貯湯装置
【課題】貯湯タンクをタンク固定脚に固定する強度を向上させた貯湯装置を提供する。
【解決手段】貯湯タンク2を支持するタンク支持脚14側から挿通するボルト17と、貯湯タンク2を固定するタンク固定脚15に組付けられたナット18とで締結して貯湯タンク2を固定するものにおいて、ナット18は、円筒状のナット部24と、ナット部24よりも大径の座部25とを備えた座付ナット18で構成し、タンク固定脚15は、その上部にボルト17を挿通するためのボルト挿通穴22が形成されたタンク固定面19を有し、タンク固定面19の裏面には、少なくともボルト挿通穴22を挟むように対面したビード28を下方に突設して形成し、このビード28の内側であって、座部25側をタンク固定面19の裏面に当接させるように座付ナット18を配置して、ビード28を押し潰して座付ナット18を挟み込んで固定し、座付ナット18をタンク固定脚15に組付けた。
【解決手段】貯湯タンク2を支持するタンク支持脚14側から挿通するボルト17と、貯湯タンク2を固定するタンク固定脚15に組付けられたナット18とで締結して貯湯タンク2を固定するものにおいて、ナット18は、円筒状のナット部24と、ナット部24よりも大径の座部25とを備えた座付ナット18で構成し、タンク固定脚15は、その上部にボルト17を挿通するためのボルト挿通穴22が形成されたタンク固定面19を有し、タンク固定面19の裏面には、少なくともボルト挿通穴22を挟むように対面したビード28を下方に突設して形成し、このビード28の内側であって、座部25側をタンク固定面19の裏面に当接させるように座付ナット18を配置して、ビード28を押し潰して座付ナット18を挟み込んで固定し、座付ナット18をタンク固定脚15に組付けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、湯水を貯湯する貯湯タンクを有する貯湯装置において、貯湯タンクを固定すると共に、設置面に固定されるタンク固定脚の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の貯湯装置においては、特許文献1に開示されたものがあり、これを図8〜11に基づいて説明する。
101は貯湯タンクユニット、102は貯湯タンクユニット101内部に設けられ湯水を貯湯する貯湯タンク、103は貯湯タンクユニット101の筐体を構成する底板、104は貯湯タンク102を複数箇所で支持し底板103に固定するタンク支持脚、105は底板103の下部であってタンク支持脚104に対応する位置に複数設けられ、その上部で貯湯タンク102を固定すると共に、その底部で地面等の設置面と固定されるタンク固定脚である。前記タンク支持脚104と前記タンク固定脚105とは、タンク支持脚104の下面とタンク固定脚105の上面との間に底板103を挟んで、ボルト106と圧入ナット107で締結されているものである。
【0003】
ここで、タンク固定脚105及び圧入ナット107は、屋外設置に対応する耐食性確保のために各々表面処理が施されており、図10に示すように、圧入ナット107はタンク固定脚105上部に設けられたボルト挿通穴108に対して、表面処理を傷めないよう溶接加工はせずに圧入によって組付けられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−293969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来のものは、図11に示すように、圧入ナット107が固定される面に対して、圧入ナット107の接する座面が小さく、鉛直方向の力に対して圧入ナット107が抜けやすく、また回転方向に対しても回りやすいものであり、強度面を向上させる上で未だ改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記課題を解決するために、特に請求項1ではその構成を、湯水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクを支持する複数のタンク支持脚と、該タンク支持脚の下部であって前記タンク支持脚に対応する位置に複数設けられ前記貯湯タンクを固定するタンク固定脚とを備え、前記タンク支持脚側から挿通するボルトと、前記タンク固定脚に組付けられたナットとで締結することにより前記貯湯タンクを固定する貯湯装置において、前記ナットは、円筒状のナット部と、前記ナット部よりも大径の座部とを備えた座付ナットで構成し、前記タンク固定脚は、その上部に前記貯湯タンクを固定し前記ボルトを挿通するためのボルト挿通穴が形成されたタンク固定面を有し、該タンク固定面の裏面には、少なくとも前記ボルト挿通穴を挟むように対面したビードを下方に突設して形成し、このビードの内側であって、前記ボルト挿通穴に対応する位置に前記座部側を前記タンク固定面の裏面に当接させるように前記座付ナットを配置して、前記ビードを押し潰して前記座付ナットを挟み込んで固定し、前記座付ナットを前記タンク固定脚に組付けたものとした。
