説明

走査型画像読み取り装置

【課題】 補助光の投影される方向が固定されていると、イメージセンサの読み取り位置が変化した場合に変化後の読み取り位置に補助光のパターンが届かない可能性がある。
【解決手段】 補助光ユニット11は、縞状のパターンを持つ補助光を発する発光ダイオード11aと、この補助光を投影する投影レンズ11bとから構成されており、走査ミラー2に対してイメージセンサ16と同一側に配置されている。投影レンズ11bを透過した補助光は、走査ミラー2により反射されて被写体O上に投影される。補助光ユニット11は、少なくとも被写体O上でイメージセンサ16により読み取られる部分を中心にパターンPを投影するよう配置されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ライン型のイメージセンサを用いて被写体像を走査することにより被写体を二次元的に読み取る走査型画像読み取り装置に関し、より詳細には、この装置においてコントラストパターンを投影する補助光ユニットの配置に関する。
【0002】
【従来の技術】被写体距離が固定されないカメラ型の画像読み取り装置では、被写体に対する結像レンズのピントを合わせるために何らかの被写体距離に関する情報が必要とされる。一眼レフカメラ等のフィルムカメラでは、撮影レンズ系を介して入射する光束を受光して被写体像の一部の位相差やコントラストの分布を検出することによりピントズレを検出するパッシブ方式の検出手段が用いられている。
【0003】また、パッシブ方式の検出手段を備えるカメラには、被写体にコントラストパターンを投影するための光源と投光レンズとを有する補助光ユニットが設けられたものがある。被写体のコントラストが十分でなく合焦の検出ができない場合には、補助光を投光して被写体に積極的にコントラストを付与してピントズレを検出する。
【0004】一方、CCD等のライン型のイメージセンサを用いた走査型画像読み取り装置では、撮影のための結像系を利用して被写体の一部のコントラストを検出する方式で検出系を構成できれば装置の小型化のためには望ましい。また、フィルムカメラと同様に補助光を投光するユニットを備えることが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のようなフィルムカメラに用いられている投光・検出手段を上記のような走査型画像読み取り装置に適用した場合、補助光の投影される方向が固定されていると、イメージセンサの読み取り位置が変化した場合に変化後の読み取り位置に補助光のパターンが有効に届かない可能性がある。これを避けるためには、走査範囲全域をカバーするような広い投光範囲をもつ補助光ユニットを用いても良いが、パターンの明るさを変えずに投光範囲を広げるためには発光量を大きくする必要があり、ユニットが大型化し、あるいは消費電力が増加するという不具合がある。
【0006】この発明は、上述した従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、撮影用のイメージセンサを被写体に対する合焦の検出にも兼用し、かつ、投光範囲を広げることなくイメージセンサの読み取り範囲に補助光を有効に投光することができる走査型画像読み取り装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる走査型画像読み取り装置は、被写体像を形成する結像レンズと、結像レンズにより形成された被写体像の一次元的な画像情報を電子的に読み取るライン型イメージセンサと、被写体と結像レンズとの間に設けられ、イメージセンサの画素配列方向とほぼ平行な回動軸回りに回動することによりイメージセンサ上に被写体像を走査させ、イメージセンサに被写体像の二次元的な画像情報を読み取らせる走査ミラーと、走査ミラーに対してイメージセンサと同一側に配置され、走査ミラーを介してコントラスト付加用のパターンを被写体に投影する補助光ユニットとを備えることを特徴とする。
【0008】上記の構成によれば、補助光は走査ミラーを介して被写体に投光されるため、走査ミラーが回動してイメージセンサの読み取り範囲が変化した場合には、補助光の投光範囲も同時に変化する。したがって、これらが一致するよう設定しておくことにより、走査ミラーがいずれの回動位置に設定されている場合にも、イメージセンサの読み取り対象範囲に補助光のコントラストパターンを投影することが可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、この発明にかかる走査型画像読み取り装置の実施形態としてカメラ型スキャナーを説明する。
【0010】実施形態のカメラ型スキャナーは、モノクロのライン型CCDセンサであるイメージセンサを用いて離れた位置にある被写体を走査する方式のカメラ型スキャナーである。その撮影光学系は図1に概念的に示すように、被写体O側から走査ミラー2、結像レンズ3、イメージセンサ16により構成される。走査ミラー2をイメージセンサ16の画素配列方向に平行な方向の回転軸Rx回りに回動させることにより、被写体Oを順次ライン状に読み取ってイメージセンサ上に結像させ、被写体の情報を二次元的に読み取る。この明細書では、イメージセンサの画素配列方向に相当する方向を「主走査方向」、走査ミラーの回動により走査される読み取りライン(走査ライン)の移動方向を「副走査方向」と定義する。また、図中に、イメージセンサ16の画素配列方向に平行なy軸と、結像レンズ3の光軸に平行なx軸を定義する。さらに、以下の説明では、結像レンズ3の光軸が図中一点鎖線で示したように走査ミラー2により直角に偏向される際のラインセンサの読み取りラインを「基準走査ライン」と定義する。
【0011】なお、結像レンズ3の近傍には、被写体Oに縞状のコントラストパターンPを投影するための補助光ユニット11が配置されている。実施形態のカメラ型スキャナーは、撮影用のイメージセンサ16の出力を用いて被写体のコントラストを検出することにより被写体に対して結像レンズのピントを合わせるよう構成されている。補助光ユニット11により被写体にコントラストを付与することにより、例えば白い壁等のコントラストの小さい被写体に対してもピントを合わせることができる。
【0012】補助光ユニット11は、縞状のパターンを持つ補助光を発する発光ダイオード11aと、この補助光を投影する投影レンズ11bとから構成されており、走査ミラー2に対してイメージセンサ16と同一側に配置されている。投影レンズ11bを透過した補助光は、走査ミラー2により反射されて被写体O上に投影される。補助光ユニット11は、少なくとも被写体O上でイメージセンサ16により読み取られる部分を中心にパターンPを投影するよう配置されている。
【0013】実施形態のカメラ型スキャナーは、被写体を走査して情報を読み取る方式を採用しているため、センサの画素数に対して読み取りの解像度を高くすることができる。例えば、実施形態におけるイメージセンサの有効画素数は2088であり、54.4度の走査範囲を2870ステップに分解して走査ミラーの回動位置を設定することにより、主走査2088×副走査2870の約600万画素のエリアセンサを用いたのと同等の解像度を得ることができる。この解像度は、例えばB5版の原稿を読み取る際には約300dpiに相当する。
