説明

資料提示装置

【課題】電源や外部機器等と接続する接続ケーブルの引き回しを容易にできるとともに、ステージの回動により、資料の移動の邪魔となる撮像カメラのアームの支持部の位置を移動させて、ステージ上の資料の向きを回動前の向きで拡大表示できる資料提示装置を提供する。
【解決手段】ステージ4及び入出力コネクタ5の位置の移動が簡単で、電源や外部機器等と接続する接続ケーブルの引き回しを容易にできるとともに、ステージ4の回動により、資料Pの移動の邪魔となる撮像カメラ7のアーム8の支持部9の位置を移動させて、ステージ4上の資料Pの向きを、説明に便利なステージ4の回動前の向きで拡大表示できる資料提示装置を安価に提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステージ上に載置した資料の撮像画像を、モニターやスクリーン等に表示させる資料提示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の資料提示装置では、プロジェクター・モニター等の外部機器及び電源接続用の入出力コネクタが本体装置の背面に設置される場合が多い。従って、接続ケーブルを本体装置の背面に引き回す必要がある。このため、本体装置や外部機器の設置場所によっては、接続ケーブルの引き回しが煩雑となるばかりでなく、その取りまとめが面倒である。
【0003】
また、資料提示装置はステージの隅角部に撮像カメラのアームの支持部が配設されているものがある。この場合、図5(a)に示すようにこの支持部9が邪魔になって、ステージ4に載置した資料PをY方向へ移動することができず、該支持部9と対角位置にある部分Xを拡大表示することができない。この場合、資料を横向きし映像回転機能により、撮像映像を90度回転させて拡大表示する方法もあるが、横向きの資料を見ながら説明するのは難しい。
尚、特開2003−32516号公報及び特開2004−80178号公報には、回転ステージを設けて載置した資料を回転する資料提示装置が開示されている。しかしながら、これらはステージと基台とを相対回動自在としたものではない。
【特許文献1】特開2003−32516号公報
【特許文献2】特開2004−80178号号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、電源や外部機器等と接続する接続ケーブルの引き回しを容易にできるとともに、ステージの回動により、資料の移動の邪魔となる撮像カメラのアームの支持部の位置を移動させて、ステージ上の資料の向きを該ステージの回動前の向きで拡大表示できる資料提示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するための請求項1に記載の資料提示装置は、隅角部に撮像カメラのアームの支持部を配設し、中央部に資料載置面を設けるとともに、前記撮像カメラの制御回路及び操作パネルとを搭載したステージと、外部機器及び電源接続用の入出力用コネクタを配設した基台と、前記ステージと基台とを相対回動自在に連結する相対回動機構と、前記ステージに搭載した制御回路と基台に配設した入出力用コネクタ間を接続する電気的接続手段と、撮像映像を90度毎回転させて、正立像を出力表示させる映像回転処理手段と、該映像回転処理手段を作動させる作動ボタンとから構成したことを特徴とする。
【0006】
上記問題点を解決するための請求項2に記載の資料提示装置は、隅角部に撮像カメラのアームの支持部を配設し、中央部に資料載置面を設けるとともに、前記撮像カメラの制御回路及び操作パネルとを搭載したステージと、外部機器及び電源接続用の入出力用コネクタを配設した基台と、前記ステージと基台とを相対回動自在に連結する相対回動機構と、前記ステージに搭載した制御回路と基台に配設した入出力用コネクタ間を接続する電気的接続手段と、撮像映像を90度毎回転させて、正立像を出力表示させるため、前記撮像カメラのレンズ部に設けた映像回転機構とから構成したことを特徴とする。
【0007】
上記問題点を解決するための請求項3に記載の資料提示装置は、隅角部に撮像カメラのアームの支持部を配設し、中央部に資料載置面を設けるとともに、前記撮像カメラの制御回路及び操作パネルとを搭載したステージと、
