説明

製品の環境保護および/または環境に関する評定システムならびに方法

環境保護および/または環境に配慮する消費者および/または製品製造者は、製品および/またはそれらの製造方法の環境保護および/または環境に関する特徴を「格付け」することが可能である。この格付けは、製品を作る際に使用される有毒材料の種類または量を決定し、製品の毒消費値を割り当てる工程と;製品を作る際に出される廃棄物の種類または量を決定し、製品の廃棄物生成値を割り当てる工程と;製品を作る際に使用される環境優先材料の種類または量を決定し、製品の材料値を割り当てる工程と;既存の製品または製造方法を上回る環境保護面または環境面での進歩を製品またはその製造方法がもたらす程度を決定し、製品の進歩値を割り当てる工程のうちの1つまたは複数を含むことができる。その後、最終製品グレードは割り当てられた値に基づいて決定され得る。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願情報
本出願は、2007年5月2日に出願された、「Product Ecological and/or Environmental Rating System and Method」という名称の米国仮特許出願第60/915,483号に基づく優先権の恩恵を主張する。この優先権出願は、参照により本明細書に全体として組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は、全体として、消費者製品の環境保護および/または環境への影響に基づいて消費者製品を評価しランク付けする格付けシステムおよび方法に関する。本発明は、環境保護および/または環境に配慮する企業市民および消費者が環境保護上および/または環境上の問題を視野に入れて製品を設計、評定、評価、および/または比較する能力を高める測定基準を提供する。
【背景技術】
【0003】
背景
世界人口が増大し、技術が進歩するにつれて、最新のあらゆる種類の消費財に対する需要が増大する。実業界は、多種多様の消費財を購買市場に供給することによってこの需要を満たすことを目指している。
【0004】
消費者製品の製造およびマーケティングは、いくつかの方法で天然資源を消費する。第一に、資源は、消費者へ売り出される物理的な最終製品の一部として含まれる(かつ消費される)。さらに、資源は、多数の製品の製造において、例えば、製造プラントを運転し製品を生産するために必要である薬品、エネルギー、および/またはその他の原材料もしくは資源として消費される。さらに、資源は、生産工程からの廃棄物およびその他の副産物を浄化、蓄積、および/または、さもなければ取り扱う際に消費されることがある。不注意、製造効率の悪さ、生産誤差、および/またはその他の不経済により、所望の製品を生産するために実際に必要とされるより多くの天然資源が消費される可能性がある。その上、ある種の生産工程は、後で処分することが難しいおよび/もしくは取り扱いに費用がかかる可能性があり、かつ/または環境および/または健康問題を引き起こす可能性がある、溶剤のようなかなりの量の有害材料を用いる。
【0005】
多数の企業および消費者は、環境保護上および/または環境上の問題を非常に危惧し、可能であれば、地球の環境保護上および環境上の問題に拍車をかけることを回避するために、生産コストおよび/または製品コストを多少増加させるとしても相当な措置を取る。多数の製品の広告は、その製品の「環境に優しい」または「グリーン」特性を大げさに宣伝している。残念ながら、殆どの消費者製品に対し、製造者にとって環境保護および/または環境への影響を自分の製品(および製品のための製造工程)と競争相手の製品との相違を区別するための容易な方法はない。その上、殆どの消費者製品に対し、少なくともある企業の製品の生産を別のものと比較した場合における環境保護および/または環境への影響という点では、消費者にとってある企業の製品を別のものと対照して評価し比較するための容易な方法はない。
【発明の概要】
【0006】
概要
本発明は、上記の特定された課題および問題の一部を扱う。以下の本文は、発明の基本的な理解および発明の種々の特徴を提供するために本発明の局面の一般的な概要を示す。この概要は、決して発明の範囲を制限することを目的とせずに、以下に続く発明のより詳細な説明のための一般的な概要および状況を提供するだけである。
【0007】
全体として、本発明の局面は、消費者、製品製造者、およびその他の者に、製品および/または製品の製造方法の環境保護特性および/または環境特性を一貫して評価し、ランク付けし、比較する方法を提供する。本発明の少なくとも一部の実施例によれば、製品の環境保護特性/環境特性を格付けする方法は、
製品を作る際に使用される有毒材料の種類または量を決定する工程と;
決定された有毒材料の種類または量に基づく製品の毒消費値を割り当てる工程と;
製品を作る際に出される廃棄物の種類または量を決定する工程と;
廃棄物の種類または量に基づく製品の廃棄物生成値を割り当てる工程と;
製品を作る際に使用される環境優先材料の種類または量を決定する工程と;
環境優先材料の種類または量に基づく製品の材料値を割り当てる工程と;
類似した従来または既存の製品および製造方法を上回る進歩を製品またはその製造方法がもたらす程度を決定する工程と;
決定された進歩の程度に基づく製品の進歩値を割り当てる工程と;
これらの割り当てられた毒消費値、廃棄物生成値、材料値、および進歩値に少なくとも部分的に基づく製品グレードを決定する工程と
を含むことができる。「決定する」工程は、(含まれている種々の材料、または製品の製造で使用される種々の材料の種類もしくは量を検出、感知、または測定するような)物理的な測定を含むことができ、「決定する」工程は、および/または外部資源からの入力を受信する工程を含むことができる。
【0008】
本発明のより完全な理解および本発明のある種の優位性は、添付図面と併せて以下の詳細な説明を参照することによって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の種々の局面と共に使用できるコンピュータシステムの概略図を示す。
【図2】図2Aおよび図2Bは、本発明の実施例による格付けシステムを使用する場合に達成される改良される可能性のある環境保護および/または環境面での結果を示す。
