装着部材及び照明装置
【課題】板厚の異なる天井に対して十分な押圧力を生ぜしめる装着部材、板ばね及び照明装置を提供する。
【解決手段】V字状をなす板ばね1において、板ばね1の一側に、他側に向けて凸状に湾曲し、板ばねの長手方向に沿う断面形状が円弧状である押圧部14,16を複数設けており、屈曲部13の側が下側になるように適切に板ばね1を照明装置本体に取付けることにより、天井に設けた取付孔に照明装置本体を設置したときに、板厚の異なる天井に対して複数の押圧部14,16の何れか一つが前記天井に上側から当接されることになり、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて部材を天井に固定することができる。
【解決手段】V字状をなす板ばね1において、板ばね1の一側に、他側に向けて凸状に湾曲し、板ばねの長手方向に沿う断面形状が円弧状である押圧部14,16を複数設けており、屈曲部13の側が下側になるように適切に板ばね1を照明装置本体に取付けることにより、天井に設けた取付孔に照明装置本体を設置したときに、板厚の異なる天井に対して複数の押圧部14,16の何れか一つが前記天井に上側から当接されることになり、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて部材を天井に固定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に開口された取付孔に設置される機器本体を天井に装着する装着部材、板ばね及び該装着部材又は板ばねを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天井に開口された取付孔に設置される照明装置、所謂ダウンライトは、天井の取付孔に下側から挿入され、照明装置本体に設けられた固定具により天井に固定される。この照明装置においては、一般に、固定具としてV字状をなす板ばねを用い、該板ばねの弾性変形に応じて生じる付勢力により天井を押し付けることにより、天井に固定されるように構成してある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された照明装置は、天井に設けられた取付孔に設置される略円筒状又は筐状を有する外枠と、該外枠に設けた掛止具にて外枠の内側に掛止される照明装置本体とを備え、前記外枠の外周壁に設けた固定具と、外枠の下端に設けられた鍔部とにより天井の上下面を挟持することにより照明装置本体を固定するように構成してある。固定具は、V字状をなす板ばねであり、外枠に取付けられる取付部を一側に、該一側に向けて凸状に湾曲している円弧状の押圧部を他側に有している。天井に設けた取付孔に外枠を挿入したとき、固定具の弾性変形に応じて生じる付勢力により固定具の押圧部が取付孔の上縁部に斜め上側から押し付けられて天井に下方向の力が作用し、この反作用により外枠が固定具から上方向の力を受け、鍔部の上面が天井の下面に圧着することになり、この結果、照明装置が天井に固定される。
【特許文献1】特開2007−128789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に、天井に設けられた取付孔の直径は50〜300mmの範囲にあり、天井の板厚は5〜25mmの範囲にある。照明装置の外形寸法は、板ばね等の装着部材を設置可能なように、照明装置本体の外周壁と取付孔の周面とが適長離隔するように取付孔の直径に応じて決定してある。
【0005】
特許文献1の如く、円弧状の押圧部を一つのみ有する板ばねを備える照明装置においては、ある板厚の天井に対しては、適切な押圧力を天井に作用させて照明装置を固定することが可能であるが、その板厚よりも大きな板厚の天井に照明装置を設置する場合には、天井の上面に対する押圧部のなす角度が大きくなり、下方向の押圧力が不足してしまい、照明装置を十分に保持することができないという虞があった。そして照明装置に下方向の力が作用したのち該力が解除されたとき、照明装置が元の位置に復帰できないという虞があった。この対策として、天井の板厚に応じて形状の異なる板ばねを用いるということも考えられるが、照明装置の設置の作業性、板ばねの生産効率等の観点から好ましくない。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、板厚の異なる天井に対して十分な押圧力を生ぜしめる装着部材、板ばね及び該装着部材又は板ばねを備える照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の装着部材は、照明装置等を天井等の異なる厚さの被装着部に装着するのに使用する装着部材であって、前記異なる厚さの被装着部に対応する複数の押圧部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、照明装置等を天井等の被装着部に装着する場合において、板厚の異なる被装着部に対して複数の押圧部の何れか一つが当接して押圧されることになり、板厚の異なる被装着部に対して十分な押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置等を天井等の被装着部に装着することができる。
【0009】
本発明の装着部材は、さらに、前記押圧部は、円弧状であることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、複数の押圧部の何れか一つが天井等の被装着部に上側から当接して押圧されることになり、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置等を天井等の被装着部に固定することができる。
【0011】
本発明の装着部材は、さらに、前記押圧部は、前記被装着部に対して垂直方向の力を含む力で押圧することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、複数の押圧部の何れか一つが天井等の被装着部に上側から当接して押圧されることになり、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置等を天井等の被装着部に固定することができる。
【0013】
本発明の装着部材は、さらに、前記複数の押圧部は、異なる曲率半径にて湾曲してなることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、複数の押圧部は異なる曲率半径にて湾曲しているので、異なる厚さの被装着部に対応することができる。
【0015】
本発明の装着部材は、さらに、屈曲部を有しており、前記複数の押圧部は、前記屈曲部から遠い方において、曲率半径が大きいことを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、押圧部の曲率半径の大きさを、屈曲部に近い側から段階的に大きくすることにより、広範な板厚の被装着部である天井に対応することができる。
【0017】
本発明の装着部材は、さらに、前記複数の押圧部は連設してあり、該複数の押圧部の連結部は、前記複数の押圧部の端部を結んで形成される直線より前記押圧部側にあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、装着部材が複数の押圧部を備えた場合であっても、押圧部の連結部が被装着部に接触することがないので、接触によって押圧力が小さくなることを防止することができる。
【0019】
本発明の装着部材は、さらに、前記装着部材は板ばねであることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、板厚の異なる天井等の被装着部に対して十分な押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置等を天井等の被装着部に装着することができる板ばねを形成することができる。
【0021】
本発明の板ばねは、V字状をなす板ばねにおいて、前記板ばねの一側に設けられ、他側に向けて凸状に湾曲し、該板ばねの長手方向に沿う断面形状が円弧状である押圧部を複数有していることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、V字状をなす板ばねの一側に、他側に向けて凸状に湾曲し、板ばねの長手方向に沿う断面形状が円弧状である押圧部を複数設けており、例えば、屈曲部の側が下側になるように適切に板ばねを照明装置本体に取付けることにより、天井に設けられた取付孔に照明装置本体を設置したときに、板厚の異なる天井に対して複数の円弧部の何れか一つが前記天井に上側から当接されることになり、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置本体を天井に固定することができる。
【0023】
本発明の照明装置は、前述の発明に記載の装着部材を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、板厚の異なる天井等の被装着部に対して十分な押圧力を生ぜしめて、十分な保持力にて装着できる照明装置を形成することができる。
【0025】
本発明の照明装置は、前記装着部材は、前記照明装置の放熱部に流入する空気の流れを阻害しない位置に配設されてなることを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、照明装置の放熱部の放熱効率を下げることなく、装着部材を照明装置に取付けることができる。
【0027】
本発明の照明装置は、前記装着部材及び、前記被装着部と前記照明装置の当接部により挟持されて被装着部に装着されることを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、安定して照明装置を天井等の被装着部に装着することができる。
【0029】
本発明に係る照明装置は、天井に開口された取付孔に設置されるべき照明装置本体と、V字状をなし、屈曲部の側を下側にして前記照明装置本体及び取付孔間に介装されるべき板ばねとを備え、該板ばねの弾性変形に応じて生じる付勢力により前記照明装置本体を前記天井に固定するようにしてある照明装置において、前記板ばねは、一側に複数の押圧部を有する前述の発明に記載の板ばねであり、他側にて前記照明装置本体に取付けてあり、前記照明装置本体を前記取付孔に設置したときに、複数の前記押圧部の何れか一つが前記取付孔の上縁部に上側から当接するようにしてあることを特徴とする。
【0030】
