説明

計数機及び計数方法

【課題】遊技店内に複数のレートの区画を設けるとともに、各区画に特定のレートで遊技媒体を計数するよう設定された計数機を配設する場合に、計数対象外のレートのパチンコ玉を計数したことに起因する遊技客又は遊技店の不利益を効率良く防止することを課題とする。
【解決手段】計数機80は、装置外部から計数対象となる遊技媒体の遊技レート情報を取得部89aにより取得し、遊技レート情報が記憶部88に記憶された計数許可レート情報88bと一致するか否かを判定部89bにより判定し、一致する場合にはパチンコ玉の投入口に開閉自在に設けられたシャッタ83aを開制御し、一致しない場合にはシャッタ83aを閉制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
自装置に設定された計数許可レートを特定可能な情報を記憶する記憶部と、所定の投入口に投入された遊技媒体の計数処理を行う計数処理部とを有した計数機及び計数方法に関し、特に、遊技店内に複数のレートの区画を設けるとともに、各区画に特定のレートで遊技媒体を計数するよう設定された計数機を配設する場合に、計数対象外のレートのパチンコ玉を計数したことに起因する遊技客又は遊技店の不利益を効率良く防止することができる計数機及び計数方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ店等の遊技店では、一律のレート(1玉あたりの単価。例えば1玉4円)で遊技客にパチンコ玉を貸し出すのが一般的であったが、最近になって、遊技店内に異なるレートの区画を設ける遊技店が増加している。例えば、遊技店内を4円コーナーの区画と1円コーナーの区画に区分し、4円コーナーの区画(以下、「4円パチンコ区画」と言う)では1玉4円でパチンコ玉を貸し出し、1円コーナーの区画(以下、「1円パチンコ区画」と言う)では1玉1円でパチンコ玉を貸し出す遊技店が存在する。
【0003】
このように、複数のレートでパチンコ玉を貸し出す場合には、遊技客が獲得したパチンコ玉を景品交換処理するときにもレートの違いを考慮する必要がある。このため、各区画に専用の計数機を設置し、計数機の識別情報に基づいて計数結果のレートを判別する遊技場景品交換管理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、特許文献2には、計数機のレートを設定する技術が開示されており、具体的には、複数のレートのうち計数対象となるパチンコ玉のレートを店員IC(integrated circuit)タグや玉箱ICタグから取得して該レートを計数機に設定し、パチンコ玉数を計数する場合に、設定されたレートをレシートに印字及びバーコード印刷する計数機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−90030号公報
【特許文献2】特開2009−028446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1を用いたとしても、本来計数機で計数対象とするレートのパチンコ玉ではなく、計数対象外のレートのパチンコ玉が計数機に投入された場合には、レート違いに起因する問題が生ずる。例えば、1円パチンコ区画で獲得されたパチンコ玉数を誤って4円計数機で計数すると、レシートに「4円レート」が印字及びバーコード印刷されるため、遊技店が不利益を被る。一方、4円パチンコ区画で獲得されたパチンコ玉数を誤って1円計数機で計数すると、遊技客が不利益を被る結果となる。
【0007】
また、上記特許文献2を用いた場合には、本来設定されるべきレートが計数機に設定されないおそれがある。例えば、4円パチンコ区画で遊技する遊技客が誤って1円パチンコ区画に置かれた玉箱を利用した場合には、この玉箱に付された玉箱ICタグによって計数機に1玉1円のレートが設定されてしまうため、遊技客が4円パチンコ区画で獲得したパチンコ玉数とともに「1円レート」がレシートに印字及びバーコード印刷されてしまう結果となる。
【0008】
これらのことから、遊技店内に複数のレートの区画を設けるとともに、各区画に特定のレートでパチンコ玉を計数するよう設定された計数機を配設する場合に、計数対象外のレートのパチンコ玉を計数したことに起因する遊技客又は遊技店の不利益をいかにして解消するかが重要な課題となっている。かかる課題は、パチンコ玉の計数のみならず、メダル等の計数の場合にも同様に生ずる課題である。
【0009】
本発明は、上述した従来技術の課題を解消するためになされたものであって、遊技店内に複数のレートの区画を設けるとともに、各区画に特定のレートで遊技媒体を計数するよう設定された計数機を配設する場合に、計数対象外のレートのパチンコ玉を計数したことに起因する遊技客又は遊技店の不利益を効率良く防止することができる計数機及び計数方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、自装置に設定された計数許可レートを特定可能な情報を記憶する記憶部と、所定の投入口に投入された遊技媒体の計数処理を行う計数処理部とを有した計数機であって、装置外部から計数対象となる遊技媒体の遊技レートを特定可能な情報を取得する取得手段と、前記遊技レートが前記計数許可レートと一致する場合には前記計数処理部での遊技媒体の計数処理が可能な状態となるように制御を行う制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手段は、店員用媒体の識別情報を取得することを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記取得手段は、前記遊技媒体を収納する収納箱に内蔵又は付設された記憶媒体に記憶された情報を取得することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、前記制御手段は、前記遊技レートと前記計数許可レートとが不一致であり、且つ店員による許可操作を受け付けた場合には前記計数処理を可能とすることを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、計数情報を表示可能な表示部を有し、前記表示部は前記計数処理を行う遊技媒体と関連付けるレート情報を表示することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、自装置に設定された計数許可レートを特定可能な情報を記憶する記憶部と、所定の投入口に投入された遊技媒体の計数処理を行う計数処理部とを有する計数機の計数方法であって、装置外部から計数対象となる遊技媒体の遊技レートを特定可能な情報を取得する取得工程と、前記遊技レートが前記計数許可レートと一致するか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により一致すると判定された場合には前記計数処理部での遊技媒体の計数処理が可能な状態となるよう制御を行う制御工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、装置外部から計数対象となる遊技媒体の遊技レートを特定可能な情報を取得し、遊技レートが計数機に設定された計数許可レートと一致する場合には前記計数処理部での遊技媒体の計数処理が可能な状態となるように制御を行うよう構成したので、遊技店内に複数のレートの区画を設けるとともに、各区画に特定のレートで遊技媒体を計数するよう設定された計数機を配設する場合に、計数対象外のレートのパチンコ玉を計数したことに起因する遊技客又は遊技店の不利益を効率良く防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、実施例1に係る遊技システムの構成図である。
