説明

車両用障害物検出装置及びそれを用いた車両

【課題】走路上の障害物を検出する障害物検出装置を提供する。
【解決手段】
車両前方を撮影する赤外線カメラ2と、車両前方を撮影するステレオカメラ3と、赤外線カメラ2により撮影された赤外線画像を基に走路を特定する走路特定部5と、ステレオカメラ2により撮影された各画像に基づいてステレオ画像を作成するステレオ画像作成部6と、走路特定部5により特定された走路とステレオ画像とに基づいて、走路上の障害物を特定する障害物検出部7とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に設置されたカメラにより走路上の障害物を検出する車両用障害物検出装置及びそれを用いた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ゴルフ場内の走路を走行するゴルフカートには自動走行機能を有しているものがある。自動走行は、主に電磁誘導線などに沿って走行しており、また、ゴルフカートの前面に超音波センサを設けて、カート前方の障害物を検出する機能を有するものもある。超音波センサにより障害物が検出されると、ゴルフカートは減速または停止する制御がされている。
【0003】
(1)特許文献1の技術
特許文献1に記載の走行制御装置は、走路上に設けられた白線等の走路基準線を検出し、この走路基準線に基づいて自動走行する。道路線形に応じた迅速な速度制御を行う走行制御装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−292919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の車両では、白線の無い走路に対しては走路を特定するのが困難である。たとえば、ゴルフ場の場合、ゴルフコースの芝生とゴルフカートの走路との境界に白線が無いことが多い。芝生と走路との輝度差は小さいので、可視光カメラにより撮影された画像を基に2値化処理をしても、走路と芝生とを区別することが困難であり、走路の特定をすることができない。また、超音波センサでは障害物が走路上にあるかどうかを判別できない問題がある。超音波センサは、車両前方にある物体を全て障害物と認定してしまい、走路外にある木々や上り坂まで障害物と認定してしまう場合がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、白線の無い走路であっても走路を特定することができ、走路上の障害物のみを検出することができる車両用障害物検出装置及びそれを用いた車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る車両用障害物検出装置は、車両前方を撮影する赤外線カメラと、車両前方を撮影するステレオカメラと、前記赤外線カメラにより撮影された赤外線画像を基に走路を特定する走路特定部と、前記ステレオカメラにより撮影された各画像に基づいてステレオ画像を作成するステレオ画像作成部と、前記走路特定部により特定された走路と前記ステレオ画像とに基づいて、前記走路上の障害物を検出する障害物検出部とを備えた車両用障害物検出装置である。
【0008】
本発明によれば、赤外線画像を基に走路を特定し、特定された赤外線画像の走路に対応するステレオカメラが撮影した各画像における領域、すなわち、ステレオカメラが撮影した各画像における走路のステレオ画像を作成する。作成されたステレオ画像から走路上の障害物を検出する。赤外線画像により走路を特定するので、走路に白線が無くても走路を検出することができる。また、走路上における障害物のみを検出するので、走路外の障害物を誤認することがない。
【0009】
また、前記走路特定部は、前記赤外線画像の各画素に対して予め定められた第1閾値を基準として前記各画素を低輝度画素と高輝度画素とに2値化処理する2値化処理部と、予め定められた領域と前記高輝度画素とが重複する領域を部分走路領域と推定する走路推定部と、前記部分走路領域と隣接する前記高輝度画素を順にラベリングして仮走路を特定するラベリング部と、前記仮走路内に含まれる低輝度画素と前記仮走路とを走路として特定する走路補正部とを有することが好ましい。
【0010】
赤外線画像における各画素に対して予め定められた第1閾値を基準として、各画素を低輝度画素と高輝度画素とに2値化処理することで、赤外線画像において第1閾値よりも赤外線量の多い領域と少ない領域とに判別することができる。走路は第1閾値よりも赤外線量が多い領域に含まれ、高輝度画素領域の一部が走路であるので、赤外線画像を走路を含む領域と、走路を含まない領域とに2分することができる。高輝度画素領域と予め定められた領域とが重複する領域を部分走路領域として推定する。走路は連続して存在するので、部分走路領域と連続する高輝度画素も走路として認定されるので、順にラベリングして仮走路として特定する。また、仮走路内に含まれる低輝度画素も走路領域内であるので、仮走路内に含まれる低輝度画素と仮走路とを走路として特定することで、白線の無い走路であっても精度良く走路を特定することができる。
【0011】
