説明

調節可能な光源モジュールを有する照明器具

本発明は、1つ以上の調節可能な照明モジュールを有する汎用の照明器具を提供する。とりわけ、該照明器具は一般的に、それぞれが1つ以上の発光素子を有し、任意に該発光素子と熱的に接触するヒートシンクと、該1つ以上の発光素子から出力される光を管理するための出力光学系とを有する、1つ以上の照明モジュールを有する。一般的に、該照明モジュールは、該照明器具の出力方向を調節するための照明モジュールの方向を調節するための1つ以上の調節機構を提供しつつ、該照明器具の空間的プロファイルを略維持する結合構造を介して、該照明器具に調節可能に結合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明の分野に関し、特に、調節可能な光源モジュールを有する照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
固体半導体及び有機発光ダイオード(LED)のような発光素子の光束の進歩及び改善における前進は、これら素子を、建築用、娯楽用及び道路用の照明を含む、一般的な照明用途における使用に適したものとしてきた。発光ダイオードはますます、白熱電球、蛍光灯及び高輝度放電ランプのような光源と競合するものとなっている。
【0003】
全ての光源、とりわけ、所与の光源の外観及び/又は美観が重要なものとなり得る又は少なくとも関心のあるものとなり得る汎用の及び特定の照明用途において利用される全ての光源に共通する1つの課題は、該用途のために適切な照明を提供しつつ最小限の視覚的なクラッタ(clutter)しか生成しないような光源の概念的、構成的及び/又は構造的な設計に存する。換言すれば、照明器具等のような、所与の環境において利用される特定の又は汎用の光源は、該所与の環境の状況において、適切な照明を提供しつつ、視覚的に快適なままであるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この意味において特有の課題に取り組む光源の1つのタイプは、方向及び形状に関して調節可能な出力を提供するように構成された光源である。例えば、現在利用可能な種々の光源は、出力ビームの方向及び/又は形状に対して斯かる調節を提供するが、視覚的なクラッタを低減させる視覚的に及び美的に快適な設計を提供するための適切な方法を提供しない。
【0005】
例えば、米国特許US4,729,077及び米国特許US6,942,363は、調節可能なランプ方向及び出力ビーム幅を持つ照明装置を記載している。該照明装置をチルト及びパンさせるための調節可能なマウントに、反射器及び放電又はアークランプが装着され、該ランプの位置が更に、反射器の光軸に沿って該反射器に対して調節可能であり、これにより出力ビーム幅を調節する。
【0006】
米国特許US6,945,671は、枢動する支持体に装着された同様の光源であって、蛍光管が、凹型の反射器の光軸に沿った3つ位置のいずれか1つにおいて該反射器内に配置され、これにより所望の出力ビーム幅を選択する光源を記載している。
【0007】
また、米国特許US5,386,354においては、ランプ備品であって、該備品の基部に対して枢動するように構成された調節可能なドーム型の反射器内に固定されて装着されたランプを含み、それにより選択された方向に光を向ける、ランプ備品が記載されている。
【0008】
米国特許US6,193,395においては、各々がそれぞれのランプ及び出力レンズを持つ、2つのランプアセンブリを有する照明装置であって、これらアセンブリが、それぞれの内部トラックを介して基部ユニットに調節可能に装着され、該トラックが、該基部ユニットに対する各ランプアセンブリの独立した方向を可能とする照明装置が記載されている。所与の照明アセンブリの出力レンズを固定して保持するベゼルの回転が、該アンプに対して該出力レンズを移動させ、それにより出力ビーム幅を調節する。
【0009】
同様に、米国特許US6,877,876においては、固定された出力レンズに対して軸方向に移動可能なランプを含み、それにより同様に出力ビーム幅の調節を可能とする、可変ビーム型の懐中電灯が記載されている。
【0010】
米国特許US5,970,648及び米国特許US6,200,011においては、固定された出力レンズに対して移動可能なランプ又は光ファイバアセンブリのような光源を含み、それにより出力方向及びビーム幅を選択的に制御する照明器具が記載されている。
【0011】
同様に、米国特許出願公開US2005/0018434においては、出力レンズに対してX、Y及び/又はZ方向の平行移動によって移動可能な1つ以上のLEDを含み、それにより同様に出力方向及びビーム幅を調節する位置照明器具が記載されている。
【0012】
更に、調節可能な出力を提供する現在利用可能な他の光源が、自動車業界のために開発されている。調節可能な自動車向け光源の一例は、米国特許出願公開US2006/0023461に提供されており、ここでは車両のスポット光源により生成された光ビームの角度及び方向が、運転状況及び環境に対して調節される。
【0013】
しかしながら、以上の例は一般に、主に光源の出力光学系に対する光源の照明素子の変位による、光源の出力の調節可能性に主に焦点を当てたものであり、全体的な構造上の、構成的及び/又は構造的な配置、及び/又は環境に対する全体の視覚的又は美的な影響に対しては殆ど又は全く配慮をしていない。
【0014】
更に、トラック照明備品等のような典型的な照明器具は、投射される光ビームの方向を変化させるために、形状又は空間的な位置を変える必要がある。例えば、トラック照明におけるトラックヘッドの列に向けた結果が、建築家や設計者により「Dead Bats(蝙蝠の死骸)」と説明的に描写される、著しい視覚的なクラッタを生成し得る。
【0015】
従って、既知の光源の欠点の幾つかに対処する、改善された照明器具等のような光源のニーズが存在する。
【0016】
この背景情報は、本発明に関連する可能性があると本出願人が考える情報を明らかにするために提供されたものである。以上の情報のいずれも、本発明に対する先行技術を構成するものと認めることを必ずしも意図したものではなく、そのように解釈されるべきでもない。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の目的は、調節可能な照明モジュールを有する照明器具を提供することにある。本発明の一態様によれば、汎用の照明を提供するための照明器具であって、前記照明器具の空間的プロファイルを定義する、出力部を有する筐体と、それぞれが発光素子と前記発光素子のためのそれぞれのヒートシンク及び出力光学系とを有する、前記筐体内に枢動可能に結合された1つ以上の照明モジュールと、を有する照明器具において、前記1つ以上の照明モジュールは、前記照明器具の前記空間的プロファイルを略維持しつつ、前記出力部を通して前記照明モジュールから発せられる光の方向を調節するよう前記筐体内で枢動するように構成された、照明器具が提供される。
【0018】
