車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置
【課題】ドア開閉に応じて展開・格納される単機能タイプのステップであっても、後ドアと前ドアそれぞれの開閉時毎にステップの展開と格納が繰り返されることを回避し得、アクチュエータやステップの駆動機構への負担を軽減し且つ使い勝手を向上し得る車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置を提供する。
【解決手段】前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開でステップが展開された後、該前ドアと後ドアの両方が閉で且つ該前ドアと後ドアの両方がドアロックされた場合にステップを格納するようにした。
【解決手段】前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開でステップが展開された後、該前ドアと後ドアの両方が閉で且つ該前ドアと後ドアの両方がドアロックされた場合にステップを格納するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に、図４に示される如く、ＳＵＶ（Sport Utility Vehicle）、ピックアップトラック等の車高の高い車両１では、乗員の乗降を補助するためにステップ２が設けられている。
【０００３】
前記ステップ２は、車両１の左右両側における低い位置に搭載されるため、悪路走破性が悪化したり、外観意匠が損なわれたりするといった問題を有していた。
【０００４】
こうした問題を解消するために、走行時には、前記ステップ２を展開した位置から格納できるようにした、いわゆる格納式乗降ステップが開発されている。
【０００５】
従来の車両用格納式乗降ステップの制御装置は、例えば、図５及び図６に示される如く、４ドアの車両１の場合に前後左右それぞれのドアの開閉を検出するカーテシスイッチ等の前ドアスイッチ４ａ及び後ドアスイッチ４ｂと、前記ステップ２を展開・格納する左右のモータ等のアクチュエータ５と、該アクチュエータ５の駆動量に基づいてステップ２の展開量を検出する位置センサ６と、前記前ドアスイッチ４ａ及び後ドアスイッチ４ｂで検出されるドアの開閉状態と前記位置センサ６で検出されるステップ２の展開量とが入力され且つこれらの情報に基づいて前記アクチュエータ５へステップ２を展開又は格納させる駆動信号を出力する制御器７とを備えてなる構成を有している。
【０００６】
そして、前記車両用格納式乗降ステップの制御装置においては、例えば、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込むような動作を想定した場合、図７に示される如く、先ず、判別フローＳ１において、運転者が後ドアを開けて後ドアスイッチ４ｂがオンになったことが判別されると、続く判別フローＳ２において、前ドアが開いているか或いは閉じているかにかかわらず、制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ３又は処理フローＳ４において、ステップ２が展開し、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて後部座席に荷物を積み込むことができる。
【０００７】
前記運転者が後部座席に荷物を積み込んだ後、前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフになったことが判別されると、判別フローＳ５において、前ドアが閉じていると判別された場合、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、処理フローＳ６において、前記ステップ２が格納される。
【０００８】
続いて、再び前記判別フローＳ１に戻り、前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ５において、前記運転者が前ドアを開けて前ドアスイッチ４ａがオンになったことが判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ７において、前記ステップ２が展開し、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて運転席に乗り込むことができる。
【０００９】
前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ１から判別フローＳ５へ進み、前記運転者が運転席に乗り込んだ後、前ドアを閉じて前ドアスイッチ４ａがオフになったことが判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、前記処理フローＳ６において、前記ステップ２が再び格納される。
【００１０】
一方、前記車両が目的地に到着し、前記判別フローＳ１において、前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ５において、前記運転者が前ドアを開けて前ドアスイッチ４ａがオンになったことが判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ７において、前記ステップ２が展開し、この状態で、運転者は運転席からステップ２に足をかけて車外へ降りることができる。
【００１１】
前記運転者が運転席から車外へ降りた後、一旦、前ドアを閉じて前ドアスイッチ４ａがオフになったことが前記判別フローＳ５において判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、前記処理フローＳ６において、前記ステップ２が再び格納される。
【００１２】
続いて、再び前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを開けて後ドアスイッチ４ｂがオンになったことが判別されると、続く判別フローＳ２において、前ドアは既に閉じているため、制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ４において、ステップ２が展開し、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて後部座席に積み込まれている荷物を降ろすことができる。