また、前記障害物検出部は、前記ステレオ画像上の前記走路に対応する領域のみ3次元座標を算出して障害物を検出してもよい。障害物の検出に3次元座標を用いることで精度向上を図ることができる。また、ステレオ画像上の走路の特定をしてから障害物を検出することで3次元座標の算出領域をステレオ画像上の走路に対応する領域に限定することができ、演算負荷の軽減をすることができる。
【0012】
また、前記ステレオ画像作成部は、前記ステレオカメラにより撮影された各画像において、前記赤外線画像上で特定された前記走路に対応する領域を基に走路のステレオ画像を作成してもよい。ステレオ画像の作成を走路部分に限定することでステレオ画像作成の演算負荷を軽減することができ、障害物の検出をより高速に実施することができる。
【0013】
また、前記ステレオ画像作成部は、前記赤外線画像を基に特定された前記走路の座標位置に対応する前記ステレオカメラが撮影した各画像における走路を特定する走路マッチング部と、前記ステレオカメラにより撮影された各画像において特定された前記走路を基に前記走路のステレオ画像を作成するステレオ走路画像作成部とを有することが好ましい。
【0014】
赤外線画像を基に特定された走路の座標位置を用いて、ステレオカメラが撮影した各画像における走路を特定するので、ステレオカメラが撮影した各画像上の走路の特定を容易に実施することができる。さらに、ステレオ画像を作成するのが走路領域だけであるので、画像全体のステレオ画像を作成するのに比べて演算負荷の軽減をすることができる。
【0015】
また、前記障害物検出部は、前記走路のステレオ画像を基に前記走路の3次元座標を計測する3次元座標計測部と、前記走路の3次元座標を基に前記走路上の障害物を判別する障害物判別部とを有することが好ましい。この構成によれば、ステレオ画像上の走路領域の各画素に対して3次元座標を計測し、3次元座標を基に障害物を検出するので、精度良く障害物を検出することができる。
【0016】
また、前記障害物判別部は、前記走路の3次元座標を基に、奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率を算出し、前記奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率と予め定められた第2閾値とを比較し、前記第2閾値よりも前記奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率が大きい前記走路の3次元座標上に障害物が有ると判別してもよい。この構成によれば、奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率に対して予め定められた第2閾値を基準として障害物を判別するので、適切に障害物を検出することができる。
【0017】
また、前記ステレオ画像作成部は、前記ステレオカメラの少なくとも1つのカメラにより撮影された画像における、前記赤外線画像を基に特定された前記走路に対応する領域のエッジを強調するエッジ強調部を有し、前記ステレオ走路画像作成部は、特定された前記走路内のエッジが強調された点または線のステレオ画像を作成し、前記障害物検出部は、前記エッジが強調された点または線上の3次元座標を計測する3次元座標計測部と、前記エッジが強調された点または線上の3次元座標を基に、奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率を算出し、前記奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率と予め定められた第2閾値とを比較し、前記第2閾値よりも前記奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率が大きい前記走路の3次元座標上に障害物が有ると判別する障害物判別部とを有してもよい。
【0018】
この構成によれば、ステレオカメラの少なくとも1つのカメラにより撮影された画像における、赤外線画像を基に特定された記走路に対応する領域のエッジを強調し、このエッジ強調部分のステレオ画像を作成する。さらに、エッジが強調された点または線上の3次元座標を基に、奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率を算出する。奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率と予め定められた第2閾値とを比較し、第2閾値よりも奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率が大きい走路の3次元座標上に障害物が有ると判別する。
ステレオ画像の作成および奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率をエッジ強調部分だけ算出して障害物を判別するので、障害物の検出負荷を低減することができる。
【0019】
また、前記赤外線カメラと前記ステレオカメラとが車幅方向に直線上に配置されていることが好ましい。この構成によれば、赤外線カメラと前記ステレオカメラとが車幅方向に直線上に配置されているので、赤外線画像上の走路とステレオカメラが撮影した各画像上の走路との対応を容易にすることができる。