本発明の他の態様によれば、汎用の照明器具における使用のための照明モジュールであって、前記照明器具は、ヒートシンクと、発光素子と、出力光学素子及び取り付け部品を有する出力光学系取り付け部と、を有し、前記出力光学系取り付け部は、前記ヒートシンクと前記発光素子とを、前記取り付け部品を介して係合させることにより、前記発光素子と前記ヒートシンクとの間の熱的な結合を維持しつつ、前記発光素子の出力と光学的に整合するように前記光学素子を配置するように構成された照明モジュールが提供される。
【0019】
本発明の更なる態様によれば、汎用の照明を提供するための照明器具であって、基部と略長手方向の照明モジュール結合部とを有する結合構造であって、前記照明モジュール結合部は、前記照明モジュール結合部に略平行な長軸のまわりに枢動するように前記基部に枢動可能に結合された結合構造と、それぞれが発光素子を有し、それぞれが前記長軸に略垂直なそれぞれの横軸のまわりに枢動するように前記照明モジュール結合部に沿って枢動可能に結合された、照明モジュールの直線状のアレイと、を有し、前記照明モジュールのそれぞれの枢動が、前記照明器具の空間プロファイルを略維持しつつ、前記照明器具の方向の調節を提供する、照明器具が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1(A)】それぞれが上面斜視図、側面斜視図及び上面図で示された、本発明の実施例による照明モジュールのためのヒートシンク設計を示す。
【図1(B)】それぞれが上面斜視図、側面斜視図及び上面図で示された、本発明の実施例による照明モジュールのためのヒートシンク設計を示す。
【図1(C)】それぞれが上面斜視図、側面斜視図及び上面図で示された、本発明の実施例による照明モジュールのためのヒートシンク設計を示す。
【図1(D)】それぞれが上面斜視図、側面斜視図及び上面図で示された、本発明の実施例による照明モジュールのためのヒートシンク設計を示す。
【図1(E)】それぞれが上面斜視図、側面斜視図及び上面図で示された、本発明の実施例による照明モジュールのためのヒートシンク設計を示す。
【図1(F)】それぞれが上面斜視図、側面斜視図及び上面図で示された、本発明の実施例による照明モジュールのためのヒートシンク設計を示す。
【図2】本発明の一実施例による、調節可能な照明モジュールを有する照明器具の斜視図である。
【図3】筐体の透明部分が除去された、図2の照明器具の斜視図である。
【図4】図2の照明器具の照明モジュールの1つの斜視図である。
【図5】図4の照明モジュールの正面図である。
【図6】図4の照明モジュールの出力光学系取り付け部の斜視図である。
【図7(A)】本発明の他の実施例による、調節可能な照明モジュールを有する照明器具の斜視図である。
【図7(B)】本発明の他の実施例による、調節可能な照明モジュールを有する照明器具の斜視図である。
【図7(C)】本発明の他の実施例による、調節可能な照明モジュールを有する照明器具の斜視図である。
【図7(D)】本発明の他の実施例による、調節可能な照明モジュールを有する照明器具の斜視図である。
【図7(E)】本発明の他の実施例による、調節可能な照明モジュールを有する照明器具の斜視図である。
【図7(F)】本発明の他の実施例による、調節可能な照明モジュールを有する照明器具の斜視図である。
【図8】本発明の他の実施例による、筐体内に装着された調節可能な照明モジュールを有する照明器具の側面図である。
【図9】筐体が、照明モジュールと共に、該照明モジュールの方向を調節するための調節可能な略不透明部及び出力部を有する、図8の照明器具の正面図である。
【図10】図9の照明器具のような照明器具の直線状アレイの斜視図である。
【図11】それぞれが方向を調節するための調節可能な略不透明な部分及び出力部を有する筐体を有する、略直線の照明器具の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
定義
「発光素子」なる語は、例えば電位差を加えることにより又は電流を流すことにより起動されたときに、例えば可視領域、赤外領域及び/又は紫外領域のような、電磁スペクトルの領域又は領域の組み合わせにおける放射を発する素子を定義するために用いられる。それ故、発光素子は、単色の、準単色の、多色の又は広帯域のスペクトル発光特性を持ち得る。発光素子の例は、半導体、有機若しくは高分子発光ダイオード、光学的に励起された蛍光体塗布発光ダイオード、光学的に励起されたナノ結晶発光ダイオード、又はその他の当業者により容易に理解される同様の素子を含む。更に、発光素子なる語は、例えばLEDチップのような、放射を発する特定の装置を定義するために利用され、配置される筐体又はパッケージと共に放射を発する特定の装置の組み合わせを定義するためにも同等に利用され得る。
【0022】
「空間的プロファイル(spatial profile)」なる語は一般的に、本文脈においては、所与の照明器具のオブジェクトの全体的な総合的な3次元の構成及び/又は外見を定義するために利用される。例えば、照明器具の空間的プロファイルは、所与の設定における該照明器具の全体的な総合的な容積形状及び/又は外見によって、即ち、該照明器具の全体的な位置、配列、形状、配置、構造的な対称性及び/又はその他の当業者に容易に理解される斯かる特性の組み合わせにより、定義され得る。
【0023】
「照明器具(luminaire)」なる語は一般的に、1つ以上の発光素子を、該1つ以上の発光素子を支持する及び/又は位置決めする及び/又は該発光素子に電源供給するように構成された部分の組み合わせと共に有する、一般的な照明用途に主に利用される、光源、照明ユニット及び/又は照明備品を定義するために利用される。その他の斯かる部分は、任意に種々の電気的及び/又は機械的な調節機構と組み合わせて、前記1つ以上の発光素子から出力された光を集める、混合する、平行化する、拡散させる、フォーカスさせる及び/又は方向付けするための種々の光学素子を含んでも良く(これに限定されるものではない)、当業者には容易に明確であるように、所与の照明器具に含まれても良い。更に、「照明器具」なる語は一般的に、携帯型及び/又は壁、天井、家具(例えば本棚、棚、ディスプレイケース、キャビネット等)及び/又はその他の斯かる支持構造に装着可能であっても良い光源、照明ユニット及び/又は照明備品を定義するために利用される。
【0024】
「枢動する(pivot、pivoting)」及び「枢動可能に(pivotally)」なる語は一般的に、回転中心又は回転軸のまわりの、他のオブジェクトに対する或るオブジェクトの回転運動に関連して利用される。一般に、枢動とは、或るオブジェクトに与えられる他のオブジェクトに対する回転及び/又は角運動であって、非常に小さい回転(例えば1度未満)から1回転以上の回転にまで亘る、所与の角度の当該オブジェクトの角度方向の変化に帰着するものを指す。更に、枢動は、チルト、パン、スイベル(swiveling)等のうちの1つ以上の組み合わせとして一般に表される角再配向と関連し得るが、任意に対象となるオブジェクトのロール、ピッチ及び/又はヨー(yaw)の変化としても表され得る。枢動は更に平行移動成分を有し得、それにより所与のオブジェクトの斯かる枢動が、該オブジェクトの概して弓形の及び/又は曲線的な運動を組み合わせて提供しつつ、他のオブジェクトに対する該オブジェクトの角再配向を提供し得ることも、当業者には理解されるであろう。
