販売促進用ツール
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料、特にメイクアップ化粧料の販売促進に用いられる販売促進用ツールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、化粧品会社では、一連の新製品の広告や何らかのキャンペーンを行う場合、女優や歌手をキャンペーンモデルにして、化粧を施したモデルの顔をアップにした写真にキャッチフレーズを添えたポスターや卓上パネル等を大量に用意し、店頭に飾ったり顧客に配布したりして、一連の新製品を一まとまりのイメージとして顧客に浸透させることが行われている。そして、新製品自体については、専門の販売員が、店頭や訪問販売先で、顧客の要望をききながら、販売促進用の情報シート等に基づいて顧客に適した化粧料を推奨することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、競合する多数の化粧品会社が、殆ど似通った構成のポスターやパネルを、ほぼ同時期に店頭に出すため、ポスター等においてせっかく新製品の特徴を謳っても、顧客に対する訴求力が弱く、新製品の拡販につながりにくいという問題がある。特に、ファンデーションや口紅,アイブラウ,アイシャドウ等のメイクアップ化粧料の場合は、顧客自身が、どのような印象の顔にメイクアップしたいか、というイメージに基づいて色を選択して購入するのが普通であるため、どんな種類のどんな色のメイクアップ化粧料を組み合わせるとどんな印象の顔に仕上がるか、という具体的な情報が、正確に顧客に伝達されなければ、顧客は求めるメイクアップ化粧料を的確に選択することができない。したがって、上記のような、一連の新製品を一まとまりのイメージとして宣伝するポスター等では、このような情報が得られない。また、化粧料推奨用の販売促進情報シートは、各メイクアップ化粧料を種類別に説明するものが殆どで、目的とする顔の印象に応じてどのようなメイクアップ化粧料を組み合わすべきかについて明瞭にまとめたものはあまり作成されていない。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、どんな種類のメイクアップ化粧料を組み合わせるとどんな印象の顔になるかを視覚的に示すものであって、しかもその提示方法が非常に斬新で訴求効果の高い、優れた販売促進用ツールを提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明は、化粧料の販売促進のために用いられる販売促進用ツールであって、正面に広い開口を有する枠体と、上記枠体内に固定され上記正面開口を遮る剛性の固定シートと、上記固定シートに沿って枠体内外をスライドし、枠体内では上記固定シートの前後に重なった状態で保持され、枠体外に引き出された状態では互いが直接重なるよう設定された二重スライドシートとを備え、上記二重スライドシートが、枠体内において固定シートの手前に重なる透明シートと、固定シートの後ろに重なる剛性シートとで構成され、上記枠体の正面の一部もしくは固定シートにおいて枠体の開口から見える部分の一部に、メイクアップ化粧料が、その化粧料の色が見える状態でカラー印刷されており、上記二重スライドシートの剛性シートに、上記枠体もしくは固定シートに印刷されたメイクアップ化粧料を用いて化粧された人間の顔写真がカラー印刷され、同じく二重スライドシートの透明シートに、上記剛性シートに印刷された顔写真と同一の写真が、上記剛性シートと同一の配置で白黒印刷されており、上記二重スライドシートを枠体内に差し込んだ状態では、固定シートに重ねられた透明シートの白黒顔写真が枠体開口内に表示され、上記二重スライドシートを上方に引き出した状態では、二重スライドシートの引き出された部分に、剛性シートのカラー顔写真と透明シートの白黒顔写真とが重なって得られるカラー顔写真が表示されるようになっている販売促進用ツールを第1の要旨とするものである。
【0006】また、本発明は、上記販売促進用ツールのなかでも、特に、上記枠体と固定シートが一枚のシート材を組み立てることにより一体成形されている販売促進用ツールを第2の要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0008】図1は、本発明の一実施の形態を示している。
【0009】この販売促進用ツールは、四つの長方形状の表示部Pを環状に連結したもので、四角筒状に組み立てられている。すなわち、その四角筒の縦の一辺部1が係脱自在に形成されており、その係合を外すと、図2に示すように、1枚の帯状体2に展開できるようになっている。この帯状体2の一方の端縁3には、側方に突出する2個の係合用突片4が延設されており、反対側の端縁5(折り目)には、四角筒を形成する際の重なり代6が延設されている。そして、上記端縁5に、上記係合用突片4を差し込んで保持しうる切れ目7が形成されており、この切れ目7に、上記係合用突片4を差し込むことにより、図1のように、全体が四角筒状に組み立てられるようになっている。
【0010】上記帯状体2は、図3に示すように、係合用突片4と重なり代6と切れ目7とを備えた厚み1mmの厚紙からなる帯状のベースシート8と、これを四角筒状に組み立てた場合の四側面となる部分9に貼着される4個の枠体10と、各枠体10の上部開口から差し込まれ、上下方向にスライド自在に保持されるスライドシート11とで構成されている(枠体10とスライドシート11は各1個しか図示せず)。
