説明

警備システムの管制装置

【課題】
許可された管制員にしか操作を許さず、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である警備システムの管制装置を提供することにある。
【解決手段】
警備端末と通信を行う通信装置と警備情報を表示・管理する監視卓とからなるセンタ装置と、監視卓を操作する管制員が携帯する管制員の認証情報を記録した認証情報記憶手段から、認証情報を読み取る管制員認証情報読取装置と、監視卓から所定距離以内に配置され、着席状態を検知する着席検知手段を有する操作用椅子とを備え、センタ装置が、着席検知手段が操作用椅子の着席を検知している状態で、管制員認証情報読取装置で取得した認証情報から、監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断し、許可された管制員と判断した場合に、監視卓の操作を認めることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、警備対象施設の警備状況を監視、管理する警備システムの管制装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般の家庭や店舗、工場等の警備対象施設側に、異常を検知するセンサを設け、異常の情報等を警備端末介して警備センタのセンタ装置に通報する警備システムが用いられている。このセンタ装置は、警備センタ内の管制室に設置されている。実際の警備においては、管制室内に居る管制員(警備会社の従業員等)が、センタ装置に設けられた監視卓により、警備対象施設で異常がないかを監視している。異常があった場合には、管制員は、異常があった旨を警察や警備会社(警備対象施設に実際に人を派遣する会社又は部署)に通報する。
【0003】
また、従来のセンタ装置を始めとする警備システムの管制装置は、管制室内に出入りする人であれば、自由に操作可能であり、警備対象施設に関する情報や警備情報を自由に閲覧できると共に、センタ装置の設定や警備端末の設定を変更することも可能である。
尚、この先行技術は、文献公知に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の警備システムの管制装置では、管制室に出入りする人はだれでもセンタ装置の操作が可能で、不正に警備対象施設に関する情報や警備情報を閲覧できると共に、不正にセンタ装置の設定や警備端末の設定を変更することができる。すなわち、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんが可能であった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、許可された管制員にしか操作を許さず、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である警備システムの管制装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の警備システムの管制装置は、警備端末と通信を行う通信装置と警備情報を表示・管理する監視卓とからなるセンタ装置と、監視卓を操作する管制員が携帯する管制員の認証情報を記録した認証情報記憶手段から、認証情報を読み取る管制員認証情報読取装置と、監視卓から所定距離以内に配置され、着席状態を検知する着席検知手段を有する操作用椅子とを備え、センタ装置が、着席検知手段が操作用椅子の着席を検知している状態で、管制員認証情報読取装置で取得した認証情報から、監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断し、許可された管制員と判断した場合に、監視卓の操作を認めることを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の警備システムの管制装置は、監視卓が設置された管制室の入口に、認証情報記憶手段から認証情報を読み取る入口用管制員認証情報読取装置を備え、センタ装置が、入口用管制員認証情報読取装置から認証情報を取得して、管制員の管制室への入室を管理することを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の警備システムの管制装置は、操作用椅子に着席者の体重を測定する体重測定手段を備え、センタ装置が、管制員認証情報読取装置で認証情報を取得した管制員の体重と、体重測定手段で取得した体重の情報とを用いて、監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断することを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の警備システムの管制装置は、管制室の入口に、入室者の体重を測定する入口用体重測定装置を備え、センタ装置が、入口用体重測定装置で取得した体重の情報と、体重測定手段で取得した体重の情報とを比較し、監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断することを特徴とする。
【0010】
請求項5記載の警備システムの管制装置は、センタ装置が、管制員の勤務予定を記憶し、その時間に監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断することを特徴とする。