【００１３】
前記運転者が後部座席から荷物を降ろした後、前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフになったことが判別されると、判別フローＳ５において、前ドアが閉じていると判別された場合、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、処理フローＳ６において、前記ステップ２が格納される。
【００１４】
尚、前述の如き車両用格納式乗降ステップの制御装置と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献１がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１５】
【特許文献１】実開平５−２４４４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１６】
しかしながら、前述の如き従来の車両用格納式乗降ステップの制御装置においては、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込む際、後ドアと前ドアをそれぞれ開閉する度にステップ２の展開と格納が繰り返し行われるため、アクチュエータ５やステップ２の駆動機構の作動回数が不必要に多くなって、該アクチュエータ５やステップ２の駆動機構への負担が増すと共に、ステップ２が完全に展開されて停止するまでは該ステップ２に足をかけることができないため、使い勝手も悪くなるという欠点を有していた。
【００１７】
因みに、図５〜図７に示される車両用格納式乗降ステップの制御装置は、単機能タイプと称されるものであって、主に使用経過車に搭載されており、搭載工事が簡単であることや搭載車両を選ばないことが求められる。
【００１８】
これに対し、多機能タイプと称される車両用格納式乗降ステップの制御装置は、前記単機能タイプのように単にドアの開閉状態だけでなく、車両１の走行状態をも加味してステップ２の制御を行うようにしたものであって、車速を検出する車速センサを備え、該車速センサで検出される車速が設定値未満のとき前記前ドアスイッチ４ａ或いは後ドアスイッチ４ｂによりドア開と検出された場合、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、該ステップ２が展開する一方、前記車速センサで検出される車速が設定値以上のとき、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、該ステップ２が格納されるようになっており、更に、操作スイッチによるステップ２の強制展開並びに展開禁止機能も有しているため、該操作スイッチによりステップ２を強制展開としておけば、前述したようなステップ２が頻繁に出し入れされてしまう不具合は回避可能となる。
【００１９】
しかし、多機能タイプのものは、車両１の走行状態を判別するために制御器７との通信が必要となり、該通信方式は車種毎に異なるため、車両１への搭載に際しては、その車種に合わせて通信方式を変更しなければならず、費用も嵩むことから、多機能タイプのものを使用経過車に搭載することは現実問題として困難となっている。
【００２０】
本発明は、斯かる実情に鑑み、ドア開閉に応じて展開・格納される単機能タイプのステップであっても、後ドアと前ドアそれぞれの開閉時毎にステップの展開と格納が繰り返されることを回避し得、アクチュエータやステップの駆動機構への負担を軽減し且つ使い勝手を向上し得る車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【００２１】
本発明は、前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開で展開され且つ該前ドアと後ドアの両方が閉で格納される車両用格納式乗降ステップの制御方法において、
前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開でステップが展開された後、該前ドアと後ドアの両方が閉で且つ該前ドアと後ドアの両方がドアロックされた場合にステップを格納するようにしたことを特徴とする車両用格納式乗降ステップの制御方法にかかるものである。
【００２２】
又、本発明は、前ドアの開閉を検出する前ドアスイッチと、
前記前ドアがドアロックされたか否かを検出する前ドアロックスイッチと、
後ドアの開閉を検出する後ドアスイッチと、
前記後ドアがドアロックされたか否かを検出する後ドアロックスイッチと、
ステップを展開・格納するアクチュエータと、
前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開と検出された場合、前記アクチュエータへステップを展開させる駆動信号を出力し、前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出され且つ前記前ドアロックスイッチと後ドアロックスイッチにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出された場合、前記アクチュエータへステップを格納させる駆動信号を出力する制御器と
を備えたことを特徴とする車両用格納式乗降ステップの制御装置にかかるものである。
【００２３】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【００２４】
前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開と検出された場合、制御器からアクチュエータへステップを展開させる駆動信号が出力され、ステップが展開するが、前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出されただけでは、前記制御器からアクチュエータへステップを格納させる駆動信号は出力されず、前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出され且つ前ドアロックスイッチと後ドアロックスイッチにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出された場合にのみ、前記制御器からアクチュエータへステップを格納させる駆動信号が出力され、ステップが格納される。