【0011】なお、ベースシート8において、四角筒状に組み立てる際の折り目(全て山折り)を点線で示す。四角筒の四隅の縦辺となる部分(斜線部)が一定の幅を有しているのは、単なる折り目を縦辺とする場合に比べて、組み立てた四角筒を立てた場合に優れた安定性と型崩れしにくい強度とが得られるからである。
【0012】上記枠体10は、図4に示すような展開形状を有する1枚の厚紙(厚み0.2mm)を組み立てたもので、大きな開口12が形成された正面部13と、その後ろ側に折り返される背面部14と、上記背面部14の下端縁14aから延設され、正面部13と背面部14の間に挟持される固定シート15とを備えている。16,17は全体を袋状に形成するための重なり代で、重なり代16は背面部14の裏側に、重なり代17は正面部13の内側に、それぞれ貼着される。なお、18は単なる折り返し片で、枠体内10に差し込まれるスライドシート11の折り返し片19(図5参照)と係合して、スライドシート11の抜け止め作用を果たす。
【0013】したがって、上記枠体10を組み立てた状態では、その正面部13に形成された大きな開口12は、枠体10内の、背面部14の下端縁14aから上向きに延びる固定シート15によって、内側から完全に遮られている。
【0014】一方、上記枠体10にスライド自在に保持されるスライドシート11は、これを後ろ側から見た図5R>5(a)に示すように、厚み0.5mmの厚紙からなる剛性シート20の表面側に、厚み0.1mmのプラスチック製透明シート21を重ねた二重構造になっている。
【0015】上記剛性シート20の上端縁中央には円弧状の突出部22が延設されており、この部分を指で挟んでスライドシート11にスライド動作を与えることができるようになっている。また、上記剛性シート20の下端縁には、後ろ側に折り返される折り返し片19が延設されており、これが、すでに述べたように、枠体10側の折り返し片18と係合して、スライドシート11の抜け止めとなる。
【0016】そして、上記剛性シート20の表面に重ねられる透明シート21の上端縁には、その左右両側に延設部23が設けられており、この部分が、上記剛性シート20の上端部から後ろに折り返され、剛性シート20の裏面と貼り合わせられている。
【0017】上記スライドシート11は、これを枠体10内に差し込んだ状態の模式的な断面図である図5(b)に示すように、透明シート21が固定シート15の手前に重なり、剛性シート20が固定シート15の後ろに重なった状態で、枠体10内で保持されるようになっている。そして、この状態から、剛性シート20の突出部22を指でつまんで引き出すと、枠体10の外では、剛性シート20と透明シート21とが直接重なった状態で引き出されるようになっている。
【0018】この販売促進用ツールは、上記枠体10とスライドシート11からなる表示部Pを、四角筒状の四方の面にそれぞれ備えており(図1および図2参照)、各表示部Pごとに、どのような印象の顔をつくるのにどのようなメイクアップ化粧料を組み合わせたらよいかがわかるようになっている。したがって、4つの表示部Pによって、四種類の印象の異なる顔について、情報が得られるようになっている。
【0019】すなわち、まず、各表示部Pにおいて、各枠体10に差し込まれたスライドシート11の、上方に突出する部分25が、それぞれ異なる色に色分けされている。例えば、第1の表示部Pの突出部25は青緑色に着色されており、その部分に白抜きで「COOL」という見出し26が表示されている。したがって、この表示部Pでは、清涼感のある印象の顔とはどんな顔でそのためにどんなメイクアップ化粧料を用いるかが提示されるようになっている。また、同様に、第2の表示部Pの突出部25は紫色に着色されており、その部分に白抜きで「HOT&COOL」という見出し26が表示されている。さらに、第3の表示部Pの突出部25は萌葱色に着色されており、その部分に白抜きで「NATURAL」という見出しが表示されている。第4の表示部Pの突出部25はオレンジ色に着色されており、その部分に白抜きで「HOT NEON」という見出しが表示されている。
【0020】上記四つの表示部Pのうち、「COOL」の見出し26を有する表示部Pを例にとって、より詳しく説明する。まず、枠体10内の、固定シート15の正面を向く面(開口12から見える面)は、地が真っ白で、そこに、図6に示すように、口紅30と、マニキュア31と、目元や頬にメリハリを与えるデザイン化粧料32と、アイシャドウ33が、カラー写真で印刷されている。これらは、面の中央ではなく、ある程度右にずれた位置に配置され、それぞれの色が鮮明にわかるようになっている。そして、左下の部分には、小さな字で、各メイクアップ化粧料30〜33の商品名と色記号34が表示されている。
【0021】一方、上記枠体10内に差し込まれているスライドシート11のうち、剛性シート20の表面(透明シート21が重なる面)には、図7(a)に示すように、面の中央に大きく女性の顔写真40がカラー印刷されている。その顔は、上記固定シート15に印刷された口紅30等のメイクアップ化粧料を用いてメイクアップされており、肌の色や髪の色はもちろん、唇の薄紫色、目元の白っぽい肌色、めりはりのある陰影等が、鮮明な色で表現されている。なお、顔写真40の背景は真っ白である。
