説明

車両のブレーキ装置

【課題】 AOH付きブレーキを有する作業車の補助駐車ブレーキ作動中に、エア圧力或は信号液圧の失陥により作業用補助制動装置が解除されない安全なブレーキ装置を提供すること。
【解決手段】 AOHブースタ(12)にスプリングチャンバ(13)を取り付け、駐車ブレーキ(1)操作時に制御装置(2)からの信号により作動する電磁弁(17)によりスプリングチャンバ(13)のエア圧を大気開放してスプリング(24)によりAOHブースタ(12)を作動させている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧縮空気或は負圧によって作動するブレーキブースタを有する車両のブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ液の液圧により作動する液圧ブレーキ装置を備えた車両において、その操作力を軽減するために用いられるブースタ装置として、圧縮空気を用いて液圧を高めるエアオーバハイドロリックブースタ装置(以下、AOH装置という)や負圧を用いて液圧を高めるハイドロリックバキュウムサーボ装置(以下、ハイドロマスタ装置という)は知られている。
【0003】また、一方でミキサ車やクレーン車等エンジンをかけたまま運転席を離れて作業を行なう場合は、作業用補助制動装置を使用している。
【0004】即ち、例えば、AOH装置付ブレーキを有する車両の場合、図7に示すように、ブレーキペダル5を踏み込んで前後輪のAOH装置3、4を作動させてリザーバタンク6のブレーキ液をフロントブレーキ7、リヤブレーキ8にそれぞれ圧送し、ブレーキを効かせた状態として、駐車ブレーキ1を作動させると、作業用補助制動装置用制御装置2が信号を電磁弁9に送って電磁弁を閉じてブレーキONの状態のまま保持することで作業用補助制動装置ONとなるよう構成されている。
【0005】また、ハイドロマスタ装置付のブレーキの場合、図8において、ブレーキペダル55を踏み込んでブレーキマスタシリンダ56の液圧をハイドロマスタ装置57に送り、その液圧によりハイドロマスタ装置を作動させてバキュームタンク58の負圧によりシリンダ56から圧送される液圧を上昇させ、セイフティシリンダ50を介してブレーキ液をフロントブレーキ51、リヤブレーキ52にそれぞれ圧送してブレーキを効かせた状態とする。そして、駐車ブレーキ1を作動させると、AOH装置の場合と同様に、作業用補助制動装置用制御装置2が信号を電磁弁53に送って電磁弁53を閉じてブレーキONの状態のまま保持することで作業用補助制動装置ONとなるよう構成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、作業用補助制動装置を作動させて作業中にAOH装置付ブレーキ車のエア圧力、或はハイドロマスタ付ブレーキ車のハイドロマスタ17にかかる信号液圧が失陥した場合、保持されていた制動圧力が解除されて作業用補助制動装置はOFFとなるので、危険である。
【0007】したがって、本発明は作業中の作業用補助制動装置作動中にエア圧力或は信号液圧の失陥により、作業用補助制動装置が解除されず、通常走行時にも同様失陥の場合に非常停止するAOH装置付又はハイドロマスタ装置付きブレーキ装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、圧縮エアを供給・排出することにより車両のブレーキに制動液圧を供給するエアオーバハイドロリックブースタを有し、そのパワーピストン側に、パワーピストンのプッシュロッドを押圧するスプリングチャンバが取り付けられており、該スプリングチャンバは、前記プッシュロッドを押圧する押圧ロッドと、該押圧ロッドをパワーシリンダ側へ移動するように常時付勢する圧縮スプリングと、圧縮された圧縮スプリングが収容されたピストンにより前記スプリングとは仕切られており且つ圧縮エアが充填されている場合に前記スプリングを圧縮した状態に保持する圧縮エア室と、圧縮エアを供給・排出するため該圧縮エア室に設けられた圧縮エア用ポートとを備えている。