【００２５】
この結果、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込むような場合に、後ドアと前ドアをそれぞれ開閉する度にステップの展開と格納が繰り返し行われなくなるため、アクチュエータやステップの駆動機構の作動回数が不必要に多くならず、該アクチュエータやステップの駆動機構への負担が軽減可能になると共に、ステップが展開されたまま保持されており、該ステップにいつでも足をかけることができるため、使い勝手も良くなる。
【発明の効果】
【００２６】
本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置によれば、ドア開閉に応じて展開・格納される単機能タイプのステップであっても、後ドアと前ドアそれぞれの開閉時毎にステップの展開と格納が繰り返されることを回避し得、アクチュエータやステップの駆動機構への負担を軽減し且つ使い勝手を向上し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の実施例を示すブロック図である。
【図２】本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の実施例を示す電気回路図である。
【図３】本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の実施例を示すフローチャートである。
【図４】車両に設けられる乗降ステップの一例を示す斜視図である。
【図５】従来の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の一例を示すブロック図である。
【図６】従来の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の一例を示す電気回路図である。
【図７】従来の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２８】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【００２９】
図１〜図３は本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の実施例であって、図中、図４〜図７と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図４〜図７に示す従来のものと同様であるが、本実施例の特徴とするところは、図１〜図３に示す如く、前ドアがドアロックされたか否かを検出する前ドアロックスイッチ４ｃと、後ドアがドアロックされたか否かを検出する後ドアロックスイッチ４ｄとを制御器７に接続し、該制御器７において、前記前ドアスイッチ４ａと後ドアスイッチ４ｂにより前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開と検出された場合、前記アクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号を出力し、前記前ドアスイッチ４ａと後ドアスイッチ４ｂにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出され且つ前記前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出された場合、前記アクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号を出力するよう構成した点にある。
【００３０】
本実施例の場合、前記前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄは、図２に示す如く、ドアロックされた場合即ち施錠時にオフとなり、ドアロックされていない場合即ち開錠時にオンとなるスイッチであって、運転者が車外から図示していないキーに取り付けられた押しボタン式のロックスイッチによりワイヤレスでドアの施錠或いは開錠を行った際、この操作と連動してオフ或いはオンになるようにしてある。勿論、ドアのキーシリンダにキーを差し込み、ロック・アンロックをした場合や、ドア内側のロックノブを操作し、ロック・アンロックをした場合にも、前記前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄは、オフ或いはオンになるようにしてある。
【００３１】
次に、上記実施例の作用を説明する。
【００３２】
例えば、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込むような動作を想定した場合、図３に示す如く、先ず、判別フローＳ１において、運転者が後ドアを開けて後ドアスイッチ４ｂがオンになったことが判別されると、続く判別フローＳ２において、前ドアが開いているか或いは閉じているかにかかわらず、制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ３又は処理フローＳ４において、ステップ２が展開し、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて後部座席に荷物を積み込むことができる。
【００３３】
前記運転者が後部座席に荷物を積み込んだ後、前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフになったことが判別されると、判別フローＳ５において、前ドアが閉じていると判別された場合、更に、判別フローＳ８において、前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出されているか否かの判別が行われ、前ドアと後ドアの両方がドアロックされていなければ、前記ステップ２は格納されずに展開されたまま保持される。
【００３４】
続いて、再び前記判別フローＳ１に戻り、前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ５において、前記運転者が前ドアを開けて前ドアスイッチ４ａがオンになったことが判別されると、処理フローＳ７において、前記ステップ２が展開したまま保持され、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて運転席に乗り込むことができる。
