説明

車両情報表示システム

【課題】擬人化された車両がユーザインターフェイス上で、さらにはインターネット上でつぶやくシステムを実現することを課題とする。
【解決手段】車両情報表示システム10は、車両に対する人の行為を検出して検出信号を出力する少なくとも1つの検出部12と、検出信号から、検出信号を出力した検出部の識別子及び検出レベルからなる検出データを生成し、検出レベルが閾値を超えた場合に識別子を含む検出情報を出力する検出情報生成部13と、擬人化された車両が出力すべきメッセージを含む第1のメッセージリストを記憶するリスト記憶部14と、第1のメッセージリストから検出情報に対応するメッセージを選択するメッセージ選択部15と、選択されたメッセージを出力するユーザインターフェイスであるメッセージ出力部16を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両情報表示システムに関し、より詳細には、車両の状態又は車両に対して行われる行為に関するメッセージを表示する車両情報表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両内で何らかの情報をユーザに通知する際に、あたかも人間がユーザに通知を行っているかのような効果をもたらす装置又はシステムが提案されている。例えば、特許文献1は、理解し易くかつ面白みのある態様でユーザ状況を表示するシステムを開示する。具体的には、ユーザの生態情報、運動情報を検出し、生態情報及び運動情報に基づいてユーザ状況を判定してそれに応じた表示キャラクタの表情又は動作を決定することで、人の動作状況、健康状況、感情などの状況を簡易に分かり易く表現することが開示されている。
【0003】
また、特許文献2は、擬人化したエージェントがモニタ上で状況に合わせた行為をし、運転者とのコミュニケーションを図るエージェント装置を開示する。例えば、車両の外気温と室温との差が検出され、その差が所定値を超えると、表示画面上に現れたエージェントが口語調で運転者に音声出力して窓を開けるように促すことが開示されている。また、同文献には、ユーザが急ブレーキを踏むと表示画面上のエージェントがしりもちをつく等し、その後次第にエージェントが急ブレーキに順応していく態様が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−39157号公報
【特許文献2】特開2005−313886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、いわゆるつぶやきといわれる行為が注目を浴びている。このつぶやきは、通常は人間が主体となるものであるが、車両におけるヒューマンインターフェイスの高度化等に伴い、人間だけでなく、クルマがつぶやいてもよいのではないかという発想が生まれつつある。そのためには、車両自体を擬人化して車両がつぶやく構成とすることが望ましい。また、ソーシャル・ネットワーク・サービス(以下、「SNS」という)の普及により、インターネット(以下、「ネット」ともいう)上でのつぶやき行為が一層身近なものとなってきている。
【0006】
特許文献1のシステムでは、ユーザの状態を車両を介して表現する構成のため、車両自体を擬人化して表現することはできない。また、特許文献2のエージェント装置でも、車両の状態等に基づいてエージェントという第三者が自己表現を行う構成のため、車両自体を直接擬人化して表現することはできない。
【0007】
そこで、本発明は、擬人化された車両がユーザインターフェイス、さらにはインターネット上でつぶやくシステムを実現することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の車両情報表示システムは、車両に対する人の行為を検出して検出信号を出力する少なくとも1つの検出部と、検出信号から、検出信号を出力した検出部の識別子及び検出レベルからなる検出データを生成し、検出レベルが閾値を超えた場合に識別子を含む検出情報を出力する検出情報生成部と、擬人化された車両が出力すべきメッセージを含む第1のメッセージリストを記憶するリスト記憶部と、第1のメッセージリストから検出情報に対応するメッセージを選択するメッセージ選択部と、選択されたメッセージを出力するユーザインターフェイスであるメッセージ出力部とを備える。
このように、車両ユーザや第三者といった人による車両への行為に対する車両のつぶやきがユーザインターフェイスに出力されることにより、車両ユーザにおいて、自車に対する愛着が一層わくとともに車両使用マナー及び運転マナーの向上を図ることができる。
【0009】
さらに、車両情報表示システムをインターネットに接続するインターネット接続部と、選択されたメッセージをインターネット上の所定サイトにアップロードするインターネット投稿部とを備える構成としてもよい。そして、上記所定サイトはSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)であってもよい。
上記構成により、擬人化された車両がインターネット上、特にSNS上でつぶやくことが可能となり、車両のつぶやきに接したユーザの車両使用マナー及び運転マナーの向上、並びに車両を通じたユーザ間のコミュニケーションの活発化による車両情報交換の活性化を図ることができる。
【0010】
ここで、第1のメッセージリストに含まれるメッセージが、識別子に対応付けられる人体の部位を示す単語を含むものであってもよい。
このように、車両の部位と人体の部位を対応付けることにより、車両の擬人化効果を直接的に得ることができる。
【0011】
さらに、選択されたメッセージを車両ユーザの端末機に送信する送信部をさらに備えてもよい。
