説明

貯湯式給湯装置

【課題】輸送時のガタツキや部品の緩みを確実に防止した貯湯式給湯装置を提供するものである。
【解決手段】貯湯タンク1外周を保温材3で覆い、この保温材3の外周を外枠4で覆ったもので、前記貯湯タンク1を覆った保温材3の外径寸法を外枠4の外径寸法より大きくし、組立後の製品の上面及び側周が外側に膨らんだ形状としたので、多少の寸法誤差があっても、組立後の製品の上面及び側周を外側に膨らんだ形状となるので、運搬時のガタツキが確実に防止され、各部品が緩む心配もなくなるものであり、しかも極めて強固となり凹みや打痕も防止出来、更に上面は外側に膨らんで凹みはなくなって、雨水が溜まる不具合もなく腐食の心配もなくなり、常に安心して使用出来るものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、貯湯タンクの貯湯水を用いて浴槽の湯張りや給湯を行う貯湯式給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来よりこの種の給湯装置では、貯湯タンクの外周をグラスウール或いは発泡樹脂等の保温材で覆い保温、断熱すると共に、その外周を外枠で覆うものであり、この保温材を外枠の側周壁に広く面接触させて備えることで、強度の向上を図るものであった。(例えば、特許文献1参照。)
【特許文献1】実公平1−20607号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでこの従来のものでは、保温材と外枠とを密接する寸法としているが、全ての寸法を厳密に管理することは出来ず、それぞれの箇所で凹凸が発生し、保温材と外枠との間に隙間が生じて、これが製品の運搬時のガタツキの原因となり、各部品の緩みに発展する危険を有し、又屋外に設置されることが多いこの製品では、特に上面が寸法誤差で凹むと、雨水が溜まり腐食の原因になるものであった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
そこで、この発明は上記課題を解決する為、特にその構成を、貯湯タンク外周を保温材で覆い、この保温材の外周を外枠で覆ったものに於いて、前記貯湯タンクを覆った保温材の外径寸法を外枠の外径寸法より大きくし、組立後の製品の上面及び側周が外側に膨らんだ形状としたものである。
【発明の効果】
【0005】
この発明によれば、多少の寸法誤差があっても、組立後の製品の上面及び側周を外側に膨らんだ形状となるので、運搬時のガタツキが確実に防止され、各部品が緩む心配もなくなるものであり、しかも極めて強固となり凹みや打痕も防止出来、更に上面は外側に膨らんで凹みはなくなって、雨水が溜まる不具合もなく腐食の心配もなくなり、常に安心して使用出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
次にこの発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は円筒状の貯湯タンクで、電気ヒータやヒーポン室外機等の加熱手段(図示せず)を利用し、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯するものであり、上部には大きな口の開口部2が突出して備えられている。
3は前記貯湯タンク1外周を覆った耐熱性発泡ポリスチレンからなる保温材で、底部保温材3a、中央背面保温材3b、中央正面保温材3c、上部保温材3dに4分割されており、組立ることで貯湯タンク1と相似形の円筒状を呈すもので、開口部2には専用の円形保温材3eが設けられている。
【0007】
4は貯湯タンク1を覆った保温材3の外周を覆う正方形形状の外枠で、底板4a、コ字状の側板4b、この側板4bの蓋となる前面板4c、上面板4dに分割されていてネジ等で組み付けるものである。
5は貯湯タンク1底部から延長され底板4aを貫通して備えられた3本の支持脚である。
【0008】
前記貯湯タンク1を覆った保温材3の外径寸法は、直径約722mm、円形保温材3eを入れた高さ1721mmで、この保温材3の外周を覆う前記外枠4を一辺を約720mm、高さ1720mmとして、内方の保温材3の方を板厚もあるが片側0.5〜1mm大きくし、又上面も保温材3の方が1〜2mm突出する大きさとすることにより、組立後は上面及び側周が内方の保温材3で押され外側に膨らんだ形状(図面中点線が正規の外枠寸法)とすることで、寸法誤差で隙間が発生することがなく、保温材3は外枠4に密接しており、運搬時のガタキツがなくなり各部品が緩むこともないものであり、しかも極めて強固となり凹みや打痕も防止出来、更に上面は円形保温材3eがほぼ中央で突出することで、中央から端に向かってなだらかな傾斜面となり、凹みがなくて雨水が溜まらないのは勿論、雨水はこの傾斜面に沿ってスムーズに流れ腐食の心配は全くないものである。
【0009】
従来では保温材3と外枠4とは、互いに接するぎりぎりの設計で、部品精度の高さが求められる結果、製造に時間がかかり過ぎて量産性に欠けるものであり、更に無理して大量生産すると寸法誤差によって、保温材3と外枠4の間に隙間が生じてしまうので、ここではあえて内方の保温材3を外側の外枠4より大きくして、外側の外枠4を変形させることで、寸法精度に拘ることなく部品の製造が可能となり、量産に適した構成とすることが出来るものであり、しかも製品が大型であるので、変形してもそれほど目立たず、商品価値を低下させる心配もないものである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の一実施形態を示す貯湯式給湯装置の縦断面説明図。
【図2】同横断面説明図。
【符号の説明】
【0011】
1 貯湯タンク
3 保温材
4 外枠

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯湯タンク外周を保温材で覆い、この保温材の外周を外枠で覆ったものに於いて、前記貯湯タンクを覆った保温材の外径寸法を外枠の外径寸法より大きくし、組立後の製品の上面及び側周が外側に膨らんだ形状とした事を特徴とする貯湯式給湯装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2006−64339(P2006−64339A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250006(P2004−250006)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】