【0022】また、剛性シート20に重なる透明シート21には、図7(b)に示すように、上記剛性シート20に印刷された女性の顔写真と同一の写真41が、上記剛性シート20の顔写真40と完全に重なるよう同一の配置で白黒印刷されている。したがって、剛性シート20の表面に上記透明シート21を直接重ねると、図8(a)に示すように、剛性シート20に印刷されたカラーの顔写真40と、透明シート21に印刷された白黒写真41とが完全に重なる。なお、上記白黒写真41は、非常に淡い明度の濃淡に設定されており、全体に高い透明度で印刷されているため、上記カラーの顔写真40にごくわずかな陰影が加味される程度であって、顔写真40の色合いが損なわれることはない。
【0023】したがって、上記スライドシート11を枠体10内に差し込んだ状態では、図5(b)に示すように、上記透明シート21と剛性シート20の間に、固定シート15が介在し、これを正面から見ると、図8(b)に示すように、開口12内に、固定シート15と透明シート21が重なった状態で見える。すなわち、固定シート15に印刷されたメイクアップ化粧料群30〜33と、透明シート21に印刷された白黒写真41とが重なった図柄として示される。そして、上記スライドシート11を上方に引き出すと、図8(a)に示すように、スライドシート11の剛性シート20と透明シート21が直接重なった状態で引き出されるため、引き出された部分が、鮮やかなカラー写真となり、上記メイクアップ化粧料群30〜33を用いてメイクアップされた顔の印象を一目で把握することができる。そして、その顔は、スライドシート11の上部に表示された見出し26のとおり、清涼感あふれる印象になっている。なお、固定シート15に印刷されたメイクアップ化粧料群30〜33のうち、マニキュア31については、顔に付けるものではなく、顔の印象を左右するものではないが、例えばクールならクールのイメージで顔をメイクアップする場合、そのイメージに合うマニキュアとして、固定シート15に印刷されたマニキュア31を推奨する、という意味で併せて印刷されている。
【0024】そして、他の3つの表示部Pにおいても、それぞれ種類の異なるメイクアップ化粧料の組み合わせと、それによって得られる印象の異なる顔とが、同様の手法によって、提示されるようになっている。
【0025】このように、上記販売促進用ツールによれば、枠体10からスライドシート11を引き出すことにより、あたかも白黒の顔が瞬時にメイクアップされて彩りが与えられたかの印象を与え、顧客に対する訴求効果が高い。そして、その印象の顔を得るには、固定シート15に印刷されたメイクアップ化粧料30〜33を組み合わせて用いることが即座にわかるため、顧客がメイクアップ化粧料を選択する際、非常に有効な情報となる。したがって、顧客のメイクアップ化粧料に対する購買意欲が増進し、結果として販売促進につながるという効果を奏する。
【0026】なお、上記の例では、枠体10を、1枚の厚紙から組み立てることにより一体成形しているが、正面に広く開いた開口12を有する枠体10と、固定シート15とを備え、かつスライドシート11を、上記固定シート15の前後に重ねてスライド自在に保持することができる構造になっていれば、どのような構成であっても差し支えはない。
【0027】また、上記の例において、スライドシート11の透明シート21に印刷される白黒写真41は、その濃淡があまり濃く印刷されたものであると、スライドシート11を引き出した場合に、剛性シート20にカラー印刷された顔写真40の鮮やかな色合いの妨げとなるので、薄く設定することが好適である。
【0028】さらに、上記の例では、枠体10とスライドシート11の組み合わせからなる表示部Pを、帯状のベースシート8に4つ並べて取り付け、これを折り曲げて四角筒状に組み立てることによって、四種類の異なるイメージの顔とそれに用いるメイクアップ化粧料の組み合わせを同時に提示しているが、一つの販売促進用ツールにおいて、いくつの表示部Pを設定するかは特に限定されるものではなく、単一であっても、二以上の表示部Pを適宜に連結したものであっても差し支えはない。
【0029】また、上記の例では、メイクアップ化粧料群30〜33を、枠体10内の固定シート15に印刷しているが、必ずしもこれらを固定シート15に印刷する必要はなく、例えば図9(a)に示すように、枠体10の片側に、メイクアップ化粧料提示用の延設部50を設け、この部分にメイクアップ化粧料30〜33を印刷して示すようにしてもよい。そして、固定シート15もしくは枠体10の延設部50に提示するメイクアップ化粧料の種類は、上記の例に限らず、適宜の種類を組み合わせることができる。もちろん、ファンデーションやアイブラウ等も併せて提示することができる。
【0030】さらに、上記の例では、スライドシート11を上方に引き出すよう設定しているが、引き出す方向は、上方に限らず、図9(b)に示すように、左右方向、もしくは下方等、適宜の方向に設定することができる。そして、指で挟む部分として、スライドシート11に枠体10から突出する突出部25(23を含む)を設ける以外に、図9(b)に示すように、枠体10の縁部に切欠き51を形成し、この部分からスライドシート11を引き出すようにしても差し支えはない。
【0031】また、上記の例では、固定シート15の地と、スライドシート11の剛性シート20の背景の部分とが真っ白で、スライドシート11を枠体10内に差し込んだ状態では、開口12に表れる顔写真が白黒写真41そのままになるよう設定されているが、これはスライドシート11を引き出したときのカラー写真との対比が鮮明になることを考慮したものである。ただし、必ずしも地の色を真っ白にする必要はなく、顔の印象に応じて、ごく淡いブルーやピンク等に設定するようにしてもよい。その場合も、固定シート15の地の色と、剛性シート20の背景の色とは一致させておくことが好ましい。スライドシート11を引き出す前後において、顔写真の周囲の色は不変で、顔写真の部分のみメイクアップを施した色に変化することが、斬新な印象を与えるからである。
