説明

複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及び処理プログラム

【課題】常時最新のデータにアップされるようにしておくことが可能であり、アップデートに係る元データはアップデートされた経緯を参照できるとともに、さらに、オンライン上で、複数のアップデートしたデータを同時に使用できる複数のデータベースをオンラインでアップデートし、異なる複数のバージョンを複数同時に処理する方法及びプログラムの提供。
【解決手段】インターネット等のネットワークに接続されている複数のデータベースにおいて、直接データの編集を行い常に最新のデータが格納されているメインデータベース部21と、該メインデータベース21で編集された各種データに対して、バージョン番号を採番して更新データを管理するリリース用データベース部22と、複数の異なるバージョンを管理するユーザーデータベース部23であって、前記各データベースにはフィールドを備え、メインデータベース部のデータの編集を行った際にフラグをセットすることを特徴とする複数データベースのオンラインによるデータ処理方法。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、オンラインによる複数のデータベースのアップデートデータと、元データを必要に応じ読み出し保存を簡便に実行できる複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムに関する。
また、本発明は、オンラインで複数のデータベースのデータを識別できるようにアップデートした順に管理し、全てのデータを保存することを前提とするものであり、それら保存された元データをオンライン上で、複数のアップデートした異なるバージョンを複数同時に実行する複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データベースにおけるデータは、常時最新のデータにアップされるようにしておくことが求められている。一方、アップデートに係る元データはアップデートされた経緯を参照する意味で重要であり、それら元データを保存する必要がある。さらに、オンライン上で、複数のアップデートした異なるバージョンを複数同時に使用できるようにすることが求められている。
【0003】
例えばUNIX(登録商標)システムで標準的に使用されるsccs(source code control system)機能に対して、複数のバージョンが存在する場合には、前述の保管部を複数個用意することになり、複数のバージョンに共通のプログラムモジュールがあっても、そのようなプログラムモジュールのソースファイルは各バージョン毎に重複して格納されることになる。この場合、仮に複数のバージョン間で全く中身の変わらない共通のプログラムモジュールのソースファイルがある場合には、次のような問題があるとしている。
(a)プログラムモジュールが共通であっても、そのようなプログラムモジュールの変更作業を行う場合には、各バージョンのプログラムモジュールのソースファイル毎に変更作業が(b)共通のプログラムモジュールの変更作業を行う場合には、共通のプログラムモジュールを使用する全てのバージョンのソースファイルに対して、確実に変更作業を行ったかどうかの管理が必要となる。
(c)複数のバージョン間で大部分のプログラムモジュールが共通である場合には、全てのソースファイルを収納するために必要な記憶媒体のスペース、例えばディスクスペースが、そのバージョン数のほぼ2倍以上必要となる。
さらに、個々のソースプログラムの作成/更新によって発生する各世代毎の情報を管理するための世代制御レコードと、ソースプログラムの中の各レコード毎にどの世代に属するかを管理するための世代管理フィールドとを設定して、前記ソースプログラムを格納することが記載されている。
【特許文献1】特開平08−63342号公報
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来の方法は膨大なデータの格納スペースの削減及び管理には有用であるが、インターネット又はローカルエリアネットワークにおけるオンラインで保存された複数のデータベースにオンラインでアクセスする場合は、データベースへのアクセスに相当の時間を要する第1の課題がある。また、過去のデータを全て保存した場合は、データ容量が膨大になりデータの更新にも時間がかかり、過去のデータの履歴も保存した場合はさらに膨大な保存容量が必要となる第2の課題がある。さらに、オンライン上で、それら膨大な過去のデータの保存とともにアップデートした異なるバージョンを複数同時に起動させて使用することになると、アクセスに相当の時間を必要とする第3の課題がある。
【0006】
そこで、本発明は、常時最新のデータにアップされるようにしておくことが可能であり、アップデートに係る元データはアップデートされた経緯を参照する意味で重要であることから、それら元データを保存し、さらに、オンライン上で、複数のアップデートしたデータを同時に使用できるようにするために複数のデータベースをオンラインで異なるバージョンを複数同時にアップデートできることを目的とする。