【0025】
ここで利用される「約」なる語は、公称値からの±10%の違いを指す。斯かる違いは、明示的に言及されているか否かにかかわらず、ここで示されるいずれの値にも常に含まれるものと理解されるべきである。
【0026】
別段に定義されていない限りは、ここで用いられる全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野における当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を持つ。
【0027】
本発明は、調節可能な照明モジュールを有する照明器具を提供する。とりわけ、該照明器具は、主に汎用の照明のために構成されるものであり、それぞれが1つ以上の発光素子を有する1つ以上の照明モジュールを有する。一実施例においては、該照明モジュールの少なくとも幾つかが、該照明モジュールと熱的に接触したそれぞれのヒートシンク及び/又は該1つ以上の発光素子から出力された光を管理する出力光学系を有しても良い。一般に、該1つ以上の照明モジュールは、結合構造を介して該照明器具に調節可能に結合されるか、及び/又は該照明モジュールの方向を調節するための1つ以上の調節機構を提供する筐体に結合され、それにより該照明器具の出力方向を調節する。該照明モジュールが筐体内に結合される一実施例においては、該筐体は一般に光出力部(例えば透明又は半透明のウィンドウ、切り欠き等)を有しても良く、該光出力部を通して該1つ以上の発光素子により発せられた光が方向付けられ得る。
【0028】
一実施例においては、該照明器具は、構造的及び/又は美的設定にきれいに整合される機能を提供し、該設定内で、該設定から著しく逸脱することなく、又は著しい視覚的なクラッタを生成することなく利用されることができる。結果として、該照明器具は、該照明器具の全体的な空間的プロファイル(例えば全体的な構造、構成及び/又は構造上の対称性等)を著しく変えることなく、調節可能な照明を提供するように構成され得る。該照明器具は一般に、調節可能な光源の機能と、該照明器具の環境及び/又は設定に対する該照明器具の調節可能性の全体的な視覚的な及び/又は美的な影響を低減させることができる略維持可能な空間的プロファイルとを両立させる。
【0029】
照明モジュール
該照明器具は、それぞれが1つ以上の発光素子を有する1つ以上の照明モジュールを有する。該1つ以上の発光素子のそれぞれは、該1つ以上の発光素子の制御可能な動作を可能とする適切な駆動回路に、動作可能に結合されている。該1つ以上の発光素子は、例えばヒートシンクのような熱管理システム、又は動作の間に該1つ以上の発光素子により発生する熱の放熱のための手段を提供するその他の熱管理システムに、熱的に結合されていても良い。加えて、1つの照明モジュールが更に、該照明モジュールの該1つ以上の発光素子により生成される光の操作を提供するための、1つ以上の光学素子を有しても良い。該光学素子は、該照明モジュールの該1つ以上の光学素子によって所望の光出力が生成されるようにするため、反射、屈折、回折、平行化及び/又はその他の形の光学的な操作を提供するように構成されても良い。
【0030】
一実施例においては、各照明モジュールは、高輝度又は高出力発光素子のような1つの発光素子と、それぞれのヒートシンクと、該モジュールのための出力光学系とを有する。例えば、所与の照明モジュールの発光素子は、適切な駆動回路(例えばプリント回路基板(PCB)等)を持つ基板であって、駆動される発光素子により発生する熱を放熱するためのヒートシンクに熱的に結合された基板に、動作可能に結合されても良い。レンズ等のような出力光学系は、該発光素子と光学的に整合するように該照明モジュールに結合されても良い。
【0031】
一実施例においては、各照明モジュールは、発光ダイオード等のような、1W乃至5Wの発光素子を有する。各照明モジュールはまた、該モジュールの発光素子の出力を平行化するためのコリメートレンズを有しても良い。
【0032】
他の実施例においては、該照明モジュールは、多色の即ち組み合わせられた色出力を提供するため、1つよりも多い発光素子、即ち異なる色の発光素子を有しても良い。例えば、単一の照明モジュールにおいて赤色、緑色及び青色の発光素子が組み合わせられ、略白色の光源を提供しても良い。代替として、赤色、黄色、緑色及び青色の発光素子が組み合わせられても良い。より高い出力光の強度又は輝度を提供するために、1つの所与の照明モジュールにおいて複数の発光素子が組み合わせられても良い。当業者は、他の斯かる組み合わせが、本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱することなく考慮され得ることを容易に理解するであろう。
【0033】
一実施例においては、照明モジュールの出力光学系が、照明モジュールに恒久的又は着脱可能に装着された出力光学系取り付け部により備えられる。該出力光学系取り付け部は、出力光学素子を一方の端に、該光モジュールへの迅速な組み立てのための取り付け部品を他端に持つ、装着可能なケーシングを有しても良い。例えば、該出力光学系取り付け部の上端部にレンズが装着又は成型され、底部に該照明モジュールの迅速な組み立てのための取り付け用クリップのセットが加工されても良い。
【0034】
一実施例においては、照明モジュールの出力光学系取り付け部は発光素子の上に装着されるように構成され、それにより該取り付け部の取り付け用クリップ又はその他の斯かる取り付け部品が1つ以上の発光素子が装着されている基板を越えて延在して該照明モジュールのヒートシンクの上部の取り付けリップ部と係合し、それによって該1つ以上の発光素子とヒートシンクとの間の熱的結合を維持する。例えば、出力光学系取り付け部の結合は、熱的結合を維持するように、該基板とヒートシンクとの間に取り付け圧を加えるように構成されても良い。上述の取り付け機構に対する代替は、1つ以上の磁気素子、スナップ式の部品、ねじ式の部品、圧力式の部品、吸引式の部品等を含んでも良いが、これらに限定されるものではない。望ましくない発光を低減させるため、例えば出力光学素子を通して方向付けされない光の発光を低減させるためのレンズ筒が、該出力光学系取り付け部内に備えられても良い。
【0035】
当業者は、機械的及び/又は磁気的な取り付け手段のような他の取り付け手段が、本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱することなく、同様の結果をもたらすものとして本例において考えられ得ることを、容易に理解するであろう。
【0036】