【0032】つぎに、実施例について説明する。
【0033】
【実施例】図1に示す販売促進用ツールを作製し、専門のモニター10人に、これを利用して自分の望むメイクアップ化粧料を選択させた。その結果、モニター10人とも、「求める顔のイメージをすぐに見ながら、そこに示されたメイクアップ化粧料30〜33を参考にしてメイクアップ化粧料を選択することができるため、効率がよかった。」「スライドシート11を引き出したときの顔の色変化がおもしろく、メイクアップ化粧料の選択が楽しかった。」等、肯定的に評価した。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の販売促進用ツールは、枠体とスライドシートという簡単な構成によって、どのようなメイクアップ化粧料の組み合わせでどのような印象の顔が得られるかを、一目で明確に示すことができる。特に、スライドシートを引き出すことにより、枠体内では白黒写真であったものを、その引き出された部分において、鮮やかなカラー写真に変えることができるため、あたかも白黒の顔が瞬時にメイクアップされて彩りが与えられたかの印象を与えることができ、顧客に対する訴求効果が高い。そして、その印象の顔を得るには、枠体側に印刷されたメイクアップ化粧料を組み合わせて用いることが即座にわかるため、顧客がメイクアップ化粧料を選択する際、非常に有効な情報となる。したがって、顧客のメイクアップ化粧料に対する購買意欲が増進し、結果として販売促進につながるという効果を奏する。
【0035】なお、本発明の販売促進用ツールのなかでも、特に、枠体と固定シートが一枚のシート材を組み立てることにより一体成形されたものは、上記の効果に加えて、構造が簡単で製造しやすく、また得られる枠体も非常に薄くすることができる、という利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】上記実施例の展開図である。
【図3】上記実施例の構成を示す分解図である。
【図4】上記実施例に用いる枠体の展開図である。
【図5】(a)は上記実施例に用いるスライドシート20を後ろ側から見た斜視図、(b)は上記スライドシートを枠体内に差し込んだ状態を示す模式的な縦断面図である。
【図6】上記実施例に用いる固定シートの図柄の説明図である。
【図7】(a)は上記実施例に用いる剛性シートの図柄の説明図、(b)は上記実施例に用いる透明シートの図柄の説明図である。
【図8】(a)は上記実施例に用いる剛性シートと透明シートを直接重ねた状態の図柄の説明図、(b)はこれを枠体内に差し込んだ状態の図柄の説明図である。
【図9】(a)は本発明の他の実施例の説明図、(b)は本発明のさらに他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
10 枠体
11 スライドシート
12 開口
15 固定シート
20 剛性シート
21 透明シート
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化粧料、特にメイクアップ化粧料の販売促進に用いられる販売促進用ツールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、化粧品会社では、一連の新製品の広告や何らかのキャンペーンを行う場合、女優や歌手をキャンペーンモデルにして、化粧を施したモデルの顔をアップにした写真にキャッチフレーズを添えたポスターや卓上パネル等を大量に用意し、店頭に飾ったり顧客に配布したりして、一連の新製品を一まとまりのイメージとして顧客に浸透させることが行われている。そして、新製品自体については、専門の販売員が、店頭や訪問販売先で、顧客の要望をききながら、販売促進用の情報シート等に基づいて顧客に適した化粧料を推奨することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、競合する多数の化粧品会社が、殆ど似通った構成のポスターやパネルを、ほぼ同時期に店頭に出すため、ポスター等においてせっかく新製品の特徴を謳っても、顧客に対する訴求力が弱く、新製品の拡販につながりにくいという問題がある。特に、ファンデーションや口紅,アイブラウ,アイシャドウ等のメイクアップ化粧料の場合は、顧客自身が、どのような印象の顔にメイクアップしたいか、というイメージに基づいて色を選択して購入するのが普通であるため、どんな種類のどんな色のメイクアップ化粧料を組み合わせるとどんな印象の顔に仕上がるか、という具体的な情報が、正確に顧客に伝達されなければ、顧客は求めるメイクアップ化粧料を的確に選択することができない。したがって、上記のような、一連の新製品を一まとまりのイメージとして宣伝するポスター等では、このような情報が得られない。また、化粧料推奨用の販売促進情報シートは、各メイクアップ化粧料を種類別に説明するものが殆どで、目的とする顔の印象に応じてどのようなメイクアップ化粧料を組み合わすべきかについて明瞭にまとめたものはあまり作成されていない。