これにより、車両ユーザは運転終了後にまとめて車両のつぶやきを確認することができる。また、車両ユーザとは別の者が運転者である場合、あるいは車両ユーザが車両の遠隔にいる場合でも、車両ユーザは車両使用マナー、車両状態等を管理することができる。
【0012】
またさらに、各メッセージリストをインターネットからダウンロードして更新するリスト更新部をさらに備えるようにしてもよい。
このように、メッセージ(つぶやき)を更新できるようにすることにより、擬人化の具体的態様に変化をもたせ、車両の擬人化効果をより高めることができる。
【0013】
またさらに、複数のメッセージリストから、所望のキャラクタによって特徴付けられるメッセージリストをユーザに設定させるためのキャラクタ設定部をさらに備えるようにしてもよい。
このように、メッセージリストを何らかの性格や性質で特徴付けることにより、車両各々に種々の性格をもたせ、車両の擬人化効果を一層高めることができる。
【0014】
また、検出情報生成部が、検出データの履歴を記録し、検出データの履歴における検出頻度を示す検出頻度レベルが閾値を超える場合に、検出頻度レベルが超えた検出部の識別子を含む高頻度情報を出力するように構成され、リスト記憶部がさらに、擬人化された車両が出力すべきメッセージを含む、第1のメッセージリストとは異なる第2のメッセージリストを備え、メッセージ選択部が、第2のメッセージリストから高頻度情報に対応するメッセージを選択するように構成されるようにしてもよい。
このように、頻度の高いユーザ動作に対して、通常とは異なるメッセージ(つぶやき)を車両が発する構成としたことにより、ユーザにおいて顕著な使用マナー又は運転マナーについて効果的に注意喚起を行うことができる。
【0015】
また、メッセージ選択部が第1及び第2のメッセージ選択部からなり、リスト記憶部が、ユーザ向けメッセージリストを記憶するユーザ向けリスト記憶部、及びユーザ向けメッセージリストとは異なるインターネット向けメッセージリストを記憶するインターネット向けリスト記憶部からなり、第1のメッセージ選択部が、ユーザインターフェイスに出力するためのメッセージをユーザ向けメッセージリストから選択し、第2のメッセージ選択部が、所定サイトにアップロードするためのメッセージをネット向けメッセージリストから選択するようにしてもよい。
これにより、車両における同じ状態や動作について、車両ユーザへの注意喚起とインターネット上での車両のアピールをそれぞれ効果的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の実施例による車両情報表示システムの概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施例による車両情報表示システムの制御構成を示すブロック図である。
【図3】第1の実施例による車両情報表示システムの動作を示すフローチャートである。
【図4】第1の実施例におけるSNS上の画面例を示す図である。
【図5】第2の実施例による車両情報表示システムの制御構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施例1.
[車両情報表示システムの概略構成]
図1は、本発明の第1の実施例による車両情報表示システムが搭載された車両1、インターネット6及び端末機7を示す。車両1は、ドア2、加速度センサ3、車載制御装置4(位置は図示した部分に限られない)及びカーナビゲーション画面5を備える。例えば、車両1のユーザがドア2を閉めたときに、ドア2に設けられた加速度センサ3が検出信号を出力する。車載制御装置4は、検出信号から、ドアの閉め方が強すぎると判定した場合に、例えば「右手が痛い」、あるいは「ドアもう少し優しく閉めてほしいなぁ」等の擬人化メッセージ(即ち、つぶやき)をカーナビゲーション画面5に出力する。端末機7は、本実施例ではスマートフォン等の携帯端末機である。
【0018】
また、車載制御装置4は上記の擬人化メッセージ(つぶやき)をインターネット6の所定サイト上に投稿することができる。本実施例では、所定サイトをSNSとして説明するが、本発明でいう所定サイトとは、限られたユーザしかアクセスできないような小規模なサイト等も含む。SNS上では、車両1とともに擬人化メッセージ(つぶやき)がアップロードされ、図示するように車両1が「右手が痛い」とつぶやく。第三者は端末機7によって車両1及びその他の車両のつぶやきを閲覧することができる。このような動作を実現するための構成を以下に詳細に説明する。
【0019】
[車両情報表示システムの制御構成]
図2は第1の実施例の車両情報表示システム10(以下、「システム10」という)の制御構成を示すブロック図である。システム10は、制御部11、複数の検出部12−1〜12−n(以下、総称して「検出部12」という)、検出情報生成部13、リスト記憶部14、メッセージ選択部15、メッセージ出力部16、送信部17、インターネット接続部18、インターネット投稿部19、リスト更新部20及びキャラクタ設定部21を備える。
【0020】
制御部11は、システム10内の各部間の信号のやりとりを制御するCPU並びにプログラム及びデータ(情報)を記憶するメモリを含む。
【0021】
検出部12は、車両1の各部に設けられたセンサである。例示として、検出部12−1は右ドアを閉めた瞬間の加速度を検出する加速度センサ(図1の加速度センサ3に相当)、検出部12−2は左ドアを閉めた瞬間の加速度を検出する加速度センサ、検出部12−3は車両1のいずれかの箇所に設けられ、水平全方向の加速度を検出する加速度センサ、検出部12−4はトランクの積載量を検出する重量センサ、検出部12−5は車両周辺を撮影する車載カメラであるものとする。後に詳述するように、検出部12によって、車両の状態及び車両に対する人の行為が検出される。
【0022】
