説明

装飾付シールシートの製造方法

【課題】スクリーン印刷法を用いて装飾付シールシートを製造するにあたって、離型シート上に積層された粘着剤層が、該粘着剤層上に樹脂を捺染するのに用いたスクリーンに付着して、該スクリーンと共に離型シートから剥離するのを防止することができる方法を提供する。
【解決手段】第1架橋層4bを形成する粘性の高い樹脂を、離型シート2上に積層された粘着剤層4a上に捺染する際に、該粘着剤層4aが十分に濡れた粘性の低い状態に保持されているように、該粘着剤層4aの粘性を適宜の方法により調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷法を用いた装飾付シールシートの製造方法であって、特にネイルアート用のシールシートの製造に適した方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ネイルアート等に用いられる装飾付シールシートは既に知られている。このようなシールシートは、表面側に各種装飾が施された装飾層が積層されると共に、裏面に感圧性粘着剤から成る粘着剤層が積層されたシールを、離型シート上に剥離可能に貼着することにより構成されており、例えばネイルアート用のシールシートの場合、シールを離型シート上から剥離して、その粘着剤層を天然爪や付け爪の表面に押し当てることにより、これらの爪にネイルアートシールを装着することができるようになっている。
【0003】
ところで、このようなシールシートを製造するにあたっては、スクリーン印刷法により、離型シート上に感圧性粘着剤を捺染して粘着剤層を積層すると共に、該粘着剤層上にペースト状の樹脂を捺染して上記装飾層の基台を成す架橋層を積層することが行われているが、この架橋層用の樹脂を捺染するにあたって上記粘着剤層が高い粘性を有していると、該粘着剤層にスクリーンを押し付けて樹脂を捺染した後、該スクリーンを持ち上げて除去する際に、上記粘着剤層がそのスクリーンに付着して該スクリーンと共に離型シートから剥離してしまうという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の技術的課題は、スクリーン印刷法を用いて装飾付シールシートを製造するにあたって、離型シート上に積層された粘着剤層が、該粘着剤層上に樹脂を捺染するのに用いたスクリーンに付着して、該スクリーンと共に離型シートから剥離するのを防止することができる方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本発明に係る装飾付シールシートの製造方法は、外形が所定の図柄形状に形成された装飾付シールが、離型シート上に剥離可能に貼着されて成る装飾付シールシートを製造する方法であって、スクリーン印刷用の基台上に、表面に離型層が形成された離型シートを着脱可能に装着するステップ;を有する準備工程と、上記離型層上に、上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて、常温で粘着性を呈する感圧性粘着剤を捺染し、粘着剤層を積層する第1ステップ;該粘着剤層上に、上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて樹脂を捺染し、架橋層を積層する第2ステップ;を有するベース層形成工程と、該ベース層上に、装飾層を積層する装飾層形成工程と、を含み、上記ベース層形成工程の第2ステップにおいて粘着剤層上に樹脂を直接捺染する際に、該粘着剤層が、押し付けられたスクリーンに付着して上記離型層から剥離しない、捺染される樹脂よりも低い粘性を保持しているように、該粘着剤層の粘性を調整することを特徴としている。
【0006】
具体的には、上記ベース層形成工程の第2ステップにおいては、上記架橋層を形成する樹脂が、上記粘着剤層よりも大きい上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて、該粘着剤層の周端縁を覆うように捺染される。
このとき、上記架橋層を形成する樹脂が、透明で無着色のものであり、また、上記ベース層形成工程が、その第2ステップにおいて形成した架橋層上に、該架橋層と略同じ大きさの上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて樹脂を捺染し、第2架橋層を積層する第3ステップを有していることが望ましい。
そして、上記装飾層形成工程は、上記ベース層上に、適宜の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて着色された樹脂を捺染し、上記所定の図柄形状に形成された色層を積層するステップ;を有することができる。
【0007】
さらに、本発明に係る装飾付シールシートの製造方法は、上記装飾層上に、該装飾層よりも大きい上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて、透明の樹脂を少なくとも該装飾層の周端縁を覆うように捺染し、カバー層を積層するステップ;を有するトップ層形成工程を含んでおり、このとき、上記カバー層を積層するステップにおいて捺染される樹脂には、金、銀、パール、ビーズ等の固形状の装飾体が混入されていても良い。
なお、上記装飾付シールは、ネイルアートシールに好適である。