【課題を解決しようする手段】
【0007】
上記の課題を解決するための請求項1に係る本発明の特徴は、インターネット等のネットワークに接続されている複数のデータベースにおいて、該複数のデータベースは、ローカルエリアネットワークに接続されており、直接データの編集を行い常に最新のデータを格納する第1のデータベースと、前記第1のデータベースで編集された各種データに対して、バージョン番号を採番して更新データを管理する第2のデータベースと、インターネット等のネットワークに接続されている、前記第2のデータベースから複数の異なるバージョンを管理および更新する第3のデータベースであって、前記各データベースにはフィールドを備え、前記第1のデータベースのデータの編集を行った際にフラグをセットすることである。
【0008】
請求項2に係る本発明の特徴は、前記第1のデータベースのフラグは「0」に初期化されていることである。
【0009】
請求項3に係る本発明の特徴は、前記第2のデータベースはバージョンを管理するテーブルが含まれていることである。
【0010】
請求項4に係る本発明の特徴は、前記第2のデータベースのバージョン番号は開始バージョンと終了バージョンを備え前記第1のデータベースから第2のデータベースにデータを更新する際に付される番号であり、開始バージョン及び終了バージョンは、レコード1件に対して該レコードがどのバージョンに属しているかを表わすことである。
【0011】
請求項5に係る本発明の特徴は、前記第3のデータベースはバージョンを管理するテーブルが含まれているとともに、異なるバージョンを複数同時に起動することである。
【0012】
請求項6に係る本発明の特徴は、請求項1から請求項5に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理方法における前記セットされるフラグは、新規追加されたデータのフラグを「1」とし、編集されたデータのフラグを「2」とし、さらに削除するデータのフラグを「3」としてセットすることである。
【0013】
請求項7に係る本発明の特徴は、ローカルエリアネットワークに接続されているデータベースであって、直接データの編集を行い常に最新のデータが格納されている第1のデータベースと該第1のデータベースで編集された各種データに対して、バージョン番号を採番して更新データを管理する第2のデータベースと、複数の異なるバージョンを管理する第3のデータベースを処理制御するコンピュータに、第1のデータベースのデータを編集する手順、第1のデータベースのデータ編集の際、フラグをセットする手順、前記セットされるフラグは、新規追加されたデータのフラグを「1」とし、編集されたデータのフラグを「2」とし、さらに削除するデータのフラグを「3」としてセットする手順、を実行させることである。
【0014】
請求項8に係る本発明の特徴は、ローカルエリアネットワークに接続されているデータベースであって、直接データの編集を行い常に最新のデータが格納されている第1のデータベースと、複数のバージョンのデータを管理する第2のデータベースを処理制御するコンピュータに、第1のデータベースのフラグをチェックする手順、前記セットされるフラグは、新規追加されたデータのフラグを「1」とし、編集されたデータのフラグを「2」とし、さらに削除するデータのフラグを「3」としてセットする手順、世代番号を採番する手順、第2のデータベースへの更新範囲を「全体」、「差分」に分けて、第1のデータベースの更新対象の行データごとに、バージョン番号、開始世代、終了世代をセットし、第2のデータベースへ対象データを転送する手順、を実行させることである。
【0015】
請求項9に係る本発明の特徴は、請求項8に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理プログラムにおけるインターネット等のネットワークに接続されているデータベースであって、前記第2のデータベースと、ユーザープログラムが使用する複数のバージョンのデータを管理する第3のデータベースを処理制御するコンピュータに、第2のデータベースから、指定バージョン番号のデータを取得し、第3のデータベースに転送する手順、を実行させることである。
【0016】
