説明

軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法及びその衝撃試験装置

【課題】 準静的荷重下における軌道パッドの衝撃荷重応答特性を把握し、緩衝性能に優れた軌道パッドを得るための軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法及びその衝撃試験装置を提供する。
【解決手段】 軌道パッドの衝撃試験装置において、軌道を模擬した支持部材1と、この支持部材1上に6点に配置される荷重センサ2と、下端が前記荷重センサ2上に配置される6点の締結装置3と、この締結装置3に支持されるレール4と、このレール4と前記締結装置3との間に配置される軌道パッド5と、前記レール4に静止輪重相当の予荷重を加える油圧アクチュエータ6と、前記レール4に衝撃輪重相当の衝撃荷重を加えるための重錘7とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法及びその衝撃試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄道において車両走行に伴いレールと車輪との間で生じる接触力は、レール継目・軌道不整などのレール頭頂面の凹凸、滑走痕(フラット)や多角摩耗などの車輪踏面の凹凸により、静止輪重の数倍になるとされる衝撃輪重(著大輪重ともいう)を生じることが知られている。この接触力は、振動・騒音の増加要因の一つであるだけでなく、道床沈下などの軌道破壊の促進要因となるため、その低減が求められている。この対策として、車両のばね下荷重の低減や軌道の低ばね化があり、軌道側の具体的な対策では弾性まくらぎやバラストマット(スラブ区間ではスラブマット)等の導入が行われている。軌道パッドの低ばね化は、施工性やコスト面のメリットが比較的大きいことから、接触力低減対策の一つとして期待されている。その一方で、衝撃荷重に対する挙動は、軌道パッドが持つ非線形性の影響により、静的特性や定振幅の正弦波加振での特性と異なるため、これまで未解明な部分が多かった。このため、衝撃荷重に対する軌道パッドの緩衝性能に関しても、定量的な評価が十分に成されてきたとは言えない状況にあり、衝撃荷重下の特性の解明に基づく緩衝性能の定量的な評価が望まれていた。
【0003】
さらに、レール交換時に同時に交換されることが一般的な軌道パッドの緩衝性能について、その経年影響や軌道全体の系としての延命化への効果も踏まえて、長寿命化に寄与する素材や形状に関する検討が求められていた。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】佐藤吉彦、梅原利之 編,「線路工学」,日本鉄道施設協会,1987年2月
【非特許文献2】鈴木 実,半坂 征則,間々田 祥吾,矢口 直幸,研究開発テーマ報告,「衝撃荷重下における軌道パッドの動的挙動の解明」,財団法人 鉄道総合技術研究所,No.N492042R,平成19年7月19日
【非特許文献3】梅田静也,国光芳臣,大石不二夫,渡辺正夫,鉄道技術研究所速報「新材質軌道パッドの開発試験」,No.A−84−188,1984年12月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、本発明では、実軌道において想定される荷重分散等の荷重条件を考慮した室内衝撃試験装置を試作し、これによる軌道パッドの衝撃荷重応答特性の解析を行うとともに、経年品の特性や緩衝性能に関する調査や非線形動的構造解析ソフトを用いた数値解析により、緩衝性能の経年変化が少ない素材と形状に関する検討を行うこととした。
本発明は、上記状況に鑑みて、準静的荷重下における軌道パッドの衝撃荷重応答特性を把握し、緩衝性能に優れた軌道パッドを得るための軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法及びその衝撃試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法において、列車走行に伴い載荷される列車の静止輪重に相当する予荷重を負荷するとともに、荷重分散の効果を高めるレールの6点締結支持を行い、軌道パッドの衝撃荷重応答を測定することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法において、前記軌道パッドの温度管理を行うことを特徴とする。
【0007】
〔3〕上記〔2〕記載の軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法において、前記軌道パッドの温度管理はこの軌道パッドに設置された冷媒循環システムによって行うことを特徴とする。