【図2】図2は、実施例1に係る計数機の外観構成を示す図である。
【図3】図3は、実施例1に係る計数機の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図4は、図1に示した管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、店員IDに基づいて管理装置から遊技レート情報を取得する場合について説明するための説明図である。
【図6】図6は、4円計数機がレート設定テーブルを記憶する場合について説明するための説明図である。
【図7】図7は、店員ICタグから遊技レート情報を読み出す場合について説明するための説明図である。
【図8】図8は、遊技機が玉箱ICタグに遊技レート情報を記憶させる場合について説明するための説明図である。
【図9】図9は、実施例1に係る計数処理の手順を示すフローチャートである。
【図10】図10は、遊技機が玉箱ICタグに遊技レート情報を記憶させる場合の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】図11は、店員ICタグ及び玉箱ICタグから遊技レート情報を取得して計数処理を行う場合を説明するための説明図である。
【図12】図12は、実施例2に係る計数処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】図13は、横型の計数機の外観構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る計数機及び計数方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、本実施例では、遊技媒体の一例としてパチンコ玉を対象とする場合を中心に説明することとする。
【実施例1】
【0019】
まず、本実施例1に係る遊技システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る遊技システムの構成図である。同図に示すように、遊技店内には、1玉4円でパチンコ玉を貸し出す4円パチンコ区画と、1玉1円でパチンコ玉を貸し出す1円パチンコ区画とが設けられている。そして、この4円パチンコ区画には、島コントローラ30aと、複数の遊技機20aと、各遊技機20aに併設された複数の台間カード処理機10aと、4円計数機80aとが配設されている。各台間カード処理機10aは、島コントローラ30aに接続されて遊技島を形成する。
【0020】
同様に、1円パチンコ区画には、島コントローラ30bと、複数の遊技機20bと、各遊技機20bに併設された複数の台間カード処理機10bと、1円計数機80bとが配設されている。各台間カード処理機10bは、島コントローラ30bに接続されて遊技島を形成する。
【0021】
また、景品交換カウンタには、バーコードリーダが接続された景品管理装置60が配設されている。そして、景品管理装置60、管理装置50、島コントローラ30a及び30b(以下、「島コントローラ30」と総称する)並びに4円計数機80a及び1円計数機80b(以下、「計数機80」と総称する)は、通信回線100を通じて接続されている。
【0022】
遊技機20a及び20b(以下、「遊技機20」と総称する)は、パチンコ玉を遊技領域に打ち込んで遊技客がパチンコ遊技を行うパチンコ機等の装置である。台間カード処理機10a及び10b(以下、「台間カード処理機10」と総称する)は、遊技機20に対する玉貸し処理、遊技機20で獲得したパチンコ玉の計数処理、計数したパチンコ玉を持玉として再投出する処理、貯玉の再プレイ処理などを行う装置である。
【0023】
景品管理装置60は、計数玉、貯玉及び持玉の景品交換処理を行う装置である。この景品管理装置60には、図示しないリーダライタ及び図示しないバーコードリーダが接続されている。リーダライタは、カードの挿入を受け付けた際に、該カードのカードIDを読み取る装置である。バーコードリーダは、計数機80が発行したレシートの読み取り等を行う装置である。
【0024】
4円計数機80aは、1玉4円のレートで貸し出されたパチンコ玉を用いて遊技客が獲得したパチンコ玉数を計数し、所定数の玉数を計数する度にパルス信号を管理装置50に対して送信する。計数終了後、4円計数機80aは、計数結果である獲得玉数及びレート(1玉4円)をレシートにバーコード印刷して発行処理する。なお、店員及び遊技客が視認できるように、獲得玉数及びレートがレシートに印字される。
【0025】
1円計数機80bは、上記4円計数機80aと同様に、1玉1円のレートで貸し出されたパチンコ玉を用いて遊技客が獲得したパチンコ玉数を計数し、所定数の玉数を計数する度にパルス信号を管理装置50に対して送信する。計数終了後、4円計数機80aは、計数結果である獲得玉数及びレート(1玉1円)をレシートにバーコード印刷して発行処理する。なお、店員及び遊技客が視認できるように、獲得玉数及びレートがレシートに印字される。
【0026】
ここで、遊技店では、上記4円パチンコ区画と1円パチンコ区画を明確に区分けするのが通常であるが、遊技店内のスペース等の関係で4円パチンコ区画と1円パチンコ区画が明確に分けられない場合がある。このような場合に、4円パチンコ区画で遊技客が獲得した獲得玉数を1円計数機80bに誤って投入してしまう可能性がある。
【0027】
かかる事態に対応するために、実施例1に係る計数機80では、装置外部から計数対象となる遊技媒体の遊技レート情報を取得し、遊技レート情報が記憶部に記憶された計数許可レート情報と一致するか否かを判定し、一致する場合にはパチンコ玉の投入口に開閉自在に設けられたシャッタを開制御し、一致しない場合にはシャッタを閉制御するようにしている。
【0028】