検出情報生成部13は、検出データ生成部131、検出履歴記録部132、検出レベル比較部133、頻度レベル比較部134及び比較結果出力部135を備える。
【0023】
検出データ生成部131は、各検出部12から入力される検出信号から検出データを生成する。検出データは、検出信号が出力された検出部の識別子及び検出された物理量に応じた検出レベルを表すものとする。
【0024】
検出履歴記録部132は、検出データ生成部131で生成された検出データを蓄積する。検出履歴記録部132は、各検出部の識別子について、それぞれ、累積検出回数、所定期間内の累積検出回数、累積検出レベル、又は所定期間内の累積検出レベル(以下、これらをまとめて「検出頻度レベル」という)を記録する。また、関連する複数の検出部の識別子について、検出頻度レベルの合計を記録することもできる。例えば、検出履歴記録部132は複数のドアの加速度センサ(例えば、検出部12−1及び12−2)の検出頻度レベルの合計を記録することもできる。
【0025】
検出レベル比較部133は、検出データ生成部131からの検出データにおける検出レベルを、各識別子に対して設定された閾値と比較し、検出レベルが閾値を超えたと判断した場合に検出情報を比較結果出力部135に出力する。検出情報は上記検出部の識別子及び検出レベルが閾値を超えたことを示す検出ハイ(High)ビットを含む。
【0026】
頻度レベル比較部134は、検出履歴記録部132からの検出頻度レベルを、各識別子に対して設定された閾値と比較し、検出頻度レベルが閾値を超えたと判断した場合に高頻度情報を比較結果出力部135に出力する。例えば、ユーザが右ドアを強く閉める行為を繰り返した場合、頻度レベル比較部134は、検出部12−1についての高頻度情報を出力する。高頻度情報は、その検出に関連する検出部の識別子及び検出頻度レベルが閾値を超えたことを示す頻度ハイ(High)ビットを含む。
【0027】
比較結果出力部135は、検出レベル比較部133からの検出情報又は頻度レベル比較部134からの高頻度情報を、検出情報生成部13の出力情報として出力する。また、比較結果出力部135は、所定期間に亘って検出情報又は高頻度情報が出力されない場合には、長期無出力情報を出力することができる。
【0028】
このように、検出情報生成部13は、検出部12の検出結果に応じて、検出情報、高頻度情報、検出情報及び高頻度情報、又は長期無出力情報を出力する。
【0029】
リスト記憶部14は、車両1がつぶやくメッセージをリスト化したメッセージリストを保持する。リスト記憶部14は第1〜第4のメッセージリスト101〜104を含み、各メッセージリストは、検出情報生成部13からの情報と、各情報に対応するメッセージとを対応付けた参照テーブルからなる。
【0030】
第1のメッセージリスト101は、個々の検出結果に対応する直接的なメッセージを含むリスト101a及び101bからなる。
リスト101aは、車両の各部位、即ち、検出部の識別子に対応付けられた人体の部位を示す単語を含むメッセージを記憶する。例えば、右ドアは右手、左ドアは左手、車輪又はその周辺は足又は足腰、車両フロント部は頭、ルーフ又はトランクは背中、エンジン又は車両全体は心臓、ヘッドライト又はフロントガラスは目、サイドミラーは耳に対応付けられる。リスト101aに記憶されるメッセージは、例えば、右ドアに関連して「右手が痛い」、車輪に関連して「足がつりそう」、トランクに関連して「背中が重い」等である。このようなメッセージが出力されることにより、車両の擬人化効果を直接的に得ることができる。
リスト101bは、人間が主語となり得る用言(動詞、形容詞、形容動詞)を含むメッセージ(例えば、「疲れた」、「楽しい」、「驚いた」)、その他要望、感想、問いかけのメッセージ(例えば、「ドアもう少し優しく閉めてほしいなぁ」、「そろそろ腹減りません?」)等を記憶する。
【0031】
第2のメッセージリスト102は、累積的な検出結果に対する総括的なメッセージを含み、要望、感想、意思表示等のメッセージを含み得る。メッセージリスト102はメッセージリスト101と重複するメッセージを含んでいてもよい。メッセージリスト102に記憶されるメッセージは、例えば、「ドアもう少し優しく閉めてほしいなぁ」、「今日も荷物が重いなぁ」、「最近足が筋肉痛」等がある。
【0032】
第3のメッセージリスト103は、検出とは無関係な、ポジティブなニュアンスのメッセージ及び自己アピールのためのメッセージを記憶する。ポジティブなニュアンスのメッセージの例示として、「今日も快調」、「毎日絶好調!」等がある。また、自己アピールメッセージの例示として、「狭い駐車場も楽勝!」、「もっと走れる」等がある。
【0033】
第4のメッセージリスト104は、感動詞、流行のフレーズ等、それ自体は意味を持たない付加的メッセージを記憶する。従って、メッセージリスト104は省略することができるが、上記のメッセージリスト101〜103から選択されるメッセージにこの付加的メッセージが付加されることにより、より擬人化効果が高まることが期待される。感動詞には、例えば、ポジティブなニュアンスの感動詞として「イエーイ」、「よし」等、ネガティブなニュアンスの感動詞として「ちょっと!」、「ひぇ〜」、「Oh my god(オーマイガッ)」等、中立的なニュアンスの感動詞として「うわ〜」、「よいしょ」等があり、その他挨拶も含まれる。
【0034】
メッセージ選択部15は、検出情報生成部13からの検出情報、高頻度情報又は長期無出力情報に基づいて、リスト記憶部14からメッセージを選択する。
