれ、層507、508の間に付属素子511を固定するために使用する固定システムの一部が組み込まれている。固定システムは、衣類500への付属素子511の装着や固定に加えて、衣類500からの付属素子511の脱着や分離を可能とする。例えば、ワンタッチテープ固定システム、磁気固定システム、接着固定システムおよびボタン型固定システムを含め、様々な固定システムを使用することができる。ワンタッチテープ固定システムを組み込む場合、各層507、508にループ部分またはフック部分を組み込むように衣類500を形成することの利点は、層507、508が互いに結合する傾向が小さくなることである。参照目的のため、衣類500および付属素子511において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分は、図面に点描またはその他の模様で示す構成を有するものとして描かれている。
【0042】
衣類500は、ルーズフィット形態を有することを意図していてもよいが、衣類500は、圧縮衣服としての使用を意図してもよい。上記のように、圧縮衣服や、ベース層を意図するその他の衣服は、(a)着用者の肌に近接して比較的タイトフィット性を示したり、(b)着用者の外形に合わせて伸びたりする。圧縮衣服を形成する布帛材料は、引張破断前の一方向伸度が、例えば、10%を超えるものでもよい場合もあるし、引張破断前の二方向伸度が、例えば、少なくとも30%である場合もある。したがって、衣類500が、比較的タイトフィット性を有するように、そして、着用者の外形に合わせて伸びるように形成される場合、衣類500(すなわち、層507、508)を形成する布帛材料の引張破断前の二方向伸度は、少なくとも30%であればよい。ある形態においては、外層507が、ルーズフィット構成を提供し、内層508が、比較的タイトフィット伸縮性を提供するものであってもよい。他の形態においては、内層508が、ルーズフィット構成を提供し、外層507が、比較的タイトフィット伸縮性を提供するものであってもよい。
【0043】
外層507および内層508は、それぞれ、領域501〜503のほぼ全域に及び、これにより、付属素子511を領域501〜503の任意の部位に固定することができる。ある形態においては、層507、508の一部にのみ固定システムの一部を組み込んでもよい。例えば、層507、508は、領域501〜503のほぼ全域に及んでいてもよいが、固定システムが、骨盤領域501には存在しなくてもよく、または、脚領域502、503に存在しなくてもよい。他の形態においては、層507、508は、着用者の様々な部位を覆うものであってもよい。例えば、図32Aに、内層508を骨盤領域501に限定した形態が描かれている。この形態において、固定システムは、衣類500の少なくとも50%に存在している。また、図32Bに示すように、内層508が、骨盤領域501に存在しなくてもよい。図32Cに、内層508が衣類500の側部にのみ配置されている形態が描かれている。この形態において、固定システムは、衣類500の少なくとも20%に存在している。図29〜図32Cにおいて、衣類500は、短パンの形態を有するものとして描かれているが、衣類500に関連する概念を、図32Dのようにズボンに組み込んでもよいし、または、ブリーフ、ジーンズおよび下着に組み込んでもよい。したがって、固定システムおよび層507、508で覆われる相対的な部位は、大幅に異なっていてもよい。
更なる付属素子の形態
付属素子411、511は、着用者の活動、特定の必要性および嗜好に応じて、様々な形態を示すものとすることができる。図33〜図35において、付属素子601の例が、複数の切り込み604によって互いに分割された複数の部分602を含むものとして描かれている。一対の固定部603a、603bが部分602の両側に固定されている。切り込み604は、固定部603aを貫通しており、固定部603bは、切り込み604を横切って広がっている。固定部603a、603bには、付属素子601を衣類400または衣類500に固定する固定システムの一部が組み込まれている。すなわち、固定部603a、603bは、部分602の両面に配置されて、層407、408または507、508の対向面と結合する。例えば、衣類400または衣類500を形成する布帛材料に、ワンタッチテープ固定システムのループ部分が組み込まれている場合、固定部603a、603bには、ワンタッチテープ固定システムのフック部分を組み込むことができる。切り込み604の利点は、図36に示すように、付属素子601の柔軟性が向上することである。したがって、一般的に、付属素子601は、付属素子301と同様であるが、固定システムの追加部材が反対側の面に設けられている。
【0044】
図37および図38に、別の付属素子611の例が、2つ固定部613a、613bの間に配置された板状部材(図示せず)を有するものとして描かれている。固定部613a、613bは、板状部材の両面に配置され、層407、408または507、508の対向面と結合する。したがって、一般的に、付属素子611は、付属素子321と同様であるが、固定システムの追加部材が反対側の面に設けられている。
【0045】
図39〜図41に、更に別の付属素子621の例が、2つの固定部623a、623bの間に配置されたチャンバ部622を有するものとして描かれている。チャンバ部622は、流体を受け入れるための内部空隙を形成するポリマー材料で形成されている。チャンバ部622の空隙内に、気体または液体を配置してもよい。ある形態において、チャンバ部622は、着用者によるチャンバ部622内への液体の配置や、チャンバ部622からの液体の排出を可能とする開口部を備えたものであってもよい。固定部623a、623bは、チャンバ部622の両面に配置され、層407、408または507、508の対向面と結合する。したがって、一般的に、付属素子621は、付属素子331と同様であるが、固定システムの追加部材が反対側の面に設けられている。
【0046】
本発明は、様々な形態を参照して、上記および添付図面に開示されている。しかし、本開示が果たす目的は、本発明に関する様々な特徴および概念を例示することであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上記の形態に対して数々の変形および変更が可能であることを認識するであろう。
【技術分野】
【0001】
衣類および少なくとも1つの付属素子(要素)を備えた様々な衣類システムが、以下に開示されている。
【背景技術】
【0002】
一般的に、スポーツ活動中に使用することを意図した衣類は、着用者の能力や快適性、保護性能を向上させる特性を発揮する。例えば、比較的タイトフィット性を提供するストレッチ素材を衣類に組み込むことによって、風の抵抗を最小限に抑える低プロファイル性を着用者に付与することができる。また、肌の近くで蓄積される汗の量を低減するために、着用者からの湿気を逃がす素材で衣類を形成することもできる。さらに、着用者の各部位に衝撃保護を提供するために、圧縮力を減衰する(すなわち、パッド/クッション性を付与する)素材を組み込むこともできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、スポーツ活動のための衣類の形態は、特に着用者の能力や快適性が向上するように選択することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
衣類は、固定システムの第1の部分を備えた面を有し、付属(取り付け)素子は、固定システムの第2の部分を備えた外側領域を有する。付属素子を衣類に装着するために、固定システムの第1の部分は、固定システムの第2の部分と結合可能である。また、衣類から付属素子を分離するために、固定システムの第1の部分は、固定システムの第2の部分から分離可能である。付属素子は、例えば、ポリマー発泡材料で形成されていてもよいし、流体充填チャンバを備えていてもよいし、または、電子装置が組み込まれていてもよい。ある形態においては、付属素子は、衣類の外面に固定されている。他の形態においては、付属素子は、衣類の2層の間に固定されている。
【0005】
本発明の態様を特徴付ける新規な利点および特徴は、添付の特許請求の範囲に詳細に指摘されている。しかし、新規な利点および特徴をよりよく理解するために、本発明に関連する様々な形態および概念を説明、図示した以下の記載事項および添付図面を参照することができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1の衣類の正面図である。
【図2A】複数の付属素子と組み合わせた第1の衣類の正面図である。
【図2B】複数の付属素子と組み合わせた第1の衣類の正面図である。
【図2C】複数の付属素子と組み合わせた第1の衣類の正面図である。
【図3A】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図3B】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図3C】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図3D】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図3E】第1の衣類の更なる形態の正面図である。
【図4】第2の衣類の正面図である。
【図5A】複数の付属素子と組み合わせた第2の衣類の正面図である。
【図5B】複数の付属素子と組み合わせた第2の衣類の正面図である。
【図5C】複数の付属素子と組み合わせた第2の衣類の正面図である。