【0011】
請求項6記載の警備システムの管制装置は、センタ装置が、実際に管制員が行った操作を記憶することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、センタ装置が、着席検知手段が操作用椅子の着席を検知している状態で、管制員認証情報読取装置で取得した認証情報から、監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断し、許可された管制員と判断した場合に、監視卓の操作を認めることから、許可された管制員にしか操作を許さず、またその管制員であっても操作用椅子に着席した不自然な動作を抑制した状態で操作させることから、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0013】
請求項2の発明によれば、センタ装置が、入口用管制員認証情報読取装置から認証情報を取得して、管制員の管制室への入室を管理することから、管制室自体への入出を抑制してセンタ装置の操作できる人を制限することで、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0014】
請求項3の発明によれば、センタ装置が、管制員認証情報読取装置で認証情報を取得した管制員の体重と、体重測定手段で取得した体重の情報とを用いて、監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断することから、操作を許可された管制員か否かの判断を正確に行い、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0015】
請求項4の発明によれば、センタ装置が、入口用体重測定装置で取得した体重の情報と、体重測定手段で取得した体重の情報とを比較し、監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断することから、操作を許可された管制員か否かの判断を正確に行い、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0016】
請求項5の発明によれば、センタ装置が、管制員の勤務予定を記憶し、その時間に監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断することから、管制員の操作を管理して、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0017】
請求項6の発明によれば、センタ装置が、実際に管制員が行った操作を記憶することから、管制員の不正操作をチャックでき、管制員の不正操作を抑制することで警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の形態について図面を参照しながら具体的に説明する。本発明の形態における警備システムの管制装置は、一般の家庭や店舗、工場等の警備対象施設側に、異常を検知するセンサを設け、異常の情報等を警備端末介して通知された警備情報を、警備センタ側で監視するためのものである。
【実施例1】
【0019】
図1は、本発明に係る警備システムの管制装置の第1の実施例の構成を示す構成図である。図において、本実施例の警備システムの管制装置は、警備センタの管制室1内に実現されている。具体的には、管制室1内のセンタ装置10、操作用椅子20、読取装置15等から構成されている。
【0020】
センタ装置10は、異常の発生を表示し管制室1の管制員7に伝える監視卓11と、通信回線と監視卓11とを接続する通信装置12とから構成されている。監視卓11は、例えば、コンピュータ端末である。また、通信装置12は、通信回線に接続可能な装置であり、具体的には有線方式又は無線方式のモデム、ターミナルアダプタ等である。通信回線を介して1つのセンタ装置10に接続される警備対象施設は複数有る。尚、通信回線を介してセンタ装置10と接続される警備端末は(図示せず)、警備対象施設の異常を感知するセンサと、センサの情報を通信回線を介してセンタ装置10に送る手段とからなる。
【0021】
管制室1で監視の業務にあたる管制員7は、監視卓11の操作を許された者であるかの認証情報を記録した認証情報記憶手段であるICタグ8を携帯している。ICタグ8の携帯方法としては、例えば、ICタグ8を装着したカードや身分証明書の携帯であったり、ICタグ8を縫いつけた服の着用であったり、携帯の方法に制約はない。
【0022】
センタ装置10に接続された読取装置15は、ICタグ8に記憶された管制員7の認証情報を読み取り、読み取った認証情報をセンタ装置10に渡す管制員認証情報読取装置である。具体的には、ICタグ8用の非接触の読取手段である。
【0023】