【0007】
また、請求項2では、前記ビードは、前記座付ナットに接触する側が肉厚になるように押し潰すものとした。
【0008】
また、請求項3では、前記座部は、その外周に直線形状の少なくとも1対の直線部を有し、前記ビードは前記直線部を挟み込んで固定するものとした。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1によれば、タンク固定脚に組付けるナットとして座付ナットを用いて、ビードを押し潰して座付ナットを固定したことで、タンク固定脚のタンク固定面の裏面に密着する座面が大きく、抜けに対する強度を増加させることができ、タンク固定脚に固定される貯湯タンクの地震等による揺れに対する安全性及び安定性を向上させることができるものである。
【0010】
また、請求項2によれば、ビードは、座付ナットに接触する側が肉厚になるように押し潰したことで、ビードのより多くの面を座付ナットに密着させることができ、より強固に座付ナットを固定でき、強度を増加させることができるものである。
【0011】
また、請求項3によれば、座部は、その外周に直線形状の少なくとも1対の直線部を有し、ビードは前記直線部を挟み込んで固定するので、回転方向に対する強度を増加させることができ、より強固に座付ナットを固定することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一実施形態の貯湯装置の正面図。
【図2】同一実施形態の貯湯装置のB−B’断面図。
【図3】同一実施形態の要部分解斜視図。
【図4】同一実施形態の座付ナットを示す図。
【図5】同一実施形態のタンク固定脚断面図。
【図6】同一実施形態のタンク固定脚のC−C’断面図。
【図7】同一実施形態のタンク固定脚に座付ナットを組付ける組付工程図。
【図8】従来の貯湯装置の正面図。
【図9】従来の貯湯装置のA−A’断面図。
【図10】従来の貯湯装置のタンク固定脚断面図。
【図11】従来のタンク固定脚に対する圧入ナットの座面の様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、この発明の一実施形態の貯湯装置を図面に基づき説明する。
1は配管及び機能部品が内蔵される貯湯タンクユニット、2は貯湯タンクユニット1内部に設けられ湯水を貯湯する貯湯タンク、3は貯湯タンク2の上部に接続された出湯管、4は貯湯タンク2の下部に接続された給水管である。
【0014】
前記貯湯タンクユニット1のユニット筐体5は、前面板6と、背面板7と、左右の側面板(図示せず)と、天板8と、底板9とから構成され、底板9よりも器具本体前面側の貯湯タンク2の頂部と底部の間の高さに位置に接続口取付板10が設けられ、接続口取付板10の下方を器具内側に後退させて段差凹み部11として外部配管を接続する空間とし、その上部がオーバーハングして前面板6および左右の側面板の突出部分に囲まれた各機能部品および配管を収納する空間としているものである。
【0015】
前記接続口取付板10には、内部配管と外部配管とを各々接続する複数の継手12が設けられて配管接続部13を構成しているものである。この複数の継手12を介して器具内部の給水管4や給湯管(図示せず)、湯張り管(図示せず)等を器具外部の配管と接続するようにしているものである。
【0016】
14は貯湯タンク2の底部外周に配置され、貯湯タンク2を複数箇所で支持し底板9に固定するタンク支持脚、15は底板9の下部であってタンク支持脚14に対応する位置に複数設けられ、貯湯タンク2を固定するタンク固定脚であり、タンク支持脚14とタンク固定脚15とは、タンク支持脚14の下面とタンク固定脚15の上面との間に底板9を挟んで、タンク支持脚14下部に座金16を配置し、タンク支持脚14側から挿通するボルト17とタンク固定脚15に組付けられたナット18とで締結されるものである。
【0017】
前記タンク固定脚15は、その上部で貯湯タンク2を固定するタンク固定面19と、その底部でアンカーボルト(図示せず)によって地面等の設置面と固定される設置固定面20と、タンク固定面19と設置固定面20とを繋ぐ脚柱面21とを有し、前記タンク固定面19には、ボルト17を挿通するためのボルト挿通穴22が形成され、前記設置固定面20には、アンカーボルトを挿通するためのアンカーボルト挿通穴23が形成されているものである。
【0018】
