説明

複写機、及び、画像形成方法

【課題】複写開始操作から複写完了までの時間を短縮できる複写機を提供する。
【解決手段】複写機1であって、受付部301と、読取部304と、読取部304が生成した原稿データに基づいて記録紙に画像形成する画像形成部306と、受付部301が複写指示を受け付けた場合に、画像形成部306の起動タイミングを決定し、決定した起動タイミングで画像形成部306を起動させる起動タイミング決定部303とを備え、起動タイミング決定部303は、読取部304が起動してから読取原稿が読取位置に搬送されるまでに要する時間を示す第1の情報と、画像形成部306が起動してから記録紙が画像形成位置に搬送されるまでに要する時間を示す第2の情報とに基づいて、読取部304が起動する時刻から読取開始時刻の直前までに画像形成部306が起動し、且つ、読取開始時刻以降に画像形成部306が記録紙への画像形成を開始するように起動タイミングを決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機に関するものであり、特に、読取原稿を読み取り、記録紙上に画像を形成する複写機に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機は読取原稿と同一の画像を記録紙上に形成するために用いられる。通常のコピー処理では、まず、操作者が複写(以下、コピーとも称する)の対象物である読取原稿を所定の場所にセットし、コピースタートボタン(以下、単にスタートボタンと称する)を押下する。その後、読取原稿の読み取り、原稿データの生成、原稿データの記録媒体への一時蓄積、及び、原稿データの記録紙上への画像形成が順に行われる。データ圧縮を用いると、より多くの原稿データを限られた容量の記憶媒体に収めることができる。
【0003】
複写機の性能を表す指標の一つにFCOT(First Copy Output Time)がある。FCOTは、操作者がスタートボタンを押下してから、コピーされた最初の記録紙が排紙されるまでの時間として定義され、短いほど複写性能が高いことを示す。通常のコピー処理よりFCOTが短縮される高速コピー処理を実現するための技術開発がなされている。
【0004】
図8は、従来の通常コピー処理における複写機内部の機能ブロックのシーケンス図である。図8における読取部とはスキャナのことであり、画像形成部とはプリンタのことである。通常コピー処理では、読取部において起動処理と読取原稿搬送とを行い、少なくとも最初の1ページの原稿の読み取りが完了した後、画像形成部が起動され、起動処理と記録紙搬送と画像形成とが行われる。
【0005】
図9は、従来の高速コピー処理における複写機内部の機能ブロックのシーケンス図である。図9における読取部とはスキャナのことであり、画像形成部とはプリンタのことである。従来の高速コピー処理では、読取部において起動処理と読取位置までの読取原稿搬送とを完了した時点で、画像形成部が起動される。その後、読取部において読取処理が開始されるのと平行して、画像形成部において起動処理と記録紙搬送と画像形成とを行う。このようにすれば、通常コピー処理と比較して、読取部における読取に要する時間の分だけFCOTを短縮することができる。
【0006】
また、FCOTを短縮するために、スキャナで生成した原稿データのメモリ蓄積とメモリからプリンタへの原稿データの転送とを並列で処理する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1によれば、スキャナとプリンタとのプロセス速度に違いがあり、スキャナとプリンタとのプロセス速度が一致しない場合においても読み取り完了前に印刷を開始させることにより、FCOTをさらに短縮することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−314763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図9の高速コピー処理において、読取部において起動処理と読取位置までの読取原稿搬送とが完了した時点で、画像形成部が起動されるため、画像形成が開始されたときには、所定量の原稿が読取部によって既に読み取られており、FCOTを短縮する余地は残されていた。
【0009】
さらに、特許文献1では、スキャナ及びプリンタの起動処理に要する時間と読取原稿及び記録紙の搬送に要する時間に着目してFCOT短縮を図ったものではない。プロセス処理に要する時間と比較して、上述した起動処理時間及び搬送時間は長いことが多い。そのため、特許文献1においても、さらにFCOTを短縮することが求められる。