【図6A】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図6B】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図6C】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図6D】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図6E】第2の衣類の更なる形態の正面図である。
【図7】第1の付属素子の上面図である。
【図8】第1の付属素子の底面図である。
【図9】図7において切断線9−9で定義される、第1の付属素子の横断面図である。
【図10】第1の付属素子を屈曲状態で描いた、図9に対応する横断面図である。
【図11A】第1の付属素子の更なる形態を示す、図9に対応する横断面図である。
【図11B】第1の付属素子の更なる形態を示す、図9に対応する横断面図である。
【図11C】第1の付属素子の更なる形態を示す、図9に対応する横断面図である。
【図11D】第1の付属素子の更なる形態を示す、図9に対応する横断面図である。
【図12】一対の第1の付属素子と組み合わせた第1の衣類の正面図である。
【図13】図12において切断線13−13で定義される、第1の衣類および第1の付属素子の一部の横断面図である。
【図14】第2の付属素子の上面図である。
【図15】第2の付属素子の底面図である。
【図16】一対の第2の付属素子と組み合わせた第2の衣類の正面図である。
【図17】図16において切断線17−17で定義される、第2の衣類および第2の付属素子の横断面図である。
【図18】第3の付属素子の上面図である。
【図19】第3の付属素子の底面図である。
【図20】第4の付属素子の上面図である。
【図21】第4の付属素子の底面図である。
【図22】図20における切断線22−22で定義される、第4の付属素子の横断面図である。
【図23】第5の付属素子の上面図である。
【図24】第5の付属素子の底面図である。
【図25】複数の付属素子を組み込んだ第3の衣類の正面図である。
【図26】第3の衣類および付属素子の分解正面図である。
【図27】図25において切断線27−27で定義される、第3の衣類および付属素子の1つの横断面図である。
【図28A】第3の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図28B】第3の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図28C】第3の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図28D】第3の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図29】複数の付属素子を組み込んだ第4の衣類の正面図である。
【図30】第4の衣類および付属素子の分解正面図である。
【図31】図29において切断線31−31で定義される、第4の衣類および付属素子の1つの横断面図である。
【図32A】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図32B】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図32C】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図32D】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。
【図33】第4の衣類および付属素子の更なる形態の正面図である。第6の付属素子の上面図である。
【図34】第6の付属素子の底面図である。
【図35】図33において切断線35−35で定義される、第6の付属素子の横断面図である。
【図36】第6の付属素子を屈曲状態で描いた、図35に対応する横断面図である。
【図37】第7の付属素子の上面図である。
【図38】第7の付属素子の底面図である。
【図39】第8の付属素子の上面図である。
【図40】第8の付属素子の底面図である。
【図41】図39において切断線41−41で定義される、第8の付属素子の横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
上記の概要および下記の詳細な説明を添付図面と併せて読むと、よりよい理解が得られるであろう。
以下の説明および添付図面により、様々な衣類および付属素子(要素)に関連する概念が開示されている。一般的に、付属素子は、衣類の様々な部位に対して繰り返し着脱が可能である。着用者の活動、特定の必要性および嗜好に応じて、様々な付属素子の形態を使用することができる。例えば、付属素子は、(a)付属素子を配置した着用者の各部位に衝撃保護を提供するために、圧縮力を減衰する(すなわち、パッド/クッション性を付与する)発泡部材、気体充填チャンバまたは板状部材、(b)付属素子を配置した着用者の各部位を加熱または冷却する液体充填チャンバ、または、(c)携帯電話や携帯音楽プレーヤー、計時装置、心拍モニタ、ロケータビーコン、全地球測位システム、モバイルコンピュータ装置など、着用者に情報や楽しみを与える電子装置とすることができる。
【0008】
様々な衣類を付属素子と共に使用することができるが、シャツ型衣服およびズボン型衣服の両方の例が、以下の説明および添付図面に開示されている。シャツ型衣服には、着用者の胴体の一部を覆い、着用者の腕に及ぶものもある複数の衣服のいずれもが含まれる。シャツ型衣服としては、長袖シャツ、半袖シャツ、タンクトップ、下着、ジャケットおよびコートが例示される。同様に、ズボン型衣服には、着用者の骨盤部分の一部を覆い、着用者の脚に及ぶものもある複数の衣服のいずれもが含まれる。ズボン型衣服としては、ズボン、短パン、ブリーフ、ジーンズおよび下着が例示される。ある形態において、衣類は、シャツ型衣服とズボン型衣服との組み合わせであってもよく、ボディスーツ、レオタード、ユニタードおよびウェットスーツが含まれる。さらに、衣類は、例えば、帽子やヘルメット、手袋、靴下、靴など、着用者の他の部位を覆う形態を有していてもよい。したがって、様々な種類の衣類を使用することができる。
第1のシャツ型衣服の形態
シャツ型衣服の形態を有する衣類100が、図1に描かれている。衣類100は、胴体領域101と、胴体領域101から外側に延びている一対の腕領域102、103とを含む。胴体領域101は、着用者の胴体に対応し、着用時には胴体の少なくとも一部を覆う。胴体領域101の上部には、首開口部104が形成され、衣類100の着用時には、そこから着用者の首および頭が突出する。同様に、胴体領域101の下部には、ウエスト開口部105が形成され、衣類100の着用時には、そこから着用者のウエストまたは骨盤部分が突出する。腕領域102は、着用者の右腕に対応し、右腕の少なくとも一部を覆い、腕領域103は、着用者の左腕に対応し、左腕の少なくとも一部を覆う。各腕領域102、103には、手首開口部106が形成され、衣類100の着用時には、そこから着用者の手および手首が突出する。さらに、衣類100は、着用者とは反対向きの外面107を備えている。衣類100は、衣類100の着用時に着用者に対向し、着用者に接触する可能性のある内面108を備えている。
【0009】
図2Aに示すように、様々な付属素子111〜115が、衣類100に固定される。具体的には、ある衣類100の形態において、付属素子111〜115は、内面108に固定されてもよいが、付属素子111〜115は、胴体領域101および腕領域102、103のいずれかにおいて外面107に固定されてもよい。付属素子111〜115は、例えば、発泡部材や流体充填チャンバ(例えば、気体充填または液体充填)、板状部材、電子装置のいずれでもよい。同様に、付属素子111〜115は、その形状および寸法が大幅に異なるものであってもよい。例えば、付属素子111、114は、略矩形であり、付属素子112は、略三角形であり、付属素子113は、略円形であり、付属素子115は、非幾何学的形状である。付属素子111〜115は、その厚さが大幅に異なるものであってもよく、付属素子111〜115の組成や用途に応じて、略平坦形状、不均一形状または突出形状も含まれる。したがって、付属素子111〜115の形態は、大幅に異なっていてもよい。
【0010】
付属素子111〜115は、衣類100の様々な部位に固定される。具体的には、付属素子111は、胴体領域101の上部に固定され、付属素子112は、胴体領域101の下部に固定され、付属素子113は、胴体領域101の側部に固定され、付属素子114は、腕領域102に固定され、付属素子115は、腕領域103に固定されている。衣類100および付属素子111〜115には、それぞれ、付属素子111〜115を外面107に固定するために使用する固定システムの一部が組み込まれている。ワンタッチテープ(フックおよびループ)固定システム(例えば、アメリカ合衆国ニューハンプシャー州マンチェスターのVELCRO USA社製造のVELCRO)、磁気固定システム、接着固定システムおよびボタン型固定システムを含め、様々な固定システムを使用することができる。参照目的のため、衣類100、その他の衣類およびその他の素子において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分は、図面に点描またはその他の模様で示す形態を有するものとして描かれている。
【0011】
固定システムは、衣類100への付属素子111〜115の装着や固定に加えて、衣類100からの付属素子111〜115の脱着や分離を可能とする。したがって、図2Bを参照すると、各付属素子111〜115は、衣類100から分離された状態で描かれている。さらに、固定システムによって、(a)付属素子111〜115を衣類100に対して繰り返し着脱したり、(b)付属素子111〜115を衣類100の様々な部位に装着したり、(c)付属素子111〜115を様々な向きに装着したりすることができる。したがって、図2Cを参照すると、各付属素子111〜115は、衣類100の様々な部位に様々な向きで再装着された状態で描かれている。
