説明

超音波内視鏡及び内視鏡装置

【課題】超音波画像を見ながら術具を用いて被検体の対象部位を検査、診断、治療等する際、超音波の視野を広くし、かつ、画質を向上させることにある。
【解決手段】被検体の体腔内に挿入される挿入部のヘッド部において、先端の側面部にヘッド部の軸方向に配列された複数の振動子を有する超音波探触子と、先端の前面部に開口され挿入案内用の光学撮像器具が挿通される第1の挿通穴と、術具が挿通される第2の挿通穴及び光照射器具が挿通される第3の挿通穴とを形成し、第2と第3の挿通穴の開口を超音波探触子の後端側に位置する傾斜面に形成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波内視鏡及び内視鏡装置に係り、特に、被検体の体腔内に超音波内視鏡を挿入して被検体の対象部位を検査、診断、治療等する時に用いる超音波内視鏡及び内視鏡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、ヘッド部と湾曲部を有する挿入部と、挿入部の後端側に設けられた操作部を備える超音波内視鏡が提案されている。そして、ヘッド部の先端の前面部に、CCDを挿通させる挿通穴の開口と、穿刺針等の処置具を挿通させる挿通穴の開口と、照明を挿通させる挿通穴の開口とが形成されている。また、ヘッド部の側面側には、複数の圧電素子が配列された超音波振動子部が設けられている。特に、特許文献1によれば、CCDの観察範囲と超音波の走査範囲(視野)の少なくとも一部を重ならせるために、ヘッド部の先端と超音波の走査範囲の一部を重ならせている。これにより、CCD画像の深度方向を超音波画像で観察できるから、病変部位の診断精度を向上できるとしている。なお、特許文献1は、倍率の異なる2つのCCDを設け、病変部位を細胞レベルで診断する場合は高倍率のCCDを用いるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−118133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のような超音波内視鏡は、ヘッド部の先端と超音波の視野の一部を重ならせているから、超音波が妨げられて超音波画像が一部欠けることになる。したがって、超音波画像を見ながら穿刺針や鉗子等の術具を操作する対象部位が見にくくなるという問題がある。さらに、ヘッド部の先端に当たった超音波が反射して、超音波画像の画質が低下して術具の操作が難しくなる。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、超音波画像を見ながら術具を用いて被検体の対象部位を検査、診断、治療等する際、超音波の視野を広くし、かつ、画質を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の超音波内視鏡は、ヘッド部を先端に有するロッド状の挿入部と、挿入部の後端部に設けられた操作部とを備えてなり、ヘッド部は、先端の側面部にヘッド部の軸方向に配列された複数の振動子を有する超音波探触子と、先端の前面部に開口され挿入案内用の光学撮像器具が挿通される第1の挿通穴と、超音波探触子の後端側に超音波探触子の視野に向けて開口され術具が挿通される第2の挿通穴及び光照射器具が挿通される第3の挿通穴とを備えてなる超音波内視鏡であって、第2の挿通穴及び第3の挿通穴は、超音波探触子の後端側に位置させてヘッド部に形成された傾斜面に開口されることを特徴とする。
【0007】
これによれば、ヘッド部の後端側に向かって超音波の視野から離れる方向に傾斜させた傾斜面に術具の挿通穴を開口させているので、超音波の視野が妨げられることを防止できる。したがって、超音波の視野を広くでき、かつ、超音波画像の画質を向上できる。さらに、ヘッド部の軸から離れる方向に向かう超音波の視野に向けて術具の挿通穴を傾斜させているから、術具が挿通穴に案内され、超音波の視野内の対象部位に向けて術具を進入させることができる。
【0008】
この場合において、ヘッド部の形状をセクタ型及びリニア型にすることで、ケーブルの挿入径を小さくすることが可能となり、内視鏡を挿入する際の患者等の被検体への負担を軽減できる。
【0009】