【0010】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、スキャナとプリンタとの起動処理に要する時間、及び、読取原稿と記録紙との搬送に要する時間の少なくとも一方に着目し、効果的にFCOTを短縮できる複写機等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の一様態に係る複写機では、読取原稿を読み取り、記録紙上に画像を形成する複写機であって、複写指示を受け付ける受付部と、前記読取原稿を読取給紙位置から読取位置に搬送し、前記読取位置にて前記読取原稿を読み取り原稿データを生成する読取部と、前記記録紙を記録紙給紙位置から画像形成位置に搬送し、前記読取部が生成した原稿データに基づいて前記画像形成位置にて前記記録紙に画像形成する画像形成部と、前記受付部が前記複写指示を受け付けた場合に、前記画像形成部の起動タイミングを決定し、決定した前記起動タイミングで前記画像形成部を起動させる起動タイミング決定部とを備え、前記起動タイミング決定部は、前記読取部が起動してから前記読取原稿が前記読取位置に搬送されるまでに要する時間を示す第1の情報と、前記画像形成部が起動してから前記記録紙が前記画像形成位置に搬送されるまでに要する時間を示す第2の情報とに基づいて、前記読取部が起動する時刻から前記読取部が前記読取原稿の読み取りを開始する時刻である読取開始時刻の直前までに前記画像形成部が起動し、且つ、前記読取開始時刻以降に前記画像形成部が記録紙への画像形成を開始するように前記起動タイミングを決定する。
【0012】
これにより、起動してから画像形成位置及び読取位置まで搬送する時間を示す第1の情報及び第2の情報に基づいたタイミングで画像形成部を起動させることができるようになり、画像形成を開始することができるタイミングも定まる。従って、画像形成を開始するタイミングから逆算し、画像形成部の起動タイミングを導出することができるため、従来より早く画像形成を開始し、かつ、早く画像形成を終了することができる。よって、第1の情報及び第2の情報に基づいて、FCOTを効果的に短縮することができる。
【0013】
また、好ましくは、前記起動タイミング決定部は、前記読取開始時刻に、前記画像形成部が記録紙に画像形成を開始するように、前記画像形成部の前記起動タイミングを決定する。
【0014】
これにより、第1の情報及び第2の情報に基づいて、読取部の読取開始時刻と、画像形成部の画像形成開始時刻とを一致させることができる。このようにすると、最も早く画像形成を開始し、かつ、最も早く画像形成を終了することができる。また、読取部において読み取った1ライン分の原稿データを、その読取の直後に、記録紙に画像形成することができる。よって、FCOTを最短とすることができる。
【0015】
また、好ましくは、前記複写機は、さらに、前記第1の情報を前記読取部から取得し、前記起動タイミング決定部へ送信する制御部を備える。
【0016】
これにより、各読取原稿に対する第1の情報を、読取部から起動タイミング決定部へ通知することができる。この情報を利用して、起動タイミング決定部は画像形成部を最適なタイミングで起動させることができる。よって、FCOTを最短とすることができる。
【0017】
また、好ましくは、前記第1の情報は、前記読取部の起動処理時間と、前記読取部が前記読取原稿を前記読取給紙位置から前記読取位置に搬送するのに要する時間である原稿搬送時間とで構成される。
【0018】
これにより、読取原稿に対する読取部の起動処理時間と原稿搬送時間とに基づいて、起動タイミング決定部は画像形成部を最適なタイミングで起動させることができる。よって、FCOTを最短とすることができる。
【0019】
また、好ましくは、前記第2の情報は、前記画像形成部の起動処理時間と、前記画像形成部が前記記録紙を前記記録紙給紙位置から前記読取位置に搬送するのに要する時間である記録紙搬送時間とで構成される。
【0020】
これにより、記録紙に対する画像形成部の起動処理時間と記録紙搬送時間とに基づいて、起動タイミング決定部は画像形成部を最適なタイミングで起動させることができる。よって、FCOTを最短とすることができる。
【0021】
また、好ましくは、前記第2の情報は、前記受付部が受け付けた複写指示の内容に応じて変動する。
【0022】
これにより、第2の情報が複写指示等により異なる場合においても、各複写指示に対する第2の情報に基づいて、起動タイミング決定部は画像形成部を最適なタイミングで起動させることができる。よってFCOTを最短とすることができる。
【0023】
また、好ましくは、前記制御部は、前記受付部で受け付けた前記複写指示が、少なくとも1ページの前記読取原稿の読み取りを完了した後に当該原稿データに基づいて画像を形成する必要がある指示である場合に、前記起動タイミング決定部を動作させない。
【0024】
すなわち、起動タイミング決定部は、通常コピー処理により複写が行われる際には起動されない。通常コピー処理の際には起動タイミング決定部を起動する必要がないためである。これにより、必要最小限の機能構成によりコピー処理を実行することができる。
【0025】
また、好ましくは、前記受付部で受け付けた前記複写指示が、1ページの前記読取原稿の読み取りを完了する前に、読み取りが完了した部分から順次画像を形成することができる指示である場合に、前記画像形成部は、前記読取部により読み取られた原稿データをデータ圧縮せずに記録紙に画像を形成する。
【0026】
これにより、高速コピー処理でコピーすることができる複写設定(例えば、読取原稿と同一のものを記録紙に画像形成する単純コピー、及び、読取原稿の白黒を反転させて記録紙に画像形成する反転コピー等)の場合に、通常コピー処理よりも高速にコピーを行うことができる。