操作用椅子20は、監視卓11を操作する管制員7が着席するための椅子で、管制員7が着席しているか否かの着席状態を検知するための着席検知手段21を備えている。着席検知手段21が検知する着席の情報は、センタ装置10に送られる。尚、操作用椅子20が配置されている位置は、着席した管制員7が監視卓11を操作できる位置である。この位置を保つために例えば、操作用椅子20とセンタ装置10との間をワイヤーやチェーンで結んでもよい。また、操作用椅子20が、監視卓11を操作可能な位置から逸脱した場合に、その旨をセンタ装置10に伝える手段により、結果として操作用椅子20の位置が保たれるようにしてもよい。尚、操作用椅子20の位置に関連し、管制員7の携帯するICタグ8を読み取る読取装置15を配置する位置は、操作用椅子20に着席した管制員7の携帯するICタグ8を読み取れる位置となる。読取装置15が、ICタグ8の読み取りができない場合に、操作用椅子20が、監視卓11を操作できる位置にないと判断することにより、結果として操作用椅子20の位置が保たれるようにしてもよい。
【0024】
次に、本実施例の警備システムの管制装置の動作について説明する。まず、ICタグ8を携帯した管制員7は、操作用椅子20に着席する。すると、ICタグ8が読取装置15の読み取り可能な範囲に入ることから、読取装置15がICタグ8に記録された認証情報を読み取る。センタ装置10は、その読み取った認証情報が正しいか否かを判断する。また、着席検知手段21からの情報で、センタ装置10は管制員7が操作用椅子20に着席しているか否かを確認する。そして、管制員7の認証がなされ、管制員7が着席している状態で、監視卓11での操作が可能になる。具体的な操作とは、警備情報の表示、警報に係る処理、警備に係る情報の登録・設定・閲覧等である。尚、認証と着席確認の順番はどちらが先でも、また同時であってもよい。
【0025】
このように、本実施例の警備システムの管制装置によれば、センタ装置10が、着席検知手段21が操作用椅子20の着席を検知している状態で、読取装置15で取得した認証情報から、監視卓11の操作を許可された管制員7か否かを判断し、許可された管制員7と判断した場合に、監視卓11の操作を認めることから、許可された管制員7にしか操作を許さず、またその管制員7であっても操作用椅子20に着席した不自然な動作を抑制した状態で操作させることから、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0026】
尚、操作用椅子20とセンタ装置10との間をワイヤーやチェーンで結んだ場合、認証された管制員7が着席していると判断可能であるが、上述した通り、ワイヤーやチェーンによって操作用椅子20の位置を規制しない場合もある。上述した、操作用椅子20が、監視卓11を操作可能な位置から逸脱した場合に、その旨をセンタ装置10に伝える手段によるときは、操作用椅子20が監視卓11を操作可能な位置から逸脱した場合に、監視卓11による操作できないようにすることも可能である。このことにより、監視卓11を操作できる条件として、操作用椅子20が監視卓11から所定距離以内に配置されているという条件を担保することが可能となる。
【0027】
また、本実施例では認証情報記憶手段としてICタグ8について説明したが、ICタグ8に限られるものではない。例えば、磁気カードや携帯電話を認証情報記憶手段として用いることも可能である。すなわち、認証情報記憶手段は、監視卓11の操作を許された者であるかの認証情報を記録した物で、その認証情報の読み取りが電子的に可能なものであればよい。認証情報記憶手段の形態に合わせて、読取装置15も、非接触式、接触式、光学読み取り式等適宜選択すればよい。
【実施例2】
【0028】
図2は、本発明に係る警備システムの管制装置の第2の実施例の構成を示す構成図である。図において、本実施例の警備システムの管制装置は、警備センタの管制室2内に実現されている。具体的には、管制室2内のセンタ装置10、操作用椅子20、読取装置15の他、管制室2の出入口30に設けられた読取装置31等から構成されている。
【0029】
管制室2の出入口30に設けられた読取装置31は、ICタグ8に記憶された管制員7の認証情報を読み取り、読み取った認証情報をセンタ装置10に渡す入口用管制員認証情報読取装置である。具体的には、ICタグ8用の非接触の読取手段である。尚、センタ装置10、読取装置15、ICタグ8及び操作用椅子20は、実施例1と同様なので説明を省略する。また、読取装置31は、読取装置15と同様である。
【0030】
次に、本実施例の警備システムの管制装置の動作について説明する。まず、監視卓11の操作を行う管制員7が、管制室2の出入口30を入ると、読取装置31により、携帯するICタグ8の認証情報がセンタ装置10に読み込まれる。そして、センタ装置10は、その読み取った認証情報が正しいか否かを判断する。もし、監視卓11の操作を許可されていない者の入室だと判断された場合には、以後の監視卓11の操作をできなくしたり、不審者が管制室2に入室したことを報知したりする。そして、監視卓11の操作を許可された者の入室であった場合には、特に処理を行う必要はないが、入室の記録をセンタ装置10内に記録しておくことは可能である。
【0031】
そして、管制室2に入室したICタグ8を携帯した管制員7は、操作用椅子20に着席する。すると、ICタグ8が読取装置15の読み取り可能な範囲に入ることから、読取装置15がICタグ8に記録された認証情報を読み取る。センタ装置10は、その読み取った認証情報が正しいか否かを判断する。また、着席検知手段21からの情報で、センタ装置10は管制員7が操作用椅子20に着席しているか否かを確認する。そして、管制員7の認証がなされ、管制員7が着席している状態で、監視卓11での操作が可能になる。具体的な操作とは、警備情報の表示、警報に係る処理、警備に係る情報の登録・設定・閲覧等である。尚、認証と着席確認の順番はどちらが先でも、また同時であってもよい。