また、術具の挿通穴の開口が形成された傾斜面に、超音波の視野に向けて開口させた術具用の光学撮像器具が挿通される挿通穴の開口を形成することができる。これによれば、術具が進入される対象部位の表面の光学画像を得ることができ、この光学画像を見ながら術具を操作できる。
【0010】
また、超音波探触子の超音波送受信面をヘッド部の先端側に向けて傾斜させることができる。これによれば、超音波送受信面が挿入方向の前方の体腔に傾くから、超音波送受信面を被検体の対象部位に当てやすくできる。
【0011】
一方、本発明の超音波内視鏡と、超音波内視鏡を制御する制御装置と、超音波内視鏡によって得られた画像を表示する表示装置とを備える内視鏡装置を構成することができる。
【0012】
また、挿入案内用の光学撮像器具と術具用の光学撮像器具を備える超音波内視鏡を用いて内視鏡装置を構成する場合は、超音波を送受信している間は、術具用の光学撮像器具によって得られた光学画像を表示装置に表示することが好ましい。これによれば、超音波内視鏡を挿入する際は、挿入方向の光学画像が表示装置に表示され、超音波内視鏡が対象部位に到達し超音波を送受信している間は、超音波の視野の光学画像に切り替わるから、一台の表示装置で挿入案内用と術具操作用の光学画像を表示できる。
【発明の効果】
【0013】
超音波画像を見ながら術具を用いて被検体の対象部位を検査、診断、治療等する際、超音波の視野を広くでき、かつ、画質を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1の超音波内視鏡のヘッド部の断面図である。
【図2】図1のヘッド部を備える超音波内視鏡の全体図である。
【図3】図2の超音波内視鏡を備える内視鏡装置の概略構成図である。
【図4】リニア型の超音波探触子を用いた場合の超音波の視野を示す図である。
【図5】セクタ型又はリニア型の探触子に接続されるケーブルと、コンベックス型の探触子に接続されるケーブルの太さを比較した図である。
【図6】(a)は実施形態2の超音波内視鏡のヘッド部の上面図、(b)は(a)の線Vb−Vbの位置の断面図、(c)は(a)の線Vc−Vcの断面図である。
【図7】図6の超音波内視鏡を備える内視鏡装置の概略構成図である。
【図8】(a)は実施形態3の超音波内視鏡のヘッド部の断面図、(b)は(a)の超音波探触子の位置の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1〜3を用いて、実施形態1の超音波内視鏡及びその超音波内視鏡を備える内視鏡装置を説明する。図1、2に示すように、実施形態1の超音波内視鏡1は、被検体の体腔内に挿入されるロッド状の挿入部3と、挿入部3の後端側に設けられた操作部5を備えている。挿入部3は、例えば、軸方向断面が円形の棒状に形成されている。挿入部3は、湾曲自在に形成された湾曲部7と、湾曲部7の先端に設けられたヘッド部9を備えている。湾曲部7は、操作部5に設けられた操作ノブ11の回転によって上下左右に湾曲可能になっている。
【0016】
ここで、実施形態1の超音波内視鏡の特徴構成であるヘッド部9について説明する。ヘッド部9は、先端の側面部にヘッド部9の軸方向に沿って配列された複数の振動子を有する超音波探触子13と、先端の前面部に開口され挿入案内用の光学撮像器具が挿通される挿通穴15と、超音波探触子13の後端側に超音波探触子13の視野17に向けて開口され術具が挿通される挿通穴19及び光照射器具が挿通される図に表れていない挿通穴とが設けられている。つまり、光照射器具が挿通される挿通穴は、図1の紙面に直交する方向に挿通穴19に並べて形成されている。超音波探触子13は、例えば、セクタ型の超音波探触子であり、超音波の視野(走査範囲の形状)17がヘッド部9の軸から離れる方向に広がる扇型になるように制御される。超音波探触子13の後端部には、超音波の送受信号を伝送するケーブル21が接続されている。挿通穴15は、超音波探触子13の超音波の送受信面23の裏面側に形成されている。挿通穴15の開口25は、挿入部3を挿入する際の挿入方向の前方に開口が向くように、ヘッド部9の先端の前面部に形成されている。このように形成された挿通穴15には、光学撮像器具、例えば、撮像素子に接続された光ファイバーや、ケーブルが接続されたCCD(電荷結合素子)が挿通され、光照射器具の照明によって挿入部3の挿入方向の光学画像を得られるようになっている。