メッセージ選択部15は、検出情報を受けて、検出情報の検出部識別子及び検出ハイビットに対応付けられるメッセージを第1のメッセージリスト101から選択する。例えば、検出情報の識別子が検出部12−1(右ドア加速度センサ)を示す場合、メッセージリスト101のうちの「右手」に関するメッセージが参照され、メッセージ選択部15は「右手が痛い」を選択する。なお、検出レベルが閾値未満の場合は、検出情報生成部13が何も情報を出力しないのでメッセージ選択部15は何も選択しない。
【0035】
また、メッセージ選択部15は、高頻度情報を受けて、高頻度情報の検出部識別子及び検出ハイビットに対応付けられるメッセージを第2のメッセージリスト102から選択する。例えば、高頻度情報の検出部識別子が検出部12−1の場合には、メッセージ選択部15は、メッセージリスト102から「ドアもう少し優しく閉めてほしいなぁ」を選択する。これにより、頻度の高いユーザ動作(特に、悪い使用マナー又は運転マナー)に対して効果的に注意喚起を行うことができる。
【0036】
また、メッセージ選択部15は、検出情報生成部13から長期無出力情報が出力された場合に、第3のメッセージリスト103からメッセージを選択する。例えば、しばらく車両の異変が何も検出されないということは使用マナー又は運転マナーが良いということであるから、メッセージ選択部15は「今日も快調!」等のポジティブなニュアンスのメッセージをメッセージリスト103から選択する。あるいは、しばらく何もつぶやかないとフォロワーが減ってしまう可能性があるので、メッセージ選択部15は「狭い駐車場も楽勝よ!」、「ガンガン走るぜ」等の自己アピールのメッセージをメッセージリスト103から選択する。メッセージ選択部15は所定の順序又はランダムな順序でこれらのポジティブなニュアンスのメッセージ又は自己アピールメッセージを選択する。
【0037】
さらに、メッセージ選択部15は、同じ検出情報又は高頻度情報が所定回数以上連続した場合等に、第4のメッセージリスト104からネガティブなニュアンスの感動詞を選択し、その感動詞を、第1のメッセージリスト101又は102から選択したメッセージに付加するようにしてもよい。これにより、悪い車両使用マナーへの一層の注意喚起が可能となる。また、メッセージ選択部15は、検出情報生成部13から連続して長期無出力情報が出力されたことを受けて、メッセージリスト104からポジティブなニュアンスの感動詞を選択し、その感動詞を、第3のメッセージリスト103から選択したメッセージに付加するようにしてもよい。なお、同じニュアンスの感動詞の中では、異なる感動詞が周期的に選択されるようにしてもよいし、ランダムな順序で選択されるようにしてもよい。
【0038】
メッセージ出力部16は、メッセージ選択部15によって選択されたメッセージ、即ち、つぶやきを表示又は発声するユーザインターフェイスである。メッセージ出力部16は、視覚的に出力する場合には図1に示すカーナビゲーション画面5からなり、音声で出力する場合にはスピーカからなる。
【0039】
送信部17は、メッセージ選択手段15によって選択されたメッセージを車両1のユーザ(例えば、車両オーナー)の端末機(例えば、スマートフォン等の携帯端末機)に送信する。これにより、ユーザは車両1の運転終了後にまとめて車両のつぶやきを確認することができる。また、車両ユーザ(車両オーナー)とは別の者が運転者である場合でも、車両ユーザ(車両オーナー)は運転者の車両使用マナーを管理することができる。さらに、車両ユーザが車両の遠隔にいる場合でも、車両ユーザは、車両状態や第三者の車両に対する行為等を管理又は監視することができる。
【0040】
上記構成により、擬人化された車両自体がつぶやいてメッセージをユーザに伝えるので、車両の状態又は状況をユーザに直接訴えることができる。これにより、ユーザの感情が車両へ向けられ、車両使用又は交通マナーの改善ないし向上が促される。また、車両における状態やユーザの行為又は動作に応じて車両自体がつぶやくことによる注意喚起は、同乗者等の第三者が忠告するよりも説得力が増し、場合によっては運転者が忠告を受け入れ易いという効果も期待できる。
【0041】
インターネット接続部18は、システム10からインターネット6へのインターネット接続を行う機能を持つ。システム10とインターネット6は常時接続されるようにしてもよいし、後述のインターネット投稿部19によるインターネット上でのつぶやきが行われる時に接続されるようにしてもよい。
【0042】
インターネット投稿部19は、メッセージ選択部15によって選択されたメッセージをインターネット上の所定のSNS等のサイトにアップロードする(投稿する)。これにより、車両1はSNS内でつぶやいて自己表現することができる。
【0043】
このように、擬人化された車両1がインターネット上、例えばSNSでつぶやく構成としたことにより、車両ユーザ以外の第三者も車両1のつぶやきを閲覧することができる。また、これにより、インターネット上での車両に関する情報交換が容易となる。即ち、ある車種に興味を持つ第三者が、SNSでその車種を検索してそのつぶやきを閲覧することができ、その第三者は、その車種性質又は傾向を知ることができる。例えば、その車種の燃費に関連するつぶやきから現実の燃費を推定することができ、あるいは、その車種のつぶやきの言葉遣いからユーザの層(購買層)を知ることもできる。
【0044】
一方、車両ユーザにとっても自己の車両使用又は交通マナーが他者に閲覧されることから、車両ユーザにおける一層の使用マナー又は運転マナーの向上が啓発される。
【0045】
