説明

路面軌道用溝付スラブ版に於ける輪縁路構造と其の据付方法

【課題】工期を短縮することができ、騒音や振動を低減させ、道路環境や景観を良好に維持し、耐久性や施工コストの点からも優れた路面電車用軌道の輪縁路構造およびその据付方法を提供する。
【解決手段】凹溝が形成されたコンクリートスラブ9と、前記凹溝内に敷設された走行レール1と、前記凹溝の内側壁と前記走行レールの基部との間に配置され、前記走行レールを前記凹溝内に位置決めするためのスペーサと、外側の外殻部材の断面形状が前記走行レールの側面に密着可能な形状とされ、前記外殻部材の内部に防振性および遮音性を備えた弾性充填材が充填されたパッキン5,5aであって、前記走行レールの両側面に接着配置された前記パッキンと、前記凹溝の内側壁と前記パッキンとの間に固定配置されたセキ板7,7aとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LRT(Light Rail Transit)すなわち軽量軌道交通などにおける路面電車用軌道の輪縁路構造およびその据付方法に関し、また、路面電車用軌道に使用するための軌道用パッキンに関する。さらに詳しくは、工期を短縮することができ、騒音や振動を低減させ、道路環境や景観を良好に維持し、耐久性や施工コストの点からも優れた路面電車用軌道の輪縁路構造およびその据付方法に関する。また、路面電車用軌道のための軌道用パッキンに関する。
【背景技術】
【0002】
最近、次世代型の路面電車とも言えるLRT(Light Rail Transit)すなわち軽量軌道交通が注目を集めており、このLRTに適する路面電車用軌道およびその据付方法が求められていた。LRTに適する路面電車用軌道の条件とは、工期が短く、周囲への騒音や振動が小さく、道路環境や景観を破壊せず、耐久性が良好であり、施工コストが現実的であるなどの点がある。これらの条件ができるだけ満足できる軌道が望ましい。
【0003】
このような軌道に関する技術としては、下記の特許文献1が公知である。特許文献1には、軌道の基礎部上面に、走行レールと脱線防止レールとを収納するための凹部を形成し、凹部の底面に振動吸収板と高さ寸法を調整する調整板とを介して走行レールを配し、その走行レールが配置された凹部にポリウレタンを注入して硬化させたレールの据付方法および据付構造が記載されている。
【特許文献1】特許第3824948号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述のようなLRTに適する路面電車用軌道の条件を全て満足するような決定的な路面電車用の軌道構造およびその据付方法は、未だ開発途上であると言うのが実情である。上記の特許文献1に記載されたレールの据付方法および据付構造でも、走行レールが配置された凹部へのポリウレタン注入およびその硬化の工程に比較的手間と時間がかかるという問題点があった。すなわち、ポリウレタンの注入量を適宜加減して、ポリウレタン上面各部の位置を正確に調整しなければならず、作業内容が困難なものとなっていた。また、注入したポリウレタンが硬化するまでに時間がかかり、その間、次の作業を行うことができなかった。
【0005】
そこで、本発明は、工期を短縮することができ、騒音や振動を低減させ、道路環境や景観を良好に維持し、耐久性や施工コストの点からも優れた路面電車用軌道およびその据付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の路面軌道の輪縁路構造は、凹溝が形成されたコンクリートスラブと、前記凹溝内に敷設された走行レールと、前記凹溝の内側壁と前記走行レールの基部との間に配置され、前記走行レールを前記凹溝内に位置決めするためのスペーサと、外側の外殻部材の断面形状が前記走行レールの側面に密着可能な形状とされ、前記外殻部材の内部に防振性および遮音性を備えた弾性充填材が充填されたパッキンであって、前記走行レールの両側面に接着配置された前記パッキンと、前記凹溝の内側壁と前記パッキンとの間に固定配置されたセキ板とを有するものである。
【0007】
また、上記の路面軌道の輪縁路構造において、前記凹溝の底面と前記走行レールの基部との間に配置され、振動および音の伝播を遮断するための軌道パッドと、前記凹溝の底面と前記走行レールの基部との間に配置され、走行音を吸収するための吸音材とを有することが好ましい。
【0008】
また、上記の路面軌道の輪縁路構造において、前記軌道パッドおよび前記吸音材は、前記走行レールの長手方向に沿って一定間隔毎に交互に配置されているものであることが好ましい。
【0009】
また、上記の路面軌道の輪縁路構造において、前記スペーサ、前記セキ板および前記パッキンは、前記走行レールの両側面側に配置されているものであることが好ましい。