【0032】
このように、本実施例の警備システムの管制装置によれば、センタ装置10が、読取装置31から認証情報を取得して、管制員7の管制室2への入室を管理することから、管制室2自体への入出を抑制してセンタ装置10の操作できる人を制限することで、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0033】
尚、監視卓11の操作を終えた管制員7が管制室2から出る場合に、読取装置31は管制員7のICタグ8の認証情報を読み込み、それを受け取ったセンタ装置10で、管制員7の退出を管理するようにしてもよい。そのことで、例えば、一人の管制員が、あまりにも長時間管制室2から退出しないと判断される時には、管制員に異常があったとして、監視卓11の操作が行えなくするようにしてもよい。
【実施例3】
【0034】
図3は、本発明に係る警備システムの管制装置の第3の実施例の構成を示す構成図である。図において、本実施例の警備システムの管制装置は、警備センタの管制室3内に実現されている。具体的には、管制室3内のセンタ装置10、操作用椅子20、読取装置15の他、管制室3の出入口30に設けられた読取装置31等から構成されている。
【0035】
操作用椅子20は、監視卓11を操作する管制員7が着席するための椅子で、着席した管制員7の体重を測定するための体重測定手段22を備えている。この体重測定手段22で測定された着席者の体重は、センタ装置10に送られる。尚、体重測定手段22により測定された値により、管制員7が着席しているか否かの判断も可能であることから、体重測定手段22は、着席検知手段としての機能も果たすこととなる。尚、操作用椅子20そのもの、センタ装置10、読取装置15、31及びICタグ8は、実施例1又は実施例2と同様なので説明を省略する。
【0036】
次に、本実施例の警備システムの管制装置の動作について説明する。まず、監視卓11の操作を行う管制員7が、管制室3の出入口30を入ると、読取装置31により、携帯するICタグ8の認証情報がセンタ装置10に読み込まれる。そして、センタ装置10は、その読み取った認証情報が正しいか否かを判断する。もし、監視卓11の操作を許可されていない者の入室だと判断された場合には、以後の監視卓11の操作をできなくしたり、不審者が管制室3に入室したことを報知したりする。そして、監視卓11の操作を許可された者の入室であった場合には、特に処理を行う必要はないが、入室の記録をセンタ装置10内に記録しておくことは可能である。
【0037】
そして、管制室3に入室したICタグ8を携帯した管制員7は、操作用椅子20に着席する。すると、ICタグ8が読取装置15の読み取り可能な範囲に入ることから、読取装置15がICタグ8に記録された認証情報を読み取る。センタ装置10は、その読み取った認証情報が正しいか否かを判断する。また、体重測定手段22からの情報で、センタ装置10は管制員7が操作用椅子20に着席しているか否かを確認する。また、体重測定手段22で測定された管制員7の体重が、あらかじめセンタ装置10に登録された管制員7の体重の情報と合致するかを確認する。そして、測定した体重の差が所定以内であった場合には、着席している者が、認証された管制員7だと判断される。そして、管制員7の認証がなされ、管制員7が着席している状態で、監視卓11での操作が可能になる。具体的な操作とは、警備情報の表示、警報に係る処理、警備に係る情報の登録・設定・閲覧等である。尚、認証と着席確認(体重確認)の順番はどちらが先でも、また同時であってもよい。
【0038】
このように、本実施例の警備システムの管制装置によれば、センタ装置10が、読取装置15で認証情報を取得した管制員7の体重と、体重測定手段22で取得した体重の情報とを用いて、監視卓11の操作を許可された管制員7か否かを判断することから、操作を許可された管制員7か否かの判断を正確に行い、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0039】
尚、実施例1の警備システムの管制装置の操作用椅子20の着席検知手段21に代えて、体重測定手段22を設け、本実施例の管制室3のように管制員7の体重により、管制員7の認証を行うようにしてもよい。また、実施例1のように、体重測定手段22を着席検知手段としてのみ使用してもよい。
【実施例4】
【0040】
図4は、本発明に係る警備システムの管制装置の第4の実施例の構成を示す構成図である。図において、本実施例の警備システムの管制装置は、警備センタの管制室4内に実現されている。具体的には、管制室4内のセンタ装置10、操作用椅子20、読取装置15の他、管制室4の出入口30に設けられた読取装置31、管制室4の出入口30に設けられた体重測定装置32等から構成されている。
【0041】
管制室4の出入口30に設けられた体重測定装置32は、出入口30から入室した管制員7の体重を測定するものである。この体重測定装置32で測定された体重は、センタ装置10に送られる。尚、センタ装置10、読取装置15、31、ICタグ8及び操作用椅子20は、実施例1、実施例2及び実施例3と同様なので説明を省略する。