〔4〕軌道パッドの衝撃試験装置において、軌道を模擬した支持部材と、この支持部材上に6点に配置される荷重センサと、下端が前記荷重センサ上に配置される6点の締結装置と、この締結装置に支持されるレールと、このレールと前記締結装置との間に配置される軌道パッドと、前記レールに静止輪重相当の予荷重を加える油圧アクチュエータと、前記レールに衝撃輪重相当の衝撃荷重を加えるための重錘とを具備することを特徴とする。
【0008】
〔5〕上記〔4〕記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記重錘は車輪を模擬した先端がφ860mmの円弧形状に形成されることを特徴とする。
〔6〕上記〔5〕記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、衝撃荷重に対する前記軌道パッドの緩衝性能を、前記荷重センサによりレール圧力を測定することによって評価することを特徴とする。
【0009】
〔7〕上記〔4〕記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記軌道パッドとしてエチレンプロピレンゴムからなるばね品を用いることを特徴とする。
〔8〕上記〔4〕記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記軌道パッドの温度管理手段を備えることを特徴とする。
〔9〕上記〔8〕記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記温度管理手段が前記軌道パッドに設置された冷媒循環システムであることを特徴とする。
【0010】
〔10〕上記〔9〕記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記冷媒循環システムは、前記軌道パッドを挟み込むように配置されたアルミニウムプレート内に冷媒を循環させるものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、準静的荷重下における軌道パッドの衝撃荷重応答特性を把握し、緩衝性能に優れた軌道パッドを得るための軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法及びその衝撃試験装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】レール圧力に対する道床沈下量の算定例を示す図である。
【図2】本発明の実施例を示す緩衝性能評価方法に用いる衝撃試験装置を示す図である。
【図3】本発明に係る衝撃試験におけるレール圧力波形の比較を示す図である。
【図4】本発明に係る衝撃試験における予荷重のレール圧力への影響を示す図である。
【図5】本発明に係る衝撃荷重に対するレール圧力波形の比較を示す図である。
【図6】軌道パッド経年品(2007年度発生品)の劣化特性調査の結果を示す図である。
【図7】軌道パッド経年品(2000年度発生品)の劣化特性調査の結果を示す図である。
【図8】軌道パッド経年品のレール圧力に対する静的ばね定数と減衰係数の関係を示す図である。
【図9】溝付形状の軌道パッドの応力分布状態を示す図である。
【図10】内部発泡平板状の軌道パッドの応力分布状態を示す図である。
【図11】軌道パッドの素材と周波数応答特性を示す図である。
【図12】レール圧力に対する静的ばね定数と減衰係数の影響を示す図である。
【図13】本発明の実施例を示す軌道パッドの温度管理装置の分解斜視図である。
【図14】本発明の実施例を示す軌道パッドの温度管理装置のレールへの固定状態を示す図面代用写真である。
【図15】本発明の実施例を示す軌道パッドの冷媒循環システムを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法は、列車走行に伴い載荷される列車の静止輪重に相当する予荷重を負荷するとともに、荷重分散の効果を高めるレールの6点締結支持を行い、軌道パッドの衝撃荷重応答を測定する。
【実施例】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、軌道パッドの準静的荷重下における衝撃荷重応答特性について説明する。
列車走行時の動的輪重は、車輪踏面やレール頭頂部の凹凸などの原因により、静止輪重の数倍に及ぶとされる衝撃輪重を生じることがあり、軌道破壊を促進することが知られている。
【0015】
図1はレール圧力に対する道床沈下量の算定例を示す図である。
これらの図において、図1(a)は軌道破壊理論のモデルを示す図であり、道床や路盤の沈下などの軌道破壊がレール圧力(輪重の印加に伴う)に起因することを示している。図1(b)は図1(a)の理論による計算の一例を示す通トンと道床沈下量との関係を示す図であり、道床沈下量が通トン(列車輪重の積算のようなもの)の増加に伴って増大することを示している(上記非特許文献1参照)。これにより、軌道系の延命化には、道床沈下などの軌道破壊を抑制することが有効であることがわかる。よって、定常時のみならず衝撃輪重発生時においても、レール圧力を低減させることが有効な対策と言える。したがって、衝撃荷重下での軌道パッドの応答特性に関して緩衝性能を評価することは、衝撃荷重に対するレール圧力を評価することに他ならないと考えられる。