ここで、タンク固定脚15に組付けられるナット18は、図4に示すように、円筒状のナット部24と、ナット部24よりも大径の座部25とを備えた座付ナットで構成されており、座付ナット18の内部はボルト17と螺合するためのネジ切り(図示せず)がなされているものである。また、前記座部25の外周は1対の直線形状の直線部26と、その直線部26と隣り合う1対の円弧形状の円弧部27とを有しているものである。
【0019】
前記座付ナット18は、図5に示すように、タンク固定面19の裏面に組付けられるものであり、タンク固定面19の裏面には、図5及び図6に示すように、ボルト挿通穴22から所定間隔をあけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面し、下方に突設した1対の直線状のビード28が形成されると共に、ボルト挿通穴22から所定間隔をあけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面し下方に突設した座付ナット18位置決め用の1対の突起29が形成されるものである。
【0020】
前記ビード28及び突起29は、座付ナット18を組付ける前に形成されるものであり、座付ナット18をボルト挿通穴22に対応した位置に配置した座付ナット18の組付けを想定した場合に、前記ビード28は、座付ナット18の座部25の直線部26の外方で、直線部26と接する位置または直線部26の直近に形成され、また、前記突起29は、座付ナット18の座部25の円弧部27の外方で、円弧部27と接する位置または円弧部27の直近に形成されるもので、ビード28及び突起29は、座付ナット18の四方を囲うようにタンク固定面19の裏面に形成され、ボルト挿通穴22に対する座付ナット18の位置決めが簡易に行われるものである。
【0021】
次に、座付ナット18をタンク固定脚15に組付ける工程を図7に基づいて説明すると、まず、図7(ア)に示すように、タンク固定面19の裏面に、ボルト挿通穴22から所定の間隔をあけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面し、座付ナット18を組付ける側に突設した1対の直線状のビード28を形成すると共に、図示されていないが、ボルト挿通穴22から所定の間隔をあけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面し、座付ナット18を組付ける側に突設した座付ナット18位置決め用の1対の突起29を形成し、ビード28及び突起29の内方にナット受け部30を形成する。
【0022】
続いて、図7(イ)に示すように、ナット受け部30に対して、座部25側がタンク固定面19の裏面に当接するように座付ナット18を配置する。この時、座付ナット18の直線部26がビード28と対面すると共に、座付ナット18の円弧部27が突起29と対面するような向きで、座付ナット18はナット受け部30に配置されるものである。
【0023】
次に、図7(ウ)に示すように、座付ナット18をタンク固定脚15に固定する工程について説明するが、ここでは、図面上右半分のみを用いて説明する。前記ナット受け部30に座付ナット18を配置した後、タンク固定面19及びタンク固定面19の裏面及び座付ナット18を固定するための型1、型2、型3を図7(ウ)に示すように配置し、型2と型3の間をビード28に向かって型4をスライドさせていく。
【0024】
そして、型4によってビード28を押し潰して座付ナット18の座部25の直線部26に密着させ、ビード28によって座付ナット18の座部25を挟み込んでかしめ固定するものであるが、この時、図7(エ)に示すように、ビード28は、座付ナット18の直線部26に接触する側が肉厚になるように押し潰されるものである。
【0025】
最後に、図7(オ)に示すように、型1、型2、型3、型4を外して、タンク固定脚15への座付ナット18の組付け工程が完了するものである。
【0026】
以上説明した組付け工程において、タンク固定脚15に組付けるナットとして座付ナット18を用いて、タンク固定面19の裏面のボルト挿通穴22に対応する位置に配置した座付ナット18を、ビード28を押し潰してかしめ固定したことで、図7(オ)に示すように、タンク固定脚15のタンク固定面19の裏面に密着する座面が大きく、座付ナット18の抜けに対する強度を増加させることができ、さらに、ビード28は座部25の直線部26を挟み込んでかしめ固定するので、座付ナット18の回転方向に対する強度を増加させることができ、より強固に座付ナット18を固定することができ、タンク固定脚15に載置固定される貯湯タンクユニット1や貯湯タンク2の地震等による揺れに対する安全性及び安定性を向上させることができるものである。