【図3】「金」、「銀」および「銅」の特徴付けの下で本発明による製品の分類および格付けを示す。
【図4】本発明の少なくとも一部の実施例による格付けシステムおよび方法で使用される製品化学パラメータ採点の実施例を示す。
【図5】本発明の少なくとも一部の実施例による製品製造プロセスにおいて溶剤の有無および内容を評価する際に使用できる、溶剤ワークシート実施例を示す。
【図6】本発明の少なくとも一部の実施例による格付けシステムおよび方法で使用される廃棄物パラメータ採点の実施例を示す。
【図7】本発明の少なくとも一部の実施例による格付けシステムおよび方法で使用される環境優先材料パラメータ採点の実施例を示す。
【図8】本発明の少なくとも一部の実施例による格付けシステムおよび方法で使用されるイノベーションパラメータ採点の実施例を示す。
【図9】本発明の少なくとも一部の実施例による格付けシステムで使用される総合製品グレード採点の実施例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
詳細な説明
I.本発明による製品格付け方法およびシステム、ならびにこれらの使用についての一般的な説明
本発明の局面は、消費者、製品製造者、およびその他の者に、製品および/または製品製造方法の環境保護特性および/または環境特性を一貫して評価し、ランク付けし、比較する方法を提供する。本発明の少なくとも一部の実施例により、製品を格付けする方法は、
製品を作る際に使用される有毒材料の種類または量を決定する工程と;
決定された有毒材料の種類または量に基づく製品の「毒消費値」を割り当てる工程と;
製品を作る際に出される廃棄物の種類または量を決定する工程と;
廃棄物の種類または量に基づく製品の「廃棄物生成値」を割り当てる工程と;
製品を作る際に使用される環境優先材料の種類または量を決定する工程と;
環境優先材料の種類または量に基づく製品の「材料値」を割り当てる工程と;
類似した従来または既存の製品(例えば、旧年モデルなど)および/または製造方法を上回る進歩を製品またはその製造方法がもたらす程度を決定する工程と;
決定された程度に基づく製品の「進歩値」を割り当てる工程と;
これらの割り当てられた毒消費値、廃棄物生成値、材料値、および進歩値に少なくとも部分的に基づく製品グレードを決定する工程と
を含むことができる。
【0011】
本発明のさらなる局面は、本発明の少なくとも一部の実施例に従って使用できる製品格付け方法のその他の特徴に関する。本発明のこのような特徴は、
(a)製品を作る際に使用される有毒材料の種類または量を示す入力を受信する工程と;
(b)製品を作る際に出される廃棄物の種類または量を示す入力を受信する工程と;
(c)製品を作る際に使用される環境優先材料の種類または量を示す入力を受信する工程と;
(d)類似した従来または既存の製品および/または製造方法を上回る進歩を製品またはその製造方法がもたらす程度を示す入力を受信する工程と;
(e)受信された入力に少なくとも部分的に基づく製品グレードを決定する工程と
を含むことができる。
【0012】
本発明のなおさらなる局面は、
(a)製品を作る際に使用される有毒材料の種類、製品を作る際に使用される有毒材料の量、製品を作る際に出される廃棄物の種類、製品を作る際に出される廃棄物の量、製品を作る際に使用される環境優先材料の種類、製品を作る際に使用される環境優先材料の量、ならびに類似した従来または既存の製品および/またはそれらの製造方法を上回る進歩を製品またはその製造方法がもたらす程度からなる群より選択される少なくとも2個のメンバーに、少なくとも部分的に基づく、複数個の製品「サブスコア」
を決定する工程と;
(b)製品サブスコアに少なくとも部分的に基づく製品グレードを決定する工程と
を含むことができる、製品を格付けする方法に関する。
【0013】
さらに、本発明の局面は、製品グレードについて製品または製品の包装に直接的に印をつけることによって、表示された製品グレードを含むタグを、製品に貼り付けることによって、製品に関する広告、チラシ、またはその他の情報に製品グレードを含むことによってなどのような、例えば、消費者によって容易に見つけることができかつ確認することができる様式のようなある様式で、決定された製品グレードを製品と関連付ける工程を含むことができる。
【0014】
本発明の局面は、本発明から逸脱することなく、(例えば、小売店、卸売店、またはディスカウントストアなどで入手可能である)任意の種類の消費者製品を含む任意の所望の種類の製品にも適用される。このような製品の例には、限定されるわけではないが、履物、衣料、電子物品、電気製品、宝石、紙製品、食品、皮革物品、食料雑貨品、家具、学校教育/事務消耗品、自動車および/またはその他の車両、(ボール、バッグ、バット、グラブ、防具などの)スポーツ用品などが含まれる。
【0015】
上述の種々の方法、または少なくともその一部は、種々の工程を実行するようにプログラムされ適合された(例えば、任意の必要な入力を受信するようにプログラムされ適合された;(例えば、計算方法によって、メモリ102または「ルックアップ」テーブルから必要な情報を獲得することによって、コンピュータに接続された検出器またはセンサから必要な情報を獲得することによって、製品に物理的な測定を行うことによってなど)種々の値またはサブスコアを獲得または決定するようにプログラムされ適合された;(例えば、計算方法によって、メモリ102または「ルックアップ」テーブルから必要な情報を獲得することによって、コンピュータに接続された検出器またはセンサから必要な情報を獲得することによって、製品に物理的な測定を行うことによってなど)入力値および/またはサブスコアに基づく製品スコアを獲得または決定するようにプログラムされ適合された、など)コンピュータ100(図1を参照)によって、実行されることができる。例えば、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、ラップトップ、パームトップなどを含む任意の種類のコンピュータシステム100が本発明による方法の一部または全部を実行するためにプログラムされ使用されることができる。種々の工程を実行するためにコンピュータ100を制御するプログラムは、(図1では一般的にメモリ102として指定されている)コンピュータフロッピーディスク、CD、DVD、ハードディスク、および/または、その他のメモリシステムを含む、当技術分野において公知で使用されている任意の所望の種類のコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されることができる。