具体的には、計数機80は、店員カード、店員ICタグ、店員リモコン又は玉箱ICタグから遊技レート情報を取得する。店員カードは、各店員が所持するカードであり、店員を一意に識別する識別情報である店員IDが書き込まれている。計数機80は、店員IDと該店員が担当するレートを示すレート情報とを対応付けたレート設定テーブルを参照することで、店員カードから読み取った店員IDに対応付けられたレート情報を遊技レート情報として取得することができる。
【0029】
また、店員ICタグは、各店員が所持するICタグであり、該店員が担当するレートをレート情報として記憶している。このため、計数機80は、店員ICタグに記憶されたレート情報を遊技レート情報として読み出すことができる。なお、店員ICタグは、店員IDや店員氏名等をさらに記憶することもできる。
【0030】
店員リモコンは、計数機80等を赤外線通信によって遠隔操作する操作端末である。店員リモコンは、各区画に割り当てられ、該区画を担当する複数の店員によって共用される。店員リモコンは、割り当てられた区画のレートをレート情報として記憶している。このため、計数機80は、店員リモコンに記憶されたレート情報を遊技レート情報として受信することができる。
【0031】
玉箱ICタグは、遊技客が遊技機20より獲得したパチンコ玉を収納する玉箱に内蔵又は付設されたICタグである。この玉箱ICタグに玉箱が使用される区画のレートをレート情報として記憶させておくことで、計数機80は、玉箱ICタグに記憶されたレート情報を遊技レート情報として読み出すことができる。
【0032】
図1の例では、店員カード91a、店員ICタグ92a又は店員リモコン93aが4円パチンコ区画を担当する店員によって所持される。また、玉箱ICタグ94aは、4円パチンコ区画内の遊技機20aで獲得された玉を収納する玉箱に内蔵又は付設され、1玉4円のレート情報を記憶している。
【0033】
同様に、店員カード91b、店員ICタグ92b又は店員リモコン93bが1円パチンコ区画を担当する店員によって所持される。また、玉箱ICタグ94bは、1円パチンコ区画内の遊技機20bで獲得された玉を収納する玉箱に内蔵又は付設され、1玉1円のレート情報を記憶している。なお、以下の説明では、店員カード91a及び店員カード91bを店員カード91と総称する。同様に、店員ICタグ92a及び店員ICタグ92bを店員ICタグ92と総称し、店員リモコン93a及び店員リモコン93bを店員リモコン93と総称し、玉箱ICタグ94a及び玉箱ICタグ94bを玉箱ICタグ94と総称する。
【0034】
次に、図1に示した計数機80の外観構成について説明する。図2は、実施例1に係る計数機80の外観構成を示す図である。同図に示すように、計数機80は、パチンコ玉を貯留するホッパユニット87と、計数後に返却した余り玉を取り出す玉取出口87aと、ホッパユニット87の上部に設けられるタッチパネル81との間にパチンコ玉を投入するための空間を有する計数機、いわゆる縦型の玉計数機である。
【0035】
計数機80の筐体上部の前側には、遊技客や店員とのインタフェースが設けられている。具体的には、計数機80の筐体上部の前側には、表示操作部81、レシート発行部85、カードリーダライタ86c及び赤外線受信部86dが設けられている。
【0036】
表示操作部81は、パッチパネル式のカラー液晶ディスプレイ等からなる。例えば、この表示操作部81には、パチンコ玉を計数したパチンコ玉数を表示するとともに、レシート発行操作又は貯玉操作を受け付けるためのメニュー画面を表示する。レシート発行部93は、感熱式プリンタ等の印刷部である。例えば、遊技客が表示操作部81の表示画面上の「レシート発行」のタブを押下操作すると、レシート発行部85は、獲得玉数及びレート等をバーコード印刷したレシートを発行する。
【0037】
カードリーダライタ86cは、会員カード及び一般カードに対するデータの読み書きを行うリーダライタである。カードリーダライタ86cに会員カードが挿入された場合には、該会員カードからの会員IDの読取りを行う。同様に、カードリーダライタ86cに一般カードが挿入された場合には、該一般カードからのカードIDの読取りを行う。
【0038】
赤外線受信部86dは、店員リモコン93が送信した赤外線信号を受信する処理部である。具体的には、店員が店員リモコン93を用いて所定の操作をしたならば、店員リモコンは、記憶部に記憶したレート情報を送信する。赤外線受信部86dは、店員リモコンが送信したレート情報を遊技レート情報として受信する。また、リモコンID若しくは店員IDを記憶しておき、リモコンから読み取ったリモコンIDや店員IDに対応付けられたレート設定テーブルを参照することで、店員カードから読み取った店員IDに対応付けられたレート情報を遊技レート情報として取得するようにしてもよい。尚、以降遊技レートを読み取ると記載しているが、その場合も上記内容を含むものとする。
【0039】
ホッパユニット87は、開閉可能なシャッタ83aと、底部に開口部を有する受け皿と、この受け皿の開口部から流れ落ちるパチンコ玉を装置外部のバックヤードに搬送する搬送通路と、該搬送経路上に設けられた後述する計数センサ84とを有する。このホッパユニット87の受け皿に投入されたパチンコ玉は、開口部を経由して搬送通路上を搬送される過程で計数センサ84によって検知される。計数機80は、計数センサ84の検知結果を計数し、計数結果を表示操作部81に表示する。また、計数機80は、所定の玉数(例えば、10玉)を計数する度に、パルス信号を生成して管理装置50に送信する。
【0040】
計数機80の筐体下部の前側にはICタグリーダライタ86eが設けられている。ICタグリーダライタ86eは、店員カード91、店員ICタグ92及び玉箱ICタグ94に対するデータの読み書きを行うリーダライタである。店員ICタグ92がICタグリーダライタ86eにかざされたならば、ICタグリーダライタ86eは店員ICタグ92に記憶されたレート情報を遊技レート情報として読み出す。同様に、玉箱96がICタグリーダライタ86eにかざされたならば、ICタグリーダライタ86eは玉箱96に内蔵又は付設された玉箱ICタグ94に記憶されたレート情報を遊技レート情報として読み出す。また、店員IDを記憶しておき、店員ICタグから読み取った店員IDに対応付けられたレート設定テーブルを参照することで、店員ICタグから読み取った店員IDに対応付けられたレート情報を遊技レート情報として取得するようにしてもよい。尚、以降遊技レートを読み取ると記載しているが、その場合も上記内容を含むものとする。
【0041】
次に、図2に示した計数機80の内部構成について説明する。図3は、実施例1に係る計数機80の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、計数機80は、すでに説明した表示操作部81、レシート発行部85、カードリーダライタ86c、赤外線受信部86d及びICタグリーダライタ86eに加えて、計時部82、シャッタ機構83、計数センサ84、パルス送信部86a、通信部86b、記憶部88及び制御部89を有する。
