説明

車両用灯具

【課題】従来の車両用灯具ではグレアとなる場合があるという点にある。
【解決手段】カットオフラインCL1、CL2、CL3形成用の第1配光パターン部P1を出射する第1ランプユニットL1と、ホットゾーン形成用の第2配光パターン部P2を出射する第2ランプユニットL2と、拡散ゾーン形成用の第3配光パターン部P3を出射する第3ランプユニットL3とから構成されている。第1ランプユニットL1が第3ランプユニットL3および第2ランプユニット2Lよりも下位の位置に配置されている。この結果、第3配光パターン部P3および第2配光パターン部P2の上部の一部が第1配光パターン部P1のカットオフラインCL、1CL2、CL3よりも上方に突出することがないので、グレアを確実に防止することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数個のランプユニットにより所定の配光パターン、たとえば、すれ違い用配光パターンやモータウエイ用配光パターンなどを出射(放射、照射、投影)する車両用灯具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数個のランプユニットにより所定の配光パターンを出射する車両用灯具は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、この車両用灯具について説明する。なお、括弧つきの符号は、特許文献1にそれぞれ対応する。この車両用灯具は、複数個の灯具ユニット(20)、(40A)、(40B)、(60)によりロービーム用配光パターン(LP)を出射するものである。前記ロービーム用配光パターン(LP)は、上端縁に水平カットオフライン(CL1)を有する配光パターンであって、カットオフライン形成用パターン(Pa)と、ホットゾーン形成用パターン(Pb)と、拡散領域形成用パターン(Pc)との合成配光パターンである。前記複数個の灯具ユニットは、前記カットオフライン形成用パターン(Pa)を出射するカットオフライン形成用灯具ユニット(20)と、前記ホットゾーン形成用パターン(Pb)を出射するホットゾーン形成用灯具ユニット(40A)、(40B)と、前記拡散領域形成用パターン(Pc)を出射する拡散領域形成用灯具ユニット(60)と、から構成されている。前記カットオフライン形成用灯具ユニット(20)は、中段に配置されており、前記ホットゾーン形成用灯具ユニット(40A)、(40B)は、下段に配置されており、前記拡散領域形成用灯具ユニット(60)は、上段に配置されている。前記複数個の灯具ユニット(20)、(40A)、(40B)、(60)を点灯することにより、カットオフライン形成用パターン(Pa)とホットゾーン形成用パターン(Pb)と拡散領域形成用パターン(Pc)とがそれぞれ出射され、それらが合成されてロービーム用配光パターン(LP)が得られるものである。
【0003】
ここで、前記ロービーム用配光パターン(LP)は、車両(車両用灯具)から前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン上に投影される配光パターンに基づいて配光設計されるものである。一方、ロービーム用配光パターン(LP)は、実際には、前記仮想鉛直スクリーンよりも前方に位置する路面上に出射されるものである。このために、下位に位置する灯具ユニットから出射された光は、上位に位置する灯具ユニットから出射された光と比較して、遠方の路面に届くものである。
【0004】
ところが、前記の従来の車両用灯具は、カットオフライン形成用灯具ユニット(20)が中段に配置されており、ホットゾーン形成用灯具ユニット(40A)、(40B)が下段に配置されているものである。このために、前記の従来の車両用灯具は、下位のホットゾーン形成用灯具ユニット(40A)、(40B)から出射された光が上位のカットオフライン形成用灯具ユニット(20)から出射された光よりも遠方の路面に届く。この結果、前記の従来の車両用灯具は、ホットゾーン形成用パターン(Pb)の上部の一部がカットオフライン形成用パターン(Pa)の水平カットオフライン(CL1)よりも上方に突出する場合があり、この場合にはグレアとなるという課題がある。
【0005】
【特許文献1】特開2004−95480号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明が解決しようとする問題点は、従来の車両用灯具では、グレアとなる場合があるという点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の車両用灯具は、水平のカットオフライン形成用の第1配光パターン部を出射する第1ランプユニットと、ホットゾーン形成用の第2配光パターン部を出射する第2ランプユニットと、拡散ゾーン形成用の第3配光パターン部を出射する第3ランプユニットとから構成されている。前記第1ランプユニットが前記第3ランプユニットおよび前記第2ランプユニットよりも下位の位置に配置されている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