【0027】
また、図7(エ)、(オ)に示すように、ビード28を座付ナット18の直線部26に接触する側が肉厚になるように押し潰したことで、ビード28のより多くの面を座付ナット18の座部25に密着させることができ、より強固に座付ナット18を固定でき、強度を増加させることができるものである。
【0028】
また、座付ナット18は、従来採用していた圧入ナットに比べて、比較的安価に購入することができるので、コストを抑えることができ経済的である。
【0029】
なお、本発明は先に説明した一実施形態に限定されるものでなく、本実施形態では、ビード28は、ボルト挿通穴22から所定間隔あけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面して1対設けられているが、ビード28は少なくともボルト挿通穴22を挟むように対面していればよいものであり、ビード28はボルト挿通穴22から所定間隔あけた外周の全周にかけてボルト挿通穴22を囲むように設けられていてもよく、また、ビード28は2対またはそれ以上設けられていてもよく、対をなす場合は少なくとも1対以上あればよいものである。
【符号の説明】
【0030】
2 貯湯タンク
14 タンク支持脚
15 タンク固定脚
17 ボルト
18 座付ナット
19 タンク固定面
22 ボルト挿通穴
24 ナット部
25 座部
26 直線部
28 ビード
【技術分野】
【0001】
この発明は、湯水を貯湯する貯湯タンクを有する貯湯装置において、貯湯タンクを固定すると共に、設置面に固定されるタンク固定脚の構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の貯湯装置においては、特許文献1に開示されたものがあり、これを図8〜11に基づいて説明する。
101は貯湯タンクユニット、102は貯湯タンクユニット101内部に設けられ湯水を貯湯する貯湯タンク、103は貯湯タンクユニット101の筐体を構成する底板、104は貯湯タンク102を複数箇所で支持し底板103に固定するタンク支持脚、105は底板103の下部であってタンク支持脚104に対応する位置に複数設けられ、その上部で貯湯タンク102を固定すると共に、その底部で地面等の設置面と固定されるタンク固定脚である。前記タンク支持脚104と前記タンク固定脚105とは、タンク支持脚104の下面とタンク固定脚105の上面との間に底板103を挟んで、ボルト106と圧入ナット107で締結されているものである。
【0003】
ここで、タンク固定脚105及び圧入ナット107は、屋外設置に対応する耐食性確保のために各々表面処理が施されており、図10に示すように、圧入ナット107はタンク固定脚105上部に設けられたボルト挿通穴108に対して、表面処理を傷めないよう溶接加工はせずに圧入によって組付けられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−293969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、この従来のものは、図11に示すように、圧入ナット107が固定される面に対して、圧入ナット107の接する座面が小さく、鉛直方向の力に対して圧入ナット107が抜けやすく、また回転方向に対しても回りやすいものであり、強度面を向上させる上で未だ改善の余地があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は上記課題を解決するために、特に請求項1ではその構成を、湯水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクを支持する複数のタンク支持脚と、該タンク支持脚の下部であって前記タンク支持脚に対応する位置に複数設けられ前記貯湯タンクを固定するタンク固定脚とを備え、前記タンク支持脚側から挿通するボルトと、前記タンク固定脚に組付けられたナットとで締結することにより前記貯湯タンクを固定する貯湯装置において、前記ナットは、円筒状のナット部と、前記ナット部よりも大径の座部とを備えた座付ナットで構成し、前記タンク固定脚は、その上部に前記貯湯タンクを固定し前記ボルトを挿通するためのボルト挿通穴が形成されたタンク固定面を有し、該タンク固定面の裏面には、少なくとも前記ボルト挿通穴を挟むように対面したビードを下方に突設して形成し、このビードの内側であって、前記ボルト挿通穴に対応する位置に前記座部側を前記タンク固定面の裏面に当接させるように前記座付ナットを配置して、前記ビードを押し潰して前記座付ナットを挟み込んで固定し、前記座付ナットを前記タンク固定脚に組付けたものとした。
【0007】