【0042】
計時部82は、時刻を計時するタイマであり、具体的には、制御部89からの時刻問合せに応答してその問合せ時点における日時を送信する。シャッタ機構83は、ホッパユニット87の蓋として開閉可能に設けられたシャッタ83aの開閉制御を行う機構部であり、該シャッタ83aの開閉駆動を行うシャッタ駆動モータ83bと、シャッタの開閉状態を検知する開閉検知部83cとを有する。具体的には、このシャッタ機構83は、シャッタ83aを開放させる場合には、シャッタ83aが開状態であることが開閉検知部83cにより検知されるまで、シャッタ駆動モータ83bにシャッタ83aを開駆動させる。また、計数終了後にシャッタ83aを閉鎖する場合には、シャッタ83aが閉状態であることが開閉検知部83cにより検知されるまで、シャッタ駆動モータ83bにシャッタ83aを閉駆動させる。
【0043】
計数センサ84は、ホッパユニット87の搬送通路の近傍に設けられたセンサであり、搬送経路に赤外線等の発光及びその反射光の受光を行うことでパチンコ玉の通過を検知して制御部89に通知する。パルス送信部86aは、制御部89からの要求に応答してパルス信号を生成し、生成したパルス信号を管理装置50に送信する。通信部86bは、当該計数機80と他の装置(管理装置50等の他の装置)との間で各種通信を行うためのインタフェースである。
【0044】
記憶部88は、制御部89による各種処理に必要な情報及びプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、計数許可レート情報88a及び計数ログ88bを記憶する。計数許可レート情報88aは、計数機80が設置された区画のレートを示す情報である。具体的には、4円計数機80aは、計数許可レート情報88aとして1玉4円のレート情報を記憶する。同様に、1円計数機80bは、計数許可レート情報88aとして1玉1円のレート情報を記憶する。計数ログ88bは、計数機80による計数処理の履歴である。計数処理の結果は、レシートへの印字や会員管理装置への送信によって出力されるが、かかる出力に加えて計数ログ88bを残すことで計数機80aの動作状態を管理できる。
【0045】
制御部89は、計数機80を全体制御する制御部であり、取得部89a、判定部89b、シャッタ制御部89c及び計数処理部89dを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、取得部89a、判定部89b、シャッタ制御部89c及び計数処理部89dにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0046】
取得部89aは、店員カード91、店員ICタグ92、店員リモコン93又は玉箱ICタグ94から遊技レート情報を取得する処理部である。また、取得部89aは、店員カード91から店員IDを読み出した場合には、遊技レート情報要求部89a1により店員IDを管理装置50に送信して遊技レート情報の要求を行う。取得部89aは、管理装置50が遊技レート情報の要求に対する応答として送信したレート情報を遊技レート情報として取得する。
【0047】
判定部89bは、取得部89aが取得した遊技レート情報と計数許可レート情報88aとが一致するか否かを判定する処理部である。取得部89aが取得した遊技レート情報と計数許可レート情報88aとが一致したならば、シャッタ制御部89cは、シャッタ機構83にシャッタ83aを開放させることによりパチンコ玉をホッパユニット87に投入できるようにする。取得部89aが取得した遊技レート情報と計数許可レート情報88aとが一致しなければ、シャッタ83aは開放されず、パチンコ玉をホッパユニット87に投入することができない。
【0048】
計数処理部89dは、遊技客によって獲得されたパチンコ玉の計数制御を行う処理部である。具体的には、ホッパユニット87にパチンコ玉が投入されると、計数センサ84から獲得玉の通過を通知する信号が出力されるので、一定時間(例えば、3秒)についてかかる信号が検出されなくなるまでカウントアップを継続することでパチンコ玉の計数を行う。また、計数処理部89dは、所定の玉数(例えば、10玉)を計数する度に、パルス送信部86aにパルス信号の生成及び送信を要求する。計数センサ84から信号が検出されなくなってから一定時間が経過したならば、計数処理部89dは、計数結果の出力をレシートの発行によって行う場合には、レシート発行部85にレシートを印字させる。また、計数結果を貯玉する場合には、カードリーダライタ86cによって読み取った一般カードや会員カードのカードIDに計数結果を関連付けてカード管理装置に送信する。
【0049】
次に、管理装置50の構成について説明する。図4は、図1に示した管理装置50の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、管理装置50は、表示部51、操作部52、通信部53、パルス受信部54a、パルス受信部54b、記憶部55及び制御部56を有する。
【0050】
表示部51は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスである。また、操作部52は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部54は、景品管理装置60、島コントローラ30及び計数機80と通信を行うための通信インタフェースである。
【0051】
パルス受信部54aは、4円計数機80aからパルス信号を受信する度に制御部56に通知を行う。同様に、パルス受信部54bは、1円計数機80bからパルス信号を受信する度に制御部56に通知を行う。
【0052】
記憶部45は、フラッシュメモリ又はハードディスク装置等からなる記憶デバイスであり、遊技機レート設定情報55a、レート設定テーブル55b及び計数結果情報55cを記憶する。遊技機レート設定情報55aは、遊技機20の識別情報と該遊技機20が玉貸しを行う場合のレートとを対応付けた情報である。レート設定テーブル55bは、店員IDと該店員が担当する区画のレートとを対応付けたテーブルである。なお、レート設定テーブル55bは、店員IDとレートの他に店員の氏名や役職等の情報を含めることができる。計数結果情報55cは、計数機80の計数結果を集計して管理する情報である。
【0053】
制御部56は、管理装置50を全体制御する制御部であり、計数パルス処理部56a、担当レート通知部56b及び遊技機レート設定部56cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、計数パルス処理部56a、担当レート通知部56b及び遊技機レート設定部56cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0054】
