説明

複数のコンピュータについての反映システム

【課題】複数のコンピュータで1つのアプリケーションプログラムについて共有化が図れ、いずれのコンピュータを使用しても最終画面の位置から使用することができるシステムを提供する。
【解決手段】各コンピュータがアプリケーションプログラムをフォアグランドで処理するプログラムとバックグラウンドで処理するプログラムならびに両プログラムを切り替える切替プログラムを有しており、切替プログラムはアプリケーションプログラムを実行しているコンピュータについてはフォアグランドでアプリケーションプログラムを実行し、他のコンピュータにおいてはアプリケーションプログラムをバックグラウンドで実行することにより、使用者が前記複数のコンピュータにおいて実行するコンピュータを変えても連続して前記アプリケーションプログラムを実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は複数のコンピュータによるアプリケーションプログラム共有システム、更に詳しくは、設置場所が異なる複数のコンピュータにおいて共通のアプリケーションプログラムを連続して実行することが可能な反映システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近頃、パーソナルコンピュータを含めてコンピュータが普及し、用途が増えたことから複数箇所にコンピュータが備えられるようになっており便利になり、各職場や家庭での使用環境において複数のコンピュータが設置されているようになってきた。
【0003】
一方、コンピュータを利用する分野も増えてきており、特に設置箇所が異なる複数のコンピュータにおいて共通のアプリケーションプログラムを使用することも少なくなく、特に、同一事案について異なる箇所に設置したコンピュータで連続して実行しなければならない事態も生じるようになってきている。
【0004】
この場合に、アンドロイド型のコンピュータを用いている場合には、例えば各種のメモリ機器により実行した処理情報を記憶させて、これを他のコンピュータに移して実行することになり、きわめて不便であった。
【0005】
ところで、近頃は、インターネットのような通信回線も進歩しており、通信回線に接続した複数のコンピュータに共通のアプリケーションプログラムを入力しておくとともにそれらの各コンピュータにおいて実行した処理情報を互いに送受信して共有することにより各コンピュータにおいてデータを共有化することも行われており、使用者はいずれのコンピュータを使用しても同じようにアプリケーションプログラムをいずれのコンピュータからも実行することができるものが知られている。
【0006】
特に、特開平4−307648号公報、特開平6−337829号公報、特開2001−273219号公報などには複数のコンピュータに同一の画面を表示した状態で各コンピュータについて共通のアプリケーションプログラムの実行を行うことができるという技術が開示されており、アンドロイド型のコンピュータのような手間が不要であることから身近な位置に配置されているコンピュータを使用することができ、きわめて便利である。
【0007】
しかしながら、前記各公報に提示されている共有システムは、各コンピュータにより実行された処理情報をサーバに送信して同期させるものであり、別にサーバや共通化手段が必要であり、設備が大掛かりになるとともに高価となり、経済面でも問題があるばかりか、各端末コンピュータにおいて同時に使用することが前提となっていることから同時に実行された場合に調整が必要で各コンピュータへの入力が制限されるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−307648号公報
【特許文献2】特開平6−337829号公報
【特許文献3】特開2001−273219号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、複数のコンピュータだけで1つのアプリケーションプログラムについて共有
化が図れ、いずれのコンピュータを使用しても最終画面の位置から使用することができる反映システムを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するためになされた本発明は、複数のコンピュータが通信回線を介して互いに送受信可能に接続されているとともに前記各コンピュータが同じ内容のアプリケーションプログラムを有し且つ前記複数のコンピュータの内でいずれかのコンピュータにより入力手段を用いて前記アプリケーションプログラムを実行したときに、その処理情報が前記通信回線を介して他のコンピュータに送信されて前記各コンピュータにおいて前記アプリケーションプログラムを前記処理情報に基づいて実行するようにした複数のコンピュータについての共用システムであって、