更なる実施例によれば、照明モジュールのヒートシンクが、効果的な放熱のために大きな表面積を提供しつつ該照明モジュールに対して所望のプロファイルを提供するため、特定のパターンに従って製造される。例えば、平行板構成又は2次元正方形型ペグアレイ構成のような標準的なヒートシンク構成を用いるのではなく、機能的な要求及び所望のプロファイルに従ってヒートシンクが設計されても良い。例えば、図1A乃至1Fは6つのヒートシンク構成を示し、ここでそれぞれの構成が、例えば約10平方インチから30平方インチまでに亘り得る所望放熱面を提供する。図1A乃至1Fに関しては、ヒートシンク構成のそれぞれは、上面斜視図、側面プロファイル斜視図及び上面図で示される。それぞれの場合において、示されるパターンは、望ましいレベルの放熱を提供しつつ、該照明モジュールに対して望ましい美的支援を提供する。
【0037】
当業者は、望ましい物理的な構成を持ちつつ、望ましい放熱表面積を提供する、他の斯かるヒートシンク設計が、本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱することなく考えられ得ることを、容易に理解するであろう。
【0038】
結合構造及び/又は筐体
照明器具の1つ以上の照明モジュールは、該照明モジュールの方向を調節するための1つ以上の調節機構を提供する結合構造に調節可能に結合され及び/又は筐体内に調節可能に結合され、それにより該照明器具の出力方向を調節する。一般に、該結合構造は、該照明器具の空間的プロファイルを著しく変えることなく、該照明器具内の1つ以上の照明モジュールの審美的な結合を可能とし、該照明器具の調節可能性を提供する。
【0039】
一実施例においては、該結合構造は、支持構造に装着可能な底部と、該照明器具の1つ以上の照明モジュールが結合され得る照明モジュール結合部と、を有する。該底部は固定されて装着されることができ、一方該照明モジュール結合部は、該結合部に結合された照明モジュールの方向を調節するため、該底部に対して移動させられ得る。例えば、該照明モジュール結合部は、該底部に対して枢動(例えばパン、チルト、スイベル、回転等)しても良い。該結合部は更に、直線的に調節されても良いし(例えば上下、左右等)、又は組み合わせられた動きで調節されても良い(例えば弓形の動き、曲線の経路等)。
【0040】
一実施例においては、該結合構造は、照明モジュールの1つ以上の直線状アレイの結合のために備えられる。この点において、該結合構造は例えば、単一の底部と、略長手方向の照明モジュール結合部と、を有しても良い。他の実施例においては、該結合構造は、照明モジュールのそれぞれの直線状アレイのための、複数の略長手方向の照明モジュール結合部を有する。
【0041】
一実施例においては、各照明モジュールは、それぞれの軸のまわりに枢動するようにバーに枢動可能に結合され、該バー自体が該バーの軸又は該軸に略平行な長軸のまわりに枢動する。一実施例においては、照明モジュールがそのまわりに枢動するそれぞれの軸は、該長軸に対して略垂直である。他の実施例においては、該それぞれの軸は、該照明モジュールのそれぞれの対称軸により略定義される(例えば重心、幾何学的中心等)。任意に、又は加えて、該長軸は該照明器具の対称軸により定義される。
【0042】
一実施例においては、該バー及び該バーに結合された1つ以上の照明モジュールがそのまわりを枢動する長軸は、アセンブリの対称軸によって略定義されるか、又は該対称軸に対して近接して配置される。一実施例においては、該バーと複数の照明モジュールとが、照明モジュールの直線状アレイへと形成され、該直線状アレイは、該直線状アレイによって定義される長軸のまわりに枢動するように構成され、且つそれぞれが該長軸に略垂直なそれぞれの軸のまわりに枢動するように構成される。
【0043】
一実施例においては、該照明器具は、該照明器具の全体的な空間的プロファイルを略定義し維持する略固定された筐体内に、パン及びチルトが可能な(例えば少なくとも2つの枢動の自由度を持つ)1つ以上の発光素子をそれぞれが有する1つ以上の照明モジュールを有し、それにより視覚的なクラッタを低減する。
【0044】
一実施例においては、該筐体は出力部を有し、該出力部を通して、前記1つ以上の照明モジュールの少なくとも幾つかから発せられた光が方向付けられ得る。一実施例においては、該出力部は、透明又は半透明な筐体を有する。他の実施例においては、該筐体は、固定された透明又は半透明部分(例えばウィンドウ)を有し、該部分を通して前記1つ以上の発光素子から出力された光が透過され得る。更に他の実施例においては、該筐体は、前記1つ以上の照明モジュール及び/又は1つ以上の照明モジュール装着部分と共に枢動する移動可能な透明又は半透明部分を有し、それにより、該部分の方向が該出力部の空間的な調節及び/又は配列によって適応させられる。例えば、該筐体は、略不透明な部分により囲まれた略透明な出力部を有しても良く、該透明な部分が、例えば該筐体の底部に調節可能に結合され、それによって該1つ以上の照明モジュールの方向の調節が、該照明モジュール及び/又は照明モジュール装着部分の枢動によって、該出力部の同様な調節により適応させられる。
【0045】
当業者には理解されるように、本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱することなく、種々の筐体の形状及び構成が考えられ得る。例えば、直線状の又は長手方向の筐体が、照明モジュールの1つ以上の直線状アレイを有する照明器具のために選択されても良い。正方形若しくは長方形、又は更には曲線的な若しくは円形の筐体もが、該照明器具が設計される用途に依存して変わり得る利用される照明モジュールの数及び全体的な構成に依存して考えられ得る。例えば、一実施例においては、該筐体は滑らかなドーム又は筒型の筐体を有する。
【0046】
更に、該照明器具は、垂直に、水平に及び/又は該照明器具が設計される用途に適切な他の配置で装着されるように構成された結合構造を有しても良い。例えば、例えば略長手方向の照明器具が水平に例えば天井又は棚に掛けられて装着され、又は垂直に例えば壁に若しくは天井から垂直に掛けられて装着されても良い。その他の斯かる装着構成は当業者には明らかであり、従って本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱するものとはみなされない。
【0047】
調節機構
一般的に、1つ以上の照明モジュールが、照明器具の結合構造に及び/又は照明器具筐体内に調節可能に結合される。
【0048】
一実施例においては、該1つ以上の照明モジュールは、それぞれの調節機構を介して、個々に調節可能である。斯かる個々の機構は、当業者には容易に明確であるように、例えば枢動ピン、結合軸、自在継ぎ手若しくは玉継ぎ手等のような種々の機構的な接合部、又はその他の調節可能な結合手段を有しても良い。該1つ以上の照明モジュールの個々の調節は、手動で実行されても良いし、又は電動式のリモート制御により実行されても良い。
【0049】
他の実施例においては、該照明器具は、それぞれが又はサブグループが共通の調節機構を介して調節可能である、1つ以上の照明モジュールを有する。
【0050】