この発明の車両用灯具は、下位の第1ランプユニットから出射された光が上位の第3ランプユニットおよび第2ランプユニットから出射された光よりも遠方の路面に届く。このために、この発明の車両用灯具は、拡散ゾーン形成用の第3配光パターン部およびホットゾーン形成用の第2配光パターン部の上部の一部が水平のカットオフライン形成用の第1配光パターン部の水平のカットオフラインよりも上方に突出することがない。この結果、この発明の車両用灯具は、グレアを確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明にかかる車両用灯具の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。この実施例は、車両(自動車)が左側通行の場合の車両用灯具について説明する。車両が右側通行の場合の車両用灯具は、構造や配光パターンなどがほぼ左右逆となる。
【0010】
この明細書および図面において、符号「F」は、車両の前進方向であって、ドライバー側から見た前側を示す。符号「B」は、車両の前進方向と逆方向であって、ドライバー側から見た後側を示す。符号「U」は、ドライバー側から見た上側を示す。符号「D」は、ドライバー側から見た下側を示す。符号「L」は、ドライバー側から前側Fを見た場合の左側を示す。符号「R」は、ドライバー側から前側Fを見た場合の右側を示す。符号「HL−HR」は、配光パターンが出射される25m先のスクリーン上の左右の水平線を示す。符号「VU−VD」は、同じく、配光パターンが出射される25m先のスクリーン上の上下の垂直線を示す。
【実施例】
【0011】
図2において、符号1は、この実施例における車両用灯具である。前記車両用灯具1は、車両の前部の左右両側にそれぞれ装備されている。以下、車両の右側Rに装備される車両用灯具1の構成について説明する。なお、車両の左側Lに装備される車両用灯具の構成は、右側Rに装備される前記車両用灯具1の構成のほぼ左右対称(左右逆)となる。
【0012】
前記車両用灯具1は、図2に示すように、灯室2を区画するランプハウジング3およびランプレンズ(図示せず、たとえば、素通しのアウターレンズなど)と、前記灯室2内に配置された複数個、この例では12個のランプユニットL1、L2、L3(以下、単にランプユニットL0と称する場合がある)と、光軸調整装置と、を備えるものである。
【0013】
前記ランプユニットLは、図3に示すように、半導体型光源5と、レンズ6と、上ホルダ7およびシェード兼用の下ホルダ8とを備えるものである。前記半導体型光源5は、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源(この実施例ではLED)を使用する。前記半導体型光源5は、基板9と、前記基板9の一面に固定された微小な矩形形状(正方形形状)の光源チップ(半導体チップ)の発光体10と、前記発光体10を覆う光透過部材11と、前記基板9の他面に固定された放熱部材(図示せず)とから構成されている。前記半導体型光源5は、前記上ホルダ7および前記下ホルダ8により、前記発光体10がほぼ水平に配置されるように保持されている。
【0014】
前記上ホルダ7には、ほぼ回転楕円面の上反射面12が設けられており、一方、前記下ホルダ8には、下反射面13が設けられている。前記上反射面12の第1焦点(図示せず)近傍には、前記発光体10が位置する。また、前記上反射面12の第2焦点(図示せず)および前記レンズ6の焦点(図示せず)近傍には、シェード兼用の前記下ホルダ8が位置する。前記上ホルダ7および前記下ホルダ8には、前記レンズ6が保持されている。前記レンズ6は、前記発光体10からの光(図3(B)中の実線矢印を参照)であって、前記上反射面12および前記下反射面13で反射された反射光を光軸(レンズ6の中心軸)Z−Zに沿って所定の配光パターンで外部に出射する投影レンズ(凸レンズ、集光レンズ)である。
【0015】
なお、図3(A)は、前記ランプL0の平面図、図3(B)は、図3(A)におけるB−B線断面図、図3(C)は、図3(A)におけるC矢視図である。また、前記ランプユニットLとしては、前記のプロジェクタタイプのランプユニットの他に、特許文献1に記載されている反射タイプのランプユニット、直射タイプのランプユニットなどを使用しても良い。すなわち、配光設計された配光パターンに適したタイプのランプユニットを使用するものである。
【0016】
そして、前記車両用灯具1は、前記12個のランプユニットL1、L2、L3により所定の配光パターン、この例では、すれ違い用配光パターンLPを出射する。前記すれ違い用配光パターンLPは、図4(D)に示すように、上端縁にカットオフラインCL1、CL2、CL3を有する配光パターンである。前記カットオフラインは、上下垂直線VU−VDから左側Lに位置する上位の水平のカットオフラインCL1と、上下垂直線VU−VD付近に位置する斜めのカットオフラインCL2と、上下垂直線VU−VDから右側Rに位置する下位の水平のカットオフラインCL3と、からなる。