本発明にあっては、照明装置本体を天井の取付孔に設置したときに、照明装置本体に取付けられた前記板ばねの複数の円弧部の何れか一つが前記取付孔の上縁部に上側から当接するから、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置を天井に固定することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数の押圧部を有する装着部材又は板ばねにより異なる板厚の天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置を天井に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。また、実施の形態の説明において、装着部材として板ばねを例示し、板ばねにより被装着部である天井に装着される対象を照明装置として説明する。なお、照明装置は所謂ダウンライトである。また、以下の説明において、下方向とは被装着部である天井の設置面に垂直な方向である鉛直下方向を示す。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る板ばねの外観斜視図である。図2は、板ばねの模式的正面図であり、図3は、図2の III−III 矢視から見た板ばねの模式的側面図である。
【0034】
板ばね1は、ステンレス鋼等の金属製であり、細長い矩形板を屈曲させて、図2に示すようにV字状に形成してある。板ばね1の一端には、矩形板状の取付部11が設けてあり、該取付部11の中央には、貫通孔11aが形成してある。
【0035】
取付部11には、該取付部11に角度をなして延設され、延設端部から取付部に平行をなして該取付部に離隔する方向に延設されてなる延設部12が設けてあり、該延設部12には、小さい曲率半径にて略180°に亘って湾曲してなる屈曲部13が連設してある。
【0036】
屈曲部13を挟んだ板ばね1の他側には、取付部11の側に凸状に湾曲し、板ばね1の長手方向に沿う断面形状が円弧状である第1の押圧部14が設けてある。第1の押圧部14には、該第1の押圧部14と逆側に湾曲している凸部15が連設してあり、凸部15には、第1の押圧部14と同じ側に凸状に湾曲し、板ばね1の長手方向に沿う断面形状が円弧状である第2の押圧部16が連設してある。
【0037】
また、第1の押圧部14及び第2の押圧部16がともに円弧状に形成されていることによって、天井等の被装着部の設置面に照明装置を取付けた場合に、第1の押圧部14と第2の押圧部16の何れかが取付孔の面に押圧するのみでなく、設置面に垂直な方向からも押圧することが可能となる。この点については、後述する天井に照明装置を設置した実施の形態の説明において詳述する。
【0038】
第1の押圧部14と第2の押圧部16の湾曲の曲率半径は異なっており、第2の押圧部16の曲率半径R2は第1の押圧部14の曲率半径R1よりも大(R1<R2)である。本実施の形態においては、後述する照明装置が設置される天井の板厚範囲として6〜9mm及び20〜25mmを想定して、第1の押圧部14の曲率半径R1を6mmに、第2の押圧部16の曲率半径R2を23mmに夫々してある。これら第1の押圧部14及び第2の押圧部16の曲率半径R1及びR2は、照明装置が天井に設置されたときに、第1の押圧部14と第2の押圧部16のどちらか一方のみが天井に上側から当接するように、天井の板厚に応じて決定してある。
【0039】
また、屈曲部13から遠い側にある第2の押圧部16の方が、屈曲部13に近い側にある第1の押圧部14よりも曲率半径が大きい(R1<R2)ので、広範な板厚の天井に対応することができる。つまり、屈曲部に近い側の押圧部の方が、曲率半径が大きければ、厚い板厚(例えば20〜25mm)とさらに厚い板厚の天井に対応することはできるが、薄い板厚(例えば6〜9mm)の天井に対応することができない。従って、押圧部の曲率半径の大きさを、屈曲部13に近い側から段階的に大きくすることにより、広範な板厚の天井に対応することができる。
【0040】
なお、必ずしも第1の押圧部14と第2の押圧部16の曲率半径が異なる必要はない。複数の円弧状の押圧部があることにより、異なる板厚の被装着部に対応して照明装置を装着することができる。
【0041】
さらに、第1の押圧部14と第2の押圧部16の連結部である凸部15は、第1の押圧部14と第2の押圧部16の端部を結んで形成される直線L1(図2中に破線にて示す)よりも第1の押圧部14及び第2の押圧部16の側になるように設計されていることが好ましい。厚い板厚(例えば20〜25mm)の天井に対応して第2の押圧部16が押圧して照明装置を取付けた場合であっても、凸部15が天井の取付孔の面に接触しないので、接触によって押圧力が小さくなることを防止することができる。
【0042】
第2の押圧部16には、矩形板状の腕部17が連設してあり、腕部17の端部には、該端部から腕部17に角度をなして取付部11の逆側に折り曲げられてなる抜止部18が設けてある。
【0043】
図4は、実施の形態1に係る板ばね1を備える照明装置10の外観斜視図である。図5は、照明装置10を側面から見た外観図である。図6は、照明装置10の模式的側面図であり、一部を部分断面にて示している。図7は、図6の VII−VII 矢視から見た照明装置10の模式図である。なお、図7においては、説明の便宜上、いくつかの部品の表示を省略している。
【0044】
図において10aは、照明装置本体である。照明装置本体10aは、アルミニウム等の金属製の放熱器2を備えている。放熱器2は、略円板状の伝熱板21を有しており、伝熱板の一面21aには、矩形板状の複数(図において10個)の放熱板22,22…が平行をなして立設してあり、これら複数の放熱板22,22…の略中央を通り、該複数の放熱板22,22…に直交するように連結板23が立設してある。なお、連結板23は、図7に示す如く、伝熱板21の中央部を避けるように形成してあり、伝熱板21の中央部には配線用の貫通孔21cが設けてある。後述するLEDモジュールを伝熱板21の周方向に複数配設する照明装置においては、伝熱板21の中央部に配線用の貫通孔21cを設けることにより、LEDモジュールへの配線が容易となる。
【0045】
伝熱板21の中央部及び周縁部には、複数のネジ穴21d,21d…が設けてある。また、放熱器2の伝熱板21の周縁部には、矩形板状の取付部24,24…が伝熱板21の径方向に直交するように、周方向に3等配をなして立設してある。取付部24,24…は、複数の放熱板22,22…に夫々連設されて一体的に構成されており、一つの取付部24が放熱板22,22…に直角をなして連設されるように配してある。取付部24,24…の外面24a,24a…は平面に形成してあり、取付部24には、ネジ穴24b,24cが上下に並設してある。なお、本実施の形態において、放熱器2は、ダイキャストにより一体成形してあるが、これに限定されず、押出加工又は切削加工により形成してもよい。
【0046】
放熱器2の伝熱板21の他面21bには、光源としての複数(図において6つ)のLEDモジュール3,3…が周方向に等配をなして取付けてある。LEDモジュール3,3…は、矩形のセラミック(例えば、酸化アルミニウム)基板と、該セラミック基板の一面の中央部に密集して実装された複数(例えば、36個)のLED素子と、該複数のLED素子を封止し、蛍光体が分散された封止樹脂と、入力端子及び出力端子とを備えてなる。なお、LEDモジュール3,3…と伝熱板21との間には、熱伝導シート又はグリースを介装する方が望ましい。これらLEDモジュール3,3…の点灯に伴い該LEDモジュール3,3…にて発生する熱は、放熱器2の伝熱板21、放熱板22,22…及び連結板23に伝達され、自然対流により外部へ放散されることになる。
【0047】
放熱器2の伝熱板21の他面21bの側には、反射板4が設けてある。反射板4には、該反射板4を放熱器2に取付けたときにLEDモジュール3,3…に対応する位置に、LEDモジュール3,3…を取り囲むように、略半球状の凹部を有する複数の反射部41,41…が形成してある。反射板4は、ステンレス等の金属、反射率の高い塗料を塗布された金属又は高全反射率(約98%)及び高拡散反射率(約95%)という光学特性を有する超微細発泡光反射材(例えば、MCPET(登録商標))により形成されている。
【0048】
反射板4には、反射板4を放熱器2に取付けたときに伝熱板21に設けられたネジ穴21d,21d…に対応する位置に、略円柱状の凹部を有する固定部42,42…が設けてある。また、反射板4の周縁には、周壁43が立設してあり、反射板4は周壁43の端面を伝熱板21に当接させて、ネジ45,45…を反射板4の固定部42,42…に設けられた貫通孔に挿通させ、伝熱板21に設けられたネジ穴21d,21d…に螺合させることにより放熱器2に固定してある。LEDモジュール3,3…からの光は、この反射板4の反射部41,41…にて反射されて、LEDモジュール3,3…の光軸となす角度が所定角度以下になる範囲に含まれることになり、照明機器の直下照度が強くなるように配光特性が制御された光が照明装置から出射されることになる。
【0049】
放熱器2の伝熱板21の側には、フレーム5が設けてある。フレーム5は、円筒51と、円筒51の一端から直交する方向に径方向に延設された環状の鍔部52とを有してなる。円筒51には、周方向の3カ所から鍔部52の逆側に延設された延設部51a,51a…があり、該延設部51a,51a…には、貫通孔51b,51b…が設けてある。なお、貫通孔51b,51b…は、フレーム5を放熱器2に取付けたときに放熱器2の取付部24,24…に設けられたネジ穴24c,24c…に対応する位置に夫々設けてある。このフレーム5は、円筒51の他端の側に反射板4を内嵌させて、延設部51a,51a…を放熱器2の取付部24,24…の外面24a,24a…に当接させた状態にて、ネジ53,53…を貫通孔51b,51b…に挿通させ、ネジ穴24c,24c…に螺合させることにより放熱器2に固定してある。フレーム5の鍔部52の内面には、LEDモジュール3,3…を覆うように、円板状の樹脂製のカバー6が取付けてある。カバー6は、例えば、ポリカーボネート樹脂製である。
【0050】
以上のように構成された照明装置本体10aには、実施の形態1に係る複数の板ばね1,1…が、ネジ25,25…を板ばね1,1…の取付部11,11…に設けられた貫通孔11a,11a…に挿通させ、放熱器2の取付部24,24…に設けられたネジ穴24b,24b…に螺合させることにより、取付部24,24…の外面24a,24a…に板ばね1,1…の取付部11,11…を密着させた状態にて、周方向に3等配をなして放熱器2に固定してある。取付部24,24…は、前述した如く、複数の放熱板22,22…に夫々連設されて一体的に構成されており、高剛性であるから、照明装置本体10aの自重により生じる負荷は、取付部24,24…を介して板ばね1,1…にそのまま作用することになる。また、金属性の板ばね1を放熱器2に直接取付けているので、板ばね1自体が放熱部材としても機能するので、放熱をより効果的に行うことができる。