請求項10に係る本発明の特徴は、請求項1から請求項9に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムにおける前記第1のデータベースをメインデータベース、前記第2のデータベースをリリース用データベース、及び前記第3のデータベースをユーザーデータベースとしたことを特徴とするである。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、オンラインで複数のデータベースのデータを識別できるようにアップデートした順に管理し、全てのデータを保存することが可能であり、それら保存された元データをオンラインで適宜読み出し実行できる複数データベースのオンラインによるデータ処理できる効果を奏する。さらに、本発明は、常時最新のデータにアップされるようにしておくことができることから、アップデートに係る元データはアップデートされた経緯を参照できるとともに、さらに、オンライン上で、複数のアップデートしたデータを同時に使用できる複数のデータベースをオンラインでアップデートし、異なる複数のバージョンを複数同時に実行できる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。図1は請求項1に対応し、図2及び図3は請求項7から請求項9に対応し、図4から図6は請求項1から請求項6に対応し、請求項7及び請求項8項は請求項1から請求項10に対応する実施形態を説明する図である。
[第1実施形態]
【0019】
(本発明のシステム構成)
図1は、本発明にかかる管理プログラムA及びユーザープログラムBと本発明の実施形態にかかるメインデータベース部21(第1のデータベース以下同じ)、リリース用データベース部22(第2のデータベース以下同じ)及びユーザーデータベース部23(第3のデータベース以下同じ)の構成を示す概略システムブロック図である。請求項1の記載を説明する図である。本発明に係るメインデータベース部21は、ローカルエリアネットワークを介して更新及び配信を行い、オンラインで直接データの編集を行うため、常に最新のデータが入っているデータベースである。メインデータベース部21内では、更新フラグは「0」に初期化され、バージョン管理の情報を持たない。
【0020】
次に、本発明に係るリリース用データベース部23は、ローカルエリアネットワークを介して更新及び配信を行い、メインデータベース部21で編集された各種データに対してバージョン番号を採番して更新データを管理するデータベースである。リリース用データベース部22にはバージョンを管理するテーブルが含まれている。また、メインデータベース部21からのデータの更新は差分で行われるため、更新時のデータ容量を削減することができる。
【0021】
さらに、本発明に係るユーザーデータベース部23は、リリース用データベース部22からインターネット等のネットワークを介して更新を行う。複数の同一又は異なるバージョンが管理されるデータベースである。ユーザープログラムBで実行される。ユーザーデータベース部23にもバージョンを管理するテーブルが含まれており、ユーザープログラムBにより複数のバージョンを複数同時に起動する。
【0022】
本発明に係る管理プログラムAは、前記メインデータベース部21の編集を行うプログラムである。これにより複雑なバージョン管理のメンテナンスの効率化をはかることができる。一方、本発明に係るユーザープログラムBは、前記ユーザーデータベース部23から該当世代のデータを取得するプログラムである。ユーザープログラムBは同一又は異なる複数のバージョンを複数同時に起動させる。
【0023】
図7は、本発明の全体構成概略図である。1は、ホストシステム部であり、汎用のデスクトップ又はノートブックタイプのパーソナルコンピュータである。10はCPU、11はコントローラ、12はインターフェース、13はROM、14はRAMである。ホストシステム部1は、インターフェース12及びローカルエリアネット(LAN)等のネットワークを介してユーザープログラムを各々保有するオンライン端末イ、ロ、ハ・・・等多数のオンライン端末と接続されている(図8参照)。各端末のオペレータは、オンライン端末のユーザープログラムBを介してコマンド形式でホストシステム1にコマンドを送出できる。
【0024】
ホストシステム1にはデータ等の情報伝達を行うシステムバス(SBUS)を介してCPU10、ROM13及びRAM14と接続され、CPU10は本発明に係るシステム全体を制御している。コントローラ11はシステムバスSBUSを介してハードディスク(HDD)等の外部記憶装置2と接続されている。コントローラ12は外部記憶装置2の制御を行う。外部記憶装置2には、本発明に係る管理プログラムA、データベースとなるデータが記録されている(図7参照)。
【0025】
インターネット又はローカルエリアネットワーク(LAN)に接続するユーザープログラム群3としてユーザープログラムBを各々保有する多数のオンライン端末イ、ロ、ハ・・・と、CPU10、インターフェース12、コントローラ11、ROM13及びRAM14と接続するようになっている(図8参照)。例えば、ホストシステム部1は、オンライン端末イからオペレータが入力したコマンドがネットワークを介して送出し、ホストシステム部1にアクセスし、CPU10に読み取られる。CPU10はコマンドにしたがってROM13に記録されているプログラムを実行し、ROM13のプログラムは外部記憶装置2に記録されているデータをRAM14に呼出し、データの更新、修正、保存等を実行処理する。さらに実行処理結果はインターフェース11及びネットワークを介してオンライン端末イにデータ送信される。