【0017】
また、前記すれ違い用配光パターンLPは、前記のカットオフラインCL1、CL2、CL3を形成する第1配光パターン部P1(図4(C)、図5を参照)と、前記のカットオフラインCL1、CL2、CL3の直下でかつほぼ中央に有するホットゾーンを形成する第2配光パターン部P2(図4(B)、図5を参照)と、前記のカットオフラインCL1、CL2、CL3の下方でかつ中央から左右にかけて広い範囲亘って有する拡散ゾーンを形成する第3配光パターン部P3(図4(A)、図5を参照)部と、をそれぞれ合成して形成される配光パターンである。
【0018】
前記12個のランプユニットLは、図2に示すように、前記第1配光パターン部P1を出射する複数個、この例では、4個の第1ランプユニットL1と、前記第2配光パターン部P2を出射する複数個、この例では、4個の第2ランプユニットL2と、前記第3配光パターン部P3を出射する複数個、この例では、4個の第3ランプユニットL3と、から構成されている。
【0019】
前記第3ランプユニットL3は、上段に配置されており、前記第2ランプユニットL2は、前記第3ランプユニットL3よりも下位の中段に配置されており、前記第1ランプユニットL1は、前記第3ランプユニットL3および前記第2ランプユニットL3よりも下位の下段に配置されている。
【0020】
また、前記下段の4個の第1ランプユニットL1、前記中段の4個の第2ランプユニットL2、前記上段の4個の第3ランプユニットL3は、図2に示すように、それぞれ各段において、水平方向に同じ高さに配置されている。
【0021】
さらに、前記4個の第1ランプユニットL1は、前記第1配光パターン部P1(カットオフライン形成用の配光パターン部)を出射するものであるから、前記プロジェクタタイプのランプユニットが適している。前記4個の第2ランプユニットL2は、前記第2配光パターン部P2(ホットゾーン形成用の配光パターン部)を出射するものであるから、前記茶九社タイプのランプユニットが適している。前記4個の第3ランプユニットL3は、前記第3配光パターン部P3(各線ゾーン形成用の配光パターン部)を出射するものであるから、前記反射タイプのランプユニットが適している。
【0022】
前記12個のランプユニットL(前記4個の第1ランプユニットL1、前記4個の第2ランプユニットL2、前記4個の第3ランプユニットL3)は、取付ブラケット14およびピボット機構15および上下方向の光軸調整機構16および左右方向の光軸調整機構17から構成されている前記共通の光軸調整装置を介して、前記ランプハウジング3に光軸調整可能に取り付けられている。すなわち、前記共通の光軸調整装置により、前記12個のランプユニットLの光軸Z−Zは、一体に調整される。
【0023】
以下、この実施例における車両用灯具1の作用について図4および図5を参照して説明する。図4は、コンピュータのシミュレーションで得られたスクリーンS1(車両(車両用灯具1)から前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン)上の配光パターンを簡略化して示す等光度曲線の説明図であって、中央の等光度曲線は、高光度帯であって、その他の曲線は、外に行くにしたがって低くなる光度帯である。たとえば、図4(A)、(B)、(C)の中央の等光度曲線は、5000(cd)であり、以下、5000(cd)、1000(cd)、200(cd)である。また、図4(D)の中央の等光度曲線は、20000(cd)であり、以下、10000(cd)、5000(cd)、2000(cd)、1000(cd)、200(cd)である。また、図5は、前記シミュレーション用のスクリーンS1よりも前方の位置に配置された仮想鉛直スクリーンS2上に投影された配光パターンを簡略化して示す説明図である。
【0024】
ヘッドランプスイッチ(図示せず)により、車両用灯具1の12個のランプユニットLを点灯させる。すると、上段の4個の第3ランプユニットL3から第3配光パターン部P3が出射される。また、中段の4個の第2ランプユニットL2から第2配光パターン部P2が出射される。さらに、下段の4個の第1ランプユニットL1から第1配光パターン部P1が出射される。そして、第1配光パターン部P1と第2配光パターン部P2と第3配光パターン部P3が合成されて、すれ違い用配光パターンLPが得られる。
【0025】
ここで、すれ違い用配光パターンLPは、車両(車両用灯具1)から前方25mの位置に配置された仮想鉛直スクリーン(シミュレーション用のスクリーンS1)上に投影される配光パターンに基づいて配光設計されるものである。一方、すれ違い用配光パターンLPは、実際には、シミュレーション用スクリーンS1よりも前方Fに位置する路面上に出射されるものである。
【0026】