また、請求項2では、前記ビードは、前記座付ナットに接触する側が肉厚になるように押し潰すものとした。
【0008】
また、請求項3では、前記座部は、その外周に直線形状の少なくとも1対の直線部を有し、前記ビードは前記直線部を挟み込んで固定するものとした。
【発明の効果】
【0009】
この発明の請求項1によれば、タンク固定脚に組付けるナットとして座付ナットを用いて、ビードを押し潰して座付ナットを固定したことで、タンク固定脚のタンク固定面の裏面に密着する座面が大きく、抜けに対する強度を増加させることができ、タンク固定脚に固定される貯湯タンクの地震等による揺れに対する安全性及び安定性を向上させることができるものである。
【0010】
また、請求項2によれば、ビードは、座付ナットに接触する側が肉厚になるように押し潰したことで、ビードのより多くの面を座付ナットに密着させることができ、より強固に座付ナットを固定でき、強度を増加させることができるものである。
【0011】
また、請求項3によれば、座部は、その外周に直線形状の少なくとも1対の直線部を有し、ビードは前記直線部を挟み込んで固定するので、回転方向に対する強度を増加させることができ、より強固に座付ナットを固定することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一実施形態の貯湯装置の正面図。
【図2】同一実施形態の貯湯装置のB−B’断面図。
【図3】同一実施形態の要部分解斜視図。
【図4】同一実施形態の座付ナットを示す図。
【図5】同一実施形態のタンク固定脚断面図。
【図6】同一実施形態のタンク固定脚のC−C’断面図。
【図7】同一実施形態のタンク固定脚に座付ナットを組付ける組付工程図。
【図8】従来の貯湯装置の正面図。
【図9】従来の貯湯装置のA−A’断面図。
【図10】従来の貯湯装置のタンク固定脚断面図。
【図11】従来のタンク固定脚に対する圧入ナットの座面の様子を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、この発明の一実施形態の貯湯装置を図面に基づき説明する。
1は配管及び機能部品が内蔵される貯湯タンクユニット、2は貯湯タンクユニット1内部に設けられ湯水を貯湯する貯湯タンク、3は貯湯タンク2の上部に接続された出湯管、4は貯湯タンク2の下部に接続された給水管である。
【0014】
前記貯湯タンクユニット1のユニット筐体5は、前面板6と、背面板7と、左右の側面板(図示せず)と、天板8と、底板9とから構成され、底板9よりも器具本体前面側の貯湯タンク2の頂部と底部の間の高さに位置に接続口取付板10が設けられ、接続口取付板10の下方を器具内側に後退させて段差凹み部11として外部配管を接続する空間とし、その上部がオーバーハングして前面板6および左右の側面板の突出部分に囲まれた各機能部品および配管を収納する空間としているものである。
【0015】
前記接続口取付板10には、内部配管と外部配管とを各々接続する複数の継手12が設けられて配管接続部13を構成しているものである。この複数の継手12を介して器具内部の給水管4や給湯管(図示せず)、湯張り管(図示せず)等を器具外部の配管と接続するようにしているものである。
【0016】
14は貯湯タンク2の底部外周に配置され、貯湯タンク2を複数箇所で支持し底板9に固定するタンク支持脚、15は底板9の下部であってタンク支持脚14に対応する位置に複数設けられ、貯湯タンク2を固定するタンク固定脚であり、タンク支持脚14とタンク固定脚15とは、タンク支持脚14の下面とタンク固定脚15の上面との間に底板9を挟んで、タンク支持脚14下部に座金16を配置し、タンク支持脚14側から挿通するボルト17とタンク固定脚15に組付けられたナット18とで締結されるものである。
【0017】
前記タンク固定脚15は、その上部で貯湯タンク2を固定するタンク固定面19と、その底部でアンカーボルト(図示せず)によって地面等の設置面と固定される設置固定面20と、タンク固定面19と設置固定面20とを繋ぐ脚柱面21とを有し、前記タンク固定面19には、ボルト17を挿通するためのボルト挿通穴22が形成され、前記設置固定面20には、アンカーボルトを挿通するためのアンカーボルト挿通穴23が形成されているものである。
【0018】
ここで、タンク固定脚15に組付けられるナット18は、図4に示すように、円筒状のナット部24と、ナット部24よりも大径の座部25とを備えた座付ナットで構成されており、座付ナット18の内部はボルト17と螺合するためのネジ切り(図示せず)がなされているものである。また、前記座部25の外周は1対の直線形状の直線部26と、その直線部26と隣り合う1対の円弧形状の円弧部27とを有しているものである。
【0019】