【００３５】
前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ１から判別フローＳ５へ進み、前記運転者が運転席に乗り込んだ後、前ドアを閉じて前ドアスイッチ４ａがオフになったことが判別され、更に、判別フローＳ８において、前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出されているか否かの判別が行われ、前ドアと後ドアの両方がドアロックされると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、処理フローＳ６において、前記ステップ２が格納される。尚、ドアロックされないと、前記ステップ２は格納されないが、車速が設定値以上になった時点でドアロックされるようにしておけば特に問題はない。
【００３６】
一方、前記車両が目的地に到着し、前記判別フローＳ１において、前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ５において、前記運転者が前ドアを開けて前ドアスイッチ４ａがオンになったことが判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ７において、前記ステップ２が展開し、この状態で、運転者は運転席からステップ２に足をかけて車外へ降りることができる。
【００３７】
前記運転者が運転席から車外へ降りた後、一旦、前ドアを閉じて前ドアスイッチ４ａがオフになったことが前記判別フローＳ５において判別された場合、更に、判別フローＳ８において、前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出されているか否かの判別が行われ、前ドアと後ドアの両方がドアロックされていなければ、前記ステップ２は格納されずに展開されたまま保持される。
【００３８】
続いて、再び前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを開けて後ドアスイッチ４ｂがオンになったことが判別されると、続く判別フローＳ２において、前ドアは既に閉じているため、処理フローＳ４において、ステップ２が展開したまま保持され、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて後部座席に積み込まれている荷物を降ろすことができる。
【００３９】
前記運転者が後部座席から荷物を降ろした後、前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフになったことが判別されると、判別フローＳ５において、前ドアが閉じていると判別された場合、判別フローＳ８において、前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出されているか否かの判別が行われ、運転者が車外から図示していないキーに取り付けられた押しボタン式のロックスイッチによりワイヤレスでドアの施錠を行うことにより、前ドアと後ドアの両方がドアロックされると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、処理フローＳ６において、前記ステップ２が格納される。
【００４０】
この結果、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込むような場合に、後ドアと前ドアをそれぞれ開閉する度にステップ２の展開と格納が繰り返し行われなくなるため、アクチュエータ５やステップ２の駆動機構の作動回数が不必要に多くならず、該アクチュエータ５やステップ２の駆動機構への負担が軽減可能になると共に、ステップ２が展開されたまま保持されており、該ステップ２にいつでも足をかけることができるため、使い勝手も良くなる。
【００４１】
こうして、ドア開閉に応じて展開・格納される単機能タイプのステップ２であっても、後ドアと前ドアそれぞれの開閉時毎にステップ２の展開と格納が繰り返されることを回避し得、アクチュエータ５やステップ２の駆動機構への負担を軽減し且つ使い勝手を向上し得る。
【００４２】
尚、本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【００４３】
１ 車両
２ ステップ
４ａ 前ドアスイッチ
４ｂ 後ドアスイッチ
４ｃ 前ドアロックスイッチ
４ｄ 後ドアロックスイッチ
５ アクチュエータ
７ 制御器
【技術分野】
【０００１】
本発明は、車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
一般に、図４に示される如く、ＳＵＶ（Sport Utility Vehicle）、ピックアップトラック等の車高の高い車両１では、乗員の乗降を補助するためにステップ２が設けられている。
【０００３】
前記ステップ２は、車両１の左右両側における低い位置に搭載されるため、悪路走破性が悪化したり、外観意匠が損なわれたりするといった問題を有していた。
【０００４】
こうした問題を解消するために、走行時には、前記ステップ２を展開した位置から格納できるようにした、いわゆる格納式乗降ステップが開発されている。
【０００５】
従来の車両用格納式乗降ステップの制御装置は、例えば、図５及び図６に示される如く、４ドアの車両１の場合に前後左右それぞれのドアの開閉を検出するカーテシスイッチ等の前ドアスイッチ４ａ及び後ドアスイッチ４ｂと、前記ステップ２を展開・格納する左右のモータ等のアクチュエータ５と、該アクチュエータ５の駆動量に基づいてステップ２の展開量を検出する位置センサ６と、前記前ドアスイッチ４ａ及び後ドアスイッチ４ｂで検出されるドアの開閉状態と前記位置センサ６で検出されるステップ２の展開量とが入力され且つこれらの情報に基づいて前記アクチュエータ５へステップ２を展開又は格納させる駆動信号を出力する制御器７とを備えてなる構成を有している。
【０００６】