このために、下位に位置するランプユニット、すなわち、第1ランプユニットL1(または、第2ランプユニットL2)から出射された光L1L(または、L2L)は、上位に位置するランプユニット、すなわち、第2ランプユニットL2および第3ランプユニットL3(または、第3ランプユニットL3)から出射された光L2LおよびL3L(または、L3L)と比較して、遠方の路面に届くものである。
【0027】
すなわち、図5に示すように、上段の4個の第3ランプユニットL3から出射された光(図5中、破線にて示す光であって、たとえば、第3配光パターン部P3の上縁を狙う光)L3Lは、車両(車両用灯具1)から距離T3の路面に届く。また、中段の4個の第2ランプユニットL2から出射された光(図5中、二点鎖線にて示す光であって、たとえば、第2配光パターン部P2の上縁を狙う光)L2Lは、車両(車両用灯具1)から距離T2(前記距離T3よりも遠方の距離)の路面に届く。さらに、下段の4個の第1ランプユニットL1から出射された光(図5中、実線にて示す光であって、たとえば、第1配光パターン部P1の上縁のカットオフラインCL1、CL2、CL3を狙う光)L1Lは、車両(車両用灯具1)から距離T1(前記距離T3、T2よりも遠方の距離)の路面に届く。
【0028】
ここで、上下方向の光軸調整機構16を操作すると、取付ブラケット14を介して、車両用灯具1の12個のランプユニットL(下段の4個の第1ランプユニットL1、中段の4個の第2ランプユニットL2、上段の4個の第3ランプユニットL3)の光軸Z−Zがピボット機構15の中心と左右方向の光軸調整機構17の中心とを結ぶ水平軸回りに上下方向に回転して調整される。一方、左右方向の光軸調整機構17を操作すると、同じく、取付ブラケット14を介して、車両用灯具1の12個のランプユニットLの光軸Z−Zがピボット機構15の中心と上下方向の光軸調整機構16の中心とを結ぶ垂直軸回りに左右方向に回転して調整される。
【0029】
以下、この実施例における車両用灯具1の作用について説明する。この実施例における車両用灯具1は、中段の4個の第2ランプユニットL2から出射された光L2Lが上段の4個の第3ランプユニットL3から出射された光L3Lよりも遠方の路面に届く。このために、この実施例における車両用灯具1は、ホットゾーンが遠方の路面を照明するので、遠方の視認性が向上され、交通安全に貢献することができる。
【0030】
また、この実施例における車両用灯具1は、下段の4個の第1ランプユニットL1から出射された光L1Lが中段の4個の第2ランプユニットL2から出射された光L2Lおよび上段の4個の第3ランプユニットL3から出射された光L3Lよりも遠方の路面に届く。このために、この実施例における車両用灯具1は、拡散ゾーン形成用の第3配光パターン部P3およびホットゾーン形成用の第2配光パターン部P2の上部の一部がカットオフライン形成用の第1配光パターン部P1のカットオフラインCL1、CL2、CL3よりも上方に突出することがない。この結果、この実施例における車両用灯具1は、グレアを確実に防止することができる。
【0031】
特に、この実施例における車両用灯具1は、下段の4個の第1ランプユニットL1、中段の4個の第2ランプユニットL2、上段の4個の第3ランプユニットL3がそれぞれ各段において、水平方向に同じ高さに配置されている。このために、この実施例における車両用灯具1は、各配光パターン部P1、P2、P3の上縁、特に第1配光パターン部P1のカットオフラインCL1、CL2、CL3がずれることがないので、配光設計どおりのすれ違い用配光パターンLPが得られる。
【0032】
また、この実施例における車両用灯具1は、共通の光軸調整装置(取付ブラケット14およびピボット機構15および上下方向の光軸調整機構16および左右方向の光軸調整機構17)により、12個のランプユニットLの光軸Z−Zが一体に調整される。このために、この実施例における車両用灯具1は、第1ランプユニットL1から出射される第1配光パターン部P1と、第2ランプユニットL2から出射される第2配光パターン部P2と、第3ランプユニットL3から出射される第3配光パターン部P3とが合成されたすれ違い用配光パターンLPにおいて、配光が乱れるような虞がない。このために、この実施例における車両用灯具1は、常時、配光設計どおりのすれ違い用配光パターンLPが得られるので、交通安全に貢献することができる。
【0033】
なお、この実施例においては、4個の第1ランプユニットL1と4個の第2ランプユニットL2と4個の第3ランプユニットL3とから構成されている車両用灯具について説明するものである。ところが、この発明においては、第1ランプユニット第2ランプユニット第3ランプユニットの個数ついては何ら限定するものではない。
【0034】
また、この実施例においては、車両灯具1から出射される配光パターンがすれ違い用配光パターンLPについて説明するものである。ところが、この発明においては、車両用灯具1から出射される配光パターンとして、モータウエイ用配光パターンなどでも良い。
【0035】