前記各コンピュータが前記アプリケーションプログラムをフォアグランドで処理するフォアグランド処理プログラムとバックグラウンドで処理するバックグラウンド処理プログラムならびに前記フォアグランド処理プログラムとバックグラウンド処理プログラムとを切り替える処理グラウンド切替プログラムを有しており、前記処理グラウンド切替プログラムは前記アプリケーションプログラムを実行しているコンピュータについてはフォアグランド処理プログラムを選択してフォアグランドで前記アプリケーションプログラムを実行し、他のコンピュータにおいてはバックグラウンド処理プログラムを選択して前記アプリケーションプログラムをバックグラウンドで実行することにより、使用者が前記複数のコンピュータにおいて実行するコンピュータを変えても連続して前記アプリケーションプログラムを実行することができることを特徴とする。
【0011】
このように、本発明によれば、入力手段を用いてアプリケーションプログラムを実行するコンピュータについてはフォアグランドにより処理を行い、他のコンピュータについては実行しているコンピュータから送信される処理情報を同時にバックグラウンド処理により実行することによりサーバのような機器や共有化の処理をしなくても全てのコンピュータで同時に同一処理が行えるので使用者はどのコンピュータを用いても最後の実行した画面に表示された箇所から入力操作を開始することができる。
【0012】
また、本発明において、前記処理グラウンド切替プログラムが、そのコンピュータにおける入力手段から前記アプリケーションプログラムの実行に伴う入力情報があったときにフォアグランド処理プログラムを選択してフォアグランド処理によるアプリケーションプログラムを実行するとともに他のコンピュータに前記処理情報を送信し、他のコンピュータではその処理グラウンド切替プログラムが前記送信された処理情報に基づいてバッググラウンド処理により実行することを自動的に判別処理することができる。
【0013】
更に、前記各コンピュータは前記フォアグランド処理プログラムまたはバックグラウンド処理プログラムによりアプリケーションプログラムの処理を終了したときにそれらの処理情報を各コンピュータに備えた記憶手段に記憶させておくことにより、いずれのコンピュータからも最終の情報蓄積時から実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の好ましい実施の形態の基本的な構成を示す概略図。
【図2】図1に示した実施の形態のブロック回路図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0016】
図1および図2は本発明である複数のコンピュータによるアプリケーションプログラム共有システムコンピュータA、B、Cの3つのコンピュータについて実施した場合の好ま
しい実施の形態を示すものであるが、コンピュータの数は問わない。
【0017】
そして、各コンピュータA、B、Cは、例えばそれぞれ内蔵された送受信手段1を介して例えばインターネットやイントラネットのような通信回線Dに接続されて互いに送受信可能に接続されている。
【0018】
また、各コンピュータA、B、Cは、ハードディスクのような記憶手段2に同じ内容のアプリケーションプログラム21を有し、例えばキーボードやマウスのような入力手段3および液晶画面のように表示手段4を備えており、更に、前記記憶手段2にアプリケーションプログラムをフォアグランドで処理するフォアグランド処理プログラム22とバックグラウンドで処理するバックグラウンド処理プログラム23ならびにフォアグランド処理プログラムとバックグラウンド処理プログラムとを切り替える処理グラウンド切替プログラム24、更には前記各手段を制御するためのCPUである制御手段5を有している。
【0019】
以上の構成を有する本実施の形態を使用するには、使用者は各コンピュータA、B、Cのいずれを使用してもよく、例えば、コンピュータAを用いて入力手段3から共通のアプリケーションプログラム21を実行するとコンピュータAの記憶手段2に記憶してある処理グラウンド切替プログラム24がコンピュータAにより実行されたと判断してフォアグランド処理プログラム22を実行させてフォアグランドにより実行される。従って、コンピュータAの表示手段4を使用して通常のコンピュータと同様に実行することができる。
【0020】
同時に、コンピュータAにより実行される処理情報はそれぞれの送受信手段1および通信回線Dを介して他のコンピュータAに送信され、各コンピュータB,Cの記憶装置2に記憶されている処理グラウンド切替プログラム24によりバックグラウンド処理プログラムが選択されてバックグラウンドで送信された処理情報に基づいて同期処理がなされる。
【0021】
このとき、本実施の形態では、入力手段3を使用しないコンピュータB,Cはバックグラウンド処理により実行されるのでこれらのコンピュータB,Cについてはアプリケーションプログラム21を実行することはできないので従来のように複数のコンピュータからの入力情報をサーバに集めて調整する必要がない。
【0022】
勿論、このとき、コンピュータB,Cについてはアプリケーションプログラム21がバックグラウンド処理により実行されるので表示手段4にも表示されることもなく、他のアプリケーションプログラムを実行するために使用可能なことは言うまでもない。
【0023】