【0051】
なお、本実施の形態において、板ばね1,1…は、弾性変形に伴い生じる3つの板ばね1,1…の付勢力の合力が、照明装置本体10aの自重の6倍の荷重以上になるように、肉厚及び形状が決定してある。また本実施の形態において、板ばね1には、この荷重条件を満足すると共に、放熱器2の材料であるアルミニウムとの異種金属接触腐食を回避すべく、ステンレス鋼(例えば、SUS304)を用いている。なお、抜止部18は、板ばね1の第1の押圧部14及び第2の押圧部16が天井に当接しない状態において、照明装置10の落下を防止するために設けてある。
【0052】
放熱器2の外側から二枚目の放熱板22,22には、取付板71,71が夫々放熱板22,22と平行をなしてネジ72,72…により固定してある。取付板71,71の一側には、これら取付板71,71を連結する支持板73が取付けてある。また、取付板71,71の上部には、斜め下方に傾けた状態にて円板74が取付けてある。この円板74により、照明装置本体10a、特に放熱板22,22…の間に埃等の異物が入り込まないようにすることができると共に、断熱材により照明装置本体10aの上部を覆った場合に、放熱器2の放熱板22,22…及び連結板23の表面から熱伝達により暖められた空気が外部に流出する通風路を確保することができる。よって、埃等の異物が入り込むことによる放熱性の低下を防ぐことができる。また、支持板73には、トランス、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品を備えてなる電源部(図示せず)が設けてある。なお、LEDモジュール3,3…は、伝熱板21の中央部に設けられた貫通孔21cを挿通させたリード線(図示せず)を介して電源部に接続してある。
【0053】
この照明装置10は、カバー6の側を下側にして、天井に設けられた取付孔に板ばね1,1…を介して固定され、所謂ダウンライトとして用いられる。照明装置10は、直径が125mmである天井の取付孔に、照明装置本体10aと取付孔の周面との間隔が略10mmになるように天井に設置されている。図8は、9mmの板厚の天井に照明装置10を設置した状態を示す部分拡大断面図である。
【0054】
照明装置10は、板ばね1,1…の腕部17の側を照明装置本体10aの側に押し付けた状態にて、天井100に設けられた取付孔100aに下側から挿入し、板ばね1,1…から手を離し照明装置本体10aをさらに押し込むことにより、図8に示す如く、天井100の取付孔100aに固定される。より詳しくは、取付孔100aへの設置時に照明装置本体10aの側に押し付けられ、弾性変形した板ばね1が、押付力の解除に伴い図6に示す自然状態に復帰しようとしたときに、板ばね1の第1の押圧部14が円弧の略中央近傍にて取付孔100aの上縁部に斜め上側から当接し、このとき、当接面において天井100には、図8中に矢符にて示す如く、当接面に直交する方向、図において斜め下方向の力が作用し、第1の押圧部14には、作用反作用の関係により作用力の反力、図において斜め上方向の力が作用する。これにより、被装着部である天井100の設置面に対して垂直方向である下方向の分力が作用し、天井100の上面100bが第1の押圧部14により下方向に押圧されると共に、照明装置本体10aに上方向の分力が作用し、天井100の下面100cがフレーム5の鍔部52の上面により上方向に押圧されることになる。この結果、照明装置10は天井100を第1の押圧部14及び、天井100との当接部となる鍔部52により挟持した状態にて天井100に固定されることになる。
【0055】
このように、天井100に十分な下方向の分力を含む押圧力が作用するから、照明装置10を天井100に保持することができる。そして照明装置10に下方向の力が作用したのち該力が解除されたとき、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力により下方向の分力を含む押圧力が天井100の上面100bに作用するから、照明装置10は元の位置に復帰することができる。
【0056】
図9は、12mm板厚の天井に照明装置10を設置した状態を示す部分拡大断面図である。照明装置10は、板ばね1,1…の腕部17の側を照明装置本体10aの側に押し付けた状態にて、天井101に設けられた取付孔101aに下側から挿入し、板ばね1,1…から手を離し照明装置本体10aをさらに押し込むことにより、図9に示す如く、取付孔101aにて天井101に固定される。図9においては、板ばね1の第1の押圧部14が第1の押圧部14の円弧の中央よりも凸部15寄りの位置にて取付孔101aの上縁部に斜め上側から当接しており、天井101には、図9中に矢符にて示す如く、当接面に直交する方向、図において斜め下方向の力が作用している。天井の板厚の増加に応じて板ばね1の弾性変形するたわみ量が大となるから、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力は、天井の板厚の増加に従って増大し、9mm板厚の天井100に設置した場合と比較して、12mm板厚の天井101に作用する付勢力は大きくなり、被装着部である天井101の設置面に対して垂直方向である下方向の分力を十分に含む押圧力が作用することになる。
【0057】
このように、9mm板厚の天井100に設置した場合と同様に、12mm板厚の天井101に十分な下方向の分力を含む押圧力が作用するから、照明装置10を天井101に保持することができる。そして照明装置10に下方向の力が作用したのち該力が解除されたときも同様に、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力により下方向の分力を含む押圧力が天井101の上面101bに作用するから、照明装置10は元の位置に復帰することができる。
【0058】
図10は、25mm板厚の天井に照明装置10を設置した状態を示す部分拡大断面図である。照明装置10は、板ばね1,1…の腕部17の側を照明装置本体10aの側に押し付けた状態にて、天井102に設けられた取付孔102aに下側から挿入し、板ばね1,1…から手を離し照明装置本体10aをさらに押し込むことにより、図10に示す如く、取付孔102aにて天井102に固定される。図10においては、板ばね1の第2の押圧部16が第2の押圧部16の円弧の中央よりも腕部17寄りの位置にて取付孔102aの上縁部に斜め上側から当接しており、天井102には、図10中に矢符にて示す如く、当接面に直交する方向、図において斜め下方向の力が作用している。天井の板厚の増加に応じて板ばね1の弾性変形するたわみ量が大となるから、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力は、天井の板厚の増加に従って増大し、9mm板厚の天井100に設置した場合と比較して、25mm板厚の天井102に作用する付勢力はさらに大きくなる。そして凸部15は、天井102の取付孔102aの周面と離隔しており、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力は第2の押圧部16のみにより天井102に作用するから、被装着部である天井102の設置面に対して垂直方向である下方向の分力を含む十分な押圧力が作用することになる。
【0059】
このように、25mm板厚の天井102に十分な下方向の分力を含む押圧力が作用するから、照明装置10を天井102に保持することができる。そして照明装置10に下方向の力が作用したのち該力が解除されたときも同様に、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力により下方向の分力を含む押圧力が天井102の上面102bに作用するから、照明装置10は元の位置に復帰することができる。
【0060】
以上のように、V字状をなす板ばね1の一側に照明装置本体10aに取付けられる取付部11を、他側に取付部11の側に凸状に湾曲し、板ばね1の長手方向に沿う断面形状が円弧状である複数の押圧部である第1の押圧部14及び第2の押圧部16を夫々設けているから、天井の取付孔に照明装置本体10aを設置したときに、板厚の異なる天井に対して第1の押圧部14と第2の押圧部16の何れか一つが前記取付穴の上縁部に上側から当接されることになるから、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置10を天井に固定することができる。
【0061】
板ばね1の第1の押圧部14及び第2の押圧部16を屈曲部13からの遠近に応じて大小となる曲率半径にて湾曲させており、薄い板厚の天井100,101に対しては小さい曲率半径の第1の押圧部14が、厚い板厚の天井102に対しては大きい曲率半径の第2の押圧部16が当接することになり、前述した如く、押圧部と天井とのなす角度を、押圧部が斜め上側から天井に当接するように適切に保つことができ、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができる。
【0062】
板ばね1の第1の押圧部14と第2の押圧部16間に、第1の押圧部14及び第2の押圧部16と逆側に湾曲している凸部15を設けており、連続して押圧部を設ける場合と比較して、板ばね1の一側と他側とがなす角度を小さく抑えることができ、照明装置10を天井の取付穴に設置するときに、板ばねの一側と他側とを接近させるべく板ばねに大きな力を加える必要がなく、取付作業が容易となる。また、照明装置10を天井に設置したときに、天井の取付孔の周面と離隔するように板ばね1に凸部15を設けているから、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力を押圧部のみにより天井に作用させることができ、天井に十分な下方向の分力を含む押圧力を作用させることができる。
【0063】
なお、本実施の形態において、照明装置本体10aに3枚の板ばね1,1…を取付けているが、これに限定されない。板ばねの数は、保持すべき照明装置本体10aの重量、寸法に応じて適切に選定される。
【0064】
また、本実施の形態においては、照明装置本体10aの外部に電源部を設けているが、照明装置本体10aの内部に電源部を設けてもよいことは言うまでもない。
【0065】
(実施の形態2)
