説明

車両用主電動機の軸構造

【課題】回転子バー、回転子コアの発熱により、軸を経由し、軸受が発熱して軸受の潤滑不良を起こす。主電動機の運転中に軸受部の温度上昇を防止させることである。
【解決手段】回転子コア2と回転子バー1と回転子軸3−A,B,Cより一体組立て構成された回転子を有し、該回転子軸の両端部3−B,Cがそれぞれ軸受4,5により回動支持される車両用主電動機において、該軸受部分4,5から軸端までの前記回転子軸3−A,B,Cの軸端部分3−B,Cと当該軸端部分3−B,C以外の前記回転子軸部分3−Aとを異なる材料にて形成する。このように回転子軸3−A,B,Cと回転子軸3−A,B,Cの駆動側軸受抑え部3−B、回転子軸の反駆動側軸受抑え部3−Cを異なる材料にすることにより、回転子バー1、回転子コア2より発生した熱が回転子軸3−A,B,Cを経由して、軸受4,5へ伝導するのを抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,車両用主電動機の軸において、軸受への伝熱を抑制する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両用主電動機の軸は従来より一体型が用いられているが、軸受の寿命を延長させる目的から軸受の発熱、軸受への伝熱を抑える軸構造の開発研究が進められている。
図2には回転子構造の一例であり、1は回転子バー,2は回転子コア,3は回転子軸,4は駆動側軸受,5は反駆動側軸受である。
軸受への伝熱経路は、回転子バー、回転子コアにより発熱された熱が、回転子軸を経由し、それぞれの軸受へ伝熱する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平3−74156号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
主電動機の運転時において、回転子バー、回転子コアの発熱により、軸を経由し、軸受が発熱する。
このため,軸受の温度上昇により軸受の潤滑不良を起こし,軸受破損の原因となることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によれば、回転子コアと回転子バーと回転子軸より一体組立て構成された回転子を有し、該回転子軸の両端部がそれぞれ軸受により回動支持される車両用主電動機において、該軸受部分から軸端までの前記回転子軸の軸端部分と当該軸端部分以外の前記回転子軸部分とを異なる材料にて形成することを特徴とする。すなわち回転子軸中間部分と、回転子軸の駆動側軸受抑え部、回転子軸の反駆動側軸受抑え部を異なる材料にする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の軸構造は、回転子バー、回転子コアにより発生した熱が、軸を経由し、回転子軸の駆動側軸受抑え部、回転子軸の反駆動側軸受抑え部への、伝熱を抑制させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施例を示す説明図である。
【図2】従来の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1、2により、本発明の実施例等を以下に説明する。
【実施例1】
【0009】
図1は、本発明の実施例を示す断面図であって,1は回転子バー,2は回転子コア,3−Aは回転子軸,3−Bは回転子軸の駆動側軸受抑え部,3−Cは回転子軸の反駆動側軸受抑え部、4は駆動側軸受、5は反駆動側軸受である。
【0010】
図2は、従来の一例で示す断面図であって、3は回転子軸であり、その他の符号は図1と同一である。
【0011】
図1において、回転子軸3−Aと回転子軸の駆動側軸受抑え部3−B、回転子軸の反駆動側軸受抑え部3−Cは、異なる材料であり、回転子軸3−Aから回転子軸の駆動側軸受抑え部3−B、回転子軸の反駆動側軸受抑え部3−Cへの伝熱しにくい構造としている。
異なる材料としてたとえば、3−A,3−Bが鉄であり、3−Cが非鉄たとえばセラミックなどである。
【符号の説明】
【0012】
1 回転子バー
2 回転子コア
3 回転子軸
3−A 回転子軸
3−B 回転子軸の駆動側軸受抑え部
3−C 回転子軸の反駆動側軸受抑え部
4 駆動側軸受
5 反駆動側軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子コアと回転子バーと回転子軸より一体組立て構成された回転子を有し、該回転子軸の両端部がそれぞれ軸受により回動支持される車両用主電動機において、該軸受部分から軸端までの前記回転子軸の軸端部分と当該軸端部分以外の前記回転子軸部分とを異なる材料にて形成することを特徴とする車両用主電動機の回転構造。

【図1】
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【図2】
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