【0010】
また、上記の路面軌道の輪縁路構造において、前記外殻部材は、弾性材料で作られた中空パイプ状の部材であり、前記弾性充填材は、常温硬化性の液状ゴムを前記外殻部材内に充填した後、常温で硬化させたものであることが好ましい。
【0011】
また、本発明の路面軌道の据付方法は、コンクリートスラブに形成された凹溝内に走行レールを配置する工程と、前記凹溝の内側壁と前記走行レールの基部との間に、前記走行レールを前記凹溝内に位置決めするためのスペーサを配置する工程と、外側の外殻部材の断面形状が前記走行レールの側面に密着可能な形状とされ、前記外殻部材の内部に防振性および遮音性を備えた弾性充填材が充填されたパッキンを、前記走行レールの両側面に接着配置する工程と、前記凹溝の内側壁と前記パッキンとの間にセキ板を固定配置する工程とを有するものである。
【0012】
また、上記の路面軌道の据付方法において、前記凹溝内に前記走行レールを配置する工程より前に、前記凹溝の底面に、振動および音の伝播を遮断するための軌道パッドと、走行音を吸収するための吸音材とを配置するための罫書線を形成する工程と、前記凹溝の底面上に、前記軌道パッドと前記吸音材とを前記凹溝の長手方向に沿って一定間隔毎に交互に接着配置する工程を有することが好ましい。
【0013】
また、上記の路面軌道の据付方法において、前記スペーサ、前記セキ板および前記パッキンは、前記走行レールの両側面側に配置されるものであることが好ましい。
【0014】
また、上記の路面軌道の据付方法において、前記外殻部材は、弾性材料で作られた中空パイプ状の部材であり、前記弾性充填材は、常温硬化性の液状ゴムを前記外殻部材内に充填した後、常温で硬化させたものであることが好ましい。
【0015】
また、本発明の軌道用パッキンは、断面形状が路面電車用軌道の走行レールの側面に密着可能な中空パイプ形状とされた弾性材料からなる外殻部材と、前記外殻部材の内部に充填され、防振性および遮音性を備えた弾性充填材とを有する。そして、前記弾性充填材は、前記外殻部材の内部に充填された常温硬化性の液状ゴムを常温で硬化させたものである。
【0016】
また、上記の軌道用パッキンにおいて、所定の長さに裁断されたものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、以上のように構成されているので、以下のような効果を奏する。予め工場で製作可能なパッキンを使用して施工を行うため、工期を大幅に短縮することができる。また、パッキンにより、列車走行時の騒音や振動を低減させることができ、周囲の環境を良好に保つことができる。また、防音壁などの必要もなくなるため景観も良好に保つことができる。さらに、路面電車用軌道の耐久性も良好で、施工コストも低減させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1から図6は、本発明の路面電車用軌道の一方の側の輪縁路構造の据付方法の各工程を示す図である。図6が完成した路面電車用軌道の輪縁路構造を示す断面図である。図1から図6は、路面電車用軌道を列車走行方向(軌道の長手方向)に垂直な平面で切った断面図である。以下、図1から図6に沿って、本発明の路面軌道の据付方法の各工程を説明する。
【0019】
図1においてコンクリートスラブ9には走行レール1を収納敷設可能な凹溝91が形成されている。コンクリートスラブ9としては、凹溝91等の形状を含めて予め工場等において製作したプレキャスト版を使用することが望ましい。プレキャスト版を使用することにより、形状寸法の精度を向上させ、工期を短縮することができる。
【0020】
コンクリートスラブ9を凹溝91側が上面になるように軌道用地の所定位置に配列して配置する。そして、凹溝91の底面に、軌道パッド2と吸音材3を配置するための罫書線を形成する。そして、軌道パッド2と吸音材3の設置面に接着剤を塗布した後、これらを罫書線に合わせて凹溝91の底面上に敷き詰める。軌道パッド2と吸音材3は、凹溝91の長手方向(走行レール1の長手方向)に沿って交互に敷き詰める。軌道パッド2と吸音材3は凹溝91の底面上に接着固定される。軌道パッド2は走行レール1の走行面(頭頂面)が所定位置となるように走行レール1の基部を支持すると同時に、振動および音の伝播を遮断するためのものである。
【0021】
なお、図1では軌道パッド2の一部を切り欠いて吸音材3を表示するようにしているが、実際には、軌道パッド2と吸音材3とは凹溝91の長手方向(図1紙面垂直方向)に沿って交互に配置されている。
【0022】