【0026】
本発明に係る外部記憶装置2は、図7に示すようにメインデータベース部21、リリース用データベース部22及びユーザーデータベース部23に分類した構造のデータベース群と本発明に係る管理プログラムA(アプリケーションプログラムA)により構成される。
【0027】
メインデータベース部21(請求項における第1のデータベースに対応する。)は、ローカルエリアネットワークを介してオンラインで直接データの編集を行うため、常に最新のデータが入っているデータベースである。
【0028】
リリース用データベース部22(請求項における第2のデータベースに対応する。)は、ローカルエリアネットワークを介してオンラインでメインデータベース部21で編集した各種データに対して、バージョン番号を採番して更新データを管理するデータベースである。リリース用データベース部22にはバージョンを管理するテーブルを含み、メインデータベース部21からの更新は差分で行い、更新時のデータ容量の削減できるようになっている。
【0029】
ユーザーデータベース部23(請求項における第3のデータベースに対応する)は、リリース用データベースからインターネット等のネットワークを介してオンラインで複数の異なるバージョンが管理されるデータベースである。
【0030】
(本発明に係るメインデータベース部の構成及び編集についての説明)
本発明に係るメインデータベース部21は、ローカルエリアネットワークを介してオンラインで直接データの編集を行い常に最新のデータが入っているデータベースである。メインデータベース部21は、図4に示すように「行番号」、「データ名」及び「更新フラグ」の各列から構成されている。メインデータベース部21においては、更新フラグは初期化「0」になるように設定してある。メインデータベース部21は、バージョン管理の情報は持たないように設定している。メインデータベース部21には、常に最新のデータを入力する環境とし、データの更新が可能になっている。
【0031】
そして、更新のフラグ列には、「初期値」、「修正」、「削除」、及び「追加」を識別する数値をそれぞれ入力する。また、メインデータベース部21のデータの編集は、管理プログラムAのアプリケーションにより実行し、データの修正の場合は更新フラグの数値を「2」とし、データ削除の場合は更新フラグの数値を「3」とし、データの追加の更新フラグの数値を「1」とし、初期値の更新フラグを「0」として設定する。削除の場合は、テーブルの値を識別する数値3を入力するだけで実際にデータの削除は行わない(図4参照)。
【0032】
メインデータベース部21の編集は、外部記憶装置2のアプリケーションプログラム部(APL)(図示しない)に記録されている管理プログラムAで実行する。管理プログラムAは複雑なバージョン管理のメンテナンスを効率的に処理する機能を有している。
【0033】
(本発明に係るリリース用データベース部の構成及びデータの更新についての説明)
図7に示すように、リリース用データベース部22は、メインデータベース部21で編集した各種データに対して、バージョン番号を採番して更新データを管理するデータベースである。リリース用データベース部22にはバージョンを管理するテーブルを含み、メインデータベース部21からの更新は差分で行い、更新時のデータ容量の削減を行うことができる。
【0034】
リリースデータベース部22は、図5に示すように、「行番号」、「データ名」列、「更新フラグ」列、「世代番号」列から構成されている。リリースデータベース部22には、世代管理用テーブルを用意し、世代管理用テーブルの構成は、「行番号」、「世代番号」列、「開始世代」列、及び「終了世代」列からなる(図5参照)。世代番号列、開始世代列、及び終了世代列には、識別数値として新規の場合は「1」とし、一部訂正の場合は「2」のように設定した数値を入力し、データの追加・更新がある場合はデータの追加・更新時に追加記入される。
【0035】
リリース用データ部22の更新は、メインデータベース部21の更新フラグをチェックし、リリース用データベース部22を更新するデータを取得する。更新フラグが「0」以外のデータを取得することで、更新のあったデータのみを差分として更新し、リリース用データベース部22にて、世代の管理を行う(図5参照)。
【0036】
(本発明に係るユーザー用データベース部の構成及びデータの更新についての説明)
図8に示すユーザー用データベース部23は、図6に示すように複数の異なるバージョンが管理されるデータベースである。ユーザー用データベース部23のデータはローカルエリアネットワークを介してオンライン端末イ、ロ、ハの各ユーザープログラムで実行する。ユーザーデータベース部23においてもバージョンを管理するテーブルを備え、複数のバージョンが複数同時に起動できるようになる。
【0037】