【0020】
また、前記ステレオカメラは複数の可視光カメラを有することが好ましい。ステレオカメラが複数の可視光カメラを有することで、ステレオカメラによる画像の解像度を上げることができ、精度の良いステレオ画像を作成することができる。これより、位置精度の高い走路の3次元座標を得ることができる。
【0021】
また、前記赤外線カメラが2個の可視光カメラを有する前記ステレオカメラの各カメラの間に配置されていることが好ましい。この構成によれば、赤外線カメラがステレオカメラの各カメラの間に配置されているので、赤外線画像上における走路とステレオカメラが撮影した各画像上の走路との位置ずれを低減することができる。
【0022】
また、前記赤外線カメラの撮影領域と前記ステレオカメラの少なくとも1つのカメラの撮影領域とが位置合わせされていることが好ましい。この構成によれば、赤外線カメラの撮影領域とステレオカメラの少なくとも1つのカメラの撮影領域とが位置合わせされているので、赤外線画像上における走路とステレオカメラが撮影した各画像上の走路との位置合わせを容易にすることができる。
【0023】
また、本発明に係る車両は、上記車両用障害物検出装置を備えた車両である。上記車両用障害物検出装置を備えることで、走路上の障害物を検出することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、赤外線画像を基に走路を特定し、特定された赤外線画像の走路に対応するステレオカメラが撮影した各画像における領域、すなわち、ステレオカメラが撮影した各画像における走路のステレオ画像を作成する。作成されたステレオ画像から走路上の障害物を検出する。赤外線画像により走路を特定するので、走路に白線が無くても走路を検出することができる。また、走路上における障害物のみを検出するので、走路外の障害物を誤認することがない。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】実施例に係る車両の前面図である。
【図2】実施例に係る車両の構成を示す機能ブロック図である。
【図3】実施例に係る障害物検出装置の構成を示すブロック図である。
【図4】実施例1に係る走路特定部の構成を示すブロック図である。
【図5】実施例1に係る2値化処理された赤外線画像を示す説明図である。
【図6】実施例1に係る2値化処理された赤外線画像を示す説明図である。
【図7】実施例1に係る2値化画像において走路の推定を示す説明図である。
【図8】実施例1に係るラベリングされた走路領域を示す説明図である。
【図9】実施例1に係る補正された走路領域を示す説明図である。
【図10】実施例1に係るステレオ画像作成部の構成を示すブロック図である。
【図11】実施例に係る障害物検出部の構成を示すブロック図である。
【図12】実施例1に係る障害物検出の流れを示すフローチャートである。
【図13】実施例2に係るステレオ画像作成部の構成を示すブロック図である。
【図14】実施例3および4に係る障害物検出装置の構成を示すブロック図である。
【図15】実施例3に係る障害物検出部の構成を示すブロック図である。
【図16】実施例4に係る障害物検出部の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0026】
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。本発明における車両の実施形態として、自動走行するゴルフカートを挙げる。なお、以下の説明で、前後および左右とは車両1の前進する方向を基準としている。
【0027】
1.車両の概略構成
図1および図2を参照する。図1は、実施例に係る車両1の概略構成を示す前面図であり、図2は車両1の構成を示す機能ブロック図である。車両1はゴルフ場内を自動または手動走行するゴルフカートである。車両1は、走路に埋め込まれた誘導線から発せられる電磁波に誘導されて自動走行することができる。車両1の前面中央部に赤外線カメラ2と、赤外線カメラ2を挟んで2個の可視光カメラ3a、3bで構成されるステレオカメラ3とが直線上に設けられている。なおステレオカメラ3は、2個以上の可視光カメラで構成されてもよい。赤外線カメラ2とステレオカメラ3の少なくとも基準カメラである可視光カメラ3aとはキャリブレーションなどで予め各画像の各座標位置が対応づけられている。赤外線カメラ2とステレオカメラ3とが直線上に配置されているので各画像の各座標位置の対応付けが容易に実施できる。また、赤外線カメラ2を挟んで2個の可視光カメラ3a、3bが配置されているので、赤外線画像上における走路とステレオカメラが撮影した各画像上の走路との位置合わせを容易にすることができる。また、ステレオカメラ3は可視光カメラ3a、3bで構成されるので、赤外線カメラに比べて解像度の高い画像を得ることができる。
【0028】
また、車両1には、車両1が走行する走路および走路上の障害物を検出する障害物検出装置4と、障害物検出装置4が障害物を検出すると運転者に警告を発生する警告出力部8と、障害物の検出により減速または停止の制御をする走行速度制御部9と、車輪を駆動し、走行速度制御部9により回転数が制御される駆動モータ10とが設けられている。本実施例において、車両1はモータで駆動されるがこれに限らず、エンジンにより駆動されてもよい。