【発明の効果】
【0008】
このように、本発明に係る装飾付シールシートの製造方法によれば、離型シート上に形成された粘着剤層上に架橋層用樹脂を直接捺染する際に、該粘着剤層が、押し付けられたスクリーンに付着して上記離型層から剥離しないような、捺染される上記架橋層用樹脂よりも低い粘性を保持しているように、該粘着剤層の粘性を調整するため、該粘着剤層が、上記架橋層用樹脂を捺染するのに用いたスクリーンに付着して、該スクリーンと共に離型シートから剥離するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下に、図1〜図3及び図4(a)〜図4(g)を用いて、本発明の一実施例について詳細に説明する。なお、図面は理解を助けるために概略図となっており、A−A断面における断面を示す斜線も、ここでは便宜上省略している。
図中1は、本発明に係る製造方法を用いて製造した装飾付シールシート、具体的にはネイルアートシールシートを示している。この装飾付シールシート1は、離型シート2と、外形が所定の図柄形状(本実施例ではハート形)に形成されていて、該離型シート2上に粘着剤層4aにより剥離可能に貼着された複数の装飾付シール3とにより構成されている。
【0010】
そして、これら装飾付シール3はそれぞれ、上記粘着剤層4a及び後述の装飾層5の基台を成す架橋層4b,4cを有するベース層4と、該ベース層4上に積層され、適宜の色に着色された色層5aを有する装飾層5と、該装飾層5上に積層され、該装飾層5を保護する透明のカバー層6aを有するトップ層6とにより構成されており、上記離型シート2から剥離し、粘着剤層4aにより指先の天然爪や付け爪の表面に貼着することによって、これら天然爪や付け爪に装飾を施すことができるようになっている。
【0011】
上記離型シート2は、台紙2aの表面に、シリコン等により離型処理が施されて離型層2bが形成されたもので、該離型層2b上の適宜の位置には、ロゴマーク等7(本実施例では文字「E」)がプリントされている。
上記ベース層4において、まず、上記粘着剤層4aは、溶媒の揮発により常温で粘着性を呈する感圧性粘着剤によって外形が上記所定の図柄形状に形成されていて、上記離型シート2の離型層2b上に剥離可能に積層されている。
【0012】
次に、上記架橋層4b,4cは、樹脂から成っていて、外形が上記所定の図柄形状に形成されていると共に、平面視において上記粘着剤層4aよりも大きく形成されており、上記粘着剤層4a上に、該粘着剤層4aの周端縁をも覆うように積層されている。
具体的には、本実施例において、上記架橋層は、第1架橋層4b及び第2架橋層4cの2層から形成されていて、第1架橋層4bが下層として上記粘着剤層4a上に直接積層され、第2架橋層4cが上層として該第1架橋層4b上に直接積層されている。そして、上記第1架橋層4b及び第2架橋層4cが上記粘着剤層4aよりも大きく形成されていて、該粘着剤層4a上に直接積層された下層側の第1架橋層4bにより、粘着剤層4aの周端縁が覆われている。
このように、粘着剤層4aの周端縁を上記架橋層4b,4cで覆うことにより、該粘着剤層4aの周縁の引きずりや糸引きを防止することができ、また、該架橋層4b,4cを2層にすることにより、ベース層4の強度が適度に高まって、上記装飾層5の保護に寄与すると共に、装飾付シール3の取り扱いも容易となる。
【0013】
なお、上記粘着剤層4aを形成する感圧性粘着剤としては、アクリル系粘着剤やウレタン系粘着剤やシリコン系粘着剤等を採用することが可能であり、また、上記架橋層すなわち第1架橋層4b及び第2架橋層4cを形成する樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレン樹脂、又はこれらの共重合体ブレンドや、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン樹脂、又はこれらの共重合体ブレンドや、ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、オレフィン樹脂、又はこれらの共重合体ブレンド等を採用することが可能である。ここで、上記粘着剤層4a及び上記架橋層4b、4cについては、透明で無着色であることが望ましい。さらに、上記架橋層4b,4cの層数は、本実施例のように2層に限られることなく、必要に応じて1層又は複数層の適宜の層数とすることが可能である。
【0014】
上記装飾層5は、着色された樹脂から成っていて、外形が上記所定の図柄形状に形成されている。
具体的には、本実施例において、装飾層5は、1又は複数の適宜の色に着色された樹脂から成り外形が上記所定の図柄形状に形成された1層の色層5aを有していて、該装飾層5すなわち色層5aが、上記ベース層4の第3架橋層4d上に直接積層されている。上記色層5aとしては、中抜き等により適宜にデザインされた図柄を採用することが可能であり、1層の色層5aの中で複数の色を配色することも可能である。また、ここでは、装飾層5を一層の色層5aによって形成した例を示したが、それに限られることなく、該装飾層5を、異なる色や図柄を有する複数の色層を積層すること等により形成しても良い。さらに、該装飾層5を形成する着色された樹脂は、透明であっても不透明であっても良い。
【0015】