【0016】
1 ∝v√(kH T1) …(1)
2 ∝v√(kT2u ) …(2)
一方、衝撃輪重は、上記式(1)のP1 と式(2)のP2 の2つのピーク波形をもち、それぞれ、P1 が車輪とレールの間の面接触に伴い最初に現れる作用時間が数msの鋭いピーク、P2 がP1 に続いて現れる軌道全体のばね質量系に関わる応答ピークである。P2 の作用時間はP1 よりも10倍程度長いといった特徴があるとされる。ここで、P1 ,P2 は衝撃輪重(N)、vは列車速度(m/s)、kH はヘルツ接触剛性(N/m)、mT1は衝撃輪重P1 の発生に関わる軌道(主にレールと考えられる)の有効質量(kg)、kT2は軌道の剛性(N/m)、mu は衝撃輪重P2 の発生に関わる軌道(主に締結装置より下部の軌道構造と考えられる)の有効質量(kg)である。
【0017】
上記式(2)によると、レール圧力の低減には、軌道の剛性kT2や軌道の有効質量mu を小さくすることが有効であることがわかる。軌道の剛性kT2や軌道の有効質量mu を小さくする具体的な対策としては、弾性まくらぎなどを用いた軌道の低弾性化やバラストマット(スラブマット)による振動遮断(ばね質量系を分離し、軌道の有効質量を小さくする効果を期待)がある。軌道パッドの低ばね定数化もこの中で有効な対策の一つであり、施工が比較的容易であることなどの長所がある。しかしながら、軌道パッドの低ばね定数化に対しては、定量的な評価手法が定まっていないこともあり、その有効性は必ずしも明確ではない。そこで、軌道パッドの衝撃荷重応答を評価するための室内衝撃試験装置を試作し、これによる緩衝性能評価手法を開発した。
【0018】
従来、軌道パッドの荷重応答特性の評価には、静的圧縮変形試験による静的ばね定数や動特性試験での定振幅の正弦波加振による動的ばね定数と減衰定数の測定が行われていた。しかしながら、これらの静的もしくは数十Hzまでの試験では、非線形性を有する軌道パッドに対する衝撃荷重、すなわち、周波数領域において数kHzに及ぶ俊敏な荷重の応答特性を正確に評価することは困難であると考えられる。事実、後述するように軌道パッドの応答特性は静・動的ばね定数のみでは評価できないことが、新たに開発した試験装置を用いた試験結果により明らかにされている。
【0019】
この状況を考慮して、上記非特許文献2においては、3点までの締結装置でもってレールを支持する衝撃試験装置を提案した。しかしながら、実軌道において軌道パッドに負荷される条件を想定すると、(1)軌道パッドによる荷重分散の効果や、(2)列車通過時の静止輪重に相当する荷重である予荷重の影響、に関して条件の設定が不十分もしくは不可能であり、これらの点を考慮した衝撃試験装置の改良が不可欠であった。
【0020】
図2は本発明の実施例を示す緩衝性能評価方法に用いる衝撃試験装置を示す図である。
この図において、1は軌道を模擬した支持部材、2は支持部材1上に6点に配置される荷重センサ、3は下端が荷重センサ2上に配置される6点の締結装置(直結8形締結装置)、4は60kgレール、5はレール4と締結装置3との間に配置される軌道パッド、6は静止輪重相当の予荷重を加える油圧アクチュエータ(予荷重載荷機能:最大100kN)、7は衝撃輪重相当の衝撃荷重を加えるための重錘である。
【0021】
この衝撃試験装置により、実軌道で想定される軌道パッド5の荷重分散効果や静止輪重に相当する予荷重の影響を考慮することが可能となる。
評価対象とする軌道パッド5を衝撃試験装置に設置し、先端がφ860mmの円弧形状の重錘(模擬車輪)7をレール4上に落下させ、6点の締結装置3に伝達する衝撃力(レール圧力)を荷重センサ2で測定した。表1に試験条件を示す。
【0022】
【表1】

表1において、条件1は、従来の試験方法である。また、条件2は6締結装置支持の条件とし、さらに、条件3では、締結装置支持に加えて、予荷重を加える油圧アクチュエータ6により、予荷重35kNを加えた条件とした。これにより、軌道パッド5の衝撃荷重応答に対する荷重分散及び予荷重の影響を検討した。
【0023】
図3は本発明に係る衝撃試験におけるレール圧力波形の比較を示す図であり、横軸は時間(ms)、縦軸はレール圧力(kN)を示す。また、図4は本発明に係る衝撃試験における予荷重のレール圧力への影響を示す図であり、横軸は予荷重(kN)、縦軸はレール圧力(kN)を示す。