外部機器及び電源接続用の入出力用コネクタを配設した基台と、前記ステージと基台とを相対回動自在に連結する相対回動機構と、前記ステージに搭載した制御回路と基台に配設した入出力用コネクタ間を接続する電気的接続手段と、前記ステージと基台間の相対回動角度を360度以下に規制する規制手段と、前記規制手段により規制された位置を基準として、前記ステージと基台間の相対回転角度を検出する相対回転角度検出手段と、該相対回動角度検出手段が90度の相対回動角度を検出する毎に、その検出信号に基づいて撮像映像を回転させて、正立像を出力表示させる映像回転処理手段とから構成したことを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の資料提示装置は、請求項3に記載の構成において、前記相対回転角度検出手段を前記規制手段の設置位置に対して90度置きに配置して、前記ステージと基台が規制位置から90度相対回動したとき押圧されて作動するマイクロスイッチとしたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の資料提示装置は、請求項1〜請求項4の何れかに記載の構成において、前記ステージと基台間に、前記規制手段の設置位置からの相対回動角度が90度毎に作動するクリック機構を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の資料提示装置によれば、相対回動機構によりステージと基台が連結されているから、基台の入出力用コネクタを電源や外部機器等との接続に都合のよい位置に位置変えすることができる。また、拡大表示する場合、撮像カメラのアームの支持部が邪魔になって、ステージ上で資料を移動することができない場合には、ステージを回動させて支持部が資料の移動に邪魔にならない位置へ移動させる。そして、撮像映像を90度毎に回転させる作動ボタンを操作して、モニター等に正立表示させる。これにより、電源や外部機器等と接続する接続ケーブルの引き回しを容易にできるとともに、ステージ上の資料の向きを該ステージの回動前の向きで拡大表示できる資料提示装置を提供できる。
【0011】
請求項2に記載の資料提示装置によれば、相対回動機構によりステージと基台が連結されているから、基台の入出力用コネクタを電源や外部機器等との接続に都合のよい位置に位置変えすることができる。また、拡大表示する場合、撮像カメラのアームの支持部が邪魔になって、ステージ上で資料を移動することができない場合には、ステージを回動させて支持部が資料の移動に邪魔にならない位置へ移動させる。そして、撮像カメラのレンズ部に設けた映像回転機構により撮像映像を90度毎に回転させて、モニター等に正立表示させる。これにより、電源や外部機器等と接続する接続ケーブルの引き回しを容易にできるとともに、ステージ上の資料の向きを、該ステージの回動前の向きで拡大表示できる資料提示装置を提供できる。
【0012】
請求項3に記載の資料提示装置によれば、相対回動機構によりステージと基台が連結されているから、基台の入出力用コネクタを電源や外部機器等との接続に都合のよい位置に位置変えすることができる。また、拡大表示する場合、撮像カメラのアームの支持部が邪魔になって、ステージ上で資料を移動することができない場合には、ステージを回動させて支持部が資料の移動に邪魔にならない位置へ移動させる。このとき、ステージと基台間の相対回転角度を検出する相対回転角度検出手段が90度の相対回動角度を検出する毎に、その検出信号に基づいて映像回転処理手段が撮像映像を回転させ、撮像映像をモニター等に正立表示させる。これにより、電源や外部機器等と接続する接続ケーブルの引き回しを容易にできるとともに、ステージ上の資料の向きを該ステージの回動前の向きで拡大表示できる使い勝手に優れた資料提示装置を提供できる。
【0013】
請求項4に記載の資料提示装置によれば、相対回転角度検出手段を規制手段の設置位置に対して90度置きに配置して、ステージと基台が規制位置から90度相対回動したとき押圧されて作動するマイクロスイッチとしたから、構成が簡単で安価な資料提示装置を提供することができる。
【0014】
請求項5に記載の資料提示装置によれば、ステージと基台間に、前記規制手段の設置位置からの相対回動角度が90度毎に作動するクリック機構を設けたから、90度の相対回動をクリック感で感得でき使い勝手の良い資料提示装置を提供することができる。
【実施例】
【0015】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は、実施例に係る資料提示装置1の斜視図、図2は側面図である。基台2上には、相対回動機構3によりステージ4が連結されて支持されている。基台2の一側面には、電源及び外部機器等の接続ケーブルを連結する入出力用コネクタ5が配設されている(図2参照)。ステージ4の上面には、資料の載置面6が形成されている。また、ステージ4の隅角部に撮像カメラ7のアーム8の支持部9が配設されている。撮像カメラ7は撮像素子(CCD)を備えており、アーム8の先端に回動可能に取り付けられている。また、アーム8は支持部9により揺動可能に支持されている。