吸音材3は列車の走行音を吸収して低減させるとともに、列車の走行時の走行レール1の振動により、軌道パッド2の位置がずれることを防止するものである。すなわち、軌道パッド2と軌道パッド2の間隔を吸音材3によって埋めることにより軌道パッド2の位置ずれを防止するのである。吸音材3としてはスポンジ状の発泡体が使用でき、特に連泡発泡体が好ましい。軌道パッド2および吸音材3の幅は走行レール1の基部の幅と同程度とし、走行レール1の長手方向の長さは20〜50cm程度とする。また、吸音体の厚さは軌道パッド2よりもある程度厚くしておく。そして、軌道パッド2および吸音材3の上に走行レール1を載置して、図1のような状態とする。
【0023】
次に、図2に示すように、スペーサ4を凹溝91の内側壁と走行レール1の基部との間に配置する。スペーサ4は、電気絶縁性のものが望ましく、短繊維を混入した硬質ゴムや合成樹脂からなる定尺スペーサが使用できる。また、スペーサ4として、定尺スペーサとともに必要な個所に短尺の高剛性スペーサを配置する。高剛性スペーサは適宜の間隔で配置し、軌道の曲線部分などでは配置間隔を短くすることができる。高剛性スペーサの材料は、硬質合成樹脂、セラミック、天然材料の樫、桑等の硬質木材などが使用できる。これらのスペーサ4により、走行レール1の水平方向の位置変動を効果的に防止し、安定性を向上させることができる。
【0024】
次に、図3に示すように、パッキン5,5aを走行レール1側面を挟むように凹溝91内に挿入する。その際、走行レール1の側面と、パッキン5,5aの走行レール1側の表面に接着剤を塗布しておく。パッキン5は外軌側に配置するものであり、パッキン5aは内軌側に配置するものである。パッキン5とパッキン5aは、外形が異なるが内部構造は同様である。
【0025】
パッキン5およびパッキン5aは、外側の外殻部材51の内部に防振性および遮音性を備えた弾性充填材52が充填されている。外殻部材51は、硬質ゴム等からなり、押し出し成型加硫または金型成型加硫などにより中空のパイプ状に成形されている。断面外形形状は、走行レール1の側面に密着可能な形状とされている。外殻部材51の内部には、常温硬化性の液状ゴムにゴムチップ等の遮音性、吸振性の優れた充填材を混入したものを弾性充填材52として注入し硬化させる。それを所定寸法の長さに裁断しパッキン5,5aとする。なお、パッキン5,5aの裁断長は任意の長さとすることができるが、一般的には取り扱いが容易な2〜3mとすることが好ましい。
【0026】
次に、図4に示すように、凹溝91内に挿入したパッキン5,5aを走行レール1側面に密着させ、板状のテコ6によりパッキン5,5aを走行レール1に向けて押圧する。パッキン5,5aと走行レール1の接触面には予め接着剤が塗布されており、これが十分な接着強度となるまでテコ6による押圧を継続する。パッキン5,5aと走行レール1が接着すると、パッキン5,5aの背面と凹溝91の内側壁との間に間隙が生じる。
【0027】
この間隙にセキ板7,7aを挿入して軌道全体を接着固定するのであるが、凹溝91の寸法誤差等により間隙の寸法が変動するので、セキ板7,7aとしては厚さを調節できるものが望ましい。複数種類の厚さのものを準備しておき、その中から適正な厚さのセキ板7,7aを選択するようにしたり、セキ板7,7aの本体に薄板を貼り付けて厚さを調節したりする。または、セキ板7,7aの内部に液状ゴム等の注入が可能な構造として、注入により厚さを調整するようにしてもよい。セキ板7,7aの厚さは、間隙への挿入時にパッキン5,5aの弾性により各部材が強力に押圧し合い、互いに一体化する程度の厚さとする。
【0028】
セキ板7,7aの厚さを適正なものとし、パッキン5,5aの背面と凹溝91の内側壁に接着剤を塗布してから、図5に示すように、パッキン5,5aの背面側の間隙にセキ板7,7aを挿入する。セキ板7,7aの挿入は接着剤に滑りがあるうちに素早く行う。なお、セキ板7は外軌側に配置するものであり、セキ板7aは内軌側に配置するものである。セキ板7とセキ板7aは、上端部の形状が異なるだけでその他は同様の構成である。
【0029】
セキ板7,7aを最も下方まで挿入し、接着剤が固化すると軌道の完成となる。この状態を図6に示す。このように、走行レール1は、軌道パッド2により走行面の位置が正確に設定され、また、スペーサ4により凹溝91内での走行レール1の水平方向の位置変動を効果的に防止することができる。そして、走行レール1が側面からパッキン5,5aおよびセキ板7,7aによって強力に支持されているので、走行レール1の倒れ方向の変位も効果的に防止することができる。
【0030】
また、吸音材3と弾性充填材52が充填されたパッキン5,5aにより、列車走行時の騒音や振動が効果的に吸収・減衰され、騒音や振動の少ない路面電車用軌道を実現できる。また、路面電車用軌道を施工するためのパッキン5,5a、セキ板7,7aなどの各部材は、予め工場で製作したものを使用するので、施工期間を大幅に短縮することができる。これらの各部材は工場において効率的に生産できるため、施工コストも低減させることができる。