リスト更新部20は、第1〜第4のメッセージリスト101〜104のいずれかを、インターネット接続部18によって接続されたインターネット6からダウンロードして新しいものに更新するためのものである。長期間にわたってシステム10を使用すると、出力されるメッセージ(つぶやき)に変化が感じられなくなり、面白みに欠ける。そこで、リスト更新部20は、定期的に又はユーザの希望する時期にメッセージリスト101〜104が新しいものに更新されるようにする。例えば、旧リストでは「右手が痛い」や「狭い駐車場も楽勝!」であったメッセージが、新リストでは「右手がしびれる」や「路地裏もスイスイ!」にそれぞれ更新されるようにして、同じ事象に対しても、つぶやきに変化をもたせて擬人化効果を高めることができる。リスト更新部20は、1日〜数ヶ月周期で、あるいは季節ごとにメッセージリストを更新してもよいし、メッセージリストにおける同じメッセージが所定回数以上使用された場合にメッセージリストを更新するようにしてもよい。
【0046】
キャラクタ設定部21は、ユーザに車両1のキャラクタを設定させるためのものである。キャラクタ設定部21において、ユーザ入力により複数のキャラクタから所望のキャラクタが選択及び設定される。具体的には、キャラクタ設定部21は、カーナビゲーション画面5又は車両ユーザの端末機に複数のキャラクタを表示し、ユーザ入力に基づいて1つのキャラクタを設定するようにすればよい。これにより、それぞれのキャラクタによって特徴付けられた複数のメッセージリストから、ユーザの所望のキャラクタによって特徴付けられた1つのメッセージリストが選択される。それぞれのキャラクタによって特徴付けられた複数のメッセージリストはリスト記憶部14に保持されるようにしてもよいし、インターネット(サーバ)に保持されるようにしてインターネット6からダウンロードされるようにしてもよい。
【0047】
上記の複数のキャラクタは、性別、年齢、使用言語、気質等の分類を含む。性別の選択肢として、男性、女性はもちろんのこと、性別のないロボット、宇宙人等も含まれる。使用言語の選択肢には、標準語、各地の方言、外国語等が含まれる。気質の選択肢には、ノーマル、エレガント(丁寧な言葉遣いに特徴付けられる)、若者風(今時のしゃべり口調に特徴付けられる)、老人風(しぶいしゃべり口調に特徴付けられる)、下町風(べらんめぇ調の言葉遣いに特徴付けられる)、アメリカンナイズド風(日本語中に英単語が多く含まれる言葉遣いに特徴付けられる)、実況中継風(説明的で傍観的な言葉遣いに特徴付けられる)、架空又は実在の有名人風等が含まれる。このような分類からユーザが所望のキャラクタを選択できるものとする。これにより、車両各々に性格が表れるようになり、擬人化効果が高まる。
【0048】
例えば、右ドアが強く閉められたという同じ行為に対しても、キャラクタとしてノーマルが選択されている場合には、選択されるメッセージは「右手が痛い」となり、エレガントが選択されている場合には「右手が大変痛いです」のようになり、アメリカンナイズド風が選択されている場合には「ライトハンドがアウチだぜ」のようになり、実況中継風が選択されている場合には「アームクラッシャー右腕に炸裂!これは痛い」のようになり、車両ごとに種々の異なるキャラクタが表現され得る。このように、ユーザは自己のテイストにあったキャラクタを選択することができるので、自車に対する愛着が一層わき、使用マナーの向上が期待できる。また、インターネット上での自己表現も多様化することができ、SNS等でのコミュニケーションが活発化されることが期待される。
【0049】
[車両情報表示システムの制御方法]
次に、実施例1によるシステム10の動作を説明する。図3はシステム10の制御方法における処理を示す基本フローチャートである。なお、既に車両のキャラクタは設定済みであるものとする。
【0050】
ステップS01において、検出部12が、車両に対する人の行為を検出する。具体的には、検出情報生成部13が検出部12からの検出信号の有無を判断する。処理は、検出信号有り(Yes)の場合にはステップはS02に進む。処理は、検出信号無し(No)の場合にはステップS06に進み、経過時間が所定値となるまでステップS01が継続される。ここでいう経過時間とは、前回何らかの出力が行われてからの経過時間をいうものとする。
【0051】
ステップS02において、検出情報生成部13(検出データ生成部131)が、検出信号から、検出信号を出力した検出部の識別子及び検出量を示す検出レベルを含む検出データを生成する。
ステップS03において、検出情報生成部13(検出履歴記録部132)が、検出データの履歴を記録する。
【0052】
ステップS04において、検出情報生成部13(検出レベル比較部133)が、検出情報に含まれる検出レベルが所定の閾値を超えるか否か、又は検出情報生成部13(頻度レベル比較部134)が、検出頻度レベルが所定の閾値を超えるか否か、を判断する。処理は、Yesの場合にはステップS05に進み、Noの場合にはステップS06に進む。
【0053】
ステップS05において、検出情報生成部13(比較結果出力部135)が、検出レベルが閾値を超える場合には検出情報を、検出頻度レベルが閾値を超える場合には高頻度情報を生成及び出力し、その後処理はステップS10に進む。ステップS05においては、検出情報のみが出力される場合、検出情報及び高頻度情報が出力される場合、又は高頻度情報のみが出力される場合がある。なお、検出情報と高頻度情報が同時に出力される場合には、高頻度情報のみを出力する構成としてもよい。
【0054】
ステップS06において、経過時間が所定値を超えると、処理はステップS07に進む。
ステップS07において、検出情報生成部13(出力結果出力部135)が長期無出力情報を出力する。
【0055】
ステップS10において、メッセージ選択部15が、ステップS05又はS07で出力された情報(検出情報、高頻度情報又は長期無検出情報)に基づいて、リスト記憶部14のいずれかのメッセージリストからメッセージを選択する。
【0056】
ステップS20において、制御部11が、ステップS10で選択されたメッセージをメッセージ出力部16(ユーザインターフェイス)に出力させる。