【0029】
2.障害物検出装置の構成
次に図3を参照して車両1に備えられた障害物検出装置の構成を説明する。図3は、障害物検出装置の構成を示すブロック図である。
【0030】
障害物検出装置4は、車両1の前方の赤外線画像を撮影する赤外線カメラ2と、車両1の前方の可視光画像を撮影するステレオカメラ3と、赤外線画像を基に車両1の走路を特定する走路特定部5と、ステレオカメラ3により撮影された可視光画像を基にステレオ画像を作成するステレオ画像作成部6と、走路上の障害物を特定する障害物検出部7とを備える。走路特定部5、ステレオ画像作成部6および障害物検出部7はマイクロプロセッサとメモリとで構成される。次にそれぞれの構成部について順に説明する。
【0031】
図4を参照する。図4は走路特定部5の構成を示すブロック図である。走路特定部5は、赤外線画像に対して2値化処理する2値化処理部11と、2値化処理された赤外線画像において走路の一部を推定する走路推定部12と、推定された走路に隣接する同じ輝度値の画像をラベリングするラベリング部13と、ラベリングされた走路を補正する走路補正部14とを有する。
【0032】
2値化処理部11は、赤外線カメラ2により撮影された赤外線画像を予め定められた閾値で2値化処理する。図5は、2値化処理された赤外線画像の一例である。赤外線カメラ2により撮影された赤外線画像において、赤外線を反射する領域は白く、赤外線を吸収する領域は黒く写される。この性質により、芝生は白く高輝度に、走路25は黒く低輝度に写される。芝生が白く写されるのは、植物の葉に含まれるクロロフィルが赤外線を反射するからである。また、黒く写されるのは走路25以外にも、樹木の幹26や、空27、建物28等が挙げられる。予め定められた閾値で赤外線画像を2値化処理することで、高輝度領域と低輝度領域(図5斜線部)とに2分することができる。高輝度領域は芝生や葉が写されている領域であり、低輝度領域には走路25、樹木の幹26、空27および建物28等が含まれる。なお、走路25内に例えば葉や芝生が落ちていると、高輝度領域29として検出される。
【0033】
走路推定部12は、画像の下方中央付近の低輝度領域を走路の一部と推定する。これは、赤外線カメラ2が車両1の前面に設けられているので、赤外線カメラ2が撮影する赤外線画像の下方中央付近には必ず走路が含まれる。そこで、2値化処理された赤外線画像(以後、2値化画像と称す)における下方中央付近の低輝度領域を走路の一部と推定することができる。
【0034】
図6および図7は、2値化画像において走路の推定を示す説明図である。2値化画像において、画像の左下隅を画像の原点Oとして、2値化画像内のx1≦x≦x2、y1≦y≦y2の範囲Ar内に低輝度領域の画素が存在するときに(図6)、その画素を走路領域の一部30と推定する(図7)。
【0035】
ラベリング部13は、走路推定部12により推定された走路領域に連続する低輝度領域の画素を順に連結(ラベリング)する。走路は連続しているので、推定された走路領域に連続する全ての低輝度領域の画素を走路領域とすることができる。図8はラベリングされた走路31を示す説明図である。
【0036】
走路補正部14は、ラベリングされた走路内に含まれる高輝度領域も走路として補正する。また、ラベリングされた走路に連続しない低輝度領域を走路と認定しない。すなわち、図8におけるラベリングされた走路31および走路31に囲まれた高輝度領域29とが、新たに走路32として補正される。また、ラベリングされた走路31に連続しない樹木の幹26、空27および建物28等の低輝度領域は走路ではないと判別される(図9参照)。以上より、白線の無い走路においても精度よく走路を特定することができる。検出された走路32の座標情報がステレオ画像作成部6へ送られる。
【0037】
次に図10を参照してステレオ画像作成部を説明する。図10はステレオ画像作成部の構成を示すブロック図である。ステレオ画像作成部6は、赤外線画像上で特定された走路を各可視光画像にマッチングして可視光画像上の走路を特定する走路マッチング部16と、各可視光画像における走路を基に、走路のステレオ画像を作成するステレオ走路画像作成部17とを有する。可視光カメラ3aで撮影された画像を左眼画像として、可視光カメラ3bで撮影された画像を右眼画像としてそれぞれステレオ画像が作成される。
【0038】
走路マッチング部16は、可視光カメラ3aおよび3bで撮影された各可視光画像上において、赤外線画像上で特定された走路の座標を指定することで、可視光画像上の走路を特定する。すなわち、走路特定部5の走路補正部14から送られる2値化画像上の走路32の座標と対応する各可視光画像の領域を走路として特定する。なお、走路補正部14にて補正された走路32を含む一回り大きい領域の座標を走路の座標としてもよい。赤外線カメラ2と可視光カメラ3aおよび3bとの視野のズレを吸収することができる。この可視光画像上における特定された走路領域の画像情報がステレオ走路画像作成部17へ送られる。
【0039】