そして、前記車両用格納式乗降ステップの制御装置においては、例えば、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込むような動作を想定した場合、図７に示される如く、先ず、判別フローＳ１において、運転者が後ドアを開けて後ドアスイッチ４ｂがオンになったことが判別されると、続く判別フローＳ２において、前ドアが開いているか或いは閉じているかにかかわらず、制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ３又は処理フローＳ４において、ステップ２が展開し、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて後部座席に荷物を積み込むことができる。
【０００７】
前記運転者が後部座席に荷物を積み込んだ後、前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフになったことが判別されると、判別フローＳ５において、前ドアが閉じていると判別された場合、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、処理フローＳ６において、前記ステップ２が格納される。
【０００８】
続いて、再び前記判別フローＳ１に戻り、前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ５において、前記運転者が前ドアを開けて前ドアスイッチ４ａがオンになったことが判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ７において、前記ステップ２が展開し、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて運転席に乗り込むことができる。
【０００９】
前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ１から判別フローＳ５へ進み、前記運転者が運転席に乗り込んだ後、前ドアを閉じて前ドアスイッチ４ａがオフになったことが判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、前記処理フローＳ６において、前記ステップ２が再び格納される。
【００１０】
一方、前記車両が目的地に到着し、前記判別フローＳ１において、前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ５において、前記運転者が前ドアを開けて前ドアスイッチ４ａがオンになったことが判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ７において、前記ステップ２が展開し、この状態で、運転者は運転席からステップ２に足をかけて車外へ降りることができる。
【００１１】
前記運転者が運転席から車外へ降りた後、一旦、前ドアを閉じて前ドアスイッチ４ａがオフになったことが前記判別フローＳ５において判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、前記処理フローＳ６において、前記ステップ２が再び格納される。
【００１２】
続いて、再び前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを開けて後ドアスイッチ４ｂがオンになったことが判別されると、続く判別フローＳ２において、前ドアは既に閉じているため、制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ４において、ステップ２が展開し、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて後部座席に積み込まれている荷物を降ろすことができる。
【００１３】
前記運転者が後部座席から荷物を降ろした後、前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフになったことが判別されると、判別フローＳ５において、前ドアが閉じていると判別された場合、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、処理フローＳ６において、前記ステップ２が格納される。
【００１４】
尚、前述の如き車両用格納式乗降ステップの制御装置と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献１がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【００１５】
【特許文献１】実開平５−２４４４８号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【００１６】
しかしながら、前述の如き従来の車両用格納式乗降ステップの制御装置においては、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込む際、後ドアと前ドアをそれぞれ開閉する度にステップ２の展開と格納が繰り返し行われるため、アクチュエータ５やステップ２の駆動機構の作動回数が不必要に多くなって、該アクチュエータ５やステップ２の駆動機構への負担が増すと共に、ステップ２が完全に展開されて停止するまでは該ステップ２に足をかけることができないため、使い勝手も悪くなるという欠点を有していた。
【００１７】
因みに、図５〜図７に示される車両用格納式乗降ステップの制御装置は、単機能タイプと称されるものであって、主に使用経過車に搭載されており、搭載工事が簡単であることや搭載車両を選ばないことが求められる。
【００１８】
これに対し、多機能タイプと称される車両用格納式乗降ステップの制御装置は、前記単機能タイプのように単にドアの開閉状態だけでなく、車両１の走行状態をも加味してステップ２の制御を行うようにしたものであって、車速を検出する車速センサを備え、該車速センサで検出される車速が設定値未満のとき前記前ドアスイッチ４ａ或いは後ドアスイッチ４ｂによりドア開と検出された場合、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、該ステップ２が展開する一方、前記車速センサで検出される車速が設定値以上のとき、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、該ステップ２が格納されるようになっており、更に、操作スイッチによるステップ２の強制展開並びに展開禁止機能も有しているため、該操作スイッチによりステップ２を強制展開としておけば、前述したようなステップ２が頻繁に出し入れされてしまう不具合は回避可能となる。