図5に示すように、世代番号(バージョン番号)は、開始世代番号(開始バージョン)と終了世代番号(終了バージョン)として設定し、メインデータベース部21からリリース用データベース部22のデータの更新をする際に番号が付けられる。バージョン番号を用いてバージョンを管理し、開始バージョンと終了バージョンは、レコード1件に対して、そのレコードがどのバージョンに属しているかを認識する。ユーザーデータの更新は、ユーザーデータベース部23においても世代管理テーブルを備え、リリース用データベース部22の世代管理テーブルから該当世代の情報を抜き出し、ユーザーデータベースの世代管理テーブルへデータのみの挿入を行う。
【0038】
図8に示すユーザープログラムは、オンライン端末イ、ロ、ハからアクセスしてユーザーデータベース部23から該当世代のデータを作動するプログラムであり、複数の同一又は異なるバージョンを複数同時に起動することができる。ユーザープログラムは、外部記憶装置2にプログラムとして格納し、CPU10及びコントローラ11を介して呼び出されようにすることもできる。ROM13にユーザープログラムとして格納することも可能である。
【0039】
(メインデータベースのデータ更新と管理プログラム実行動作例)
図4は、メインデータベース部21のデータ名列に「AAA」「BBB」「CCC」のデータが入力され、また、更新フラグの値は初期データ「0」が入力され、更新後のデータ名列を「DDD」に修正し、更新フラグは「2」とした実施例が示してある。また、データ「CCC」は削除であり、更新フラグは「3」となり、データ「FFF」の追加は、更新フラグが「1」となる。
【0040】
また、管理プログラムAの動作は、データ編集を実行し、データ編集が「修正」、「削除」、又は「追加」であるかどうかを更新ブラグから判別する。
【0041】
(リリース用データベースの更新の実施例)
図5には、メインデータベース部21の2、3、4行目のデータが更新されている実施例を示す。それをリリース用データベースのデータ列、更新フラグ列、世代番号列に識別数値が入力される。4、5、6行番号順にデータ列に「DDD」「CCC」「FFFF」が挿入され、更新フラグの列にはメインデータベースの更新フラグに入力されている値が挿入される。また、世代番号列には2世代目であることを示す世代番号「2」が入力される。
【0042】
(ユーザーデータベースの更新の実施例)
ユーザーデータの更新は、図6に示すように、ユーザーデータベース部23も世代管理テーブルを備え、リリース用データベースの世代管理テーブルから該当世代の情報を抜き出し、ユーザーデータベースの世代管理テーブルへデータの挿入のみを行う。
図4の実施例は、リリース用データベースの世代管理テーブルの行番号2の一部訂正のデータを抜き出してユーザーデータベース部23の管理テーブルへ挿入する例を示している。
図5の実施例は、リリース用データベースの行番号4、5、6のデータを抜き出し、ユーザーデータベース部23へ挿入する例を示している。これによって、複数のデータベースにおいて複数のバージョンデータを保有することができる。
【0043】
(ユーザープログラムからのデータの取得の実施例)
図6の実施例の世代別データは、世代管理テーブル内の、開始世代、終了世代を取得することで、指定した世代の情報を取得することができる。世代管理テーブルにおける「1」は「追加」を意味し、「2」は「修正」を意味するようにし、新しい世代のデータを取得する。新しい世代で「3」は「削除」を意味し削除した「3」ついては取得しないように条件を加える。
【0044】
本発明の管理プログラムA及びアプリケーションプログラムの動作例を図2及び図3のフローチャートに基づき説明する(請求項7から9に対応する動作実施例を示す。)。
【0045】
図2に示すように、スタート(S1)により管理プログラムAが作動し、各レコードのデータ編集するステップ(S2)と、データの編集が追加、編集、又は削除であるかを判別するステップ(S3)と、追加の場合は更新フラグを「1」とするステップ(S4)、編集の場合は更新フラグを「2」とするステップ(S5)と、削除の場合は更新フラグを「3」とするステップ(S6)を実行する。さらに、ステップ(S7)で編集の有無を判別し、編集がある場合は、ステップ(S2)で各レコードのデータ編集を実行し、編集がない場合は編集が終了し、次のリリース用データの更新ステップへ移行する(図2参照)。
【0046】
また、図2に示すように、メインデータベース部21のデータの編集(図2のステップ(S6))は、管理プログラムAにより実行し、データの修正又は編集の場合は更新フラグの数値を「2」とし、データ削除の場合は更新フラグの数値を「3」とし、データの追加の更新フラグの数値を「1」とし、初期値の更新フラグを「0」(図4更新後データ参照)として設定する。
【0047】
これによって、図5に示すように、更新フラグをチェックし、リリース用データベースを更新するデータを取得する。更新フラグが「0」以外のデータを取得することで、更新のあったデータのみを差分として更新し、リリース用データベースにて、世代の管理を行う(図5の更新後リリース用データベース参照)。
