説明

車両用ファンクラッチの組立方法

【課題】車両用のファンクラッチ及びファンクラッチと同軸に取り付けられてプーリを経由してエンジン動力が伝達される機器を、容易に組み立てることが出来る車両用ファンクラッチの組立方法の提供。
【解決手段】プーリの開放端側と相補的な形状の凹部を備えた治具(9)を組立作業位置に載置し、プーリの開放端(8eo)側を治具(9)と嵌合させて、プーリ(8)を治具上に載置して保持する工程(3‐1)と、ファンクラッチ入力軸(81)端部にファンクラッチディスク(34)を接続する工程(3‐4)と、ファンクラッチ(3)と同軸に取り付けられ且つプーリ(8)を経由してエンジン動力が伝達される機器(7)を、エンジン1の所定箇所に固定する工程(3‐6)とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両のラジエータ冷却用ファンのファンクラッチに関し、より詳細には、入力軸端部にプーリが一体的に取り付けられたファンクラッチを組み立てる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
図5は、車両に搭載されるエンジン1とエンジン1を冷却するための冷却ファン2及び冷却ファン2の駆動系を示している。
図示は省略するが、冷却ファンの回転軸の中心線が、エンジンのクランクシャフト中心線の延長線上にある車両が多い。
ところが、車両フレームに対するエンジン搭載位置の関係(冷却性)によって、図5に示すように冷却ファン2の回転軸の中心線Lc2がエンジン1のクランクシャフトの中心軸Lc1に対してオフセットしている例も少なからずある。
また、大型車両においては、消費馬力の大きな冷却ファン2の駆動は、エンジンの回転力に頼らざるをえない。
【0003】
図5で示すタイプでは、エンジン1のクランクシャフト11の先端にコンパニオンフランジ12が取り付けられ、そのコンパニオンフランジ12に第1のプーリ13が取り付けられている。図5では明確ではないが、第1のプーリ13の外周部全周には2条のV溝が形成されている。
一方、冷却ファン2側は、冷却ファン2がファンクラッチ3に取り付けられ、そのファンクラッチ3は、後述のクラッチディスク34を介して入力軸4に回転の接・断が可能な様に係合されている。
入力軸4は、第2のプーリ5の図5における左端面に取り付けられている。第2のプーリ5には、ウォータポンプ7の回転軸もコンパニオンフランジ6を介して接続されている。
そして、エンジン1の回転力は、第1のプーリ13、Vベルト15、第2のプーリ5を介して、ファンクラッチ3及びウォータポンプ7に伝達される。
【0004】
図6で更に詳細に説明すると、ファンクラッチ3は、クラッチハウジング31及びハウジングキャップ32からなる断面が円形の空間と、その空間を仕切り板33で区分して形成された二つのチャンバC1、C2と、クラッチディスク34とを有している。
チャンバC1内にはクラッチディスク34が配置されている。
そして、ファンクラッチ3は、クラッチディスク34に設けた凹凸と二つのチャンバC1、C2に設けた凹凸の間の通路からなるラビリンスLを設けている。
【0005】
クラッチハウジング31は、図6の右端部に軸受け嵌入用の穴31aが開口し、その軸受け嵌入用の穴31aに嵌入装着されたボールベアリング35を介して入力軸4の軸部41と回転自在に係合されている。
入力軸4における軸部41先端には、クラッチディスク34が複数の植え込みボルト36によって固定されている。
入力軸4のフランジ部42は、締結用のボルトB1及びナットN1によって第2のプーリ5の左端面51に取り付けられている。
【0006】
第2のプーリ5は、外周部全周に2条のV溝52が形成されている。この2条のV溝52の断面形状は、前記第1のプーリ13の外周に形成された2条のV溝の断面と同様である。
第2のプーリ5における図6の右端は開口しており、その開口部53から左方に向かって、円筒状の空間54が形成されている。その円筒状の空間54の最深部54b、すなわち、左端面51の裏面には、コンパニオンフランジ6が締結用のボルトB2及びナットN2によって取り付けられている。