【0027】
また、好ましくは、前記受付部で受け付けた前記複写指示が、1ページの前記読取原稿の読み取りを完了した後に当該原稿データに基づいて画像を形成する必要がある指示である場合に、前記画像形成部は、前記読取部により読み取られた前記原稿データをデータ圧縮し、データ圧縮された圧縮原稿データを一時蓄積し、一時蓄積された前記圧縮原稿データを読み出し、読み出された前記圧縮原稿データをデータ伸張し、記録紙に画像を形成する。
【0028】
これにより、高速コピー処理でコピーすることができない複写設定(例えば、読取原稿を回転させて記録紙に画像形成する回転コピー、複数の読取原稿を集約して1ページの記録紙に画像形成する集約コピー、及び、その他の画像処理を伴うコピー等)の場合に、通常コピー処理にてコピーを行うことができる。
【0029】
また、好ましくは、前記画像形成部は、記録紙を搬送する途中で一時的に記録紙の搬送を停止させる機構を有しない。
【0030】
すなわち、起動タイミング決定部により決定される起動タイミングで画像形成部を起動させるため、記録紙を搬送する途中で一時的に記録紙の搬送を停止させる機構(クラッチ)を利用して画像形成タイミングを調整する必要がない。よって、クラッチを利用せずに、FCOTを短縮することができる。
【0031】
また、本発明は、複写機による画像形成方法としても実現することができる。また、画像形成方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとしても実現することができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明により、一般的な複写機に対する機能追加により、第1の情報及び第2の情報に基づいたタイミングで画像形成部を起動させることができる。よって、従来より早く画像形成を開始し、かつ、早く画像形成を終了することができ、FCOTを効果的に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、実施の形態に係る複写機の一例を示す概観図である。
【図2】図2は、実施の形態に係るハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、実施の形態に係る機能ブロック構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、実施の形態に係る複写機の通常コピー処理及び従来の高速コピー処理の流れの概要説明図である。
【図5】図5は、実施の形態に係る複写機の動作の一例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、実施の形態に係る複写機の機能ブロックのシーケンス図(読取準備時間が長い場合)である。
【図7】図7は、実施の形態に係る複写機の機能ブロックのシーケンス図(画像形成準備時間が長い場合)である。
【図8】図8は、従来の通常コピー処理の機能ブロックのシーケンス図である。
【図9】図9は、従来の高速コピー処理の機能ブロックのシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲だけによって限定される。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
【0035】
(実施の形態)
図1は実施の形態に係る複写機1の一例を示す外観図である。図2は、実施の形態に係る複写機1のハードウェア構成の一例を示す図である。実施の形態に係る複写機1はハードウェア構成として、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、CODEC(Coder Decoder)14、操作パネル15、スキャナ16、ページメモリ(スキャナ用メモリ)17、ページメモリ(共通メモリ)18、ページメモリ(プリンタ用メモリ)19、符号メモリ20及びプリンタ21を備える。
【0036】
CPU11は、ROM12に格納された制御プログラムを実行するプロセッサである。
【0037】
ROM12は、制御プログラム等を保持する読み出し専用メモリである。
【0038】
RAM13は、CPU11が制御プログラムを実行するときに使用するワークエリア、及び、スキャナ16で読み取った原稿データを一時的に保持する揮発性の記憶領域である。
【0039】
CODEC14は、スキャナ16で読み取った原稿データを符号化したり、符号化された原稿データを復号したりする符号化及び復号化装置である。
【0040】
操作パネル15は、操作者からの操作を受け付けるパネルである。
【0041】
スキャナ16は、原稿の内容を読み取る原稿読取装置である。
【0042】
ページメモリ(スキャナ用メモリ)17は、スキャナ16が生成した原稿データを一時的に蓄積するための記憶領域である。
【0043】
ページメモリ(共通メモリ)18は、高速コピー処理の際に用いられ、生成された原稿データをプリンタ21からの読み出しのために一時的に蓄積しておくための記憶領域である。
【0044】