また、ステップS25として、送信部17によって、車両ユーザの端末機に、ステップS10で選択されたメッセージを送信するようにしてもよい。
【0057】
ステップS30において、インターネット接続部18がシステム10をインターネット6に接続し、インターネット投稿部19が、ステップS10で選択されたメッセージを、SNS等の所定サイトにアップロードしてつぶやく。
【0058】
[SNSでの表示例]
図4にSNSに投稿された車両のつぶやきを閲覧するユーザの端末機7を示す。形態端末機7の画面には、車両A、B、C及びDが表示されている。これらは、端末機7が所定のキーワードを検索語として検索した車両であってもよいし、端末機7の近隣に位置する車両であってもよいし、お気に入りとして記憶した車両であってもよいし、端末機7の持ち主又は車両1のフォロワーとなっている車両であってもよい。
【0059】
図示するように、例えば、車両Aは「ダイエット中でもまだまだ走れます」とつぶやいているので、この車種が低燃費であるという性質を推察することができる。また、車両Bは「ドアもう少しやさしく閉めてほしいなぁ」とつぶやいているので、車両の外観イメージと相俟ってワイルドな若者のユーザ層を想起することができる。また、端末機7の持ち主が車両Bのユーザである場合、ユーザには、優しいドア閉めが喚起されることになる。また、車両Cは「狭い駐車場も楽勝よ!」とつぶやいているので、車両Cが街乗りに適した車種であることを推察することができる。車両Dは「足つりそう・・・」とつぶやいているので、スポーティな車種のイメージとアクティブなタイプのユーザ層を想起することができる。
【0060】
[更なる例示]
上記の説明では主に、右ドアを強く閉めるというユーザの行為に対して車両1が右手の苦痛をつぶやく構成を示したが、他にも様々な実施形態がある。
【0061】
例えば、検出部12−3(車載加速度センサ)がユーザによる車両の急発進、急停車又は急ハンドルといった行為を検出した場合、検出情報生成部13は、検出データ生成部131において検出部12−3の識別子及び加速度の方向と値を示す検出レベルを含む検出データを生成するとともに、検出履歴記録部132に検出データを記録する。検出情報生成部13は、検出部12−3について検出レベルが閾値を超えるか否かを検出レベル比較部133で判断し、検出頻度レベルが閾値を超えるか否かを頻度レベル比較部134で判断する。ここで、検出情報生成部13が、検出部12−3について検出レベルが閾値を超えるが検出頻度レベルが閾値を超えないと判断して、検出情報を出力するものとする。
【0062】
この場合、メッセージ選択部15は、メッセージリスト101から、検出部12−3についての検出情報に対応するメッセージを選択する。例えば、急停車の場合は「膝にくる!」、急ハンドルの場合は「足つりそう」が選択される。この選択メッセージを、メッセージ出力部16が出力するとともにインターネット投稿部19がSNS等の所定サイトにアップロードしてつぶやく。
ユーザがこのつぶやきに接することにより、ユーザは急発進、急停車、急ハンドルを控えるようになり、ユーザの車両使用マナー及び運転マナー向上が期待できる。
【0063】
他の例として、検出部12−4(トランク部の重量センサ)が高重量を検出した場合、検出情報生成部13は、検出部12−4の識別子及び重量を示す検出レベルを含む検出データを生成するとともに検出履歴を記録する。検出情報生成部13は、検出部12−4について検出レベルが閾値を超えるか否か、及び検出頻度レベルが閾値を超えるか否かを判断する。ここで、検出情報生成部13は、検出部12−4について検出レベルは閾値を超えないが検出頻度レベルが閾値を超えると判断して、その高頻度情報を出力するものとする。
【0064】
この場合、メッセージ選択部15は、メッセージリスト102から、検出部12−4についての高頻度情報に対応するメッセージを選択する。例えば、「最近太ったかなぁ」が選択される。この選択メッセージを、メッセージ出力部16が出力するとともにインターネット投稿部19がSNS等の所定サイトにアップロードしてつぶやく。
ユーザがこのつぶやきに接することにより、ユーザは不要な荷物を積み過ぎるという行為を控えるようになり、燃料の消費が抑えられる。
【0065】
他の例として、駐車中の車両において、検出部12−5(車載カメラ)が第三者による車両周辺の徘徊行為を検出した場合、検出情報生成部13は、検出部12−5の識別子並びに徘徊する人体の大きさ(車両への接近度)及び検出継続時間を示す検出レベルを含む検出データを生成する。検出情報生成部13は検出レベルが閾値を超えるか否か、即ち、車載カメラから取得される映像に、所定の大きさ以上の動体が所定時間以上にわたって含まれるか否かを判断する。ここで、検出情報生成部13は、検出レベルが閾値を超えると判断した場合に検出情報を出力するものとする。
【0066】
この場合、メッセージ選択部15は、メッセージリスト101から、検出部12−5についての検出情報に対応するメッセージを選択する。例えば、「僕の周りに誰かうろついているんだけど」が選択される。この選択メッセージは、車両が駐車中であるのでメッセージ出力部16には出力されない(又は出力されても車両ユーザがそれに接することができない)が、インターネット投稿部19がSNS等の所定サイトにアップロードしてつぶやく。あるいは、このつぶやきが送信部17によってユーザの端末機に送信される。
【0067】
これにより、防犯効果を高めることができる。例えば、車両1の近隣にある他の車両のユーザが、自車の近隣地域の車両をインターネット上(例えばSNS上)で検索して車両1のつぶやきを閲覧した場合に、近所に不審者が徘徊していることを知ることができ、警戒することができるとともに、インターネット上の他の車両のユーザに注意を喚起することができる。
【0068】
実施例2.