【0012】
衣類100の製造に、様々な素材を使用することができる。一般的に、衣類100は、例えば、レーヨンやナイロン、ポリエステル、ポリアクリル、綿、ウール、絹を含む編布や織布、不織布材料から形成することができる。衣類100は、単一(すなわち、ワンピース)の衣類として編成されていてもよいが、衣類100は、胴体領域101および腕領域102、103を形成するために縫合、接合、接着または結合される複数の布帛要素から形成されたものであってもよい。図1に示すように、例えば、様々な縫い目109が、胴体領域101を形成する布帛要素に、腕領域102、103を形成する布帛要素を結合し、縫い目109が、首開口部104の領域に襟を結合する。ある形態においては、布帛材料が、通気性耐水性バリアを形成するコーティングを含んでいてもよく、あるいは、ポリマーシートを布帛材料の代わりに使用してもよい。衣類100は、布帛材料、ポリマーシート、または布帛材料とポリマーシートとの組み合わせの2層以上を含む積層体もしくは層状材料から形成されてもよい。
【0013】
付属素子111〜115に使用する特定の固定システムに応じて、その固定システムに関連する要素を衣類100に組み込むことができる。例えば、磁気固定システムまたボタン型固定システムを使用する場合は、磁気素子またはボタンを衣類100の布帛材料に組み込むことができる。別の例として、外面107の一部を形成するために、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分のいずれかの要素を衣類100に固定してもよい。あるいは、衣類100を形成する布帛材料が、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分を構成するように、布帛材料を製造してもよい。すなわち、衣類100を形成する布帛材料の一体的な部分として、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分を編成してもよい。この様な形態の利点は、付加的な要素(例えば、磁気素子、ボタン、フック部分またはループ部分の条片)が衣類100に存在しないので、衣類100内の部材数を低減し、全体的な製造プロセスが簡素化されることである。ワンタッチテープ固定システムのループ部分が組み込まれた適切な素材の一例としては、中華民国台湾台北のRUEY TAYにより製造されており、1/75/72のテクスチャ加工マイクロファイバセミダルのポリエステル91%と、スパンデックス(すなわち、エラスタン)9%とを含む縦編みメッシュがある。
【0014】
衣類100は、シャツ型衣服、特に長袖シャツの形態を有するものとして描かれている。ある形態においては、衣類100は、圧縮衣服としての使用を意図するものでもよい。治療用に加えて、圧縮衣服は、ジャージやその他のスポーツ衣類の下にベース層として選手が着用することも多い。一般的に、ベース層を意図した圧縮衣服やその他の衣服は、(a)着用者の肌に近接して比較的タイトフィット性を示したり、(b)着用者の外形に合わせて伸びたりする。圧縮衣服を形成する布帛材料は、引張破断前の一方向伸度が、例えば、10%を超えるものでもよい場合もあるし、引張破断前の(引張破断するまでの)二方向伸度(伸び)が、例えば、少なくとも30%である場合もある。したがって、衣類100が、比較的タイトフィット性を有するように、そして、着用者の外形に合わせて伸びるように形成される場合、衣類100を形成する布帛材料の引張破断前の二方向伸度は、少なくとも30%であればよい。
【0015】
外面107のほぼ全体が、付属素子111〜115を固定するための部位を提供する形態を有する。すなわち、外面107の少なくとも90%が、付属素子111〜115を固定するための部位を提供する。例えば、衣類100を形成する布帛材料の一体的な部分として、ワンタッチテープ固定システムのループ部分を編成する場合、外面107のほぼ全体をこの布帛材料で形成してもよい。しかし、ある形態においては、外面107の一部のみが、付属素子111〜115を固定するための部位を提供してもよい。すなわち、外面107の一部には、固定システムが部分的に存在しなくてもよく、付属素子111〜115を固定するための部位を提供しない布帛材料を外面107の一部に使用してもよい。
【0016】
外面107のほぼ全体が、付属素子111〜115を固定するための部位を提供する形態を有していてもよいが、図3Aにおいて、衣類100は、固定システムが胴体領域101には存在しない形態を有するものとして描かれている。衣類100において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分が、図面に点描またはその他の模様で示す形態を有するものとして描かれているとすると、点描またはその他の模様で示す形態が存在しない領域は、固定システムまたは固定システムの一部が存在しない領域を示す。同様に、図3Bには、固定システムが、腕領域102、103に存在しないが、外面107の少なくとも75%を占める形態が描かれている。図3Cには、固定システムが、胴体領域101の中央部と上部とにのみ存在しているが、外面107の少なくとも50%を占める形態が描かれている。さらに、図3Dには、固定システムが、領域101〜103の選択された部分にのみ存在する形態が描かれている。図3A〜図3Dの各形態において、縫い目109を利用して、固定システムのない布帛要素を、固定システムのある布帛要素に結合することができる。図1〜図3Dにおいて、衣類100は、長袖シャツの形態を有するものとして描かれているが、衣類100に関連する概念が、他のシャツ型衣服に組み込まれていてもよい。例えば、図3Eにおいて、衣類100は、半袖シャツの形態を有するものとして描かれているが、タンクトップ、アンダーシャツ、ジャケットまたはコートであってもよい。
第1のズボン型衣服の形態
ズボン型衣服の形態を有する衣類200が、図4に描かれている。衣類200は、骨盤領域201と、骨盤領域201から外側に延びている一対の脚領域202、203とを含む。骨盤領域201は、着用者の骨盤部分に対応し、着用時には骨盤部分の少なくとも一部を覆う。骨盤領域201の上部には、衣類200の着用時にウエスト周りを取り囲むウエスト開口部204が形成されている。脚領域202は、着用者の右脚に対応し、右脚の少なくとも一部を覆い、脚領域203は、着用者の左脚に対応し、左脚の少なくとも一部を覆う。各脚領域202、203には、足首開口部205が形成され、衣類200の着用時には、そこから着用者の足および足首が突出する。さらに、衣類200は、着用者とは反対向きの外面207を備えている。衣類200は、衣類200の着用時に着用者に対向し、着用者に接触する可能性のある内面208を備えている。
【0017】
図5Aに示すように、様々な付属素子211〜214が、衣類200に固定される。具体的には、ある衣類200の形態において、付属素子211〜214は、内面208に固定されてもよいが、付属素子211〜214は、骨盤領域201および脚領域202、203のいずれかにおいて外面207に固定されてもよい。付属素子111〜115と同様に、付属素子211〜214は、発泡部材や流体充填チャンバ(例えば、気体充填または液体充填)、板状部材、電子装置のいずれでもよい。同様に、付属素子211〜214は、その形状、寸法および厚さが異なるものであってもよい。したがって、付属素子211〜214の形態は、大幅に異なっていてもよい。
【0018】
付属素子211〜214は、衣類200の様々な部位に固定される。衣類100および付属素子111〜115と同様に、衣類200および付属素子211〜214には、それぞれ、付属素子211〜214を外面207に固定するために使用する固定システムの一部が組み込まれている。例えば、ワンタッチテープ固定システム、磁気固定システム、接着固定システムおよびボタン型固定システムを含め、様々な固定システムを使用することができる。参照目的のため、衣類200およびその他の素子において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分は、図面に点描またはその他の模様で示す構成を有するものとして描かれている。
【0019】
固定システムは、衣類200への付属素子211〜214の装着や固定に加えて、衣類200からの付属素子211〜214の脱着や分離を可能とする。したがって、図5Bを参照すると、各付属素子211〜214は、衣類200から分離された状態で描かれている。さらに、固定システムによって、(a)付属素子211〜214を衣類200に対して繰り返し着脱したり、(b)付属素子211〜214を様々な部位に装着したり、(c)付属素子211〜214を様々な向きに装着したりすることができる。したがって、図5Cを参照すると、各付属素子211〜214は、衣類200の様々な部位に様々な向きで再装着された状態で描かれている。
【0020】
衣類200の製造に、衣類100の上記の素材のいずれを使用してもよい。付属素子211〜214に使用する特定の固定システムに応じて、その固定システムに関連する要素を衣類200に組み込むことができる。例えば、磁気固定システムまたはボタン型固定システムを使用する場合は、磁気素子またはボタンを衣類200の布帛材料に組み込むことができる。別の例として、外面207の一部を形成するために、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分のいずれかの要素を、衣類200に固定してもよい。あるいは、衣類200を形成する布帛材料の一体的な部分として、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分を編成してもよい。
【0021】