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、どんな種類のメイクアップ化粧料を組み合わせるとどんな印象の顔になるかを視覚的に示すものであって、しかもその提示方法が非常に斬新で訴求効果の高い、優れた販売促進用ツールを提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するため、本発明は、化粧料の販売促進のために用いられる販売促進用ツールであって、正面に広い開口を有する枠体と、上記枠体内に固定され上記正面開口を遮る剛性の固定シートと、上記固定シートに沿って枠体内外をスライドし、枠体内では上記固定シートの前後に重なった状態で保持され、枠体外に引き出された状態では互いが直接重なるよう設定された二重スライドシートとを備え、上記二重スライドシートが、枠体内において固定シートの手前に重なる透明シートと、固定シートの後ろに重なる剛性シートとで構成され、上記枠体の正面の一部もしくは固定シートにおいて枠体の開口から見える部分の一部に、メイクアップ化粧料が、その化粧料の色が見える状態でカラー印刷されており、上記二重スライドシートの剛性シートに、上記枠体もしくは固定シートに印刷されたメイクアップ化粧料を用いて化粧された人間の顔写真がカラー印刷され、同じく二重スライドシートの透明シートに、上記剛性シートに印刷された顔写真と同一の写真が、上記剛性シートと同一の配置で白黒印刷されており、上記二重スライドシートを枠体内に差し込んだ状態では、固定シートに重ねられた透明シートの白黒顔写真が枠体開口内に表示され、上記二重スライドシートを上方に引き出した状態では、二重スライドシートの引き出された部分に、剛性シートのカラー顔写真と透明シートの白黒顔写真とが重なって得られるカラー顔写真が表示されるようになっている販売促進用ツールを第1の要旨とするものである。
【0006】また、本発明は、上記販売促進用ツールのなかでも、特に、上記枠体と固定シートが一枚のシート材を組み立てることにより一体成形されている販売促進用ツールを第2の要旨とする。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
【0008】図1は、本発明の一実施の形態を示している。
【0009】この販売促進用ツールは、四つの長方形状の表示部Pを環状に連結したもので、四角筒状に組み立てられている。すなわち、その四角筒の縦の一辺部1が係脱自在に形成されており、その係合を外すと、図2に示すように、1枚の帯状体2に展開できるようになっている。この帯状体2の一方の端縁3には、側方に突出する2個の係合用突片4が延設されており、反対側の端縁5(折り目)には、四角筒を形成する際の重なり代6が延設されている。そして、上記端縁5に、上記係合用突片4を差し込んで保持しうる切れ目7が形成されており、この切れ目7に、上記係合用突片4を差し込むことにより、図1のように、全体が四角筒状に組み立てられるようになっている。
【0010】上記帯状体2は、図3に示すように、係合用突片4と重なり代6と切れ目7とを備えた厚み1mmの厚紙からなる帯状のベースシート8と、これを四角筒状に組み立てた場合の四側面となる部分9に貼着される4個の枠体10と、各枠体10の上部開口から差し込まれ、上下方向にスライド自在に保持されるスライドシート11とで構成されている(枠体10とスライドシート11は各1個しか図示せず)。
【0011】なお、ベースシート8において、四角筒状に組み立てる際の折り目(全て山折り)を点線で示す。四角筒の四隅の縦辺となる部分(斜線部)が一定の幅を有しているのは、単なる折り目を縦辺とする場合に比べて、組み立てた四角筒を立てた場合に優れた安定性と型崩れしにくい強度とが得られるからである。
【0012】上記枠体10は、図4に示すような展開形状を有する1枚の厚紙(厚み0.2mm)を組み立てたもので、大きな開口12が形成された正面部13と、その後ろ側に折り返される背面部14と、上記背面部14の下端縁14aから延設され、正面部13と背面部14の間に挟持される固定シート15とを備えている。16,17は全体を袋状に形成するための重なり代で、重なり代16は背面部14の裏側に、重なり代17は正面部13の内側に、それぞれ貼着される。なお、18は単なる折り返し片で、枠体内10に差し込まれるスライドシート11の折り返し片19(図5参照)と係合して、スライドシート11の抜け止め作用を果たす。
【0013】したがって、上記枠体10を組み立てた状態では、その正面部13に形成された大きな開口12は、枠体10内の、背面部14の下端縁14aから上向きに延びる固定シート15によって、内側から完全に遮られている。
【0014】一方、上記枠体10にスライド自在に保持されるスライドシート11は、これを後ろ側から見た図5R>5(a)に示すように、厚み0.5mmの厚紙からなる剛性シート20の表面側に、厚み0.1mmのプラスチック製透明シート21を重ねた二重構造になっている。
【0015】上記剛性シート20の上端縁中央には円弧状の突出部22が延設されており、この部分を指で挟んでスライドシート11にスライド動作を与えることができるようになっている。また、上記剛性シート20の下端縁には、後ろ側に折り返される折り返し片19が延設されており、これが、すでに述べたように、枠体10側の折り返し片18と係合して、スライドシート11の抜け止めとなる。
【0016】そして、上記剛性シート20の表面に重ねられる透明シート21の上端縁には、その左右両側に延設部23が設けられており、この部分が、上記剛性シート20の上端部から後ろに折り返され、剛性シート20の裏面と貼り合わせられている。
【0017】上記スライドシート11は、これを枠体10内に差し込んだ状態の模式的な断面図である図5(b)に示すように、透明シート21が固定シート15の手前に重なり、剛性シート20が固定シート15の後ろに重なった状態で、枠体10内で保持されるようになっている。そして、この状態から、剛性シート20の突出部22を指でつまんで引き出すと、枠体10の外では、剛性シート20と透明シート21とが直接重なった状態で引き出されるようになっている。