【0016】
本発明の少なくとも一部の実施例による製品格付けシステムは、
(1)(a)製品を作る際に使用される有毒材料の種類および/または量、
(b)製品を作る際に出される廃棄物の種類および/または量、
(c)製品を作る際に使用される環境優先材料の種類および/または量、ならびに/または
(d)類似した従来または既存の製品および/またはそれらの製造方法を上回る進歩を製品および/または製品の製造方法がもたらす程度
の1つまたは複数を示す入力を受信するための、入力システム(例えば、図1におけるシステム104)と;
(2)(a)有毒材料の種類および/または量に基づく製品の毒消費値を割り当てる動作、
(b)廃棄物の種類および/または量に基づく製品の廃棄物生成値を割り当てる動作、
(c)製品を作る際に使用される環境優先材料の種類および/または量に基づく製品の材料値を割り当てる動作、および/または
(d)進歩を製品および/または製品の製造方法がもたらす決定された程度に基づく製品の進歩値を割り当てる動作
の1つまたは複数の動作を実行するようにプログラムされ適合された処理システム(例えば、1台または複数のプロセッサを含む図1におけるシステム106)と
を含むことができる。処理システムはさらに、これらの割り当てられた毒消費値、廃棄物生成値、材料値、および/または進歩値の1つまたは複数に基づく製品グレードを決定する(e)ようにプログラムされ適合されることができる。キーボード、マウス、(LANまたはWAN接続のような)遠隔装置またはネットワークへのデータ接続、赤外線またはその他のデータ入力ポート、製品の特性を測定もしくは検出する検出器またはセンサからの入力ラインの1つまたは複数などのような任意の所望の種類の入力システムは、本発明から逸脱することなく、設けられることができる。種々の入力が、本発明から逸脱することなく、様々な入力システムを介して受信されることができる。
【0017】
本発明の少なくとも一部の実施例によるシステムは、製品グレードをユーザに、例えば、決定された製品グレードについて製品または製品の包装に印をつける装置(例えば、製品グレードを製品、製品の包装、製品のタグ、製品の広告チラシなどに印刷するプリンタまたはその他のマーキング装置)、表示画面などに提供する出力システム(例えば、図1におけるシステム108)をさらに含むことができる。上述されているように、(例えば、上述された種類の)従来のコンピュータシステムは、本発明の実施例によるシステムの種々の機能を実行するようにプログラムされ適合されることができる。
【0018】
本発明のさらなる局面は、本発明による製品グレード、システム、および方法が、例えば、製品またはその製造方法を設計するために、ならびに/または製品および/もしくは製品の製造方法を再設計もしくは改変するために使用される様式に関する。このような方法は、
(a)製品グレードが、初期製品または第1の製造プロセスの少なくとも一方の環境保護的または環境的局面の目安を与え、
初期製品グレードが、製品を作る際に使用される毒性材料の種類、製品を作る際に出される廃棄物の種類、製品を作る際に使用される毒性材料の量、製品を作る際に使用される環境優先材料の種類、製品を作る際に出される廃棄物の量、製品を作る際に使用される環境優先材料の量、ならびに類似した従来または既存の製品および/またはそれらの製造方法を上回る進歩を製品またはその製造方法がもたらす程度からなる群より選択される少なくとも2個のメンバーに、少なくとも部分的に基づく、
第1の製品製造プロセスを使用して作られる初期製品の初期製品グレードを決定する工程と;
(b)環境的または環境保護的局面を改善するために第1の製品または第1の製造プロセスの少なくとも一つの局面を変更する工程と;
(c)製品および/または製品の製造プロセスの変更された局面を使用して、初期製品グレードと比較して向上した製品グレードを有する最終製品を作る工程と
を含む、製品を生産する方法を含むことができる。本発明のこれらの局面は、例えば、上述された種々の様式のいずれかの様式で、向上した製品グレードについて製品または製品の包装に印をつける工程をさらに含むことができる。上述されているように、本発明の局面は、広範囲の様々な製品などに適用されることができる。
【0019】
上記の一般的な説明を考慮して、本発明による格付け方法およびシステム、ならびにこれらの使用の種々の特定の実施例についてのより詳細な説明が後に続く。特定の実施例は、一般に、履物または衣料の生産に関するが、当業者は、本発明の局面が他の製品にも拡張可能であることを理解する。
【0020】
II.本発明による製品格付け方法およびシステムの特定の実施例の説明
ここで発明の特定の実施例が添付図面と併せてより詳細に説明される。しかし、当業者は、これらの特定の実施例が単に発明の可能な特徴および特性を示すだけであり、本発明を限定しないことを理解する。
【0021】
本発明の局面によれば、消費者製品は、一般に2つの主要なクラスに、すなわち、改善された環境保護特性および/または環境特性を含む(または含むように改変された)(またはこれらの環境保護および/もしくは環境への影響に注意を払って少なくとも設計された)製品とその他の製品とに分類できる。種々の具体的な工程が、環境保護特性ならびに/または環境特性および/もしくは影響を改善するために製品設計ならびに/または製品の製造方法に取り込まれることができる。例えば、より少量の(製品製造中に溶剤、発癌材料などのような)有毒材料を使用して、ならびに/または製造プロセス中に(例えば、より低い腐食性または過酷性の溶剤、水ベース溶剤対有機溶剤などの)環境保護的なおよび/もしくは環境に優しい材料を使用して作られた製品は、より大量の有毒材料および/もしくはより過酷な材料を使用して作られた製品を上回る改善であると考えられることができる。
【0022】