衣類200は、ズボン型衣服、特にズボンの形態を有するものとして描かれている。ある形態においては、衣類200は、(a)着用者の肌に近接して比較的タイトフィット性を示したり、(b)着用者の外形に合わせて伸びたりする圧縮衣服としての使用を意図するものでもよい。衣類200の布帛材料は、一方向伸縮性を有するものであってもよいが、衣類200を形成する布帛材料の引張破断前の二方向伸度は、少なくとも30%であればよい。
【0022】
外面207のほぼ全体が、付属素子211〜214を固定するための部位を提供する形態を有する。すなわち、外面207の少なくとも90%が、付属素子211〜214を固定するための部位を提供する。例えば、衣類200を形成する布帛材料の一体的な部分として、ワンタッチテープ固定システムのループ部分を編成する場合、外面207のほぼ全体をこの布帛材料で形成してもよい。しかし、ある形態においては、外面207の一部のみが、付属素子211〜214を固定するための部位を提供してもよい。すなわち、外面207の一部には、固定システムが部分的に存在しなくてもよく、付属素子211〜214を固定するための部位を提供しない布帛材料を外面207の一部に使用してもよい。
【0023】
図6Aにおいて、衣類200は、固定システムが脚領域202、203の大部分に存在しない形態で描かれている。衣類200において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分が、図面に点描またはその他の模様で示す構成を有するものとして描かれているとすると、点描またはその他の模様で示す構成が存在しない領域は、固定システムまたは固定システムの一部が存在しない領域を示す。図6Bには、固定システムが、骨盤領域201に存在しないが、外面207の少なくとも75%を占める形態が描かれている。さらに、図6Cには、固定システムが、領域201〜203の選択された部分のみに存在する形態が描かれている。図4〜図6Cにおいて、衣類200は、ズボンの形態を有するものとして描かれているが、衣類200に関連する概念が、他のズボン型衣服に組み込まれていてもよい。例えば、図6Dにおいて、衣類200は、短パンの形態を有するものとして描かれているが、ブリーフ、ジーンズまたは下着であってもよい。さらに、図6Eには、固定システムが、外面の少なくとも50%に存在する短パンの形態が描かれている。
付属素子の形態
付属素子111〜115、211〜214は、着用者の活動、特定の必要性および嗜好に応じて、様々な形態を示すものとすることができる。上記のように、付属素子111〜115、211〜214は、(a)発泡部材、気体充填チャンバまたは板状部材、(b)液体充填チャンバ、または、(c)携帯電話や携帯音楽プレーヤー、計時装置、ロケータビーコン、全地球測位システム、モバイルコンピュータ装置などの電子装置とすることができる。さらに、例えば、付属素子111〜115、211〜214は、その形状、寸法および厚さが大幅に異なるものであってもよい。しかし、一般的に、(a)付属素子111〜115、211〜214を衣類100、衣類200に繰り返し着脱したり、(b)付属素子111〜115、211〜214を様々な部位に装着したり、(c)付属素子111〜115、211〜214を様々な向きに装着したりすることができる固定システムの一部が、各付属素子111〜115、211〜214に組み込まれている。
【0024】
図7〜図9に、付属素子301の具体例が、固定部303によって結合された複数の部分302を含むものとして描かれている。部分302は、例えば、ポリマー発泡材料で形成されていてもよく、複数の切り込み304によって互いに分離されている。また、各部分302は、少なくとも1つの開孔305を備え、これにより、通気性が向上し、付属素子301の総重量が減少する。固定部303は、各部分302に固定され、一般的に、衣類100または衣類200に付属素子301を固定する固定システムの一部が組み込まれている。例えば、衣類100または衣類200を形成する布帛材料に、ワンタッチテープ固定システムのループ部分が組み込まれている場合、固定部303は、ワンタッチテープ固定システムのフック部分を組み込んだものとすることができる。
【0025】
切り込み304の利点は、付属素子301の柔軟性が向上することである。図10を参照して、付属素子301が、屈曲した形態で示されており、この形態においては、切り込み304が開いて、付属素子の湾曲または屈曲を許容する屈曲溝を形成する。以下に詳述するように、屈曲によって、付属素子301は、付属素子301が衣類100または衣類200に固定されている部位において、衣類100または衣類200の形状に適応可能となる。切り込み304は、部分302のポリマー発泡材料全体を貫通していてもよいが、図11Aに示すように、切り込み304が、ポリマー発泡材料の途中(例えば、少なくとも50%)まで達していてもよい。切り込み304は、部分302の上面から下面に向かって延びていてもよいが、図11Bに示すように、切り込み304が、固定部303を貫通して下面から上面に向かって延びていてもよい。さらに、図11Bに示すように、開孔305が、付属素子301に存在しなくてもよい。他の形態においては、図11Cに示すように、切り込み304が存在しなくてもよいし、あるいは、部分302が、付属素子301に先細り形状を付与するものであってもよい。
【0026】
付属素子111〜115と同様に、付属素子301は、衣類100に固定したり、衣類100から脱着したり、その後、衣類100に再装着したりすることができる。図12を参照して、2つの付属素子301が、衣類100に固定された状態で描かれている。一方の付属素子301は、完全な状態にあるのに対し、他方の付属素子301は、別々の部分に分割されて、衣類100の異なる部位に固定されている。したがって、切り込み304は、柔軟性付与に加えて、付属素子301を別々の部分に分割する切断線を形成する。したがって、着用者は、特定の必要性または目的に合わせて、付属素子301の形状および寸法を調整または特別仕様とするために、付属素子301を別々の部分に分割することができる。図13を参照して、付属素子301の一部分が、衣類100、特に腕領域103に装着された状態で示されている。付属素子301の上記の部分は、2つの部分302の間の切り込み304によって、腕領域103における曲率に合わせて屈曲可能となる。
【0027】
部分302を形成するポリマー発泡材料は、圧縮力を減衰し(すなわち、パッド/クッション性を付与し)、付属素子301または付属素子301の一部分を配置した着用者の部位に衝撃保護を提供する。例えば、着用者が肩領域に怪我をしている場合、付属素子301を肩領域上に配置して衣類100に固定し、スポーツ活動中に肩領域を保護するようにしてもよい。同様に、着用者が腹部領域に怪我をしている場合、腹部領域を保護するように付属素子301を配置してもよい。したがって、着用者の特定部位を保護するために、付属素子301または付属素子301の一部分を使用することができる。
【0028】
図14および図15に、別の付属素子311の例が、固定部313によって結合されている複数の部分312を含むものとして描かれている。部分312は、例えば、ポリマー発泡材料で形成されていてもよく、複数の切り込み314によって互いに分離される。また、各部分312は、少なくとも1つの開孔315を有するものであってもよい。固定部313は、各部分312に固定され、一般的に、衣類100または衣類200に付属素子311を固定する固定システムの一部が組み込まれている。例えば、衣類100または衣類200を形成する布帛材料に、ワンタッチテープ固定システムのループ部分が組み込まれている場合、固定部313は、ワンタッチテープ固定システムのフック部分を組み込んだものとすることができる。切り込み314の利点は、付属素子311の柔軟性が向上することである。
【0029】
付属素子211〜214と同様に、付属素子311は、衣類200に固定したり、衣類200から脱着したり、その後、衣類200に再装着したりすることができる。図16を参照して、2つの付属素子311が、衣類200に固定された状態で描かれている。一方の付属素子311は、完全な状態にあるのに対し、他方の付属素子311は、別々の部分に分割されて、衣類200の異なる部位に固定されている。したがって、切り込み314は、柔軟性付与に加えて、付属素子311を別々の部分に分割する切断線を形成する。したがって、着用者は、特定の必要性または目的に合わせて、付属素子311の形状および寸法を調整または特別仕様とするために、付属素子311を別々の部分に分割することができる。図17を参照して、付属素子311が、衣類200、特に脚領域202に装着された状態で示されている。付属素子311は、切り込み314によって、脚領域202における曲率に合わせて屈曲可能となる。付属素子301と同様に、着用者の特定部位を保護するために、付属素子311または付属素子311の一部分を使用することができる。
【0030】
図18および図19に、別の付属素子321の例が、板状部材322と固定部323とを有するものとして描かれている。部分302、312は、ポリマー発泡材料で形成するものとして検討したが、板状部材322を、例えば、非発泡ポリマー材料またはゴムで形成してもよい。しかし、ある形態においては、ポリマー発泡材料を板状部材322のために使用してもよい。また、板状部材322および固定部323には、それぞれ、複数の開孔325が形成されていてもよい。付属素子301、311のポリマー発泡材料と同様に、着用者の特定部位を保護するために、付属素子321の板状部材の形態を使用してもよい。
【0031】