【0014】また、走査方式として上記のような回転ミラー走査方式を採用したことにより、イメージセンサに入射する光束を常に一定の角度で結像レンズに入射させることができるため、結像レンズの径を最小限に抑えることができる。同様の走査方式でもイメージセンサを走査させる方式とすると、イメージセンサに入射する光束の結像レンズに対する入射角度が走査位置に応じて変化するため、ビネッティングの影響を抑えるために結像レンズに必要とされる径は回転ミラー走査方式の場合より大きくなる。また、回転ミラー走査方式では、ラインセンサやミラーを平行移動させる走査方式と比較して、可動部分を小さくすると共に、駆動機構を単純化することができる。
【0015】ただし、走査ミラーを回動させて被写体を走査する場合、イメージセンサ16と共役な物体面は、走査ミラー2の回転軸Rxを中心とした円筒面となるため、被写体Oが平面である場合には以下の3つの問題が生じる。第1は、基準走査ラインに焦点を合わせると副走査方向の周辺部を読み取る際には被写体Oより手前の位置にピントが合うという焦点ズレの問題、第2は、走査ミラー2から被写体Oまでの距離が基準走査ラインから副走査方向の周辺部に向かって漸増することにより周辺部に向けて結像倍率が小さくなるという倍率変化の問題、そして、第3は、走査ミラー2から被写体Oまでの距離をLとしたときに走査ラインの副走査方向の位置が走査ミラー2の回転角度θに対してL・tanθで定まるため、走査ミラーの回動角度ピッチが等しいと読み取りラインの密度が画面中心部と比較して周辺部で粗くなるという読み取り密度の問題が発生する。
【0016】実施形態のカメラ型スキャナーでは、焦点ズレの問題に関しては、副走査方向の読み取り位置に応じて結像レンズを光軸方向に移動させることにより解消しており、倍率変化の問題に関しては取り込まれた画像の信号処理段階において倍率の小さい周辺部でデータを補完して伸張することにより解消しており、読み取り密度の問題に関しては、ミラー駆動モータ側の等ピッチの回転を副走査方向の読み取り位置に応じて不等ピッチの回転に変換する機能を機械系に持たせることにより解消している。
【0017】また、実施形態のカメラ型スキャナーでは、撮影光学系とファインダー光学系とが独立して設けられているため、これらの光学系の間にパララックスが生じる。一般に、例えばレンズシャッターカメラ等のカメラでは、撮影光学系を基準としてファインダー光学系にパララックス補正用の手段を設け、パララックスの影響を避けるようにしている。これに対して、実施形態のカメラ型スキャナーは、ファインダー系の視野を基準として、パララックスが生じないよう撮影光学系側の走査範囲を被写体距離に応じて変化させている。これに伴い、基準走査ラインに対して撮影範囲が非対称に設定される。
【0018】図2及び図3は、本実施の形態によるカメラ型スキャナの外形及び概略構成を示す斜視図である。図2に示すように、カメラ型スキャナ1は、略直方体形状の本体ケース10を有し、本体ケース10の正面には被写体像を取り込むための窓部12が形成されている。また、図3に示すように、本体ケース10の内部には、イメージセンサ16と、イメージセンサ16の画素配列方向に平行な軸Rxの回りで回転する走査ミラー2と、走査ミラー2からの反射光をイメージセンサ16に結像させるための結像レンズ3とが備えられている。
【0019】補助光ユニット11は、結像レンズ3に隣接して配置され、補助光ユニット11からの射出光が走査ミラー2を介して窓部12から射出されるよう構成されている。補助光ユニット11は、被写体にイメージセンサ16の画素配列方向に相当する方向に直交する縞状のパターンを投影する。パターンを含む光は、投影レンズ11bを介して走査ミラー2に入射し、走査ミラー2で反射されて被写体側に投影される。
【0020】イメージセンサ16は所謂モノクロセンサであり、カラー画像に対応するため、走査ミラー2とイメージセンサ16との光路中には、カラーフィルタ4が設けられている。また、窓部12に隣接して、ファインダー窓13が設けられている。
【0021】本体1には、電源をオンオフするメインスイッチ310が設けられており、カメラ型スキャナ1の操作はリモコン5の操作ボタン350により行われる。図2に示すように、操作ボタン350には、スタートボタン51、アップ/テレボタン54、ダウン/ワイドボタン55、モードボタン53、ストップ/削除ボタン52の5つがある。また、リモコン5は、本体ケース10の上部に形成されたリモコン装着部17に着脱可能となっている。
【0022】リモコン5は赤外LEDを用いて赤外線によってカメラ本体に対してコマンド信号を送信する送信部56を有している。本体ケース10の背面には送信部からの信号を受信するための赤外線センサである第1受信部201が設けられ、リモコン装着部17の、リモコン5の送信部56に相当する部分には、第1受信部201に比べて感度の弱い赤外線センサである第2受信部202が設けられている。つまり、リモコン5をリモコン装着部17から取り外した状態では、送信部56からの信号を第1受信部201で受信し、リモコン5をリモコン装着部17に装着した状態では、送信部56からの信号を第2受信部202で受信することができる。
【0023】また、本体には、リモコン5の着脱を検出するための反射型フォトセンサである、リモコン着脱センサ311が設けられており、リモコン着脱センサ311はリモコン5が装着されていればオン信号を出す。本体側の制御回路はリモコンから同一の操作信号が入力された際にも、リモコン5が本体に装着された状態であるか離脱した状態であるかに応じて異なるコマンドとして実行することができる。
【0024】図4は、カメラ型スキャナ1の内部構成を示す平面図である。本体ケース10内には、走査ミラー2を回転可能に保持するミラーホルダ20が設けられている。ミラーホルダ20は後述のミラー駆動機構によって図中時計回り及び反時計回りに回転駆動される。また、ミラーホルダ20に隣接して、結像レンズ3及びイメージセンサ16を収容するためのハウジング120が設けられており、走査ミラー2からの反射光がハウジング120内の結像レンズ3を通ってイメージセンサ16に結像するように構成されている。
【0025】結像レンズ3は、レンズ鏡筒30に保持された3枚のレンズ3a,3b,3cより構成されている。また、レンズ鏡筒30はその外周をハウジング120に設けられた円筒状の鏡筒保持部121の内周に保持されている。レンズ鏡筒30は、後述のレンズ駆動機構6によって走査ミラー3に近接する方向及び離反する方向に駆動され、これにより結像レンズ3を光軸方向に移動させる。
【0026】ハウジング120の、鏡筒保持部121とイメージセンサ16との間には、無色フィルタ4a、赤色フィルタ4b、緑色フィルタ4c、及び青色フィルタ4dからなるカラーフィルタ群4が設けられている。カラーフィルタ群4は、イメージセンサ16の画素配列方向と平行な回転軸の回りに回転するフィルタホルダ40によって、90゜間隔で保持されており、フィルタホルダ40の回転によって各々フィルタが選択的に、結像レンズ3とイメージセンサ16との間の光路中に配置される。
【0027】なお、ミラーホルダ20、ハウジング120等は、本体ケース10の下部に設けられた支持フレーム130によって支持されている。支持フレーム130上には、後述の走査用モータ70を支持するためのモータフレーム135、バッテリー210を保持するバッテーリーフレーム136が形成されている。