実施例1では、車両1がユーザに対してつぶやくメッセージとインターネットでつぶやくメッセージとを同一のものとしたが、本実施例では、それらを異ならせる構成を示す。
【0069】
車両がユーザに対してつぶやく主な目的は、車両の使用マナー又は運転マナーへの意識の向上にある。従って、ユーザに注意を喚起したり改善を促したりするために、ややネガティブなニュアンスのメッセージが多くなる。一方、車両がインターネットに対してつぶやく主な目的は、車両ユーザ同士のコミュニケーションや車両の宣伝効果を期待するものである。従って、あまりネガティブなメッセージを多用しない方が良いことがある。このように、車両のつぶやきにも、内向きの顔と外向けの顔があった方が良い場合がある。
【0070】
図4は、本実施例の車両情報表示システム30(以下、「システム30」という)の制御構成を示すブロック図である。システム30は、制御部11、複数の検出部12−1〜12−n、検出情報生成部13、ユーザ向けリスト記憶部34、ネット向けリスト記憶部44、第1のメッセージ選択部35、第2のメッセージ選択部45、メッセージ出力部16、送信部17、インターネット接続部18、インターネット投稿部19、リスト更新部20、及びキャラクタ設定部21を備える。なお、図4において図2と同様の符号を持つ構成要素は実施例1のものと同様であるので説明を省略する。
【0071】
ユーザ向けリスト記憶部34は、ユーザに向けるためのメッセージを含むユーザ向けメッセージリストを記憶する。ユーザ向けメッセージリストのメッセージリスト301〜303は、実施例1のメッセージリスト101〜103と実質的に同じである。なお、第4のメッセージリスト104に相当するメッセージリストがユーザ向けメッセージリストに含まれていてもよい。
【0072】
ネット向けリスト記憶部44は、SNS等のインターネット上の所定サイトに向けるためのメッセージを含むインターネット向けメッセージリストを記憶する。ネット向けリスト記憶部44の第1のメッセージリスト401は実施例1の第1のメッセージリスト101のうち、ネガティブでない(即ち、ポジティブ又は中立的な)ニュアンスのメッセージを主に含む。第2のメッセージリスト402は実施例1の第2のメッセージリスト102のうち、ネガティブでないニュアンスのメッセージを主に含む。第3のメッセージリスト403は実施例1の第3のメッセージリスト103と同じである。
【0073】
ここで、例えば、検出部12−1(右ドアの加速度センサ)からドアが強く閉められたことを示す検出信号が出力されたものとする。そして、実施例1と同様に、検出情報生成部13は、検出部12−1の識別子及び検出レベルを含む検出データを生成し、検出レベルが閾値を超えている場合に、識別子及び検出ハイビットを含む検出情報を生成して出力するものとする。
【0074】
そして、メッセージ選択部35が、(ドアが強く閉められたことに対して)ユーザ向けリスト記憶部34の第1のメッセージリスト301から「右手が痛い」を選択する。一方、メッセージ選択部45は、ネット向けリスト記憶部44の第1のメッセージリスト401からネガティブでないニュアンスのメッセージ、例えば、「バーンとはりきって行こう!」を選択する。
【0075】
制御部11は、メッセージ選択部35が選択したユーザ向けメッセージ「右手が痛い」をメッセージ出力部16に出力させ、メッセージ選択部45が選択したインターネット向けメッセージ「バーンとはりきって行こう!」をインターネット投稿部19に所定サイトにアップロードさせる。これにより、ユーザにはドアを強く閉めないように注意喚起できる一方で、インターネット上ではタフな車両のイメージを与えることができる。
【0076】
なお、検出情報生成部13から長期無出力情報が出力された場合には、メッセージ選択部35及び45がそれぞれ第3のメッセージリスト303及び403から同じメッセージを選択する。即ち、長期無出力情報が出力された場合には、メッセージ選択部35及び46が同じメッセージを選択するので、メッセージ出力部16にも所定サイト(例えばSNS)にも同じメッセージが表示されることになる。
【0077】
また、例えば、燃料又は充電残量センサを検出部12−6として、検出部12−6から充電残量が所定値未満になったことを示す検出信号が出力されたものとする。すると、検出情報生成部13は、検出信号から、検出部12−6の識別子及び検出レベルを含む検出データを生成し、検出レベルが閾値を超える(燃料又は充電残量自体は所定値未満となる)場合に検出情報を生成して出力する。
【0078】
そして、メッセージ選択部35が、(燃料又は充電が減ったことに対して)ユーザ向けリスト記憶部34のメッセージリスト301からネガティブなニュアンスのメッセージ、例えば、「腹減ったなぁ、どこまで走るの?」を選択する。一方、メッセージ選択部45は、ネット向けリスト記憶部44のメッセージリスト401からネガティブでないニュアンスのメッセージ、例えば「ダイエット中でもまだまだ走れます」を選択する。
【0079】
制御部11は、メッセージ選択部35が選択したユーザ向けメッセージ「腹減ったなぁ、どこまで走るの?」をメッセージ出力部16に出力させ、メッセージ選択部45が選択したインターネット向けメッセージ「ダイエット中でもまだまだ走れます」をインターネット投稿部19に所定サイトにアップロードさせる。これにより、ユーザには燃料補給又は充電を促すことができる一方で、インターネット上では少ない燃料又は充電で長く走れる燃費の良さをアピールできる。
【0080】
なお、ユーザ向けメッセージリストには該当するメッセージがあっても、インターネット向けメッセージリストには対応するメッセージがない場合があってもよいし、逆に、インターネット向けメッセージリストには該当するメッセージがあっても、ユーザ向けメッセージリストには対応するメッセージがない場合があってもよい。
【0081】