図20〜図22に、更に別の付属素子331の例が、チャンバ部332と固定部333とを有するものとして描かれている。チャンバ部332は、流体を受け入れるための内部空隙を構成するポリマー材料で形成されている。固定部333は、チャンバ部332に固定され、一般的に、衣類100または衣類200に付属素子331を固定する固定システムの一部が組み込まれている。付属素子331の柔軟性を高めるために、複数の凹部334が、チャンバ部332の表面に形成されている。チャンバ部332の空隙内に、気体または液体を配置してもよい。ある形態においては、チャンバ部332は、着用者によるチャンバ部332内への液体の配置や、チャンバ部332からの液体の排出を可能とする開口部を備えたものであってもよい。
【0032】
チャンバ部332が、加圧気体などの気体を含む場合、付属素子331を使用して、圧縮力を減衰し(すなわち、パッド/クッション性を付与し)、付属素子331を配置した着用者の部位に衝撃保護を提供してもよい。すなわち、着用者の特定部位を保護するために、付属素子331を使用することができる。チャンバ部332の空隙内に液体が配置されている場合、この液体を使用して、付属素子331を配置した着用者の部位を加熱または冷却することができる。具体的には、付属素子331および付属素子331内の液体を加熱または冷却してもよい。付属素子331および付属素子331内の液体は、着用者の特定部位に近接して配置されると、着用者の特定部位に対して熱を与えたり、熱を奪ったりすることができる。
【0033】
図23および図24に、更なる付属素子341の例が、電子装置342を含むものとして描かれている。固定部343は、装置342の裏面に固定され、一般的に、衣類100または衣類200に付属素子341を固定する固定システムの一部が組み込まれている。例えば、電子装置342は、携帯電話や携帯音楽プレーヤー、計時装置、ロケータビーコン、全地球測位システム、モバイルコンピュータ装置のいずれであってもよい。
第2のシャツ型衣服の形態
シャツ型衣服の形態を有する衣類400が、図25に描かれている。衣類400は、胴体領域401と、胴体領域401から外側に延びている一対の腕領域402、403とを含む。胴体領域401は、着用者の胴体に対応し、着用時には胴体の少なくとも一部を覆う。胴体領域401の上部には、首開口部404が形成され、衣類400の着用時には、そこから着用者の首および頭が突出する。同様に、胴体領域401の下部には、ウエスト開口部405が形成され、衣類400の着用時には、そこから着用者のウエストまたは骨盤部分が突出する。腕領域402は、着用者の右腕に対応し、右腕の少なくとも一部を覆い、腕領域403は、着用者の左腕に対応し、左腕の少なくとも一部を覆う。各腕領域402、403には、手首開口部406が形成され、衣類400の着用時には、そこから着用者の手および手首が突出する。
【0034】
衣類400は、各領域401〜403に及ぶ外層407および隣接する内層408を含む2層構造を示す。外層407は、衣類400の外側を形成する一方、内層408は、衣類400の着用時に着用者に接触する可能性のある内側を形成する。様々な付属素子411が、層407、408の間に固定される。具体的には、付属素子411は、胴体領域401および各腕領域402、403において、層407、408の間に固定される。付属素子411は、発泡部材や流体充填チャンバ(例えば、気体充填または液体充填)、板状部材、電子装置のいずれであってもよい。例示目的のために、付属素子411は、略正方形の外観を有するものとして描かれているが、その形状、寸法および厚さが大幅に異なるものであってもよい。
【0035】
衣類400および付属素子411には、それぞれ、層407、408の間に付属素子411を固定するために使用する固定システムの一部が組み込まれている。固定システムは、衣類400への付属素子411の装着や固定に加えて、衣類400からの付属素子411の脱着や分離を可能とする。衣類100、200と同様に、例えば、ワンタッチテープ固定システム、磁気固定システム、接着固定システムおよびボタン型固定システムを含め、様々な固定システムを使用することができる。参照目的のため、衣類400および付属素子411において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分は、図面に点描またはその他の模様で示す構成を有するものとして描かれている。具体的には、図26を参照して、(a)互いに接触する層407、408の表面、および、(b)付属素子411の対向面が、それぞれ、固定システムの一部を備えている。すなわち、(a)外層407の内面が固定システムの一部を備えていたり、(b)内層408の外面が固定システムの一部を備えていたり、(c)各付属素子411の両面が固定システムの一部を備えていたりする。したがって、図27に示すように、付属素子411のうちの1つが、層407、408の間に配置されている場合、層407、408の対向面に関連して設けられた固定システム部分が、それぞれ、付属素子411の両側に配置された固定システム部分と結合する。
【0036】
付属素子111〜115、211〜214、301、311、321、331、341は、その片面のみに衣類に結合する固定システムの一部が組み込まれていたが、付属素子411は、その両面に固定システムの一部が組み込まれており、衣類400(すなわち、層407、408)と結合する。この形態の利点は、付属素子411が確実に衣類400に固定され、衣類400から不注意に脱着する可能性が低いことである。具体的には、付属素子411の両面を層407、408の間で衣類400に固定することによって、付属素子411が衣類400からはぎ取られたり落下したりする可能性が低くなる。付属素子411に液体充填チャンバが組み込まれている形態においては、各付属素子411は、比較的重くてもよく、両面で固定するのが有利であろう。したがって、衣類400の2層構造は、付属素子411が確実に固定され、衣類400から不注意に脱着する可能性が低い形態を提供する。
【0037】
以下の検討目的のために、衣類400および付属素子411に組み込まれている固定システムが、ワンタッチテープ固定システムであると仮定する。ワンタッチテープ固定システムのフック部分およびループ部分を、衣類400および付属素子411の様々な部分に関連して設けることができる。例えば、(a)各層407、408にループ部分を組み込み、付属素子411の両面にフック部分を組み込んでもよいし、(b)各層407、408にフック部分を組み込み、付属素子411の両面にループ部分を組み込んでもよいし、(c)層407にフック部分を組み込み、層408にループ部分を組み込み、付属素子411の両面にフック部分とループ部分とを組み込んでもよいし、(d)層407にループ部分を組み込み、層408にフック部分を組み込み、付属素子411の両面にフック部分とループ部分とを組み込んでもよい。上記の形態のいずれを使用してもよいが、各層407、408にループ部分またはフック部分を組み込むように衣類400を構成すること(すなわち、例(a)または(b))の利点は、層407、408が互いに結合する傾向が小さくなることである。
【0038】
衣類400の製造に、衣類100の上記の素材のいずれを使用してもよい。衣類400および付属素子411にワンタッチテープ固定システムを組み込む場合、フック部分またはループ部分の要素を、層407、408の対向面および付属素子411の両面に固定してもよい。あるいは、ワンタッチテープ固定システムのフック部分またはループ部分を、各層407、408を形成する布帛材料の一体的な部分として編成してもよい。ある形態においては、布帛材料は、通気性耐水性バリアを形成するコーティングを含むものであってもよいし、布帛材料の代わりにポリマーシートを使用してもよい。また、各層407、408は、布帛材料、ポリマーシート、または布帛材料とポリマーシートとの組み合わせの2層以上を含む積層材料または層状材料で形成してもよい。
【0039】
衣類400は、シャツ型衣服、特に長袖シャツの形態を有するものとして描かれている。衣類400は、ルーズフィット形態を有することを意図してもよいが、衣類400は、圧縮衣服としての使用を意図してもよい。上記のように、圧縮衣服や、ベース層を意図するその他の衣服は、(a)着用者の肌に近接して比較的タイトフィット性を示したり、(b)着用者の外形に合わせて伸びたりする。圧縮衣服を形成する布帛材料は、引張破断前の一方向伸度が、例えば、10%を超えるものでもよい場合もあるし、引張破断前の二方向伸度が、例えば、少なくとも30%である場合もある。したがって、衣類400が、比較的タイトフィット性を有するように、そして、着用者の外形に合わせて伸びるように形成される場合、衣類400(すなわち、層407、408)を形成する布帛材料の引張破断前の二方向伸度は、少なくとも30%であればよい。ある形態においては、外層407が、ルーズフィット構成を提供し、内層408が、比較的タイトフィット伸縮性を提供するものであってもよい。他の形態においては、内層408が、ルーズフィット構成を提供し、外層407が、比較的タイトフィット伸縮性を提供するものであってもよい。
【0040】
外層407および内層408は、それぞれ、領域401〜403のほぼ全域に及び、これにより、付属素子411を領域401〜403の任意の部位に固定することができる。ある形態においては、層407、408の一部にのみ固定システムの一部を組み込んでもよい。例えば、層407、408は、領域401〜403のほぼ全域に及んでいてもよいが、固定システムが、胴体領域401には存在しなくてもよく、または、腕領域402、403に存在しなくてもよい。他の形態においては、層407、408は、着用者の様々な部位を覆うものであってもよい。例えば、図28Aに、内層408を胴体領域401の上部および腕領域402、403の上部に限定した形態が描かれている。この形態において、固定システムは、衣類400の少なくとも50%に存在している。また、図28Bに示すように、内層408が、腕領域402、403に存在しなくてもよい。図28Cに、内層408が腕領域402、403にのみ配置されている形態が描かれている。この形態において、固定システムは、衣類400の少なくとも20%に存在している。さらに、図28Dには、(a)外層407が腕領域402、403の下部には存在しないが、内層408が各領域401〜403におよぶ形態が描かれている。図25〜図28Dにおいて、衣類400は、長袖シャツの形態を有するものとして描かれているが、衣類400に関連する概念を、半袖シャツやタンクトップ、アンダーシャツ、ジャケット、コートなど、その他のシャツ型衣服に組み込んでもよい。したがって、固定システムおよび層407、408で覆われる相対的な部位は、大幅に異なっていてもよい。