ページメモリ(プリンタ用メモリ)19は、生成された原稿データをプリンタ21からの読み出しのために一時的に蓄積しておくための記憶領域である。
【0045】
符号メモリ20は、CODEC14により符号化された原稿データを一時蓄積しておくための記憶領域である。
【0046】
プリンタ21は、ページメモリ(共通メモリ)18又はページメモリ(プリンタ用メモリ)から原稿データを読み出し、記録紙上に画像を形成する画像形成装置である。
【0047】
図3は、実施の形態に係る複写機1の機能ブロック構成の一例を示す図である。実施の形態に係る複写機1は機能ブロックとして、受付部301、制御部302、起動タイミング決定部303、読取部304、ページメモリ305及び画像形成部306を備える。
【0048】
受付部301は、図2における操作パネル15等に対応する。受付部301は、読取原稿サイズ、読取解像度、読取倍率、複写枚数及び記録紙サイズのような複写設定を含む操作者からの複写指示を受け付け、制御部302へ通知する。
【0049】
制御部302は、図2におけるCPU11及びRAM13等に対応する。制御部302は、受付部301から受け付けた複写指示に対して、高速コピー処理によって対応できるか否かを判定する。その結果、高速コピー処理でコピーすることができない複写設定であると判定されたら、通常コピー処理によりコピーを行う。一方、高速コピー処理でコピーすることができる複写設定であると判定されたら、起動タイミング決定部303を起動し、読取部304より読取部304における読取準備時間を取得し、その読取準備時間を起動タイミング決定部303に通知する。その後、読取部304及び起動タイミング決定部303に対し開始通知を送信する。ここで、読取準備時間とは、読取部304における起動処理及び読取原稿搬送(後述)に要する時間の和を意味する。なお、読取準備時間は、第1の情報の一例である。
【0050】
起動タイミング決定部303は、図2におけるCPU11及びRAM13等に対応する。起動タイミング決定部303は、制御部302により起動される。起動タイミング決定部303は、制御部302から読取準備時間を通知されたら、読取準備時間と画像形成準備時間とに基づいて画像形成部306の起動タイミングを決定する。具体的には、起動タイミングは、読取部304が起動する時刻から読取部304が読取原稿の読み取りを開始する時刻である読取開始時刻の直前までに画像形成部306が起動し、且つ、読取開始時刻以降に画像形成部306が記録紙への画像形成を開始するように決定される。さらに、起動タイミング決定部303は、制御部302からコピー開始通知を受信したら、決定した画像形成部306の起動タイミングまで待った後、画像形成部306へ開始通知を送信する。ここで、画像形成準備時間とは、画像形成部306における起動処理及び記録紙搬送に要する時間の和を意味する。なお、画像形成準備時間は、第2の情報の一例である。
【0051】
読取部304は、図2におけるスキャナ16等で実現される。操作者は読取部304の読取給紙位置に読取原稿をセットする。その後、読取部304は、制御部302に読取準備時間を通知する。制御部302より開始通知を受信したら、起動処理及び読取原稿搬送を行う。なお、読取部304には、制御部302との通信処理、及び制御部302へ読取準備時間を通知するための処理を実行する読取制御部(不図示)が含まれる。ここで、起動処理とは、原稿の読み取りを開始する前に必要となる処理が含まれ、例えば、読取ヘッドのランプの点灯確認、及び、読取部の機能の実現に必要なソフトウェアの起動処理が含まれる。読取原稿搬送とは、読取原稿がセットされた位置である読取給紙位置から、原稿の読み取りを開始する位置である読取位置まで、読取原稿を搬送する処理である。それに続いて、読取原稿を読み取り、ページメモリ305へ蓄積する。なお、起動処理には、上記で挙げた処理以外にも、原稿の読み取りを開始する前に必要となる処理を含めてよい。なお、この読取原稿搬送に掛かる時間は、例えば、読取倍率の設定内容に応じて変動する場合がある。つまり、読取倍率に応じて、読取位置にて原稿を読み取る読取速度が異なるため、読取位置に原稿を搬送する速度も変動する。よって、読取倍率に応じて、読取位置まで原稿を搬送する時間が、変動し得る。
【0052】
ページメモリ305は、図2におけるページメモリ(共通メモリ)18等で実現される。ページメモリ305は、読取部304が読取原稿を読み取って生成した原稿データを一時的に蓄積する。
【0053】
画像形成部306は、図2におけるプリンタ21等で実現される。画像形成部306は、起動タイミング決定部303より開始通知を受信したら、起動処理及び記録紙搬送を行う。ここで、起動処理とは、記録紙への画像形成を開始する前に必要となる処理が含まれ、たとえば、画像を記録紙に定着させるためにヒートローラーを温める処理、及び、画像形成部の機能の実現に必要なソフトウェアの起動処理が含まれる。記録紙搬送とは、記録紙が収められている給紙カセットの位置である記録紙給紙位置から、記録紙への画像形成を開始する位置である画像形成位置まで、記録紙を搬送する処理であり、例えば、読取原稿サイズ及び読取倍率の設定内容により定まる給紙カセット段数に応じて変動する。それに続いて、ページメモリ305から原稿データを読み出し、記録紙に画像を形成する。なお、起動処理には、上記で挙げた処理以外にも、記録紙への画像形成を開始する前に必要となる処理を含めてよい。