【0042】
次に、本実施例の警備システムの管制装置の動作について説明する。まず、監視卓11の操作を行う管制員7が、管制室4の出入口30を入ると、読取装置31により、携帯するICタグ8の認証情報がセンタ装置10に読み込まれる。そして、センタ装置10は、その読み取った認証情報が正しいか否かを判断する。もし、監視卓11の操作を許可されていない者の入室だと判断された場合には、以後の監視卓11の操作をできなくしたり、不審者が管制室4に入室したことを報知したりする。そして、監視卓11の操作を許可された者の入室であった場合には、特に処理を行う必要はないが、入室の記録をセンタ装置10内に記録しておくことは可能である。
【0043】
また、体重測定装置32が、出入口30を入った管制員7の体重を測定する。そして、体重測定装置32は、測定した体重をセンタ装置10に送る。センタ装置10は、送られた体重を記憶しておく。
【0044】
そして、管制室4に入室したICタグ8を携帯した管制員7は、操作用椅子20に着席する。すると、ICタグ8が読取装置15の読み取り可能な範囲に入ることから、読取装置15がICタグ8に記録された認証情報を読み取る。センタ装置10は、その読み取った認証情報が正しいか否かを判断する。また、体重測定手段22からの情報で、センタ装置10は管制員7が操作用椅子20に着席しているか否かを確認する。また、体重測定手段22で測定された管制員7の体重が、体重測定装置32で測定した体重の情報と合致するかを確認する。そして、測定した体重の差が所定以内であった場合には、着席している者が、管制室4に認証されたICタグ8を携帯して入室した管制員7だと判断される。そして、管制員7の認証がなされ、管制員7が着席している状態で、監視卓11での操作が可能になる。具体的な操作とは、警備情報の表示、警報に係る処理、警備に係る情報の登録・設定・閲覧等である。尚、認証と着席確認(体重確認)の順番はどちらが先でも、また同時であってもよい。
【0045】
このように、本実施例の警備システムの管制装置によれば、センタ装置10が、体重測定装置32で取得した体重の情報と、体重測定手段22で取得した体重の情報とを比較し、監視卓11の操作を許可された管制員7か否かを判断することから、操作を許可された管制員7か否かの判断を正確に行い、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0046】
尚、出入口30の体重測定装置32で測定した体重が、読込装置31で読み込まれた管制員7の体重としてあらかじめ記録されている情報と合致するか否かを判断することも可能である。あらかじめ記憶された体重と異なり、監視卓11の操作を許可されていない者の入室だと判断された場合には、以後の監視卓11の操作をできなくしたり、不審者が管制室4に入室したことを報知したりすることも可能である。そして、監視卓11の操作を許可された者の入室であった場合には、特に処理を行う必要はないが、入室の記録をセンタ装置10内に記録しておくことは可能である。
【0047】
また、操作用椅子20の体重測定手段22で体重を測定する代わりに、体重測定装置32で測定した情報を使うことも可能である。この場合、体重測定手段22は実施例1の着席検知手段21として機能させることになる。すなわち、実施例1の構成に、体重測定装置32を設けたような構成である。
【実施例5】
【0048】
図5は、本発明に係る警備システムの管制装置の第5の実施例の構成を示す構成図である。図において、本実施例の警備システムの管制装置は、警備センタの管制室5内に実現されている。具体的には、管制室5内のセンタ装置10、操作用椅子20、読取装置15の他、管制室5の出入口30に設けられた読取装置31、管制室5の出入口30に設けられた体重測定装置32等から構成されている。
【0049】
また、センタ装置10の監視卓11には、管制員7の勤務予定をあらかじめ予定データとして記憶したメモリ13と、管制員7の監視卓11の操作を操作データとして記憶するためのメモリ14とを備えている。
【0050】
次に、本実施例の警備システムの管制装置の動作について説明する。まず、監視卓11の操作を行う管制員7が、管制室5の出入口30を入ると、読取装置31により、携帯するICタグ8の認証情報がセンタ装置10に読み込まれる。そして、センタ装置10は、その読み取った認証情報が正しいか否かを判断する。もし、監視卓11の操作を許可されていない者の入室だと判断された場合には、以後の監視卓11の操作をできなくしたり、不審者が管制室5に入室したことを報知したりする。また、管制官7の勤務予定をメモリ13の予定データで確認し、勤務の予定が入っていないにもかかわらず管制室5に入室して来たと判断された場合には、以後の監視卓11の操作をできなくしたり、不審者が管制室5に入室したとして報知したりする。以降の操作は、実施例4と同様である。
【0051】
このように、本実施例の警備システムの管制装置によれば、センタ装置10が、管制員7の勤務予定を記憶し、その時間に監視卓11の操作を許可された管制員7か否かを判断することから、管制員7の操作を管理して、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0052】