コンパニオンフランジ6は、例えば冷却水をエンジンの図示しないウォータージャケット内に圧送するためのウォータポンプ7の回転軸71と固着されている。
【0007】
第1のプーリ13の2条のV溝と第2のプーリ5の2条のV溝52とは、夫々のエンジンにおける前後位置が一致するように配置され(図5参照)、2本のVベルトを双方のV溝に係合させることによってエンジン1の回転力が、入力軸4を介してファンクラッチ3とウォータポンプ7の双方に伝達される。
【0008】
図5、図6で説明した構成のファンクラッチ3を組み立てるには、先ず、ウォータポンプ7を、所定箇所(例えば、エンジン1のシリンダブロックの全端部近傍)に固定したならば、ウォータポンプ7の回転軸71先端に、公知の手段によってコンパニオンフランジ6を固着させる。
ついで、コンパニオンフランジ6に、第2のプーリ5を図6のように被せた後に、締結用のボルトB2及びナットN2によって、コンパニオンフランジ6と第2のプーリ5とを締結する。
次に、入力軸4のフランジ部42を第2のプーリ5に位置合わせをして、締結用のボルトB1及びナットN1によって、入力軸4と第2のプーリ5とを締結する。
【0009】
ここで、図7に示すように、第2のプーリ5における入力軸4締結用のボルト孔(4箇所:図示を省略)と、コンパニオンフランジ6締結用のボルト孔(4箇所:図示を省略)とは、共通のピッチ円状に形成される場合が多い。そして、第2のプーリ5の開口部53とウォータポンプ7との隙間も狭い(図6参照)。
したがって、先ず、入力軸4のフランジ部42に形成されたボルト孔(図示を省略)と第2のプーリ5における入力軸4締結用のボルト孔(4箇所:図示を省略)とを位置合わせすることに手間取る。
更に、既にコンパニオンフランジ6を取り付けた第2のプーリ5の円筒状空間54に手を挿入して、ナットN1を保持して、工具(スパナ)を用いてボルトB1とナットN1とを締結することは非常に困難である。
【0010】
その他の従来技術として、プーリが一体的に形成されたカップリング機構が提案されている(特許文献1参照)。
しかし、係る従来技術にはカップリング機構の組立方法は開示されておらず、組立て時における上述した問題点の解決策も開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】実開平4−88726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、車両用のファンクラッチ及びファンクラッチと同軸に取り付けられてプーリを経由してエンジン動力が伝達される機器を、容易に組み立てることが出来る車両用ファンクラッチの組立方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の車両用ファンクラッチ(3)の組立方法は、ファンクラッチ入力軸(81)端部にプーリ(8)が一体で形成されており、該プーリ(8)はファンクラッチ(3)から離隔する側が開放しているファンクラッチの組立方法において、
プーリ(8)の開放端(8eo)側と相補的な形状の治具(9)を組立作業位置に載置し、プーリ(8)の開放端(8eo)側を治具(9)と嵌合させて、プーリ(8)を治具上に載置して保持する工程(図4の4‐1)と、
治具(9)上に載置されたプーリ(8)と一体的に成形されたファンクラッチ入力軸(81)にベアリング(35)を圧入する工程(図4の4‐2)と、
ベアリング(35)を圧入したファンクラッチ入力軸(81)にクラッチハウジング(31)を嵌合させる工程(図4の4‐3)と、
ファンクラッチ入力軸(81)端部にファンクラッチディスク(34)を接続する工程(図4の4‐4)と、
クラッチハウジング(31)にハウジングキャップ(32)を接合させる工程(図4の4‐5)と、
ファンクラッチ(3)と同軸に取り付けられ且つプーリ(8)を経由してエンジン動力を伝達される機器(相手機器:例えば、ウォータポンプ7)を、エンジン1の所定箇所(例えばシリンダブロック前端1F)に固定する工程(図4の4‐6)と、