【0028】次に、ファインダーについて説明する。図5R>5は、図4のカメラ型スキャナ1の線分A−Aに関する断面図である。図5に示すように、ファインダーは、ファインダー窓13から入射した光束を取り込む対物レンズ141と、この対物レンズ141を透過した光束を上側のカバーガラス15側に向けて反射させるファインダーミラー145と、ミラー145により反射された光束を透過させるフレネルレンズ143と、フレネルレンズ143とカバーガラス15との間に配置された透過型の液晶表示パネル152とから構成されている。対物レンズ141とフレネルレンズ143とは、プラスチックにより一体のユニット140として成形されている。ファインダーが設けられたスペースの後方には、図2に示されるように撮影画像のデータを記録するメモリカード220を装着するためのカードスロット230が形成されている。なお、ファインダーユニット140は、ビス止め部146によって、支持フレーム130に固定されている。
【0029】次に、走査ミラー2を回動させると共にフィルター群4を切り換えるためのミラー駆動機構7について説明する。図6は、図4のカメラ型スキャナ1の線分B−Bに関する断面図である。図6に示すように、モータフレーム135には、ミラー駆動モータ70が固定され、ミラー駆動モータ70の出力軸には、駆動ギア71が固定されている。また、駆動ギア71の回転を約1/1000に減速するために、歯数の大きなギアと歯数の小さいギアとを一体として構成した5組のギア対74〜78が設けられている。ギア対74〜78のうち、ギア対74,75,76は第1の支軸72の回りに回転可能に支持されており、ギア対77,78は第2の支軸73の回りに回転可能に支持されている。
【0030】そして、駆動ギア71は、支軸72に支持された第1のギア対の従動ギア74aに係合し、第1のギア対の減速ギア74bは、支軸73に支持された第2のギア対77の従動ギア77aに係合している。第2のギア対77の減速ギア77bは、支軸72に支持された第3のギア対75の従動ギア75aに係合し、第3のギア対75の減速ギア75bは、支軸73に支持された第4のギア対78の従動ギア78aに係合している。第4のギア対78の減速ギア78bは、支軸72に支持された第5のギア対76の従動ギア76aに係合し、第5のギア対76の減速ギア76bは、支軸73に回転可能に支持された後述の駆動部材80に係合している。なお、支軸73の中心軸を軸73aとする。
【0031】図7は、駆動機構7を示す平面図である。図7に示すように、駆動部材80は、平板状部材に第1セクタギア82と第2セクタギア83を形成したものである。第1セクタギア82は、前述の第5のギア対76の減速ギア76bに係合しており、当該減速ギア76bの回転によって駆動部材80が回動する。第1セクタギア82は支軸73の中心軸73aに対し中心角120°を有し、第2外周ギア部83は軸73aに対し中心角20°を有している。両セクタギア82,83は、軸73aに対し回転方向には隣接している。
【0032】また、第1セクタギア82を挟んで、第2セクタギア83と反対側には、軸73aに対する中心角約60°の扇形部80aが形成されている。扇形部80aにおいて、第1セクタギア82のピッチ円の延長線上には、駆動ピン81が立設されている。
【0033】次に、ミラー2を保持するミラーホルダ20について説明する。図8は、ミラーホルダ20を示す斜視図である。図8に示すように、ミラーホルダ20は、ミラー面の4辺を規定する正面フレーム21と、鉛直方向の両側面を挟んで保持する側面フレーム22と、Y方向(イメージセンサ16のCCD画素配列方向)に延びるミラー支軸27とを一体として構成したものである。また、正面及び側面フレーム21,22の下部には、ミラー支軸27に直交する平板状部材である連動部材23、及び円板状部材である支持円板25が設けられている。支持フレーム130には、ミラー支軸27を嵌挿するための孔139が形成されており、ミラー支軸27を孔139に嵌挿すると、支持円板25が支持フレーム130上で摺動することによって、ミラーホルダ20は支持フレーム130上で回転可能となる。
【0034】図7に示すように、連動部材23には、駆動部材80に立設された駆動ピン81に係合する係合溝24が形成されている。係合溝24は、ミラー支軸27の回転中心に向けて長く形成されている。そして、駆動部材80が時計回りに回転すると、駆動ピン81が係合溝24の長手方向の一辺を付勢し、これにより連動部材23は反時計回りに回動付勢される。すなわち、連動部材23と一体であるミラーホルダ20全体が反時計回りに回転する。かくして、ミラーホルダ20に保持された走査ミラー2は、駆動部材80の回動に伴い、駆動ピン81と係合溝24の係合によって回転する。
【0035】なお、駆動ピン81と係合溝24との間には僅かなクリアランスがある。このクリアランスに起因する駆動ピン81と係合溝24及びギア対74〜78のがたつきを押さえるため、図8に示すように、ミラー支軸27には、ミラーホルダ20を一方向に付勢するためのコイルバネ28が巻き付けられている。コイルバネ28の一端は、支持円板25に形成された切り欠き部25aを介して、支持フレーム130に突設された凸部29に当接しており、他端は切り欠き部25aの側面に当接している。このように、コイルバネ28は支持円板25を常時一定の方向に回動付勢している。
【0036】駆動部材80及びミラーホルダ20は、図7R>7に示される駆動部材80の回転中心と駆動ピン81とミラーホルダ20の回転中心とが略一直線上に並んだ状態で、走査ミラー2の表面と、X軸とのなす角度が45°になるように構成されている。
【0037】つまり、駆動部材80の回転中心と駆動ピン81と走査ミラー2の回転中心とが一直線上に並んだ状態(図7)から、時計回りあるいは反時計回りに駆動部材80が回転するにつれ、駆動ピン81とミラーホルダ20との回転中心との距離が長くなる。従って、駆動部材80の角度ピッチを一定とすると、走査ミラー2は、角度のピッチを減少させながら回転する。
【0038】このように、被写体の周辺部を走査している時の走査ミラー2の回転角度ピッチを、中心部を走査している時よりも小さくすることによって、周辺部と中心部での読み取りラインの密度が実質的に同じになる。
【0039】次に、走査ミラー2のホーム位置について説明する。駆動部材80の回動は、パルスモータであるミラー駆動モータ70によってオープンループ制御される。図7に示すように、支持フレーム130には、オープンループ制御のため、走査ミラー2のホーム位置を与えるための走査基準位置センサ204が設けられている。走査基準位置センサ204は、発光部と受光部を持つ透過型フォトセンサであり、駆動部材80に設けられたシャッタープレート85が発光部と受光部の間に介在することによってオフとなるものである。
【0040】シャッタープレート85は、走査ミラー2とX軸とのなす角度が45°より小さい時、すなわち、読み取りラインが基準走査ラインを境としてファインダー側に位置する時には、走査基準位置センサ204の発光部と受光部の間に介在しこれを遮っており、走査基準位置センサ204はオフしている。そして、当該角度がほぼ45°になった時に、シャッタープレート85が走査基準位置センサ204の発光部と受光部の間から抜け出て、走査基準位置センサ204がオンとなる。そして、当該角度が45°より大きい時、すなわち、読み取りラインが基準走査ラインRよりもファインダーの反対側に位置する時には、走査基準位置センサ204はオンしている。
【0041】ミラー駆動モータ70の駆動制御は、走査基準位置センサ204がオフからオンに変わった時点から、数パルス(Xc)をカウントしたところをホーム位置として、ミラー駆動モータ70の駆動制御を行う。このパルス数Xcは、走査ミラー2とX軸とのなす角度が45°となるように、すなわち、読み取りラインが基準走査ラインRと一致するように設定される。