なお、該装飾層5すなわち色層5aを形成する樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレン樹脂、又はこれらの共重合体ブレンドや、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン樹脂、又はこれらの共重合体ブレンドや、ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、オレフィン樹脂、又はこれらの共重合体ブレンド等を採用することが可能である。
【0016】
上記トップ層6は、透明の樹脂により上記所定の図柄形状に形成されていると共に、平面視において、少なくとも上記装飾層5、好ましくは上記ベース層4及び装飾層5よりも大きく形成されており、該装飾層5上に、少なくとも上記装飾層5の周端縁、好ましくは上記ベース層4及び装飾層5の周端縁をも覆うように積層されている。
具体的には、本実施例において、上記トップ層6は、透明で無着色の樹脂から成り外形が上記所定の図柄形状に形成された1層のカバー層6aを有しいて、該トップ層6すなわちカバー層6aが、上記色層5a上に直接積層されている。そして、上記カバー層6aが、上記架橋層4b,4c及び色層5aよりも大きく形成されていて、該カバー層6aにより、上記架橋層4b,4c及び色層5aの周端縁が覆われている。
このように、装飾層5(すなわち、色層5a)の周端縁を上記トップ層6(すなわち、カバー層6a)で覆うことにより、該装飾層5全体が保護されると共に、装飾付シール3の強度もより高まって、その取り扱いもより容易となる。
【0017】
なお、上記カバー層6aを形成する樹脂としては、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、エチレン樹脂、又はこれらの共重合体ブレンドや、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、シリコン樹脂、又はこれらの共重合体ブレンドや、ポリエチレン樹脂、ABS樹脂、オレフィン樹脂、又はこれらの共重合体ブレンド等を採用することが可能である。また、ここでは、トップ層6を一層のカバー層6aによって形成した例を示したが、それに限られることなく、該トップ層6を複数の層により形成しても良い。さらに、上記カバー層6aを形成する樹脂には、金、銀、パール、ビーズ等の固形状の装飾体が混入されていても良い。
【0018】
次に、図3及び図4(a)〜図4(g)を用いて、上記装飾付シールシート1の製造方法について説明する。
当該製造方法において、装飾付シールシート1は、主に、図3に示すようなスクリーン8を用いたスクリーン印刷による感圧性粘着剤や樹脂の捺染によって製造される。そして、当該製造方法は、離型シート2をスクリーン印刷の基台B上に装着する準備工程(図4(a)参照)と、感圧性粘着剤から成る粘着剤層4a及び樹脂から成る架橋層4b,4cを有するベース層4を、上記離型シート2上にスクリーン印刷により積層するベース層形成工程(図4(b)〜図4(d)参照)と、ロゴマーク等7を上記離型シート2上にスクリーン印刷によりプリントするプリント工程(図4(e)参照)と、着色された樹脂から成る色層5aを有する装飾層5を、上記ベース層4上にスクリーン印刷により積層する装飾層形成工程(図4(f)参照)と、透明な樹脂から成るカバー層6aを有するトップ層6を、上記装飾層5上にスクリーン印刷により積層するトップ層形成工程(図4(g)参照)とにより構成されている。
【0019】
ここで、上記スクリーン印刷による感圧性粘着剤や樹脂等の捺染に用いられるスクリーン8は、図3に示すように、絹やナイロンなどの繊維等を織った紗8aが枠8b内に張設されたもので、該紗8aは、例えば同図に示すように、上記所定の図柄形状(ここではハート形)等に製版されている(すなわち、このハート形の部分においては紗8aの目が通っており、その他の部分においては紗8aの目が塞がれている)。そして、この紗8a上に粘性の低い感圧性粘着剤やそれより粘性の高いペースト状の樹脂等を載せて、該紗8a上で図示しないスキージを加圧・移動させることにより、紗8aの目を通して被捺染面上に、感圧性粘着剤や樹脂等を、上記所定の図柄形状等に捺染することができるようになっている。
【0020】
そこで、上記装飾付シールシート1の製造方法をより具体的に説明すると、上記準備工程においては、離型シート2を、スクリーン印刷用の平坦な基台B上に離型層2bを上面にして装着する(図4(a)参照)。
上記ベース層形成工程においては、まず、上記離型シート2の離型層2b上に、図3に示すような所定の図柄形状に製版されたスクリーン8を用いて、溶剤の揮発により常温で粘着性を呈する液状の感圧性粘着剤を捺染し、粘着剤層4aを積層する(図4(b)参照)。
次に、該粘着剤層4aが十分に濡れて粘性の低い状態において、該粘着剤層4a上に、それよりも大きい上記所定の図柄形状に製版されたスクリーン8を用いて、該粘着剤層4aよりも粘性の高いペースト状の樹脂を該粘着剤層4aの周端縁を覆うように捺染し、第1架橋層4bを積層する(図4(c)参照)。そして、該第1架橋層4bを十分に乾燥させる。
【0021】