一実施例においては、該照明モジュールの枢動(例えばパン、スイベル、チルト等)は、1つ以上のサムホイールを介して提供されても良い。他の実施例においては、枢動は1つ以上のレバーを介して提供される。更に他の実施例においては、枢動は、任意にリモート制御により操作される、1つ以上の電気モータを介して提供される。他の実施例においては、枢動は、以上の機構の少なくとも幾つかの組み合わせを介して提供される。当業者は、以上の及びその他の斯かる機構が、本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱することなく、独立に又は組み合わせて考えられ得ることを、理解するであろう。
【0051】
一実施例においては、該1つ以上の照明モジュールは、それぞれが一群として調節可能であり、それによりそれぞれの各照明モジュールに共通の指向性を提供する、1つ以上の直線状のアレイに構成される。例えば、所与の直線状アレイの各照明モジュールは、揃って移動するように機構的に相互接続されても良い。斯かる相互接続は、動かされたときに各相互接続されたモジュールに対して略同じ動きを与える照準バー又は構造により、提供されても良い。
【0052】
一実施例においては、直線状アレイの各照明モジュールは、枢動ピン又は軸の第1のセットを介して、結合バー又は構造に枢動可能に結合される。照準アーム又は構造は、前記第1のセットに対して離隔されて該照明モジュールに結合された枢動ピン又は軸の第2のセットを介して該照明モジュールを相互接続し、それにより該照準アーム又は構造の略直線状の動きが、結合バーに対する該照明モジュールの枢動をもたらす。一実施例においては、該結合バーは更に、結合構造の基部に枢動可能に結合され、それにより該直線状アレイが更に、任意に同一の照準アームの枢動を介して、該アレイの長軸のまわりに枢動しても良い。
【0053】
代替としては、所与のアレイの各照明モジュールは、該アレイの各照明モジュールに対して略同一の動きを与える、同一の駆動機構に機構的に結合されても良い。例えば、任意にリモート制御によって照明モジュールの方向を調節するため、電動の駆動機構が該照明モジュールに結合されても良い。
【0054】
以上の及びその他の斯かる実施例においては、1つ以上の照明モジュールは手動で調節(即ちパン、チルト、回転等)されても良く、ここでユーザは、該照明器具が適切な取り付け構造に取り付けられる又は装着される前又は後に、該1つ以上の照明モジュールを直接に調節する。代替としては、該1つ以上の照明モジュールの調節は、例えばハンドヘルド型のリモートコントローラ等を利用して自動化されても良く、それによりユーザが該照明器具の方向をリモートで調節することを可能とする。当該代替の構成は、該照明器具が例えば高い天井等のような手の届かない所に取り付けられている環境において有用となり得、登って手動で該照明器具を調節する必要なく、例えば小売店又は美術館における展示品を向くように該照明器具の方向が調節され得る。
【0055】
当業者によって容易に理解されるように、所与の照明器具の1つ以上の照明モジュールの個々の及び/又は群の調節を提供する他の調節機構が、本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱することなく考慮され得る。
【0056】
以下、本発明は具体的な例を参照しながら説明される。以下の例は、本発明の実施例を説明することを意図したものであり、いずれの態様においても本発明を限定することを意図したものではないことは、理解されるであろう。
【0057】

例1:
図2乃至6を参照しながら、全体として番号100を用いて参照される、本発明の一実施例による照明器具が、以下に説明される。照明器具100は一般的に、筐体102と、該筐体内に調節可能に結合された照明モジュール104の直線状アレイとを有する。
【0058】
筐体102は一般的に、壁、天井、家具(例えばキャビネット、本棚、ディスプレイケース等)等のような支持構造に任意に固定的に又は移動可能に装着可能な、基部106を有する結合構造を提供し、照明モジュール結合部108が該基部に枢動可能に結合される。一般的に、照明器具100は水平に装着されるように構成されるが、該照明器具が利用される用途に依存して、照明器具100を垂直に又はその他の方向に結合することも考えられ得る。
【0059】
本実施例においては、基部106が、反対側の長手方向の端から外へ延在する取り付けタブ110を持つ長手構造を定義する。照明モジュール結合基部108(略長手方向の結合バーにより定義されて示される)は、反対側の端において基部106の取り付けタブ110と枢動可能に係合するように構成された取り付けタブ112のセットを有し、これにより照明モジュール結合部108が、取り付けタブ110及び112の枢動係合により定義される長軸114のまわりに枢動することを可能とする(矢印Aにより示される)。筐体102はまた、照明モジュール結合部108に対して固定されていても良い(図2におけるように)、移動可能であっても良い(図3におけるように)、又は照明モジュール104が結合部108と共に枢動する際に照明モジュール104の出力方向を適応させるように枢動するよう照明モジュール結合部108に枢動可能に結合されても良い、任意の透明部又はウィンドウ116を有しても良い。
【0060】
照明モジュール104はそれぞれ一般的に、基板118(例えばプリント回路基板等)に結合された1つ以上の発光素子(明示されていない)と、該発光素子により生成される熱を管理するために該発光素子に熱的に結合されたヒートシンク120と、該発光素子の光出力を遮断及び管理する(例えばフォーカスさせる、平行化する、拡散させる等)ように配置された、レンズ122等のような出力光学系と、を有する。当該実施例においては、各照明モジュール104の出力レンズ122は、出力光学系取り付け部124(例えば図6を参照)内に装着される。該取り付け部124は、ヒートシンク120の外側の取り付けリップ128と係合するように構成された取り付けクリップ126のセットを有し、これにより発光素子の基板118との熱的な接触を確保しつつ、該発光素子の出力と光学的に整合するように出力レンズ122を配置する。レンズ122を通って方向付けされない迷光を低減させるためレンズ筒130(例えば図5を参照)が更に備えられても良く、一方で、該発光素子を駆動するために基板118(例えばPCB)に対する電気的なアクセスを提供する(例えば配線132を介して)ため孔131が追加されても良い。
【0061】
一般的に、各照明モジュール104は、結合部108の長さに沿って該結合部に対して略垂直に向いて配置されたそれぞれの軸ピン134を介して、照明モジュール結合部108に結合され、それにより照明モジュール104がそのまわりに枢動し得る(矢印Bによって示される)それぞれの横軸を定義する。本実施例においては、軸134は、結合部108と照明モジュール104のそれぞれのヒートシンク120との間に結合される。代替として、軸134は、照明モジュール104に一体化されて又は着脱可能に固定された専用の構造を介して、又はヒートシンク120、出力光学系取り付け部124若しくは基板118等の伸長を介して、結合部108に照明モジュール104を結合させても良い。当業者は、その他の構成が、本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱することなく考えられ得ることを理解するであろう。