計数パルス処理部56aは、パルス受信部54aからパルス信号の受信通知を受ける度に内部メモリに記憶させた玉数情報に1パルス分の玉数(10玉)を加算し、パルス受信部54aが連続するパルス信号の受信を終えたならば、内部メモリに記憶させた玉数情報を4円計数機80aに対応づけて計数結果情報55cを更新する。同様に、計数パルス処理部56aは、パルス受信部54bからパルス信号の受信通知を受ける度に内部メモリに記憶させた玉数情報に1パルス分の玉数(10玉)を加算し、パルス受信部54bが連続するパルス信号の受信を終えたならば、内部メモリに記憶した玉数情報を1円計数機80bに対応づけて計数結果情報55cを更新する。
【0055】
担当レート通知部56bは、計数機80から店員IDを受信したならば、該店員IDに対応付けられたレート情報をレート設定テーブル55bから特定し、特定したレート情報を計数機80に送信する。遊技機レート設定部56cは、遊技機レート設定情報56aに基づいて、遊技機20に対して該遊技機が玉貸しを行う場合のレートを示すレート情報を送信する。
【0056】
次に、店員IDに基づいて管理装置から遊技レート情報を取得する場合について説明する。図5は、店員IDに基づいて管理装置から遊技レート情報を取得する場合について説明するための説明図である。店員カード91aは、店員ID91aを記憶している。既に説明したように、管理装置50は、店員IDとレート情報との対応関係をレート設定テーブル55bとして記憶している。図5に示した例では、レート設定テーブル55bは、店員ID「001」にレート情報「4」を対応付けている。同様に、レート設定テーブル55bは、店員ID「002」にレート情報「4」を対応付けている。また、レート設定テーブル55bは、店員ID「003」にレート情報「1」を対応付けている。
【0057】
4円計数機80aは、ICタグリーダライタ86eにより店員カード91aから店員ID91a1を読み取ると、店員ID91a1を管理装置50に送信して遊技レート情報の要求を行う。店員ID91a1を受信した管理装置50は、店員ID91a1に対応付けられたレート情報をレート設定テーブル55bから読み出して4円計数機80aに送信する。4円計数機80aは、管理装置50が送信したレート情報を遊技レート情報91a2として受信する。
【0058】
4円計数機80aは、管理装置50から受信した遊技レート情報91a2が計数許可レート情報88aに一致するか否かを判定する。4円計数機80aは、遊技レート情報91a2が計数許可レート情報88aに一致しない場合には、計数処理を実行しない。一方、4円計数機80aは、遊技レート情報91a2が計数許可レート情報88aに一致した場合には、計数処理を実行し、計数結果を計数結果情報55cとして管理装置50に送信する。このように、4円計数機80aは、店員カード91aから店員ID91a1を読み出した場合には、管理装置50に店員ID91a1を送信してレート情報を要求することで、管理装置50からレート情報91a1を受信し、受信したレート情報91a1を遊技レート情報91a2として、遊技レート情報91a2が計数許可レート情報88aと一致するか否かの判定を行うことができる。
【0059】
なお、図5に示したように、4円計数機80aがICタグリーダライタ86eによって店員カード91aから店員ID91a1を読み取る度に管理装置50に遊技レート情報の要求を行ってもよいが、予めレート設定テーブル55bを4円計数機80aの記憶部88に記憶させてもよい。
【0060】
図6は、4円計数機80aがレート設定テーブル55bを記憶する場合について説明するための説明図である。管理装置50は、開店前や前日の閉店時等に4円計数機80aにレート設定テーブル55bを送信し、4円計数機80aの記憶部88に記憶させる。したがって、4円計数機80aは、ICタグリーダライタ86eにより店員カード91aから店員ID91a1を読み取ると、店員ID91a1に基づいてレート設定テーブル55bを検索することで、管理装置50と通信することなく遊技レート情報91a2を読み出すことができる。以降の処理については、図5に示した場合と同様であるので、説明を省略する。
【0061】
次に、店員ICタグから遊技レート情報を読み出す場合について説明する。図7は、店員ICタグから遊技レート情報を読み出す場合について説明するための説明図である。店員ICタグ92aは、該店員がどのレートの区画を担当するかをレート情報92a1として記憶している。レート情報92a1は、管理装置50によって管理され、店員の担当する区画が変更になった場合には管理装置50によって書き換えられる。
【0062】
4円計数機80aは、ICタグリーダライタ86eにより店員ICタグ92aからレート情報92a1を遊技レート情報92a2として読み取ったならば、遊技レート情報92a2が計数許可レート情報88aに一致するか否かを判定する。4円計数機80aは、遊技レート情報92a2が計数許可レート情報88aに一致しない場合には、計数処理を実行しない。一方、4円計数機80aは、遊技レート情報92a2が計数許可レート情報88aに一致した場合には、計数処理を実行し、計数結果を計数結果情報55cとして管理装置50に送信する。このように、4円計数機80aは、店員ICタグ92に記憶されたレート情報92a1を遊技レート情報92a2として取得し、遊技レート情報92a2が計数許可レート情報88aと一致するか否かを判定することができる。
【0063】
図7では、店員ICタグ92から遊技レート情報を取得する場合を説明したが、店員リモコン93からもレート情報を遊技レート情報として取得することができる。4円計数機80aは、店員リモコン93から赤外線受信部86dによりレート情報を遊技レート情報として取得したならば、店員リモコン93から取得した遊技レート情報が計数許可レート情報88aに一致するか否かを判定する。4円計数機80aは、店員リモコン93から取得した遊技レート情報が計数許可レート情報88aに一致しない場合には、計数処理を実行しない。一方、4円計数機80aは、店員リモコン93から取得した遊技レート情報が計数許可レート情報88aに一致した場合には、計数処理を実行し、計数結果を計数結果情報55cとして管理装置50に送信する。
【0064】
次に、玉箱ICタグからの遊技レート情報の取得について説明する。玉箱には、遊技機の台番号に対応付けられた玉箱がある。このように遊技機の台番号に対応付けられた玉箱については、遊技機のレート情報を玉箱ICタグに予め記憶させておく。また、4円レートの玉は赤色の玉箱に入れ、1円レートの玉は黄色の玉箱に入れる場合のように、玉箱の色とレートとを対応付ける場合には、予め赤色の玉箱の玉箱ICタグには1玉4円のレート情報を記憶させ、黄色の玉箱の玉箱ICタグには1玉1円のレート情報を記憶させておく。
【0065】