このように、第1架橋層4bの捺染時に十分に濡れた粘性の低い状態に保持されているように調整された粘着剤層4a上に、それよりも粘性の高いペースト状の樹脂を捺染する方法(ウェットオンウェット法)を採用することにより、粘性の高い樹脂を捺染する際にスキージによる加圧力が大きくなりスクリーン8が粘着剤層4aに押し付けられても、該粘着剤層4aが、十分に濡れた粘性の低い状態にあるため、スクリーン8の紗8aに付着することがない。そのため、捺染後にスクリーン8を持ち上げて除去する際、該粘着剤層4aが離型シート2から剥離してしまう虞がなく、しかも、粘着剤層4aの粘着剤と第1架橋層4bの樹脂とが適度に混濁して、該第1架橋層4bがより強固なものとなる。
なお、上記第1架橋層4b形成する樹脂を捺染する時における粘着剤層4aの粘性については、感圧性粘着剤に含まれる溶剤の割合を調節する等、溶剤の揮発を適宜の方法で管理又は調節することにより、調整することができる。
【0022】
次に、上記第1架橋層4b上に、該第1架橋層4bとほぼ同じ大きさの上記所定の図柄形状に製版されたスクリーン8を用いてペースト状の樹脂を捺染し、第2架橋層4cを積層する(図4(d)参照)。そして、該第2架橋層4cを十分に乾燥させる。なお、上述したように、上記第1架橋層4b及び第2架橋層4cを形成するにあたっては、透明で無着色の同じ樹脂を捺染することが望ましい。
このように、上記ベース層3を形成する架橋層4b,4cを2層とすることにより、ベース層3の上面(第2架橋層4cの上面)が平滑となり、しかも、上記粘着剤層4aの粘着剤と第1架橋層4bの樹脂との混濁と相俟って、ベース層3に適度な強度が付与されるため、前述の効果に加え、後述する装飾層形成工程における装飾層5の形成作業がより容易となる。
【0023】
上記プリント工程においては、上記離型シート2の離型層2b上に、スクリーン印刷により、インクでロゴマーク等7(本実施例では文字「E」)をプリントする(図4(e)参照)。なお、ここで使用するインクは、一般に市販されているインクでは離型層2bに弾かれてプリントができないため、離型層2bに弾かれない特殊なインクを使用する。
【0024】
上記装飾層形成工程においては、上記ベース層4の第2架橋層4c上に、上記所定の図柄形状に製版されたスクリーン8を用いて、着色されたペースト状の樹脂を捺染し、上記装飾層5を形成する色層5aを積層する(図4(f)参照)。ここで、上記色層5aを捺染するスクリーン8は、必ずしも上記所定の図柄形状すなわちハート形に製版されている必要性はなく、例えば、複数枚のスクリーン8を、ハート形を複数に分割した適宜の図柄形状にそれぞれ製版し、それらスクリーン8を用いて、それぞれ異なる色に着色された樹脂を捺染することにより、1層のハート形の色層5aの中で複数の色を配色したりすることも可能である、また、上述したように、装飾層5は、一層の色層5aから成るものに限られることなく、異なる適宜の図柄形状に製版された複数枚のスクリーンを用いて、例えば、それぞれ異なる色に着色された樹脂を捺染することにより、複数の色層から成るものとしても良い。
【0025】
上記トップ層形成工程においては、上記装飾層5すなわち色層5a上に、少なくとも該装飾層5、好ましくは本実施例のように該装飾層5及び上記ベース層4よりも大きい上記所定の図柄形状に製版されたスクリーン8を用いて、透明で無着色のペースト状の樹脂を上記装飾層5及びベース層4の周端縁を覆うように直接捺染し、トップ層6としてのカバー層6aを積層する(図4(k)参照)。そして、該カバー層6aを十分に乾燥させる。なお、上述したように、上記トップ層6を形成するにあたって捺染する樹脂には、金、銀、パール、ビーズ等の固形状の装飾体が予め混入されていても良い。
そして、最後に、積層された各樹脂を良く乾燥させた後に、基台Bから取外し、装飾付シールシート1、すなわちネイルアートシールシートを得ることができる。
【0026】
以上において、本発明について詳述したが、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、本願の特許請求の範囲に記載の発明の要旨を逸脱しない範囲で、設計において種々の変更ができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の製造方法により得られる装飾付シールシートの一例を示す斜視図である。
【図2】図1のA−A断面を示す概略図である。
【図3】図1の装飾付シールシートを製造する際に使用されるスクリーン印刷用のスクリーンを示す概略的な平面図である。
【図4(a)】スクリーン印刷用の基台上に離型シートを装着した状態を示す概略図である。
【図4(b)】離型シート2上に粘着剤層4aを積層した状態を示す概略図である。
【図4(c)】粘着剤層4a上に第1架橋層4bを積層した状態を示す概略図である。
【図4(d)】第1架橋層4b上に第2架橋層4cを積層した状態を示す概略図である。
【図4(e)】離型シート2上にロゴマーク等7をプリントした状態を示す概略図である。
【図4(f)】第2架橋層4d上に色層5aを積層した状態を示す概略図である。
【図4(g)】装飾層5上にカバー層6aを積層した状態を示す概略図である。
【符号の説明】
【0028】
1 装飾付シールシート
2 離型シート
2a 台紙
2b 離型層
3 装飾付シール
4 ベース層
4a 粘着剤層
4b 第1架橋層
4c 第2架橋層
5 装飾層
5a 色層
6 トップ層