【0048】
図2に示すように、リリース用データ部22の更新は、管理用プログラムAにより次のステップにより実行される。メインデータベース部21のメインテーブルがデータを取得するステップ(S8)と、取得したデータにバージョン番号を付加するステップ(S9)と、「全体」または「差分」の更新であるかを判別するステップ(S10)と、「全体」である場合はステップ(S9)にて付加したバージョン番号を開始世代と終了世代にセットするステップ(S11)と、「差分」である場合はステップ(S9)にて付加したバージョン番号を終了世代にセットするステップ(S12)と、リリース用データベース部22にデータを挿入するステップ(S13)と、バージョン管理テーブルへ最新バージョンを登録するステップ(S14)を実行する。
【0049】
ユーザーデータベース部23のデータの更新は、図3上段部に示すように管理プログラムAにより、ステップ(S15)により該当するバージョンをユーザーが選択し、ステップ(S16)により世代管理テーブルから該当世代の情報を抜き出し、ステップ(S17)によりユーザーデータベースの世代管理テーブルへデータの挿入(インサート)のみを行い、ステップ(S18)によりバージョン管理テーブルへ最新バージョンとして登録し、ユーザープログラムBへ移行する。
【0050】
図3下段部に示すように、ユーザープログラムBは、オンライン端末イ、ロ、ハからアクセスしてユーザーデータベース部23から該当世代のデータを作動するプログラムであり、複数の同一又は異なるバージョンを複数同時に起動することができる。ステップ(S19)により該当するバージョンをユーザーが選択し、ステップ(S20)により選択したバージョンデータを取得し、ステップ(S21)によりユーザープログラムを起動する。また、併せてステップ(S22)により他のバージョンの有無を判別し、他のバージョンがある場合は、ステップ(S19)によりユーザーが該当バージョンを選択する。他のバージョンが無い場合は、ユーザープログラムは終了(END)する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施形態にかかる管理プログラムA及びユーザープログラムBと本発明の実施形態にかかるメインデータベース(第1のデータベース)、リリース用データベース(第2のデータベース)及びユーザーデータベース(第3のデータベース)の構成を示すシステムブロック図である。
【図2】本発明の実施形態にかかる複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムの動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施形態にかかる複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムの動作を示すフローチャート。
【図4】本発明の実施形態にかかる複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムをコンピュータにより実現する際の第1のデータベースの構成を示す図。
【図5】本発明の実施形態にかかる複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムをコンピュータにより実現する際の第2のデータベースの構成を示す図。
【図6】本発明の実施形態にかかる複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムをコンピュータにより実現する際の第3のデータベースの構成を示す図。
【図7】本発明の実施形態にかかる複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムをコンピュータにより実現する際のハードウェアブロック図。
【図8】本発明の実施形態にかかる複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラムをコンピュータにより実現する際のハードウェアブロック図。
【符号の説明】
1 ホストシステム部、10 CPU、11 インターフェース、12 コントローラ、13 ROM、14 RAM、
2 外部記憶装置、21 メインデータベース部、22 リリース用データベース部、23 ユーザーデータベース部
3 ユーザープログラム群を保有するネットワーク端末群

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット等のネットワークに接続されている複数のデータベースにおいて、
該複数のデータベースは、ローカルエリアネットワークに接続されており、直接データの編集を行い常に最新のデータを格納する第1のデータベースと、
前記第1のデータベースで編集された各種データに対して、バージョン番号を採番して更新データを管理する第2のデータベースと、