【0016】
さらに、ステージ4の上面には、資料提示装置1の各種動作を操作するための操作ボタン等を組み込んだ操作パネル10が配設されている。資料提示装置1の各種動作は、操作パネル10の操作ボタン等の操作に基づいて、ステージ4内に組み込んだ制御回路11が出力する制御信号により行なわれる。制御回路11には、撮像カメラ7の撮像した映像を90度毎に回転させて出力する映像回転処理回路12が組み込まれている。
【0017】
図3に示すように上記相対回動機構3は、軸受21により基台2とステージ4を相対回動自在に連結したものである。軸受21は下面の縮径ボス部21aが基台2のシャーシ22の嵌着孔23に嵌着され、該シャーシ22にねじ固定されている。また、軸受21の上面の縮径ボス部21bが、ステージ4のシャーシ24の嵌着孔25に嵌着され、該縮径ボス部21bの回りで該シャーシ24が回動可能となっている。そして、縮径ボス部21bに嵌着されたスペーサリング26をシャーシ24上に押圧する押さえリング板27が、該縮径ボス部21bにねじ固定されている。
【0018】
また、シャーシ24には、嵌着孔25の回りにストッパー28とマイクロスイッチ29が90度の角間隔を置いて同心円上に配置されている。ストッパー28には、押さえリング板27の外周に突出形成した衝合突部27aを衝合させて、基台2とステージ4との相対回動角度を360度以下に規制している。また、衝合突部27aは、マイクロスイッチ29の衝合片29aに衝合して、基台2とステージ4間の90度の相対回動角度を検出する。マイクロスイッチ29は、ストッパー28に対して180度と270度の位置に設け、相対回動角度90度毎に検出信号を出力させることもできる。この場合、マイクロスイッチ29毎の検出信号に基づいて、制御回路11の映像回転処理回路12が撮像映像を回転させ、モニター等に正立表示させる。
【0019】
さらに、軸受21には、クリック機構30が設けられている。クリック機構30は、バネ31の弾力によりクリックボール32をシャーシ24の下面に設けたクリック凹部33に係合させるものである。クリック凹部33は、上記マイクロスイッチ29と同様、90度の角間隔を置いて同心円上に形成されている。そして、基台2とステージ4が相対回動する際に、衝合突部27aがマイクロスイッチ29の衝合片29aに衝合するタイミングに同期してクリック感を感得できるようになっている。
【0020】
基台2のシャーシ22には図4に示すように、側面に突出する入出力用コネクタ5を設けた回路基板34が装着されている。また、ステージ4のシャーシ24には、制御回路11の回路基板35が装着されている。回路基板34と35間の電気的接続は、軸受21の中心孔21cに弛みをもたせて緩やかに遊挿させたワイヤーハーネス36を接続することにより確保されている。ワイヤーハーネス36の代わりに、接点と該接点が摺擦する導電リング板により、回路基板34と35間の電気的接続を確保することもできる。
【0021】
上記実施例で説明した資料提示装置1は、相対回動機構3により基台2とステージ4が連結されているから、資料提示装置1をセットする際、基台2の入出力用コネクタ5を電源や外部機器等との接続に都合のよい位置に変えることができる。また、図5(a)に示すように、ステージ4上の資料Pの撮像カメラ7のアーム8の支持部9と対角位置にある部分Xを拡大表示する場合には、撮像カメラ7のアーム8の支持部9が邪魔になって、資料PをY方向へ移動させ拡大表示したい部分Xを撮像カメラ7の撮像範囲に入れることができない。
【0022】
この場合には図5(b)に示すように、ステージ4を基台2に対して90度回動させて、支持部9が資料の移動に邪魔にならない位置へ移動させる。このとき、押さえリング板27の外周に突出形成した衝合突部27aがマイクロスイッチ29の衝合片29aに衝合して、基台2とステージ4間の90度の相対回動角度を検出する。この検出信号により、制御回路11の映像回転処理回路12が撮像映像を90度回転させる。同時に、クリック機構30によりクリック感を感得することができる。そして、資料をステージ4の回動させる前の向きに置き直すと、モニター等に撮像映像が正立して表示される。そして、撮像カメラ7のアーム8の支持部9が邪魔にならないから、資料PをY方向へ移動させて拡大表示したい部分Xを撮像カメラ7の撮像範囲に入れることができる。