【0042】このように、走査ミラー2のホーム位置が基準走査ラインRに対応しているため、走査ミラー2をホーム位置に位置させた状態で、結像レンズ3の合焦位置を検出する合焦処理、及び被写体の輝度を検出してイメージセンサ16の蓄積時間を決定する測光処理を行うことができる。合焦処理及び測光処理については後述する。
【0043】次に、カラーフィルタ群4の切換について図7及び図4の線分C−Cに関する断面図である図9にしたがって説明する。駆動部材80が図7に示される時計回りに走査範囲の限界まで回動すると、駆動部材80の第2セクタギア83が、カラーフィルタ群4の切換のための伝達ギア91に係合してこれを反時計回りに回動させる。
【0044】図9に示すように、支持フレーム130には、上記の伝達ギア91と、伝達ギア91により回転駆動されるフィルタ駆動ギア93とが、共通の軸92の回りに各々回転可能に支持されている。フィルタ駆動ギア93は、カラーフィルタ群4を回転駆動するためのフィルタギア95に係合している。伝達ギア91とフィルタ駆動ギア93とは、ワンウェイクラッチ94を介して係合しており、伝達ギア91の反時計回り(図7において)の回転のみがフィルタ駆動ギア93に伝達される。すなわち、駆動部材80が時計回りに回動して伝達ギア91を反時計回りに回動させる際にはフィルタ駆動ギア93も反時計回りに回動するが、駆動部材80が反時計回りに回動して伝達ギア91が時計回りに回動する際には、フィルタ駆動ギア93は回転しない。
【0045】図10に、カラーフィルタ群4とこれを保持するフィルタホルダ40を示す。フィルタホルダ40は、カメラ型スキャナ1の前述のハウジング120内部において、カラーフィルタ群4(4a、4b、4c、4d)を保持すると共に、カラーフィルタ群4をY軸に平行な軸の回りに回転させる。
【0046】フィルタホルダ40には、回転のための支軸であるフィルタ支軸45と、各カラーフィルタ群4の側端部を把持するための、フィルタ支軸45に沿って延びる4つの把持部46が設けられている。各々のカラーフィルタ群4は、把持部46に一側端部を把持された状態で、フィルタ支軸45に対し90°間隔で放射状に保持される。
【0047】フィルタ支軸45には、フィルタホルダ40を回転させるためのフィルタギア95が取り付けられる。ここで、フィルタ支軸45の下端部には、外周が平らに削られた切欠部45aが形成されており、フィルタギア95にはフィルタ支軸45の下端部に下方から係合する孔95aが形成されている。そして、フィルタ支軸45の下端部にフィルタギア95の孔95aが下方から係合すると、フィルタギア95の上面が切欠部45aの端面45bに当接する。そのため、フィルタギア95はフィルタ支軸45に回転方向の駆動力を伝達するだけでなく、下方から上方(鉛直方向)への駆動力も伝達することが可能になる。
【0048】また、フィルタ支軸45には、円板48がフィルタ支軸45と直交するように固定されている。円板48の下面の外周近傍には、下方に向けて突出した4つの突起49が周方向に等間隔で形成されており、各突起49は各フィルタ4の下側に位置している。また、ハウジング120の底板125には、各突起49が各々係合する係合穴127が形成されている。すなわち、図9に示すように、突起49が係合穴127に係合することによって、フィルタホルダ40を回転させないためのストッパーとなる。なお、支軸45の上端部には、コイルバネ43が巻き付けられており、このコイルバネ43の上端はハウジング120の天面128に当接している。すなわち、フィルタホルダ40はコイルバネ43によって下方に付勢されている。
【0049】ここで、フィルタギア95と、これに係合しているフィルタ駆動ギア93は、はすば歯車である。そのため、フィルタ駆動ギア93が反時計回り(図10中矢印方向)に回転すると、フィルタギア95は圧力角の方向に力を受ける。すなわち、フィルタギア95は、上向きに付勢される。前述の通り、フィルタ支軸45はフィルタギア95に対し、下方から上方に向けての駆動力を伝達するため、コイルバネ43の付勢力に抗してフィルタホルダ40が上昇する。
【0050】すなわち、フィルタ駆動ギア93が反時計回りの回転に伴い、フィルタホルダ40が上昇し、円板48に形成された突起49が係合穴127から抜ける。かくして、フィルタホルダ40は、時計回り方向に回転可能となる。
【0051】フィルタ駆動ギア93が停止し駆動力が無くなると、フィルタギア95を上向きに付勢する力が消滅する。これに伴い、フィルタホルダ40はコイルバネ43によって下方に付勢されているため、フィルタホルダ40は降下する。フィルタギア95の回転角度が90°であれば、各突起48がそれまで係合していた係合穴127に隣接する係合穴127に係合する。これにより、フィルタホルダ40は回転しないように再び保持される。
【0052】駆動部材80が走査ミラー2の回転による走査終了後、さらに回転することによって、カラーフィルタ群4の切換が行われる。つまり、一つの駆動源(ミラー駆動モータ70)によって、走査ミラー2の回転とカラーフィルタ群4の切換が行われる。
【0053】なお、図9に示すように、フィルタギア95の、無色フィルタ4aの下部に相当する部分には、開口96が設けられている。また、図9に示すように、支持フレーム130には、無色フィルタ4aが光路中に位置する時に開口96に面する、反射型フォトセンサであるフィルタセンサ205が設けられている。従って、無色フィルタ4aが光路中に位置する時には、フィルタセンサ205はオフとなり、それ以外はオンとなっている。つまり、光路中に位置しているフィルタが無色フィルタであるか否かが、フィルタセンサ205のオンオフによって判別される。
【0054】次に、結像レンズ3を移動するためのレンズ駆動機構6について説明する。図6に示すように、ハウジング120の鏡筒保持部121には、X軸方向に延びる溝121aが形成され、レンズ鏡筒30には溝121aを貫通してハウジング120外部に向けて延びる鏡筒アーム32が形成されている。また、図4に示すように、レンズ鏡筒30のイメージセンサ16側の端部からは、溝121aを貫通して、鏡筒アーム32と平行で且つ鏡筒アーム32よりも短い第2アーム33が形成されている。
【0055】また、図4に示すように、鏡筒アーム32と第2アーム33には、X軸方向に延びる挿通孔32a,33aが夫々形成されている。挿通孔32a,33aには、モータフレーム135上に突設された一対の支柱133、134により支持されてX軸方向に延びるガイドバー35が挿通されている。つまり、レンズ鏡筒30は、挿通孔32a,33aとガイドバー35との摺動により、X軸方向に案内される。
【0056】図11は、図4のカメラ型スキャナ1の線分DーDに関する断面図である。図11に示すように、モータフレーム135には鉛直フレーム132が立設されており、鉛直フレーム132には、パルスモータであるレンズ駆動モータ60が固定されている。レンズ駆動モータ60の出力軸61には、X軸方向に延びるネジ部63が固定されている。そして、レンズ鏡筒30の鏡筒アーム32には、ネジ部63と螺合する雌ネジ部31が設けられている。
【0057】このように構成されているため、レンズ駆動モータ60が回転すると、レンズ鏡筒30がX軸に沿って、走査ミラー2に近接する方向あるいは離反する方向に移動する。本実施の形態では、レンズ鏡筒30の移動ストロークは約6mmに設定されている。