ファンクラッチ(3)と同軸に取り付けられ且つプーリ(8)を経由してエンジン動力が伝達される機器(相手機器7)における入力軸(71)端部に設けられた接続部材(コンパニオンフランジ60)に、ファンクラッチ(3)と一体化されたプーリ(8)を被せて、位置合わせする工程(図4の4‐7)と、
ファンクラッチ(3)と同軸に取り付けられ且つプーリ(8)を経由してエンジン動力が伝達される部材(7)における入力軸(71)端部に設けられた接続部材(コンパニオンフランジ60)と、ファンクラッチ(3)に一体化されたプーリ(8)とを、締結ボルト(植え込みボルトB)で締結する工程(図4の4‐7)を含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0014】
上述する構成を具備する本発明によれば、プーリ(8)の開放端側を下方の治具(9)に嵌合させ、プーリ(8)を治具(9)上に載置して保持しているので、プーリ(8)とファンクラッチ(3)を一体的に取り付ける際に、重量が大きいプーリ(8)を作業者が手により保持する必要がなくなった。そのため、プーリと(8)ファンクラッチ(3)を一体的に取り付ける作業が容易になった。
また、ファンクラッチ(3)と同軸に取り付けられ且つプーリを経由してエンジン動力が伝達される機器(相手部材7)における入力軸(71)端部に設けられたディスク(60)に、ファンクラッチ(3)に一体化されたプーリ(8)を被せて、位置合わせした後、両者を締結ボルト(B)で締結しているので、締結ボルト(B)の締結は、プーリ(8)におけるファンクラッチ(3)側の領域で行なうのみで良い。そのため、プーリ(8)内側に作業者の手を入れて作業し、或いは、工具を挿入して作業する必要がなくなり、組立作業の効率化を図ることが出来る。
【0015】
また、プーリ(8)とファンクラッチ(3)を一体的に取り付けることにより、プーリ(8)を単独部品として設定する必要はなくなり、部品点数の減少、エンジン重量の低減という作用効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態で用いられるファンクラッチとファンクラッチの駆動系の断面図である。
【図2】図1におけるY矢示図である。
【図3】実施形態に係るファンクラッチ組立て時に必要とされる冶具の断面図である。
【図4】実施形態に係るファンクラッチ組立方法を説明する工程図である。
【図5】従来技術におけるエンジン冷却系を示す側面図である。
【図6】図5におけるA部断面図である。
【図7】図6におけるY矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態で用いられるファンクラッチとファンクラッチの駆動系の構成を、一部断面で示している。
また、図1は、図6の従来技術に対して、図6におけるファンクラッチ3の入力軸4と第2のプーリ5とを一体に形成したもの(プーリ8)として示している。
以下、主として、図6と異なる構成について説明する。
【0018】
先ず、冷却ファンの駆動系については、図5においてエンジン1のクランクシャフト11の先端にコンパニオンフランジ12を介して取り付けた第1のプーリ13、動力伝達用のVベルト15までは、従来技術と同様の構成である。
図1において、クラッチ3への入力軸であるファンクラッチ入力軸81は、プーリ8の一部として形成されている。換言すれば、プーリ8は、従来技術の図5におけるファンクラッチの入力軸4と第2のプーリ5とを一体に形成している。
ここで、プーリ8は、鋳造によって製造されるのが好ましい。
【0019】
プーリ8は一方の端部にファンクラッチ入力軸81が形成され、他方の端部に第2のプーリ8Pが形成されている。ファンクラッチ入力軸81と第2のプーリ8Pの左端面82との間は、テーパー部81tで接続されている。
第2のプーリ8Pの外周部には2条のV溝83が形成されている。この2条のV溝83の断面形状は、第1のプーリ13(図5参照)の外周に形成された2条のV溝の断面と同様である。
【0020】