【0054】
なお、実施の形態にかかる画像形成部306は、記録紙を搬送する途中で一時的に記録紙の搬送を停止させる機構であるクラッチを有しない。クラッチを利用すれば、起動処理及び記録紙搬送を完了した時点で、記録紙の搬送を停止させ、所定のタイミング(画像形成タイミング)で画像形成を開始することが可能である。しかし、実施の形態にかかる複写機では、起動タイミング決定部303により決定される起動タイミングで画像形成部306を起動させるため、クラッチを利用して画像形成タイミングを調整する必要がなく、クラッチを有する必要がないためである。
【0055】
次に以上のように構成された本実施の形態における動作について説明する。
【0056】
図4は、実施の形態に係る複写機1の通常コピー処理及び高速コピー処理の流れの概要説明図である。通常コピー処理では、スキャナが読み取った原稿データをページメモリ(スキャナ用メモリ)に一時蓄積した後、原稿データのデータ量をデータ圧縮(CODEC)により小さくして符号メモリに一時蓄積する。その後、符号メモリから原稿データを読み出しデータ伸張(CODEC)をした上で、ページメモリ(プリンタ用メモリ)に一時蓄積し、プリンタにて画像形成する。なお、集約コピー及び回転コピー等の際には、少なくとも1ページの読取原稿の読み取り及び原稿データの生成を完了してから、それぞれ、集約及び回転の画像処理が行われる。この画像処理は、ページメモリ(スキャナ用メモリ)とデータ圧縮(CODEC)との間、又は、ページメモリ(プリンタ用メモリ)とプリンタとの間で行われる。一方、高速コピー処理では、スキャナが読み取った原稿データをページメモリ(スキャナ用メモリ)に一時蓄積した後、ページメモリ(共通メモリ)に一時蓄積し、それをライン単位に読み出してプリンタにて画像形成を行う。
【0057】
図5は、実施の形態に係る複写機1の動作の一例を示すフローチャートである。また、図6及び図7は、実施の形態に係る複写機1の機能ブロックのシーケンス図である。なお、図7において、ステップS401〜S405の処理の部分は図6の該当部分と同一であるため記述を省略する。
【0058】
まず、操作者は複写機1に原稿をセットし、読取原稿サイズ、読取解像度、読取倍率、複写枚数及び記録紙サイズのような複写設定を行った後、スタートボタンを押下することにより複写指示を行う。このとき受付部301は複写設定を受け付け、その内容を制御部302に通知する(ステップS401)。
【0059】
次に、制御部302は、受付部301から受け付けた複写設定に対して、高速コピー処理によって対応できるか否かを判定する(ステップS402)。ここで、高速コピー処理でコピーすることができる複写設定とは、1ページの読取原稿の読み取りを完了する前に、読み取りが完了した部分から順次、記録紙に画像を形成することができる複写設定のことである。例えば、読取原稿と同一のものを記録紙に画像形成する単純コピー、及び、読取原稿の白黒を反転させて記録紙に画像形成する反転コピー等が含まれる。また、高速コピー処理でコピーすることができない複写設定とは、少なくとも1ページの読取原稿の読み取り及び原稿データの生成を完了した後に、当該原稿データに基づいて画像を形成する必要がある複写設定のことである。例えば、読取原稿を回転させて記録紙に画像形成する回転コピー、複数の読取原稿を集約して1ページの記録紙に画像形成する集約コピー、及び、その他の画像処理を伴うコピー等が含まれる。
【0060】
ステップS402の判定の結果、高速コピー処理でコピーすることができない複写設定であると判定されたら(ステップS402でNo)、通常コピー処理によりコピーを行う(ステップS420)。なお、通常コピー処理では、起動タイミング決定部を起動させず、予め定められたタイミング(例えば、少なくとも1ページ分の原稿が読み取られたタイミング)で画像形成部が起動された後に、画像形成が行われる。
【0061】
一方、高速コピー処理でコピーすることができる複写指示であると判定されたら(ステップS402でYes)、高速コピー処理によりコピーを行う。以下で、高速コピー処理に関して詳細に説明する。
【0062】
高速コピー処理では、まず、読取部304から制御部302へ読取準備時間を通知する処理を行う(ステップS403)。具体的には、制御部302が、読取部304に対し高速コピー指示を通知する。読取部304は高速コピー指示を受信したら、読取準備時間を制御部302に通知する。ここで高速コピー指示とは、この通知後のコピーを高速コピー処理によって行う旨を指示する通知であり、受付部が操作者から受け付けた複写設定を含む。
【0063】
次に、制御部302から起動タイミング決定部303へ読取準備時間を通知する処理を行う(ステップS404)。具体的には、まず、制御部302が、起動タイミング決定部303に高速コピー指示を通知する。次に、制御部302が、起動タイミング決定部303に読取準備時間を通知する。
【0064】