【0058】なお、図11に示すように、レンズ鏡筒30のホーム位置を検出するため、鏡筒アーム32の下部には、シャッタープレート36が固定され、支持フレーム130からはシャッタープレート36により遮られる位置に透過型フォトセンサであるレンズ基準位置センサ203が設けられている。そして、レンズ鏡筒30が走査ミラー2側に最も近接した状態で、シャッタープレート36がレンズ基準位置センサ203を遮断するよう構成されている。
【0059】図12は、実施形態のカメラ型スキャナーの制御系の全体構成を概略的に示すブロック図である。制御系は、スキャナー本体100に設けられた各回路と、リモコン5に設けられた回路とから構成される。まず、スキャナー本体100側から説明する。
【0060】本体100側の制御系は、スキャナーコントロール回路300を中心に、全体の電源のON/OFFを切り換える電源スイッチ310を備えると共に、情報入力手段として、画像入力用のCCDイメージセンサ16、レンズ基準位置センサ203、走査基準位置センサ204、フィルタセンサ205、リモコン5からの赤外線信号を受信する第1、第2受信部201,202、リモコン5が本体100に装着された際にオンするリモコン着脱検出センサ311を有する。
【0061】本体側には情報出力手段として、撮影に関する設定情報を表示するファインダー系のLCDパネル152が設けられており、制御対象となる駆動手段としてミラーを走査させると共にフィルターを切り換えるミラー駆動モータ70、結像レンズを光軸方向に駆動するレンズ駆動モータ60、被写体にコントラスト付加用のパターンを投影するための補助投光ユニット11が接続されている。
【0062】スキャナーコントロール回路300には、全体の制御を司るCPU301が設けられている。CPU301は、図中太線で示したアドレス/データバスを介してプログラムメモリ341に接続されており、このプログラムメモリ341に格納されたプログラムに基づいて各制御対象を制御する。CPU301には、各情報入力手段からの信号が入力されると共に、CCDイメージセンサ16を駆動するCCDドライバ331、ミラー駆動モータ70を駆動する第1モータドライバ332、レンズ駆動モータを駆動する第2モータドライバ333が接続されている。
【0063】CCDイメージセンサ16から入力された信号は、CCD信号処理回路320により画像信号として処理され、CPU301に連なるアドレス/データバスにより接続された内部メモリ340に格納される。このアドレス/データバスには、LCDパネル152を駆動するLCDドライバ334が接続されると共に、画像信号をメモリカードに記録する際に利用されるメモリスロット230と外部のパーソナルコンピュータ等の機器に出力する際に利用される外部出力端子231とが接続されている。
【0064】一方、リモコン5には、スイッチ群350と、このスイッチ群350の各スイッチの操作に応じて送信部56(図1参照)に設けられた送信用赤外LED351を駆動する送信LED駆動回路352とが設けられている。
【0065】図13は、イメージセンサからの信号を処理するCCD信号処理回路320の詳細を示すブロック図である。CCDイメージセンサ16から出力される画像信号は、CCDドライバ331から出力されるクランプパルスにより電圧の基準レベルが固定され、バッファアンプ322で増幅される。バッファアンプ322の出力は、シリアルに読み出される各画素の読み取りタイミング(蓄積電圧の転送タイミング)に基づいてCCDドライバ331から出力されるサンプルホールドパルスに基づいてキャパシタンスCに順次アナログ的に保持され、乗算器324に入力される。
【0066】乗算器324は、各画素の画像データに像高により異なる係数を乗じてシェーディングによる信号強度の変化をアナログ的に補正する機能を要しており、CCDドライバ331から蓄積電圧の転送タイミングに応じて出力されるパルスをカウンタ327でカウントすることにより1ライン中の何れの位置の画素のデータを読み出しているかを計数し、これをアドレスにしてシェーディングRAM326から補正係数を読み出す。シェーディングRAM326には、補正係数がデジタルデータとして保存されており、これをD/A変換器328でアナログデータに変換して乗算器324に入力させる。乗算器324から画像データと補正係数との積として出力される補正された画像データは、A/D変換器325でデジタルデータに変換されてデータバスを介してCPU301に入力される。
【0067】次に、上述したブロック図に示される実施形態にかかるカメラ型スキャナーの作用を説明する。まず、作用説明の前提となる用語を以下のように定義する。結像レンズ3の光軸と走査ミラー2で偏向された光軸とが直角になる状態での走査ミラー2の回動位置を走査ミラーの「ホーム位置」と定義する。また、ミラー駆動モータの回転は、走査開始位置から終了方向に回動させる際の回転を「正転」、反対に走査終了位置から開始位置側へ回動させる際の回転を「逆転」と定義する。
【0068】図14は、走査ミラー2の回動位置とステッピングモータであるミラー駆動モータ70の回転パルス数との関係を示す。走査ミラーの回動位置は、ホーム位置を基準にしたミラー駆動モータ70の回転パルス数で規定される。
【0069】走査ミラー2は、開始側、終了側のメカ端点の間の回動範囲で回動可能であり、実際にはこのメカ端点により規定される回動範囲より狭い範囲内で回動制御される。前述のようにミラー駆動モータ70は走査ミラー2の回動とフィルター4の切換とに兼用されているため、走査ミラーの回動範囲には走査開始位置から撮影終了位置までの撮影用走査領域と、撮影終了位置からフィルタ切換完了位置までのフィルタ切換領域とが含まれる。フィルタ切換完了位置までミラー駆動モータが回転すると、フィルタ支持体が90度回転し、光路中に配置されるフィルタが次のフィルタに切り換えられる。
【0070】走査基準位置センサ204は、撮影用走査領域のほぼ中心に位置する走査基準位置センサ切り替わり位置より走査開始位置側では駆動部材80のシャッタープレート85に遮られてオフ、切換位置より撮影終了位置側ではオンとなる。走査ミラーのホーム位置は、走査基準位置センサがオフからオンに切り替わる切換位置から中心位置補正パルスXcだけ撮影終了位置側に移動した位置として定義される。この中心位置補正パルスXcは、個々のカメラ型スキャナーの走査基準位置センサの取付誤差等の個体差に応じて設定される値であり、例えば「15」程度の数値となる。走査基準位置センサは、中心位置補正パルスXcが必ず正の値となるように、すなわち走査ミラーのホーム位置が必ず走査基準位置センサ切り替わり位置より撮影終了位置側になるように取付位置が定められている。走査ミラーの回動は、このホーム位置を基準に定められるため、センサ取付位置に個体差による誤差がある場合にも個体差による撮影範囲等のバラツキを抑えることができる。
【0071】走査開始位置は、走査ミラー2のホーム位置から開始位置パルスXsだけミラー駆動モータ70を逆転させた際に設定される位置である。開始位置パルスXsは、ファインダー系とのパララックスを補正するために被写体距離に応じてこの例では5740〜6942パルスの間で変化する。ただし、実施形態のスキャナーでは被写体距離そのものは検出していないため、被写体距離に対応する情報として合焦処理で保存された合焦時のレンズパルスカウントPafを利用している。結像レンズがホーム位置に近い場合には近距離の被写体にピントが合うため、被写体が近くにあるものと考えることができ、逆に結像レンズがイメージセンサ側に近い場合には遠方の被写体にピントが合うため、被写体が遠くにあるものと考えることができる。