このように、予め玉箱にレート情報を記憶させているならば、4円計数機80aは、玉箱ICタグに記憶されたレート情報を遊技レート情報として読み出して、遊技レート情報が計数許可レート情報88aに一致するか否かを判定することができる。一方、レートの異なる区画で共用される玉箱については、玉箱を遊技機に設置したときに遊技機からレート情報を取得すればよい。
【0066】
図8は、遊技機が玉箱ICタグにレート情報を記憶させる場合を説明するための説明図である。既に説明したように、管理装置50は、各遊技機が玉貸しを行う際のレートを遊技機レート設定情報55aとして記憶しており、各遊技機に該遊技機のレート情報を送信し、各遊技機に記憶させる。従って、4円パチンコ区画の遊技機20aは、1玉4円を示すレート情報20a1を記憶することとなる。
【0067】
遊技機20aは、玉貸しを行うときにレート情報20a1を読み出し、1玉4円のレートで玉貸しを行う。また、遊技機20aは、玉箱が設置された場合に、玉箱ICタグ94aにレート情報20a1を記憶させる。
【0068】
玉箱ICタグ94aが内蔵又は付設された玉箱は、レート情報20a1を記憶した状態で4円計数機80aに運ばれる。玉箱ICタグ94aを4円計数機80aに接近させると、4円計数機80aのICタグリーダライタ86eは、玉箱ICタグ94aからレート情報20a1を遊技レート情報20a2として読み出す。そして、4円計数機80aは、遊技レート情報20a2と計数許可レート情報88aとが一致するか否かを判定し、一致した場合に計数処理を実行し、計数結果を計数結果情報55cとして管理装置50に送信する。
【0069】
次に、実施例1に係る計数機80の計数処理手順を説明する。図9は、実施例1に係る計数処理の手順を示すフローチャートである。この計数処理は、ICタグリーダライタ86eが店員カード91、店員ICタグ92若しくは玉箱ICタグ94を検知したとき又は赤外線受信部86dが店員リモコン93から赤外線信号を受信したときに開始される。
【0070】
計数機80は、図9に示した計数処理を開始すると、遊技レート情報を取得する(ステップS101)。具体的には、計数機80は、ICタグリーダライタ86eが店員カード91を検知したならば、店員カード91から店員IDを読み出し、管理装置50に遊技レート情報の要求を行って遊技レート情報を取得する。
【0071】
また、ICタグリーダライタ86eが店員ICタグ92を検知したならば、計数機80は、ICタグリーダライタ86eにより店員ICタグ92から遊技レート情報を取得する。同様に、ICタグリーダライタ86eが玉箱ICタグ94を検知したならば、計数機80は、ICタグリーダライタ86eにより玉箱ICタグ94から遊技レート情報を取得する。そして、赤外線受信部86dが店員リモコン93から赤外線信号を受信したならば、計数機80は、店員リモコン93から遊技レート情報を取得する。
【0072】
遊技レート情報を取得した後、計数機80の判定部89bは、記憶部88から計数許可レート情報88aを読み出し(ステップS102)、遊技レート情報が計数許可レート情報88aと一致するか否かを判定する(ステップS103)。
【0073】
遊技レート情報が計数許可レート情報88aと一致しなければ(ステップS103;No)、計数機80は処理を終了する。一方、遊技レート情報が計数許可レート情報88aと一致したならば(ステップS103;Yes)、シャッタ制御部89cがシャッタ機構83にシャッタ83aを開放させる(ステップS104)。シャッタ83aが開放されて獲得玉を投入可能な状態となった場合には、表示操作部81上に獲得玉の投入を促すメッセージを表示してもよい。このとき「玉を流してください」等のメッセージに加えて、レートに関する情報を表示することで、店員や遊技客にレートを確認させることができる。レートに関する情報とは、レート自体であってもよいし、レートに対応する玉箱の色やパチンコ玉の色であってもよい。
【0074】
シャッタ83aが解放されたホッパユニット87に獲得玉が投入されると、獲得玉は玉取込口から内部に取り込まれ、計数処理部89dによって獲得玉の計数が実行される(ステップS105)。計数処理部89dは、計数実行中には表示操作部81に表示する獲得玉数の表示を更新していき、計数が終了するとレシートの発行ボタンを表示操作部81に表示させる。また、遊技客の会員カードがカードリーダライタ86cに挿入されたならば、貯玉ボタンを併せて表示操作部81に表示させる。
【0075】
そして、レシート発行ボタンが押下されると、レシート発行部85からレシートが発行される(ステップS106)。レシートには、例えば、遊技店の名称、発行日時、計数機番号、獲得玉数、レート、店員ID及び店員氏名を含む計数情報と紐付けられた計数IDがバーコードとして印字される。貯玉ボタンが押下されたならば、レシート発行の代わりに獲得玉数が貯玉残高に加算される。その後、シャッタ制御部89cはシャッタ機構83にシャッタ83aを閉鎖させて(ステップS107)、処理を終了する。
【0076】
次に、遊技機が玉箱ICタグにレート情報を記憶させる場合の処理手順を説明する。図10は、遊技機が玉箱ICタグにレート情報を記憶させる場合の処理手順を示すフローチャートである。まず、管理装置50は、遊技機レート設定情報55aに基づいて、遊技機20にレート情報を送信し(ステップS201)、処理を終了する。
【0077】
遊技機20は、管理装置50からレート情報を受信したならば(ステップS202;Yes)、受信したレート情報を記憶部に記憶させる(ステップS203)。遊技機20は、玉箱ICタグ94が内蔵又は付設された玉箱が遊技機20にセットされたことをICタグリーダライタにより検知したならば(ステップS204;Yes)、玉箱ICタグ94にレート情報を送信し(ステップS205)、処理を終了する。
【0078】
玉箱ICタグ94は、遊技機20からレート情報を受信したならば(ステップS206;Yes)、受信したレート情報を記憶部に記憶させて(ステップS207)、処理を終了する。このようにして玉箱ICタグ94に記憶されたレート情報は、既に述べたように、遊技客又は店員が玉箱を計数機80まで運んだ場合に計数機80によって遊技レート情報として取得され、遊技レート情報が計数許可レート情報88aに一致するか否かの判定に用いられる。
【0079】
上述してきたように、本実施例1では、計数機80は、装置外部から計数対象となる遊技媒体の遊技レートを特定可能な情報を取得部89aにより取得し、遊技レートが記憶部88に記憶された計数許可レート情報88bと一致するか否かを判定し、一致する場合にはパチンコ玉の投入口に開閉自在に設けられたシャッタ83aを開制御し、一致しない場合にはシャッタ83aを閉制御するよう構成したので、遊技店内に複数のレートの区画を設けるとともに、各区画に特定のレートで遊技媒体を計数するよう設定された計数機を配設する場合に、計数対象外のレートのパチンコ玉を計数したことに起因する遊技客又は遊技店の不利益を効率良く防止することができる。