【0009】また、本発明によれば、前記圧縮エア用ポートは作業用補助制動装置の電磁弁に接続されており、該電磁弁は、作業用補助制動装置の非作動時は前記圧縮エア室と圧縮エア源とを連通し、作業用補助制動装置の作動時には、前記圧縮エア室を大気側に開放するように切り換わり、且つ、前記圧縮スプリングの反発力により前記押圧ロッドがパワーシリンダ側へ移動してパワーピストンのプッシュロッドを押圧している。
【0010】また、本発明によれば、前記スプリングチャンバはフロントブレーキ側のエアオーバハイドロリックブースタと、リヤブレーキ側のエアオーバハイドロリックブースタにそれぞれ取り付けられており、前記電磁弁は、フロントブレーキ側のエアチャンバの圧縮エア用ポート及びリヤブレーキ側のエアチャンバの圧縮エア用ポートを連通している。
【0011】また、本発明によれば、前記圧縮スプリングは、作業用補助制動装置の非作動時に圧縮エア源の圧力が所定値以下に低下した時に、前記圧縮エア室の内圧に抗して伸長し、前記プッシュロッドを押圧する方向に前記押圧ロッドを移動せしめるような弾性特性を有している。
【0012】また、本発明によれば、負圧を供給し大気側に開放することにより車両のブレーキに制動液圧を供給するハイドロマスタを有し、そのパワーピストン側に、パワーピストンのプッシュロッドを押圧するスプリングチャンバが取り付けられており、該スプリングチャンバは、前記プッシュロッドを押圧する押圧ロッドと、該押圧ロッドをパワーシリンダ側へ移動するように常時付勢する圧縮スプリングと、スプリングチャンバのケーシングとピストンとにより構成されて前記圧縮スプリングが収容されているスプリング室と、前記ピストンにより前記スプリング室と仕切られている大気圧室と、前記スプリング室に負圧源と大気側に連通する負圧用ポートと、前記大気圧室と大気側とを連通する大気圧室ポート、とを備えている。
【0013】そして、本発明によれば、前記負圧用ポートは作業用補助制動装置の電磁弁に接続されており、該電磁弁は、作業用補助制動装置の非作動時は前記スプリング室と負圧源とを連通し、作業用補助制動装置の作動時には、前記スプリング室を大気側に開放するように切り換わり、且つ、前記圧縮スプリングの反発力により前記押圧ロッドがパワーシリンダ側へ移動してパワーピストンのプッシュロッドを押圧している。
【0014】さらに、本発明によれば、前記圧縮スプリングは、作業用補助制動装置の非作動時に前記スプリング室の負圧が所定値以下に減少した時に、前記スプリング室内の負圧に抗して伸長し、前記プッシュロッドを押圧する方向に前記押圧ロッドを移動せしめるような弾性特性を有する。
【0015】ここで、例えば、後車軸にスプリングチャンバを設けた従来技術においては、ブレーキ配管系全域の故障或は損傷に対応することが出来る。しかし、スプリングチャンバを付けた車軸に設けたブレーキ装置についてだけしか制動力を及ぼすことが出来ないと言う問題を有している。また、取付スペースの関係で後輪側の車軸にしか取り付けることが出来ず、仮に前輪側の車軸に設けた場合には、転舵した場合にスプリングチャンバが他の部材と干渉すると言う問題も有している。これに対して本発明は、AOHブースタ或はハイドロマスタよりも車軸側におけるブレーキ配管(液圧配管)の故障・損傷には 対応するものでないが,AOHブースタにスプリングチャンバを取り付けた場合には、操舵輪を有するフロントアクスル側のブレーキ装置にも制動力を及ぼすことが出来る。即ち、本発明によれば、制動力を作用できる対象が後輪側車軸のブレーキ装置に限定されないのである。換言すれば、本発明によると、車軸にスプリングチャンバを設ける事なく、AOHブースタ或はハイドロマスタにスプリングチャンバを取り付けることで、車軸にスプリングチャンバを設けたのと同等以上の作用効果が得られるのである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】図において、従来技術と同じ機能を有する部材には同じ符号を付して重複説明は省略する。
【0018】図1は、本発明に係るA0H装置付きブレーキシステムを示し、図示しないエアリザーバタンクに連結されたブレーキバルブ5はエア回路A及びBでエアリザーバタンクに連結された前輪及び後輪用のリレーバルブ11、11を介して前輪及び後輪用のAOHブースタ12、12にそれぞれ連結されている。また、それらのAOHブースタに設けられているシリンダ14の出力側14aは液圧回路H及びJでそれぞれフロントブレーキ15及びリヤブレーキ16に連結されると共に、入力側14bは流体回路F及びGでブレーキ液リザーバタンクTに連結されている。