【0072】そこで、結像レンズのホーム位置からの移動パルス数に応じて走査の開始点を変更することにより、被写体距離に応じて変化するパララックスを補正する。すなわち、ホーム位置からの移動パルス数が小さいときには、パララックスが大きいものと判断して走査範囲の中心が基準走査ラインよりファインダー方向にずれるよう走査開始点をずらし、基準走査ラインを境にファインダー光学系側の走査範囲が反対側の走査範囲より広くなるよう基準走査ラインに対して走査範囲を非対称に設定する。
【0073】結像レンズのホーム位置からの移動パルス数が大きくなるにしたがって非対称性を小さくし、走査範囲の中心と基準走査ラインとのズレが小さくなるよう走査開始点を基準走査ライン側に近づけて設定する。移動パルス数が最大値となったときにはパララックスがないものと判断して走査範囲が基準走査ラインを境として対称になるよう設定される。
【0074】撮影終了位置は、この走査開始位置から撮影用走査パルスXt離れた位置として定義される。撮影用走査パルスXtは、走査ミラーの撮影用走査領域での回動幅を規定するパルス数であり、個体差やパララックス量などの値によって変化しない固定値である。撮影用走査パルスXtの値は、この例では11480パルスとなる。したがって、開始位置パルスXsが5740パルスである場合には、撮影用走査領域は基準走査ラインを境に対称となるが、それ以外の場合には基準走査ラインより開始側の領域が終了側の領域より大きくなって基準走査ラインを境に非対称となる。撮影用走査領域内では、4パルスに1ラインの割合で画像が取り込まれ、副走査方向には2870ライン分の画像が入力される。
【0075】走査ミラー2のホーム位置からフィルタ切換完了位置までを規定する第1フィルタ切換パルスXf1は固定値(この例では8000パルス)であり、撮影終了位置からフィルタ切換完了位置までを規定する第2フィルタ切換パルスXf2は走査開始位置パルスXsの値によりXs−3480で求められ、この例では3500〜4702パルスの間で変化する。
【0076】上記の各パルス数は、走査パルスカウンタXにより管理される。例えば、開始位置パルスXsが6942の場合(これは後述のレンズ位置が最も走査ミラー側に位置する場合(Paf=460)に相当する)、走査開始位置ではX=6942、撮影終了位置ではX=-4538となる。また、フィルタ切換完了位置ではX=−8000となる。
【0077】図15は、結像レンズ3の移動位置とステッピングモータであるレンズ駆動モータ60の回転パルス数との関係を示す。結像レンズは、走査ミラー側となる近接側、イメージセンサ側となる遠方側のメカ端点の間の領域で移動可能であり、移動ストロークは6mm、この移動範囲に相当するレンズ駆動モータのステップ数は480である。したがって、1ステップ当たりの移動量は12.5μmとなる。レンズ駆動モータの回転方向は、結像レンズを近接側に移動させる際の回転を「正転」、遠方側に移動させる際の回転を「逆転」と定義される。
【0078】図中のレンズホーム位置は、「カメラから23cm離れた位置に配置された被写体をイメージセンサ上に合焦状態で結像させることができる結像レンズの位置」として定義される結像レンズの基準位置である。結像レンズ3の移動位置を示すレンズ位置カウンタPafは、このホーム位置で「460」にセットされ、遠方側に移動するにしたがって1ステップづつデクリメントされ、最も遠方側のソフト端点で「0」となる。
【0079】ただし、レンズホーム位置をレンズセンサの出力の切り替わり点として固定すると、ホーム位置を正確に出すために各部材の許容取付誤差範囲が狭くなり、組付けが困難になる。このため、実施形態では、基準となるホーム位置をレンズセンサの出力の切り替わり点より遠方側に設定し、切り替わり位置からホーム位置までのパルスをホーム位置補正パルスPhcとして個々のスキャナー毎に設定している。これにより、撮影用のイメージセンサ、レンズセンサの取付位置が誤差を含む場合にも、ホーム位置を前記の定義通りに正確に位置決めすることができる。
【0080】次に、前述したブロック図に示される実施形態にかかるカメラ型スキャナーのCPU300の作用を図16〜図21に示すフローチャートにしたがって説明する。スキャナー本体1に設けられた電源スイッチがオンされると、スキャナーは図16に示すメインフローチャートにしたがって制御される。メインフローチャートのステップ(以下、Sと略称する)001において初期化処理(図17)を呼び出して実行する。初期化処理は、走査ミラーをホーム位置に配置すると共に、モノクロ用の無色フィルタ4aが光路中に配置されるよう設定し、結像レンズ3をホーム位置にセットする処理である。
【0081】初期化処理が終了すると、S003でリモコンのモードスイッチがオンされたか否かを判断し、オフからオンへの変化が検出された場合にS005でモード変更処理を呼び出して実行する。モード変更処理についての詳細は省略するが、この処理はモードスイッチとアップ/テレスイッチ54、ダウン/ワイドスイッチ55の操作により、スキャナーの撮影モードを変更するための処理である。
【0082】S007〜S013では、リモコンのアップ/テレスイッチ54、ダウン/ワイドスイッチ55が操作されたか否かを判断し、アップ/テレスイッチ54がオフからオンに変化した場合には撮影範囲を縮小し、ダウン/ワイドスイッチ55がオフからオンに変化した場合には撮影範囲を拡大する。
【0083】実施形態のカメラ型スキャナーは、イメージセンサ上の主走査方向の使用画素数と副走査方向の走査範囲とを変更することにより、3種類の撮影範囲を選択できるよう構成されている。主走査方向の画素数と走査範囲との積で表される撮影画面の画素数は、最も大きい撮影範囲が選択されている場合には600万画素、中間の撮影範囲が選択されている場合には200万画素、そして、最小の撮影範囲が選択されている場合には50万画素となる。なお、撮影範囲の切換は以下のフローチャートの説明では触れられていない。
【0084】S015では、リモコンのスタートスイッチ51がオフからオンに変化したか否かが判断される。このスイッチが操作されずにオフのままであるときには、S003〜S013の処理が繰り返し実行される。スタートスイッチ51がオンすると、S017でリモコン着脱検出センサ311の出力をチェックし、これがオンである場合、すなわちリモコンが本体に装着されている場合には、S019でメモリスロット230に装填されたメモリカードや内部メモリ340から、画像データを外部出力端子231に接続されたコンピュータ等の外部機器に出力する。
【0085】スタートスイッチ51がオンしたときにリモコン着脱検出センサ311の出力がオフである場合、すなわちリモコンが本体から外されている場合には、S021において合焦処理(図18,19)、S023において測光処理が実行され、結像レンズが合焦位置に移動されると共に、被写体の明るさが判断され、S025で撮影処理(図21)が実行される。撮影処理は、設定された条件にしたがって被写体を走査することにより画像を取り込む処理であり、この処理が正常に終了するとS001の初期化処理からの制御が繰り返される。
【0086】なお、この装置における「測光」は、基準走査ラインの測光対象領域の最大輝度を検出する処理をいう。検出された最大輝度に基づいて、イメージセンサの画素が飽和しないよう撮影時のイメージセンサの各ライン毎の蓄積時間を決定し、決定された設定時間によりミラー駆動モータの回転速度を決定する。