【0062】
照明器具100はまた一般的に、基部106内に配置された例えば一体化された及び/又は着脱可能な電源を有し、又は外部電源即ち照明器具100が装着される構造、壁若しくは天井を介して提供される電力線に照明器具100を接続するための手段を有する。このとき、電力は電線132を介して照明モジュール104に供給され、それにより例えば該モジュールの発光素子を直列に接続する。当業者には明らかであるように、例えば、照明モジュール及び/又は該モジュールの発光素子の独立した又は群での制御を可能とするため、並列回路もここで考えられ得る。
【0063】
矢印A及びBにより示されるように、照明モジュール104は、長軸114のまわりの結合部108の枢動を介して、及び/又は軸ピン134のまわりの照明モジュール104自体の枢動を介して、調節され得る。従って、照明器具100の出力は、適宜チルト及び/又はパンされ、所望の照明効果を提供し得る。これらの調節を実現するため、調節ホイール、レバー及び/又は電動式のリモートコントローラが備えられても良い。例えば、結合部108の枢動角を調節するためサムホイールが備えられ、各照明モジュール104の枢動角を調節するためこれらモジュール104又はそのサブグループを相互接続する照準アームが備えられても良い。後者の例については、図5のアーム136のような照準アームが、軸ピン134から離隔された軸ピン138のセットを介して照明モジュール104に結合され、これにより照準アーム136の直線的な動き(矢印Cにより示される)が、支持部108に対する照明モジュール104の枢動をもたらし(矢印Bにより示される)、それによって照明モジュール104の出力のパン又はチルトをもたらす(矢印Dにより示される)。
【0064】
更に、発光素子104の種々の枢動角の調節が、照明器具100の空間的プロファイルを大きく変更することなく実現されることができる。とりわけ、照明モジュール104が筐体102に対して調節されるため、照明器具100の全体的に長手の空間的プロファイルは略維持される。即ち、筐体102内の照明モジュール104の再方向付けは、筐体ウィンドウ116が利用されるか否かにかかわらず、照明器具100の全体の位置、配列、形状、配置及び構造的対称性に著しく影響を与えない。従って、照明器具100は一般に、略一定の空間的プロファイルを維持しつつ、調節可能なビームを提供する。
【0065】
図11において、天井に掛けられ直線状に装着された2つの照明器具100が示され、これら照明器具の方向は、各照明器具の照明モジュール(図示されていない)及び出力部116の共通の方向により決定される。本例においては、該出力部は、略不透明な部分により囲まれた略透明な部分を有し、該透明な部分は、該照明器具の長手軸のまわりに枢動可能であり、それにより該照明器具の照明モジュールの調節に追従する。
【0066】
例2:
図7A乃至7Fを参照しながら、全体として番号200を用いて参照される、本発明の他の実施例による照明器具が、以下に説明される。照明器具200は一般的に、結合構造202と、該結合構造に調節可能に結合された照明モジュール204の直線状アレイとを有する。
【0067】
結合構造202は一般的に、壁、天井、家具(例えばキャビネット、本棚、ディスプレイケース等)等のような支持構造に任意に固定的に又は移動可能に装着可能な基部206を有し、照明モジュール結合部208が該基部に枢動可能に結合される。一般的に、照明器具200は垂直に装着されるように構成されるが、該照明器具が利用される用途に依存して、照明器具200をその他の方向に結合することも考えられ得る。
【0068】
本実施例においては、照明モジュール結合部208(略長手方向の結合バーにより定義され示される)は、反対側の端において基部206と枢動可能に係合するように構成された取り付けタブ212のセットを有し、これにより照明モジュール結合部208が、取り付けタブ212の基部206に対する枢動係合により定義される長軸214のまわりに枢動することを可能とする(矢印Eにより示される)。本実施例においては、該長軸は、該照明器具の対称性の長手方向の幾何学的な軸により略定義される。結合構造202はまた、照明モジュール結合部208に対して固定されていても良い、移動可能であっても良い、又は照明モジュール204が結合部208と共に枢動する際に照明モジュール204の出力方向を適応させるように枢動するよう照明モジュール結合部208に枢動可能に結合されても良い、任意の透明部又はウィンドウ(図示されていない)を有しても良い。
【0069】
照明モジュール204はそれぞれ一般的に、基板218(例えばプリント回路基板等)に結合された1つ以上の発光素子(明示されていない)と、該発光素子により生成される熱を管理するために該発光素子に熱的に結合されたヒートシンク220と、該発光素子の光出力を遮断及び管理する(例えばフォーカスさせる、平行化する、拡散させる等)ように配置された、レンズ222等のような出力光学系と、を有する。例1において説明された実施例におけるように、各照明モジュール204の出力レンズ222は、ヒートシンク220に係合する出力光学系取り付け部224内に装着され、これにより発光素子の基板218との熱的な接触を確保しつつ、該発光素子の出力と光学的に整合するように出力レンズ222を配置する。ここでもまた、レンズ222を通って方向付けされない迷光を低減させるためのレンズ筒、及び電気的アクセス孔が、以上に説明されたように備えられても良い。
【0070】
一般的に、各照明モジュール204は、結合部208の長さに沿って該結合部に対して略垂直に向いて配置されたそれぞれの軸ピン234を介して、照明モジュール結合部208に結合され、それにより照明モジュール204がそのまわりに枢動し得る(矢印Fによって示される)それぞれの横軸を定義する。一実施例においては、それぞれの横軸が、該照明モジュールの対称性のそれぞれの横断的な幾何学的軸により略定義される。本実施例においては、軸234は、結合部208と照明モジュール204のそれぞれのヒートシンク220との間に結合される。代替として、軸234は、照明モジュール204に一体化されて又は着脱可能に固定された専用の構造を介して、又はヒートシンク220、出力光学系取り付け部224若しくは基板218等の伸長を介して、結合部208に照明モジュール204を結合させても良い。当業者は、その他の構成が、本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱することなく考えられ得ることを理解するであろう。
【0071】
照明器具200はまた一般的に、基部206内に配置された例えば一体化された及び/又は着脱可能な電源を有し、又は外部電源即ち照明器具200が装着される構造、壁若しくは天井を介して提供される電力線に照明器具200を接続するための手段を有する。このとき、電力は電線232を介して照明モジュール204に供給され、それにより例えば該モジュールの発光素子を直列に接続する。
【0072】