図11は、実施の形態2に係る板ばねの外観斜視図である。板ばね1aの取付部11及び延設部12の縁部には、取付部11及び延設部12に直交する方向に、第1の押圧部14及び第2の押圧部16の側に延びる補強板11b,11bが取付部11及び延設部12の長手方向の略全長に亘って設けてある。なお、補強板11b,11bは、取付部11及び延設部12に連設させて一体的に加工して、折り返すことにより形成してもよいし、別体に形成して取付けてもよい。その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同様であるため、対応する構成部材に図1と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
【0066】
このように取付部11及び延設部12の縁部に補強板11b,11bを設けることにより、取付部11及び延設部12の剛性を高くすることができ、照明装置を天井に設置する際に板ばね1aの腕部17の側を照明装置本体の側に押し付けたときに、取付部11及び延設部12が弾性変形しにくくなり、照明装置10の天井への設置作業が容易となる。また、板ばね1aは、LEDモジュール3,3…等の熱源からの熱を放散する放熱器2にネジにより密着して取付けてあり、補強板11b,11bの面積分だけ放熱器2の放熱面積が実質的に増加することになるから、照明装置10の放熱性を向上することができる。
【0067】
(実施の形態3)
図12は、実施の形態3に係る板ばねの外観斜視図である。板ばね1bの一端には、矩形板状の取付部11cが設けてあり、取付部11cには、取付部11cの長手方向に沿って凹部11d,11dが適長離隔して設けてある。また取付部11cの縁部には、取付部11に直交する方向に第1の押圧部14及び第2の押圧部16の逆側に延設され、延設端部から互いに近接する方向に折り返されてなる補強板11e,11eが設けてある。さらに腕部17及び抜止部18の接合部には、凹部18a,18aが適長離隔して設けてある。その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同様であるため、対応する構成部材に図1と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
【0068】
このように取付部11cに凹部11d,11d及び補強板11e,11eを設けることにより、取付部11cの剛性を高くすることができ、照明装置を天井に設置する際に板ばね1bの腕部17の側を照明装置本体の側に押し付けたときに、取付部11cが弾性変形しにくくなり、照明装置10の天井への設置作業が容易となる。腕部17及び抜止部18の接合部に凹部18a,18aを設けることにより、前記接合部の剛性を高くすることができ、板ばね1bの第1の押圧部14及び第2の押圧部16が天井に当接しない状態にて照明装置10が下に移動したときに、抜止部18に加わる照明装置本体10aの荷重を保持することが容易となる。また、補強板11eは、取り付け部11cに折り曲げ部を設けないようにするためのスペーサとして作用している。このような形状にすることにより、凹部11dの形成が容易になる。
【0069】
(実施の形態4)
図13は、実施の形態4に係る板ばねの外観斜視図である。図13(a)は、梱包時の状態を、図13(b)は、照明装置を天井に設置したときの状態を夫々示している。板ばね1cの一端に延設された延設部は、湾曲する2つの腕部12a,12bを接合してなり、所謂皿ばねの構造を有している。図14は、皿ばね部分の製作説明図である。図14(a)に示すように、ステンレス鋼の板をY字状に加工する。取付部11に連設され、他方の腕部12b側に凸状に湾曲する腕部12aと、該腕部12aと逆側に湾曲する腕部12bとを、腕部12bの先端から腕部12aの側に延設された延設部12cを取付部11の腕部12a側の部分に重ね合せるように接近させ、図14(b)に示すように、スポット溶接12d,12dにより固定する。なお、固定方法はスポット溶接に限定されず、リベットにより締結してもよい。
【0070】
第2の押圧部16に連設された腕部も同様に所謂皿ばねの構造を有しており、湾曲する2つの腕部17a,17bを一方の腕部17bから延設された延設部17cにてスポット溶接17d,17dにより接合している。その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同様であるため、対応する構成部材に図1と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
【0071】
このように構成された板ばね1cは、梱包時には、板ばね1cの一側及び他側に互いに近接する方向に力を加え、図13(a)に示すように、腕部12a,12b及び腕部17a,17bを外向きに凸状となるように湾曲させることにより、板ばね1cをコンパクトにすることができると共に、梱包が容易となり梱包の作業効率を向上することができる。なお、設置時には、板ばね1cの一側及び他側に互いに離反する方向に力を加えることにより、図13(b)に示すように、V字状の形状に容易に戻すことができる。
【0072】
以上の実施の形態2から4に係る板ばねは、実施の形態1に係る板ばね1と同様に、図7に示すような配置にて照明装置本体10aに取付けられる。なお、板ばねの配置は、図7に示す配置に限定されない。図15は、板ばねの他の配置例を示している。
【0073】
取付部24,24…は、複数の放熱板22,22…に夫々連設されて一体的に構成されている。取付部24,24…は、外側の放熱板22が複数の取付部24のうちの一つを兼ねるように、周方向に3等配をなして伝熱板21に立設してある。この構成により、取付部24,24…の剛性を高く保ちつつ、放熱器2に流入する空気の流れをより阻害しないようにすることができ、放熱性を向上することができる。
【0074】
なお、以上の実施の形態においては、照明装置が設置される天井の板厚範囲として6〜9mmと20〜25mmの2パターンを想定して、第1の押圧部14の曲率半径R1を6mmに、第2の押圧部16の曲率半径R2を23mmに夫々設定してあるが、これらの曲率半径R1,R2は一例であり、この数値に限定されない。これら第1の押圧部14及び第2の押圧部16の曲率半径R1及びR2は、第1の押圧部14と第2の押圧部16のどちらか一方のみが天井に上側から当接するように、設置対象として想定している天井の板厚に応じて決定してあり、天井の板厚、照明装置本体と取付孔の周面との間隔、照明装置本体の重量及び板ばねの数等に応じて適宜設定される。
【0075】
また、以上の実施の形態においては、板ばねに第1の押圧部14及び第2の押圧部16からなる2つの押圧部を設けているが、これに限定されず、3以上の押圧部を設けてもよい。
【0076】
また、以上の実施の形態においては、装着部材として板ばねを例示して説明したが、板状に限定されず、複数の押圧部を有する線状の付勢力を有する装着部材であってもよい。例えば、金属製のワイヤーを折り曲げて形成された装着部材であってもよい。
【0077】
また、以上の実施の形態においては、光源として複数のLED素子が実装されてなるLEDモジュール3,3…を用いているが、これに限定されず、高輝度のLEDチップ、EL(Electro Luminescence)、蛍光灯、電球等を用いてもよい。
【0078】
また、以上の実施の形態おいては、ダウンライトに板ばねを取付けた例について述べたが、ダウンライトに限定されず、他のタイプの照明装置、照明装置以外の天井に設置される機器にも本発明に係る板ばねは適用可能であり、その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態1に係る板ばねの外観斜視図である。
【図2】板ばねの模式的正面図である。
【図3】図2の III−III 矢視から見た板ばねの模式的側面図である。
【図4】実施の形態1に係る板ばねを備える照明装置の外観斜視図である。
【図5】照明装置を側面から見た外観図である。
【図6】照明装置の模式的側面図である。
【図7】図6の VII−VII 矢視から見た照明装置の模式図である。
【図8】9mmの板厚の天井に照明装置を設置した状態を示す部分拡大断面図である。
【図9】12mm板厚の天井に照明装置を設置した状態を示す部分拡大断面図である。
【図10】25mm板厚の天井に照明装置を設置した状態を示す部分拡大断面図である。
【図11】実施の形態2に係る板ばねの外観斜視図である。
【図12】実施の形態3に係る板ばねの外観斜視図である。
【図13】実施の形態4に係る板ばねの外観斜視図である。
【図14】皿ばね部分の製作説明図である。
【図15】板ばねの他の配置例を示している。
【符号の説明】
【0080】
1,1a,1b,1c 板ばね(装着部材)
13 屈曲部
14 第1の押圧部(押圧部)
15 凸部
16 第2の押圧部(押圧部)
2 放熱器(放熱部)
10a 照明装置本体
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井に開口された取付孔に設置される機器本体を天井に装着する装着部材、板ばね及び該装着部材又は板ばねを備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
天井に開口された取付孔に設置される照明装置、所謂ダウンライトは、天井の取付孔に下側から挿入され、照明装置本体に設けられた固定具により天井に固定される。この照明装置においては、一般に、固定具としてV字状をなす板ばねを用い、該板ばねの弾性変形に応じて生じる付勢力により天井を押し付けることにより、天井に固定されるように構成してある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に開示された照明装置は、天井に設けられた取付孔に設置される略円筒状又は筐状を有する外枠と、該外枠に設けた掛止具にて外枠の内側に掛止される照明装置本体とを備え、前記外枠の外周壁に設けた固定具と、外枠の下端に設けられた鍔部とにより天井の上下面を挟持することにより照明装置本体を固定するように構成してある。固定具は、V字状をなす板ばねであり、外枠に取付けられる取付部を一側に、該一側に向けて凸状に湾曲している円弧状の押圧部を他側に有している。天井に設けた取付孔に外枠を挿入したとき、固定具の弾性変形に応じて生じる付勢力により固定具の押圧部が取付孔の上縁部に斜め上側から押し付けられて天井に下方向の力が作用し、この反作用により外枠が固定具から上方向の力を受け、鍔部の上面が天井の下面に圧着することになり、この結果、照明装置が天井に固定される。
【特許文献1】特開2007−128789号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、一般に、天井に設けられた取付孔の直径は50〜300mmの範囲にあり、天井の板厚は5〜25mmの範囲にある。照明装置の外形寸法は、板ばね等の装着部材を設置可能なように、照明装置本体の外周壁と取付孔の周面とが適長離隔するように取付孔の直径に応じて決定してある。
【0005】