図3において、1締結装置支持の場合では、荷重分散がないため、6締結装置支持に比べて2倍程度レール圧力は大きくなることがわかる。また、予荷重を加えた後に衝撃荷重を加えた場合では、レール圧力の最大振幅が大きくなることがわかる。レール圧力と予荷重の関係を定量評価した結果、図4に示すように、レール圧力は予荷重の増加に対して指数関数的に増加することが示された。作用時間に関しては、予荷重を加えた場合には加えない場合に比べて減少する傾向を示す一方で、レール支持条件については1締結支持と6締結支持とで差異は小さいことが認められた。
【0024】
以上の結果より、軌道パッドの衝撃荷重応答に対する予荷重や荷重分散の影響が明確であり、応答特性の評価にはこれらの条件を考慮することが不可欠と判断された。
次に、提案する衝撃試験装置による試験結果を数値解析結果と比較することによって、試験方法の妥当性等について検証した。数値解析は、衝撃試験装置を簡易にモデル化し、汎用非線形動的構造解析ソフトLS−DYNAを用いて軌道パッドの衝撃荷重応答解析を行った。解析に用いる入力パラメータは、動的ばね定数などの軌道パッドの各種物性値のほか、衝撃試験装置による測定結果も一部用いた。その他の解析条件は、衝撃試験と同じ重錘質量500kg、予荷重35kN、落下高さ10mmとした。
【0025】
図5は本発明に係る衝撃荷重に対するレール圧力波形の比較を示す図であり、図5(a)に衝撃荷重応答のレール圧力の数値解析結果と衝撃試験装置による試験結果を示す。これらの時間波形は、ともに軌道パッドの衝撃荷重応答挙動と考えられる以下の特徴を示した。まず、重錘とレールの衝突に伴う最初のピークは、上記式(1)で表される衝撃輪重P1 に相当するもので、ヘルツの接触ばねに関する応答ピークと考えられる。次に現れる大きなピークは、上記式(2)で現される衝撃輪重P2 に相当するもので、軌道全体のばね・質量系に関わる応答ピークと考えられる最大値を示す。その後は、予荷重レベルまで低下した後に微少な増減を繰り返し、やがてレール圧力の変動は収束に向かう。このように、レール圧力の時間波形は、試験結果と数値解析結果でその傾向が一致するとともに、作用時間やレール圧力の大きさも比較的近い値を示した。衝撃荷重応答の軌道パッド変位(タイプレートとレール底部間変位)に関しては、図5(b)に示すように、衝撃輪重P1 に相当する明確なピークは認められず、軌道パッドの変位が主に衝撃輪重P2 に連動して生じるものと推察された。その大きさに関しては、40kN前後のレール圧力に対して0.5mm程度と小さく、レール圧力に対しては減衰の影響が相対的に大きくなる傾向を示す結果と考えられる。これらの結果においても、試験結果と数値解析結果とがほぼ一致したことから、このような挙動が軌道パッドの変位に関する衝撃荷重応答の特徴であるものと考えられる。
【0026】
以上の結果により、開発した衝撃試験装置は、これまで推定していた軌道パッドの衝撃荷重応答が再現できることに加え、緩衝性能評価や形状検討等への活用が可能と判断された。
次に、軌道パッドの経年劣化特性の調査について説明する。
表2と表3に対象とした経年品の内容を示す。
【0027】
【表2】

【0028】
【表3】

経年品は、いずれも新幹線軌道に敷設されていたスチレン・ブタジエンゴム(SBR)製で、公称ばね定数60MN/m、寸法形状は長さ180×幅140×厚さ10mmの溝付き形状である。表2の径年品は、2007年度の新幹線軌道からの発生品20枚である。これらの経年品は、一般部、溶接箇所、高架継目箇所の3つの異なる敷設環境におかれた経年品である。これに対して表3の経年品は、2000年度の新幹線軌道から発生した経年品である。
【0029】
本発明では、敷設環境の異なる軌道パッドの経年品の特性調査を行うことにより、推定される環境に基づき、軌道パッドの劣化因子を把握することを目的としている。
経年品の劣化特性については(1)外観、(2)寸法、(3)静的ばね定数、(4)動特性(動的ばね定数、減衰係数)などの項目について調査を行ったが、本発明では緩衝性能との関係に主眼をおくことを考慮して、(3)と(4)の項目について中心に述べる。
【0030】
静止ばね定数については、JISE1117に準拠した静的圧縮変形試験を(株)島津製作所製の材料試験機AGIS300kNを用いて行った。試験速度2kN/sで供試品に圧縮荷重を加え、10kNから50kN区間の圧縮時の変形量から静的ばね定数を求めた。
一方、動特性については、(株)鷺宮製作所製の軌道パッド動ばね試験機を用い、平均荷重30kN,荷重振幅±20kNで1Hzから50Hzまで繰り返し荷重を加え、動的ばね定数と減衰係数の周波数特性を求めた。
【0031】
図6は軌道パッド経年品(2007年度発生品)の劣化特性調査の結果を示す図であり、図6(a)は厚さ(mm)と静的ばね定数(MN/m)の関係を示す図、図6(b)は厚さ(mm)と減衰係数(MN・s/m)の関係を示す図である。