【0018】この販売促進用ツールは、上記枠体10とスライドシート11からなる表示部Pを、四角筒状の四方の面にそれぞれ備えており(図1および図2参照)、各表示部Pごとに、どのような印象の顔をつくるのにどのようなメイクアップ化粧料を組み合わせたらよいかがわかるようになっている。したがって、4つの表示部Pによって、四種類の印象の異なる顔について、情報が得られるようになっている。
【0019】すなわち、まず、各表示部Pにおいて、各枠体10に差し込まれたスライドシート11の、上方に突出する部分25が、それぞれ異なる色に色分けされている。例えば、第1の表示部Pの突出部25は青緑色に着色されており、その部分に白抜きで「COOL」という見出し26が表示されている。したがって、この表示部Pでは、清涼感のある印象の顔とはどんな顔でそのためにどんなメイクアップ化粧料を用いるかが提示されるようになっている。また、同様に、第2の表示部Pの突出部25は紫色に着色されており、その部分に白抜きで「HOT&COOL」という見出し26が表示されている。さらに、第3の表示部Pの突出部25は萌葱色に着色されており、その部分に白抜きで「NATURAL」という見出しが表示されている。第4の表示部Pの突出部25はオレンジ色に着色されており、その部分に白抜きで「HOT NEON」という見出しが表示されている。
【0020】上記四つの表示部Pのうち、「COOL」の見出し26を有する表示部Pを例にとって、より詳しく説明する。まず、枠体10内の、固定シート15の正面を向く面(開口12から見える面)は、地が真っ白で、そこに、図6に示すように、口紅30と、マニキュア31と、目元や頬にメリハリを与えるデザイン化粧料32と、アイシャドウ33が、カラー写真で印刷されている。これらは、面の中央ではなく、ある程度右にずれた位置に配置され、それぞれの色が鮮明にわかるようになっている。そして、左下の部分には、小さな字で、各メイクアップ化粧料30〜33の商品名と色記号34が表示されている。
【0021】一方、上記枠体10内に差し込まれているスライドシート11のうち、剛性シート20の表面(透明シート21が重なる面)には、図7(a)に示すように、面の中央に大きく女性の顔写真40がカラー印刷されている。その顔は、上記固定シート15に印刷された口紅30等のメイクアップ化粧料を用いてメイクアップされており、肌の色や髪の色はもちろん、唇の薄紫色、目元の白っぽい肌色、めりはりのある陰影等が、鮮明な色で表現されている。なお、顔写真40の背景は真っ白である。
【0022】また、剛性シート20に重なる透明シート21には、図7(b)に示すように、上記剛性シート20に印刷された女性の顔写真と同一の写真41が、上記剛性シート20の顔写真40と完全に重なるよう同一の配置で白黒印刷されている。したがって、剛性シート20の表面に上記透明シート21を直接重ねると、図8(a)に示すように、剛性シート20に印刷されたカラーの顔写真40と、透明シート21に印刷された白黒写真41とが完全に重なる。なお、上記白黒写真41は、非常に淡い明度の濃淡に設定されており、全体に高い透明度で印刷されているため、上記カラーの顔写真40にごくわずかな陰影が加味される程度であって、顔写真40の色合いが損なわれることはない。
【0023】したがって、上記スライドシート11を枠体10内に差し込んだ状態では、図5(b)に示すように、上記透明シート21と剛性シート20の間に、固定シート15が介在し、これを正面から見ると、図8(b)に示すように、開口12内に、固定シート15と透明シート21が重なった状態で見える。すなわち、固定シート15に印刷されたメイクアップ化粧料群30〜33と、透明シート21に印刷された白黒写真41とが重なった図柄として示される。そして、上記スライドシート11を上方に引き出すと、図8(a)に示すように、スライドシート11の剛性シート20と透明シート21が直接重なった状態で引き出されるため、引き出された部分が、鮮やかなカラー写真となり、上記メイクアップ化粧料群30〜33を用いてメイクアップされた顔の印象を一目で把握することができる。そして、その顔は、スライドシート11の上部に表示された見出し26のとおり、清涼感あふれる印象になっている。なお、固定シート15に印刷されたメイクアップ化粧料群30〜33のうち、マニキュア31については、顔に付けるものではなく、顔の印象を左右するものではないが、例えばクールならクールのイメージで顔をメイクアップする場合、そのイメージに合うマニキュアとして、固定シート15に印刷されたマニキュア31を推奨する、という意味で併せて印刷されている。
【0024】そして、他の3つの表示部Pにおいても、それぞれ種類の異なるメイクアップ化粧料の組み合わせと、それによって得られる印象の異なる顔とが、同様の手法によって、提示されるようになっている。
【0025】このように、上記販売促進用ツールによれば、枠体10からスライドシート11を引き出すことにより、あたかも白黒の顔が瞬時にメイクアップされて彩りが与えられたかの印象を与え、顧客に対する訴求効果が高い。そして、その印象の顔を得るには、固定シート15に印刷されたメイクアップ化粧料30〜33を組み合わせて用いることが即座にわかるため、顧客がメイクアップ化粧料を選択する際、非常に有効な情報となる。したがって、顧客のメイクアップ化粧料に対する購買意欲が増進し、結果として販売促進につながるという効果を奏する。