特許文献1の如く、円弧状の押圧部を一つのみ有する板ばねを備える照明装置においては、ある板厚の天井に対しては、適切な押圧力を天井に作用させて照明装置を固定することが可能であるが、その板厚よりも大きな板厚の天井に照明装置を設置する場合には、天井の上面に対する押圧部のなす角度が大きくなり、下方向の押圧力が不足してしまい、照明装置を十分に保持することができないという虞があった。そして照明装置に下方向の力が作用したのち該力が解除されたとき、照明装置が元の位置に復帰できないという虞があった。この対策として、天井の板厚に応じて形状の異なる板ばねを用いるということも考えられるが、照明装置の設置の作業性、板ばねの生産効率等の観点から好ましくない。
【0006】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、板厚の異なる天井に対して十分な押圧力を生ぜしめる装着部材、板ばね及び該装着部材又は板ばねを備える照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の装着部材は、照明装置等を天井等の異なる厚さの被装着部に装着するのに使用する装着部材であって、前記異なる厚さの被装着部に対応する複数の押圧部を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明にあっては、照明装置等を天井等の被装着部に装着する場合において、板厚の異なる被装着部に対して複数の押圧部の何れか一つが当接して押圧されることになり、板厚の異なる被装着部に対して十分な押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置等を天井等の被装着部に装着することができる。
【0009】
本発明の装着部材は、さらに、前記押圧部は、円弧状であることを特徴とする。
【0010】
本発明にあっては、複数の押圧部の何れか一つが天井等の被装着部に上側から当接して押圧されることになり、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置等を天井等の被装着部に固定することができる。
【0011】
本発明の装着部材は、さらに、前記押圧部は、前記被装着部に対して垂直方向の力を含む力で押圧することを特徴とする。
【0012】
本発明にあっては、複数の押圧部の何れか一つが天井等の被装着部に上側から当接して押圧されることになり、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置等を天井等の被装着部に固定することができる。
【0013】
本発明の装着部材は、さらに、前記複数の押圧部は、異なる曲率半径にて湾曲してなることを特徴とする。
【0014】
本発明にあっては、複数の押圧部は異なる曲率半径にて湾曲しているので、異なる厚さの被装着部に対応することができる。
【0015】
本発明の装着部材は、さらに、屈曲部を有しており、前記複数の押圧部は、前記屈曲部から遠い方において、曲率半径が大きいことを特徴とする。
【0016】
本発明にあっては、押圧部の曲率半径の大きさを、屈曲部に近い側から段階的に大きくすることにより、広範な板厚の被装着部である天井に対応することができる。
【0017】
本発明の装着部材は、さらに、前記複数の押圧部は連設してあり、該複数の押圧部の連結部は、前記複数の押圧部の端部を結んで形成される直線より前記押圧部側にあることを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては、装着部材が複数の押圧部を備えた場合であっても、押圧部の連結部が被装着部に接触することがないので、接触によって押圧力が小さくなることを防止することができる。
【0019】
本発明の装着部材は、さらに、前記装着部材は板ばねであることを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、板厚の異なる天井等の被装着部に対して十分な押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置等を天井等の被装着部に装着することができる板ばねを形成することができる。
【0021】
本発明の板ばねは、V字状をなす板ばねにおいて、前記板ばねの一側に設けられ、他側に向けて凸状に湾曲し、該板ばねの長手方向に沿う断面形状が円弧状である押圧部を複数有していることを特徴とする。
【0022】
本発明にあっては、V字状をなす板ばねの一側に、他側に向けて凸状に湾曲し、板ばねの長手方向に沿う断面形状が円弧状である押圧部を複数設けており、例えば、屈曲部の側が下側になるように適切に板ばねを照明装置本体に取付けることにより、天井に設けられた取付孔に照明装置本体を設置したときに、板厚の異なる天井に対して複数の円弧部の何れか一つが前記天井に上側から当接されることになり、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置本体を天井に固定することができる。
【0023】
本発明の照明装置は、前述の発明に記載の装着部材を備えることを特徴とする。
【0024】
本発明にあっては、板厚の異なる天井等の被装着部に対して十分な押圧力を生ぜしめて、十分な保持力にて装着できる照明装置を形成することができる。
【0025】
本発明の照明装置は、前記装着部材は、前記照明装置の放熱部に流入する空気の流れを阻害しない位置に配設されてなることを特徴とする。
【0026】
本発明にあっては、照明装置の放熱部の放熱効率を下げることなく、装着部材を照明装置に取付けることができる。
【0027】
本発明の照明装置は、前記装着部材及び、前記被装着部と前記照明装置の当接部により挟持されて被装着部に装着されることを特徴とする。
【0028】
本発明にあっては、安定して照明装置を天井等の被装着部に装着することができる。
【0029】
本発明に係る照明装置は、天井に開口された取付孔に設置されるべき照明装置本体と、V字状をなし、屈曲部の側を下側にして前記照明装置本体及び取付孔間に介装されるべき板ばねとを備え、該板ばねの弾性変形に応じて生じる付勢力により前記照明装置本体を前記天井に固定するようにしてある照明装置において、前記板ばねは、一側に複数の押圧部を有する前述の発明に記載の板ばねであり、他側にて前記照明装置本体に取付けてあり、前記照明装置本体を前記取付孔に設置したときに、複数の前記押圧部の何れか一つが前記取付孔の上縁部に上側から当接するようにしてあることを特徴とする。
【0030】
本発明にあっては、照明装置本体を天井の取付孔に設置したときに、照明装置本体に取付けられた前記板ばねの複数の円弧部の何れか一つが前記取付孔の上縁部に上側から当接するから、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置を天井に固定することができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、複数の押圧部を有する装着部材又は板ばねにより異なる板厚の天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置を天井に固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。また、実施の形態の説明において、装着部材として板ばねを例示し、板ばねにより被装着部である天井に装着される対象を照明装置として説明する。なお、照明装置は所謂ダウンライトである。また、以下の説明において、下方向とは被装着部である天井の設置面に垂直な方向である鉛直下方向を示す。
【0033】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る板ばねの外観斜視図である。図2は、板ばねの模式的正面図であり、図3は、図2の III−III 矢視から見た板ばねの模式的側面図である。
【0034】
板ばね1は、ステンレス鋼等の金属製であり、細長い矩形板を屈曲させて、図2に示すようにV字状に形成してある。板ばね1の一端には、矩形板状の取付部11が設けてあり、該取付部11の中央には、貫通孔11aが形成してある。
【0035】
取付部11には、該取付部11に角度をなして延設され、延設端部から取付部に平行をなして該取付部に離隔する方向に延設されてなる延設部12が設けてあり、該延設部12には、小さい曲率半径にて略180°に亘って湾曲してなる屈曲部13が連設してある。
【0036】
屈曲部13を挟んだ板ばね1の他側には、取付部11の側に凸状に湾曲し、板ばね1の長手方向に沿う断面形状が円弧状である第1の押圧部14が設けてある。第1の押圧部14には、該第1の押圧部14と逆側に湾曲している凸部15が連設してあり、凸部15には、第1の押圧部14と同じ側に凸状に湾曲し、板ばね1の長手方向に沿う断面形状が円弧状である第2の押圧部16が連設してある。
【0037】
また、第1の押圧部14及び第2の押圧部16がともに円弧状に形成されていることによって、天井等の被装着部の設置面に照明装置を取付けた場合に、第1の押圧部14と第2の押圧部16の何れかが取付孔の面に押圧するのみでなく、設置面に垂直な方向からも押圧することが可能となる。この点については、後述する天井に照明装置を設置した実施の形態の説明において詳述する。
【0038】
第1の押圧部14と第2の押圧部16の湾曲の曲率半径は異なっており、第2の押圧部16の曲率半径R2は第1の押圧部14の曲率半径R1よりも大(R1<R2)である。本実施の形態においては、後述する照明装置が設置される天井の板厚範囲として6〜9mm及び20〜25mmを想定して、第1の押圧部14の曲率半径R1を6mmに、第2の押圧部16の曲率半径R2を23mmに夫々してある。これら第1の押圧部14及び第2の押圧部16の曲率半径R1及びR2は、照明装置が天井に設置されたときに、第1の押圧部14と第2の押圧部16のどちらか一方のみが天井に上側から当接するように、天井の板厚に応じて決定してある。
【0039】
また、屈曲部13から遠い側にある第2の押圧部16の方が、屈曲部13に近い側にある第1の押圧部14よりも曲率半径が大きい(R1<R2)ので、広範な板厚の天井に対応することができる。つまり、屈曲部に近い側の押圧部の方が、曲率半径が大きければ、厚い板厚(例えば20〜25mm)とさらに厚い板厚の天井に対応することはできるが、薄い板厚(例えば6〜9mm)の天井に対応することができない。従って、押圧部の曲率半径の大きさを、屈曲部13に近い側から段階的に大きくすることにより、広範な板厚の天井に対応することができる。
【0040】
なお、必ずしも第1の押圧部14と第2の押圧部16の曲率半径が異なる必要はない。複数の円弧状の押圧部があることにより、異なる板厚の被装着部に対応して照明装置を装着することができる。