まず、敷設箇所と軌道パッドの経年変化について考察する。調査の結果、経年品では、標準寸法や公称ばね定数に比べて厚さは数%程度小さく(厚さの減少と推定)、静的ばね定数が大きい(静的ばね定数の増加と推定)等、寸法やばね値の変化傾向が認められた。そこで、厚さと静的ばね定数の相関分析を行った結果、図6(a)に示すような比較的強い相関が見られた。特に、動的輪重が大きいことが想定される溶接箇所では、厚さが小さく、静的ばね定数が大きいものが目立つことがわかる。輪重変動は、レールの凹凸や軌道不整の大きさに依存するため、これらの箇所で画一的に生じるものではない。このため、明確な傾向は認められないが、動的輪重の大きさや発生頻度などの荷重履歴により、塑性変形を伴うばね定数の増加が生じていることが推察される。一方、動特性に関しても、動的ばね定数では、厚さとの相関性などについて、静的ばね定数とほぼ同様の傾向が得られている。減衰係数については、図6(b)に示すように、その変化は総じて小さく、厚さに対する相関性も弱いものと評価される。
【0032】
以上の結果から、軌道パッドの経年影響では、動的輪重等の荷重履歴が因子の一つとなり、塑性変形による厚さの減少とばね定数の増加をもたらすと考えられる。
図7は軌道パッド経年品(2000年度発生品)の劣化特性調査の結果を示す図であり、図7(a)は敷設期間(年)と静的ばね定数(MN/m)の関係を示す図、図7(b)は敷設期間(年)と減衰係数(MN・s/m)の関係を示す図である。
【0033】
これらの経年品は、トンネル区間と明かり区間からの発生品であり、敷設環境のレール温度や日射条件などの温度(熱)履歴は両者間で大きく異なる。同一製品では、静的ばね定数と敷設期間との間に比較的高い相関が得られている。その傾きは、明かり区間の発生品では明らかに大きく、敷設期間10年で静的ばね定数が2倍程度異なり、剛性が顕著に増加する傾向が認められる。別の調査においても、雰囲気温度を変えた促進疲労試験の結果では、より高い温度条件においてばね定数の増加が顕著となる傾向が確認されている。
【0034】
一方、図7(b)に示すように動特性試験により得られた減衰係数に関しても、明かり区間からの発生品では経年に伴う減衰係数の増加傾向が明確となり、その相関性も強いことがわかる。これより、明かり区間における軌道パッドの変化は、単に静的ばね定数が増加するだけではなく、熱履歴の影響による粘弾性の変化を伴ったゴム材の変質が関与していることが推察される。
【0035】
以上の結果から、直射日光によりレール温度の上昇が大きい明かり区間では、減衰係数の増加を伴うばね定数の増加により、その緩衝性能が低下すると考えられる。夏場のレール温度が60℃以上となる例も報告されており、軌道パッドの特性を安定的に維持するためには耐熱性の向上が必須と結論づけられる。
上記のような軌道パッドの経年品について、図2に示す衝撃試験装置を用いて衝撃荷重に対するレール圧力の測定により緩衝性能を評価した。表4に主な試験条件を示す。
【0036】
【表4】

なお、ここでの供試体は2007年度発生品を用いた。
図8は軌道パッド経年品のレール圧力に対する静的ばね定数と減衰係数の関係を示す図である。
【0037】
経年品ではB(対象)品以外の未使用品に比べてレール圧力が1.5倍程度大きい結果が得られた。一般的なばねと減衰の系では、剛性と減衰係数の増加により緩衝性能が低下することが知られている。このため、レール圧力と静的ばね定数との相関分析を行った結果、図8(a)に示すような全体としての緩やかな相関が見られた。しかし、経年品に限って考えると、敷設箇所が異なり静的ばね定数が異なる場合でも、レール圧力は概ね120kN前後の値を示し、敷設箇所の違いを明確に反映する結果は得られなかった。減衰係数に関しても、図8(b)に示すように、レール圧力との間に全体として緩やかな相関は認められるが、経年品についてはどの敷設箇所品でも概ね0.11kN・s/m前後の値を示した。
【0038】
このように、本試験結果では、軌道パッドの経年に伴い緩衝性能が低下することが確認できたが、溶接部などの敷設環境の影響を明確に解析することはできなかった。
以上の結果により、軌道パッドは経年に伴うばね定数の増加など、剛性や減衰係数の増加に伴い緩衝性能が低下する傾向が明らかとなった。このため、軌道パッドの緩衝性能を維持するためには、その要因と考えられる(1)軌道の動的輪重の緩和と、(2)レール温度の影響の緩和が求められる。これらの対策として、(1)では車両のばね下荷重の低減や軌道の低弾性化が有効であり、(2)では軌道パッドの耐熱性の向上またはレール温度の低減が挙げられる。軌道パッドによる対応が可能な対策としては、(1)では緩衝性能の向上があり、(2)では耐熱性の向上が考えられる。ここで、(1)については、ばね定数や減衰係数の低下が有効と考えられる。しかしながら、軌道パッドの緩衝性能の向上は、低ばね化のみでは十分と言えず、衝撃試験装置等による検証が必要と考えられる。
【0039】
以上の定性的な検討の結果を踏まえ、軌道パッドの素材と形状の検討を以下のとおり行った。