また、管制員7が監視卓11で行った操作内容は、操作データとしてメモリ14に記憶するようにする。このように、操作内容を記憶することで、管制員7の不正操作をチャックでき、管制員7の不正操作を抑制することで警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が可能である。
【0053】
尚、本実施例では、予定データを記憶するためのメモリ13と、操作データを記憶するためのメモリ14の両方を備えているが、いずれか一方だけでも構わない。また、他の実施例の形態の監視卓11に、それぞれまたは両方のメモリ13,14を設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0054】
以上のように、本発明は、許可された管制員にしか操作を許さず、警備に係る機密情報の漏洩や改ざんを防止し、信頼性の高い警備情報の管理が必要である警備システムの管制装置に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る警備システムの管制装置の第1の実施例の構成を示す構成図である。
【図2】本発明に係る警備システムの管制装置の第2の実施例の構成を示す構成図である。
【図3】本発明に係る警備システムの管制装置の第3の実施例の構成を示す構成図である。
【図4】本発明に係る警備システムの管制装置の第4の実施例の構成を示す構成図である。
【図5】本発明に係る警備システムの管制装置の第5の実施例の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
【0056】
1〜5・・・管制室
7・・・・・管制員
8・・・・・ICタグ
10・・・・センタ装置
11・・・・監視卓
12・・・・通信装置
13・・・・メモリ
14・・・・メモリ
15・・・・読取装置
20・・・・操作用椅子
21・・・・着席検知手段
22・・・・体重測定手段
30・・・・出入口
31・・・・読取装置
32・・・・体重測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
警備対象施設の警備情報を送信する警備端末から該警備情報を取得し表示・管理する警備システムの管制装置において、
該警備端末と通信を行う通信装置と該警備情報を表示・管理する監視卓とからなるセンタ装置と、
該監視卓を操作する管制員が携帯する管制員の認証情報を記録した認証情報記憶手段から、該認証情報を読み取る管制員認証情報読取装置と、
該監視卓から所定距離以内に配置され、着席状態を検知する着席検知手段を有する操作用椅子とを備え、
該センタ装置が、該着席検知手段が該操作用椅子の着席を検知している状態で、該管制員認証情報読取装置で取得した該認証情報から、該監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断し、許可された管制員と判断した場合に、該監視卓の操作を認めることを特徴とする警備システムの管制装置。
【請求項2】
前記監視卓が設置された管制室の入口に、前記認証情報記憶手段から前記認証情報を読み取る入口用管制員認証情報読取装置を備え、
前記センタ装置が、該入口用管制員認証情報読取装置から該認証情報を取得して、前記管制員の該管制室への入室を管理することを特徴とする請求項1記載の警備システムの管制装置。
【請求項3】
前記操作用椅子に着席者の体重を測定する体重測定手段を備え、
前記センタ装置が、前記管制員認証情報読取装置で認証情報を取得した前記管制員の体重と、該体重測定手段で取得した体重の情報とを用いて、前記監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の警備システムの管制装置。
【請求項4】
前記管制室の入口に、入室者の体重を測定する入口用体重測定装置を備え、
前記センタ装置が、該入口用体重測定装置で取得した体重の情報と、前記体重測定手段で取得した体重の情報とを比較し、前記監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断することを特徴とする請求項3記載の警備システムの管制装置。
【請求項5】
前記センタ装置が、前記管制員の勤務予定を記憶し、その時間に前記監視卓の操作を許可された管制員か否かを判断することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の警備システムの管制装置。
【請求項6】
前記センタ装置が、実際に前記管制員が行った操作を記憶することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の警備システムの管制装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−331042(P2006−331042A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−153203(P2005−153203)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(000101400)アツミ電氣株式会社 (69)
【Fターム(参考)】