【0019】さらに前輪及び後輪用のAOHブースタ12には、それぞれ後述するスプリングチャンバ13が設けられ、そのスプリングチャンバ13はエアリザーバタンクに連結されている電磁弁17にエア回路Cで連結され、その電磁弁17は電気回路Eにより作業用補助制動装置用制御装置2に接続され、その制御装置2は電気回路Dで駐車ブレーキ1に接続されている。なお、作業用補助制動装置用制御装置2は図示しないエア圧力センサ等に接続されると共に、作動スイッチ2b、作動ランプ2aを備えている。
【0020】図2は、公知技術であるAOHブースタ12にスプリングチャンバ13を取り付けた状態の側断面図を示し、A0Hブースタ12のシリンダ31の端部にはスプリングチャンバ13のシリンダ22が固着されている。そのシリンダ22にはシール27を有するピストン23が摺動自在に設けられ、そのピストン23には中空の押圧ロッド26が取り付けられており、その押圧ロッド26の先端にはAOHブースタ12のパワーピストン32の頭部32aに当接する平坦部26aが設けられている。
【0021】また、スプリングチャンバ13のシリンダ22の底部21にはロッド26を気蜜にシールするシール28が設けられ、ロッド26の内側にはリリースボルト25が設けられ、ピストン23の内側にはスプリング24が取り付けられている。そして、底部21の近傍のシリンダ22には圧縮エア室22aに連通する圧縮エア用ポート29が設けられ、エア回路で電磁弁17のコネクタ17aに連結されている。
【0022】A0Hブースタ12に設けられたパワーピストン32にはプッシュロッド35、リタンスプリング36が取り付けられており、そのプッシュロッド35の他端にはハイドロリックピストン41がヨーク42を介して設けられ、シリンダ14内を摺動してブレーキ液をニップル37を介して前後のブレーキに圧送するよう構成されている。なお、符号38は残圧チェックバルブを示す。
【0023】また、AOHブースタ12のシリンダ31のスプリングチャンバ13の反対側端にはリレーバルブ11が設けられ、ブレーキバルブ5に連結されるニップル35aを有しており、図示しないエアリザーバタンクに連結されるニップル36aからエアはフィードバルブ40を介して、ブレーキバルブ5からの信号圧によりリレーピストン39が作動してエアを通路34を介してシリンダ内部45に供給するよう構成されている。
【0024】以下、作用について説明する。
【0025】図2は、A0Hブースタ12とスプリングチャンバ13とは車両が通常走行している状態を示し、ブレーキバルブ5が運転者により操作されると、エアがリレーバルブ11のニップル35aからリレーピストン39に作用し、エアリザーバタンクからのエアがニップル36a及び通路34を介してパワーピストン32の図における左側のシリンダ内部45に入る。パワーピストン32はリタンスプリング36に抗して右方向に移動し、ハイドロリックピストン41が右方向に移動してブレーキ液を押し出しニップル37を介してブレーキに圧送するので、ブレーキが作動する。
【0026】図3は、作業車両が作業のためエンジンを停止しないで駐車ブレーキにより作業用補助制動装置を作動させた状態を示し、駐車ブレーキ1を操作すると、制御装置2からの信号により電磁弁17が作動し、スプリングチャンバ13の圧縮エア用ポート29が大気開放側に連結されるので、スプリングチャンバ13のピストン23の右側のエア圧が大気圧となり、スプリング24が伸長しピストン23、ロッド26を右方向に移動させる。したがって、運転者がブレーキバルブ5を操作した場合と同様に、ロッド26の先端の平坦部26aがパワーピストン32の頭部32aを押して、右方向に移動させるので、4輪にブレーキが作動する。駐車ブレーキ1を解除すれば、電磁弁17を介してスプリングチャンバ13のピストン23の右側にエア圧がかかるので、図2の状態に戻り作業用補助制動装置は解除される。
【0027】そして、通常走行時において、エア回路に失陥が生じ空気圧が低下すれば、駐車ブレーキ1を操作した場合と同様に、スプリングチャンバ13のピストン23の右側のエア圧が低下し、スプリング24が伸長して車両を自動停止させるので安全である。