第2のズボン型衣服の形態
衣類400に関連する様々な概念を、他の種類の衣類に組み込んでもよい。ズボン型衣服の形態を有する衣類500が、図29および図30に描かれている。衣類500は、骨盤領域501と、骨盤領域501から外側に延びている一対の脚領域502、503とを含む。衣類400と同様に、衣類500は、領域501〜503に及ぶ外層507および隣接する内層508を含む2層構造を有する。外層507は、衣類500の外側を形成する一方、内層508は、衣類500の着用時に着用者に接触する可能性のある内側を形成する。衣類500の製造に、上記の素材のいずれを使用してもよい。図31に示すように、様々な付属素子511が、層507、508の間に固定される。付属素子511は、発泡部材や流体充填チャンバ(例えば、気体充填または液体充填)、板状部材、電子装置のいずれであってもよい。例示目的のために、付属素子511は、略正方形の外観を有するものとして描かれているが、その形状、寸法および厚さが大幅に異なるものであってもよい。
【0041】
衣類500および付属素子511には、それぞれ、層507、508の間に付属素子511を固定するために使用する固定システムの一部が組み込まれている。固定システムは、衣類500への付属素子511の装着や固定に加えて、衣類500からの付属素子511の脱着や分離を可能とする。例えば、ワンタッチテープ固定システム、磁気固定システム、接着固定システムおよびボタン型固定システムを含め、様々な固定システムを使用することができる。ワンタッチテープ固定システムを組み込む場合、各層507、508にループ部分またはフック部分を組み込むように衣類500を形成することの利点は、層507、508が互いに結合する傾向が小さくなることである。参照目的のため、衣類500および付属素子511において固定システムまたは固定システムの一部を組み込んだ部分は、図面に点描またはその他の模様で示す構成を有するものとして描かれている。
【0042】
衣類500は、ルーズフィット形態を有することを意図していてもよいが、衣類500は、圧縮衣服としての使用を意図してもよい。上記のように、圧縮衣服や、ベース層を意図するその他の衣服は、(a)着用者の肌に近接して比較的タイトフィット性を示したり、(b)着用者の外形に合わせて伸びたりする。圧縮衣服を形成する布帛材料は、引張破断前の一方向伸度が、例えば、10%を超えるものでもよい場合もあるし、引張破断前の二方向伸度が、例えば、少なくとも30%である場合もある。したがって、衣類500が、比較的タイトフィット性を有するように、そして、着用者の外形に合わせて伸びるように形成される場合、衣類500(すなわち、層507、508)を形成する布帛材料の引張破断前の二方向伸度は、少なくとも30%であればよい。ある形態においては、外層507が、ルーズフィット構成を提供し、内層508が、比較的タイトフィット伸縮性を提供するものであってもよい。他の形態においては、内層508が、ルーズフィット構成を提供し、外層507が、比較的タイトフィット伸縮性を提供するものであってもよい。
【0043】
外層507および内層508は、それぞれ、領域501〜503のほぼ全域に及び、これにより、付属素子511を領域501〜503の任意の部位に固定することができる。ある形態においては、層507、508の一部にのみ固定システムの一部を組み込んでもよい。例えば、層507、508は、領域501〜503のほぼ全域に及んでいてもよいが、固定システムが、骨盤領域501には存在しなくてもよく、または、脚領域502、503に存在しなくてもよい。他の形態においては、層507、508は、着用者の様々な部位を覆うものであってもよい。例えば、図32Aに、内層508を骨盤領域501に限定した形態が描かれている。この形態において、固定システムは、衣類500の少なくとも50%に存在している。また、図32Bに示すように、内層508が、骨盤領域501に存在しなくてもよい。図32Cに、内層508が衣類500の側部にのみ配置されている形態が描かれている。この形態において、固定システムは、衣類500の少なくとも20%に存在している。図29〜図32Cにおいて、衣類500は、短パンの形態を有するものとして描かれているが、衣類500に関連する概念を、図32Dのようにズボンに組み込んでもよいし、または、ブリーフ、ジーンズおよび下着に組み込んでもよい。したがって、固定システムおよび層507、508で覆われる相対的な部位は、大幅に異なっていてもよい。
更なる付属素子の形態
付属素子411、511は、着用者の活動、特定の必要性および嗜好に応じて、様々な形態を示すものとすることができる。図33〜図35において、付属素子601の例が、複数の切り込み604によって互いに分割された複数の部分602を含むものとして描かれている。一対の固定部603a、603bが部分602の両側に固定されている。切り込み604は、固定部603aを貫通しており、固定部603bは、切り込み604を横切って広がっている。固定部603a、603bには、付属素子601を衣類400または衣類500に固定する固定システムの一部が組み込まれている。すなわち、固定部603a、603bは、部分602の両面に配置されて、層407、408または507、508の対向面と結合する。例えば、衣類400または衣類500を形成する布帛材料に、ワンタッチテープ固定システムのループ部分が組み込まれている場合、固定部603a、603bには、ワンタッチテープ固定システムのフック部分を組み込むことができる。切り込み604の利点は、図36に示すように、付属素子601の柔軟性が向上することである。したがって、一般的に、付属素子601は、付属素子301と同様であるが、固定システムの追加部材が反対側の面に設けられている。
【0044】
図37および図38に、別の付属素子611の例が、2つ固定部613a、613bの間に配置された板状部材(図示せず)を有するものとして描かれている。固定部613a、613bは、板状部材の両面に配置され、層407、408または507、508の対向面と結合する。したがって、一般的に、付属素子611は、付属素子321と同様であるが、固定システムの追加部材が反対側の面に設けられている。
【0045】
図39〜図41に、更に別の付属素子621の例が、2つの固定部623a、623bの間に配置されたチャンバ部622を有するものとして描かれている。チャンバ部622は、流体を受け入れるための内部空隙を形成するポリマー材料で形成されている。チャンバ部622の空隙内に、気体または液体を配置してもよい。ある形態において、チャンバ部622は、着用者によるチャンバ部622内への液体の配置や、チャンバ部622からの液体の排出を可能とする開口部を備えたものであってもよい。固定部623a、623bは、チャンバ部622の両面に配置され、層407、408または507、508の対向面と結合する。したがって、一般的に、付属素子621は、付属素子331と同様であるが、固定システムの追加部材が反対側の面に設けられている。
【0046】
本発明は、様々な形態を参照して、上記および添付図面に開示されている。しかし、本開示が果たす目的は、本発明に関する様々な特徴および概念を例示することであり、本発明の範囲を限定することではない。当業者は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、上記の形態に対して数々の変形および変更が可能であることを認識するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内層と、前記内層に近接して配置された外層とを備え、前記内層の表面が、前記外層の表面に接触するようになっている衣類であって、前記内層の前記表面および前記外層の前記表面が、それぞれ、固定システムの第1の部分を有する衣類と、
前記固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の面を備えた付属素子とを含む、衣類システムであって、
前記付属素子を前記内層と前記外層との間で前記衣類に固定するために、前記固定システムの前記第1の部分が、前記固定システムの前記第2の部分に結合可能であり、前記衣類から前記付属素子を分離するために、前記固定システムの前記第1の部分が、前記固定システムの前記第2の部分から分離可能である、衣類システム。
【請求項2】
前記固定システムの前記第1の部分が、前記内層の前記表面および前記外層の前記表面のそれぞれの少なくとも20%を形成するワンタッチテープ固定システムの一部である、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項3】
前記固定システムの前記第1の部分が、前記内層の前記表面および前記外層の前記表面のそれぞれの少なくとも50%を形成するワンタッチテープ固定システムの一部である、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項4】
前記付属素子が、流体充填チャンバである、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項5】
前記流体充填チャンバ内に、液体が配置されている、請求項4に記載の衣類システム。