【0041】
さらに、第1の押圧部14と第2の押圧部16の連結部である凸部15は、第1の押圧部14と第2の押圧部16の端部を結んで形成される直線L1(図2中に破線にて示す)よりも第1の押圧部14及び第2の押圧部16の側になるように設計されていることが好ましい。厚い板厚(例えば20〜25mm)の天井に対応して第2の押圧部16が押圧して照明装置を取付けた場合であっても、凸部15が天井の取付孔の面に接触しないので、接触によって押圧力が小さくなることを防止することができる。
【0042】
第2の押圧部16には、矩形板状の腕部17が連設してあり、腕部17の端部には、該端部から腕部17に角度をなして取付部11の逆側に折り曲げられてなる抜止部18が設けてある。
【0043】
図4は、実施の形態1に係る板ばね1を備える照明装置10の外観斜視図である。図5は、照明装置10を側面から見た外観図である。図6は、照明装置10の模式的側面図であり、一部を部分断面にて示している。図7は、図6の VII−VII 矢視から見た照明装置10の模式図である。なお、図7においては、説明の便宜上、いくつかの部品の表示を省略している。
【0044】
図において10aは、照明装置本体である。照明装置本体10aは、アルミニウム等の金属製の放熱器2を備えている。放熱器2は、略円板状の伝熱板21を有しており、伝熱板の一面21aには、矩形板状の複数(図において10個)の放熱板22,22…が平行をなして立設してあり、これら複数の放熱板22,22…の略中央を通り、該複数の放熱板22,22…に直交するように連結板23が立設してある。なお、連結板23は、図7に示す如く、伝熱板21の中央部を避けるように形成してあり、伝熱板21の中央部には配線用の貫通孔21cが設けてある。後述するLEDモジュールを伝熱板21の周方向に複数配設する照明装置においては、伝熱板21の中央部に配線用の貫通孔21cを設けることにより、LEDモジュールへの配線が容易となる。
【0045】
伝熱板21の中央部及び周縁部には、複数のネジ穴21d,21d…が設けてある。また、放熱器2の伝熱板21の周縁部には、矩形板状の取付部24,24…が伝熱板21の径方向に直交するように、周方向に3等配をなして立設してある。取付部24,24…は、複数の放熱板22,22…に夫々連設されて一体的に構成されており、一つの取付部24が放熱板22,22…に直角をなして連設されるように配してある。取付部24,24…の外面24a,24a…は平面に形成してあり、取付部24には、ネジ穴24b,24cが上下に並設してある。なお、本実施の形態において、放熱器2は、ダイキャストにより一体成形してあるが、これに限定されず、押出加工又は切削加工により形成してもよい。
【0046】
放熱器2の伝熱板21の他面21bには、光源としての複数(図において6つ)のLEDモジュール3,3…が周方向に等配をなして取付けてある。LEDモジュール3,3…は、矩形のセラミック(例えば、酸化アルミニウム)基板と、該セラミック基板の一面の中央部に密集して実装された複数(例えば、36個)のLED素子と、該複数のLED素子を封止し、蛍光体が分散された封止樹脂と、入力端子及び出力端子とを備えてなる。なお、LEDモジュール3,3…と伝熱板21との間には、熱伝導シート又はグリースを介装する方が望ましい。これらLEDモジュール3,3…の点灯に伴い該LEDモジュール3,3…にて発生する熱は、放熱器2の伝熱板21、放熱板22,22…及び連結板23に伝達され、自然対流により外部へ放散されることになる。
【0047】
放熱器2の伝熱板21の他面21bの側には、反射板4が設けてある。反射板4には、該反射板4を放熱器2に取付けたときにLEDモジュール3,3…に対応する位置に、LEDモジュール3,3…を取り囲むように、略半球状の凹部を有する複数の反射部41,41…が形成してある。反射板4は、ステンレス等の金属、反射率の高い塗料を塗布された金属又は高全反射率(約98%)及び高拡散反射率(約95%)という光学特性を有する超微細発泡光反射材(例えば、MCPET(登録商標))により形成されている。
【0048】
反射板4には、反射板4を放熱器2に取付けたときに伝熱板21に設けられたネジ穴21d,21d…に対応する位置に、略円柱状の凹部を有する固定部42,42…が設けてある。また、反射板4の周縁には、周壁43が立設してあり、反射板4は周壁43の端面を伝熱板21に当接させて、ネジ45,45…を反射板4の固定部42,42…に設けられた貫通孔に挿通させ、伝熱板21に設けられたネジ穴21d,21d…に螺合させることにより放熱器2に固定してある。LEDモジュール3,3…からの光は、この反射板4の反射部41,41…にて反射されて、LEDモジュール3,3…の光軸となす角度が所定角度以下になる範囲に含まれることになり、照明機器の直下照度が強くなるように配光特性が制御された光が照明装置から出射されることになる。
【0049】
放熱器2の伝熱板21の側には、フレーム5が設けてある。フレーム5は、円筒51と、円筒51の一端から直交する方向に径方向に延設された環状の鍔部52とを有してなる。円筒51には、周方向の3カ所から鍔部52の逆側に延設された延設部51a,51a…があり、該延設部51a,51a…には、貫通孔51b,51b…が設けてある。なお、貫通孔51b,51b…は、フレーム5を放熱器2に取付けたときに放熱器2の取付部24,24…に設けられたネジ穴24c,24c…に対応する位置に夫々設けてある。このフレーム5は、円筒51の他端の側に反射板4を内嵌させて、延設部51a,51a…を放熱器2の取付部24,24…の外面24a,24a…に当接させた状態にて、ネジ53,53…を貫通孔51b,51b…に挿通させ、ネジ穴24c,24c…に螺合させることにより放熱器2に固定してある。フレーム5の鍔部52の内面には、LEDモジュール3,3…を覆うように、円板状の樹脂製のカバー6が取付けてある。カバー6は、例えば、ポリカーボネート樹脂製である。
【0050】
以上のように構成された照明装置本体10aには、実施の形態1に係る複数の板ばね1,1…が、ネジ25,25…を板ばね1,1…の取付部11,11…に設けられた貫通孔11a,11a…に挿通させ、放熱器2の取付部24,24…に設けられたネジ穴24b,24b…に螺合させることにより、取付部24,24…の外面24a,24a…に板ばね1,1…の取付部11,11…を密着させた状態にて、周方向に3等配をなして放熱器2に固定してある。取付部24,24…は、前述した如く、複数の放熱板22,22…に夫々連設されて一体的に構成されており、高剛性であるから、照明装置本体10aの自重により生じる負荷は、取付部24,24…を介して板ばね1,1…にそのまま作用することになる。また、金属性の板ばね1を放熱器2に直接取付けているので、板ばね1自体が放熱部材としても機能するので、放熱をより効果的に行うことができる。
【0051】
なお、本実施の形態において、板ばね1,1…は、弾性変形に伴い生じる3つの板ばね1,1…の付勢力の合力が、照明装置本体10aの自重の6倍の荷重以上になるように、肉厚及び形状が決定してある。また本実施の形態において、板ばね1には、この荷重条件を満足すると共に、放熱器2の材料であるアルミニウムとの異種金属接触腐食を回避すべく、ステンレス鋼(例えば、SUS304)を用いている。なお、抜止部18は、板ばね1の第1の押圧部14及び第2の押圧部16が天井に当接しない状態において、照明装置10の落下を防止するために設けてある。
【0052】
放熱器2の外側から二枚目の放熱板22,22には、取付板71,71が夫々放熱板22,22と平行をなしてネジ72,72…により固定してある。取付板71,71の一側には、これら取付板71,71を連結する支持板73が取付けてある。また、取付板71,71の上部には、斜め下方に傾けた状態にて円板74が取付けてある。この円板74により、照明装置本体10a、特に放熱板22,22…の間に埃等の異物が入り込まないようにすることができると共に、断熱材により照明装置本体10aの上部を覆った場合に、放熱器2の放熱板22,22…及び連結板23の表面から熱伝達により暖められた空気が外部に流出する通風路を確保することができる。よって、埃等の異物が入り込むことによる放熱性の低下を防ぐことができる。また、支持板73には、トランス、抵抗、コンデンサ等の各種回路部品を備えてなる電源部(図示せず)が設けてある。なお、LEDモジュール3,3…は、伝熱板21の中央部に設けられた貫通孔21cを挿通させたリード線(図示せず)を介して電源部に接続してある。
【0053】
この照明装置10は、カバー6の側を下側にして、天井に設けられた取付孔に板ばね1,1…を介して固定され、所謂ダウンライトとして用いられる。照明装置10は、直径が125mmである天井の取付孔に、照明装置本体10aと取付孔の周面との間隔が略10mmになるように天井に設置されている。図8は、9mmの板厚の天井に照明装置10を設置した状態を示す部分拡大断面図である。
【0054】
照明装置10は、板ばね1,1…の腕部17の側を照明装置本体10aの側に押し付けた状態にて、天井100に設けられた取付孔100aに下側から挿入し、板ばね1,1…から手を離し照明装置本体10aをさらに押し込むことにより、図8に示す如く、天井100の取付孔100aに固定される。より詳しくは、取付孔100aへの設置時に照明装置本体10aの側に押し付けられ、弾性変形した板ばね1が、押付力の解除に伴い図6に示す自然状態に復帰しようとしたときに、板ばね1の第1の押圧部14が円弧の略中央近傍にて取付孔100aの上縁部に斜め上側から当接し、このとき、当接面において天井100には、図8中に矢符にて示す如く、当接面に直交する方向、図において斜め下方向の力が作用し、第1の押圧部14には、作用反作用の関係により作用力の反力、図において斜め上方向の力が作用する。これにより、被装着部である天井100の設置面に対して垂直方向である下方向の分力が作用し、天井100の上面100bが第1の押圧部14により下方向に押圧されると共に、照明装置本体10aに上方向の分力が作用し、天井100の下面100cがフレーム5の鍔部52の上面により上方向に押圧されることになる。この結果、照明装置10は天井100を第1の押圧部14及び、天井100との当接部となる鍔部52により挟持した状態にて天井100に固定されることになる。
【0055】
このように、天井100に十分な下方向の分力を含む押圧力が作用するから、照明装置10を天井100に保持することができる。そして照明装置10に下方向の力が作用したのち該力が解除されたとき、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力により下方向の分力を含む押圧力が天井100の上面100bに作用するから、照明装置10は元の位置に復帰することができる。