起動タイミング決定部303は高速コピー指示及び読取準備時間を通知されたら、画像形成準備時間を算出する。具体的には、画像形成準備時間は、高速コピー指示に含まれる複写設定の給紙カセット段数等の情報から算出される記録紙搬送時間と、画像形成部の起動処理時間との和として算出される。画像形成部の起動処理時間は、あらかじめ起動タイミング決定部303に設定されているようにしてもよいし、画像形成部から通知されるようにしてもよい。
【0065】
次に、読取準備時間、及び、画像形成準備時間に基づいて、画像形成部306の起動タイミングを決定する(ステップS405)。起動タイミングを決定するには、まず、読取準備時間と画像形成準備時間との大小比較を行う。その結果、読取準備時間が画像形成準備時間より長い場合にはコピー開始通知を受信した後、読取準備時間と画像形成準備時間との差の時間だけ待機してから画像形成部306を起動することとする。一方、画像形成準備時間が読取準備時間より長い場合、及び、画像形成準備時間と読取準備時間とが等しい場合にはコピー開始通知を受信した後すぐに画像形成部306を起動することとする。
【0066】
次に、制御部302が読取部304と起動タイミング決定部303とに対して、コピー開始通知を通知する(ステップS406)。
【0067】
読取部304は、コピー開始通知を受信したら、順に起動処理(ステップS407)と、読取原稿搬送(ステップS408)と、読取原稿の読取(ステップS409)とを行う。読取原稿の読み取りでは、読取原稿をライン単位に読み取り、順次、ページメモリ305に蓄積する。
【0068】
起動タイミング決定部303は、コピー開始通知を受信したら、ステップS405で決定した起動タイミングに基づいて必要に応じて待機する。具体的には、ステップS405における決定が、所定の時間が経過してから画像形成部306を起動するというものであった場合には、「待機することが必要」と判定し(ステップS430でYes)、所定の時間だけ待機した(ステップS431)後、画像形成部へ開始通知を送信する(ステップS432)。一方、ステップS405における決定が、待機せずに画像形成部306を起動するというものであった場合には、「待機する必要がない」と判定し(ステップS430でNo)、すぐに画像形成部306へ開始通知を送信する(ステップS432)。
【0069】
画像形成部306は、コピー開始通知を受信したら、順に起動処理(ステップS433)と、記録紙搬送(ステップS434)と、記録紙への画像形成(ステップS435)とを行う。画像形成では、ページメモリ305から原稿データをライン単位に読み取り、順次、画像形成する。
【0070】
以上の一連の動作により、読取準備時間及び画像形成準備時間に応じて、画像形成部306の起動タイミングが決定される。具体的には、図6のように、読取準備時間が画像形成準備時間より長い場合、画像形成部306は読取部304より、読取準備時間と画像形成準備時間との差の時間だけ遅れて起動する。その後、読取部304の起動処理及び読取原稿搬送と、画像形成部306の起動処理及び記録紙搬送とが平行して行われる。そして、読取部304の読取と画像形成部306の画像形成とが、同時に開始される。例えば、読取準備時間が2秒、画像形成準備時間が1.5秒である場合、画像形成部306は読取部304より0.5秒遅れて起動し、読取部304の読取と、画像形成部306の画像形成とが、同時に開始される。
【0071】
もし、読取部304の読取の方が早く開始すると、読取部304により生成された原稿データがページメモリ305に蓄積されてから、画像形成部306により読み取られるまでに一定の時間が生ずる。この時間は、起動タイミング決定部303により調整することが可能であり、できるだけ短く、理想的には0とすることが望まれる。反対に、画像形成部306の画像形成の方が早く開始すると、画像形成を開始する時点で、画像形成すべき原稿データがページメモリに存在しない状態となり、画像形成を実行できない。以上より、読取準備時間が画像形成準備時間より長い場合には、読取部304の読取と画像形成部306の画像形成とが同時に開始するように画像形成部306が起動すると、最も早く画像形成を完了することができる。
【0072】
一方、図7のように、画像形成準備時間が読取準備時間より長い場合、及び、画像形成準備時間と読取準備時間とが等しい場合、画像形成部306と読取部304とは同時に起動し、読取部304の起動処理、読取原稿搬送、及び、読取が順に行われる。また、これと平行して、画像形成部306の起動処理、記録紙搬送、及び、画像形成が順に行われる。例えば、読取準備時間が2秒、画像形成準備時間が2.5秒である場合、画像形成部306と読取部304とは同時に起動し、読取部304の読取と、画像形成部306の画像形成とが平行して行われる。
【0073】
この場合、読取部304により生成された原稿データがページメモリ305に蓄積され、その後、画像形成部306により読み取られる。画像形成を開始する時点で画像形成すべき原稿データが必ず存在し、また、短縮可能な時間は存在しない。よって、画像形成準備時間が読取準備時間より長い場合、及び、画像形成準備時間と読取準備時間とが等しい場合には、上記の起動タイミングで画像形成部306が起動すると、最も早く画像形成を完了することができる。