プーリ8における図1の右端8eoは開口しており、その開口部84から左方に向かって、円筒状の空間85が形成されている。その円筒状の空間85の最深部85b、すなわち、左端面82の裏面には、コンパニオンフランジ60が取り付けられる様に構成されている。
図2も参照して、第2のプーリ8Pの左端面82には、図示しない共通ピッチ円上の4箇所にボルト取付け孔82bが形成されている。4箇所のボルト取付け孔82bの内、対向する孔を結ぶ直線Lcは、第2のプーリ8Pの中心点Pcを通る様に形成されている。
一方、コンパニオンフランジ60にも、第2のプーリ8Pに形成されたボルト取付け孔82b同様の配置で、4箇所に雌ねじ63がコンパニオンフランジ60のフランジ部62に形成されている。
【0021】
コンパニオンフランジ6は、図示の例では冷却水をエンジンの図示しないウォータージャケット内に圧送するためのウォータポンプ7(エンジンの補助機器)の回転軸71と固着されている。
第2のプーリ8Pとコンパニオンフランジ60とは、図示の例では、4本の植え込みボルトBによって締結される。
この締結の詳細は、ファンクラッチの組立方法の説明で詳述する。
なお、プーリ8で駆動されるエンジンの補助機器として、ウォータポンプ7以外に、例えばパワーステアリングのオイルポンプであっても良い。或いはその他のエンジン補助機器であっても良い。
【0022】
図3は、図示の実施形態に係るファンクラッチの組立ての際に用いる冶具9の断面を示している。
図3において、冶具9は概略円筒状部材の一方の端部を閉塞した形状である。
冶具9の内周の直径寸法Dは、プーリ8における第2のプーリ8Pの外径寸法と略々等しく、詳細には、ガタが生じない程度の隙間嵌めに構成されている。
図3で示す治具9では、治具9がプーリ8を保持する部分の断面形状は凹形であるが、冶具9がプーリ8を保持する部分の断面形状を凸形として、当該凸部をプーリ8における第2のプーリ8Pの円筒状空間85と嵌合させても良い(図4参照)。
【0023】
つぎに、図を参照して、ファンクラッチの組立方法を説明する。
先ず、図4の(4−1)の工程では、治具9を、組立作業位置(例えば、プレス機のワーク載置部)に載置し、プーリ8の開放端8eo側を治具9と嵌合させて、プーリ8を治具9上に載置して保持する。
次に、図4の(4−2)の工程では、治具9上に載置されたプーリ8と一体的に成形されたファンクラッチ入力軸81にベアリン35を、例えば、プレス機を用いて(Z矢印方向に)圧入する。
【0024】
そして図4の(4−3)の工程では、ベアリング35を圧入したファンクラッチ入力軸81にクラッチハウジング31を嵌合させる。
続いて図4の(4−4)の工程では、ファンクラッチ入力軸81端部にファンクラッチディスク34を植え込みボルト36によって接続する。
さらに図4の(4−5)の工程では、クラッチハウジング31にハウジングキャップ32を接合させる。
【0025】
図4の(4−6)の工程では、ファンクラッチ3と同軸に取り付けるウォータポンプ7を、エンジン1の所定箇所(例えばシリンダブロック前端1F)に固定する。
そして、ウォータポンプ7を、エンジン1の所定箇所に固定したなら、ウォータポンプ7の入力軸71の先端にコンパニオンフランジ60を取り付ける。
【0026】
次いで、図4の(4−7)の工程では、先ず、図4の(4−6)の工程まで用いてきた冶具9をプーリ8から取り外す。
そして、ファンクラッチ3と一体化されたプーリ8を例えば図示しないホイスト(簡易クレーン)で吊り上げて、ファンクラッチ3と一体化されたプーリ8を全体の軸方向が水平になる様に90度回転させる。
その状態で、ウォータポンプ7における入力軸71の端部に取り付けたコンパニオンフランジ60に、ファンクラッチ3と一体化されたプーリ8の第2のプーリ8Pを被せて位置合わせする。
引き続き、ウォータポンプ7における入力軸71端部に設けられたコンパニオンフランジ60と、ファンクラッチ3に一体化されたプーリ8とを、締結ボルトBで締結する。
【0027】