【００１９】
しかし、多機能タイプのものは、車両１の走行状態を判別するために制御器７との通信が必要となり、該通信方式は車種毎に異なるため、車両１への搭載に際しては、その車種に合わせて通信方式を変更しなければならず、費用も嵩むことから、多機能タイプのものを使用経過車に搭載することは現実問題として困難となっている。
【００２０】
本発明は、斯かる実情に鑑み、ドア開閉に応じて展開・格納される単機能タイプのステップであっても、後ドアと前ドアそれぞれの開閉時毎にステップの展開と格納が繰り返されることを回避し得、アクチュエータやステップの駆動機構への負担を軽減し且つ使い勝手を向上し得る車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【００２１】
本発明は、前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開で展開され且つ該前ドアと後ドアの両方が閉で格納される車両用格納式乗降ステップの制御方法において、
前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開でステップが展開された後、該前ドアと後ドアの両方が閉で且つ該前ドアと後ドアの両方がドアロックされた場合にステップを格納するようにしたことを特徴とする車両用格納式乗降ステップの制御方法にかかるものである。
【００２２】
又、本発明は、前ドアの開閉を検出する前ドアスイッチと、
前記前ドアがドアロックされたか否かを検出する前ドアロックスイッチと、
後ドアの開閉を検出する後ドアスイッチと、
前記後ドアがドアロックされたか否かを検出する後ドアロックスイッチと、
ステップを展開・格納するアクチュエータと、
前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開と検出された場合、前記アクチュエータへステップを展開させる駆動信号を出力し、前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出され且つ前記前ドアロックスイッチと後ドアロックスイッチにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出された場合、前記アクチュエータへステップを格納させる駆動信号を出力する制御器と
を備えたことを特徴とする車両用格納式乗降ステップの制御装置にかかるものである。
【００２３】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【００２４】
前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開と検出された場合、制御器からアクチュエータへステップを展開させる駆動信号が出力され、ステップが展開するが、前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出されただけでは、前記制御器からアクチュエータへステップを格納させる駆動信号は出力されず、前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出され且つ前ドアロックスイッチと後ドアロックスイッチにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出された場合にのみ、前記制御器からアクチュエータへステップを格納させる駆動信号が出力され、ステップが格納される。
【００２５】
この結果、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込むような場合に、後ドアと前ドアをそれぞれ開閉する度にステップの展開と格納が繰り返し行われなくなるため、アクチュエータやステップの駆動機構の作動回数が不必要に多くならず、該アクチュエータやステップの駆動機構への負担が軽減可能になると共に、ステップが展開されたまま保持されており、該ステップにいつでも足をかけることができるため、使い勝手も良くなる。
【発明の効果】
【００２６】
本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置によれば、ドア開閉に応じて展開・格納される単機能タイプのステップであっても、後ドアと前ドアそれぞれの開閉時毎にステップの展開と格納が繰り返されることを回避し得、アクチュエータやステップの駆動機構への負担を軽減し且つ使い勝手を向上し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【００２７】
【図１】本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の実施例を示すブロック図である。
【図２】本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の実施例を示す電気回路図である。
【図３】本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の実施例を示すフローチャートである。
【図４】車両に設けられる乗降ステップの一例を示す斜視図である。
【図５】従来の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の一例を示すブロック図である。
【図６】従来の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の一例を示す電気回路図である。
【図７】従来の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【００２８】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
【００２９】