【0017】
挿通穴19の開口26は、超音波探触子13の後端側のヘッド部9に形成された傾斜面27に形成されている。傾斜面27は、超音波探触子13の後端側に隣接し、かつ、超音波探触子13の後端側からヘッド部9の後端側に向かって上向きの傾斜角で形成されている。つまり、傾斜面27は、ヘッド部9の後端側に傾斜させてヘッド部9の軸に対して角度を有して形成されている。これにより、傾斜面27は、ヘッド部9の後端側に向かって超音波の視野17から離れる方向に傾斜する。穿刺針や鉗子等の術具を挿通させる挿通穴19は、傾斜面27の開口26に向かってヘッド部9の軸から離れる方向に傾斜して形成されている。これにより、挿通穴19に挿通された穿刺針や鉗子等の術具が、挿通穴19に沿って案内され、開口26から超音波の視野17に向かって進入するようになっている。また、光照射器具が挿通される挿通穴は、傾斜面27に開口させ、挿通穴19と平行で、かつ、同一方向に傾斜して形成される。なお、傾斜面27の傾斜角は、超音波の視野17を妨げないように、超音波の視野角に応じて適宜設定する。
【0018】
次に、図3に示す実施形態1の超音波内視鏡1を備える内視鏡装置を説明する。内視鏡装置は、超音波内視鏡1と、超音波内視鏡1を制御する制御装置29と、超音波内視鏡1によって得られた光学画像と超音波画像を表示する表示装置31と、表示装置31に接続される記憶装置33を備えている。制御装置29は、挿通穴15に挿通される光学撮像器具に接続される内視鏡観察装置35と、超音波探触子13にケーブル21を介して接続される超音波観測装置37及び画像処理装置39と、光照射器具を制御する光学装置41を備えている。内視鏡観察装置35は、挿通穴15に挿通される光学撮像器具から入力される信号に基づいて、挿入部3の挿入方向の光学画像を生成するようになっている。超音波観測装置37は、超音波探触子13に超音波の送信信号を出力するようになっている。画像処理装置39は、超音波探触子13から入力され超音波の受信信号に基づいて、超音波画像を生成するようになっている。表示装置31には、内視鏡観察装置35と超音波観測装置37と画像処理装置39が接続され、超音波画像と光学画像を表示する表示部が設けられている。表示装置31は、例えば、超音波画像と光学画像を同時に表示し、又は、超音波画像と光学画像を切り替えて表示するようになっている。記憶装置33は、表示部に入力される超音波画像と光学画像を記憶するようになっている。
【0019】
このように構成される実施形態1の超音波内視鏡の特徴作用を、内視鏡装置の操作に沿って説明する。超音波内視鏡1の挿入部3を被検体の体腔内に挿入する際は、挿通穴15の光学撮像器具によって得られた挿入方向の前方の光学画像が表示装置31に表示される。この光学画像を見ながら医師等の操作者は、操作ノブ11等を操作して挿入部3を被検体の体腔内に挿入する。挿入部3の先端のヘッド部9が所望の位置に到達すると、操作者による操作ノブ11等の操作によってヘッド部9の位置や向きが変えられ、その操作に対応する光学画像が表示装置31に表示される。光学画像に検査、診断、治療等の対象部位が表れると、操作者によってヘッド部9が対象部位に近づけられ、超音波探触子13の超音波の送受信面23が対象部位に接触させられる。そして、超音波の送信信号が超音波探触子13に入力され、超音波の視野17が扇形に広がるセクタ走査が行われる。セクタ走査によって得られた超音波の受信信号は、超音波探触子13から画像処理装置39に送られ、対象部位の超音波画像(断層画像)が生成されて表示装置31に表示される。この超音波画像を見ながら、操作者は、術具を操作することができる。例えば、対象部位に穿刺針を穿刺する場合、超音波画像に穿刺針の針先を表示させて対象部位の所望の深さに針先を進入させ、細胞の採取、薬剤の注入等を行うことができる。
【0020】
このような操作において、実施形態1の超音波内視鏡1のヘッド部9は、術具の挿通穴19の開口26を、超音波の視野17の視野角に沿って傾斜する傾斜面27に形成したので、開口26が形成された傾斜面が超音波の視野17を妨げることはない。したがって、超音波の視野17は広く確保され、かつ、超音波画像の画質を向上できる。また、術具の挿通穴19を、開口26に向けてヘッド部9の軸から離れる方向に傾斜させたので、ヘッド部9の軸から離れる方向に広がる超音波の視野17に向けて術具を案内できる。これらにより、術具を突出させる開口26を超音波の視野17に隣接させても、超音波の視野17を妨げることはない。