【0026】なお、上記の例では、枠体10を、1枚の厚紙から組み立てることにより一体成形しているが、正面に広く開いた開口12を有する枠体10と、固定シート15とを備え、かつスライドシート11を、上記固定シート15の前後に重ねてスライド自在に保持することができる構造になっていれば、どのような構成であっても差し支えはない。
【0027】また、上記の例において、スライドシート11の透明シート21に印刷される白黒写真41は、その濃淡があまり濃く印刷されたものであると、スライドシート11を引き出した場合に、剛性シート20にカラー印刷された顔写真40の鮮やかな色合いの妨げとなるので、薄く設定することが好適である。
【0028】さらに、上記の例では、枠体10とスライドシート11の組み合わせからなる表示部Pを、帯状のベースシート8に4つ並べて取り付け、これを折り曲げて四角筒状に組み立てることによって、四種類の異なるイメージの顔とそれに用いるメイクアップ化粧料の組み合わせを同時に提示しているが、一つの販売促進用ツールにおいて、いくつの表示部Pを設定するかは特に限定されるものではなく、単一であっても、二以上の表示部Pを適宜に連結したものであっても差し支えはない。
【0029】また、上記の例では、メイクアップ化粧料群30〜33を、枠体10内の固定シート15に印刷しているが、必ずしもこれらを固定シート15に印刷する必要はなく、例えば図9(a)に示すように、枠体10の片側に、メイクアップ化粧料提示用の延設部50を設け、この部分にメイクアップ化粧料30〜33を印刷して示すようにしてもよい。そして、固定シート15もしくは枠体10の延設部50に提示するメイクアップ化粧料の種類は、上記の例に限らず、適宜の種類を組み合わせることができる。もちろん、ファンデーションやアイブラウ等も併せて提示することができる。
【0030】さらに、上記の例では、スライドシート11を上方に引き出すよう設定しているが、引き出す方向は、上方に限らず、図9(b)に示すように、左右方向、もしくは下方等、適宜の方向に設定することができる。そして、指で挟む部分として、スライドシート11に枠体10から突出する突出部25(23を含む)を設ける以外に、図9(b)に示すように、枠体10の縁部に切欠き51を形成し、この部分からスライドシート11を引き出すようにしても差し支えはない。
【0031】また、上記の例では、固定シート15の地と、スライドシート11の剛性シート20の背景の部分とが真っ白で、スライドシート11を枠体10内に差し込んだ状態では、開口12に表れる顔写真が白黒写真41そのままになるよう設定されているが、これはスライドシート11を引き出したときのカラー写真との対比が鮮明になることを考慮したものである。ただし、必ずしも地の色を真っ白にする必要はなく、顔の印象に応じて、ごく淡いブルーやピンク等に設定するようにしてもよい。その場合も、固定シート15の地の色と、剛性シート20の背景の色とは一致させておくことが好ましい。スライドシート11を引き出す前後において、顔写真の周囲の色は不変で、顔写真の部分のみメイクアップを施した色に変化することが、斬新な印象を与えるからである。
【0032】つぎに、実施例について説明する。
【0033】
【実施例】図1に示す販売促進用ツールを作製し、専門のモニター10人に、これを利用して自分の望むメイクアップ化粧料を選択させた。その結果、モニター10人とも、「求める顔のイメージをすぐに見ながら、そこに示されたメイクアップ化粧料30〜33を参考にしてメイクアップ化粧料を選択することができるため、効率がよかった。」「スライドシート11を引き出したときの顔の色変化がおもしろく、メイクアップ化粧料の選択が楽しかった。」等、肯定的に評価した。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明の販売促進用ツールは、枠体とスライドシートという簡単な構成によって、どのようなメイクアップ化粧料の組み合わせでどのような印象の顔が得られるかを、一目で明確に示すことができる。特に、スライドシートを引き出すことにより、枠体内では白黒写真であったものを、その引き出された部分において、鮮やかなカラー写真に変えることができるため、あたかも白黒の顔が瞬時にメイクアップされて彩りが与えられたかの印象を与えることができ、顧客に対する訴求効果が高い。そして、その印象の顔を得るには、枠体側に印刷されたメイクアップ化粧料を組み合わせて用いることが即座にわかるため、顧客がメイクアップ化粧料を選択する際、非常に有効な情報となる。したがって、顧客のメイクアップ化粧料に対する購買意欲が増進し、結果として販売促進につながるという効果を奏する。
【0035】なお、本発明の販売促進用ツールのなかでも、特に、枠体と固定シートが一枚のシート材を組み立てることにより一体成形されたものは、上記の効果に加えて、構造が簡単で製造しやすく、また得られる枠体も非常に薄くすることができる、という利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】上記実施例の展開図である。
【図3】上記実施例の構成を示す分解図である。
【図4】上記実施例に用いる枠体の展開図である。
【図5】(a)は上記実施例に用いるスライドシート20を後ろ側から見た斜視図、(b)は上記スライドシートを枠体内に差し込んだ状態を示す模式的な縦断面図である。
【図6】上記実施例に用いる固定シートの図柄の説明図である。