【請求項6】
前記付属素子に、ポリマー発泡材料が組み込まれている、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項7】
前記付属素子が、板状部材である、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項8】
前記衣類が、
胴体領域と、前記胴体領域から外側に延びている一対の腕領域とを有するシャツ型衣服であって、前記固定システムの前記第1の部分が、前記胴体領域および各腕領域に配置されているシャツ型衣服と、
骨盤領域と、前記骨盤領域から外側に延びている一対の脚領域とを有するズボン型衣服であって、前記固定システムの前記第1の部分が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されているズボン型衣服とのいずれか一方である、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項9】
前記内層および前記外層の少なくとも一方が、引張破断前に少なくとも30%伸びる布帛で形成されている、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項10】
内層と、前記内層に近接して配置された外層とを備え、前記内層の表面が、前記外層の表面に接触するようになっている衣類であって、前記内層の前記表面の少なくとも20%および前記外層の前記表面の少なくとも20%が、それぞれ、ワンタッチテープ固定システムの第1の部分を有し、前記内層および前記外層の少なくとも一方が、引張破断前に少なくとも30%伸びる布帛で形成されている衣類と、
少なくとも部分的に圧縮可能材料で形成され、前記ワンタッチテープ固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の面を有する付属素子とを含む衣類システムであって、
前記チャンバを前記内層と前記外層との間で前記衣類に固定するために、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分に結合可能であり、前記衣類から前記チャンバを分離するために、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分から分離可能である、衣類システム。
【請求項11】
前記圧縮可能材料が、ポリマー発泡材料である、請求項10に記載の衣類システム。
【請求項12】
前記付属素子の前記面の少なくとも一方に、屈曲線を形成する複数の凹部が形成されている、請求項11に記載の衣類システム。
【請求項13】
前記衣類が、
胴体領域と、前記胴体領域から外側に延びている一対の腕領域とを有するシャツ型衣服であって、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記胴体領域および各腕領域に配置されているシャツ型衣服と、
骨盤領域と、前記骨盤領域から外側に延びている一対の脚領域とを有するズボン型衣服であって、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されているズボン型衣服とのいずれか一方である、請求項10に記載の衣類システム。
【請求項14】
着用者の身体の少なくとも一部を覆うための衣類であって、内層と外層とを備え、前記内層および前記外層の少なくとも一方が、引張破断前の二方向伸度が少なくとも30%の布帛から形成されており、前記外層が、前記内層に近接して配置されて、前記外層の表面が前記内層の表面に接触するようになっており、前記内層の前記表面の少なくとも20%および前記外層の前記表面の少なくとも20%が、それぞれ、ワンタッチテープ固定システムの第1の部分を有している、衣類。
【請求項15】
前記外層が、前記内層の少なくとも50%に近接して覆っている、請求項14に記載の衣類。
【請求項16】
当該衣類が、胴体領域と、前記胴体領域から外側に延びている一対の腕領域とを有するシャツ型衣服であり、前記内層および前記外層のそれぞれの少なくとも一部が、前記胴体領域および各腕領域に配置されている、請求項14に記載の衣類。
【請求項17】
前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記胴体領域および各腕領域に配置されている、請求項16に記載の衣類。
【請求項18】
当該衣類が、骨盤領域と、前記骨盤領域から外側に延びている一対の脚領域とを有するズボン型衣服であり、前記内層および前記外層のそれぞれの少なくとも一部が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されている、請求項14に記載の衣類。
【請求項19】
前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されている、請求項18に記載の衣類。
【請求項20】
前記ワンタッチテープ固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の面を備えた付属素子を含み、前記付属素子を前記内層と前記外層との間で当該衣類に固定するために、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分と結合可能であり、当該衣類から前記付属素子を分離するために、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分から分離可能である、請求項14に記載の衣類。
【請求項21】
前記付属素子が、ポリマー発泡材料および流体充填チャンバの少なくとも一方を備えている、請求項20に記載の衣類。
【請求項22】
胴体領域と、前記胴体領域から外側に延びている一対の腕領域とを有し、互いに隣接配置された内層と外層とを備え、前記内層の表面が、前記外層の表面に接触するようになっているシャツ型衣服であって、前記内層の前記表面の少なくとも20%および前記外層の前記表面の少なくとも20%が、それぞれ、ワンタッチテープ固定システムの第1の部分を有しており、前記内層および前記外層のそれぞれの少なくとも一部が、前記胴体領域および各腕領域に配置されているシャツ型衣服と、
少なくとも部分的にポリマー発泡材料で形成され、前記ワンタッチテープ固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の表面を有する付属素子であって、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分に対して着脱可能に結合可能な付属素子とを含む、衣類システム。
【請求項23】
前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記胴体領域および各腕領域に配置されている、請求項22に記載の衣類システム。
【請求項24】
骨盤領域と、前記骨盤領域から外側に延びている一対の脚領域とを有し、互いに隣接配置された内層と外層とを備え、前記内層の表面が、前記外層の表面に接触するようになっているズボン型衣服であって、前記内層の前記表面の少なくとも20%および前記外層の前記表面の少なくとも20%が、それぞれ、ワンタッチテープ固定システムの第1の部分を有しており、前記内層および前記外層のそれぞれの少なくとも一部が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されているズボン型衣服と、
少なくとも部分的にポリマー発泡材料で形成され、前記ワンタッチテープ固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の表面を有する付属素子であって、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分に対して着脱可能に結合可能な付属素子とを含む、衣類システム。
【請求項25】
前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されている、請求項24に記載の衣類システム。
【請求項1】
内層と、前記内層に近接して配置された外層とを備え、前記内層の表面が、前記外層の表面に接触するようになっている衣類であって、前記内層の前記表面および前記外層の前記表面が、それぞれ、固定システムの第1の部分を有する衣類と、
前記固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の面を備えた付属素子とを含む、衣類システムであって、
前記付属素子を前記内層と前記外層との間で前記衣類に固定するために、前記固定システムの前記第1の部分が、前記固定システムの前記第2の部分に結合可能であり、前記衣類から前記付属素子を分離するために、前記固定システムの前記第1の部分が、前記固定システムの前記第2の部分から分離可能である、衣類システム。
【請求項2】
前記固定システムの前記第1の部分が、前記内層の前記表面および前記外層の前記表面のそれぞれの少なくとも20%を形成するワンタッチテープ固定システムの一部である、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項3】
前記固定システムの前記第1の部分が、前記内層の前記表面および前記外層の前記表面のそれぞれの少なくとも50%を形成するワンタッチテープ固定システムの一部である、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項4】
前記付属素子が、流体充填チャンバである、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項5】
前記流体充填チャンバ内に、液体が配置されている、請求項4に記載の衣類システム。
【請求項6】