本発明の実施例によるシステムおよび方法において考慮することができるその他の主要な環境保護および/または環境の因子は、消費者製品の製造プロセス中に生成された廃棄物に関する。より少ない廃棄物(および/またはより容易に取り扱うことができる廃棄物)を生成する製品および製造プロセスは、特殊な取り扱いを必要とする大量の廃棄物または廃材を生成する製品および/または製造プロセスを上回る改善であると考えられることができる。
【0023】
製品の全体的な環境保護および/または環境への影響を評価する際に考慮される付加的な因子は製品自体を構成する材料の種類に関する。ある種の材料は、製品の一部として含まれる原材料であろうと、製品を作る際に使用される原材料であろうと、他の材料より環境に優しいに過ぎない(または、環境に与える悪影響の度合いが小さい)。例えば、製品は、再生利用材料、再生可能材料、または再生材料を使用するために設計されることができる。したがって、(類似した既存または従来の材料および/または方法と比べると)「環境に優しい」または「環境優先」材料の量が増加した製品を設計および生産すること、および/または製造方法は、製品設計および/または製品の製造の点ですべて「新しい」材料を使用する製品を上回る改善であると考えられる。
【0024】
製品の環境保護および/または環境への影響に関するなおさらなる特徴は、製品設計および/または製品の製造プロセスの設計に関する。環境保護および環境への影響が製品設計および製品の製造プロセスの設計の間に考慮される場合、製品および/またはプロセスに対する変更(例えば、イノベーション)は、著しく改善された環境保護特性および/もしくは環境特性を有する改変された製品ならびに/またはプロセスをもたらすことができる。例えば、水またはその他の浄化材料を節約するために浄化工程を組み合わせることは、材料消費の著しい削減につながることがある。このようなイノベーションは促進されるべきである。
【0025】
本発明は、より詳細に後述されるように、製品の(および潜在的にその他の)環境保護特性および/または環境特性に注意を払う製品の格付けシステムを提供する。本発明の一部の実施例によれば、製品は、有毒材料使用、廃棄物生成、環境に優しい材料の使用、ならびに製品および/またはプロセスの環境保護特性/環境特性に関するイノベーションの発展および使用のうちの1つまたは複数に基づいて格付けされる。このような格付けシステムは、製品設計者および/または製造業者がこれらの製品の環境保護特性および/または環境特性を評価および/または改善するために使用できる測定基準を提供することが可能である。このような格付けシステムもまた、環境保護的製品および環境面で改善された製品を設計し生産しようとして「目標」を設定する際に、設計者および製造業者によって使用できる。この格付けシステムは、(任意で異なる製造業者からの)様々な製品を評価し、比較し、対照するために最終消費者によって使用されることができ、かつ最終消費者がより環境保護的なおよび/または環境に優しい製品を購入することならびに/またはより環境保護的および環境的に意識が強いビジネスを奨励することを可能にするための測定基準を提供することができる。
【0026】
本実施例の格付けシステムの上記の部分は、本発明による格付けシステムの計算または決定において使用できる部分または下位部分の一部の特定の実施例に過ぎない。これらの部分の一部または全部は、本発明から逸脱することなく、特定の格付けシステムで使用されることができ、ならびに/またはこれらの種々の部分または下位部分は、本発明から逸脱することなく、種々の格付けシステムの計算および/もしくは決定において様々に重み付けされることができる。付加的な要素または特徴が(例えば、上述の部分および/もしくは下位部分の1つまたは複数に付加的に、または任意で上述の部分および/もしくは下位部分の1つまたは複数の代わりに)、本発明から逸脱することなく、格付けシステムの計算または決定に盛り込まれるかまたは考慮されることができる。このような要素または特徴のより特定の実施例は、種々の労働基準(例えば、最低賃金の支払い、児童労働の有無、工場労働条件など)の遵守;大きいカーボンフットプリントの生成;二酸化炭素、硫黄酸化物、温室効果ガスなどの生成および/または大気放出;オゾン層破壊化学物質の生成および/または大気放出;製品の包装の特徴(例えば、廃棄物の存在、処分問題など)などのような社会的に責任の重い考慮を含むことができる。
【0027】
本発明の少なくとも一部の実施例による製品格付けシステムは、設計者および/または製品製造者にとって、製品の性能および/または美的外観に悪影響を与えることなく、環境保護的なおよび環境に優しい製品を開発することを惹起するために役に立つことができる。これらの特徴または要素も、所望であれば、格付けシステムに組み入れることが可能である。例えば、製品は、その他の環境保護的/環境的な手法において製品のスコアを向上しようとして性能特性および/または美観を犠牲にするならば、全体的な格付けシステムにおいて得点を失うことがある。同様に、本発明の少なくとも一部の実施例による格付けシステムにおいて「低いグレード」を獲得する可能性がある製品は、
(a)環境優先材料を使用すること、ならびに/または廃棄物および/もしくは毒物を削減することに向けて最低限の努力がなされる製品;
(b)絶滅の危機または絶滅寸前として全地球的に挙げられている任意の動物種からの材料を含む製品;
(c)ポリ塩化ビニル(「PVC」)を含む製品;
(d)再生利用可能性を妨げる成分(例えば、履物における金属成分)を含む製品;
(e)美的改善だけを実現する製品;ならびに/または、
(f)環境保護および/または環境への影響を改善するためになされた努力が所望の結果を実現しなかった製品または製造プロセス
を含むことができる。製品および/または製品の製造プロセスのその他の特性(種々の社会的な責任/「優れた企業市民」因子のような)もまた製品の「グレード」に悪影響を与えることがある。
【0028】