さらに、この実施例においては、半導体型光源5としてLEDについて説明するものである。ところが、この発明においては、半導体型光源としてEL(有機EL)でも良い。
【0036】
さらにまた、この実施例においては、光源として半導体型光源5を使用するものである。ところが、この発明においては、光源として、ハロゲンバルブ、白熱バルブなどを光源としても良い。
【0037】
さらにまた、この発明においては、ランプユニットに調光装置(たとえば、電流制御装置)を接続して、ランプユニットの光束出力を調整してランプユニットから出射される配光パターン部の光度を調整するように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】この発明にかかる車両用灯具の実施例を示す説明図である。
【図2】同じくランプレンズを取り除いた状態の正面図である。
【図3】同じくランプユニットを示す説明図である。
【図4】同じくランプユニットから出射されるスクリーン(車両から前方25mのシミュレーション用のスクリーン)上の配光パターン部およびすれ違い用配光パターンを示す説明図である。
【図5】同じくシミュレーション用のスクリーンよりも遠方のスクリーン上に投影された配光パターン部およびすれ違い用配光パターンを示す説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 車両用灯具
2 灯室
3 ランプハウジング
5 半導体型光源
6 レンズ
7、8 ホルダ
9 基板
10 発光体
11 光透過部材
12、13 反射面
14 取付ブラケット
15 ピボット機構
16 上下方向の光軸調整機構
17 左右方向の光軸調整機構
F 前側
B 後側
U 上側
D 下側
L 左側
R 右側
HL−HR 左右の水平線
VU−VD 上下の垂直線
L ランプユニット
L1 下段の第1ランプユニット
L2 中段の第2ランプユニット
L3 上段の第3ランプユニット
L1L 第1ランプユニットから出射された光
L2L 第2ランプユニットから出射された光
L3L 第3ランプユニットから出射された光
T1 第1ランプユニットから出射された光が路面に届く距離
T2 第2ランプユニットから出射された光が路面に届く距離
T3 第3ランプユニットから出射された光が路面に届く距離
LP すれ違い用配光パターン
CL1 左側の上位の水平カットオフライン
CL2 中央の斜めカットオフライン
CL3 右側の下位の水平カットオフライン
P1 第1配光パターン部
P2 第2配光パターン部
P3 第3配光パターン部
Z−Z 光軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個のランプユニットにより所定の配光パターンを出射する車両用灯具において、
前記所定の配光パターンは、上端縁に水平のカットオフラインを有する配光パターンであって、前記水平のカットオフラインを形成する第1配光パターン部と、前記水平のカットオフラインの直下でかつほぼ中央に有するホットゾーンを形成する第2配光パターン部と、前記水平のカットオフラインの下方でかつ中央から左右にかけて広い範囲亘って有する拡散ゾーンを形成する第3配光パターン部と、をそれぞれ合成して形成される配光パターンであり、
前記複数個のランプユニットは、前記第1配光パターン部を出射する1個もしくは複数個の第1ランプユニットと、前記第2配光パターン部を出射する1個もしくは複数個の第2ランプユニットと、前記第3配光パターン部を出射する1個もしくは複数個の第3ランプユニットと、から構成されており、
前記第3ランプユニットは、上段に配置されており、前記第2ランプユニットは、前記第3ランプユニットよりも下位の中段に配置されており、前記第1ランプユニットは、前記第3ランプユニットおよび前記第2ランプユニットよりも下位の下段に配置されている、
ことを特徴とする車両用灯具。
【請求項2】
前記下段の複数個の第1ランプユニット、前記中段の複数個の第2ランプユニット、前記上段の複数個の第3ランプユニットは、それぞれ各段において、水平方向に同じ高さに配置されている、ことを特徴とする請求項1に記載の車両用灯具。
【請求項3】
前記下段の複数個の第1ランプユニットの光軸と、前記中段の複数個の第2ランプユニットの光軸と、前記上段の複数個の第3ランプユニットの光軸とは、共通の光軸調整装置により、一体に調整される、ことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用灯具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−185606(P2006−185606A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−374450(P2004−374450)
【出願日】平成16年12月24日(2004.12.24)
【出願人】(000000136)市光工業株式会社 (774)
【Fターム(参考)】