当該締結に際しては、先ず、植え込みボルトBを第2のプーリ8Pの左端面82に形成されたボルト取付け孔82bに挿入する。この時、既にプーリ8Pのボルト取付け孔82bとコンパニオンフランジ60のフランジ62に形成された雌ねじ63とは配置が一致させられている。そして、更に、植え込みボルトBをコンパニオンフランジ6のフランジ62に形成された雌ねじ63と螺合させ、所定の締め付けトルクで締結する。4本の植え込みボルトBによる締結が終了すれば、車両用ファンクラッチの組立ては完了する。
【0028】
図示の実施形態によれば、プーリ8の開放端8eo側を下方の治具9と嵌合させて、プーリ8を治具9上に載置して保持している(図4の(4-1)〜(4−5))ので、プーリ8とファンクラッチ3を一体的に取り付ける際に、重量が大きいプーリ8を作業者が手により保持する必要がなくなった。
そのため、プーリ8とファンクラッチ3を一体的に取り付ける作業が容易になった。
また、ファンクラッチ3に一体化されたプーリ8をホイストで吊り上げて、ウォータポンプ7における入力軸71端部に、ファンクラッチ3に一体化されたプーリ8を被せて、位置合わせした後、両者を植え込みボルトBで締結している。
したがって、締結は、プーリ8におけるファンクラッチ3側の領域で行なうのみで良い。
更に、締結ボルトを植え込みボルトBとすることで、ナットが廃止できる。そのため、プーリ8内側に作業者の手を入れて作業し、或いは、工具を挿入して作業する必要がなくなり、組立作業の効率化を図ることが出来る。
【0029】
また、第2のプーリ8Pとファンクラッチ入力軸81とを一体的に形成することにより、プーリを単独部品として設定する必要はなくなり、部品点数の削減によって、作業工数及び部品管理の削減、更にはエンジン重量の低減という作用効果も有している。
【0030】
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではない旨を付記する。
【符号の説明】
【0031】
1・・・エンジン
2・・・冷却ファン
3・・・ファンクラッチ
7・・・ウォータポンプ
8・・・プーリ
8P・・・第2のプーリ
31・・・クラッチハウジング
34・・・クラッチディスク
35・・・ベアリング
71・・・ウォータポンプ入力軸
81・・・ファンクラッチ入力軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファンクラッチ入力軸端部にプーリが一体で形成されており、該プーリはファンクラッチから離隔する側が開放しているファンクラッチの組立方法において、
プーリの開放端側と相補的な形状の治具を組立作業位置に載置し、プーリの開放端側を治具と嵌合させて、プーリを治具上に載置して保持する工程と、
治具上に載置されたプーリと一体的に成形されたファンクラッチ入力軸にベアリングを圧入する工程と、
ベアリングを圧入したファンクラッチ入力軸にクラッチハウジングを嵌合させる工程と、
ファンクラッチ入力軸端部にファンクラッチディスクを接続する工程と、
クラッチハウジングにハウジングキャップを接合させる工程と、
ファンクラッチと同軸に取り付けられ且つプーリを経由してエンジン動力が伝達される機器を、エンジンの所定箇所に固定する工程と、
ファンクラッチと同軸に取り付けられ且つプーリを経由してエンジン動力が伝達される部材における入力軸端部に設けられた接続部材に、ファンクラッチと一体化されたプーリを被せて、位置合わせする工程と、
ファンクラッチと同軸に取り付けられ且つプーリを経由してエンジン動力が伝達される部材における入力軸端部に設けられた接続部材と、ファンクラッチに一体化されたプーリとを、締結ボルトで締結する工程を含むことを特徴とする車両用ファンクラッチの組立方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−117578(P2012−117578A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266084(P2010−266084)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000003908)UDトラックス株式会社 (1,028)