例えば、本発明の種類の格付けシステムの使用の一つの利点は、消費者製品の設計および製造における環境保護上および/もしくは環境上の問題について設計者ならびに/または製造者の高められた「自覚」および考慮に関する。図2Aは、少なくとも部分的に、上述された種類(および、より詳細に後述される種類の)の格付けシステムの使用により実現される潜在的な環境保護および/または環境のグレードの向上を示す。履物製品の格付けシステム実施例を使用する実験的テストはFY03において始まった。図2Aに示されているように、その時点で、履物製品の平均「グレード」は約27であった。しかし、格付けシステムの継続的な使用は、設計者の意識において環境保護上および/または環境上の問題を強調し、その結果として、FY07までに製品のグレードスコアの約200%の増加(約85のグレード)をもたらした。さらに、「グリーン」ケミストリープログラムの使用は、この製造者が履物のゴムを作る際に約96重量%だけ毒消費を減少させることを可能にした。図2Bに示されているように、この試験グループ内での環境保護および/または環境の格付けシステムのユーザは、3年間(FY05からFY07まで)で約72%だけ(より低い毒性レベルをもつ)「グリーン」ゴムの使用量の増加をもたらした。
【0029】
したがって、上述された(および、より詳細に後述される)種類の格付けシステムは、製造者および/または設計者が環境保護上および環境上の問題についてより認識を深め、製造者および設計者に自分の「グレード」を向上しようとして設計技術および製造技術を改善させるために役立つ可能性がある。
【0030】
本発明者らは、ここで本発明による格付けシステム実施例のより詳細な分析および説明を始める。この特定のシステム実施例では、以下の表1に示されているように、製品および/もしくは製品の製造プロセスの4つの主要な特徴または特性が評価される。
【0031】
(表1)製品格付けスキーム実施例

【0032】
製品の総得点またはスコアは、例えば図3に示されている「金」、「銀」または「銅」という製品特性のようなより一般的な測定基準に変換することができる。パラメータ毎に適切な個数の得点、種々のパラメータに亘る得点の重み付け、および/または(例えば「金」、「銀」または「銅」などの製品特性のような)「一般的な」製品特性毎の特定の得点範囲は、例えば、(例えば、実現することが不可能であるか、またはほぼ不可能になる程に困難を伴うことなく、および/または実現することが非常に容易であるように適切な動機を与えるために)決まりきった実験のような、どのような様式でも設定され選択されることができる。様々な範囲が様々な種類の製品に適用されうる。
【0033】
本発明による格付けスキームの一実施例で使用されるような上記のパラメータの種々の特徴は、以下でより詳細に評価される。
【0034】
最初に、図4と併せて、製品化学パラメータ(溶剤の使用)の潜在的な採点スキームを検討する。この格付けシステム実施例と関連した製品ラインである履物製造の場合、種々の個数の得点が、使用される溶剤の種類、使用される溶剤の量、溶剤が使用されるプロセスおよび/もしくはプロセス工程の数などに応じて与えられる(または差し引かれる)。例えば、図4に示されているように、一般的に、揮発性有機化合物(「VOC」)の使用の減少は、このパラメータのグレードに与えられる得点の数の増加をもたらす。セメントを使用しない製品および製造プロセスでは、35得点がこの格付けシステム実施例において与えられる。100%水ベースまたはホットメルト材料を使用する製品およびプロセスは、この格付けシステムにおいて25得点が与えられる。溶剤洗浄を用いる水ベースの接着剤および下塗剤を使用する製品および方法は、この格付けシステムでは10得点が与えられる。水ベースの接着剤を使用するが、溶剤ベースの下塗剤および溶媒洗浄を使用する製品ならびにプロセスは、この格付けシステム実施例では5得点しか与えられない。最後に、この格付けシステム実施例では、溶剤ベースの接着剤、下塗剤、および洗浄を使用する製品およびプロセスのサブスコアから、5得点が差し引かれる。
【0035】
図5は、どこで溶剤が履物生産プロセスにおいて使用されているか、ならびに/またはどのようにまたはどこでこのような溶剤の使用が変更もしくは回避されることができるかについて、履物設計者ならびに/または製造者が評価し考慮するのに役立つことができる溶剤使用ワークシート例を示す。設計段階中のこの種類のワークシートの使用は、設計者が製造プロセスの種々の点で揮発性化学薬品の使用を避けて設計するのに役立ち、かつ設計者に履物生産プロセスの種々の潜在的な工程における採点または格付けをより強く意識させることができる。この意識は、設計者が揮発性有機物の使用をなくすためのおよび/または削減するための手法をより独創的に考えるために役立つ可能性がある。
【0036】
靴設計および/または靴の製造プロセスのその他の特徴もまた、製品化学パラメータに影響を与えることがある。図5に示されているように、この格付けシステム実施例における履物構造体のミッドソールおよび/またはその他の部分(衝撃減衰要素など)への溶剤ベースの塗料の使用は、5得点の差し引きをもたらす。その他の製品特徴は、製品特徴および格付けシステム全体におけるその製品特徴の所望の重要性(または重み)の環境保護および/または環境への影響に応じて、製品化学パラメータスコアの加算または減算をもたらすことがある。
【0037】
付加的にまたは代替的に、所望であれば1足の靴毎に使用される溶剤の全体的な平均重量(任意で溶剤の種類も考慮に入れる)を、製品化学パラメータに割り当てられるべき値を決定する際に要素として少なくとも部分的に使用することができる。
【0038】
次に、この格付けシステム実施例において製造プロセス中に生成される廃棄物材料の種類および/または量(または量の減少)に関する採点を図6と併せて検討する。廃棄物は、製造プロセスの種々の異なる部分でおよび/または履物構造体の多数の異なる部品の製造と共に、生成されることがある。原材料の効率的な使用および/または製造効率は、廃棄物を評価するある種の手法である。例えば、履物生産方法において生成された廃棄物の量を突き止める際に、
(a)アッパーパターン効率(例えば、最終製品において使用または廃棄されるアッパー素材の割合)と;
(b)ミッドソール構成(例えば、切り取られる、および/または廃棄される材料の量)と;
(c)ソックライナー構成(例えば、切り取られる、および/または廃棄される材料の量)と;
(d)高周波(「HF」)溶接技術の使用と;および/または
(e)ツーリング効率
の1つまたは複数を考慮する場合がある。
【0039】