ステレオ走路画像作成部17は、各可視光画像上の走路を基に走路のステレオ画像を作成する。すなわち、ステレオマッチング法により、可視光カメラ3aで撮影された走路の各画素に対応する可視光カメラ3bで撮影された走路の各画素との視差d(x,y)を有するステレオ画像を作成する。ステレオマッチング法として、左眼画像と右眼画像との対応点によりマッチングさせてもよいし、輝度値の分布状況から差分値の一番小さな対応関係となるようにマッチングさせてもよい。作成された走路のステレオ画像は障害物検出部7へ送られる。
【0040】
次に図11を参照して障害物検出部を説明する。図11は障害物検出部の構成を示すブロック図である。障害物検出部7は、走路のステレオ画像から走路の3次元座標を計測する3次元座標計測部21と、計測された3次元座標を基に、走路上の障害物を判定する障害物判別部22とを有する。
【0041】
3次元座標計測部21は、特定された走路領域のステレオ画像を基に、走路領域の各点の3次元座標を計測する。すなわち、基準カメラである可視光カメラ3aの焦点を原点とした走路の3次元座標を、可視光カメラ3aが撮影した画像上の座標(x,y)およびステレオ画像における視差d(x,y)から以下の計算式を用いて算出することができる。
【0042】
Z=T・f/d(x,y) …(1)
X=(x−x)・Z/f …(2)
Y=(y−y)・Z/f …(3)
ここで、fは可視光カメラ3aの焦点距離であり、Tはステレオカメラ3(可視光カメラ3aと3b)のカメラ間隔である。(x0,)は可視光カメラ3aが撮影した画像の中心座標である。また、Zは距離方向(奥行き方向)を示し、Xは水平方向を示し、Yは鉛直方向(高さ方向)を示す。以上より、画面上の2次元座標から3次元の世界座標を計測することができる。
【0043】
障害物判別部22は、特定された走路領域内の3次元座標を基に、走路上の障害物の有無を判別する。車両1が走行する走路には、一般的に傾斜に上限があり、かつ傾斜変化がなだらかである。これより、走路領域内で、傾斜θが予め設定された閾値を越える場合、または、傾斜変化Δθが予め設定された閾値を越える場合、障害物が有ると判別する。この条件を満たさない場合は、障害物が無いと判別する。
【0044】
例えば、Z−Y方向の傾斜を判別基準として障害物を判別する場合、以下の式により判別することができる。以下の式において、
u=x−x,v=y−y,C=T・f
であり、βおよびγは予め設定された値である。
【0045】
θ=ΔY/ΔZ
=(Y(u,v+1)−Y(u,v))/(Z(u,v+1)−Z(u,v))
=((v+1)・C/d(u,v+1)−v・C/d(u,v))/(C/d(u,v+1)−C/d(u,v))
=((v+1)/d(u,v+1)−v/d(u,v))/(1/d(u,v+1)−1/d(u,v))
>β …(4)
【0046】
|Δθ|
=(Y(u,v+2)−Y(u,v+1))/(Z(u,v+2)−Z(u,v+1))−(Y(u,v+1)−Y(u,v))/(Z(u,v+1)−Z(u,v))
=((v+2)/d(u,v+2)−v/d(u,v+1))/(1/d(u,v+2)−1/d(u,v+1))−((v+1)/d(u,v+1)−v/d(u,v))/(1/d(u,v+1)−1/d(u,v))
>γ …(5)
【0047】
(4)式では、Z−Y方向の傾斜の大きさを基準としており、(5)式ではZ−Y方向の傾斜の変化の大きさを基準として障害物を判別するので適切に障害物を検出することができる。(4)式または(5)式を満たす場合、障害物が存在すると判別する。障害物が存在すると判別された場合、障害物検出信号が警告出力部8および走行速度制御部9へ送られる。警告出力部8は、障害物検出信号が送られると、音声または映像により運転者へ障害物が走路上に有ることの警告を発する。走行速度制御部9は、障害物検出信号が送られると、障害物までの距離Zに応じて車両1の減速または停止の制御が実施される。
【0048】
次に、実施例1における走路特定および障害物検出の動作を図12を用いて説明する。図12は、障害物検出の処理手順を示すフローチャートである。
【0049】
車両1の前面に設けられた赤外線カメラ2により赤外線画像が撮影される(ステップS01)。また、この撮影と同期して、ステレオカメラ3によりステレオ画像が撮影される(ステップS02)。撮影された赤外線画像は、予め定められた閾値を基準として2値化処理される(ステップS03)。2値化処理により、高輝度領域と低輝度領域に2分された赤外線画像の予め設定された画像中央下部領域と低輝度領域との重複部分を走路領域の一部分として特定する(ステップS04)。特定された走路領域の一部分と連続する低輝度領域を走路としてラベリングする(ステップS05)。ラベリングされた走路領域内に含まれる高輝度領域も走路として特定し、ラベリングされた走路領域と隣接しない低輝度領域を走路として特定しないことで、2値化画像上の走路を特定する(ステップS06)。
【0050】