図１〜図３は本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置の実施例であって、図中、図４〜図７と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図４〜図７に示す従来のものと同様であるが、本実施例の特徴とするところは、図１〜図３に示す如く、前ドアがドアロックされたか否かを検出する前ドアロックスイッチ４ｃと、後ドアがドアロックされたか否かを検出する後ドアロックスイッチ４ｄとを制御器７に接続し、該制御器７において、前記前ドアスイッチ４ａと後ドアスイッチ４ｂにより前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開と検出された場合、前記アクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号を出力し、前記前ドアスイッチ４ａと後ドアスイッチ４ｂにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出され且つ前記前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出された場合、前記アクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号を出力するよう構成した点にある。
【００３０】
本実施例の場合、前記前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄは、図２に示す如く、ドアロックされた場合即ち施錠時にオフとなり、ドアロックされていない場合即ち開錠時にオンとなるスイッチであって、運転者が車外から図示していないキーに取り付けられた押しボタン式のロックスイッチによりワイヤレスでドアの施錠或いは開錠を行った際、この操作と連動してオフ或いはオンになるようにしてある。勿論、ドアのキーシリンダにキーを差し込み、ロック・アンロックをした場合や、ドア内側のロックノブを操作し、ロック・アンロックをした場合にも、前記前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄは、オフ或いはオンになるようにしてある。
【００３１】
次に、上記実施例の作用を説明する。
【００３２】
例えば、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込むような動作を想定した場合、図３に示す如く、先ず、判別フローＳ１において、運転者が後ドアを開けて後ドアスイッチ４ｂがオンになったことが判別されると、続く判別フローＳ２において、前ドアが開いているか或いは閉じているかにかかわらず、制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ３又は処理フローＳ４において、ステップ２が展開し、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて後部座席に荷物を積み込むことができる。
【００３３】
前記運転者が後部座席に荷物を積み込んだ後、前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフになったことが判別されると、判別フローＳ５において、前ドアが閉じていると判別された場合、更に、判別フローＳ８において、前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出されているか否かの判別が行われ、前ドアと後ドアの両方がドアロックされていなければ、前記ステップ２は格納されずに展開されたまま保持される。
【００３４】
続いて、再び前記判別フローＳ１に戻り、前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ５において、前記運転者が前ドアを開けて前ドアスイッチ４ａがオンになったことが判別されると、処理フローＳ７において、前記ステップ２が展開したまま保持され、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて運転席に乗り込むことができる。
【００３５】
前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ１から判別フローＳ５へ進み、前記運転者が運転席に乗り込んだ後、前ドアを閉じて前ドアスイッチ４ａがオフになったことが判別され、更に、判別フローＳ８において、前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出されているか否かの判別が行われ、前ドアと後ドアの両方がドアロックされると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、処理フローＳ６において、前記ステップ２が格納される。尚、ドアロックされないと、前記ステップ２は格納されないが、車速が設定値以上になった時点でドアロックされるようにしておけば特に問題はない。
【００３６】
一方、前記車両が目的地に到着し、前記判別フローＳ１において、前記後ドアが閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフの状態で、前記判別フローＳ５において、前記運転者が前ドアを開けて前ドアスイッチ４ａがオンになったことが判別されると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を展開させる駆動信号が出力され、処理フローＳ７において、前記ステップ２が展開し、この状態で、運転者は運転席からステップ２に足をかけて車外へ降りることができる。
【００３７】
前記運転者が運転席から車外へ降りた後、一旦、前ドアを閉じて前ドアスイッチ４ａがオフになったことが前記判別フローＳ５において判別された場合、更に、判別フローＳ８において、前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出されているか否かの判別が行われ、前ドアと後ドアの両方がドアロックされていなければ、前記ステップ２は格納されずに展開されたまま保持される。
【００３８】
続いて、再び前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを開けて後ドアスイッチ４ｂがオンになったことが判別されると、続く判別フローＳ２において、前ドアは既に閉じているため、処理フローＳ４において、ステップ２が展開したまま保持され、この状態で、運転者はステップ２に足をかけて後部座席に積み込まれている荷物を降ろすことができる。