前記座付ナット18は、図5に示すように、タンク固定面19の裏面に組付けられるものであり、タンク固定面19の裏面には、図5及び図6に示すように、ボルト挿通穴22から所定間隔をあけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面し、下方に突設した1対の直線状のビード28が形成されると共に、ボルト挿通穴22から所定間隔をあけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面し下方に突設した座付ナット18位置決め用の1対の突起29が形成されるものである。
【0020】
前記ビード28及び突起29は、座付ナット18を組付ける前に形成されるものであり、座付ナット18をボルト挿通穴22に対応した位置に配置した座付ナット18の組付けを想定した場合に、前記ビード28は、座付ナット18の座部25の直線部26の外方で、直線部26と接する位置または直線部26の直近に形成され、また、前記突起29は、座付ナット18の座部25の円弧部27の外方で、円弧部27と接する位置または円弧部27の直近に形成されるもので、ビード28及び突起29は、座付ナット18の四方を囲うようにタンク固定面19の裏面に形成され、ボルト挿通穴22に対する座付ナット18の位置決めが簡易に行われるものである。
【0021】
次に、座付ナット18をタンク固定脚15に組付ける工程を図7に基づいて説明すると、まず、図7(ア)に示すように、タンク固定面19の裏面に、ボルト挿通穴22から所定の間隔をあけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面し、座付ナット18を組付ける側に突設した1対の直線状のビード28を形成すると共に、図示されていないが、ボルト挿通穴22から所定の間隔をあけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面し、座付ナット18を組付ける側に突設した座付ナット18位置決め用の1対の突起29を形成し、ビード28及び突起29の内方にナット受け部30を形成する。
【0022】
続いて、図7(イ)に示すように、ナット受け部30に対して、座部25側がタンク固定面19の裏面に当接するように座付ナット18を配置する。この時、座付ナット18の直線部26がビード28と対面すると共に、座付ナット18の円弧部27が突起29と対面するような向きで、座付ナット18はナット受け部30に配置されるものである。
【0023】
次に、図7(ウ)に示すように、座付ナット18をタンク固定脚15に固定する工程について説明するが、ここでは、図面上右半分のみを用いて説明する。前記ナット受け部30に座付ナット18を配置した後、タンク固定面19及びタンク固定面19の裏面及び座付ナット18を固定するための型1、型2、型3を図7(ウ)に示すように配置し、型2と型3の間をビード28に向かって型4をスライドさせていく。
【0024】
そして、型4によってビード28を押し潰して座付ナット18の座部25の直線部26に密着させ、ビード28によって座付ナット18の座部25を挟み込んでかしめ固定するものであるが、この時、図7(エ)に示すように、ビード28は、座付ナット18の直線部26に接触する側が肉厚になるように押し潰されるものである。
【0025】
最後に、図7(オ)に示すように、型1、型2、型3、型4を外して、タンク固定脚15への座付ナット18の組付け工程が完了するものである。
【0026】
以上説明した組付け工程において、タンク固定脚15に組付けるナットとして座付ナット18を用いて、タンク固定面19の裏面のボルト挿通穴22に対応する位置に配置した座付ナット18を、ビード28を押し潰してかしめ固定したことで、図7(オ)に示すように、タンク固定脚15のタンク固定面19の裏面に密着する座面が大きく、座付ナット18の抜けに対する強度を増加させることができ、さらに、ビード28は座部25の直線部26を挟み込んでかしめ固定するので、座付ナット18の回転方向に対する強度を増加させることができ、より強固に座付ナット18を固定することができ、タンク固定脚15に載置固定される貯湯タンクユニット1や貯湯タンク2の地震等による揺れに対する安全性及び安定性を向上させることができるものである。
【0027】
また、図7(エ)、(オ)に示すように、ビード28を座付ナット18の直線部26に接触する側が肉厚になるように押し潰したことで、ビード28のより多くの面を座付ナット18の座部25に密着させることができ、より強固に座付ナット18を固定でき、強度を増加させることができるものである。
【0028】
また、座付ナット18は、従来採用していた圧入ナットに比べて、比較的安価に購入することができるので、コストを抑えることができ経済的である。