【0023】
上記の説明では、ステージ4を基台2に対して90度回動したとき、マイクロスイッチ29の検出信号により自動的に制御回路11の映像回転処理回路12が撮像映像を90度回転させるようにしたが、操作パネル10に撮像映像を90度毎に回転させる作動ボタン(図示せず)を設けて、該作動ボタンの操作に基づいて映像回転処理回路12により撮像映像を90度毎に回転させるようにすることもできる。さらに、撮像カメラ7の撮像素子を含むレンズ部に設けた映像回転機構(図示せず)により撮像映像を、手動で90度毎に回転させることもできる。
【0024】
上記したように本実施例の資料提示装置1は、ステージ4及び入出力コネクタ5の位置の移動が簡単で、電源や外部機器等と接続する接続ケーブルの引き回しを容易にできるとともに、ステージ4の回動により、資料Pの移動の邪魔となる撮像カメラ7のアーム8の支持部9の位置を移動させて、ステージ4上の資料Pの向きを、説明に便利なステージ4の回動前の向きで拡大表示できる資料提示装置を安価に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例に係る資料提示装置の斜視図である。
【図2】同、側面図である。
【図3】相対回動機構の分解斜視図である。
【図4】要部の断面図である。
【図5】作動を示した説明図である。
【符号の説明】
【0026】
1 資料提示装置
2 基台
3 相対回動機構
4 ステージ
5 入出力用コネクタ
7 撮像カメラ
8 アーム
9 支持部
10 操作パネル
11 制御回路
12 映像回転処理回路
21 軸受
29 マイクロスイッチ
30 クリック機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
隅角部に撮像カメラのアームの支持部を配設し、中央部に資料載置面を設けるとともに、前記撮像カメラの制御回路及び操作パネルとを搭載したステージと、
外部機器及び電源接続用の入出力用コネクタを配設した基台と、
前記ステージと基台とを相対回動自在に連結する相対回動機構と、
前記ステージに搭載した制御回路と基台に配設した入出力用コネクタ間を接続する電気的接続手段と、
撮像映像を90度毎回転させて、正立像を出力表示させる映像回転処理手段と、
該映像回転処理手段を作動させる作動ボタンとから構成したことを特徴とする資料提示装置。
【請求項2】
隅角部に撮像カメラのアームの支持部を配設し、中央部に資料載置面を設けるとともに、前記撮像カメラの制御回路及び操作パネルとを搭載したステージと、
外部機器及び電源接続用の入出力用コネクタを配設した基台と、
前記ステージと基台とを相対回動自在に連結する相対回動機構と、
前記ステージに搭載した制御回路と基台に配設した入出力用コネクタ間を接続する電気的接続手段と、
撮像映像を90度毎回転させて、正立像を出力表示させるため、前記撮像カメラのレンズ部に設けた映像回転機構とから構成したことを特徴とする資料提示装置。
【請求項3】
隅角部に撮像カメラのアームの支持部を配設し、中央部に資料載置面を設けるとともに、前記撮像カメラの制御回路及び操作パネルとを搭載したステージと、
外部機器及び電源接続用の入出力用コネクタを配設した基台と、
前記ステージと基台とを相対回動自在に連結する相対回動機構と、
前記ステージに搭載した制御回路と基台に配設した入出力用コネクタ間を接続する電気的接続手段と、
前記ステージと基台間の相対回動角度を360度以下に規制する規制手段と、
前記規制手段により規制された位置を基準として、前記ステージと基台間の相対回転角度を検出する相対回転角度検出手段と、
該相対回動角度検出手段が90度の相対回動角度を検出する毎に、その検出信号に基づいて撮像映像を回転させて、正立像を出力表示させる映像回転処理手段とから構成したことを特徴とする資料提示装置。
【請求項4】
前記相対回転角度検出手段を前記規制手段の設置位置に対して90度置きに配置して、前記ステージと基台が規制位置から90度相対回動したとき押圧されて作動するマイクロスイッチとしたことを特徴とする請求項3に記載の資料提示装置。
【請求項5】
前記ステージと基台間に、前記規制手段の設置位置からの相対回動角度が90度毎に作動するクリック機構を設けたことを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の資料提示装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate