説明

足乗せ靴

【課題】 本発明の課題は、長時間列車や自動車に乗ったときに足がむせるのを防ぐため、足乗せ台と一体となるようにした靴を提供する。
【解決手段】 本発明の課題は、靴にあらかじめ、足乗せ台用の金具を装着あるいは装着できる装置を設置しておいて、その足乗せ台用の金具を長時間列車や自動車に乗ったときに組立てて、足乗せ台とする靴によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長時間列車や自動車に乗ったときに足がむせるのを防ぐため、足乗せ台と一体となるようにした靴に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、長時間列車や自動車に乗ったときに足がむせるのを防ぐため、特急列車のグリーン車などでは足乗せ台がついた列車もある。また、携帯用のスリッパを携行して、履き替えたりすることが行われている。しかし、足乗せ台のある列車は料金が高いことや、別にスリッパを携行するにはあらかじめスリッパに履き替えることを予想して準備する必要があることやカバンに入れるとかさばるなどの不便さがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、上述のような背景を踏まえて、長時間列車や自動車に乗ったときに足がむせるのを防ぐため、足乗せ台と一体となるようにした靴を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の課題は、靴にあらかじめ、足乗せ台用の金具を装着しておいて、その金具を長時間列車や自動車に乗ったときに組立てて、足乗せ台とすることができる靴(以下「本発明の靴」という。)によって解決される。
【0005】
上記に記載の靴は、あらかじめ靴の側面付近にいくつかの部材に分けた足乗せ台用の金具が装着されており、その足乗せ台用の金具を上に引き上げてつなぐことにより足乗せ台として一体化できる。この足乗せ台用の金具は普段足乗せ台を使わないときは、靴の側面に固定でき、動かないようにしてある。このため、その足乗せ台用の金具をワンポイントのアクセサリーにすることもできる。ここで足乗せ台とは、靴を脱いで足を乗せる器具をいう。また、足乗せ台用の金具とは、その足乗せ台を構成する部材の金具をいう。また、靴にあらかじめ足乗せ台用の金具を装着するためのはめ込み用の穴あるいは装着用の金具を設置した場合は、足乗せ台用の金具を携行して、この足乗せ台用の金具を設置して足乗せ台を組み立ててもよい。この場合カバンに入れるとかさばることから携行する足乗せ台用の金具はなるべく小さいほうがよい。ここで、はめ込みとは、ちょうど部材の大きさ程度の穴をあけておきその穴に部材を差し込むことによって部材を固定する構造をいう。なお、金具としては、足を乗せるのに十分な強度を有するものであればよい。また、大きさは靴の周囲に巻き付けて固定収納する関係上靴の大きさ程度とならざるを得ない。なお、いくつかの部分に分けて固定収納した場合はこれよりも大きくできる。
【0006】
また、請求項2に記載の靴は、足乗せ台用の金具の材質を、ステンレス、メッキ、塗装あるいは被覆等により錆びにくくした鉄等の金属あるいはプラスチックとしたものである。また、形状についても、ループ状あるいは直線状の棒状、あるいはループ状の棒と直線状の棒を組み合わせたものとしたものである。
【0007】
また、請求項3に記載の靴は、足乗せ台用の金具を装着する装置が、金具、あるいは足乗せ台用の金具をはめ込むはめ込み用の穴であるものである。
【0008】
また、請求項4に記載の靴は、特に簡単のため、靴の周囲に固定収納する足乗せ台用の金具を2つの部分に分けたものである。なお、形状についてはループ状とし、適当にループの中に連結用の金具を設置できるものとする。また、足乗せ台用の金具を靴に固定する方法としてはひもあるいはクリップ、はめ込み等が考えられる。足乗せ台用の金具を連結する方法としてははめ込みあるいは前後の金具の大きさを変えて前後の金具をもう一方の金具に差し込む等の方法が考えられる。
【0009】