【図7】(a)は上記実施例に用いる剛性シートの図柄の説明図、(b)は上記実施例に用いる透明シートの図柄の説明図である。
【図8】(a)は上記実施例に用いる剛性シートと透明シートを直接重ねた状態の図柄の説明図、(b)はこれを枠体内に差し込んだ状態の図柄の説明図である。
【図9】(a)は本発明の他の実施例の説明図、(b)は本発明のさらに他の実施例の説明図である。
【符号の説明】
10 枠体
11 スライドシート
12 開口
15 固定シート
20 剛性シート
21 透明シート
【特許請求の範囲】
【請求項1】 化粧料の販売促進のために用いられる販売促進用ツールであって、正面に広い開口を有する枠体と、上記枠体内に固定され上記正面開口を遮る剛性の固定シートと、上記固定シートに沿って枠体内外をスライドし、枠体内では上記固定シートの前後に重なった状態で保持され、枠体外に引き出された状態では互いが直接重なるよう設定された二重スライドシートとを備え、上記二重スライドシートが、枠体内において固定シートの手前に重なる透明シートと、固定シートの後ろに重なる剛性シートとで構成され、上記枠体の正面の一部もしくは固定シートにおいて枠体の開口から見える部分の一部に、メイクアップ化粧料が、その化粧料の色が見える状態でカラー印刷されており、上記二重スライドシートの剛性シートに、上記枠体もしくは固定シートに印刷されたメイクアップ化粧料を用いて化粧された人間の顔写真がカラー印刷され、同じく二重スライドシートの透明シートに、上記剛性シートに印刷された顔写真と同一の写真が、上記剛性シートと同一の配置で白黒印刷されており、上記二重スライドシートを枠体内に差し込んだ状態では、固定シートに重ねられた透明シートの白黒顔写真が枠体開口内に表示され、上記二重スライドシートを上方に引き出した状態では、二重スライドシートの引き出された部分に、剛性シートのカラー顔写真と透明シートの白黒顔写真とが重なって得られるカラー顔写真が表示されるようになっていることを特徴とする販売促進用ツール。
【請求項2】 上記枠体と固定シートが一枚のシート材を組み立てることにより一体成形されている請求項1記載の販売促進用ツール。
【請求項1】 化粧料の販売促進のために用いられる販売促進用ツールであって、正面に広い開口を有する枠体と、上記枠体内に固定され上記正面開口を遮る剛性の固定シートと、上記固定シートに沿って枠体内外をスライドし、枠体内では上記固定シートの前後に重なった状態で保持され、枠体外に引き出された状態では互いが直接重なるよう設定された二重スライドシートとを備え、上記二重スライドシートが、枠体内において固定シートの手前に重なる透明シートと、固定シートの後ろに重なる剛性シートとで構成され、上記枠体の正面の一部もしくは固定シートにおいて枠体の開口から見える部分の一部に、メイクアップ化粧料が、その化粧料の色が見える状態でカラー印刷されており、上記二重スライドシートの剛性シートに、上記枠体もしくは固定シートに印刷されたメイクアップ化粧料を用いて化粧された人間の顔写真がカラー印刷され、同じく二重スライドシートの透明シートに、上記剛性シートに印刷された顔写真と同一の写真が、上記剛性シートと同一の配置で白黒印刷されており、上記二重スライドシートを枠体内に差し込んだ状態では、固定シートに重ねられた透明シートの白黒顔写真が枠体開口内に表示され、上記二重スライドシートを上方に引き出した状態では、二重スライドシートの引き出された部分に、剛性シートのカラー顔写真と透明シートの白黒顔写真とが重なって得られるカラー顔写真が表示されるようになっていることを特徴とする販売促進用ツール。
【請求項2】 上記枠体と固定シートが一枚のシート材を組み立てることにより一体成形されている請求項1記載の販売促進用ツール。
【図2】
【図3】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図3】
【図1】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【特許番号】特許第3459350号(P3459350)
【登録日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【発行日】平成15年10月20日(2003.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平10−46924
【出願日】平成10年2月27日(1998.2.27)
【公開番号】特開平11−249573
【公開日】平成11年9月17日(1999.9.17)
【審査請求日】平成12年3月13日(2000.3.13)
【出願人】(000000952)カネボウ株式会社 (120)
【参考文献】
【文献】特開 昭61−56602(JP,A)
【文献】実開 平5−19928(JP,U)
【登録日】平成15年8月8日(2003.8.8)
【発行日】平成15年10月20日(2003.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成10年2月27日(1998.2.27)
【公開番号】特開平11−249573
【公開日】平成11年9月17日(1999.9.17)
【審査請求日】平成12年3月13日(2000.3.13)
【出願人】(000000952)カネボウ株式会社 (120)
【参考文献】
【文献】特開 昭61−56602(JP,A)
【文献】実開 平5−19928(JP,U)
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