軌道パッドの緩衝性能を長期間維持するためには、上述のように軌道パッドに対する動的輪重等の荷重履歴を軽減するとともに、局部的な応力の集中をなくすことが重要と考えられる。そこで、上記した数値解析手法に基づき、異なる形状や材質の軌道パッドモデルに対する衝撃荷重作用時の応力分布に関する検討を行った。
【0040】
図9は溝付形状の軌道パッドの応力分布状態を示す図、図10は内部発泡平板状の軌道パッドの応力分布状態を示す図である。
図9と図10に形状の異なる軌道パッドにおける最大応力発生時の応力分布を示す。解析の結果、図9の溝付の凹凸形状では、溝の角や隅で応力の高い部分が局部的に現れた。これらの箇所では、過去の調査において寸法変化の原因となる塑性変形などの変状が目立つ傾向にあり、構造上の弱点箇所となっている。一方、図10に示した内部発泡平板状の構造では応力分布は比較的均一となり、形状変化の発生が少ないことが予測された。
【0041】
軌道パッドの衝撃荷重応答評価について、従来の数十Hzの動特性試験機では評価が不十分であることを既に述べた。これに対し、近年、数百Hzオーダーまでの動特性試験機を用いた評価が試みられている。このような装置においても、加振力は正弦波等の定振幅加振であるため、衝撃荷重のような不規則波形の再現は困難であり、また、荷重速度、即ち作用時間に関してもkHzオーダーの衝撃荷重を再現するものではないが、上述の静的ばね定数および数十Hzの動特性試験に比べれば作用時間に関してずいぶんと衝撃荷重に近い条件が得られる。このため、軌道パッドの材料選定に向けた基礎的検討として、衝撃荷重相当の荷重速度に対する特性評価の観点から、高周波動特性試験機による評価を行なった。
【0042】
周波数応答試験では、表5に示す異なる素材からなる供試品について検討を行った。これらの素材は、代表的なゴム材料の中で過去に軌道パッドとして敷設あるいは検討された実績を有するものである。
【0043】
【表5】

試験は(株)鷺宮製作所製の動特性試験機を用い、表6の試験条件による周波数応答試験を行い、貯蔵ばね定数(動的ばね定数)と減衰係数に関する検討を行った。
【0044】
【表6】

図11は軌道パッドの素材と周波数応答特性を示す図である。
図11(a)に示すように、軌道パッドに用いられる各種素材では、発泡ポリウレタンゴム(PUR)、エチレンプロピレンゴム(EPDM)の貯蔵ばね定数とその周波数依存性が比較的小さく、これらの緩衝性能が高いことが予測される。一方、減衰係数は、図11(b)に示すように、PURやEPDMで小さくなっている。この結果、減衰係数が小さいPURやEPDMにおいて、貯蔵ばね定数の周波数依存性が低く緩衝性能が高いと予測された。
【0045】
上記の検討の結果、貯蔵ばね定数の周波数特性からPURやEPDMの緩衝性能が高いことが予測された。これらの供試品も含め、材質や剛性などの異なる複数の供試品について、実用化に向けた基礎的評価として、衝撃試験装置による緩衝性能の評価を行った。
供試体の緩衝性能の評価は、上記した衝撃試験装置による緩衝性能評価手法を用いて、衝撃荷重に対するレール圧力の測定により緩衝性能を評価した。
【0046】
図12はレール圧力に対する静的ばね定数と減衰係数の影響を示す図である。
ここでは測定したレール圧力(kN)を供試体の静的ばね定数(MN/m)とともに整理した結果を図12(a)、減衰係数(MN・s/m)とともに整理した結果を図12(b)に示す。これらの図に示すように、レール圧力と静的ばね定数には、経年品の衝撃性能試験の結果と同様に緩やかな相関が認められる。その一方、静的ばね定数が同等の供試品でもレール圧力が1.5倍程度異なる結果が得られている。この理由として、これまで述べた試験結果等も考え併せると、軌道パッドの緩衝性能は剛性に依存するだけでなく、減衰による影響等剛性以外の因子の影響も無視できないことが明らかとなった。このため、軌道パッドの緩衝性能評価を的確に行うためには、実軌道の力学条件を考慮した本発明による手法により、軌道パッドの衝撃荷重応答を直接的に評価することが欠かせないものと考える。この手法を用いた評価の結果、PURなどの従来素材の低ばね軌道パッドに比べ、EPDM製の低ばね品の緩衝性能が高いことが示唆された。
【0047】
このEPDMは、既に工業製品等において屋外環境での耐熱性や耐候性などの耐久性が実証されている材料である。鉄道では、従来より軌道パッドとしての敷設試験等の実績(上記非特許文献3参照)があり、耐久性能が認められてきた材料の一つであるが、耐油性が課題となり実用化に至らなかった経緯がある。一方、欧州では既に高速鉄道新線(ICE)において実用化されている。これらのことから、実軌道における耐油性に関する評価を的確に行うことにより上記の課題を克服し得るものと考えられる。これにより、緩衝性能の経年変化が少なく、かつ軌道系の延命化にも有効な軌道パッド用材料として、内部発泡構造による低剛性エチレンプロピレンゴム(EPDM)材が提案される。
【0048】