以下の表は、発明の本実施例による格付けシステムにおける廃棄物材料に関する採点の一実施例を示す。
【0040】
(表2)廃棄物パラメータ格付け
廃棄物ワークシート

【0041】
その後、総廃棄物サブスコア(そのうちの30%はミッドソール特徴に基づき、60%はアッパー特徴に基づき、10%はソックライナー特徴に基づき、これらは高周波溶接工程の組み込みのような種々のその他の特徴に関する差し引きの可能性がある)は、この格付けシステムおよび方法実施例において使用されるべき廃棄物パラメータの値を決定するために使用することができる。例えば、上記の表からの総廃棄物スコアは、廃棄物パラメータスコアを決定するためにこの格付けシステムおよび方法実施例では図6に含まれている情報に基づいて評価される。図6に示されているように、85またはそれ以上(最高値100まで)の総廃棄物スコアは、30得点の廃棄物パラメータスコアになる。60〜80の総廃棄物スコアは、20得点の廃棄物パラメータスコアになる。同様に、50〜55の総廃棄物スコアは、10得点の廃棄物パラメータスコアになり、5〜45の総廃棄物スコアは、5得点の廃棄物パラメータスコアになる。5未満の総廃棄物スコアは-5得点の廃棄物パラメータスコアになる。
【0042】
付加的にまたは代替的に、所望であれば、1足の靴毎の廃棄物の実際の量(または平均量)を、廃棄パラメータスコアの使用されるべき値を決定する際に考慮することができる。廃棄物のその他の特徴および局面もまた、廃棄物出荷もしくはその他の廃棄物取り扱いコストのような総廃棄物コストおよび/または廃棄物パラメータコストを決定する際に考慮することができる。
【0043】
次に、履物構造体中の環境優先材料の有無が、この格付けシステムおよび方法実施例において環境優先材料(「EPM」)パラメータを決定するために評価される。様々な環境優先材料が様々な得点の量(様々な重み付け)に値する。より「優れている」材料ほど、その材料は価値がある。例えば、製造された品物が(例えば、靴の中に)環境優先ゴムを使用する場合には、この品物はある数の得点(例えば、11得点)を獲得することができ、品物が再生利用された紐を使用する場合には、この品物は別の数の得点(例えば、2得点)を獲得することができるなどである。一般に、環境優先材料パラメータスコアは、この格付けシステム実施例では、製品のEPM得点の累計(製品中の異なる材料の総数で除算された製品におけるEPMの総数、もしくは個別のEPM部分もしくは断片の総数、または製品全体中でのEPMの割合)を構成することができる。より詳しくは、本実施例である環境優先材料パラメータスコアを以下のように計算することができる。

【0044】
図7を使用して、原EPMスコアは、環境優先材料パラメータスコアに変換される。この格付けシステム実施例では、100またはそれ以上の原EPMスコアは環境優先材料パラメータスコア35になる。85〜89の原EPMスコアは環境優先材料パラメータスコア25になる。同様に、70〜84の原EPMスコアは環境優先材料パラメータスコア10になり、1〜69の原EPMスコアは環境優先材料パラメータスコア5になる。この格付けシステムおよび方法実施例の履物構造体において環境優先材料が存在しないことは、-5という環境優先材料パラメータスコアになる。これらの範囲は調整されることができ、範囲の数および/または所与の範囲に対して与えられる得点の数は、本発明から逸脱することなく調整されることができる。製品中のEPMの重み割合、製品中の特定種類のEPMなどのような付加的な因子を考慮することができる。
【0045】
多数の材料は、本発明から逸脱することなく「環境優先材料」であると見なされる可能性がある。例えば、容易に再生利用可能である材料、再生利用された材料、または再生材料は、「環境優先材料」であると見なすことができる。生物分解性材料(それでもなお耐摩耗性があり、例えば硬質プラスチックではない)の使用もまた環境優先であると見なすことができる。付加的な実施例として、(竹、有機綿などのような)再生可能材料の使用は、化学的に最適化された材料(例えば、最小限の量または削減された量のVOCを使って作られた環境優先材料など)の使用と同様に「環境優先」であると見なすことができる。
【0046】
同様に、製品の任意の所望の部分を、本発明から逸脱することなく、環境優先材料から作ることができる。履物の場合、この部分は、例えば、アッパー内部裏張、ストロベル、強化材または補強材、ソックライナー、カウンター、アウトソール、ミッドソール、衝撃減衰材料、アッパー外部などの部分を含むことができる。
【0047】
製品設計および/または製造プロセスにおけるイノベーションは、本発明の実施例による格付けシステムにおいて「報われる」ことができる(以下で「イノベーションパラメータスコア」と呼ばれる)。例えば、解決された「課題」の数は、所与の製品および/または製品の製造プロセスのため評価されることができ、この数はイノベーションパラメータスコアを決定する際に使用できる。図8に示されているように、3個の課題の解決はイノベーションパラメータスコア30になる。2個の課題の解決はイノベーションパラメータスコア20になり、1個の課題の解決はイノベーションパラメータスコア10になる。製品またはプロセスの環境保護特性および/または環境特性に好ましい影響を与える新たに開発されたテクノロジーの初期採用者になることもまた、この格付けシステム実施例では、5得点のイノベーションパラメータスコアを獲得することが可能である。
【0048】
種々の特徴を、本発明を逸脱することなくイノベーションパラメータスコアを集める際に算入し、考慮することができる。例えば、廃棄物を殆ど生成しないかもしくは全く生成しない、既存の材料、設計もしくは機械装置を再使用するかもしくは再度目的を持つ、既存の包装を使用する、および/または包装をひとまとめにして削減するかもしくは取り除く、製品およびプロセス、あるいはその他の特徴を、このパラメータおよび採点のために「革新的」であると見なすことができる。構成または組立を簡略化または削減し、少ないエネルギーの使用を必要とするおよび/または少ない水を必要とする製品およびプロセスは、このパラメータおよび採点のために「革新的」であると見なされることができる。さらに付加的な実施例として、再生利用可能性、分解容易性、互換性、および(容易な再生利用を可能にするための)単繊維および/またはポリマーの使用を、このパラメータおよびこの採点システムならびに方法のために革新的であると見なすことができる。現地の供給元、および/または現地の製造設備を使用する製品およびプロセスもまた(関連する出荷、時間、燃料消費、およびエネルギー節約を仮定すると)革新的であると考えることができる。多機能であり、耐久性があり、長期寿命をもつ製品もまた、この採点パラメータのため革新的であると見なすことができる。その他のイノベーションもまた、本発明を逸脱することなく可能である。