【0028】図4は本発明の第2の実施の形態であるハイドロマスタを使用した場合の構成図を示し、ブレーキ液リザーバタンク56aに連結されているブレーキマスタシリンダ56は流体回路Kでハイドロマスタ60のジョイント80b(図5)に連結され、ハイドロリックシリンダ62は流体回路Lによりセフティシリンダ50を介して前後のブレーキ51、52にそれぞれ連結されている。ハイドロマスタ60は負圧回路V4でバキュームタンク58に連結され、そのバキュームタンク58は図示しないバキュームポンプに連結されている。さらに、負圧回路V2により電磁弁64の接続孔64cに連結され、その電磁弁64は接続孔64bで負圧回路4に連結されると共に、スプリングチャンバ61に接続孔64a及び負圧回路V1を介して連結されている。そして、以下第1の実施の形態と同様に、電磁弁64は電気回路Eで作業用補助制動装置用制御装置2に接続されている。
【0029】図5は、公知技術であるハイドロマスタ60にスプリングチャンバ61を取り付けた状態の側断面図を示し、ハイドロマスタ60のシリンダ70の端部にはスプリングチャンバ61のシリンダ22の底部21が固着されている。そのシリンダ22にはシール27を有するピストン23が摺動自在に設けられ、そのピストン23には中空のロッド26が取り付けられており、そのロッド26の先端にはハイドロマスタ60のパワーピストン80の頭部80aに当接する平坦部26aが設けられている。
【0030】また、スプリングチャンバ61のシリンダ22の底部21にはロッド26を気蜜にシールするシール28が設けられ、ロッド26の内側にはリリースボルト25が設けられ、ピストン23の内側にはリタンスプリング24が取り付けられている。そして、底部21の近傍のシリンダ22には大気連通孔68が設けられ、カバー81に設けられたポート67は負圧回路で電磁弁64の接続孔64aに連結されている。
【0031】また、ハイドロマスタ60はシリンダ70にリタンスプリング71を有するパワーピストン80が摺動自在に設けられ、そのピストンロッド82の他端にはハイドロリックピストン78が取り付けられている。ここで、符号81a、82はコネクタ、77はチェックバルブ、72はリレーバルブピストン、73はダイヤフラム、74は真空弁、76は大気弁をそれぞれ示している。
【0032】以下、作用について説明する。
【0033】作業用補助制動装置を作動させる場合は、駐車ブレーキ1を操作すると制御装置2からの信号により電磁弁64が作動して負圧回路を大気開放に切り換えるので、負圧により図の左側に引き寄せられていたピストン23はリタンスプリング24の伸長により移動し、ロッド26の平坦部26aがパワーピストン80の頭部80aに当接して移動させ、ハイドロリックピストン78でブレーキ液を圧送するので、ブレーキが作動する。
【0034】また、負圧回路に失陥が生じた場合に自動ブレーキが作動することはAOHブレーキの場合と同様である。
【0035】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されており、AOHブースタ或はハイドロマスタにスプリングチャンバを取り付けているので、1個のスプリングチャンバで複数の車輪を制動することが出来、車輪から離れて装備することが出来るので転舵される前輪にも邪魔にならず適用できる。また、作業用補助制動装置としてのみならず、通常走行においてもエア回路や負圧回路に失陥が生じた場合に、非常停止の作用があるため安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示すブレーキ装置の全体構成を示す図。
【図2】図1のAOHブースタとスプリングチャンバとの詳細を示す側断面図。
【図3】図2の作用を説明する図。
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す全体構成図。
【図5】図4のハイドロマスタとスプリングチャンバとの詳細を示す側断面図。
【図6】図5の作用を説明する図。
【図7】従来技術の例を示す図。
【図8】従来技術の別の例を示す図。
【符号の説明】
1・・・駐車ブレーキ
2・・・制御装置
3、4、12・・・AOHブースタ
5・・・ブレーキバルブ
13、61・・・スプリングチャンバ