図13は本発明の実施例を示す軌道パッドの温度管理装置の分解斜視図、図14はそのレールへの固定状態を示す図面代用写真を示す図、図15は軌道パッドの冷媒循環システムを示す模式図である。
軌道パッドは高分子材料のため温度の影響が大きく、この軌道パッドの性能を精度良く評価するためには温度を管理した状態で評価する必要がある。ところが、衝撃試験装置を全体的に温度管理することは困難であるため、本発明では、冷媒システムによって軌道パッドの部分を集中的に温度管理するようにした。
【0049】
上記図2に示すように、レール4の下部には軌道パッド5が配置されており、この軌道パッドの温度管理装置17は、図13に示すように、軌道パッド11を挟むように上部アルミニウムプレート12と下部アルミニウムプレート13が配置され、上部アルミニウムプレート12には冷媒循環孔12Aが、下部アルミニウムプレート13には冷媒循環孔13Aがそれぞれ形成されており、二次冷媒を循環させるように構成されている。さらに、上部アルミニウムプレート12上には断熱板としてのベーク板15が、下部アルミニウムプレート13の下部には断熱板としてのベーク板16が配置される。このように構成された軌道パッドの温度管理装置17は、図14に示すように、タイプレート18及び板ばね19によりレール14に固定される。
【0050】
この軌道パッドの温度管理のための冷媒循環システムは、図15に示すように、軌道パッド11の中央部に配置される温度を把握するための温度センサ20、冷凍機(一次冷媒フロンR404A)21、冷却器22、二次冷媒(例えば、エチレングリコールやメチレングリコール)を循環させるポンプ23、温度管理装置17の冷媒循環孔12Aや13Aに二次冷媒を供給し循環させるための配管24,25、三方弁26から構成される。ここでは、例えば、−30℃〜−20℃に管理した二次冷媒を最大30〜40l/minで循環させる。
【0051】
このように、本発明によれば、
(1)従来の衝撃試験装置を改良することによって、軌道パッドによる荷重分散と列車接近に伴い載荷される列車の静止輪重に相当する予荷重の影響を考慮した衝撃試験装置を提案し、衝撃試験を可能にした。上記した衝撃試験装置により衝撃試験を行った結果、軌道パッドの衝撃荷重応答に対する荷重分散と予荷重の影響が明確であることを確認した。また、数値解析による衝撃応答波形と比較した結果、試験波形が理論どおりの特性を示し、本発明の衝撃試験装置による衝撃応答の試験結果が妥当であることが推察された。
【0052】
(2)軌道パッドの経年品について特性調査を行った結果、経年による塑性変形を伴う静的ばね定数など剛性の増加が認められた。経年品の寸法とばね定数の相関分析を行った結果、特に厚さと静的ばね定数の間に比較的強い相関が認められ、静的ばね定数の増加に対する塑性変形の寄与が大きいことが推定された。
また、明かり区間の軌道パッドの経年品において、静的ばね定数・動的ばね定数及び減衰定数の増加が明確で、レール温度が軌道パッドの経年劣化に与える影響が大きいことが分かった。
【0053】
このような軌道パッドの経年品の緩衝性能を本発明の衝撃試験装置により評価した結果、経年品ではレール圧力が未使用品よりも1.5倍程度大きいものがあり、軌道パッドの経年劣化に伴う緩衝性能の低下が確認された。
(3)緩衝性能の経年劣化が少ない軌道パッド形状の検討のために、非線形動的構造解析ソフトを用いて数値解析を行った結果、溝付の凹凸形状では溝部の角などに応力の高い部分が局部的に現れ、軌道パッドの長期使用において弱点となり得る要素を有する一方で、平板状においては応力分布が均一で有利であることが分かった。
【0054】
一方、各種素材を用いた軌道パッドの供試体に対し高周波数範囲までの動特性試験を行った結果、ポリウレタンゴム(PUR)及びエチレンプロピレンゴム(EPDM)の低ばね品が、貯蔵ばね定数及び減衰係数がともに高周波数範囲に至るまで低い値を保持し、緩衝性能が高いことが分かった。各種素材を用いた供試体に対し衝撃試験装置により緩衝性能を評価した結果、ポリウレタンゴム(PUR)などの従来素材の低ばね軌道パッドに比べ、エチレンプロピレンゴム(EPDM)低ばね品の緩衝性能が高いことが分かった。
【0055】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明の軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法及びその衝撃試験装置は、準静的荷重下における軌道パッドの衝撃荷重応答特性を把握し、緩衝性能に優れた軌道パッドを得るための軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法及びその衝撃試験装置として利用可能である。
【符号の説明】
【0057】
1 支持部材(ベッド)
2 荷重センサ
3 締結装置
4,14 レール
5,11 軌道パッド
6 油圧アクチュエータ
