説明

路面清掃車のコントロールボックス

【課題】 簡単な構成で、作業者の休憩や仮眠時に、運転席と助手席との間から無くすようにした路面清掃車のコントロールボックスを提供する。
【解決手段】 路面清掃車1の車体2に配置した清掃機構8を駆動させる操作スイッチ10を備えたボックス本体12の一端を運転室9内の足元側に設けた支持軸13に回動可能に連結し、清掃作業時には、ボックス本体12を運転席14と助手席15との間に設置させ、作業者Aの休憩や仮眠時には、ボックス本体12が運転室9内の足元側空間16に収まるようにボックス本体12の他端側12aを回動させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路面清掃車の清掃機構を駆動させる操作スイッチを備えたコントロールボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、路面清掃車の運転席と助手席との間には、特許文献1に記載のような車体に配置した清掃機構を駆動させる操作スイッチを備えたコントロールボックスが設置され、そのコントロールボックスの操作スイッチは、運転席の作業者が操作するように運転席と助手席との間に固着されているものが知られている。また、特許文献2のように、運転席と助手席との間にあるセンタコンソールを助手席側へ少し回動させ、休憩や仮眠時に作業者の脚が車室中央側の床面へ伸ばせるようにしたものが知られている。
【特許文献1】特開2007−293411号公報
【特許文献2】特開平8−230567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
路面清掃車を長時間運転した後や待ち時間等では、作業者は運転席で休憩や仮眠を取ることになる。ところが、大型のトラック車体で構成された路面清掃車では運転席後方や上方に仮眠スペースが備えられているが、大型の一部や小型のトラック車体で構成された路面清掃車では前記仮眠スペースは備えられていない。よって、運転室内に仮眠スペースの無いトラック車体で構成された路面清掃車において運転室内で休憩や仮眠を取る場合には、運転席と助手席との間にコントロールボックスが固着されていることで、作業者は運転室内の足元側に脚を僅かに伸ばすことしかできなかった。
また、特許文献2のように、作業者の脚を車室中央側の床面へ脚を伸ばすためには運転席自体を回動させなければならないから、特許文献1の路面清掃車に運転席に回動機構を設けようとすると、路面清掃車自体が高価なものとなるおそれがあった。
そこで本発明の課題は、上記問題点に鑑み、簡単な構成で、作業者の休憩や仮眠時に、運転席と助手席との間から無くすようにした路面清掃車のコントロールボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、運転席と助手席との間に設置し、運転席の作業者によって車体に配置した清掃機構を駆動させる操作スイッチを備えて成る路面清掃車のコントロールボックスにおいて、前記操作スイッチを備えたボックス本体の一端を運転室内の足元側に設けた支持軸に回動可能に連結し、清掃作業時には、ボックス本体を運転席と助手席との間に設置させ、作業者の休憩や仮眠時には、ボックス本体が運転室内の足元側空間に収まるようにボックス本体の他端側を回動させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明では、車体に配置した清掃機構を駆動させる操作スイッチを備えたボックス本体を運転室内の足元側に設けた支持軸に回動可能に連結し、ボックス本体を運転室内の足元側空間に収めるようにしたので、作業者の休憩や仮眠時には、運転席と助手席との間から無くなるから、作業者が運転席と助手席を利用して横たわって休憩や仮眠を取ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1に示す路面清掃車1は、トラック車体2に、例えば特開2007−293411号公報に記載のような塵埃Mを収容可能なホッパー3と、路面R上の塵埃Mをホッパー3内に回収可能な側ブラシ4とピックアップヘッド5とから成る清掃装置6と、ピックアップヘッド5の吸込口に吸引力を発生させるブロア装置7とから成る清掃機構8が配置されたものである。この路面清掃車1では、運転室9内にある操作スイッチ10を操作して、側ブラシ4により掃き寄せられた塵埃Mをピックアップヘッド5の吸込口からホッパー3内に回収するようになっている。
前記操作スイッチ10は、コントロールボックス11のボックス本体12に備えられている。そのボックス本体12は、一端を運転室9内の足元側に設けた支持軸13に回動可能に連結されている。ボックス本体12は支持軸13を中心に回動するために、清掃作業時には、図2(a)のようにボックス本体12を運転席14と助手席15との間に配置させ、作業者Aの休憩や仮眠時には、図2(b)のようにボックス本体12の他端側12aを回動させ、ボックス本体12を運転室9内の足元側空間16に収めるようになっている。尚、本実施形態では、運転席14と助手席15との間に、図示しない可倒式のサイドブレーキ等が備えられた操作部17が設けられている。
従って、運転室9内に仮眠スペースの無いトラック車体2で構成される路面清掃車1であっても、ボックス本体12を回動させて運転室9内の足元側空間16に収めることができるために、作業者Aの休憩や仮眠時に運転席14と助手席15との間からコントロールボックス11を無くすことで、作業者Aは運転席14と助手席15を利用して横たわって休憩や仮眠を取ることができる。また、従来のような、運転席14自体を回動させる必要もないので、安価な構成であって、既存の路面清掃車1に容易に採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明のコントロールボックスを備えた路面清掃車を示す図である。
【図2】図1のII視図であり、コントロールボックスの回動状態を示す図である。
【符号の説明】
【0008】
1 路面清掃車
2 車体
8 清掃機構
10 操作スイッチ
11 コントロールボックス
12 ボックス本体
12a 他端側
13 支持軸
14 運転席
15 助手席
16 足元側空間
A 作業者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転席と助手席との間に設置し、運転席の作業者によって車体に配置した清掃機構を駆動させる操作スイッチを備えて成る路面清掃車のコントロールボックスにおいて、前記操作スイッチを備えたボックス本体の一端を運転室内の足元側に設けた支持軸に回動可能に連結し、清掃作業時には、ボックス本体を運転席と助手席との間に設置させ、作業者の休憩や仮眠時には、ボックス本体が運転室内の足元側空間に収まるようにボックス本体の他端側を回動させることを特徴とする路面清掃車のコントロールボックス。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−144463(P2010−144463A)
【公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−324885(P2008−324885)
【出願日】平成20年12月22日(2008.12.22)
【出願人】(000241588)豊和工業株式会社 (230)
【Fターム(参考)】