そして、各コンピュータA、B、Cは処理するグラウンドは異なるが共有のアプリケーションプログラム21について同一の処理が同時に実行される。従って、コンピュータAにおける処理が終了した時には各コンピュータA、B、Cにおいて最終の処理情報が記憶手段2に記憶されるので、次に、いずれのコンピュータA、B、Cを用いても前記コンピュータAと同様に最終の情報から連続して実行することができることになり、実行するコンピュータA、B、Cを変えても連続して前記アプリケーションプログラム21を最終の情報から実行することができる。
【0024】
尚、本実施の形態では、前記処理グラウンド切替プログラム22はそのコンピュータAにおける入力手段3からアプリケーションプログラムの実行に伴う入力情報があったときにフォアグランド処理プログラム23を選択してフォアグランド処理によるアプリケーションプログラム21を実行し、他のコンピュータB,Cに処理情報を送信することによりフォアグランド処理をするコンピュータAとバックグラウンド処理をするコンピュータB,Cとを自動的に判別処理することができるが、入力に際してキーを入力する方式でもよく、入力前に例えばマウスや他の手段により行ってもよい。
【0025】
また、各コンピュータA,B,Cにおけるフォアグラウンドとバックグラウンドとの関係を表1に示すが、本発明はコンピュータの数は問わない。
【表1】

【0026】
更に、本実施の形態では、各コンピュータA、B,Cについて、これらが特にセキュリティについて考慮しなくてよい場合であって、それらの入力機器3により入力を開始することによりコンピュータA、B,Cが実行可能になる場合を示したが、例えば、セキュリティを考慮した場合には、開始時に例えば、カード認証や生体認証などの行程を含めてもよいことはいうまでもない(図示せず)。
【符号の説明】
【0027】
1 送受信手段、2 記憶手段、 3 入力手段、4 表示手段、21 アプリケーションプログラム、22 処理グランド切替プログラム、23 フォアグラウンド処理プログラム、24 バックグラウンド処理プログラム、A,B,C コンピュータ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンピュータが通信回線を介して互いに送受信可能に接続されているとともに前記各コンピュータが同じ内容のアプリケーションプログラムを有し且つ前記複数のコンピュータの内でいずれかのコンピュータにより入力手段を用いて前記アプリケーションプログラムを実行したときに、その処理情報が前記通信回線を介して他のコンピュータに送信されて前記各コンピュータにおいて前記アプリケーションプログラムを前記処理情報に基づいて実行するようにした複数のコンピュータについての共用システムであって、
前記各コンピュータが前記アプリケーションプログラムをフォアグランドで処理するフォアグランド処理プログラムとバックグラウンドで処理するバックグラウンド処理プログラムならびに前記フォアグランド処理プログラムとバックグラウンド処理プログラムとを切り替える処理グラウンド切替プログラムを有しており、前記処理グラウンド切替プログラムは前記アプリケーションプログラムを実行しているコンピュータについてはフォアグランド処理プログラムを選択してフォアグランドで前記アプリケーションプログラムを実行し、他のコンピュータにおいてはバックグラウンド処理プログラムを選択して前記アプリケーションプログラムをバックグラウンドで実行することにより、使用者が前記複数のコンピュータにおいて実行するコンピュータを変えても連続して前記アプリケーションプログラムを実行することができることを特徴とする複数のコンピュータについての反映システム。
【請求項2】
前記処理グラウンド切替プログラムが、そのコンピュータにおける入力手段から前記アプリケーションプログラムの実行に伴う入力情報があったときにフォアグランド処理プログラムを選択してフォアグランド処理によるアプリケーションプログラムを実行するとともに他のコンピュータに前記処理情報を送信し、他のコンピュータではその処理グラウンド切替プログラムが前記送信された処理情報に基づいてバッググラウンド処理により実行することを特徴とする請求項1記載の複数のコンピュータについての反映システム。
【請求項3】
前記各コンピュータは前記フォアグランド処理プログラムまたはバックグラウンド処理プログラムによりアプリケーションプログラムの処理を終了したときにそれらの処理情報を各コンピュータに備えた記憶手段に記憶させておくことを特徴とする請求項1または2に記載の複数のコンピュータについての反映システム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−97735(P2013−97735A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−242725(P2011−242725)
【出願日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【出願人】(596079138)東日本メディコム株式会社 (19)