矢印E及びFにより示されるように、照明モジュール204は、長軸214のまわりの結合部208の枢動を介して、及び/又は軸ピン234のまわりの照明モジュール204自体の枢動を介して、調節され得る。従って、照明器具200の出力は、適宜チルト及び/又はパンされ、所望の照明効果を提供し得る。これらの調節を実現するため、調節ホイール、レバー及び/又は電動式のリモートコントローラが備えられても良い。例えば、結合部208の枢動角を調節するためサムホイールが備えられ、各照明モジュール204の枢動角を調節するためこれらモジュール204又はそのサブグループを相互接続する照準アームが備えられても良い。
【0073】
本例においては、照準アーム236が、軸ピン234から離隔された軸ピン238のセットを介して照明モジュール204に結合され、これにより照準アーム236の直線的な動きが、支持部208に対する照明モジュール204の枢動をもたらし、それによって照明モジュール204の出力のパン又はチルトをもたらす。結合部208はまた、照準アーム236の回転を介して枢動させられ、これにより照明器具の方向の完全な調節可能性が、単一の照準アーム236を介して利用可能となる。
【0074】
更に、発光素子204の種々の枢動角の調節が、照明器具200の空間的プロファイルを大きく変更することなく実現されることができる。とりわけ、照明モジュール204が支持構造202に対して調節されるため、照明器具200の全体的に長手の空間プロファイルは略維持される。即ち、照明モジュール204の再方向付けは、照明器具200の全体の位置、配列、形状、配置及び構造的対称性に著しく影響を与えない。従って、照明器具200は一般に、略一定の空間的プロファイルを維持しつつ、調節可能なビームを提供する。
【0075】
当業者は、同様の美的な魅力を共有しつつ大きな放熱表面積を提供する、他の斯かるヒートシンクの設計が、本開示の全体的な範囲及び本質から逸脱することなく考えられ得ることを、理解するであろう。
【0076】
例3:
図8乃至10を参照しながら、全体として番号300を用いて参照される、本発明の他の実施例による照明器具が、以下に説明される。照明器具300は一般的に、筐体302と、該筐体内に調節可能に結合された照明モジュール304とを有する。
【0077】
筐体302は一般的に、壁、天井、家具(例えばキャビネット、本棚、ディスプレイケース等)等のような支持構造に任意に固定的に又は移動可能に装着可能な、基部306を有する結合構造を提供し、照明モジュール結合部308が該基部に枢動可能に結合される。
【0078】
本実施例においては、基部306は、照明モジュール結合部308に対する中心の回転結合(図示されていない)を持つ円形構造を定義し、照明モジュール304のヒートシンク320を介して照明モジュール304に枢動可能に係合するように構成された略平行な結合タブにより定義されて示されている。
【0079】
筐体302は更に、略不透明な部分317と、照明モジュール結合部308及び/又は照明モジュール304と共に動くように構成され、それにより照明モジュール304が結合部308により枢動する際に照明モジュール304の出力方向を適応させるように枢動する、透明な部分又はウィンドウ36と、を有するドーム型構造を有する。
【0080】
照明モジュール304は一般的に、基板(例えばプリント回路基板等)に結合された1つ以上(即ち本例においては6個)の発光素子と、該発光素子により生成された熱を管理するための該発光素子に熱的に結合されたヒートシンク320と、該発光素子の光出力を遮断及び管理する(例えばフォーカスさせる、平行化する、拡散させる等)ように配置された、レンズ322等のような出力光学系と、を有する。
【0081】
照明基部300はまた一般的に、基部306内に配置された例えば一体化された及び/又は着脱可能な電源を有し、又は外部電源即ち照明器具300が装着される構造、壁若しくは天井を介して提供される電力線に照明器具300を接続するための手段を有する。
【0082】
矢印G及びHにより示されるように、照明モジュール304は、結合部308の枢動を介して、及び/又は軸ピン334のまわりの照明モジュール304の枢動を介して、調節され得る。従って、照明器具300の出力は、適宜チルト及び/又はパンされ、所望の照明効果を提供し得る。発光素子304の枢動角の調節は、照明器具300の空間的プロファイルを大きく変更することなく実現されることができる。とりわけ、照明モジュール304が筐体302に対して調節されるため、照明器具300の空間的プロファイルは略維持される。即ち、筐体302内の照明モジュール304の再方向付けは、照明器具300の全体の位置、配列、形状、配置及び構造的対称性に著しく影響を与えない。従って、照明器具300は一般に、略一定の空間的プロファイルを維持しつつ、調節可能なビームを提供する。
【0083】
図10において、天井に掛けられ直線状に装着された一連の照明器具300が示され、これら照明器具の方向は、各照明器具の照明モジュール(図示されていない)及び出力部316の共通の方向により決定される。本例においては、該出力部は、略不透明な部分により囲まれた略透明な部分を有し、該透明な部分は、該照明器具の照明モジュールの調節に追従するように枢動可能である。
【0084】
本発明の以上の実施例は例であり、種々の態様で変更され得ることは明らかである。斯かる現在の又は将来の変更は、本発明の精神及び範囲からの逸脱としてみなされるべきではなく、当業者には明らかであろう斯かる変更は全て、請求の範囲内に含まれるものと意図される。
【図1−1】

【図1−2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
汎用の照明を提供するための照明器具であって、
前記照明器具の空間的プロファイルを定義する、出力部を有する筐体と、
それぞれが発光素子と前記発光素子のためのそれぞれのヒートシンク及び出力光学系とを有する、前記筐体内に枢動可能に結合された1つ以上の照明モジュールと、
を有する照明器具において、前記1つ以上の照明モジュールは、前記照明器具の前記空間的プロファイルを略維持しつつ、前記出力部を通して前記照明モジュールから発せられる光の方向を調節するよう前記筐体内で枢動するように構成された、照明器具。
【請求項2】
前記照明器具は更に、長軸に略平行な、前記長軸のまわりに枢動するように前記筐体内で枢動可能に結合された略長手方向の照明モジュール結合部を有し、前記1つ以上の照明モジュールは、前記長軸に略垂直なそれぞれの横軸のまわりに枢動するように前記結合部に枢動可能に結合された、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記照明器具は、略直線状のアレイを形成するように前記結合部に沿って結合された2つ以上の照明モジュールを有し、前記出力部は略長手方向の透明な部分を有し、前記透明な部分は、前記照明モジュールの直線状のアレイから発せられた光が、前記透明な部分を通って発せられるように配置された、請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記1つ以上の照明モジュールの少なくとも幾つかのそれぞれの前記出力光学系は、出力光学素子と取り付け部品とを有する出力光学系取り付け部により提供され、前記出力光学系取り付け部は、前記取り付け部品を介して前記ヒートシンクと前記発光素子とを係合させて、前記発光素子と前記ヒートシンクとの間の熱的な結合を維持しつつ、前記光学素子を前記発光素子の出力と光学的に整合するように配置するように構成された、請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