【0031】
なお、図1から図6に示す実施の形態では、スペーサ4などの配置時には接着剤を使用していないが、これらの部材を接着剤により固着するようにしてもよい。すなわち、凹溝91の内壁とこれらの部材の間を接着剤で固着し、これらの部材間およびこれらの部材と走行レール1との間も接着剤で固着してもよい。
【0032】
次に、本発明の種々の変形例について説明する。図7は、路面電車用軌道のセキ板の変形例を示す断面図である。図7の路面電車用軌道におけるセキ板71,71aでは、板の内部に中空部を設けている。このため、セキ板71,71aが厚さ方向に伸縮しやすくなり、1種類の厚さのセキ板71,71aによって広範囲の間隙長に対して対応可能となる。したがって、1種類もしくは少数種類のセキ板71,71aのみで施工が可能となり、施工の工程が簡素化されるとともに、施工コストも低減させることができる。
【0033】
図8は、路面電車用軌道のセキ板とパッキンの他の変形例を示す断面図である。図8の路面電車用軌道におけるセキ板72,72aでは、板の内部に中空部を設けるとともに、セキ板72,72aが抜け出るのを防止するための係合爪部を設けたものである。係合爪部はセキ板72,72aに一体的に固着されている。この場合、パッキン5,5a側に係合爪部と係合する係合凹部を形成しておく。この変形例では、セキ板72,72aが係合爪部および係合凹部によって抜け止めされているため、長期間の振動などによってセキ板72,72aが抜け出てくるのを防止することができる。
【0034】
図9は、路面電車用軌道のセキ板の他の変形例を示す断面図である。図9の路面電車用軌道では、走行レール1にパッキン5,5aを密着させて接着した後、パッキン5,5aと凹溝91の内側壁との間に常温硬化性の液状ゴムを注入し硬化させてセキ板73,73aとするのである。なお、内軌側のセキ板73a形成の際には、パッキン5aの上面に型ゴム8を載置しておき、セキ板73aの形状を規定する。液状ゴムを注入し硬化した後に型ゴム8を取り除く。この変形例では、セキ板73,73aを施工現場で液状ゴムを注入して作成するので、どのような間隙長でも対応でき、複数種類のセキ板を用意する必要がなくなる。
【0035】
以上のように、本発明の路面電車用軌道は、予め工場で製作したパッキン5,5aを用いて施工を行うため、工期を大幅に短縮することができる。また、パッキン5,5aにより、列車走行時の騒音や振動を低減させることができ、周囲の環境を良好に保つことができる。また、防音壁などの必要もなくなるため景観も良好に保つことができる。さらに、路面電車用軌道の耐久性も良好で、施工コストも低減させることができる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明の、目的、趣旨を逸脱しない範囲内での変更が可能なことはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明によれば、騒音や振動を低減させ、道路環境や景観を良好に維持し、耐久性や施工コストの点からも優れた路面電車用軌道およびその据付方法を提供することができる。また、路面電車用軌道の施工工期を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の路面電車用軌道の据付方法の各工程を示す断面図である。
【図2】路面電車用軌道の据付方法の各工程を示す図である。
【図3】路面電車用軌道の据付方法の各工程を示す図である。
【図4】路面電車用軌道の据付方法の各工程を示す図である。
【図5】路面電車用軌道の据付方法の各工程を示す図である。
【図6】路面電車用軌道の完成した状態を示す断面図である。
【図7】路面電車用軌道のセキ板の変形例を示す断面図である。
【図8】路面電車用軌道のセキ板とパッキンの他の変形例を示す断面図である。
【図9】路面電車用軌道のセキ板の他の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 走行レール
2 軌道パッド
3 吸音材
4 スペーサ
5,5a パッキン
6 テコ
7,7a セキ板
8 型ゴム
9 コンクリートスラブ
51 外殻部材
52 弾性充填材
71,71a セキ板
72,72a セキ板
73,73a セキ板
91 凹溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
凹溝(91)が形成されたコンクリートスラブ(9)と、
前記凹溝(91)内に敷設された走行レール(1)と、
前記凹溝(91)の内側壁と前記走行レール(1)の基部との間に配置され、前記走行レール(1)を前記凹溝(91)内に位置決めするためのスペーサ(4)と、