次に、2値化画像において特定された走路領域と対応する、ステレオカメラ3により撮影された左眼画像および右眼画像上の走路領域を特定する(ステップS07)。左眼画像および右眼画像上の特定された走路領域のみ視差情報を有するステレオ画像を作成する(ステップS08)。作成されたステレオ画像とステレオカメラ3の焦点距離とを基に、走路の3次元座標を計測する(ステップS9)。走路の3次元座標から、走路の傾斜の大きさおよび傾斜変化を算出し、これらの値を予め設定された閾値とそれぞれ比較することで障害物の有無を判別して障害物の位置を特定する(ステップS10)。
【0051】
実施例1によれば、赤外線画像により走路領域を特定するので、走路に白線がなくても走路を検出することができる。また、赤外線画像上の走路領域だけステレオ画像を作成し走路上の三次元座標計測および障害物検出を行うので、画像全体に対してステレオ画像の作成の処理をするよりも処理速度が向上し、走路外にあるものに対して障害物と判定することを防ぐことができる。また、傾斜変化を考慮しているので、上り坂を障害物と誤検出することがない。また、平易な構成で安価な障害物検出装置を作成することができる。
【実施例2】
【0052】
図13を参照して実施例2に係る障害物検出装置について説明する。
図13は実施例2に係るステレオ画像作成部6’の構成を示すブロック図である。第2実施例は、第1実施例におけるステレオ画像作成および3次元座標計測する走路領域を変更したものである。よって、ここで記載した以外の障害物検出装置および車両の構造は実施例1と同様である。図13において、実施例1に示した符号と同一の符号で示した部分は、実施例1と同様の構成であるのでここでの説明は省略する。
【0053】
実施例2の特徴は、実施例1における全ての走路領域におけるステレオ画像の作成に代えて、基準画像である左眼画像上において走路のエッジ強調処理を実施し、強調された点またはラインに対して3次元座標計測をして障害物を検出する点である。これは、障害物の無い走路の輝度値は変化が少なく、障害物のある走路領域は輝度値の変化が大きいことを利用している。
【0054】
エッジ強調部41は、可視光カメラ3aにより撮影された左眼画像において対応する走路領域をエッジ強調する。このエッジ強調はたとえばハイパスフィルタを実施すればよい。ステレオ走路画像作成部17’は、左眼画像におけるエッジ強調された走路領域の画像とこれに対応する右眼画像におけるエッジ強調部分の領域の画像とから、エッジ強調部分の点およびライン部分領域のステレオ画像を作成する。作成されたステレオ画像は障害物検出部7へ送られ、3次元座標計測部21でエッジが強調された点または線上の3次元座標を計測する。障害物判別部22では、エッジが強調された点または線上の3次元座標を基に、奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率を算出し、奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率と予め定められた第2閾値とを比較し、第2閾値よりも奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率が大きい走路の3次元座標上に障害物が有ると判別する。実施例2によれば、走路領域の全ての領域のステレオ画像の作成および3次元座標を計測しなくてもよいので、障害物を検出する演算の負荷を軽減することができる。
【実施例3】
【0055】
図14および図15を参照して実施例3に係る障害物検出装置について説明する。
図14は実施例3に係る障害物検出装置54の構成を示すブロック図であり、図15は実施例3に係る障害物検出部57の構成を示すブロック図である。実施例3は、実施例1におけるステレオ画像作成および障害物検出方法を変更したものである。よって、ここで記載した以外の障害物検出装置および車両の構造は実施例1と同様である。図14および図15において、実施例1に示した符号と同一の符号で示した部分は、実施例1と同様の構成であるのでここでの説明は省略する。
【0056】
実施例3の特徴は、実施例1において走路領域だけ作成していたステレオ画像を撮影画像全体のステレオ画像を作成する点である。これに伴って、走路特定部の出力を障害物検出部に変更し、作成されたステレオ画像に対して走路の特定を実施する。
【0057】
ステレオ画像作成部56は、可視光カメラ3a、3bから入力された左眼画像および右眼画像を基に、撮影画像全体のステレオ画像を作成する。作成されたステレオ画像は障害物検出部57へ送られる。また、走路特定部5にて特定された走路32の座標情報が障害物検出部57へ送られる。
【0058】
障害物検出部57は、赤外線画像上で特定された走路を作成されたステレオ画像にマッチングしてステレオ画像上の走路を特定する走路マッチング部58と、走路のステレオ画像から走路の3次元座標を計測する3次元座標計測部21と、計測された3次元座標を基に、走路上の障害物を判定する障害物判別部22とを有する。
【0059】
走路マッチング部58は、作成されたステレオ画像上において、赤外線画像上で特定された走路の座標を指定することで、ステレオ画像上の走路を特定する。すなわち、走路特定部5の走路補正部14から送られる2値化画像上の走路32の座標と対応するステレオ画像の領域を走路として特定する。なお、走路補正部14にて補正された走路32を含む一回り大きい領域の座標を走路の座標としてもよい。
【0060】