【0080】
なお、本実施例1では、1円パチンコ区画で獲得されたパチンコ玉を4円計数機80aが計数処理する場合を例に説明を行ったが、4円パチンコ区画で獲得されたパチンコ玉を1円計数機80bが計数処理する場合など、異なるレート間であれば任意のレート間で適用可能である。また、遊技媒体についてもパチンコ玉に限らず、メダル等任意の媒体について適用可能である。
【実施例2】
【0081】
ところで、上記実施例1では、計数機が記憶したレート情報を正とし、遊技レート情報が計数機に記憶された計数許可レート情報と異なる場合には計数処理を実行しないこととしたが、常に計数機に記憶された計数許可レート情報を正とするのではなく、複数の遊技レート情報が計数許可レートと一致せず、かつ、計数許可レート情報と一致しない複数の遊技レート情報が同一である場合には、該同一のレート情報を正しいレート情報であるとみなしてシャッタを開制御し、計数処理を実行することとしてもよい。閉店前等の混雑時には、4円パチンコ区画では多数の遊技客が計数の順番を待ち、1円パチンコ区画の計数機が空いているなど、計数機が設置された区画のレートとは異なるレートで計数処理をする必要が生じる場合があるためである。
【0082】
本実施例2に係るシステム構成等については、実施例1のものと同様であるので、ここではその説明を省略し、本実施例2に特徴的な遊技レート情報を正とした計数処理について説明する。図11は、店員ICタグ及び玉箱ICタグから遊技レート情報を取得して計数処理を行う場合を説明するための説明図である。4円計数機80aは、ICタグリーダライタ86eによって店員ICタグ92aから遊技レート情報92a2を取得するとともに、ICタグリーダライタ86eによって玉箱ICタグ94aから遊技レート情報20a2を取得する。
【0083】
4円計数機80aは、遊技レート情報92a2及び遊技レート情報20a2が計数許可レート情報88aと一致するか否かを判定し、遊技レート情報92a2及び遊技レート情報20a2が計数許可レート情報88aと一致せず、かつ、遊技レート情報92a2と遊技レート情報20a2とが同一である場合には計数処理を実行し、計数結果を計数結果情報55cとして管理装置50に送信する。このとき、計数結果には、計数許可レート情報88aが示すレートではなく、遊技レート情報92a2及び遊技レート情報20a2が示すレートが対応付けられる。なお、図11では、店員ICタグ及び玉箱ICタグから遊技レート情報を取得する場合を示したが、店員カード91、店員ICタグ92、店員リモコン93及び玉箱ICタグ94を任意に組み合わせて遊技レート情報の取得に使用可能である。
【0084】
次に、実施例2に係る計数機80の計数処理手順を説明する。図12は、実施例2に係る計数処理の手順を示すフローチャートである。この計数処理は、ICタグリーダライタ86eが店員カード91、店員ICタグ92若しくは玉箱ICタグ94を検知したとき又は赤外線受信部86dが店員リモコン93から赤外線信号を受信したときに開始される。
【0085】
計数機80は、図12に示した計数処理を開始すると、遊技レート情報を取得する(ステップS301)。具体的には、計数機80は、ICタグリーダライタ86eが店員カード91を検知したならば、店員カード91から店員IDを読み出し、管理装置50に遊技レート情報の要求を行って遊技レート情報を取得する。
【0086】
また、ICタグリーダライタ86eが店員ICタグ92を検知したならば、計数機80は、ICタグリーダライタ86eによって店員ICタグ92から遊技レート情報を取得する。同様に、ICタグリーダライタ86eが玉箱ICタグ94を検知したならば、計数機80は、ICタグリーダライタ86eによって玉箱ICタグ94から遊技レート情報を取得する。そして、赤外線受信部86dが店員リモコン93から赤外線信号を受信したならば、計数機80は、店員リモコン93から遊技レート情報を取得する。
【0087】
遊技レート情報を取得した後、計数機80の判定部89bは、記憶部88から計数許可レート情報88aを読み出し(ステップS302)、遊技レート情報が全て計数機に記憶された計数許可レート情報88aと一致するか否かを判定する(ステップS303)。
【0088】
遊技レート情報のいずれかが計数許可レート情報88aと一致しなければ(ステップS303;No)、計数機80は、複数の遊技レート情報が同一であるか否かを判定する(ステップS308)。複数の遊技レート情報が同一ではない場合には(ステップS308;No)、計数機80は処理を終了する。
【0089】
複数の遊技レート情報が全て計数許可レート情報88aと一致するか(ステップS303;Yes)、あるいは複数の遊技レート情報が同一であるならば(ステップS308;Yes)、シャッタ制御部89cがシャッタ機構83にシャッタ83aを開放させる(ステップS304)。
【0090】
シャッタ83aが解放されたホッパユニット87に獲得玉が投入されると、獲得玉は玉取込口から内部に取り込まれ、計数処理部89dによって獲得玉の計数が実行される(ステップS305)。計数処理部89dは、計数実行中には表示操作部81に表示する獲得玉数の表示を更新していき、計数が終了するとレシートの発行ボタンを表示操作部81に表示させる。また、遊技客の会員カードがカードリーダライタ86cに挿入されたならば、貯玉ボタンを併せて表示操作部81に表示させる。
【0091】
レシート発行ボタンが押下されると、レシート発行部85がレシートを発行する(ステップS306)。レシートには、例えば、遊技店の名称、発行日時、計数機番号、獲得玉数、レート、店員ID及び店員氏名を含む計数情報と紐付けられた計数IDがバーコードとして印刷される。ここで、計数情報のレートは、複数の遊技レート情報が全て計数許可レート情報88aと一致した場合には計数許可レート情報88aが示すレートであり、複数の遊技レート情報が同一である場合には該同一のレートである。なお、貯玉ボタンが押下されたならば、レシート発行の代わりに獲得玉数が貯玉残高に加算される。その後、シャッタ制御部89cはシャッタ機構83にシャッタ83aを閉鎖させて(ステップS307)、処理を終了する。
【0092】
上述してきたように、本実施例2では、店員カード91、店員ICタグ92、店員リモコン93又は玉箱ICタグ94から取得した複数の遊技レート情報が計数機に記憶されたレート情報と一致せず、かつ、複数の遊技レートが同一である場合に計数を行うよう構成したので、獲得玉数を誤ったレートで計数することを防止できるとともに、レートを適宜変更して計数処理を行うことができる。
【0093】
なお、本実施例では、1円パチンコ区画で獲得されたパチンコ玉を4円計数機80aが計数処理する場合を例に説明を行ったが、4円パチンコ区画で獲得されたパチンコ玉を1円計数機80bで計数処理する場合など、異なるレート間であれば任意のレート間で適用可能である。また、遊技媒体についてもパチンコ玉に限らず、メダル等任意の媒体について適用可能である。