【0056】
図9は、12mm板厚の天井に照明装置10を設置した状態を示す部分拡大断面図である。照明装置10は、板ばね1,1…の腕部17の側を照明装置本体10aの側に押し付けた状態にて、天井101に設けられた取付孔101aに下側から挿入し、板ばね1,1…から手を離し照明装置本体10aをさらに押し込むことにより、図9に示す如く、取付孔101aにて天井101に固定される。図9においては、板ばね1の第1の押圧部14が第1の押圧部14の円弧の中央よりも凸部15寄りの位置にて取付孔101aの上縁部に斜め上側から当接しており、天井101には、図9中に矢符にて示す如く、当接面に直交する方向、図において斜め下方向の力が作用している。天井の板厚の増加に応じて板ばね1の弾性変形するたわみ量が大となるから、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力は、天井の板厚の増加に従って増大し、9mm板厚の天井100に設置した場合と比較して、12mm板厚の天井101に作用する付勢力は大きくなり、被装着部である天井101の設置面に対して垂直方向である下方向の分力を十分に含む押圧力が作用することになる。
【0057】
このように、9mm板厚の天井100に設置した場合と同様に、12mm板厚の天井101に十分な下方向の分力を含む押圧力が作用するから、照明装置10を天井101に保持することができる。そして照明装置10に下方向の力が作用したのち該力が解除されたときも同様に、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力により下方向の分力を含む押圧力が天井101の上面101bに作用するから、照明装置10は元の位置に復帰することができる。
【0058】
図10は、25mm板厚の天井に照明装置10を設置した状態を示す部分拡大断面図である。照明装置10は、板ばね1,1…の腕部17の側を照明装置本体10aの側に押し付けた状態にて、天井102に設けられた取付孔102aに下側から挿入し、板ばね1,1…から手を離し照明装置本体10aをさらに押し込むことにより、図10に示す如く、取付孔102aにて天井102に固定される。図10においては、板ばね1の第2の押圧部16が第2の押圧部16の円弧の中央よりも腕部17寄りの位置にて取付孔102aの上縁部に斜め上側から当接しており、天井102には、図10中に矢符にて示す如く、当接面に直交する方向、図において斜め下方向の力が作用している。天井の板厚の増加に応じて板ばね1の弾性変形するたわみ量が大となるから、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力は、天井の板厚の増加に従って増大し、9mm板厚の天井100に設置した場合と比較して、25mm板厚の天井102に作用する付勢力はさらに大きくなる。そして凸部15は、天井102の取付孔102aの周面と離隔しており、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力は第2の押圧部16のみにより天井102に作用するから、被装着部である天井102の設置面に対して垂直方向である下方向の分力を含む十分な押圧力が作用することになる。
【0059】
このように、25mm板厚の天井102に十分な下方向の分力を含む押圧力が作用するから、照明装置10を天井102に保持することができる。そして照明装置10に下方向の力が作用したのち該力が解除されたときも同様に、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力により下方向の分力を含む押圧力が天井102の上面102bに作用するから、照明装置10は元の位置に復帰することができる。
【0060】
以上のように、V字状をなす板ばね1の一側に照明装置本体10aに取付けられる取付部11を、他側に取付部11の側に凸状に湾曲し、板ばね1の長手方向に沿う断面形状が円弧状である複数の押圧部である第1の押圧部14及び第2の押圧部16を夫々設けているから、天井の取付孔に照明装置本体10aを設置したときに、板厚の異なる天井に対して第1の押圧部14と第2の押圧部16の何れか一つが前記取付穴の上縁部に上側から当接されることになるから、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができ、十分な保持力にて照明装置10を天井に固定することができる。
【0061】
板ばね1の第1の押圧部14及び第2の押圧部16を屈曲部13からの遠近に応じて大小となる曲率半径にて湾曲させており、薄い板厚の天井100,101に対しては小さい曲率半径の第1の押圧部14が、厚い板厚の天井102に対しては大きい曲率半径の第2の押圧部16が当接することになり、前述した如く、押圧部と天井とのなす角度を、押圧部が斜め上側から天井に当接するように適切に保つことができ、板厚の異なる天井に対して十分な下方向の押圧力を生ぜしめることができる。
【0062】
板ばね1の第1の押圧部14と第2の押圧部16間に、第1の押圧部14及び第2の押圧部16と逆側に湾曲している凸部15を設けており、連続して押圧部を設ける場合と比較して、板ばね1の一側と他側とがなす角度を小さく抑えることができ、照明装置10を天井の取付穴に設置するときに、板ばねの一側と他側とを接近させるべく板ばねに大きな力を加える必要がなく、取付作業が容易となる。また、照明装置10を天井に設置したときに、天井の取付孔の周面と離隔するように板ばね1に凸部15を設けているから、板ばね1の弾性変形に応じて生じる付勢力を押圧部のみにより天井に作用させることができ、天井に十分な下方向の分力を含む押圧力を作用させることができる。
【0063】
なお、本実施の形態において、照明装置本体10aに3枚の板ばね1,1…を取付けているが、これに限定されない。板ばねの数は、保持すべき照明装置本体10aの重量、寸法に応じて適切に選定される。
【0064】
また、本実施の形態においては、照明装置本体10aの外部に電源部を設けているが、照明装置本体10aの内部に電源部を設けてもよいことは言うまでもない。
【0065】
(実施の形態2)
図11は、実施の形態2に係る板ばねの外観斜視図である。板ばね1aの取付部11及び延設部12の縁部には、取付部11及び延設部12に直交する方向に、第1の押圧部14及び第2の押圧部16の側に延びる補強板11b,11bが取付部11及び延設部12の長手方向の略全長に亘って設けてある。なお、補強板11b,11bは、取付部11及び延設部12に連設させて一体的に加工して、折り返すことにより形成してもよいし、別体に形成して取付けてもよい。その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同様であるため、対応する構成部材に図1と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
【0066】
このように取付部11及び延設部12の縁部に補強板11b,11bを設けることにより、取付部11及び延設部12の剛性を高くすることができ、照明装置を天井に設置する際に板ばね1aの腕部17の側を照明装置本体の側に押し付けたときに、取付部11及び延設部12が弾性変形しにくくなり、照明装置10の天井への設置作業が容易となる。また、板ばね1aは、LEDモジュール3,3…等の熱源からの熱を放散する放熱器2にネジにより密着して取付けてあり、補強板11b,11bの面積分だけ放熱器2の放熱面積が実質的に増加することになるから、照明装置10の放熱性を向上することができる。
【0067】
(実施の形態3)
図12は、実施の形態3に係る板ばねの外観斜視図である。板ばね1bの一端には、矩形板状の取付部11cが設けてあり、取付部11cには、取付部11cの長手方向に沿って凹部11d,11dが適長離隔して設けてある。また取付部11cの縁部には、取付部11に直交する方向に第1の押圧部14及び第2の押圧部16の逆側に延設され、延設端部から互いに近接する方向に折り返されてなる補強板11e,11eが設けてある。さらに腕部17及び抜止部18の接合部には、凹部18a,18aが適長離隔して設けてある。その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同様であるため、対応する構成部材に図1と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
【0068】
このように取付部11cに凹部11d,11d及び補強板11e,11eを設けることにより、取付部11cの剛性を高くすることができ、照明装置を天井に設置する際に板ばね1bの腕部17の側を照明装置本体の側に押し付けたときに、取付部11cが弾性変形しにくくなり、照明装置10の天井への設置作業が容易となる。腕部17及び抜止部18の接合部に凹部18a,18aを設けることにより、前記接合部の剛性を高くすることができ、板ばね1bの第1の押圧部14及び第2の押圧部16が天井に当接しない状態にて照明装置10が下に移動したときに、抜止部18に加わる照明装置本体10aの荷重を保持することが容易となる。また、補強板11eは、取り付け部11cに折り曲げ部を設けないようにするためのスペーサとして作用している。このような形状にすることにより、凹部11dの形成が容易になる。
【0069】
(実施の形態4)
図13は、実施の形態4に係る板ばねの外観斜視図である。図13(a)は、梱包時の状態を、図13(b)は、照明装置を天井に設置したときの状態を夫々示している。板ばね1cの一端に延設された延設部は、湾曲する2つの腕部12a,12bを接合してなり、所謂皿ばねの構造を有している。図14は、皿ばね部分の製作説明図である。図14(a)に示すように、ステンレス鋼の板をY字状に加工する。取付部11に連設され、他方の腕部12b側に凸状に湾曲する腕部12aと、該腕部12aと逆側に湾曲する腕部12bとを、腕部12bの先端から腕部12aの側に延設された延設部12cを取付部11の腕部12a側の部分に重ね合せるように接近させ、図14(b)に示すように、スポット溶接12d,12dにより固定する。なお、固定方法はスポット溶接に限定されず、リベットにより締結してもよい。
【0070】
第2の押圧部16に連設された腕部も同様に所謂皿ばねの構造を有しており、湾曲する2つの腕部17a,17bを一方の腕部17bから延設された延設部17cにてスポット溶接17d,17dにより接合している。その他の構成は、図1に示す実施の形態1と同様であるため、対応する構成部材に図1と同一の参照符号を付して、その構成の詳細な説明を省略する。
【0071】