実施例3の障害物検出装置を用いても、赤外線画像により走路を特定するので、走路に白線が無くても走路を検出することができる。また、走路上における障害物のみを検出するので、走路外の障害物を誤認することがない。
【実施例4】
【0061】
図14および図16を参照して実施例4に係る障害物検出装置について説明する。
図16は実施例4に係る障害物検出部67の構成を示すブロック図である。実施例4は、実施例3における障害物検出方法をさらに変更したものである。よって、ここで記載した以外の障害物検出装置および車両の構造は実施例3と同様である。図16において、実施例3または実施例1に示した符号と同一の符号で示した部分は、実施例3または実施例1と同様の構成であるのでここでの説明は省略する。
【0062】
実施例4の特徴は、実施例3において撮影画像全体のステレオ画像に対して走路の特定が実施されたが、実施例4では撮影画像全体のステレオ画像を基に撮影画像全体の3次元座標を計測し、この撮影画像全体の3次元座標に対して走路の特定を実施する点である。
【0063】
障害物検出部67は、画像全体のステレオ画像から画像全体の3次元座標を計測する3次元座標計測部61と、赤外線画像上で特定された走路を作成された3次元座標にマッチングして3次元座標上の走路を特定する走路マッチング部68と、計測された3次元座標を基に、走路上の障害物を判定する障害物判別部22とを有する。
【0064】
3次元座標計測部61は、作成された画像全体のステレオ画像を基に、画像上の各点の3次元座標を計測する。3次元座標の計測の方法は実施例1と同様である。走路マッチング部68は、作成された3次元座標上において、赤外線画像上で特定された走路の座標を指定することで、3次元座標上の走路を特定する。すなわち、走路特定部5の走路補正部14から送られる2値化画像上の走路32の座標と対応する3次元座標上の領域を走路として特定する。なお、走路補正部14にて補正された走路32を含む一回り大きい領域の座標を走路の座標としてもよい。
【0065】
実施例4の障害物検出装置を用いても、赤外線画像により走路を特定するので、走路に白線が無くても走路を検出することができる。また、走路上における障害物のみを検出するので、走路外の障害物を誤認することがない。
【0066】
本発明は、上記実施例のものに限らず、次のように変形実施することができる。
【0067】
(1)上記実施例において、2値化処理した後の赤外線画像に対してノイズ除去フィルタを実施して小さいノイズを除去してもよい。ノイズ除去フィルタとして膨張−収縮アルゴリズムを採用することができる。小さいノイズを除去することで、低輝度領域および高輝度領域の区別が明確化される。
【0068】
(2)上記実施例では、傾斜の計算を2点の座標から算出しているが、3点以上の座標から算出しても良い。同様に、傾斜変化の計算を4点以上の座標から算出しても良い。また、障害物の判別に使用する傾斜、および、傾斜変化の計算は、必ずしも画像内の隣接している点に対するものでなくても良い。
【0069】
(3)上記実施例では、1つの傾斜、あるいは、1つの傾斜変化から、障害物の判別を行っているが、複数の傾斜、あるいは、傾斜変化を考慮して、障害物の判別を行っても良い。
【0070】
(4)上記実施例では、Z−Y方向の傾斜、および、傾斜変化から障害物を判別しているが、X−Y方向を使っても良い。また、複数の方向の傾斜、および、傾斜変化から障害物を判別しても良い。
【0071】
(5)上記実施例では、Z−Y方向の傾斜、および、傾斜変化から障害物を判別しているが、傾斜変化からのみ障害物を判別しても良い。
【符号の説明】
【0072】
1 … 車両
2 … 赤外線カメラ
3 … ステレオカメラ
3a、3b …可視光カメラ
4 … 障害物検出装置
5 … 走路特定部
6 … ステレオ画像作成部
11 … 2値化処理部
12 … 走路推定部
13 … ラベリング部
14 … 走路補正部
16 … 走路マッチング部
17 … ステレオ走路画像作成部
21 … 3次元座標計測部
22 … 障害物判別部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両前方を撮影する赤外線カメラと、
車両前方を撮影するステレオカメラと、
前記赤外線カメラにより撮影された赤外線画像を基に走路を特定する走路特定部と、
前記ステレオカメラにより撮影された各画像に基づいてステレオ画像を作成するステレオ画像作成部と、
前記走路特定部により特定された走路と前記ステレオ画像とに基づいて、前記走路上の障害物を検出する障害物検出部と
を備えた車両用障害物検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車両用障害物検出装置において、
前記走路特定部は、
前記赤外線画像の各画素に対して予め定められた第1閾値を基準として前記各画素を低輝度画素と高輝度画素とに2値化処理する2値化処理部と、
予め定められた領域と前記高輝度画素とが重複する領域を部分走路領域と推定する走路推定部と、
前記部分走路領域と隣接する前記高輝度画素を順にラベリングして仮走路を特定するラベリング部と、
前記仮走路内に含まれる低輝度画素と前記仮走路とを走路として特定する走路補正部と