また、請求項5に記載の靴は、靴に装着した足乗せ台用の金具と支柱部分あるいは左右の部材の連結部分あるいは靴と足乗せ台用の金具の連結部分あるいは他の連結部分をピン構造あるいは支柱方向にスライドあるいは回転できるピン構造とし、足乗せ台用の金具を引き上げた時に足を乗せる部分ができるようにしたもので、部材がいくつか連結してあるために部材がなくなるおそれが少なく、足乗せ台用の金具を引き上げただけで容易に足を乗せる部分ができるようにしたものである。ここで、支柱部分とは足を乗せる部分と靴の間の足を乗せる部分をささえる部分をいう。ピン構造とは軸によって部材が回転できる構造をいう。
【0010】
また、請求項6に記載の靴は、靴にあらかじめ支柱を固定するはめ込み用の穴を設置し、足乗せ台用の金具を靴に収納固定するときあるいは足を乗せる部分の金具を引き上げて支柱部分を靴に固定するときあるいは携行した足乗せ台用の金具を組み立てて足乗せ台を組み立てる時に支柱部分をこの穴に差し込むことによって支柱を固定するようにしたものである。
【0011】
また、請求項7に記載の靴は、左右の靴の足乗せ台を連結し、足を乗せたときに足乗せ台が動きにくくしたものである。また、左右の足乗せ台を連結することにより横幅が広くなり、足を乗せたときに足乗せ台が倒れにくくなる。ここで、連結する方法としては、連結用の金具を用いてもよいし、ひも等で連結してもよい。
【発明の効果】
【0012】
以上説明したように、本発明の靴によれば、足乗せ台が靴と一体化しているため、長時間列車や自動車に乗ったときに、靴を脱いで、足乗せ台を組立てて、足を乗せることにより、足がむせるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の靴の実施例の足乗せ台を靴に固定収納したときの説明図である。
【図2】本発明の靴の実施例の足乗せ台を靴に固定収納した状態を上から見た説明図である。
【図3】本発明の靴の実施例の足乗せ台を組立てた時の説明図である。
【図4】本発明の靴の実施例の足乗せ台を組立てた状態を上から見た説明図である。
【図5】請求項6に記載の本発明の靴の実施例の足乗せ台を靴に収納固定した時の説明図である。
【図6】請求項6に記載の本発明の靴の実施例の足乗せ台を組立てた時の説明図である。
【図7】実施例における靴に設置した支柱部分のはめ込み用の穴とピン部分の拡大図である。
【図8】請求項6に記載の本発明の靴の足乗せ台を靴に収納固定した時の他の実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図を参照しながら本発明の靴の一例について説明する。図1の靴は一定の大きさを有しており、靴の側面には足乗せ台用の金具が前後2つの部分に分けて装着されている。そして、長時間列車や車に乗っていて、足を靴から出したいときには、靴の足乗せ台用の金具を靴に固定するひもをほどいて、前後の足乗せ台用の金具を上側に引き上げて、前後の足乗せ台用の金具を連結することにより足乗せ台とすることができる。図2はこれを上から見た図で、足乗せ台用の金具収納時は靴の周囲に足乗せ台用の金具が収納されている。図3はこれを上に引き上げ足乗せ台を組み立てたときの状態を横から見た図で、足を乗せる部分の上の面の高さがそろうようにされている。図4はこれを上から見た図で連結用部材7が設置してあり足が乗せやすくしてある。
【0015】
本発明の靴の、前側の足乗せ台用の金具の足を乗せる部分2と前側の足乗せ台用の金具の靴と足乗せ台用の金具をつなぐ支柱部分3はピンで回転するようにできる。また、前側の足乗せ台用の金具の靴と足乗せ台用の金具をつなぐ支柱部分3を靴に固定するときにもはめ込みを用いることができる。図5は靴の後部、中央部、前部の3箇所に足乗せ台用の金具を配置し、足を乗せる部分を組み立てないときは、靴に設置したはめ込み用の穴10を水平から斜め上方に向けて配置し、これに足乗せ台用の金具の下の部分を挿入し、足乗せ台用の金具を固定し、足を乗せる部分を組み立てるときは図6のように、下から上に向けて設置したはめ込み用の穴10に足乗せ台用の金具の下の部分を挿入固定する。なお、足乗せ台用の金具が収納時動かないように適当に靴の中央付近にはクリップあるいはひもなどの固定装置を設置することもできる。
【0016】