【0021】
なお、超音波探触子13は、セクタ型又はリニア型を用いることが好ましい。セクタ型は、セクタ走査を行うことにより、少ない振動子でも広い視野を確保できる。リニア型の超音波探触子49は、図4に示すように、超音波の視野50を超音波の送受信面51の真上方向のみならず、斜め方向に振る(トラペゾイド)ことで、超音波の視野50を広げることができる。一方、コンベックス型の超音波探触子は、視野角を広げるためには、超音波の送受信面を広くして送受信面全体に振動子を配置するから、セクタ型、リニア型に比べて振動子が多くなる。したがって、超音波の視野の広さが同じ場合は、図5(a)に例示するようにセクタ型又はリニア型の超音波探触子を用いることにより、超音波の送受信号を伝送するケーブル55を細くできる。その結果、ケーブル55の挿入径を小さくして挿入部3を細くできるから、ヘッド部の形状をセクタ型及びリニア型にすることで内視鏡を挿入する際に患者等の被検体にかかる負担を軽減できる。これに対して、図5(b)に例示すようにコンベックス型の超音波探触子を用いると、超音波の送受信号を伝送するケーブル57が太くなるから、ケーブル57が挿通する挿入部3が太くなり、挿入部3を挿入する際の被検体の負担が増加する。なお、図5(a)、(b)のケーブル55、57以外は、術具挿通穴61、光照射器具挿通穴63、光学撮像器具挿通穴65、及び送水ノズル穴67である。
【0022】
(実施形態2)
図6、7を用いて、実施形態2の超音波内視鏡及びその超音波内視鏡を備える内視鏡装置を説明する。実施形態2が実施形態1と相違する点は、傾斜面27に、術具が挿通される挿通穴19の開口26と同一方向に開口され、術具用の光学撮像器具が挿通される挿通穴71を形成した点である。また、傾斜面27に開口させた光照射器具が挿通される挿通穴75とは別に、挿入案内用の光学照射器具が挿通される挿通穴を形成し、この光学照射器具に接続される光学装置74を制御装置29に設けた点である。そして、超音波探触子13が超音波を送受信している間は、術具用の光学撮像器具によって得られた光学画像が表示装置31に表示されるようにした点である。その他の構成は、実施形態1と同一であるから、同一の符号を付して説明を省略する。
【0023】
ヘッド部9の超音波探触子13の後端側に、超音波の視野17に向けて傾斜面27に開口され術具用の光学撮像器具が挿通される挿通穴71が形成されている。挿通穴71は、傾斜面27の開口73に向かってヘッド部9の軸から離れる方向に傾斜して形成されている。開口73は、傾斜面27の術具の挿通穴19の開口26と同じ高さに形成され、開口26に隣接させて設けられている。挿通穴71の上方には、実施形態1の図に表れていない光照射器具が挿通される挿通穴75が形成されている。挿通穴75は、傾斜面27の照明窓である開口79に向かってヘッド部9の軸から離れる方向に傾斜して形成されている。開口79は、傾斜面27の開口73及び開口26の位置よりも上方に形成され、傾斜面27の上方から照明するようになっている。なお、図に表れていない挿入案内用の光学照射器具が挿通される挿通穴は、超音波探触子13の超音波の送受信面23の裏面側であって挿通穴15に隣接して形成され、挿通穴15の開口25と同じ方向に開口されている。この開口を照明窓として挿入部3の挿入方向を照明可能になっている。
【0024】
ここで、実施形態2の特徴動作を説明する。超音波内視鏡1の挿入部3を被検体の体腔内に挿入する際は、挿入案内用の光学撮像器具(挿通穴15に挿通される光学撮像器具)によって得られた挿入方向の前方の光学画像が表示装置31に表示される。そして、検査、診断、治療等の対象部位に超音波探触子13を押し当て超音波の送受信が開始されると、超音波画像とともに、術具案内用の光学撮像器具(挿通穴71に挿通される光学撮像器具)によって得られた対象部位の表面の光学画像が表示装置31に表示される。これにより、超音波画像に加えて対象部位の表面を見ながら術具を操作できる。例えば、光学画像を見ながら穿刺針の針先をずらして、穿刺位置を微調整することができる。また、対象部位を鉗子で挟む等の操作の場合も、鉗子位置を微調整できる。