【0087】次に、メインフローチャートのS001,S021,S025に示される各処理の詳細について順に説明する。図1717は、メインフローチャートのS001で実行される初期化処理の詳細を示す。初期化処理に入ると、S101でフィルタカウンタFCが「0」にリセットされる。S103でフィルタセンサ205がオフしていると判断される場合には、無色フィルタ4aが光路中に配置されていることとなるため、フィルタの切換は行われない。
【0088】フィルタセンサがオンの場合には、フィルタを1枚切り換えてフィルタカウンタFCをインクリメントする(S105,S107)。S109では、フィルタカウンタFCが3より大きいか否かを判断し、3以下である場合にはS103からの処理がフィルタセンサがオフするまで繰り返される。フィルタの数は4枚であるため、最大でもフィルタカウンタFCが3になればモノクロフィルタがセットされるはずであり、フィルタカウンタFCが4になってもフィルタセンサがオフしない場合には、何らかの故障があるものと考えることができる。そこで、この場合にはS109からエラー処理に入る。
【0089】その後、走査ミラーおよび結像レンズがそれぞれのホーム位置に設定され(S111,S113)、レンズパルスカウンタPafにホーム位置のカウント「460」をセットする(S115)。
【0090】図18および図19は、メインフローチャートのS021で実行される合焦処理の詳細を示すフローチャートである。実施形態のカメラ型スキャナーでは、被写体の測光情報と被写体に対する合焦状態に関する情報とを共に撮影用のイメージセンサ16を用いて読み取る構成である。これらの測光、合焦検出は、いずれも走査ミラーがホーム位置にあって読み取りラインが基準走査ラインに一致している状態で行われる。すなわち、被写体の一部であるホーム位置における1ライン分のコントラスト、明るさに基づいて被写体全体に対する合焦状態、明るさが判定される。
【0091】合焦検出時には、結像レンズを最近接位置から遠方側に向けて1ステップづつ移動させ、ステップ毎にセンサ出力を取り込み、対象領域の最大輝度と最小輝度との差をコントラストと捉え、コントラストが前回取り込んだステップより低下し始めたステップ、すなわちコントラストのピーク直後のステップを最も良く被写体にピントが合った位置と判断してその位置に結像レンズを設定する。このようなコントラスト法は、焦点位置を挟む2つの位置に配置されたセンサのコントラストを比較する従来から知られているコントラスト法と比較すると、走査コントラスト法ということができる。
【0092】図18の処理では、まず、デフォルトの一定蓄積時間でイメージセンサの蓄積信号を読み取り、主走査方向の中央の画素を中心にした1000ビット分のデータを判定対象として入力する(S301)。このとき、走査ミラーはホーム位置に設定されており、結像レンズは撮影可能範囲の最短距離の被写体にピントが合うようホーム位置に設定されている。
【0093】続いて、判定対象の1000ビットの輝度の光量補正(暗電流の補正等)後の輝度から最大輝度Bmaxと最小輝度Bminとを検出する(S303)。S305では、S303で求められた最大輝度Bmaxと最小輝度Bminとの差を求め、これを第1の輝度差変数Bsub1に書き込む。ここで求められる輝度差が、被写体のコントラストを示す指標として用いられる。続いて、第1の輝度差変数Bsub1の内容を第2の輝度差変数Bsub2に移し(S307)、レンズ駆動モータを1パルス逆転させてレンズパルスカウンタをデクリメントする(S309,S311)。合焦処理に入った直後のレンズパルスカウンタの値は「460」である。
【0094】結像レンズをモータ1パルス分移動させた後、再びデフォルトの一定蓄積時間蓄積されたイメージセンサの出力を中心の1000ビット分読み込んで最大輝度Bmax、最小輝度Bminを検出する(S313,S315)。S317では、S315で求められた最大、最小輝度の輝度差が第1の輝度差変数Bsub1に書き込まれる。S307,S317の処理により、第1の輝度差変数Bsub1には、第2の輝度差変数Bsub2に設定されている輝度差を検出したときより結像レンズを1パルス分イメージセンサ側に移動させた際の輝度差が設定されることになる。
【0095】S307〜S317の処理は、S319においてレンズパルスカウントが0より大きいと判断され、かつ、S321で最新の輝度差信号が1パルス前の結像レンズ位置における輝度差信号より大きいと判断される間繰り返して実行される。結像レンズを光軸に沿って一方向に移動させる場合、被写体のコントラストは結像レンズが合焦位置に近接するにしたがって高くなり、合焦位置を越えると低下し始める。したがって、S321で最新の輝度差信号より前回の輝度差信号の方が大きいと判断された場合には、そのときの結像レンズの位置で被写体に対して合焦していると考えられる。そこで、レンズパルスカウンタPafの値を保存してメインフローチャートにリターンする(S323)。
【0096】S321において合焦位置が検出される前に、レンズパルスカウントPafが「0」となり結像レンズが遠方側の端点に達したとS319において判断された場合には、イメージセンサの信号を保存して図19のS341に進む(S325)。
【0097】図19の処理は、図18の処理で結像レンズを最近接側から最遠方側まで1ステップづつ移動させてコントラストを検出しても合焦位置を検出できなかった場合に実行される処理であり、この例では補助光ユニットを用いて被写体に積極的にコントラストを付加し、図18の場合とは逆に結像レンズを最遠方側から最近接側に向けて1ステップづつ移動させてコントラストの変化を検出する。
【0098】図19では、まず合焦検出用の補助光を点灯させて被写体にパターンを投影してイメージセンサの信号を取り込み、補助光点灯前にS325で保存された信号と補助光点灯後に取り込まれた信号とを比較する(S341,S343,S345)。補助光の点灯によってイメージセンサの信号が変化しない場合には、被写体が補助光が届かない遠方に位置するものと考えられるため、現在のレンズ位置(最遠方側)でピントが合うものとして結像レンズをそれ以上移動させることなく補助光を消灯し、レンズパルスカウンタPafを保存してメインフローチャートにリターンする(S363,S365)。
【0099】補助光の点灯によってイメージセンサの信号が変化した場合には、被写体が補助光の届く距離にあると考えられるため、S347〜S357においてレンズ駆動モータを1パルスづつ正転させ、パルスカウントをインクリメントしつつ、取り込まれた画像データからコントラストを求め、コントラストが低下し始める点を検出する。S359でレンズパルスカウントPafが最近接側である「460」に達したと判断される前にS361で前回よりコントラストが低下したと判断されると、その位置を合焦位置と判断して補助光を消灯し、レンズパルスカウンタPafを保存してメインフローチャートにリターンする(S363,S365)。
【0100】S361において合焦位置が検出される前に、レンズパルスカウントPafが「460」となり結像レンズが近接側の端点に達したとS359において判断された場合には、補助光が届く範囲に位置するにも拘わらず結像レンズの可動範囲内でコントラストのピークが発見できないこととなるため、被写体が最短撮影距離である23cmより近い位置に配置されているか、スキャナー自体に何らかの支障があるものと考えられるため、補助光を消灯し、撮影を禁止してエラー処理に入る(S359,S367)。