このように、ユーザ向けのつぶやきとインターネット向けのつぶやきのニュアンスを変えることにより、車両における同じ状態や動作について、ユーザへの注意喚起とインターネット上での車両のアピールを効果的に行うことができる。
【0082】
以上より、擬人化された車両が、そのユーザ又はSNS等のインターネット上のサイトに向けて自己表現としてつぶやくシステムを実現することがでる。これにより、車両使用マナー及び運転マナーの向上、車両を通じたユーザ間のコミュニケーションの活発化による車両情報交換の活性化を図ることができる。
【符号の説明】
【0083】
1.車両
2.ドア
3.加速度センサ
4.車載制御装置
5.カーナビゲーション画面
6.インターネット
7.携帯端末機
10、30.車両情報表示システム
11.制御部
12.検出部
13.検出情報生成部
14.リスト記憶部
15、35、45.メッセージ選択部
16.メッセージ出力部
17.送信部
18.インターネット接続部
19.インターネット投稿部
20.リスト更新部
21.キャラクタ設定部
34.ユーザ向けリスト記憶部
44.ネット向けリスト記憶部
101、102、103、104、301、302、303、401、402、403.
メッセージリスト
131.検出データ生成部
132.検出履歴記録部
133.検出レベル比較部
134.頻度レベル比較部
135.比較結果出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両情報表示システムであって、
車両に対する人の行為を検出して検出信号を出力する少なくとも1つの検出部と、
前記検出信号から、該検出信号を出力した検出部の識別子及び検出レベルからなる検出データを生成し、該検出レベルが閾値を超えた場合に該識別子を含む検出情報を出力する検出情報生成部と、
擬人化された車両が出力すべきメッセージを含む第1のメッセージリストを記憶するリスト記憶部と、
前記第1のメッセージリストから前記検出情報に対応するメッセージを選択するメッセージ選択部と、
前記選択されたメッセージを出力するユーザインターフェイスであるメッセージ出力部と
を備えた車両情報表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の車両情報表示システムであって、さらに、
前記車両情報表示システムをインターネットに接続するインターネット接続部と、
前記選択されたメッセージをインターネット上の所定サイトにアップロードするインターネット投稿部と
を備えた車両情報表示システム。
【請求項3】
請求項2に記載の車両情報表示すステムにおいて、前記所定サイトがSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)である車両情報表示システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の車両情報表示システムにおいて、前記第1のメッセージリストに含まれるメッセージが、前記識別子に対応付けられる人体の部位を示す単語を含むことを特徴とする車両情報表示システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の車両情報表示システムであって、
前記選択されたメッセージを前記車両ユーザの端末機に送信する送信部をさらに備えた車両情報表示システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の車両情報表示システムであって、
前記各メッセージリストをインターネットからダウンロードして更新するリスト更新部をさらに備えた車両情報表示システム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の車両情報表示システムであって、
複数のメッセージリストから所望のキャラクタによって特徴付けられるメッセージリストをユーザに設定させるためのキャラクタ設定部をさらに備えた車両情報表示システム。
【請求項8】
請求項1から7いずれか一項に記載の車両情報表示システムにおいて、
前記検出情報生成部が、前記検出データの履歴を記録し、該検出データの履歴における検出頻度を示す検出頻度レベルが閾値を超える場合に、検出頻度レベルが超えた検出部の識別子を含む高頻度情報を出力するように構成され、
前記リスト記憶部がさらに、擬人化された車両が出力すべきメッセージを含む、前記第1のメッセージリストとは異なる第2のメッセージリストを備え、
前記メッセージ選択部が、前記第2のメッセージリストから前記高頻度情報に対応するメッセージを選択するように構成された車両情報表示システム。
【請求項9】
請求項1から8いずれか一項に記載の車両情報表示システムにおいて、
前記メッセージ選択部が第1及び第2のメッセージ選択部からなり、
前記リスト記憶部が、ユーザ向けメッセージリストを記憶するユーザ向けリスト記憶部、及び該ユーザ向けメッセージリストとは異なるインターネット向けメッセージリストを記憶するネット向けリスト記憶部からなり、
前記第1のメッセージ選択部が、前記ユーザインターフェイスに出力するためのメッセージを前記ユーザ向けメッセージリストから選択し、前記第2のメッセージ選択部が、前記所定サイトにアップロードするためのメッセージを前記インターネット向けメッセージリストから選択するように構成された車両情報表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63747(P2013−63747A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204873(P2011−204873)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000000011)アイシン精機株式会社 (5,421)