【００３９】
前記運転者が後部座席から荷物を降ろした後、前記判別フローＳ１に戻り、前記運転者が後ドアを閉じて後ドアスイッチ４ｂがオフになったことが判別されると、判別フローＳ５において、前ドアが閉じていると判別された場合、判別フローＳ８において、前ドアロックスイッチ４ｃと後ドアロックスイッチ４ｄにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出されているか否かの判別が行われ、運転者が車外から図示していないキーに取り付けられた押しボタン式のロックスイッチによりワイヤレスでドアの施錠を行うことにより、前ドアと後ドアの両方がドアロックされると、前記制御器７からアクチュエータ５へステップ２を格納させる駆動信号が出力され、処理フローＳ６において、前記ステップ２が格納される。
【００４０】
この結果、運転者が後部座席に荷物を積み込んでから運転席に乗り込むような場合に、後ドアと前ドアをそれぞれ開閉する度にステップ２の展開と格納が繰り返し行われなくなるため、アクチュエータ５やステップ２の駆動機構の作動回数が不必要に多くならず、該アクチュエータ５やステップ２の駆動機構への負担が軽減可能になると共に、ステップ２が展開されたまま保持されており、該ステップ２にいつでも足をかけることができるため、使い勝手も良くなる。
【００４１】
こうして、ドア開閉に応じて展開・格納される単機能タイプのステップ２であっても、後ドアと前ドアそれぞれの開閉時毎にステップ２の展開と格納が繰り返されることを回避し得、アクチュエータ５やステップ２の駆動機構への負担を軽減し且つ使い勝手を向上し得る。
【００４２】
尚、本発明の車両用格納式乗降ステップの制御方法及び装置は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【００４３】
１ 車両
２ ステップ
４ａ 前ドアスイッチ
４ｂ 後ドアスイッチ
４ｃ 前ドアロックスイッチ
４ｄ 後ドアロックスイッチ
５ アクチュエータ
７ 制御器
【特許請求の範囲】
【請求項１】
前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開で展開され且つ該前ドアと後ドアの両方が閉で格納される車両用格納式乗降ステップの制御方法において、
前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開でステップが展開された後、該前ドアと後ドアの両方が閉で且つ該前ドアと後ドアの両方がドアロックされた場合にステップを格納するようにしたことを特徴とする車両用格納式乗降ステップの制御方法。
【請求項２】
前ドアの開閉を検出する前ドアスイッチと、
前記前ドアがドアロックされたか否かを検出する前ドアロックスイッチと、
後ドアの開閉を検出する後ドアスイッチと、
前記後ドアがドアロックされたか否かを検出する後ドアロックスイッチと、
ステップを展開・格納するアクチュエータと、
前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開と検出された場合、前記アクチュエータへステップを展開させる駆動信号を出力し、前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出され且つ前記前ドアロックスイッチと後ドアロックスイッチにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出された場合、前記アクチュエータへステップを格納させる駆動信号を出力する制御器と
を備えたことを特徴とする車両用格納式乗降ステップの制御装置。
【請求項１】
前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開で展開され且つ該前ドアと後ドアの両方が閉で格納される車両用格納式乗降ステップの制御方法において、
前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開でステップが展開された後、該前ドアと後ドアの両方が閉で且つ該前ドアと後ドアの両方がドアロックされた場合にステップを格納するようにしたことを特徴とする車両用格納式乗降ステップの制御方法。
【請求項２】
前ドアの開閉を検出する前ドアスイッチと、
前記前ドアがドアロックされたか否かを検出する前ドアロックスイッチと、
後ドアの開閉を検出する後ドアスイッチと、
前記後ドアがドアロックされたか否かを検出する後ドアロックスイッチと、
ステップを展開・格納するアクチュエータと、
前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアのうち少なくとも一方が開と検出された場合、前記アクチュエータへステップを展開させる駆動信号を出力し、前記前ドアスイッチと後ドアスイッチにより前記前ドアと後ドアの両方が閉と検出され且つ前記前ドアロックスイッチと後ドアロックスイッチにより前ドアと後ドアの両方がドアロックされたと検出された場合、前記アクチュエータへステップを格納させる駆動信号を出力する制御器と
を備えたことを特徴とする車両用格納式乗降ステップの制御装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【公開番号】特開２０１３−２８２２２（Ｐ２０１３−２８２２２Ａ）
【公開日】平成２５年２月７日（２０１３．２．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１６４２９７（Ｐ２０１１−１６４２９７）
【出願日】平成２３年７月２７日（２０１１．７．２７）
【出願人】（０００００５４６３）日野自動車株式会社 (1,484)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２５年２月７日（２０１３．２．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年７月２７日（２０１１．７．２７）
【出願人】（０００００５４６３）日野自動車株式会社 (1,484)
【Ｆターム（参考）】
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