7 重錘
12 上部アルミニウムプレート
13 下部アルミニウムプレート
12A,13A 冷媒循環孔
15,16 ベーク板
17 温度管理装置
18 タイプレート
19 板ばね
20 温度センサ
21 冷凍機
22 冷却器
23 ポンプ
24,25 配管
26 三方弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車走行に伴い載荷される列車の静止輪重に相当する予荷重を負荷するとともに、荷重分散の効果を高めるレールの6点締結支持を行い、軌道パッドの衝撃荷重応答を測定することを特徴とする軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法。
【請求項2】
請求項1記載の軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法において、前記軌道パッドの温度管理を行うことを特徴とする軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法。
【請求項3】
請求項2記載の軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法において、前記軌道パッドの温度管理は該軌道パッドに設置された冷媒循環システムによって行うことを特徴とする軌道パッドの衝撃荷重応答評価方法。
【請求項4】
(a)軌道を模擬した支持部材と、
(b)該支持部材上に6点に配置される荷重センサと、
(c)下端が前記荷重センサ上に配置される6点の締結装置と、
(d)該締結装置に支持されるレールと、
(e)該レールと前記締結装置との間に配置される軌道パッドと、
(f)前記レールに静止輪重相当の予荷重を加える油圧アクチュエータと、
(g)前記レールに衝撃輪重相当の衝撃荷重を加えるための重錘とを具備することを特徴とする軌道パッドの衝撃試験装置。
【請求項5】
請求項4記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記重錘は車輪を模擬した先端がφ860mmの円弧形状に形成されることを特徴とする軌道パッドの衝撃試験装置。
【請求項6】
請求項5記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、衝撃荷重に対する前記軌道パッドの緩衝性能を、前記荷重センサによりレール圧力を測定することによって評価することを特徴とする軌道パッドの衝撃試験装置。
【請求項7】
請求項4記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記軌道パッドとしてエチレンプロピレンゴムからなるばね品を用いることを特徴とする軌道パッドの衝撃試験装置。
【請求項8】
請求項4記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記軌道パッドの温度管理手段を備えることを特徴とする軌道パッドの衝撃試験装置。
【請求項9】
請求項8記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記温度管理手段が前記軌道パッドに設置された冷媒循環システムであることを特徴とする軌道パッドの衝撃試験装置。
【請求項10】
請求項9記載の軌道パッドの衝撃試験装置において、前記冷媒循環システムは、前記軌道パッドを挟み込むように配置されたアルミニウムプレート内に冷媒を循環させるものであることを特徴とする軌道パッドの衝撃試験装置。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図15】
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【図2】
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【図3】
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【図9】
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【図10】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−77506(P2012−77506A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−223494(P2010−223494)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 第233回鉄道総研月例発表会(財団法人 鉄道総合技術研究所主催、平成22年4月21日)
【出願人】(000173784)公益財団法人鉄道総合技術研究所 (1,666)
【Fターム(参考)】