を有する車両用障害物検出装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の車両用障害物検出装置において、
前記障害物検出部は、
前記ステレオ画像上の前記走路に対応する領域のみ3次元座標を算出して障害物を検出する
車両用障害物検出装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の車両用障害物検出装置において、
前記ステレオ画像作成部は、
前記ステレオカメラにより撮影された各画像において、前記赤外線画像上で特定された前記走路に対応する領域を基に走路のステレオ画像を作成する
車両用障害物検出装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用障害物検出装置において、
前記ステレオ画像作成部は、
前記赤外線画像を基に特定された前記走路の座標位置に対応する前記ステレオカメラが撮影した各画像における走路を特定する走路マッチング部と、
前記ステレオカメラにより撮影された各画像において特定された前記走路を基に前記走路のステレオ画像を作成するステレオ走路画像作成部と
を有する車両用障害物検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車両用障害物検出装置において、
前記障害物検出部は、
前記走路のステレオ画像を基に前記走路の3次元座標を計測する3次元座標計測部と、
前記走路の3次元座標を基に前記走路上の障害物を判別する障害物判別部と
を有する車両用障害物検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用障害物検出装置において、
前記障害物判別部は、
前記走路の3次元座標を基に、奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率を算出し、
前記奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率と予め定められた第2閾値とを比較し、前記第2閾値よりも前記奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率が大きい前記走路の3次元座標上に障害物が有ると判別する
車両用障害物検出装置。
【請求項8】
請求項5に記載の車両用障害物検出装置において、
前記ステレオ画像作成部は、
前記ステレオカメラの少なくとも1つのカメラにより撮影された画像における、前記赤外線画像を基に特定された前記走路に対応する領域のエッジを強調するエッジ強調部を有し、
前記ステレオ走路画像作成部は、特定された前記走路内のエッジが強調された点または線のステレオ画像を作成し、
前記障害物検出部は、前記エッジが強調された点または線上の3次元座標を計測する3次元座標計測部と、
前記エッジが強調された点または線上の3次元座標を基に、奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率を算出し、前記奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率と予め定められた第2閾値とを比較し、前記第2閾値よりも前記奥行き方向に対する車両高さ方向の変化率が大きい前記走路の3次元座標上に障害物が有ると判別する障害物判別部と
を有する車両用障害物検出装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1つに記載の車両用障害物検出装置において、
前記赤外線カメラと前記ステレオカメラとが車幅方向に直線上に配置されている
車両用障害物検出装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1つに記載の車両用障害物検出装置において
前記ステレオカメラは複数の可視光カメラを有する
車両用障害物検出装置。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか1つに記載の車両用障害物検出装置において、
前記赤外線カメラが2個の可視光カメラを有する前記ステレオカメラの各カメラの間に配置されている車両用障害物検出装置。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか1つに記載の車両用障害物検出装置において、
前記赤外線カメラの撮影領域と前記ステレオカメラの少なくとも1つのカメラの撮影領域とが位置合わせされている
車両用障害物検出装置。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1つに記載の車両用障害物検出装置を備えた車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−20543(P2013−20543A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155002(P2011−155002)
【出願日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】