【0025】
これによれば、超音波内視鏡1の挿入部3を挿入する際は、挿入方向の光学画像が表示装置31に表示され、超音波内視鏡1のヘッド部9が対象部位に到達し超音波を送受信している間は、超音波の視野17の光学画像に自動で切り替わるから、一台の表示装置31で挿入案内用と術具操作用の光学画像を表示できる。
【0026】
なお、超音波が送受信されていないときは、挿入案内用の光学撮像器具によって得られた光学画像と、術具案内用の光学撮像器具によって得られた光学画像とを適宜切り替えて表示装置31に表示するように構成できる。また、超音波が送受信されている間であっても、光学画像を手動で切り替え可能なスイッチ等を設けることができる。
【0027】
(実施形態3)
図8を用いて、実施形態3の超音波内視鏡1を説明する。実施形態3が実施形態1と相違する点は、超音波探触子81をヘッド部9の軸方向に平行な面に対して傾斜角θだけ傾けて、超音波の送受信面83をヘッド部9の先端側に向けて傾斜させた点である。その他の構成は実施形態1と同一であるから、同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】
これによれば、超音波の送受信面83が挿入方向の前方の体腔に傾くから、超音波の送受信面83を被検体の対象部位に容易に接触させることができる。
【0029】
なお、超音波探触子81の傾斜角θを大きくし過ぎるとヘッド部9が大きくなるから、傾斜角θは、10°〜40°が好ましい。また、傾斜角θは、傾斜面27のヘッド部9の軸方向に平行な面との傾斜角よりも小さくすることが好ましい。つまり、傾斜角θが大き過ぎると、超音波の視野17がヘッド部9の先端側に大きく傾くので、超音波の視野17に向けて術具を操作し難くなる。
【符号の説明】
【0030】
1 超音波内視鏡
3 挿入部
5 操作部
7 湾曲部
13 超音波探触子
15 挿通穴
17 視野
23 送受信面
25 開口
26 開口
27 傾斜面
29 制御装置
31 表示装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッド部を先端に有するロッド状の挿入部と、該挿入部の後端部に設けられた操作部とを備えてなり、
前記ヘッド部は、先端の側面部に前記ヘッド部の軸方向に配列された複数の振動子を有する超音波探触子と、先端の前面部に開口され挿入案内用の光学撮像器具が挿通される第1の挿通穴と、前記超音波探触子の後端側に前記超音波探触子の視野に向けて開口され術具が挿通される第2の挿通穴及び光照射器具が挿通される第3の挿通穴とを備えてなる超音波内視鏡であって、
前記第2の挿通穴及び第3の挿通穴は、前記超音波探触子の後端側に位置させて前記ヘッド部に形成された傾斜面に開口されてなる超音波内視鏡。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波内視鏡において、
前記傾斜面は、前記第3の挿通穴の開口と同一方向に開口され前記術具用の光学撮像器具が挿通される第4の挿通穴が形成され、該第4の挿通穴は、開口に向かって前記ヘッドの軸から離れる方向に傾斜して形成されてなる超音波内視鏡。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の超音波内視鏡において、
前記超音波探触子は、超音波の送受信面が前記ヘッド部の先端側に向けて傾斜して設けられてなることを特徴とする超音波内視鏡。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の超音波内視鏡と、該超音波内視鏡を制御する制御装置と、前記超音波内視鏡によって得られた画像を表示する表示装置を備えてなることを特徴とする内視鏡装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−192022(P2012−192022A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−57927(P2011−57927)
【出願日】平成23年3月16日(2011.3.16)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】