【0074】
以上より、画像形成準備時間と読取準備時間との大小関係によらず、本実施の形態の起動タイミングで、最も早く画像形成を完了することができる。つまり、FCOTを最も短くすることができる。
【0075】
なお、起動タイミング決定部303が画像形成部306の起動タイミングを決定した(ステップS405)後、その起動タイミングを画像形成部306に通知するようにしてもよい。その場合、ステップS406において制御部302が開始通知を読取部304と画像形成部306に送信し、その開始通知を受信した画像形成部306が起動タイミングまで待機してから起動処理を開始する。これにより、上記と同様に、FCOTを最も短くすることができる。
【0076】
なお、起動タイミング決定部303と画像形成部306とが一体となる構成も上記と同様に可能である。その場合、起動タイミング決定部303及び画像形成部306の両方の機能を有する新たな機能ブロックが、起動タイミング決定部303及び画像形成部306の機能を実現する。
【0077】
なお、読取準備時間が変動する場合、読取部304は、制御部302から通知された高速コピー指示(複写設定)と、読取部304が有する読取部304の装置情報(搬送速度の情報等)とに基づいて、読取準備時間を算出し、算出した読取準備時間を制御部302へ通知しても良い。これにより、読取準備時間が変動する場合においても、読取準備時間と画像形成準備時間とに基づいて、画像形成部306の起動タイミングを決定することができる。
【0078】
なお、上述の説明では、起動タイミング決定部303は、給紙カセットの段数等の情報から算出される記録紙搬送時間を用いて、起動タイミングを決定したが、例えば給紙カセットが1段のみの場合等により記録紙搬送時間が変動しないのであれば、予め設定された記録紙搬送時間を用いて、起動タイミングを決定しても良い。
【0079】
なお、本実施の形態における読取準備時間の代わりに、読取準備時間を示す情報と読取準備時間が変動する要因を示す情報とを含む読取準備時間情報を使用することもできる。その場合、読取準備時間を示す情報と、読取準備時間が変動する要因を示す情報とに基づいて算出される読取準備時間を利用して、本実施の形態と同様の動作を実現する。なお、読取準備時間情報は第1の情報の別の一例である。
【0080】
なお、本実施の形態における画像形成準備時間の代わりに、画像形成準備時間を示す情報と画像形成準備時間が変動する要因を示す情報とを含む画像形成準備時間情報を使用することもできる。その場合、画像形成準備時間を示す情報と、画像形成準備時間が変動する要因を示す情報とに基づいて算出される画像形成準備時間を利用して、本実施の形態と同様の動作を実現する。なお、画像形成準備時間情報は第2の情報の別の一例である。
【0081】
以上のように、本発明の実施の形態にかかる複写機1によれば、起動してから画像形成位置及び読取位置まで搬送する時間を示す第1の情報及び第2の情報に基づいたタイミングで画像形成部を起動させることができるようになり、画像形成を開始するタイミングも定まる。従って、画像形成を開始するタイミングから逆算し、画像形成部の起動タイミングを導出することができるため、従来より早く画像形成を開始し、かつ、早く画像形成を終了することができる。よって、第1の情報及び第2の情報に基づいて、FCOTを効果的に短縮することができる。
【0082】
また、第1の情報及び第2の情報に基づいて、読取部の読取開始時刻と、画像形成部の画像形成開始時刻とを一致させることができる。このようにすると、最も早く画像形成を開始し、かつ、最も早く画像形成を終了することができる。また、読取部において読み取った1ライン分の原稿データを、その読取の直後に、記録紙に画像形成することができる。よって、FCOTを最短とすることができる。
【0083】
また、各読取原稿に対する第1の情報を、読取部から起動タイミング決定部へ通知することができる。この情報を利用して、起動タイミング決定部は画像形成部を最適なタイミングで起動させることができる。よって、FCOTを最短とすることができる。
【0084】
また、第2の情報が複写指示等により異なる場合においても、各複写指示に対する第2の情報に基づいて、起動タイミング決定部は画像形成部を最適なタイミングで起動させることができる。よってFCOTを最短とすることができる。
【0085】
なお、実施の形態にかかる複写機はクラッチを有しないが、クラッチを備えた複写機においても本発明を適用できることは言うまでもない。
【0086】
以上、本発明の実装方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
本発明は、複写機として、特に、複写開始操作から複写完了までの時間が短い複写機として利用することができる。
【符号の説明】
【0088】
1 複写機
301 受付部
302 制御部
303 起動タイミング決定部
304 読取部
305 ページメモリ
306 画像形成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