本発明の靴では、図7のように、足乗せ台用の金具と靴の連結部11は支柱が支柱方向に沿ってスライドするようにピンの穴を支柱方向に沿って幅をもたせることができる。これにより、足を乗せる部分を組み立てないときは、足乗せ台用の金具を水平から斜め上方に向けて設置したはめ込み用の穴10に挿入固定し、足を乗せる部分を組み立てるときは、下から上方に向けて設置したはめ込み用の穴10に挿入固定することにより足乗せ台を組み立てることができる。なお、足を乗せる部分が小さくなる場合は、前後の部材を連結するように連結用の部材を設置することもできる。
【0017】
図8は、本発明の靴の他の実施例で、簡単のため、足乗せ台用の金具を前後の2カ所にしたものである。これにより、普段靴を履いているときには、足乗せ台用の金具が靴の下の部分に収納固定されているため、足乗せ台用の金具がじゃまにならない。また、靴の重量の増加を抑えることもできる。なお、足を乗せる部分が小さくなる場合は、前後の部材を連結するように連結用の部材を設置することもできる。また、足乗せ台用の金具が収納時動かないように適当に靴の中央付近にはクリップあるいはひもなどの固定装置を設置することもできる。また、足乗せ台用の金具を携行して足乗せ台を組み立てるときに、はめ込み用の穴10に差し込んで足乗せ台を組み立ててもよい。
【符号の説明】
【0018】
1 靴
2 前側の足乗せ台用の金具の足を乗せる部分
3 前側の足乗せ台用の金具の靴と足乗せ台用の金具をつなぐ支柱部分
4 後側の足乗せ台用の金具の足を乗せる部分
5 後側の足乗せ台用の金具の靴と足乗せ台用の金具をつなぐ支柱部分
6 足乗せ台用の金具を靴に固定するひも
7 連結用の部材
8 部材連結部のピン
9 足を乗せる部分と支柱部分を一体化した足乗せ台用の金具
10 支柱部分を入れる穴
11 部材連結部のピンの穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴に、足乗せ台用の金具を装着、あるいは足乗せ台用の金具を装着する装置を設置し、その足乗せ台用の金具を組立てて、足乗せ台とする靴。
【請求項2】
前記、足乗せ台用の金具が、金属あるいは塗装またはメッキまたは被覆された金属あるいはプラスチックからなり、ループ状あるいは直線状の棒の形状、あるいはループ状の棒と直線状の棒を組み合わせた形状を有することを特徴とする請求項1に記載の靴。
【請求項3】
前記、足乗せ台用の金具を装着する装置が、金具、あるいは足乗せ台用の金具をはめ込むはめ込み用の穴であることを特徴とする請求項1ないし2のいずれかに記載の靴。
【請求項4】
前記、靴の側面中央から前の方にかけてと、靴の側面後方から中央にかけてとに、足乗せ台用の金具を装着し、その2つの足乗せ台用の金具を上に引き上げてつなぐことにより足乗せ台として一体化することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の靴。
【請求項5】
前記、靴に装着した足乗せ台用の金具と支柱部分あるいは左右の部材の連結部分あるいは靴と足乗せ台用の金具の連結部分あるいは他の連結部分をピン構造あるいは支柱方向にスライドあるいは回転できるピン構造とし、足乗せ台用の金具を引き上げて足を乗せる部分を作ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の靴。
【請求項6】
前記、靴に支柱を固定するはめ込み用の穴を設置し、足乗せ台用の金具を靴に収納固定するときあるいは足乗せ台用の金具を引き上げて支柱部分を靴に固定するときあるいは携行した足乗せ台用の金具を組み立てて足乗せ台を組み立てる時に、支柱部分をこの穴に差し込み支柱を固定し足乗せ台を組み立てることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の靴。
【請求項7】
前記、左右の靴の足乗せ台を連結し一体化することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の靴。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−30998(P2011−30998A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−192522(P2009−192522)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(509153205)
【出願人】(509169756)
【Fターム(参考)】