インターネット等のネットワークに接続されている、前記第2のデータベースから複数の異なるバージョンを管理および更新する第3のデータベースであって、
前記各データベースにはフィールドを備え、前記第1のデータベースのデータの編集を行った際にフラグをセットすることを特徴とする複数データベースのオンラインによるデータ処理方法。
【請求項2】
前記第1のデータベースのフラグは「0」に初期化されていることを特徴とする請求項1に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理方法。
【請求項3】
前記第2のデータベースはバージョンを管理するテーブルが含まれていることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理方法。
【請求項4】
前記第2のデータベースのバージョン番号は開始バージョンと終了バージョンを備え前記第1のデータベースから第2のデータベースにデータを更新する際に付される番号であり、開始バージョン及び終了バージョンは、レコード1件に対して該レコードがどのバージョンに属しているかを表わすことを特徴とする請求項1から請求項3に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理方法。
【請求項5】
前記第3のデータベースはバージョンを管理するテーブルが含まれているとともに、異なるバージョンを複数同時に起動することを特徴とする請求項1から請求項4に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理方法。
【請求項6】
前記セットされるフラグは、新規追加されたデータのフラグを「1」とし、編集されたデータのフラグを「2」とし、さらに削除するデータのフラグを「3」としてセットすることを特徴とする請求項1から請求項5に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理方法。
【請求項7】
ローカルエリアネットワークに接続されているデータベースであって、直接データの編集を行い常に最新のデータが格納されている第1のデータベースと該第1のデータベースで編集された各種データに対して、バージョン番号を採番して更新データを管理する第2のデータベースと、複数の異なるバージョンを管理する第3のデータベースを処理制御するコンピュータに、
第1のデータベースのデータを編集する手順、
第1のデータベースのデータ編集の際、フラグをセットする手順、
前記セットされるフラグは、新規追加されたデータのフラグを「1」とし、編集された データのフラグを「2」とし、さらに削除するデータのフラグを「3」としてセットす る手順、
を実行させる複数データベースのオンラインによるデータ処理プログラム。
【請求項8】
ローカルエリアネットワークに接続されているデータベースであって、直接データの編集を行い常に最新のデータが格納されている第1のデータベースと、複数のバージョンのデータを管理する第2のデータベースを処理制御するコンピュータに、
第1のデータベースのフラグをチェックする手順、
前記セットされるフラグは、新規追加されたデータのフラグを「1」とし、編集され たデータのフラグを「2」とし、さらに削除するデータのフラグを「3」としてセット する手順、
世代番号を採番する手順、
第2のデータベースへの更新範囲を「全体」、「差分」に分けて、第1のデータベー スの更新対象の行データごとに、バージョン番号、開始世代、終了世代をセットし、第 2のデータベースへ対象データを転送する手順、
を実行させる複数データベースのオンラインによるデータ処理プログラム。
【請求項9】
インターネット等のネットワークに接続されているデータベースであって、前記第2のデータベースと、ユーザープログラムが使用する複数のバージョンのデータを管理する第3のデータベースを処理制御するコンピュータに、
第2のデータベースから、指定バージョン番号のデータを取得し、第3のデータベー スに転送する手順、
を実行させることを特徴とする請求項8に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理プログラム。
【請求項10】
前記第1のデータベースをメインデータベース、前記第2のデータベースをリリース用データベース、及び前記第3のデータベースをユーザーデータベースとしたことを特徴とする請求項1から請求項9に記載する複数データベースのオンラインによるデータ処理方法及びプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−96211(P2011−96211A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−263366(P2009−263366)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(000108362)東芝パソコンシステム株式会社 (9)
【Fターム(参考)】