読取原稿を読み取り、記録紙上に画像を形成する複写機であって、
複写指示を受け付ける受付部と、
前記読取原稿を読取給紙位置から読取位置に搬送し、前記読取位置にて前記読取原稿を読み取り原稿データを生成する読取部と、
前記記録紙を記録紙給紙位置から画像形成位置に搬送し、前記読取部が生成した原稿データに基づいて前記画像形成位置にて前記記録紙に画像形成する画像形成部と、
前記受付部が前記複写指示を受け付けた場合に、前記画像形成部の起動タイミングを決定し、決定した前記起動タイミングで前記画像形成部を起動させる起動タイミング決定部とを備え、
前記起動タイミング決定部は、前記読取部が起動してから前記読取原稿が前記読取位置に搬送されるまでに要する時間を示す第1の情報と、前記画像形成部が起動してから前記記録紙が前記画像形成位置に搬送されるまでに要する時間を示す第2の情報とに基づいて、前記読取部が起動する時刻から前記読取部が前記読取原稿の読み取りを開始する時刻である読取開始時刻の直前までに前記画像形成部が起動し、且つ、前記読取開始時刻以降に前記画像形成部が記録紙への画像形成を開始するように前記起動タイミングを決定する
複写機。
【請求項2】
前記起動タイミング決定部は、
前記読取開始時刻に、前記画像形成部が記録紙に画像形成を開始するように、前記画像形成部の前記起動タイミングを決定する
請求項1に記載の複写機。
【請求項3】
前記複写機は、さらに、
前記第1の情報を前記読取部から取得し、前記起動タイミング決定部へ送信する制御部を備える
請求項1または請求項2に記載の複写機。
【請求項4】
前記第1の情報は、
前記読取部の起動処理時間と、
前記読取部が前記読取原稿を前記読取給紙位置から前記読取位置に搬送するのに要する時間である原稿搬送時間とで構成される
請求項1〜3のいずれか1項に記載の複写機。
【請求項5】
前記第2の情報は、
前記画像形成部の起動処理時間と、
前記画像形成部が前記記録紙を前記記録紙給紙位置から前記読取位置に搬送するのに要する時間である記録紙搬送時間とで構成される
請求項1または請求項2に記載の複写機。
【請求項6】
前記第2の情報は、前記受付部が受け付けた複写指示の内容に応じて変動する
請求項1、2、5のいずれか1項に記載の複写機。
【請求項7】
前記制御部は、前記受付部で受け付けた前記複写指示が、少なくとも1ページの前記読取原稿の読み取りを完了した後に当該原稿データに基づいて画像を形成する必要がある指示である場合に、前記起動タイミング決定部を動作させない
請求項1〜6のいずれか1項に記載の複写機。
【請求項8】
前記受付部で受け付けた前記複写指示が、1ページの前記読取原稿の読み取りを完了する前に、読み取りが完了した部分から順次画像を形成することができる指示である場合に、
前記画像形成部は、前記読取部により読み取られた原稿データをデータ圧縮せずに記録紙に画像を形成する
請求項1〜7のいずれか1項に記載の複写機。
【請求項9】
前記受付部で受け付けた前記複写指示が、1ページの前記読取原稿の読み取りを完了した後に当該原稿データに基づいて画像を形成する必要がある指示である場合に、
前記画像形成部は、前記読取部により読み取られた前記原稿データをデータ圧縮し、データ圧縮された圧縮原稿データを一時蓄積し、一時蓄積された前記圧縮原稿データを読み出し、読み出された前記圧縮原稿データをデータ伸張し、記録紙に画像を形成する
請求項1〜8のいずれか1項に記載の複写機。
【請求項10】
前記画像形成部は、記録紙を搬送する途中で一時的に記録紙の搬送を停止させる機構を有しない
請求項1〜9のいずれか1項に記載の複写機。
【請求項11】
複写機による画像形成方法であって、
複写指示を受け付ける受付ステップと、
読取原稿を読取給紙位置から読取位置に搬送し、前記読取位置にて前記読取原稿を読み取る読取ステップと、
記録紙を記録紙給紙位置から画像形成位置に搬送し、前記読取部が生成した原稿データに基づいて前記画像形成位置にて前記記録紙に画像形成する画像形成ステップと、
前記受付部が前記複写指示を受け付けた場合に、前記画像形成部の起動タイミングを決定し、決定した前記起動タイミングで前記画像形成部を起動させる起動タイミング決定ステップとを含み、
前記起動タイミング決定ステップでは、前記読取部が起動してから前記読取原稿が前記読取位置に搬送されるまでに要する時間を示す第1の情報と、前記画像形成部が起動してから前記記録紙が前記画像形成位置に搬送されるまでに要する時間を示す第2の情報とに基づいて、前記読取部が起動する時刻から前記読取部が前記読取原稿の読み取りを開始する時刻である読取開始時刻の直前までに前記画像形成部が起動し、且つ、前記読取開始時刻以降に前記画像形成部が記録紙への画像形成を開始するように前記起動タイミングを決定する
画像形成方法。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−81048(P2013−81048A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219649(P2011−219649)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】