【0049】
一旦、種々のパラメータスコアが決定されると(例えば、表1から、上述されるように決定されると)、その後に、総製品スコアまたはグレードを、例えば、個別のパラメータスコアを合算することにより、すなわち、このシステムおよび方法実施例において上述されているように製品化学パラメータスコア、廃棄物パラメータスコア、環境優先材料パラメータスコア、およびイノベーションパラメータスコアを加算することにより、決定することができる。所望であれば、重み付け係数を、製品スコア全体に対する種々のパラメータの影響をさらに制御するために適用することができる。この(製品グレードであると見なすことができる)総スコアもまた、例えば、図9に示された評価パラメータを使用して、「金」、「銀」、「銅」または「なし」の状態に対し評価されることができる。より詳細には、この格付けシステム実施例では、「金」の状態は少なくとも80得点の総製品グレードを達成する製品に与えられる。「銀」の状態は35〜79得点の総製品グレードを達成する製品に与えられ、「銅」の状態は20〜34得点の総製品グレードを達成する製品に与えられる。環境保護面または環境面での改善のない状態は、この格付けシステムおよび方法では、20得点未満の総製品グレードを有する製品に与えられる。
【0050】
本発明の局面は、履物製品格付けを越えて広がる。それどころか、適当な格付けシステムが、本発明から逸脱することなく、任意の所望のパラメータおよび/またはパラメータの組み合わせを使用して、任意の所望の種類の製品に対しても開発されることができる。付加的に、所望であれば、種々のパラメータおよびスコアを決定する種々の範囲および範囲の端点が本発明から逸脱することなく調整されることができる。
【0051】
III.結語
本発明は、現時点で発明を実施する好ましい形式を含む特定の実施例に関して詳細に説明されているが、当業者は、上記システムおよび方法の非常に多数の変形および置換が存在することを認識すると思われる。したがって、本発明の精神および範囲は、添付の特許請求の範囲に記載されていると同様に広く解釈されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
製品を作る際に使用される有毒材料の種類または量の少なくとも一方を決定する工程と;
決定された該有毒材料の種類または量に基づく該製品の毒消費値を割り当てる工程と;
該製品を作る際に出される廃棄物の種類または量の少なくとも一方を決定する工程と;
該廃棄物の種類または量に基づく該製品の廃棄物生成値を割り当てる工程と;
該製品を作る際に使用される環境優先材料の種類または量の少なくとも一方を決定する工程と;
該環境優先材料の種類または量に基づく該製品の材料値を割り当てる工程と;
既存の製品または製造方法を上回る進歩を該製品またはその製造方法がもたらす程度を決定する工程と;
決定された該程度に基づく該製品の進歩値を割り当てる工程と;
これらの割り当てられた毒消費値、廃棄物生成値、材料値、および進歩値に基づく製品グレードを決定する工程と
を含む、製品を格付けする方法。
【請求項2】
前記製品グレードについて前記製品または該製品の包装に印をつける工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記製品に、表示された前記製品グレードを含むタグを貼り付ける工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記製品が履物である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記製品が衣料である、請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記製品がスポーツ用品である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
請求項1記載の方法を実行するための記憶されているコンピュータ読み取り可能な命令を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項8】
製品を作る際に使用される有毒材料の種類または量の少なくとも一方を示す入力を受信する工程と;
該製品を作る際に出される廃棄物の種類または量の少なくとも一方を示す入力を受信する工程と;
該製品を作る際に使用される環境優先材料の種類または量の少なくとも一方を示す入力を受信する工程と;
既存の製品または製造方法を上回る進歩を該製品またはその製造方法がもたらす程度を示す入力を受信する工程と;
受信された該入力に少なくとも部分的に基づく製品グレードを決定する工程と
を含む、製品を格付けする方法。
【請求項9】
前記製品グレードについて前記製品または該製品の包装に印をつける工程をさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項10】
前記製品に、表示された前記製品グレードを含むタグを貼り付ける工程をさらに含む、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記製品が履物である、請求項8記載の方法。
【請求項12】
前記製品が衣料である、請求項8記載の方法。
【請求項13】
前記製品がスポーツ用品である、請求項8記載の方法。
【請求項14】
請求項8記載の方法を実行するための記憶されているコンピュータ読み取り可能な命令を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項15】