【0029】
なお、本発明は先に説明した一実施形態に限定されるものでなく、本実施形態では、ビード28は、ボルト挿通穴22から所定間隔あけて、ボルト挿通穴22を挟むように対面して1対設けられているが、ビード28は少なくともボルト挿通穴22を挟むように対面していればよいものであり、ビード28はボルト挿通穴22から所定間隔あけた外周の全周にかけてボルト挿通穴22を囲むように設けられていてもよく、また、ビード28は2対またはそれ以上設けられていてもよく、対をなす場合は少なくとも1対以上あればよいものである。
【符号の説明】
【0030】
2 貯湯タンク
14 タンク支持脚
15 タンク固定脚
17 ボルト
18 座付ナット
19 タンク固定面
22 ボルト挿通穴
24 ナット部
25 座部
26 直線部
28 ビード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
湯水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクを支持する複数のタンク支持脚と、該タンク支持脚の下部であって前記タンク支持脚に対応する位置に複数設けられ前記貯湯タンクを固定するタンク固定脚とを備え、前記タンク支持脚側から挿通するボルトと、前記タンク固定脚に組付けられたナットとで締結することにより前記貯湯タンクを固定する貯湯装置において、前記ナットは、円筒状のナット部と、前記ナット部よりも大径の座部とを備えた座付ナットで構成し、前記タンク固定脚は、その上部に前記貯湯タンクを固定し前記ボルトを挿通するためのボルト挿通穴が形成されたタンク固定面を有し、該タンク固定面の裏面には、少なくとも前記ボルト挿通穴を挟むように対面したビードを下方に突設して形成し、このビードの内側であって、前記ボルト挿通穴に対応する位置に前記座部側を前記タンク固定面の裏面に当接させるように前記座付ナットを配置して、前記ビードを押し潰して前記座付ナットを挟み込んで固定し、前記座付ナットを前記タンク固定脚に組付けたことを特徴とする貯湯装置。
【請求項2】
前記ビードは、前記座付ナットに接触する側が肉厚になるように押し潰すようにしたことを特徴とする請求項1記載の貯湯装置。
【請求項3】
前記座部は、その外周に直線形状の少なくとも1対の直線部を有し、前記ビードは前記直線部を挟み込んで固定するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の貯湯装置。
【請求項1】
湯水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクを支持する複数のタンク支持脚と、該タンク支持脚の下部であって前記タンク支持脚に対応する位置に複数設けられ前記貯湯タンクを固定するタンク固定脚とを備え、前記タンク支持脚側から挿通するボルトと、前記タンク固定脚に組付けられたナットとで締結することにより前記貯湯タンクを固定する貯湯装置において、前記ナットは、円筒状のナット部と、前記ナット部よりも大径の座部とを備えた座付ナットで構成し、前記タンク固定脚は、その上部に前記貯湯タンクを固定し前記ボルトを挿通するためのボルト挿通穴が形成されたタンク固定面を有し、該タンク固定面の裏面には、少なくとも前記ボルト挿通穴を挟むように対面したビードを下方に突設して形成し、このビードの内側であって、前記ボルト挿通穴に対応する位置に前記座部側を前記タンク固定面の裏面に当接させるように前記座付ナットを配置して、前記ビードを押し潰して前記座付ナットを挟み込んで固定し、前記座付ナットを前記タンク固定脚に組付けたことを特徴とする貯湯装置。
【請求項2】
前記ビードは、前記座付ナットに接触する側が肉厚になるように押し潰すようにしたことを特徴とする請求項1記載の貯湯装置。
【請求項3】
前記座部は、その外周に直線形状の少なくとも1対の直線部を有し、前記ビードは前記直線部を挟み込んで固定するようにしたことを特徴とする請求項1または2記載の貯湯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−237061(P2011−237061A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−106896(P2010−106896)
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月7日(2010.5.7)
【出願人】(000000538)株式会社コロナ (753)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]