このように構成された板ばね1cは、梱包時には、板ばね1cの一側及び他側に互いに近接する方向に力を加え、図13(a)に示すように、腕部12a,12b及び腕部17a,17bを外向きに凸状となるように湾曲させることにより、板ばね1cをコンパクトにすることができると共に、梱包が容易となり梱包の作業効率を向上することができる。なお、設置時には、板ばね1cの一側及び他側に互いに離反する方向に力を加えることにより、図13(b)に示すように、V字状の形状に容易に戻すことができる。
【0072】
以上の実施の形態2から4に係る板ばねは、実施の形態1に係る板ばね1と同様に、図7に示すような配置にて照明装置本体10aに取付けられる。なお、板ばねの配置は、図7に示す配置に限定されない。図15は、板ばねの他の配置例を示している。
【0073】
取付部24,24…は、複数の放熱板22,22…に夫々連設されて一体的に構成されている。取付部24,24…は、外側の放熱板22が複数の取付部24のうちの一つを兼ねるように、周方向に3等配をなして伝熱板21に立設してある。この構成により、取付部24,24…の剛性を高く保ちつつ、放熱器2に流入する空気の流れをより阻害しないようにすることができ、放熱性を向上することができる。
【0074】
なお、以上の実施の形態においては、照明装置が設置される天井の板厚範囲として6〜9mmと20〜25mmの2パターンを想定して、第1の押圧部14の曲率半径R1を6mmに、第2の押圧部16の曲率半径R2を23mmに夫々設定してあるが、これらの曲率半径R1,R2は一例であり、この数値に限定されない。これら第1の押圧部14及び第2の押圧部16の曲率半径R1及びR2は、第1の押圧部14と第2の押圧部16のどちらか一方のみが天井に上側から当接するように、設置対象として想定している天井の板厚に応じて決定してあり、天井の板厚、照明装置本体と取付孔の周面との間隔、照明装置本体の重量及び板ばねの数等に応じて適宜設定される。
【0075】
また、以上の実施の形態においては、板ばねに第1の押圧部14及び第2の押圧部16からなる2つの押圧部を設けているが、これに限定されず、3以上の押圧部を設けてもよい。
【0076】
また、以上の実施の形態においては、装着部材として板ばねを例示して説明したが、板状に限定されず、複数の押圧部を有する線状の付勢力を有する装着部材であってもよい。例えば、金属製のワイヤーを折り曲げて形成された装着部材であってもよい。
【0077】
また、以上の実施の形態においては、光源として複数のLED素子が実装されてなるLEDモジュール3,3…を用いているが、これに限定されず、高輝度のLEDチップ、EL(Electro Luminescence)、蛍光灯、電球等を用いてもよい。
【0078】
また、以上の実施の形態おいては、ダウンライトに板ばねを取付けた例について述べたが、ダウンライトに限定されず、他のタイプの照明装置、照明装置以外の天井に設置される機器にも本発明に係る板ばねは適用可能であり、その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施の形態1に係る板ばねの外観斜視図である。
【図2】板ばねの模式的正面図である。
【図3】図2の III−III 矢視から見た板ばねの模式的側面図である。
【図4】実施の形態1に係る板ばねを備える照明装置の外観斜視図である。
【図5】照明装置を側面から見た外観図である。
【図6】照明装置の模式的側面図である。
【図7】図6の VII−VII 矢視から見た照明装置の模式図である。
【図8】9mmの板厚の天井に照明装置を設置した状態を示す部分拡大断面図である。
【図9】12mm板厚の天井に照明装置を設置した状態を示す部分拡大断面図である。
【図10】25mm板厚の天井に照明装置を設置した状態を示す部分拡大断面図である。
【図11】実施の形態2に係る板ばねの外観斜視図である。
【図12】実施の形態3に係る板ばねの外観斜視図である。
【図13】実施の形態4に係る板ばねの外観斜視図である。
【図14】皿ばね部分の製作説明図である。
【図15】板ばねの他の配置例を示している。
【符号の説明】
【0080】
1,1a,1b,1c 板ばね(装着部材)
13 屈曲部
14 第1の押圧部(押圧部)
15 凸部
16 第2の押圧部(押圧部)
2 放熱器(放熱部)
10a 照明装置本体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明装置等を天井等の異なる厚さの被装着部に装着するのに使用する装着部材であって、
前記異なる厚さの被装着部に対応する複数の押圧部を備えることを特徴とする装着部材。
【請求項2】
前記押圧部は、円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の装着部材。
【請求項3】
前記押圧部は、前記被装着部に対して垂直方向の力を含む力で押圧することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装着部材。
【請求項4】
前記複数の押圧部は、異なる曲率半径にて湾曲してなることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一つに記載の装着部材。
【請求項5】
屈曲部を有しており、前記複数の押圧部は、前記屈曲部から遠い方において、曲率半径が大きいことを特徴とする請求項4に記載の装着部材。
【請求項6】
前記複数の押圧部は連設してあり、該複数の押圧部の連結部は、前記複数の押圧部の端部を結んで形成される直線より前記押圧部側にあることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一つに記載の装着部材。
【請求項7】
前記装着部材は板ばねであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一つに記載の装着部材。
【請求項8】
V字状をなす板ばねにおいて、前記板ばねの一側に設けられ、他側に向けて凸状に湾曲し、該板ばねの長手方向に沿う断面形状が円弧状である押圧部を複数有していることを特徴とする板ばね。
【請求項9】
請求項1から請求項7の何れか一つに記載の装着部材を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項10】
前記装着部材は、前記照明装置の放熱部に流入する空気の流れを阻害しない位置に配設されてなることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記装着部材及び、前記被装着部と前記照明装置の当接部により挟持されて被装着部に装着されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
天井に開口された取付孔に設置されるべき照明装置本体と、V字状をなし、屈曲部の側を下側にして前記照明装置本体及び取付孔間に介装されるべき板ばねとを備え、該板ばねの弾性変形に応じて生じる付勢力により前記照明装置本体を前記天井に固定するようにしてある照明装置において、前記板ばねは、一側に複数の押圧部を有する請求項7または請求項8に記載の板ばねであり、他側にて前記照明装置本体に取付けてあり、前記照明装置本体を前記取付孔に設置したときに、複数の前記押圧部の何れか一つが前記取付孔の上縁部に上側から当接するようにしてあることを特徴とする照明装置。
【請求項1】
照明装置等を天井等の異なる厚さの被装着部に装着するのに使用する装着部材であって、
前記異なる厚さの被装着部に対応する複数の押圧部を備えることを特徴とする装着部材。
【請求項2】
前記押圧部は、円弧状であることを特徴とする請求項1に記載の装着部材。
【請求項3】
前記押圧部は、前記被装着部に対して垂直方向の力を含む力で押圧することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の装着部材。
【請求項4】
前記複数の押圧部は、異なる曲率半径にて湾曲してなることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一つに記載の装着部材。
【請求項5】
屈曲部を有しており、前記複数の押圧部は、前記屈曲部から遠い方において、曲率半径が大きいことを特徴とする請求項4に記載の装着部材。
【請求項6】
前記複数の押圧部は連設してあり、該複数の押圧部の連結部は、前記複数の押圧部の端部を結んで形成される直線より前記押圧部側にあることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一つに記載の装着部材。
【請求項7】
前記装着部材は板ばねであることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか一つに記載の装着部材。
【請求項8】
V字状をなす板ばねにおいて、前記板ばねの一側に設けられ、他側に向けて凸状に湾曲し、該板ばねの長手方向に沿う断面形状が円弧状である押圧部を複数有していることを特徴とする板ばね。
【請求項9】
請求項1から請求項7の何れか一つに記載の装着部材を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項10】
前記装着部材は、前記照明装置の放熱部に流入する空気の流れを阻害しない位置に配設されてなることを特徴とする請求項9に記載の照明装置。
【請求項11】
前記装着部材及び、前記被装着部と前記照明装置の当接部により挟持されて被装着部に装着されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
天井に開口された取付孔に設置されるべき照明装置本体と、V字状をなし、屈曲部の側を下側にして前記照明装置本体及び取付孔間に介装されるべき板ばねとを備え、該板ばねの弾性変形に応じて生じる付勢力により前記照明装置本体を前記天井に固定するようにしてある照明装置において、前記板ばねは、一側に複数の押圧部を有する請求項7または請求項8に記載の板ばねであり、他側にて前記照明装置本体に取付けてあり、前記照明装置本体を前記取付孔に設置したときに、複数の前記押圧部の何れか一つが前記取付孔の上縁部に上側から当接するようにしてあることを特徴とする照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2009−218007(P2009−218007A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−58504(P2008−58504)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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