説明

足底装具用ポケット付き靴下

【課題】
現存する足底装具用入れ物は固定のためのバンドが多く分厚くなり一見して足に何か特別なものが付いていることが判るようなものや薄いものは入れられる装具が限られたり、同一色で挿入部分が作られているため、裏表の判別が困難であり装着ミスを招きやすい。
【解決手段】
靴下(1)の内側底部にもう一枚の布地(2)を縫い付けて二重底にした靴下であって、その布地(2)は靴下(1)のつま先からの弯曲部終点(11)から始まり踵の奥(12)までとされてポケット(3)を、布地(2)の先端部(21)は縫い付けられておらず開口部となされており、先端の幅1cmは弾力性のある繊維を編み込んだギャザー部となされており、さらに、この布地(2)は靴下(1)の色とは異なる色となされている足底装具を挿入し装着を容易としたことがなされていることを特徴とする足底装具用ポケット付き靴下を用いることにより解決できると考える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、足の矯正や治療用補助具として用いる足底装具を、内部に入れやすくした靴下に関する。
【背景技術】
【0002】
日本では室内において靴を履く習慣が殆ど無いため、室内において足底装具を使用する場合、足に直接巻き付けるタイプのものが多く他にはホルダータイプのものが若干有るのみである。足に直接巻き付けるバンドタイプのものは甲周りなど、どうしても厚みが増えそのままではスリッパや靴を履くことは困難であり、室内専用となっていることが多い。一方、ホルダータイプのものは足底装具を入れる部分が小さく足先まであるような足底装具など、治療目的によっては挿入することが困難なものが多数存在する。また、直接巻き付けるタイプとホルダータイプ両方にいえることだが、一見して足に何か特別なものが付いていることが判り患者さんの受け入れも悪い。また、それを隠すためには足底装具の上から靴下を履かなければならない。そこで、私は、靴下内に足底装具を入れる十分なスペースを持った足底装具用ポケット付き靴下を考案した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−266108号公報
【特許文献2】特開平10−258130号公報
【特許文献3】実用新案登録第3101370号公報 二重底のある靴下に関しては上記特許文献1〜3に説明されているが、何れも足底装具を装着するうえで、十分なスペースの確保が難しく、靴下内に挿入する足底装具に制約があるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の足底装具用容器としては、テープや包帯状のものがあったが、これらを用いて足底装具を装備した際には室内用のスリッパ等を履いた場合、足底装具使用による足回りの周径増加によるスリッパ等のサイズアップの必要性が発生する。また、一見しただけで足底装具を装着している事が判る醜悪さが認められる。また、ホルダータイプでも大きく分厚い足底装具は挿入することが出来ないことが多く、また、同一素材かつ同一色で挿入部分が作られており、裏表の判別が困難であり装着準備に時間がかかる患者さんが多数みられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の足底装具用ポケット付き靴下は、靴下(1)の内側底部にもう一枚の布地(2)を縫い付けて二重底にした靴下であって、その布地(2)は靴下(1)のつま先からの弯曲部終点(11)から始まり踵の奥(12)までとされてポケット(3)を形成し、布地(2)の先端部(21)は縫い付けられておらず開口部となされており、先端の幅1cmは弾力性のある繊維を編み込んだギャザー部となされており、さらに、この布地(2)は靴下(1)の色とは異なる色となされている足底装具を挿入し装着を容易としたことがなされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
甲周りなどの周径が増えないことにより、靴のサイズを大きくすることなく靴が履け、足底装具が隠れることにより一見しただけでは装具を付けていることが判らない。また、挿入スペースが十分にあることから効果の高い足底装具も室内用として使用することが可能となり、ポケット部分の色が違うため、間違えることなく簡単に足底装具を挿入することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の一例を図を用いて説明する。
【0009】
靴下(1)と布地(2)の材質は木綿でできており、布地(2)の先端部(21)材質は木綿にゴムを縫い込んだものでギャザー機構を持たせたものとし、そのギャザー部分がポケット(3)の開口部となしており、その開口部の位置は足趾の凹み部分にあたる靴下(1)のつま先からの弯曲部終点(11)であり、ポケット(3)はつま先からの弯曲部終点(11)から始まり踵の奥(12)までである。また、靴下(1)とポケット(4)をなす布地(2)の色は異なる色としポケット(3)を判別しやすくしている。このようにして製作した靴下に足先まである外反母趾治療用足底装具を挿入し装着して歩行して頂いたところ、装着に要する時間も従来のものの三分の一程度で間違えることなく簡単に装着し、歩行が可能であった。また、見た目は普通の靴下と変わらないのでよそ様のところへお呼ばれした際も装具を付けていることを気付かれることがなく楽しい時間が過ごせたと仰って頂きました。
【産業上の利用可能性】
【0010】
あらゆる足底装具を挿入し簡単に装着し使用することが可能となると考える。
【符号の説明】
【0011】
1 靴下
2 布地
3 ポケット
11 つま先からの弯曲部終点
12 踵の奥
21 先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
靴下(1)の内側底部にもう一枚の布地(2)を縫い付けて二重底にした靴下であって、その布地(2)は靴下(1)のつま先からの弯曲部終点(11)から始まり踵の奥(12)までとされてポケット(3)を形成し、布地(2)の先端部(21)は縫い付けられておらず開口部となされており、先端の幅1cmは弾力性のある繊維を編み込んだギャザー部となされており、さらに、この布地(2)は靴下(1)の色とは異なる色となされている足底装具を挿入し装着を容易としたことがなされていることを特徴とする足底装具用ポケット付き靴下。

【図1】
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【公開番号】特開2010−236120(P2010−236120A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−84688(P2009−84688)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【出願人】(309011642)株式会社 P.O.ラボ (1)
【Fターム(参考)】