前記付属素子に、ポリマー発泡材料が組み込まれている、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項7】
前記付属素子が、板状部材である、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項8】
前記衣類が、
胴体領域と、前記胴体領域から外側に延びている一対の腕領域とを有するシャツ型衣服であって、前記固定システムの前記第1の部分が、前記胴体領域および各腕領域に配置されているシャツ型衣服と、
骨盤領域と、前記骨盤領域から外側に延びている一対の脚領域とを有するズボン型衣服であって、前記固定システムの前記第1の部分が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されているズボン型衣服とのいずれか一方である、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項9】
前記内層および前記外層の少なくとも一方が、引張破断前に少なくとも30%伸びる布帛で形成されている、請求項1に記載の衣類システム。
【請求項10】
内層と、前記内層に近接して配置された外層とを備え、前記内層の表面が、前記外層の表面に接触するようになっている衣類であって、前記内層の前記表面の少なくとも20%および前記外層の前記表面の少なくとも20%が、それぞれ、ワンタッチテープ固定システムの第1の部分を有し、前記内層および前記外層の少なくとも一方が、引張破断前に少なくとも30%伸びる布帛で形成されている衣類と、
少なくとも部分的に圧縮可能材料で形成され、前記ワンタッチテープ固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の面を有する付属素子とを含む衣類システムであって、
前記チャンバを前記内層と前記外層との間で前記衣類に固定するために、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分に結合可能であり、前記衣類から前記チャンバを分離するために、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分から分離可能である、衣類システム。
【請求項11】
前記圧縮可能材料が、ポリマー発泡材料である、請求項10に記載の衣類システム。
【請求項12】
前記付属素子の前記面の少なくとも一方に、屈曲線を形成する複数の凹部が形成されている、請求項11に記載の衣類システム。
【請求項13】
前記衣類が、
胴体領域と、前記胴体領域から外側に延びている一対の腕領域とを有するシャツ型衣服であって、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記胴体領域および各腕領域に配置されているシャツ型衣服と、
骨盤領域と、前記骨盤領域から外側に延びている一対の脚領域とを有するズボン型衣服であって、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されているズボン型衣服とのいずれか一方である、請求項10に記載の衣類システム。
【請求項14】
着用者の身体の少なくとも一部を覆うための衣類であって、内層と外層とを備え、前記内層および前記外層の少なくとも一方が、引張破断前の二方向伸度が少なくとも30%の布帛から形成されており、前記外層が、前記内層に近接して配置されて、前記外層の表面が前記内層の表面に接触するようになっており、前記内層の前記表面の少なくとも20%および前記外層の前記表面の少なくとも20%が、それぞれ、ワンタッチテープ固定システムの第1の部分を有している、衣類。
【請求項15】
前記外層が、前記内層の少なくとも50%に近接して覆っている、請求項14に記載の衣類。
【請求項16】
当該衣類が、胴体領域と、前記胴体領域から外側に延びている一対の腕領域とを有するシャツ型衣服であり、前記内層および前記外層のそれぞれの少なくとも一部が、前記胴体領域および各腕領域に配置されている、請求項14に記載の衣類。
【請求項17】
前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記胴体領域および各腕領域に配置されている、請求項16に記載の衣類。
【請求項18】
当該衣類が、骨盤領域と、前記骨盤領域から外側に延びている一対の脚領域とを有するズボン型衣服であり、前記内層および前記外層のそれぞれの少なくとも一部が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されている、請求項14に記載の衣類。
【請求項19】
前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されている、請求項18に記載の衣類。
【請求項20】
前記ワンタッチテープ固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の面を備えた付属素子を含み、前記付属素子を前記内層と前記外層との間で当該衣類に固定するために、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分と結合可能であり、当該衣類から前記付属素子を分離するために、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分から分離可能である、請求項14に記載の衣類。
【請求項21】
前記付属素子が、ポリマー発泡材料および流体充填チャンバの少なくとも一方を備えている、請求項20に記載の衣類。
【請求項22】
胴体領域と、前記胴体領域から外側に延びている一対の腕領域とを有し、互いに隣接配置された内層と外層とを備え、前記内層の表面が、前記外層の表面に接触するようになっているシャツ型衣服であって、前記内層の前記表面の少なくとも20%および前記外層の前記表面の少なくとも20%が、それぞれ、ワンタッチテープ固定システムの第1の部分を有しており、前記内層および前記外層のそれぞれの少なくとも一部が、前記胴体領域および各腕領域に配置されているシャツ型衣服と、
少なくとも部分的にポリマー発泡材料で形成され、前記ワンタッチテープ固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の表面を有する付属素子であって、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分に対して着脱可能に結合可能な付属素子とを含む、衣類システム。
【請求項23】
前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記胴体領域および各腕領域に配置されている、請求項22に記載の衣類システム。
【請求項24】
骨盤領域と、前記骨盤領域から外側に延びている一対の脚領域とを有し、互いに隣接配置された内層と外層とを備え、前記内層の表面が、前記外層の表面に接触するようになっているズボン型衣服であって、前記内層の前記表面の少なくとも20%および前記外層の前記表面の少なくとも20%が、それぞれ、ワンタッチテープ固定システムの第1の部分を有しており、前記内層および前記外層のそれぞれの少なくとも一部が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されているズボン型衣服と、
少なくとも部分的にポリマー発泡材料で形成され、前記ワンタッチテープ固定システムの第2の部分をそれぞれが有する一対の反対側の表面を有する付属素子であって、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第2の部分が、前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分に対して着脱可能に結合可能な付属素子とを含む、衣類システム。
【請求項25】
前記ワンタッチテープ固定システムの前記第1の部分が、前記骨盤領域および各脚領域に配置されている、請求項24に記載の衣類システム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図28D】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32A】
【図32B】
【図32C】
【図32D】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図6D】
【図6E】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図28D】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32A】
【図32B】
【図32C】
【図32D】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【公表番号】特表2011−530019(P2011−530019A)
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−521180(P2011−521180)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/050860
【国際公開番号】WO2010/014427
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/050860
【国際公開番号】WO2010/014427
【国際公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【出願人】(505424859)ナイキ インターナショナル リミテッド (249)
【Fターム(参考)】
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