【0101】図20は、メインフローチャートのS025で実行される撮影処理の詳細を示すフローチャートである。撮影処理は、合焦処理で設定された結像レンズ位置を基準に、各走査ライン毎に測光処理で求められた蓄積時間が確保できる走査速度で走査ミラーを回動させながら画像を取り込む処理である。撮影処理に入ると、S501でフィルタカウンタFCが「0」に初期化され、S503において撮影がモノクロモードか否かが判断される。前述の初期化処理でモノクロ用の無色フィルター4aが光路中にセットされているため、モノクロモードの場合にはフィルターを切り換えることなく、S509の走査ミラーの走査開始位置への設定が実行される。モノクロモードでない場合、すなわちカラー撮影のモードに設定されている場合には、走査ミラーの開始位置への設定前にミラー駆動モータを回転させてフィルタを切り換え、フィルタカウンタFCをインクリメントする(S505,S507)。
【0102】続いて、走査ミラーを結像レンズの位置に応じてパララックスを補正できる走査開始位置まで回動させ(S509)、この走査開始位置から測光データに基づいて求められた走査速度fpによりミラー駆動モータを正転させる(S511)。
【0103】S513〜S525の処理が、被写体の撮影に関する処理である。走査ミラーの回動による走査位置に応じて変化する被写体距離に応じて合焦状態が保たれるよう結像レンズを移動させつつ(S513)、走査終了位置に達するまでミラー駆動モータの駆動パルス4パルス毎にイメージセンサから画像信号を繰り返し読み取る(S515,S525)。また、S517は、結像レンズ3のコサイン4乗則による周辺光量低下等による主走査方向の光量ムラを補正するためのシェーディング補正処理である。さらに、S519,S521ではカラー撮影の場合にフィルターへの主走査方向の入射角度の違いによる透過波長帯のシフトを光量の変化として捉え、画像データの輝度を各色毎に画素単位で補正する。
【0104】S523では、走査ミラーの回動による走査位置に応じた結像倍率の変化による像の歪曲を補正するよう基準走査ラインに合わせて副走査方向の周辺部のラインでデータを補完して伸張させる。なお、S513におけるレンズ移動量、およびS523におけるデータ伸張量は、被写体が走査ミラーがホーム位置にある際の光軸に対して垂直な平面であることを前提にして、副走査方向の各ライン毎に所定の近似式を用いた演算結果に基づいてオープンループ制御により実行される。
【0105】走査ミラーが走査終了位置に達すると、ミラー駆動モータが停止され、撮影モードがモノクロか否か、カラーの場合には各色成分の3回の走査が終了したかが判定され、モノクロの場合、カラーで3回の走査が終了した場合にはメインフローチャートにリターンする(S527,S529,S531)。カラー撮影のモードで3回の走査が終了していない場合には、S505からの処理が繰り返される。
【0106】なお、補助光は、ほぼ平行光として投光される方が光量の分散が少ないために有利である。また、合焦状態を検出するためのレンズ、この例では結像レンズは、補助光が投影される領域の中心部分を検出対象とすることが望ましい。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、走査ミラーを介して補助光を被写体側に投光する構成とすることにより、補助光の投光範囲を走査ミラーの回動角度に合わせて変更することができ、この投光範囲をイメージセンサの読み取り範囲に一致させておくことにより、走査ミラーが走査範囲内の何れの回動位置に設定されている場合にも、読み取り対象範囲に補助光を投光することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るカメラ型スキャナの実施形態の撮影光学系を示す図である。
【図2】 図1のカメラ型スキャナの外形を示す斜視図である。
【図3】 図2のカメラ型スキャナの概略構成を示す斜視図である。
【図4】 図2のカメラ型スキャナの内部構成を示す平面図である。
【図5】 図4のカメラ型スキャナの線分A−Aについての断面図である。
【図6】 図4のカメラ型スキャナの線分B−Bについての断面図である。
【図7】 駆動機構を示す平面図である。
【図8】 ミラー保持部を示す斜視図である。
【図9】 図4のカメラ型スキャナの線分C−Cについての断面図である。
【図10】 カラーフィルタホルダを示す斜視図である。
【図11】 図4のカメラ型スキャナの線分D−Dについての断面図である。
【図12】 カメラ型スキャナの制御系を示すブロック図である。
【図13】 図12に示される画像処理回路の詳細を示すブロック図である。
【図14】 走査ミラーの回動位置とミラー駆動モータのパルス数の関係を示す概略図である。
【図15】 結像レンズの回動位置とレンズ駆動モータのパルス数の関係を示す概略図である。
【図16】 カメラ型スキャナのメインフローチャートである。
【図17】 初期化処理を示すフローチャートである。
【図18】 合焦処理を示すフローチャートである。
【図19】 合焦処理を示すフローチャートである。
【図20】 撮影処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 カメラ型スキャナ
2 走査ミラー
4 カラーフィルタ群
3 結像レンズ
5 リモコン
6 レンズ駆動機構
7 ミラー駆動機構
11 補助光ユニット
12 窓部
15 ファインダ
16 イメージセンサ
60 走査用モータ
70 レンズ駆動モータ
203 レンズ基準位置センサ
204 走査基準位置センサ
300 CPU
310 メインスイッチ
311 リモコンセンサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 被写体像を形成する結像レンズと、前記結像レンズにより形成された被写体像の一次元的な画像情報を電子的に読み取るライン型イメージセンサと、前記被写体と前記結像レンズとの間に設けられ、前記イメージセンサの画素配列方向とほぼ平行な回動軸回りに回動することにより前記イメージセンサ上に前記被写体像を走査させ、前記イメージセンサに前記被写体像の二次元的な画像情報を読み取らせる走査ミラーと、前記走査ミラーに対して前記イメージセンサと同一側に配置され、前記走査ミラーを介してコントラスト付加用のパターンを前記被写体に投影する補助光ユニットとを備えることを特徴とする走査型画像読み取り装置。
【請求項2】 前記イメージセンサの出力に基づいて前記結像レンズの合焦状態を検出する合焦検出手段を備え、前記補助光ユニットは、少なくとも被写体上で前記イメージセンサにより読み取られる部分に前記パターンを投影するよう配置されていることを特徴とする請求項1に記載の走査型画像読み取り装置。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図15】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図11】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図14】
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【図20】
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【図13】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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