前記取り付け部品は、前記発光素子の基板を係合させ、前記ヒートシンクに対して取り付け圧を前記基板に加えることにより、前記発光素子と前記ヒートシンクとの間の前記熱的な結合を可能とするように構成された、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記ヒートシンクは1つ以上の取り付けリップを有し、前記取り付け部品は、前記基板を越えて延在しつつ前記基板と係合し前記1つ以上の取り付けリップのそれぞれ1つに結合するように構成された1つ以上のクリップを有する、請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
前記取り付け部品は、磁気的な取り付け部品、スナップ式の取り付け部品、ねじ式の取り付け部品、圧力式の取り付け部品及び吸引式の取り付け部品のうち1つ以上を有する、請求項4に記載の照明器具。
【請求項8】
前記取り付け部品は、スナップ式の取り付け部品を有する、請求項7に記載の照明器具。
【請求項9】
前記1つ以上の発光素子は、前記筐体内の前記発光素子の前記それぞれのヒートシンクの枢動結合を介して、前記筐体内で枢動可能に結合された、請求項1に記載の照明器具。
【請求項10】
2つ以上の照明モジュールと、更に前記2つ以上の照明モジュールを相互接続する調節機構とを有し、前記調節機構は、前記照明モジュールのそれぞれに前記筐体に対する略同一の枢動を揃えて与え、それにより前記照明モジュールの略共通の方向を調節するように構成された、請求項1に記載の照明器具。
【請求項11】
前記出力部は、前記方向を調節するために前記1つ以上の照明モジュールと共に枢動するように構成された調節可能な出力部を有する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項12】
前記出力部は略透明な部分を有し、前記筐体は更に、前記照明器具の出力を制限するための前記出力部を囲む略不透明な部分を有する、請求項1に記載の照明器具。
【請求項13】
汎用の照明器具における使用のための照明モジュールであって、前記照明器具は、
ヒートシンクと、
発光素子と、
出力光学素子及び取り付け部品を有する出力光学系取り付け部と、
を有し、前記出力光学系取り付け部は、前記ヒートシンクと前記発光素子とを、前記取り付け部品を介して係合させることにより、前記発光素子と前記ヒートシンクとの間の熱的な結合を維持しつつ、前記発光素子の出力と光学的に整合するように前記光学素子を配置するように構成された照明モジュール。
【請求項14】
前記取り付け部品は、前記発光素子の基板と係合し、前記基板に対して前記ヒートシンクに対する取り付け圧を加えることにより、前記発光素子と前記ヒートシンクとの間の熱的な結合を可能とするように構成された、請求項13に記載の照明モジュール。
【請求項15】
前記ヒートシンクは1つ以上の取り付けリップを有し、前記取り付け部品は、前記基板を越えて延在しつつ前記基板と係合し前記1つ以上の取り付けリップのそれぞれ1つに結合するように構成された1つ以上のクリップを有する、請求項14に記載の照明モジュール。
【請求項16】
前記取り付け部品は、磁気的な取り付け部品、スナップ式の取り付け部品、ねじ式の取り付け部品、圧力式の取り付け部品及び吸引式の取り付け部品のうち1つ以上を有する、請求項13に記載の照明モジュール。
【請求項17】
前記取り付け部品は、スナップ式の取り付け部品を有する、請求項16に記載の照明モジュール。
【請求項18】
汎用の照明を提供するための照明器具であって、
基部と略長手方向の照明モジュール結合部とを有する結合構造であって、前記照明モジュール結合部は、前記照明モジュール結合部に略平行な長軸のまわりに枢動するように前記基部に枢動可能に結合された結合構造と、
それぞれが発光素子を有し、それぞれが前記長軸に略垂直なそれぞれの横軸のまわりに枢動するように前記照明モジュール結合部に沿って枢動可能に結合された、照明モジュールの直線状のアレイと、
を有し、前記照明モジュールのそれぞれの枢動が、前記照明器具の空間プロファイルを略維持しつつ、前記照明器具の方向の調節を提供する、照明器具。
【請求項19】
前記照明モジュールの少なくとも幾つかは、それぞれのヒートシンクと出力光学系とを有し、前記それぞれの出力光学系は、出力光学素子と取り付け部品とを有する出力光学系取り付け部により提供され、前記出力光学系取り付け部は、前記発光素子と前記ヒートシンクとの間の熱的な結合を維持するため前記取り付け部品を介して前記ヒートシンクと前記発光素子とを係合させつつ、前記発光素子の出力と光学的に整合するように前記光学素子を配置するように構成された、請求項18に記載の照明器具。
【請求項20】
前記取り付け部品は、前記発光素子の基板を係合させ、前記ヒートシンクに対して取り付け圧を前記基板に加えることにより、前記発光素子と前記ヒートシンクとの間の前記熱的な結合を可能とするように構成された、請求項19に記載の照明器具。
【請求項21】
前記取り付け部品は、スナップ式の取り付け部品を有する、請求項20に記載の照明器具。
【請求項22】
前記照明モジュールのそれぞれの前記それぞれの横軸は、前記照明モジュールの対称軸により定義される、請求項18に記載の照明器具。
【請求項23】
前記長軸は、前記照明器具の対称軸により定義される、請求項18に記載の照明器具。
【請求項24】
前記照明モジュールの直線状のアレイを相互接続する調節機構を更に有し、前記調節機構は、前記照明モジュールのそれぞれに前記結合構造に対する略同一の枢動を揃えて与え、それにより前記照明モジュールの略共通の方向を調節するように構成された、請求項18に記載の照明器具。
【請求項25】
前記調節機構は、前記照明モジュールを相互接続し、前記長軸及び各前記それぞれの横軸の両方のまわりに前記照明モジュールを枢動させるように構成された調節アームを有する、請求項24に記載の照明器具。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2010−501105(P2010−501105A)
【公表日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524056(P2009−524056)
【出願日】平成19年8月17日(2007.8.17)
【国際出願番号】PCT/CA2007/001444
【国際公開番号】WO2008/019504
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【出願人】(309006693)ティーアイアール テクノロジー エルピー (27)
【Fターム(参考)】