製品を作る際に使用される有毒材料の種類、該製品を作る際に使用される有毒材料の量、該製品を作る際に出される廃棄物の種類、該製品を作る際に出される廃棄物の量、該製品を作る際に使用される環境優先材料の種類、該製品を作る際に使用される環境優先材料の量、および既存の製品または製造方法を上回る進歩を該製品またはその製造方法がもたらす程度からなる群より選択される少なくとも2個のメンバーに、少なくとも部分的に基づく、複数個の製品サブスコア
を決定する工程と;
該製品サブスコアに少なくとも部分的に基づく製品グレードを決定する工程と
を含む、製品を格付けする方法。
【請求項16】
前記製品グレードについて前記製品または該製品の包装に印をつける工程をさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記製品に、表示された前記製品グレードを含むタグを貼り付ける工程をさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記製品が履物である、請求項15記載の方法。
【請求項19】
前記製品が衣料である、請求項15記載の方法。
【請求項20】
前記製品がスポーツ用品である、請求項15記載の方法。
【請求項21】
1個または複数の入力を受信する工程であって、
該入力が、前記製品を作る際に使用される有毒材料の種類、該製品を作る際に使用される有毒材料の量、該製品を作る際に出される廃棄物の種類、該製品を作る際に出される廃棄物の量、該製品を作る際に使用される環境優先材料の種類、該製品を作る際に使用される環境優先材料の量、および既存の製品または製造方法を上回る進歩を該製品またはその製造方法がもたらす程度からなる群より選択される少なくとも1個のメンバーに関し、該入力が前記製品サブスコアを決定する際に使用される、工程
をさらに含む、請求項15記載の方法。
【請求項22】
請求項21記載の方法を実行するための記憶されているコンピュータ読み取り可能な命令を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項23】
請求項15記載の方法を実行するための記憶されているコンピュータ読み取り可能な命令を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項24】
製品グレードが、初期製品または第1の製造プロセスの環境保護的または環境的局面の目安を与え、かつ初期製品グレードが、製品を作る際に使用される毒性材料の種類、該製品を作る際に使用される毒性材料の量、該製品を作る際に出される廃棄物の種類、該製品を作る際に出される廃棄物の量、該製品を作る際に使用される環境優先材料の種類、該製品を作る際に使用される環境優先材料の量、および既存の製品または製造方法を上回る進歩を該製品またはその製造方法がもたらす程度からなる群より選択される少なくとも2個のメンバーに少なくとも部分的に基づく、
第1の製品の製造プロセスを使用して作られる該初期製品の該初期製品グレードを決定する工程と;
該環境保護的または環境的局面を改善するために該第1の製品または該第1の製造プロセスの少なくとも一方の局面を変更する工程と;
該製品またはその製造プロセスの変更された局面を使用して、該初期製品グレードと比較して向上した製品グレードを有する最終製品を作る工程と
を含む、製品を製造する方法。
【請求項25】
向上した前記製品グレードについて前記製品または該製品の包装に印をつける工程をさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
前記製品に、表示された向上した前記製品グレードを含むタグを貼り付ける工程をさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項27】
前記製品が履物である、請求項24記載の方法。
【請求項28】
前記製品が衣料である、請求項24記載の方法。
【請求項29】
前記製品がスポーツ用品である、請求項24記載の方法。
【請求項30】
(a)製品を作る際に使用される有毒材料の種類または量、
(b)該製品を作る際に出される廃棄物の種類または量、
(c)該製品を作る際に使用される環境優先材料の種類または量、および
(d)既存の製品または製造方法を上回る進歩を該製品またはその製造方法がもたらす程度
のうちの1つまたは複数を示す入力を受信するための、入力システムと;
(a)有毒材料の種類または量に基づく該製品の毒消費値、
(b)該廃棄物の種類または量に基づく該製品の廃棄物生成値、
(c)環境優先材料の種類または量に基づく該製品の材料値、
(d)決定された程度に基づく該製品の進歩値
のうちの1つまたは複数を割り当てるようにプログラムされ適合され、かつ
これらの割り当てられた値に基づく製品グレードを決定する(e)ようにさらにプログラムされ適合されている、
処理システムと
を含む、製品格付けシステム。
【請求項31】
前記製品グレードについて前記製品または該製品の包装に印をつけるための出力システムをさらに含む、請求項30記載のシステム。
【請求項32】
前記出力システムが、前記製品に対して前記製品グレードを提示する、請求項30記載のシステム。
【請求項33】
前記出力システムが、前記製品の包装材料に対して前記製品グレードを提示する、請求項30記載のシステム。
【請求項34】
前記出力システムが、前記製品と共に含まれるためのタグに対して前記製品グレードを提示する、請求項30記載のシステム。
【請求項35】
前記製品が履物である、請求項30記載のシステム。
【請求項36】
前記製品が衣料である、請求項30記載のシステム。
【請求項37】
前記製品がスポーツ用品である、請求項30記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2010−527058(P2010−527058A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−506597(P2010−506597)
【出願日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/061988
【国際公開番号】WO2008/137450
【国際公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(505087849)ナイキ インコーポレーティッド (123)