【0094】
また、本実施例では、店員カード91、店員ICタグ92、店員リモコン93などを用いて、店員が複数の遊技レートが同一となるように操作することで、遊技レートが計数許可レートと異なっていても計数処理を可能とする場合について説明したが、店員による許可操作についても任意の方法を用いることができる。
【0095】
なお、上記実施例1及び実施例2では、シャッタの開閉制御によって計数を許可するか否かを制御する構成を例示して説明を行なったが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の手段によって計数を許可若しくは禁止する構成を採用することができる。例えば、計数結果を外部報知しないようにする構成であってもよい。
【0096】
具体的には、計数カウントセンサを不能にしてカウントしない、カウントを行うがレシート発行を禁止する、若しくは会員であれば貯玉が行えない等を計数不可能状態に含めてもよい。また、メダル計数機であれば、シャッタ制御以外にも計数処理部(計数ホッパ)の動作を行わないことで、計数処理を規制することができる。
【0097】
また、上記実施例1及び実施例2では、縦型の計数機に本発明を適用した場合について説明したが、本発明は必ずしも縦型の玉計数機に限定されるものではない。例として、横型の計数機について説明する。図13は、横型の計数機の計数機の外観構成を示す図である。
【0098】
図13に示した横型の計数機80cは、ホッパユニット87の横に表示操作部81を設けている。また、表示操作部81の下部に携帯端末を挿入させる携帯端末挿入部101を設け、携帯端末挿入部101の内部に携帯端末を載置する載置部102を設けている。この載置部102に携帯端末を載置すると、携帯端末認証部103が携帯端末の認証を行い、携帯端末を会員カードとして利用可能となる。
【0099】
なお、上記実施例1及び実施例2では、計数機に判定手段を設けた場合を例示して説明を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば管理装置など計数機以外の装置に判定手段を設けた構成として実施することもできる。その場合は、判定手段で判定した結果を計数機へ送信することで、計数機がその判定に基づいて動作を行うことになる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように、本発明に係る計数機及び計数方法は、遊技店内に複数のレートの区画を設けるとともに、各区画に特定のレートで遊技媒体を計数するよう設定された計数機を配設する場合に、計数対象外のレートのパチンコ玉を計数したことに起因する遊技客又は遊技店の不利益の効率的な防止に適している。
【符号の説明】
【0101】
10a,10b 台間カード処理機
20a,20b 遊技機
30a,30b 島コントローラ
50 管理装置
51 表示部
52 操作部
53 通信部
54a,54b パルス受信部
55 記憶部
55a 遊技機レート設定情報
55b レート設定テーブル
55c 計数結果情報
56 制御部
56a 計数パルス処理部
56b 担当レート通知部
56c 遊技機レート設定部
80,80c 計数機
80a 4円計数機
80b 1円計数機
81 表示操作部
82 計時部
83 シャッタ機構
83a シャッタ
83b シャッタ駆動モータ
83c 開閉検知部
84 計数センサ
85 レシート発行部
86a パルス送信部
86b 通信部
86c カードリーダライタ
86d 赤外線受信部
86e ICタグリーダライタ
87 ホッパユニット
87a 玉取出口
88 記憶部
88a 計数許可レート情報
88b 計数ログ
89 制御部
89a 取得部
89a1 遊技レート情報要求部
89b 判定部
89c シャッタ制御部
89d 計数処理部
91,91a,91b 店員カード
92,92a,92b 店員ICタグ
93,93a,93b 店員リモコン
94,94a,94b 玉箱ICタグ
96 玉箱
101 携帯端末挿入部
102 載置部
103 携帯端末認証部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自装置に設定された計数許可レートを特定可能な情報を記憶する記憶部と、所定の投入口に投入された遊技媒体の計数処理を行う計数処理部とを有した計数機であって、
装置外部から計数対象となる遊技媒体の遊技レートを特定可能な情報を取得する取得手段と、
前記遊技レートが前記計数許可レートと一致する場合には前記計数処理部での遊技媒体の計数処理が可能な状態となるように制御を行う制御手段と
を備えたことを特徴とする計数機。
【請求項2】
前記取得手段は、店員用媒体の識別情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の計数機。
【請求項3】
前記取得手段は、前記遊技媒体を収納する収納箱に内蔵又は付設された記憶媒体に記憶された情報を取得する
ことを特徴とする請求項1に記載の計数機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記遊技レートと前記計数許可レートとが不一致であり、且つ店員による許可操作を受け付けた場合には前記計数処理を可能とする
ことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の計数機。
【請求項5】
計数情報を表示可能な表示部を有し、
前記表示部は前記計数処理を行う遊技媒体と関連付けるレート情報を表示する
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の計数機。
【請求項6】
自装置に設定された計数許可レートを特定可能な情報を記憶する記憶部と、所定の投入口に投入された遊技媒体の計数処理を行う計数処理部とを有する計数機の計数方法であって、
装置外部から計数対象となる遊技媒体の遊技レートを特定可能な情報を取得する取得工程と、
前記遊技レートが前記計数許可レートと一致するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により一致すると判定された場合には前記計数処理部での遊技媒体の計数処理が可能な状態となるよう制御を行う制御工程と
を含んだことを特徴とする計数方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−254129(P2012−254129A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127647(P2011−127647)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】