外側の外殻部材(51)の断面形状が前記走行レール(1)の側面に密着可能な形状とされ、前記外殻部材(51)の内部に防振性および遮音性を備えた弾性充填材(52)が充填されたパッキン(5,5a)であって、前記走行レール(1)の両側面に接着配置された前記パッキン(5,5a)と、
前記凹溝(91)の内側壁と前記パッキン(5,5a)との間に固定配置されたセキ板(7,7a)とを有する路面軌道の輪縁路構造。
【請求項2】
請求項1に記載した路面軌道の輪縁路構造であって、
前記凹溝(91)の底面と前記走行レール(1)の基部との間に配置され、振動および音の伝播を遮断するための軌道パッド(2)と、
前記凹溝(91)の底面と前記走行レール(1)の基部との間に配置され、走行音を吸収するための吸音材(3)とを有する路面軌道の輪縁路構造。
【請求項3】
請求項2に記載した路面軌道の輪縁路構造であって、
前記軌道パッド(2)および前記吸音材(3)は、前記走行レール(1)の長手方向に沿って一定間隔毎に交互に配置されているものである路面軌道の輪縁路構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載した路面軌道の輪縁路構造であって、
前記スペーサ(4)、前記セキ板(7,7a)および前記パッキン(5,5a)は、前記走行レール(1)の両側面側に配置されているものである路面軌道の輪縁路構造。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載した路面軌道の輪縁路構造であって、
前記外殻部材(51)は、弾性材料で作られた中空パイプ状の部材であり、
前記弾性充填材(52)は、常温硬化性の液状ゴムを前記外殻部材(51)内に充填した後、常温で硬化させたものである路面軌道の輪縁路構造。
【請求項6】
コンクリートスラブ(9)に形成された凹溝(91)内に走行レール(1)を配置する工程と、
前記凹溝(91)の内側壁と前記走行レール(1)の基部との間に、前記走行レール(1)を前記凹溝(91)内に位置決めするためのスペーサ(4)を配置する工程と、
外側の外殻部材(51)の断面形状が前記走行レール(1)の側面に密着可能な形状とされ、前記外殻部材(51)の内部に防振性および遮音性を備えた弾性充填材(52)が充填されたパッキン(5,5a)を、前記走行レール(1)の両側面に接着配置する工程と、
前記凹溝(91)の内側壁と前記パッキン(5,5a)との間にセキ板(7,7a)を固定配置する工程とを有する路面軌道の据付方法。
【請求項7】
請求項6に記載した路面軌道の据付方法であって、
前記凹溝(91)内に前記走行レール(1)を配置する工程より前に、
前記凹溝(91)の底面に、振動および音の伝播を遮断するための軌道パッド(2)と、走行音を吸収するための吸音材(3)とを配置するための罫書線を形成する工程と、
前記凹溝(91)の底面上に、前記軌道パッド(2)と前記吸音材(3)とを前記凹溝(91)の長手方向に沿って一定間隔毎に交互に接着配置する工程を有する路面軌道の据付方法。
【請求項8】
請求項6,7のいずれか1項に記載した路面軌道の据付方法であって、
前記スペーサ(4)、前記セキ板(7,7a)および前記パッキン(5,5a)は、前記走行レール(1)の両側面側に配置されるものである路面軌道の据付方法。
【請求項9】
請求項6〜8のいずれか1項に記載した路面軌道の据付方法であって、
前記外殻部材(51)は、弾性材料で作られた中空パイプ状の部材であり、
前記弾性充填材(52)は、常温硬化性の液状ゴムを前記外殻部材(51)内に充填した後、常温で硬化させたものである路面軌道の据付方法。
【請求項10】
断面形状が路面電車用軌道の走行レール(1)の側面に密着可能な中空パイプ形状とされた弾性材料からなる外殻部材(51)と、
前記外殻部材(51)の内部に充填され、防振性および遮音性を備えた弾性充填材(52)とを有し、
前記弾性充填材(52)は、前記外殻部材(51)の内部に充填された常温硬化性の液状ゴムを常温で硬化させたものである軌道用パッキン。
【請求項11】
請求項10に記載した軌道用パッキンであって、
所定の長さに裁断されたものである軌道用パッキン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−297791(P2008−297791A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−144567(P2007−144567)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【出願人】(000220147)東京ファブリック工業株式会社 (42)
【Fターム(参考)】