6a カバー層
7 ロゴマーク等
8 スクリーン
8a 紗
8b 枠
B スクリーン印刷用の基台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が所定の図柄形状に形成された装飾付シールが、離型シート上に剥離可能に貼着されて成る装飾付シールシートを製造する方法であって、
スクリーン印刷用の基台上に、表面に離型層が形成された離型シートを着脱可能に装着するステップ;を有する準備工程と、
上記離型層上に、上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて、常温で粘着性を呈する感圧性粘着剤を捺染し、粘着剤層を積層する第1ステップ;該粘着剤層上に、上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて樹脂を捺染し、架橋層を積層する第2ステップ;を有するベース層形成工程と、
該ベース層上に、装飾層を積層する装飾層形成工程と、
を含み、
上記ベース層形成工程の第2ステップにおいて粘着剤層上に樹脂を直接捺染する際に、該粘着剤層が、押し付けられたスクリーンに付着して上記離型層から剥離しない、捺染される樹脂よりも低い粘性を保持しているように、該粘着剤層の粘性を調整する、
ことを特徴とする装飾付シールシートの製造方法。
【請求項2】
上記ベース層形成工程の第2ステップにおいて、上記架橋層を形成する樹脂が、上記粘着剤層よりも大きい上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて、該粘着剤層の周端縁を覆うように捺染される、
ことを特徴とする請求項1に記載の装飾付シールシートの製造方法。
【請求項3】
上記架橋層を形成する樹脂が、透明で無着色のものである、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装飾付シールシートの製造方法。
【請求項4】
上記ベース層形成工程が、その第2ステップにおいて形成した架橋層上に、該架橋層と略同じ大きさの上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて樹脂を捺染し、第2架橋層を積層する第3ステップを有する、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の装飾付シールシートの製造方法。
【請求項5】
上記装飾層形成工程が、上記ベース層上に、適宜の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて着色された樹脂を捺染し、上記所定の図柄形状に形成された色層を積層するステップ;を有する、
ことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の装飾付シールシートの製造方法。
【請求項6】
上記装飾層上に、該装飾層よりも大きい上記所定の図柄形状に製版されたスクリーンを用いて、透明の樹脂を少なくとも該装飾層の周端縁を覆うように捺染し、カバー層を積層するステップ;を有するトップ層形成工程を含む、
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の装飾付シールシートの製造方法。
【請求項7】
上記カバー層を積層するステップにおいて捺染される樹脂に、金、銀、パール、ビーズ等の固形状の装飾体が混入されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の装飾付シールシートの製造方法。
【請求項8】
上記装飾付シールが、ネイルアートシールである、
ことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の装飾付シールシート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4(a)】
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【図4(b)】
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【図4(c)】
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【図4(d)】
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【図4(e)】
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【図4(f)】
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【図4(g)】
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【公開番号】特開2007−160184(P2007−160184A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−358041(P2005−358041)
【出願日】平成17年12月12日(2005.12.12)
【出願人】(305040994)株式会社ディアローラ (2)
【Fターム(参考)】