9、17、53、64・・・電磁弁
22、31、70・・・シリンダ
22a・・・圧縮エア室
23・・・シリンダ
24、36、71・・・リタンスプリング
26・・・押圧ロッド
32、80・・・パワーピストン
35・・・プッシュロッド
41、78・・・ハイドロリックピストン

【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮エアを供給・排出することにより車両のブレーキに制動液圧を供給するエアオーバハイドロリックブースタを有し、そのパワーピストン側に、パワーピストンのプッシュロッドを押圧するスプリングチャンバが取り付けられており、該スプリングチャンバは、前記プッシュロッドを押圧する押圧ロッドと、該押圧ロッドをパワーシリンダ側へ移動するように常時付勢する圧縮スプリングと、圧縮された圧縮スプリングが収容されたピストンにより前記スプリングとは仕切られており且つ圧縮エアが充填されている場合に前記スプリングを圧縮した状態に保持する圧縮エア室と、圧縮エアを供給・排出するため該圧縮エア室に設けられた圧縮エア用ポートとを備えていることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
【請求項2】 前記圧縮エア用ポートは作業用補助制動装置の電磁弁に接続されており、該電磁弁は、作業用補助制動装置の非作動時は前記圧縮エア室と圧縮エア源とを連通し、作業用補助制動装置の作動時には、前記圧縮エア室を大気側に開放するように切り換わり、且つ、前記圧縮スプリングの反発力により前記押圧ロッドがパワーシリンダ側へ移動してパワーピストンのプッシュロッドを押圧する請求項1の車両のブレーキ装置。
【請求項3】 前記スプリングチャンバはフロントブレーキ側のエアオーバハイドロリックブースタと、リヤブレーキ側のエアオーバハイドロリックブースタにそれぞれ取り付けられており、前記電磁弁は、フロントブレーキ側のエアチャンバの圧縮エア用ポート及びリヤブレーキ側のエアチャンバの圧縮エア用ポートを連通している請求項1、2の何れかの車両のブレーキ装置。
【請求項4】 前記圧縮スプリングは、作業用補助制動装置の非作動時に圧縮エア源の圧力が所定値以下に低下した時に、前記圧縮エア室の内圧に抗して伸長し、前記プッシュロッドを押圧する方向に前記押圧ロッドを移動せしめるような弾性特性を有する請求項1〜3の何れかの車両のブレーキ装置。
【請求項5】 負圧を供給し大気側に開放することにより車両のブレーキに制動液圧を供給するハイドロマスタを有し、そのパワーピストン側に、パワーピストンのプッシュロッドを押圧するスプリングチャンバが取り付けられており、該スプリングチャンバは、前記プッシュロッドを押圧する押圧ロッドと、該押圧ロッドをパワーシリンダ側へ移動するように常時付勢する圧縮スプリングと、スプリングチャンバのケーシングとピストンとにより構成されて前記圧縮スプリングが収容されているスプリング室と、前記ピストンにより前記スプリング室と仕切られている大気圧室と、前記スプリング室に負圧源と大気側に連通する負圧用ポートと、前記大気圧室と大気側とを連通する大気圧室ポート、とを備えていることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
【請求項6】 前記負圧用ポートは作業用補助制動装置の電磁弁に接続されており、該電磁弁は、作業用補助制動装置の非作動時は前記スプリング室と負圧源とを連通し、作業用補助制動装置の作動時には、前記スプリング室を大気側に開放するように切り換わり、且つ、前記圧縮スプリングの反発力により前記押圧ロッドがパワーシリンダ側へ移動してパワーピストンのプッシュロッドを押圧する請求項5の車両のブレーキ装置。
【請求項7】 前記圧縮スプリングは、作業用補助制動装置の非作動時に前記スプリング室の負圧が所定値以下に減少した時に、前記スプリング室内の負圧に抗して伸長し、前記プッシュロッドを押圧する方向に前記押圧ロッドを移動せしめるような弾性特性を有する請求項5、6の何れかの車両のブレーキ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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